JP5685325B2 - 接線方向切削インサート - Google Patents

Description

本発明は、ミーリングカッターに装着される切削インサートに関する。

ミーリング加工は、通常、多数の切削インサートがミーリングカッターの側面に付着し、被削材を加工するようになるので、切削深さと切削インサートの形状によってその切削性が顕著に異なる。

従来、正方形の板状切削インサートをミーリングカッターの側面に多数装着し、深い溝または断面を加工したが、インサートの形状に起因して、高い切削負荷が発生し、また、相対的に使用可能な切削エッジが少なくて非経済的であり、複数の切削インサートを使用しようとする場合には、インサートプロファイルの不連続性に起因して、被削面の品質が低下するという問題があった。切削インサートは、ミーリングカッターの円周方向だけでなく、軸方向にも多数個装着されて使用され、この際、軸方向に未切削部位が発生しないようにインサートの切削刃と切削刃が相互オーバーラップ（Ｏｖｅｒｌａｐ）されるように装着される。この際、オーバーラップされる部位で鋭い形状の切削エッジ端部に起因して被削面に傷が発生するか、または切削エッジの端部が損傷されれば、隣接する切削エッジも同時に損傷されるので、切削インサートの寿命が低下するという問題がある。

本発明は、被削材を加工するとき、被削面に傷が発生せず、切削抵抗が低く、製造コストが低い水平方向切削インサートを提供する。

本発明は、また、水平方向インサートの主切削エッジの剛性が向上し、使用寿命を向上させるためのものである。

本発明の実施例によるインサートは、上面及び下面と互いに対向する２つの対の側面を有する六面体形状よりなり、前記上面及び下面の側面に対する境界に主切削エッジが形成され、前記上面及び下面の中心部を貫通するスクリューホールを有するインサートであって、前記上面及び下面は、互いに平行する平坦面であり、前記各側面は、上部から順次に上部ランド部、上部内向き傾斜部、平面支持部、下部内向き傾斜部、及び下部ランド部を含んでなり、隣接する両側面の間には、それぞれ上面及び下面に対する境界に端部エッジを形成する端部面が備えられることを特徴とする。

本発明の実施例によるインサートの上部内向き傾斜部及び下部内向き傾斜部は、外側に凸状の曲面であることを特徴とする。

本発明の実施例によるインサートの端部面は、平坦面または横方向に凸状の曲面であることを特徴とする。

本発明の実施例によるインサートの各平面支持部の中央部には、アンダーカットが形成されることを特徴とする。

本発明の実施例によるインサートの各主切削エッジは、中央エッジ部と、前記端部エッジに隣接し、中央エッジ部の両方の外側に配置される外側エッジ部とに区分され、前記外側エッジ部の曲率半径が前記中央エッジ部の曲率半径より小さいことを特徴とする。

本発明は、主切削エッジの剛性を増大させる効果を有し、切削抵抗を減少させて、切削性能を向上させる。特に、切削チップを外側に制御し、インサートの露出部を保護する効果を有する。本発明によるインサートは、ミーリングカッターのポケットに安定的な装着が容易であるという効果を有する。本発明の切削インサートは、高度のパンチング精密度を要求せずに製造が可能なので、製造コストが低いという効果がある。

好ましくは、本発明のインサートは、対称される形状を有するので、８個の使用可能な主切削エッジを提供し、インサートの寿命が向上するという効果を有する。本発明の切削インサートは、被削面に傷が発生せず、さらに安定的な切削を行うことができる。

図１は、本発明の一実施例による切削インサートの斜視図である。 図２は、本発明の一実施例による切削インサートが装着されたミーリングカッターの斜視図である。 図３は、図１の切削インサートのＡ−Ａ線に沿う断面図である。 図４は、図１の切削インサートのＢ−Ｂ線に沿う断面図である。 図５は、本発明の一実施例による切削インサートの水平断面図である。 図６は、本発明の一実施例によるインサートのオーバーラップされたプロファイルである。

以下では、本発明による具体的な実施例が説明される。しかし、本発明は、様々な形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。本発明に添付された図面は、説明の便宜のためのものであって、相対的な尺度は、誇張されるかまたは変更されることができ、本発明の特徴をさらに明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略された。

図１は、本発明の実施例によるインサートの斜視図である。このようなインサートは、図２に示されたような方式でスクリューで固定し、ミーリングカッターに接線方向に装着されるので、接線方向（ｔａｎｇｅｎｔｉａｌ）インサートと称される。

本発明の実施例によるインサートは、互いに対向する上面５００及び下面６００と、互いに対向する２つの対の側面１００、２００、３００、４００とを有する六面体形状よりなり、上面５００または下面６００が側面１００、２００、３００、４００に会う境界に主切削エッジ１１０、１７０、４１０、４７０が形成され、前記上面５００及び下面６００の中心部を貫通するスクリューホール９００を有する。

前記上面５００及び下面６００は、互いに平行する平坦面である。インサートの装着方向によって被削材に接触する面が上面として称され、ミーリングカッターボディーに向かう面が下面として称され、インサートの上下が形状によって区分されるものではない。

前記各側面は、凹状よりなり、上部から順次に上部ランド部１２０、４２０、上部内向き傾斜部１３０、４３０、平面支持部１４０、４４０、下部内向き傾斜部１５０、４５０、及び下部ランド部１６０、４６０を含んでなる。平面支持部１４０、４４０の中央部には、アンダーカット１８０、４８０が形成される。各側面１００、２００、３００、４００の形状は、アンダーカット１８０を横切る図１のＡ−Ａ線に沿って切断された図３の断面図及びその部分拡大図によってさらに明確に示される。上部内向き傾斜部１３０及び下部内向き傾斜部１５０は、外側に凸状の曲面Ｒ２で形成される。

平面支持部１４０、４４０は、装着時にミーリングカッターのポケット側壁に接触し、回転力の接線方向の力を伝達される。また、平面支持部１４０、４４０のアンダーカット１８０、４８０は、ミーリングカッターのポケットに正確で且つ安定的な装着を助ける効果を提供する。

上部ランド部１２０、４２０は、本発明のような接線方向インサートにおいて主切削エッジ１１０、２１０、３１０、４１０の剛性を増大させる効果を有し、上部内向き傾斜部１３０は、切削時に抵抗を減少させて切削性能を向上させる。特に、外側に凸状の曲面Ｒ２で形成された上部内向き傾斜部１３０は、切削時にチップを外側に制御し、露出した平面支持部１４０、４４０及びアンダーカット１８０、４８０を保護する効果を有する。

隣接する両側面の間には、それぞれ上面５００または下面６００との境界に端部エッジ７１０、７７０、８１０、８７０を形成する端部面７００、７５０、８００、８５０が備えられる。図４は、対角する端部面７００、８００を横切る図１のＢ−Ｂ線に沿って切断した断面である。図４から明らかなように、端部面７００、７５０、８００、８５０は、上面５００及び下面６００に垂直な平坦面で形成するか、または横方向に凸状の曲面で形成されることができる。端部面７００、７５０、８００、８５０は、通常、インサートを金型ポンチによって成形した後、研削加工によって容易に形成されることができる。このような方式は、高度のパンチング精密度を要求せずに製造が可能なので、製造コストが非常に低いという効果がある。

好ましくは、本発明のインサートは、上下・左右・前後に対称される形状を有するもので、８個の使用可能な主切削エッジを提供する。

図５に示されたように、各主切削エッジ１１０は、中央エッジ部１１１と、中央エッジ部の両側に端部エッジに隣接して配置され、曲率半径Ｒ１０が中央エッジ部１１１の曲率半径Ｒ２００より小さい外側エッジ部１１２とに区分されることができる。前記中央エッジ部１１１の曲率半径が無限大である場合、中央エッジ部１１１は、直線形態になる。外側エッジ部１１２の曲率半径Ｒ１０がさらに小さく、端部エッジ７１０、７７０、８１０、８７０が形成されることによって、被削面にコーナー部のスクラッチによる傷が発生せず、さらに安定的な切削を行うことができる。すなわち、ミーリングカッターが回転するとき、オーバーラップされる切削エッジプロファイルを見れば、図６に示されたように、左側インサートのいずれか１つの中央エッジ部１１１Ｌと右側インサートの他の中央エッジ部１１１Ｒが外郭線を形成し、各外側エッジ部１１２Ｌ、１１２Ｒ及び各端部エッジ７００Ｒ、７５０Ｌがプロファイル外郭線から内側に後退して位置するようになるので、端部による被削面の傷が発生しない。また、使用されない主切削エッジが損傷されない構造なので、８個の主切削エッジがすべて使用可能であり、インサートの寿命が向上するという効果を有する。

上記で開示された発明は、基本的な思想を毀損しない範囲内で多様な変形例が可能である。したがって、前記実施例は、すべて例示的に解釈されなければならないし、限定的に解釈されない。したがって、本発明の保護範囲は、前述した一実施例ではなく、添付の請求項によって決定されなければならない。添付の請求項の均等物への置換は、添付の請求項の保護範囲に属するものである。

１００、２００、３００、４００ 側面
１１０、２１０、３１０、４１０ 主切削エッジ
１１１ 中央エッジ部
１１２ 外側エッジ部
１２０、４２０ 上部ランド部
１３０、４３０ 上部内向き傾斜部
１４０、４４０ 平面支持部
１５０、４５０ 下部内向き傾斜部
１６０、４６０ 下部ランド部
１８０、４８０ アンダーカット
５００ 上面
６００ 下面
７１０、７７０、８１０、８７０ 端部エッジ
７００、７５０、８００、８５０ 端部面
９００ スクリューホール

Claims (4)

1. 上面及び下面と互いに対向する２つの対の側面とを有する六面体形状よりなり、前記上面及び下面の側面に対する境界に主切削エッジが形成され、前記上面及び下面の中心部を貫通するスクリューホールを有するインサートにおいて、
   前記上面及び下面は、互いに平行する平坦面であり、
   前記各側面は、上部から順次に上部ランド部、上部内向き傾斜部、平面支持部、下部内向き傾斜部、及び下部ランド部を含んでなり、
   隣接する両側面の間には、それぞれ上面及び下面に対する境界に端部エッジを形成する端部面が備えられており、
   前記各主切削エッジは、中央エッジ部と、前記端部エッジに隣接して中央エッジ部の両外側に配置される外側エッジ部とに区分され、
   前記外側エッジ部の曲率半径が前記中央エッジ部の曲率半径より小さく、
   前記端部エッジは切削エッジとしての機能を有していない
   インサート。
2. 前記上部内向き傾斜部及び下部内向き傾斜部は、外側に凸状の曲面であることを特徴とする請求項１に記載のインサート。
3. 前記端部面は、平坦面または横方向に凸状の曲面であることを特徴とする請求項１に記載のインサート。
4. 前記各平面支持部の中央部には、アンダーカットが形成されることを特徴とする請求項１に記載のインサート。

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