JP5684217B2 - 現像装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像担持体に現像剤を供給する現像装置およびそれを備えた電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、原稿画像から読み取られた画像情報、或いはコンピューター等の外部機器から伝送等された画像情報に基づく光を像担持体(感光体ドラム)の周面に照射して静電潜像を形成し、この静電潜像に現像装置からトナーを供給してトナー像を形成させた後、当該トナー像を用紙に転写する。転写処理後の用紙は、トナー像の定着処理が施されたのち外部へ排出される。
そして、電子写真プロセスを用いた画像形成装置における乾式トナーを用いた現像方式として、磁気ローラー(トナー供給ローラー)を用いて現像剤を感光体(像担持体)に対して非接触に設置した現像ローラー上に移行させる際に、磁気ローラー上に磁性キャリアを残したまま現像ローラー上に非磁性トナーのみを転移させてトナー薄層を形成し、現像ローラーと感光体との対向領域(現像領域)において、交流電界によって感光体上の静電潜像にトナーを付着させる現像方式が提案されている。
ところで、近年、画像形成装置において、カラー印刷化や高速処理化の進行に伴い装置構成が複雑になると共に、高速処理化に対応するべく現像装置内でのトナー攪拌部材の高速回転が余儀なくされる。特に、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤を用い、現像剤を担持する磁気ローラーと、トナーのみを担持する現像ローラーとを用いる上記の現像方式では、現像ローラーと磁気ローラーとの対向部分においては、磁気ローラー上に形成された磁気ブラシによって、トナーのみが、現像ローラーに担持され、更に現像ローラーから現像に使用されなかったトナーが引き剥がされる。そのため、現像ローラーと磁気ローラーとの対向部分の近傍においてトナーの浮遊が発生し易くなり、浮遊したトナーが穂切りブレード(規制ブレード)周辺で堆積し、堆積したトナーが凝集して現像ローラーに付着すると、トナー落ちとなって画像不具合が発生するおそれがある。
かかる不具合を解消するべく、特許文献1には、規制ブレードと現像領域との間において現像ローラーと対向する壁部に、この壁部の内壁面の一部を構成するとともに内壁面と垂直な方向に揺動可能な可撓性のシート部材と、シート部材を揺動させる楕円ローラーとを備えた現像装置が開示されている。
また、特許文献2には、現像装置の器壁に付着するトナーをケース内に落とす方向に加速度を与える加振機構を備えた現像装置が開示されている。さらに特許文献3には、トナー収容容器内のトナーを流動させる流動手段を駆動する駆動モーター自体を振動させ、モーターの振動をトナー収容容器に伝達することによりトナー収容容器の内壁面にトナーが滞留するのを防止する現像装置が開示されている。
特開2011−197285号公報 特開平9−211974号公報 実開平6−69961号公報
特許文献1に記載されている現像装置では、楕円ローラーの回転によってシート部材を揺動させることにより、シート部材に堆積したトナーが振い落とされる。また、特許文献2に記載されている現像装置では、加振機構により現像容器自体を振動させることにより、現像容器に付着したトナーが振い落とされる。しかし、特許文献1の構成では楕円ローラーを回転させるためのモーターが別途必要となり、特許文献2の構成においても、加振機構を構成するレバーやアクチュエーター、電磁ソレノイド等が別途必要となるため、現像装置のコストが増加するとともに構成も複雑になるという問題点があった。
また、特許文献3では、トナーを流動させる流動手段を駆動する駆動モーターを用いるため、容器を振動させるためのモーターを別途必要としない。しかし、モーター自体を振動させる構成のため、モーターの振動によって現像装置、或いは画像形成装置本体の振動が発生する可能性があり、振動による画像不良や騒音が問題となるおそれがあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、ケーシング内の規制ブレード近傍におけるトナーの堆積を簡単な構成で効果的に抑制可能な現像装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、静電潜像が形成される像担持体と対向して配置され、像担持体との対向領域において像担持体に現像剤を供給する現像ローラーと、現像ローラーと対向して配置され、現像ローラーとの対向領域において現像ローラーにトナーを供給するトナー供給ローラーと、トナー供給ローラーに所定の間隔を隔てて対向配置される規制ブレードと、現像ローラー、トナー供給ローラー、及び規制ブレードを収容するケーシングと、を備えた現像装置である。ケーシングは、規制ブレードと像担持体との間において現像ローラーと対向する内壁部を有しており、内壁部の上面と所定の間隔を隔てて配置され、内壁部に対し接近または離間する方向に振動可能な可撓性のフィルム部材と、フィルム部材の長手方向の少なくとも一端に連結されフィルム部材に張力を付与する付勢部材と、トナー供給ローラーの駆動ギア列を構成し、ギアの回転に伴いフィルム部材の端縁に間欠的に接触することによりフィルム部材を振動させる突起が設けられたアイドルギアと、を備える。アイドルギアはハスバギアであり、アイドルギアに噛み合うギアの回転方向に応じて突起がフィルム部材の端縁から離間する第1の位置と、突起がフィルム部材の端縁と重なる第2の位置との間を回転軸方向に往復移動可能となっており、画像形成時にトナー供給ローラーを回転させることでアイドルギアが第1の位置に配置され、非画像形成時にトナー供給ローラーを画像形成時と逆方向に回転させることでアイドルギアが第2の位置に配置される。
本発明の第1の構成によれば、非画像形成時にトナー供給ローラーを逆回転させると、トナー供給ローラーの駆動ギア列を構成するアイドルギアが第2の位置に配置されることによって、アイドルギアに設けられた突起によってフィルム部材が弦楽器の弦のように振動する。その結果、フィルム部材に堆積したトナーが効率良く振い落とされ、トナー供給ローラーと内壁部との隙間に落下する。これにより、ケーシング内のブレード周辺におけるトナーの堆積を効果的に抑制できる。また、トナー供給ローラーを逆回転させることにより、トナー供給ローラーと内壁部との隙間に落下して規制ブレード先端に堆積したトナーがトナー供給ローラーの表面に形成される磁気ブラシによって回収され、トナー供給ローラーに連れ回りしてトナー供給ローラーと穂切りブレードとの隙間を通過し、ケーシング内へ強制的に戻される。さらに、画像形成時にはアイドルギアが第1の位置に配置されることによってフィルム部材が振動しないため、画像形成時にフィルム部材上に堆積したトナーが振い落とされてトナー供給ローラー上へ落下するおそれもない。
本発明の現像装置3a〜3dを備えた画像形成装置100の概略構成図 本発明の第1実施形態に係る現像装置3aの斜視図 第1実施形態の現像装置3aの側面断面図 第1実施形態の現像装置3aに用いられるスリーブカバー37を現像容器20の内側から見た斜視図 第1実施形態の現像装置3aに用いられるスリーブカバー37のフロント側端部付近の拡大斜視図 第1実施形態の現像装置3aのフロント側を感光体ドラム1a側から見た拡大斜視図 第1実施形態の現像装置3aのリア側を感光体ドラム1a側から見た拡大斜視図 トナー供給ローラー30が正回転したときの、アイドルギア41、駆動入力ギア45a、45b、フィルム部材40の突出片40cの位置関係を示す概略斜視図 図8におけるアイドルギア41、駆動入力ギア45a、45bの噛み合い状態を示す部分拡大図 トナー供給ローラー30が逆回転したときの、アイドルギア41、駆動入力ギア45a、45b、フィルム部材40の突出片40cの位置関係を示す概略斜視図 図10におけるアイドルギア41、駆動入力ギア45a、45bの噛み合い状態を示す部分拡大図 第1実施形態の現像装置3aのスリーブカバー37付近の側面断面図 本発明の第2実施形態に係る現像装置3aの側面断面図 図13における穂切りブレード33周辺の部分拡大図 第2実施形態の現像装置3aからスリーブカバー37を取り外した状態を示す斜視図 第2実施形態の現像装置3aに用いられるスリーブカバー37を穂切りブレード33との接触面側から見た斜視図 第2実施形態の現像装置3aにおいて位置決めピン53aがピン穴57aに係合した状態を示す平面図 第2実施形態の現像装置3aにおいて位置決めピン53aがピン穴57aに係合した状態を示す断面図 トナー供給ローラー30と現像ローラー31の構成を図3と逆にした本発明の現像装置3aを示す側面断面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の現像装置3a〜3dが搭載された画像形成装置100の概略断面図であり、ここではタンデム方式のカラー画像形成装置について示している。カラープリンター100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに駆動手段(図示せず)により図1において時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9の作用によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。さらに、トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、カラープリンター100本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が二次転写される転写紙Pは、カラープリンター100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と後述する中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング部7a、7b、7c及び7dが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ(補給手段)4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等がクリーニング部7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱及び加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。転写紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー15によって排出トレイ17に排出される。
一方、転写紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部13を通過した転写紙Pは一旦排出ローラー15方向に搬送される。そして、転写紙Pの後端が分岐部14を通過した後に排出ローラー15を逆回転させるとともに分岐部14の搬送方向を切り換える。これにより、転写紙Pは後端から用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ニップ部に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次のトナー像が、二次転写ローラー9によって転写紙Pの画像が形成されていない面に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
図2は、本発明の第1実施形態に係る現像装置3aの外観斜視図であり、図3は、第1実施形態の現像装置3aの概略側面断面図である。なお、図3は現像装置3aを図1の背面側から見た状態を示しており、現像装置3a内の各部材の配置は図1と左右が逆になっている。また、以下の説明では図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb〜Pdに配置される現像装置3b〜3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。また、以降の説明において、カラープリンター100本体の手前側をフロント側、カラープリンター100本体の奥側をリア側と称する。例えば、図2においては現像装置3aの左端がフロント側、右端がリア側となる。
図2及び図3に示すように、現像装置3aは、二成分現像剤(以下、単に現像剤と呼ぶ)が収納される現像容器(ケーシング)20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21及び供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(図1参照)から供給されるトナー(正帯電トナー)をキャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bがそれぞれ回転可能に配設されている。
そして、攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bによって現像剤が攪拌されつつ軸方向(図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された不図示の現像剤通過路を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、現像剤通過路によって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
現像容器20は図3の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー25bの上方にはトナー供給ローラー30が配置され、トナー供給ローラー30の右斜め上方には現像ローラー31が対向配置されている。そして、現像ローラー31は現像容器20の開口側(図3の右側)において感光体ドラム1a(図1参照)に対向している。トナー供給ローラー30及び現像ローラー31は、それぞれ回転軸周りに関して図3の反時計回り方向に回転する。
攪拌搬送室21には、攪拌搬送スクリュー25aと対面して不図示のトナー濃度センサーが配置されており、トナー濃度センサーの検知結果に基づいてトナーコンテナ4aから不図示のトナー補給口を介して攪拌搬送室21にトナーが補給されるようになっている。トナー濃度センサーとしては、例えば、現像容器20内におけるトナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。
トナー供給ローラー30は、図3において反時計回り方向に回転する非磁性の回転スリーブと、回転スリーブに内包される複数の磁極を有する固定マグネット体で構成される磁気ローラーである。
現像ローラー31は、図3において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された現像ローラー側磁極で構成されている。トナー供給ローラー30と現像ローラー31とはその対面位置(対向位置)において所定のギャップをもって対向している。現像ローラー側磁極は、固定マグネット体の対向する磁極(主極)と異極性である。
また、現像容器20には穂切りブレード(規制ブレード)33がトナー供給ローラー30の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って取り付けられている。穂切りブレード33は、現像容器20に装着されたブレード支持ステー35にブレード固定ビス36によって締結固定されており、トナー供給ローラー30の回転方向(図3の反時計回り方向)において、現像ローラー31とトナー供給ローラー30との対向位置よりも上流側に位置付けられている。そして、穂切りブレード33の先端部とトナー供給ローラー30表面との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
現像ローラー31には、直流電圧(以下、Vslv(DC)という)及び交流電圧(以下、Vslv(AC)という)が印加されている。トナー供給ローラー30には、直流電圧(以下、Vmag(DC)という)及び交流電圧(以下、Vmag(AC)という)が印加されている。これらの直流電圧及び交流電圧は、現像バイアス電源からバイアス制御回路(いずれも図示せず)を経由して現像ローラー31及びトナー供給ローラー30に印加される。
前述のように、攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bによって、現像剤が攪拌されつつ現像容器20内の攪拌搬送室21及び供給搬送室22を循環することにより現像剤中のトナーを帯電させる。供給搬送室22内の現像剤は、供給搬送スクリュー25bによってトナー供給ローラー30に搬送される。そして、トナー供給ローラー30上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。トナー供給ローラー30上の磁気ブラシは穂切りブレード33によって層厚規制された後、トナー供給ローラー30の回転によってトナー供給ローラー30と現像ローラー31との対向領域に搬送される。そして、トナー供給ローラー30に印加されるVmag(DC)と現像ローラー31に印加されるVslv(DC)との電位差ΔV、及び磁界によって現像ローラー31上にトナー薄層が形成される。
現像ローラー31上のトナー層厚は現像剤の抵抗やトナー供給ローラー30と現像ローラー31との回転速度差等によっても変化するが、ΔVによって制御することができる。ΔVを大きくすると現像ローラー31上のトナー層は厚くなり、ΔVを小さくすると薄くなる。現像時におけるΔVの範囲は一般的に100V〜350V程度が適切である。
トナー供給ローラー30上の磁気ブラシとの接触によって現像ローラー31上に形成されたトナー薄層は、現像ローラー31の回転によって感光体ドラム1aと現像ローラー31との対向領域に搬送される。現像ローラー31にはVslv(DC)及びVslv(AC)が印加されているため、感光体ドラム1aとの間の電位差によって現像ローラー31から感光体ドラム1aにトナーが飛翔し、感光体ドラム1a上の静電潜像が現像される。
現像に用いられずに残ったトナーは、再度現像ローラー31とトナー供給ローラー30との対向部分に搬送され、トナー供給ローラー30上の磁気ブラシによって回収される。そして、磁気ブラシは固定マグネット体の同極部分でトナー供給ローラー30から引き剥がされた後、供給搬送室22内に落下する。
その後、トナー濃度センサー(不図示)の検知結果に基づいてトナー補給口(不図示)から現像容器20内に所定量のトナーが補給され、供給搬送室22及び攪拌搬送室21を循環する間に再び適正なトナー濃度で均一に帯電された二成分現像剤となる。この現像剤が再び供給攪拌スクリュー25bによりトナー供給ローラー30上に供給されて磁気ブラシを形成し、穂切りブレード33へ搬送される。
現像容器20における図3の右側壁において現像ローラー31の近傍には、現像容器20の内側に突出して、断面略V字状のスリーブカバー37が設けられている。図3に示すように、スリーブカバー37は現像容器20の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に沿って配置されており、スリーブカバー37の上面37a(図4参照)は現像容器20内において現像ローラー31に対向する内壁部を構成している。
スリーブカバー37の上端にはフィルム状のシール部材39が設けられている。シール部材39は、先端部が感光体ドラム1a(図1参照)の表面に接触するようにスリーブカバー37の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)に延在しており、現像容器20内のトナーが外部に漏出しないように遮蔽する機能を有している。
図4は、スリーブカバー37を現像容器20の内側(図3の左側)から見た斜視図であり、図5は、スリーブカバー37のフロント側端部付近(図4の破線円S内)の拡大斜視図である。
スリーブカバー37の上面37aには、長手方向に沿ってフィルム部材40が支持されている。フィルム部材40は、PETフィルム等の、樹脂製の可撓性材料から形成されており、図4に示すように、スリーブカバー37の上面37aの略全域に配置されている。なお、フィルム部材40の材質として、フッ素樹脂製のフィルム等を用いるか、或いは、フィルム部材40にフッ素樹脂のコーティングを行うことにより、スリーブカバー37よりもトナーが付着し難いようにすると好ましい。また、フィルム部材40は、後述するように張力を付与した状態で振動させるため、ある程度の復元力(コシ)が必要となる。
スリーブカバー37の上面37aの、フロント側(図4の右側)及びリア側(図4の左側)の端部には、フィルム部材40の端部が挿入されるガイド部37b、37cが形成されている。フィルム部材40のフロント側の端部には、コイルバネ47(図6参照)の一端が係止される係止孔40aが設けられている。また、フィルム部材40のリア側の側端縁には、ガイド部37cに対向する位置に矩形状の切り欠き部40bが形成されている。
そして、フィルム部材40のリア側の端部は、ガイド部37cを通過してさらにリア側に延在し、トナー供給ローラー30の駆動入力ギア(図示せず)と現像ローラー31の駆動入力ギア45(図7参照)とに連結されるアイドルギア41近傍に至る突出片40cとなっている。
また、図5に示すように、スリーブカバー37の上面37aには、フロント側のガイド部37bの近傍にリブ42が設けられている。なお、ここでは図示しないが、リア側のガイド部37cの近傍にも同じ高さのリブ42が設けられている。これにより、フィルム部材40はスリーブカバー37の上面37aと所定の間隔Dを隔てて支持される。
図6及び図7は、それぞれ現像装置3aに装着されたスリーブカバー37のフロント側及びリア側付近の部分拡大図である。なお、図6及び図7は、スリーブカバー37を現像装置3aの外側(図3の右側)から見た状態を示しており、図4及び図5とは左右が逆になっている。
図6に示すように、スリーブカバー37のフロント側においては、フィルム部材40の係止孔40aにコイルバネ43の一端が係止されており、コイルバネ43の他端はスリーブカバー37の係止部(図示せず)に係止されている。一方、図7に示すように、スリーブカバー37のリア側においては、フィルム部材40の側端縁に形成された切り欠き部40bがガイド部37cに引っ掛けられ、フィルム部材40の長手方向への移動が規制されている。
この構成により、フィルム部材40の一端(フロント側の端部)はコイルバネ43によってフロント側に付勢され、フィルム部材40の他端(リア側の端部)は切り欠き部40bとガイド部37cとの係合によって移動が規制されるため、フィルム部材40には長手方向に所定の張力(テンション)が付与されている。
また、スリーブカバー37のリア側のガイド部37cを越えて延在するフィルム部材40の突出片40cは、先端部が現像装置3aのリア側に配置されたアイドルギア41の外周面近傍に位置しており、アイドルギア41には、ギア歯41aの一つを外周面の内側に延長して形成された突起41bが設けられている。
図8は、トナー供給ローラー30が正回転したときの、アイドルギア41、駆動入力ギア45a、45b、フィルム部材40の突出片40cの位置関係を示す概略斜視図であり、図9は、図8におけるアイドルギア41、駆動入力ギア45a、45bの噛み合い状態を示す部分拡大図である。なお、アイドルギア41はハスバギアであり、アイドルギア41に噛み合う駆動入力ギア45a、45bもハスバギアであるが、図8、図9では駆動入力ギア45a、45bのギア歯は記載を省略している。
アイドルギア41は、トナー供給ローラー30に回転駆動力を入力する駆動入力ギア45a、及び現像ローラー31に回転駆動力を入力する駆動入力ギア45bに噛み合っている。駆動入力ギア45aには駆動モーター(不図示)が連結されており、駆動入力ギア45aの駆動力はアイドルギア41を介して駆動入力ギア45bに伝達される。また、アイドルギア41は、回転軸41cに対しスラスト方向(図9の左右方向)に移動可能に外挿されている。
画像形成時においては、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31を正回転(図3の反時計回り方向に回転)させると、駆動入力ギア45a、45bに噛み合うアイドルギア41は図8、図9の矢印X方向に回転する。このとき、図9に示すように、アイドルギア41のギア歯41aには駆動入力ギア45aにより下方向へ押し下げる押圧力Fが付与される。押圧力Fは、ギア歯41aの延在方向に平行な分力F1と、ギア歯41aの延在方向に対して垂直な分力F2とに分けられる。
ここで、分力F2はアイドルギア41を右方向に押圧するように作用するため、アイドルギア41は回転軸41cに沿って右方向に移動する。その結果、アイドルギア41の外周面に設けられた突起41bがフィルム部材40の突出片40cから離間する位置(第1の位置)に配置されるため、アイドルギア41が回転してもフィルム部材41は振動せず静止している。
図10は、トナー供給ローラー30が逆回転したときの、アイドルギア41、駆動入力ギア45a、45b、フィルム部材40の突出片40cの位置関係を示す概略斜視図であり、図11は、図10におけるアイドルギア41、駆動入力ギア45a、45bの噛み合い状態を示す部分拡大図である。なお、図8、図9と同様に、図10、図11では駆動入力ギア45a、45bのギア歯は記載を省略している。
非画像形成時にトナー供給ローラー30及び現像ローラー31を逆回転(図3の時計回り方向に回転)させると、現像ローラー31の駆動入力ギア45に駆動力を伝達するアイドルギア41は図10、図11の矢印X′方向に回転する。このとき、図11に示すように、アイドルギア41のギア歯41aには駆動入力ギア45aにより上方向へ押し上げる押圧力F′が付与される。押圧力F′は、ギア歯41aの延在方向に平行な分力F1′と、ギア歯41aの延在方向に対して垂直な分力F2′とに分けられる。
ここで、分力F2′はアイドルギア41を左方向に押圧するように作用するため、アイドルギア41は回転軸41cに沿って左方向に移動する。その結果、アイドルギア41の外周面に設けられた突起41bがフィルム部材40の突出片40cの端縁と重なる位置(第2の位置)に配置される。これにより、アイドルギア41が1回転する毎に突起41bがフィルム部材40の突出片40cの端縁に接触し、張力(テンション)が付与されたフィルム部材40が弦楽器の弦のように振動する。
なお、アイドルギア41の回転軸41c方向の移動範囲は、アイドルギア41が最も左方向(突出片40cに近づく方向)に移動したとき、突起41bと突出片40cの端縁との重なりが2mm程度となるように調整しておくことが好ましい。アイドルギア41の回転軸41c方向の移動量は、ギア歯41aの傾きとアイドルギア41の逆回転量(逆回転角)とで調整可能である。
図12は、現像装置3aのスリーブカバー37付近の部分断面図である。フィルム部材40の振動により、図12に示すように、フィルム部材40に堆積したトナーは離れ、振るい落とされる。これにより、現像装置3a内のトナー供給ローラー30及び現像ローラー31が高速で回転し、現像容器20内のトナー浮遊量が大きい場合であっても、スリーブカバー37の上面37aにおけるトナーの堆積を抑制できる。フィルム部材40から振るい落とされたトナーは、スリーブカバー37とトナー供給ローラー30とで挟まれた領域Rに落下する。
領域Rに落下して穂切りブレード33の先端部付近に一時的に堆積したトナーは、逆回転するトナー供給ローラー30により、トナー供給ローラー30の表面に形成される磁気ブラシによって回収され、トナー供給ローラー30に連れ回りしてトナー供給ローラー30と穂切りブレード33との隙間を通過する。そして、固定マグネット体の同極部分でトナー供給ローラー30から引き剥がされ、供給搬送室22(図3参照)へ強制的に戻される。
これにより、スリーブカバー37の上面37aに堆積したトナーが凝集(ブロッキング)してトナー供給ローラー30または現像ローラー31に付着し、トナー落ちとなる画像不具合等を、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31の線速に依存することなく効果的に抑制することができる。
また、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31が正回転する画像形成時にはフィルム部材40が振動しないため、画像形成時にフィルム部材40上に堆積したトナーが振い落されてトナー供給ローラー30上へ落下するおそれがない。従って、トナー落ちによる画像不良の発生も防止することができる。そして、非画像形成時にトナー供給ローラー30及び現像ローラー31を逆回転させることで、フィルム部材40を振動させて堆積したトナーを振い落とすとともに、逆回転するトナー供給ローラー30の磁気ブラシによって回収し、供給搬送室22へ効率良く戻すことができる。
また、フィルム部材40を振動させてトナーの堆積を防止するため、スリーブカバー37上のトナーを除去するブラシ部材等のトナー除去部材を別途設ける必要がなく、コンパクトで省スペースな構成となる。また、トナー除去部材に起因する異物が現像剤と共に現像容器20内を循環するおそれがないため、穂切りブレード33とトナー供給ローラー30との隙間に異物が挟まることによる白抜け画像等の画像不良を効果的に防止することができる。
さらに、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31の回転時に必然的に回転するアイドルギア41の回転を利用してフィルム部材40を振動させるため、フィルム部材40に振動を与えるための専用モーターやアクチュエーター等を別途設ける必要がなく、現像装置3aの内部構成も簡素化できる。
なお、本実施形態ではアイドルギア41の外周面に一つの突起41bを設けたが、突起41bの個数はトナー供給ローラー30及び現像ローラー31の逆回転速度、逆回転時間によって任意に調整可能である。例えば、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31の逆回転速度が遅い場合はアイドルギア41の回転速度も遅くなり、トナー供給ローラー30及び現像ローラー31の逆回転時間が短い場合はアイドルギア41の回転時間も短くなる。その場合は、突起41bの個数を多くしてフィルム部材40の突出片40cに接触する回数を多くすることで、フィルム部材40を十分に振動させることができる。
トナー供給ローラー30及び現像ローラー31を逆回転させるタイミングとしては、印字動作の終了毎に行っても良いし、印字枚数が所定枚数に到達した時点や現像装置3a内の温度が所定以上になった時点等、所定のタイミングで行うようにしても良い。
ところで、単発印字時は連続印字時に比べてフィルム部材40上にトナーが堆積し易い。これは、単発印字時はトナー供給ローラー30、現像ローラー31の回転が断続的に停止するため、連続印字時よりも現像容器20内の空気の流れが少ないためであると考えられる。同様に、高温高湿環境下ではトナーの流動性が低下するため、常温常湿環境下に比べてフィルム部材40上にトナーが堆積し易い。
そこで、単発印字時は連続印字時よりも少ない枚数毎に、高温高湿環境下では常温常湿環境下よりも少ない枚数毎にトナー供給ローラー30及び現像ローラー31を逆回転させることで、フィルム部材40上のトナーの堆積を効果的に防止することができる。
図13は、本発明の第2実施形態に係る現像装置3aの側面断面図であり、図14は、図13における穂切りブレード33周辺の部分拡大図である。本実施形態では、穂切りブレード33に対するスリーブカバー37の位置決め機構を設け、スリーブカバー37のトナー供給ローラー30との対向面37dと穂切りブレード33のエッジ部33aとの距離Lを一定に維持可能としている。現像装置3aの他の部分の構成や、フィルム部材40を振動させる機構については第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
フィルム部材40から穂切りブレード33上に落下したトナーを回収する上で、距離Lは極めて重要である。距離Lが広すぎると、トナー供給ローラー30を逆方向に回転させたときに磁気ブラシが穂切りブレード33上の対向面37dの近傍に堆積したトナーまで届かず、トナーを十分に回収できなくなる。一方、距離Lが狭すぎると、画像形成中にフィルム部材40からトナー供給ローラー30上に直接トナーが落下してしまい、トナー落ち画像が発生する。
そこで、本実施形態のように穂切りブレード33に対するスリーブカバー37の位置決め機構を設けることで、距離Lを常に一定に維持することができ、穂切りブレード33上に堆積したトナーの回収不良やトナー落ち画像の発生を効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態のスリーブカバー37の位置決め機構について具体的に説明する。図15は、本実施形態の現像装置3aからスリーブカバー37を取り外して穂切りブレード33を露出させた状態を示す斜視図であり、図16は、本実施形態の現像装置3aに用いられるスリーブカバー37を裏面側(穂切りブレード33との接触面側)から見た斜視図である。
図15に示すように、穂切りブレード33はブレード固定ビス36によって現像容器20に装着されたブレード支持ステー35に締結固定されている。また、穂切りブレード33の上面には2箇所の第1位置決め穴51a、51bと、1箇所の第2位置決め穴51cが形成されている。第1位置決め穴51a、51bは穂切りブレード33の長手方向に沿った長穴であり、第2位置決め穴51cは位置決めボス55c(図16参照)と同一形状の丸穴である。穂切りブレード33の上面2箇所には位置決めピン53a、53bが付設されている。
図16に示すように、スリーブカバー37の裏面には、穂切りブレード33の第1位置決め穴51a、51b(図15参照)に係合する第1位置決めボス55a、55bと、第2位置決め穴51c(図15参照)に係合する第2位置決めボス55cが突設されている。また、スリーブカバー37の裏面には、穂切りブレード33の位置決めピン53a、53b(図15参照)が係合する2箇所のピン穴57a、57bと、ブレード固定ビス36(図15参照)とスリーブカバー37との干渉を回避するための3箇所の逃げ穴60a〜60cが形成されている。
図17は、位置決めピン53aがピン穴57aに係合した状態を示す平面図であり、図18は、位置決めピン53aがピン穴57aに係合した状態を示す断面図(図17のAA′矢視断面図)である。以下、位置決めピン53aとピン穴57aの関係について説明するが、位置決めピン53b(図15参照)とピン穴57b(図16参照)の関係についても全く同様に説明される。
位置決めピン53aは、頭部61と、頭部61よりも小径の軸部63とで構成されている。ピン穴57aは、円形の係合穴65と、係合穴65に連通する長穴状の案内穴67とで平面視鍵穴状に形成されている。係合穴65の内径W1は位置決めピン53aの頭部61の直径R1よりも大きく形成されており、案内穴67の幅W2は頭部61の直径R1よりも小さく、軸部63の直径R2よりも大きく形成されている。また、軸部63の高さHは、スリーブカバー37の裏面の厚みTよりも僅かに大きくなっている。
次に、図13〜図18を参照しながら、スリーブカバー37の取り付け方法について説明する。先ず、スリーブカバー37の裏面に形成されたピン穴57a、57bの係合穴65が穂切りブレード33の上面に形成された位置決めピン53a、53bに係合するように、スリーブカバー37を穂切りブレード33の上面に当接させる。このとき、スリーブカバー37の裏面には3本のブレード固定ビス36に対向する位置に逃げ穴60a〜60cが形成されているため、スリーブカバー37の裏面と穂切りブレード33の上面とが密着する。
スリーブカバー37の裏面に形成された第1位置決めボス55a、55bは、穂切りブレード33の上面に形成された第1位置決め穴51a、51bの一端(図15の左端)に係合する。第1位置決めボス55aと第1位置決め穴51aとの係合、及び第1位置決めボス55bと第1位置決め穴51bとの係合により、スリーブカバー37は穂切りブレード33に対して幅方向(図14の左右方向)の位置が決定される。なお、この状態では第2位置決めボス55cと第2位置決め穴51cとは係合しておらず、スリーブカバー37の長手方向への移動は許容されている。
次いで、スリーブカバー37を穂切りブレード33の長手方向(矢印B方向)にスライドさせることにより、第1位置決めボス55a、55bが、それぞれ第1位置決め穴51a、51bの一端(図15の左端)から他端(図15の右端)に移動する。また、第2位置決めボス55cと第2位置決め穴51cとが係合し、穂切りブレード33に対するスリーブカバー37の長手方向の移動が規制される。
そして、スリーブカバー37のスライドに伴い、位置決めピン53a、53bに係合したピン穴57a、57bも矢印B方向に移動する(図17に破線で示す)。その結果、ピン穴57a、57bに対する位置決めピン53a、53bの係合位置が、係合穴65から案内穴67に移動する。上述したように、位置決めピン53a、53bの頭部61の直径R1は案内穴67の幅W2よりも大きいため、案内穴67の周縁部が穂切りブレード33の上面と頭部61とに挟持され、穂切りブレード33に対するスリーブカバー37の上下方向の移動が規制される。
上記の構成により、スリーブカバー37は穂切りブレード33に対して長手方向、幅方向、及び上下方向に位置決めされるため、スリーブカバー37のトナー供給ローラー30との対向面37dと穂切りブレード33のエッジ部33aとの距離Lを一定に維持可能となる。また、ビス等の固定部材を使用せずにスリーブカバー37を穂切りブレード33に固定できるため、部材点数を削減することができ、スリーブカバー37の取り付け作業性も向上する。
ここで、スリーブカバー37を穂切りブレード33の幅方向(図14の左右方向)にスライドさせて、位置決めピン53a、53bとピン穴57a、57b、第1位置決めボス55a、55bと第1位置決め穴51a、51b、及び、第2位置決めボス55cと第2位置決め穴51cをそれぞれ係合させることも可能である。しかし、スリーブカバー37を幅方向にスライドさせるためには、固定ビス36の逃げ穴60a〜60bをスリーブカバーの対向面37dに形成する必要が生じる。その結果、対向面37dをフラットな面に形成できず、対向面37dとエッジ部33aとの距離Lもスリーブカバー37の長手方向において一定でなくなるため、穂切りブレード33のエッジ部33a近傍に堆積したトナーを均一に回収できなくなるおそれがある。
また、固定ビス36に逃げ穴60a〜60cを被せるようにして係合させる構成とすれば、対向面37dをフラットな面とした状態でスリーブカバー37を幅方向にスライドさせることも可能である。しかし、その場合はスリーブカバー37を幅方向にスライドさせるだけの穂切りブレード33のブレード幅が必要となり、ブレード幅を確保する分だけ現像装置3aが大型化するため、現像装置3aの小型化、コンパクト化の観点から好ましくない。従って、本実施形態のように案内穴67、第1位置決め穴51a、51bをスリーブカバー37、穂切りブレード33の長手方向と平行に形成し、スリーブカバー37を穂切りブレード33の長手方向にスライドさせて位置決めを行う構成が好ましい。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記各実施形態に示したスリーブカバー37やフィルム部材40の形状や構成は一例であって、上記各実施形態に特に限定されるものではなく、これらは現像装置3aの構成等に応じて適宜設定することができる。
例えば、上記各実施形態では、フィルム部材40の一端にコイルバネ43が連結される係止孔40aを設け、他端にガイド部37cに係合する切り欠き部40bを設けたが、フィルム部材43の両端に係止孔40aを設け、各係止孔40aにコイルバネ43を連結しても良い。また、上記各実施形態では、アイドルギア41に設けられた突起41bを用いてフィルム部材の突出片40cを振動させる構成としたが、トナー供給ローラー30または現像ローラー31の駆動ギア列を構成する他のギアを用いてフィルム部材の突出片40cを振動させることもできる。
また、上記各実施形態では、本発明を、二成分現像剤を用い、トナー供給ローラー30上に磁気ブラシを形成し、トナー供給ローラー30から現像ローラー31にトナーのみを移動させ、現像ローラー31から感光体ドラム1a〜1dにトナーを供給する現像装置3a〜3dに適用したが、その他、図19に示すように、現像ローラー31とトナー供給ローラー30の配置を上記各実施形態とは逆にして、現像ローラー31(本構成においては上記各実施形態のトナー供給ローラー30と同様の構成の磁気ローラーとなる)表面に保持された二成分現像剤から成る磁気ブラシによって感光体ドラム1a〜1dにトナーを供給し、トナー供給ローラー30(本構成においては上記各実施形態の現像ローラー31と同様の構成となる)の表面に保持されているトナーを現像ローラー31に供給するとともに、トナー供給ローラー30を用いて現像ローラー31表面の余剰トナーを回収する現像装置にも適用することができる。この構成においても、現像ローラー31から落下したトナーがトナー供給ローラー30に対向する規制ブレード33周辺へ堆積することを効果的に抑制できる。
また、上記各実施形態では、タンデム型のカラープリンター100を例に挙げて説明したが、本発明は、その他、例えばモノクロ及びカラー複写機、デジタル複合機、モノクロプリンターやファクシミリ等にも適用できることは言うまでもない。
本発明は、ケーシング内のブレードと像担持体との間において現像ローラーと対向する内壁部を有する現像装置に利用可能である。本発明の利用により、現像装置の内壁部におけるトナーの堆積を効果的に抑制することができる。また、上記現像装置を備えることにより、トナーの堆積に起因するトナー落ち等の画像不具合を効果的に防止できる画像形成装置となる。
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
3a〜3d 現像装置
4a〜4d トナーコンテナ
20 現像容器(ケーシング)
20a 仕切壁
30 トナー供給ローラー
31 現像ローラー
33 穂切りブレード(規制ブレード)
33a エッジ部
35 ブレード支持ステー
36 ブレード固定ビス
37 スリーブカバー(内壁部)
37a 上面
37b、37c ガイド部
37d 対向面
40 フィルム部材
40a 係止孔
40b 切り欠き部
40c 突出片
41 アイドルギア
41a ギア歯
41b 突起
41c 回転軸
43 コイルバネ(付勢部材)
45a、45b 駆動入力ギア
51a、51b 第1位置決め穴
51c 第2位置決め穴
53a、53b 位置決めピン
55a、55b 第1位置決めボス
55c 第2位置決めボス
57a、57b ピン穴
60a〜60c 逃げ穴
61 頭部
63 軸部
65 係合穴
67 案内穴
100 カラープリンター(画像形成装置)

Claims (10)

  1. 静電潜像が形成される像担持体と対向して配置され、前記像担持体との対向領域において前記像担持体に現像剤を供給する現像ローラーと、
    前記現像ローラーと対向して配置され、前記現像ローラーとの対向領域において前記現像ローラーにトナーを供給するトナー供給ローラーと、
    該トナー供給ローラーに所定の間隔を隔てて対向配置される規制ブレードと、
    前記現像ローラー、前記トナー供給ローラー、及び前記規制ブレードを収容するケーシングと、
    を備えた現像装置であって、
    前記ケーシングは、前記規制ブレードと前記像担持体との間において前記現像ローラーと対向する内壁部を有しており、
    前記内壁部の上面と所定の間隔を隔てて配置され、前記内壁部に対し接近または離間する方向に振動可能な可撓性のフィルム部材と、
    該フィルム部材の長手方向の少なくとも一端に連結され前記フィルム部材に張力を付与する付勢部材と、
    前記トナー供給ローラーの駆動ギア列を構成し、前記ギアの回転に伴い前記フィルム部材の端縁に間欠的に接触することにより前記フィルム部材を振動させる少なくとも一つの突起が設けられたアイドルギアと、を備え、
    前記アイドルギアはハスバギアであり、前記アイドルギアに噛み合うギアの回転方向に応じて前記突起がフィルム部材の端縁から離間する第1の位置と、前記突起がフィルム部材の端縁と重なる第2の位置との間を回転軸方向に往復移動可能となっており、
    画像形成時に前記トナー供給ローラーを回転させることで前記アイドルギアが前記第1の位置に配置され、非画像形成時に前記トナー供給ローラーを画像形成時と逆方向に回転させることで前記アイドルギアが前記第2の位置に配置されることを特徴とする現像装置。
  2. 前記内壁部は、前記ケーシングと別部材のスリーブカバーであり、前記スリーブカバーの前記トナー供給ローラーとの対向面と前記規制ブレードの先端部との距離が一定となるように前記スリーブカバーを前記規制ブレードに対して位置決めする位置決め機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記位置決め機構は、前記規制ブレードの上面に突設された軸部と、該軸部の先端に形成された前記軸部よりも大径の頭部とを有する複数の位置決めピンと、前記スリーブカバーの前記規制ブレードの上面との接触面に形成され、前記頭部の直径よりも内径が大きい係合穴と、該係合穴に連通するとともに前記頭部の直径よりも幅が小さく、前記軸部の直径よりも幅が大きい長穴状の案内穴とで構成される複数のピン穴と、を含み、
    前記位置決めピンを前記係合穴に係合させ、前記位置決めピンが前記案内穴に係合する位置まで前記スリーブカバーをスライドさせることにより前記規制ブレードに対する前記スリーブカバーの上下方向への移動を規制することを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記案内穴は、前記スリーブカバーの長手方向と略平行に延在することを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
  5. 前記位置決め機構は、前記スリーブカバーの前記規制ブレードとの接触面に形成された第1位置決めボスと、該第1位置決めボスに対応する前記規制ブレードの上面に前記案内穴と平行な長穴状に形成された第1位置決め穴と、を有し、
    前記第1位置決めボスと前記第1位置決め穴との係合により、前記規制ブレードに対する前記スリーブカバーの長手方向への移動を許容しつつ、前記スリーブカバーの幅方向への移動を規制することを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 前記位置決め機構は、前記スリーブカバーの前記規制ブレードとの接触面に形成された第2位置決めボスと、該第2位置決めボスに対応する前記規制ブレードの上面に前記第2位置決めボスと同一形状に形成された第2位置決め穴と、を有し、
    前記位置決めピンが前記案内穴に係合する位置まで前記スリーブカバーをスライドさせたとき、前記第2位置決めボスと前記第2位置決め穴との係合により、前記規制ブレードに対する前記スリーブカバーの幅方向及び長手方向への移動を規制することを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
  7. 前記フィルム部材は、前記内壁部よりもトナー付着力の弱い材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の現像装置。
  8. 前記トナー供給ローラーは、内部に設けられた複数の磁極によってトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を担持する磁気ローラーであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 前記現像ローラーは、内部に設けられた複数の磁極によってトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を担持する磁気ローラーであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の現像装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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