JP5683517B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、シリコン単結晶の製造方法に関し、より特定的には、チョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の製造方法に関する。
従来、シリコン単結晶の製造方法として、チョクラルスキー法(CZ法)が知られている。このCZ法においては、石英ルツボ内に保持されたシリコン融液に種結晶を接触させた後、当該種結晶を引上げることにより、種結晶の下部にシリコン単結晶を成長させる。
このようなCZ法では、シリコン融液に種結晶を接触させるときに、熱衝撃などに起因してシリコン単結晶中に転位が発生する。このような転位(欠陥)を消滅させるため、成長させるシリコン単結晶の直径を一旦小さくしてネック部を形成する、いわゆるダッシュネッキング工程が実施される。
しかし、このようなダッシュネッキング工程を実施しても、シリコン単結晶中に発生する転位を完全に消滅させることは難しかった。そこで、従来よりさまざまな対策が提案されている。
たとえば、特開平7−206583号公報には、成長させるシリコン単結晶と同程度の濃度の不純物を含む種結晶を用いることで、シリコン単結晶と種結晶との格子不整合率を小さくすることにより、シリコン単結晶での転位の発生を抑制することが開示されている。また、特開2008−290901号公報には、ネック部の形成時の種結晶の引き上げ速度を2mm/min以下とすることで、シリコン単結晶での転移の発生を抑制することが開示されている。また、国際公開第2010/146853号では、ネック部の形成時、種結晶から成長するシリコン単結晶とシリコン融液との固液界面の形状を、種結晶の回転数を低減するといった方法で変化させることにより、シリコン単結晶の直胴部にまで伸びる転位の発生を抑制することが開示されている。
特開平7−206583号公報 特開2008−290901号公報 国際公開第2010/146853号
しかし、上述した従来の方法では、以下のような問題があった。すなわち、特開平7−206583号公報に開示された方法ではネック部から直胴部にまで延在する(ネック部の中心をネック部の軸方向に延びる)転位の発生を完全には防止できない。さらに、当該方法では形成されるべきシリコン単結晶の不純物濃度にあわせて複数の種結晶を準備する必要があり、製造工程の管理が複雑になるという問題もある。また、特開2008−290901号公報に開示された方法によっても、ネック部から直胴部にまで延在する転位の発生を完全には防止できない。また、国際公開第2010/146853号に開示された方法では、成長させるシリコン単結晶の結晶品質を維持しながら、シリコン単結晶とシリコン融液との固液界面の形状を変化させるという難しいプロセス制御が必要であり、再現性良く確実に転移の発生を抑制することが難しい。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、ネック部から直胴部にまで延在する転移の発生を抑制することが可能なシリコン単結晶の製造方法を提供することである。
この発明に従ったシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液を準備する工程と、シリコン融液に種結晶を接触させて当該種結晶に連なるネック部を形成する工程と、ネック部をシリコン融液から切離す工程と、ネック部を形成する工程におけるネック部の温度より、シリコン融液から切離された前記ネック部の温度を下げる工程と、ネック部の温度を下げる工程の後、シリコン融液にネック部を再度接触させてネック部に連なるシリコン単結晶を形成する工程とを備える。
このようにすれば、シリコン融液から一度切離されたネック部では、不純物の存在による転位の固着効果により、ネック部の中央付近に形成された転位も不動化される。このため、シリコン融液にネック部を再度接触させてネック部に連なるシリコン単結晶を形成する工程において成長するシリコン単結晶に転位が継承され難くなる。
また、シリコン融液にネック部を再度接触させてシリコン単結晶を再成長させるときに、成長したシリコン単結晶にネック部中央付近の転位が承継された場合でも、ネック部をシリコン融液に再度接触させてシリコン単結晶を再成長させるプロセスにおいて当該転位の位置がずれる。この結果、上昇運動によって当該転位の外方拡散(消滅)が促進されるため、シリコン単結晶の直胴部にまで伸びる転位の発生が抑制される。
また、種結晶から成長したネック部は、機械加工されていないため凹凸欠陥が少ない。そのため、再成長するシリコン単結晶においてシリコン融液に接触したネック部表面からの転位の発生が抑制できる。さらに、シリコン融液に再度接触させるネック部は、結果的に高温に保持される時間も従来より長くなることから、すべり転位の消滅が従来より促進される。
また、シリコン融液に再度接触させるネック部は、種結晶よりシリコン融液に接触する領域の面積を小さくできる。この場合、ネック部においてシリコン融液に接触する部分の体積および熱容量は、種結晶においてシリコン融液に接触する部分の体積および熱容量より小さくなる。したがって、ネック部をシリコン融液に接触させるときに発生する熱衝撃は、種結晶をシリコン融液に接触させるときに発生する熱衝撃より小さくなる。この結果、当該熱衝撃に起因する転位の発生が抑制される。
この発明によれば、ネック部から直胴部にまで延在する転位の発生を抑制することができ、当該転位の無い高品質なシリコン単結晶を得ることができる。
この発明に従ったシリコン単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示したシリコン単結晶の製造方法を説明するための模式図である。 図1に示したシリコン単結晶の製造方法を説明するための模式図である。 本発明の実施例の試料の断面写真である。 比較例の試料の断面写真である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
図1〜図3を参照して、本発明によるシリコン単結晶の製造方法の実施の形態を説明する。
図1を参照して、本発明によるシリコン単結晶の製造方法の実施の形態では、まず準備工程(S10)を実施する。当該工程(S10)では、シリコン単結晶製造装置のチャンバ内に配置されたルツボの内部にシリコン原料を充填する。その後、当該シリコン原料を加熱することでシリコン原料を溶融し、シリコン融液を準備する。ここで、シリコン原料には、形成するシリコン単結晶の特性に合わせて適宜ドーパント(不純物)が添加される。ドーパントとしては、たとえばn型不純物であるリン(P)やヒ素(As)などの第V族元素、あるいはp型ドーパントであるホウ素(B)、もしくはアルミニウム(Al),、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などの第III族元素などを用いることができる。
本実施の形態では、シリコン原料として半導体級シリコンが用いられる。半導体級シリコンとは、金属級シリコンよりも不純物濃度が少ない(すなわちシリコン純度が高い)シリコン原料である。半導体級シリコンのシリコン純度は、たとえば99.999999999%(11N)である。
シリコン原料に添加されるドーパントは、1種類でもよいが2種類以上の複数種類であってもよい。複数種類のドーパントをシリコン原料に添加する場合、すべての種類のドーパントを同時にシリコン融液に添加してもよいし、それぞれのドーパントが別々に添加されてもよい。なお、種結晶1(図2参照)としては、抵抗率が1Ωcm以上の、相対的に高抵抗率なシリコン単結晶を用いることができる。
また、シリコン単結晶製造装置では、シリコン融液が保持されるルツボの上部に、種結晶1(図2参照)が引上げワイヤの先端部に固定された状態で配置される。なお、引上げワイヤは、種結晶2の下側に成長するシリコン単結晶を引上げるため、駆動装置により上下に移動可能となっている。
次に、図1に示すように、ネック部形成工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、引上げワイヤの先端に固定された種結晶1を、シリコン融液2(図2参照)の表面に降下させて浸漬させる。その後、引上げワイヤを駆動装置により巻取ることによって、種結晶1の下部にネック部3(図2参照)を成長させる。
次に、図1に示すように、切離し工程(S30)を実施する。この工程(S30)では、駆動装置による引上げワイヤの巻取り速度を速くすることで、図2に示すように、シリコン融液2の表面からネック部3を矢印5に示す方向に切離す。このとき、ネック部3の長さLはたとえば30mm以上、より好ましくは40mm以上、さらに好ましくは50mm以上形成する。
次に、図1に示すように、冷却工程(S40)を実施する。この工程(S40)では、好ましくはネック部3の温度を740℃以下に下げる。ネック部3の冷却方法としては、シリコン単結晶製造装置のチャンバ内に種結晶1およびネック部3を保持したまま、不活性ガスなどをネック部3に吹付ける、といった任意の方法を用いることができる。また、十分冷却されたネック部3および種結晶1を、チャンバ内から取り出して室温にて保持しておいてもよい。このようにすれば、ネック部3において形成された転位が固着される。
次に、図1に示すように、再成長工程(S50)を実施する。この工程(S50)では、図3に示すように、一度シリコン融液2から切離して冷却したネック部3を、再度シリコン融液2に接触させる。具体的には、ネック部3の先端部を、所定の長さDだけシリコン融液2に浸漬する。当該長さDは、たとえば10mm以上20mm以下、より好ましくは12mm以上15mm以下とすることができる。そして、所定の時間ネック部3の先端部をシリコン融液2に浸漬した後、再度種結晶1の引上げを開始してネック部を再成長させる。このようにして、いわゆるダッシュネッキング工程を実施してから、コーン育成工程(ネック部から徐々にシリコン単結晶の直径を直胴部の所定の直径まで大きくする工程)、直胴部育成工程(ほぼ一定の直径のシリコン単結晶からなる直胴部を所定の長さだけ成長させる工程)、切離し工程(シリコン溶融からシリコン単結晶を切離す工程)を実施する。このようにして、シリコン単結晶を得ることができる。
上記のように、一度冷却したことで転位が固着されたネック部3を、新たな種結晶として工程(S50)を実施するので、工程(S50)においてネック部3の下部から成長するシリコン単結晶では、転位の発生が抑制される。このため、転位の発生が抑制された高品質なシリコン単結晶を得ることができる。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
この発明に従ったシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液2を準備する工程(準備工程(S10))と、シリコン融液2に種結晶1を接触させて当該種結晶1に連なるネック部3を形成する工程(ネック部形成工程(S20))と、ネック部3をシリコン融液2から切離す工程(切離し工程(S30))と、ネック部形成工程(S20)におけるネック部3の温度より、シリコン融液2から切離されたネック部3の温度を下げる工程(冷却工程(S40))と、冷却工程(S40)の後、シリコン融液2にネック部3を再度接触させてネック部3に連なるシリコン単結晶を形成する工程(再成長工程(S50))とを備える。
このようにすれば、シリコン融液2から一度切離されたネック部3では、不純物の存在による転位の固着効果により、ネック部3の中央付近に形成された転位も不動化される。このため、シリコン融液2にネック部3を再度接触させてネック部3に連なるシリコン単結晶を形成する工程(再成長工程(S50))において成長するシリコン単結晶に転位が継承され難くなる。
また、シリコン融液2にネック部3を再度接触させてシリコン単結晶を再成長させるときに、成長したシリコン単結晶にネック部中央付近の転位が承継された場合でも、ネック部3をシリコン融液2に再度接触させてシリコン単結晶を再成長させるプロセスにおいて当該転位の位置がずれる。この結果、上昇運動によって当該転位の外方拡散(消滅)が促進されるため、シリコン単結晶の直胴部にまで伸びる転位の発生が抑制される。
また、種結晶1から成長したネック部3は、機械加工されていないため凹凸欠陥が少ない。そのため、再成長するシリコン単結晶においてシリコン融液2に接触したネック部3表面からの転位の発生が抑制できる。さらに、シリコン融液2に再度接触させるネック部3は、結果的に高温に保持される時間も従来より長くなることから、すべり転位の消滅が従来より促進される。
また、シリコン融液2に再度接触させるネック部3は、種結晶1よりシリコン融液2に接触する領域の面積を小さくできる。この場合、ネック部3においてシリコン融液2に接触する部分の体積および熱容量は、種結晶1においてシリコン融液2に接触する部分の体積および熱容量より小さくなる。したがって、ネック部3をシリコン融液2に接触させるときに発生する熱衝撃は、種結晶1をシリコン融液2に接触させるときに発生する熱衝撃より小さくなる。この結果、当該熱衝撃に起因する転位の発生が抑制される。
上記シリコン単結晶の製造方法において、種結晶1の抵抗率は1Ωcm以上であり、シリコン単結晶の抵抗率は0.005Ωcm以下であってもよい。この場合、相対的に高抵抗な(つまり不純物濃度の低い)種結晶1を用いて、相対的に低抵抗な(つまり不純物濃度の高い)シリコン単結晶を形成することになる。このような構成の場合には、種結晶1とシリコン融液2との接触部における熱衝撃や格子不整合に起因して転位が発生しやすい。すなわち、発明者の研究によれば、種結晶の抵抗率が1Ωcm程度以上であれば、当該種結晶の格子定数はノンドープのシリコン単結晶と実質的に同じになっている。そして、形成するシリコン単結晶の抵抗率が0.005Ωcm以下である場合に、上述のようなネック部3から直胴部へ延在する転位の発生という問題の発生確率が特に高くなる。したがって、上述のような条件でシリコン単結晶を形成する場合に本発明が特に有効である。
上記シリコン単結晶の製造方法では、ネック部の温度を下げる冷却工程(S40)において、ネック部3の温度が740℃以下に下げられてもよい。ここで、シリコンの延性・脆性の遷移温度が約740℃以下であることから、ネック部3の温度を740℃以下に下げることによりネック部3中の転位を確実に固定することができる。すなわち、上記のようにネック部3の温度を下げることにより、ネック部3の転位が不動化され、さらに当該転位の位置に不純物(たとえば酸素やホウ素など)が入ることで転位が固着される。そして、当該転位の位置に二次欠陥(たとえば析出物)が形成されることにより、転位が強く固着(ロッキング)される。
ここで、ネック部3などを構成するシリコン単結晶に含まれる不純物がリン(P)である場合、当該リンの濃度が高いシリコン単結晶では、リンの濃度が相対的に低いシリコン単結晶より酸素の拡散係数が高くなる。そのため、ネック部が740℃以下といった低温で保持された場合でも、ネック部3を構成するシリコン単結晶中では酸素が十分移動できるので、温度の低下による酸素の過飽和に起因する、酸素を含む二次欠陥(析出物)の形成が促進される。この結果、転位を確実に固着することができる。また、上記のような転位の固着という効果は、ネック部3をシリコン融液2に再度接触させることで当該ネック部が740℃以上に加熱された場合でもすぐには解消されない。
なお、ネック部3の冷却温度は室温としてもよい。たとえば、ネック部3をシリコン融液2から切離す切離し工程(S30)までを実施して、そのあとネック部3の温度を室温まで下げても上記のように転位を固着することができる。したがって、このようにネック部3を形成した種結晶1を室温にまで冷却したものを予め準備しておけば、当該ネック部3を形成した種結晶1を用いてシリコン単結晶を形成する工程(通常の種結晶を用いたCZ法によるシリコン単結晶を形成する工程と同様の工程)を随時実施することができる。
上記シリコン単結晶の製造方法では、シリコン単結晶を形成する再成長工程(S50)において、シリコン融液2にネック部3を再度接触させるとき、シリコン融液2の液面に対するネック部3の浸漬深さ(図3の長さD)が10mm以上20mm以下であってもよい。この場合、ネック部3に連なるようにシリコン単結晶を確実に成長させることができる。また、異なる観点から言えば、ネック部3は種結晶1側から先端側に向けて徐々にその直径が小さくなるように形成されていてもよい。さらに、上記浸漬深さ(図3の長さD)は、ネック部3の先端側の直径(最少直径)よりネック部3の直径が1mm以上大きくなる位置、より好ましくは当該ネック部3の直径が最少直径より2mm以上大きくなる位置、がシリコン融液に接触するように決定されていてもよい。
上記シリコン単結晶の製造方法では、ネック部形成工程(S20)において、形成されたネック部3の長さL(図2参照)が30mm以上であってもよい。この場合、ネック部3をシリコン融液2に再度接触させる工程を容易に実施することができる。なお、ネック部形成工程(S20)において形成されるネック部3の長さLは、再成長工程(S50)でネック部3がシリコン融液2に付け込まれる長さDよりも5mm以上長くすることが好ましい。また、実際の操業では、制御の容易性なども考慮して、ネック部3の長さLは、再成長工程(S50)でネック部3がシリコン融液2に付け込まれる長さDよりも10mm以上、より好ましくは20mm以上長くする。
(実験例)
本発明の効果を確認するため、以下のような実験を行った。
<実施例の試料について>
ノンドープのシリコン単結晶からなる種結晶を準備した。当該種結晶の抵抗率は100Ωcm以上である。この種結晶を用いて、本発明によるシリコン単結晶の製造方法を用いて、リン(P)をドープした低抵抗なシリコン単結晶を形成した。なお、シリコン単結晶は10本製造し、各シリコン単結晶のトップの抵抗率は0.0012Ωcm程度であった。
この実施例の試料の製造方法は、基本的には図1〜3に示した本発明によるシリコン単結晶の製造方法を用いた。具体的には、切離し工程(S30)においてシリコン融液から切離されるネック部3(図2参照)の長さLは60mmとした。また、冷却工程(S40)において、ネック部は温度が400℃になるまで冷却された。そして、再成長工程(S50)において、図3に示すようにネック部3がシリコン融液2に浸漬される長さDを20mmとした。そして、シリコン単結晶の成長を再開した後、ネック部を長さ110mm形成した後、コーン育成工程を実施してシリコン単結晶の直径を200mm超えの値とし、直胴部育成工程、切離し工程を実施した。
<比較例の試料について>
基本的に上記実施例の試料と同じプロセス条件で、比較例のシリコン単結晶を製造した。ただし、比較例のシリコン単結晶については、本発明の上記実施例のように切離し工程(S30)および冷却工程(S40)を実施することなく、従来通り種結晶をシリコン融液に接触させてからシリコン単結晶を引き上げ、途中で止めることなくシリコン単結晶を製造した。比較例のシリコン単結晶も10本製造した。
<観察内容>
ネック部の断面観察:
上記実施例および比較例の試料(シリコン単結晶)について、ネック部の幅方向の中央(センター部)を縦に1mm厚さにスライスした。そして、当該スライスして得られた試験片について、フッ硝酸で表面をエッチングして加工歪を除去した後に、X線トポグラフィーで表面を観察した。なお、ネック部から直胴部まで延在する転位は、ネック部の中心付近を成長界面に垂直に伝播する転位欠陥であるため、このような方法でほぼ確実に検出することができる。
基板表面の観察:
得られたシリコン単結晶について、外周研磨など所定の加工処理を行った後、当該シリコン単結晶をスライスしてシリコン基板を作成する。そして、当該シリコン基板の主表面における欠陥の発生の有無を検査した。一本のシリコン単結晶から得られたシリコン基板の中から1枚でも転位欠陥が見つかれば、欠陥が発生したとしてカウントする。
なお、実際の操業における欠陥の検出は、シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を堆積した後で、異物検査装置(具体的にはSP1)による検査を行う段階で可能である。また、上記転位欠陥は、実際には、1つのシリコン単結晶から連続して切出されたシリコン基板のほぼ同じ部位に観察される。また、当該転位欠陥として、たとえばスリップ転位等の欠陥が羽模様状の欠陥として検出される。
<結果>
ネック部の断面観察結果:
図4は、本発明の実施例の試料におけるネック部の断面を示す写真であって、境界部6の上側がネック形成工程(S20)で形成されたネック部であり、当該境界部6の下側が再成長工程(S50)により形成されたネック部(再成長ネック部)である。図4から分かるように、境界部6の下側ではほとんど新たな転位は発生していない。また、境界部6を超えて伝播している転位は、境界部6の下側でほとんどネック部の側面に到達して消滅している。
一方、図5は、比較例の試料におけるネック部の断面を示す写真であって、境界部7の上側が種結晶であり、境界部7の下側がネック部である。図5から分かるように、比較例の試料では、境界部7からネック部に向けて多くの転位欠陥が発生しており、ネック部の中心をほぼ境界部7に対して垂直に伸びるように転位欠陥が伸びている。
基板表面の観察結果:
実施例の試料について、10本の実施例のシリコン単結晶からは基板表面の欠陥は1つも観察されなかった。つまり、欠陥の発生率は0%であった。一方、比較例のシリコン単結晶からは、10本中6本のシリコン単結晶について、欠陥の発生が認められた。つまり、欠陥の発生率は60%であった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、特にチョクラルスキー法を用いたシリコン単結晶の製造方法に有利に適用される。
1 種結晶、2 シリコン融液、3 ネック部、5 矢印、6,7 境界部。

Claims (4)

  1. シリコン融液を準備する工程と、
    前記シリコン融液に種結晶を接触させる工程と、
    前記種結晶に連なるネック部を形成する工程とを備え、前記ネック部は形成温度と形成長さを有し、さらに、
    前記ネック部を前記シリコン融液から切離す工程と、
    前記形成温度から740℃以下の温度にまで、前記シリコン融液から切離された前記ネック部の温度を下げる工程と、
    前記ネック部の温度を下げる前記工程において740℃以下の温度を有していた前記ネック部を前記シリコン融液に接触させる工程と、
    前記ネック部に連なるシリコン単結晶を形成する工程とを備える、シリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記種結晶の抵抗率は1Ωcm以上であり、前記シリコン単結晶の抵抗率は0.005Ωcm以下である、請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記ネック部の温度を下げる前記工程において740℃以下の温度を有していた前記ネック部を、10mm以上20mm以下の浸漬深さまで前記シリコン融液に浸漬する工程をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記ネック部の前記形成長さが30mm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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