JP4577319B2 - シリコン単結晶の育成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)によるシリコン単結晶の育成方法に関し、さらに詳しくは、半導体の集積回路素子に使用される、Grown−in欠陥の発生を効果的に抑制することができるシリコン単結晶を育成する方法に関するものである。
半導体の高集積回路用材料として使用されるシリコン単結晶は、主としてCZ法によって育成される。
図1は、CZ法による単結晶の育成方法を説明する単結晶育成装置の模式的断面図である。図1に示すように、坩堝1は石英製の内層保持容器1aと、この内層保持容器1aの外側に嵌合された黒鉛製の外層保持容器1bとから構成されている。このような構成からなる坩堝1は、所定の速度で回転する支持軸1cに支持され、坩堝1の外側にはヒーター2が同心円筒状に配設されている。
この坩堝1の内部には、前記ヒーター2の加熱によって溶融された原料の溶融液3が充填されており、坩堝1の中心にはワイヤー等からなる引上げ軸4が配設されている。この引上げ軸4の先には種結晶5が取り付けられており、単結晶6を育成するため、この種結晶5を溶融液3の表面に接触させる。さらに引上げ軸4を、支持軸1cによって回転される坩堝1と反対方向に所定の速度で回転させながら種結晶5を引上げることによって、種結晶5の先端に溶融液3を凝固させて単結晶6を成長させていく。
このようにして育成されたシリコン単結晶から切り出されて、シリコンウェーハが作製され、高集積回路の形成に供される。ところが、この高集積回路の不良原因の大半がパーティクルに起因するものとされている。このパーティクルは市販される表面検査機器によって検査されるが、検出されるものにはプロセス装置単体から発生したり、実プロセスを行うことによって発生するパーティクルだけでなく、結晶育成時に生成する結晶欠陥も検出される。
近年、半導体の集積回路素子(デバイス)の集積高密度化の急速な進展により、シリコンウェーハの品質への要求は、ますます厳しくなっている。そして、デザインルールの一層の微細化にともない、製造ラインでのパーティクルを厳しく管理することが求められる。製造ラインにおけるパーティクル管理を徹底するため、ラインには製品用のウェーハだけでなく、パーティクルのモニター用として使われるダミーウェーハも投入される。当然ながら、このパーティクルモニターウェーハでは、表面検査機器によってパーティクルとして検出される結晶欠陥が低密度であることが要求されている。
CZ法によって製造されたシリコン単結晶または切り出されたウェーハを、酸化雰囲気で高温熱処理を施すと、単結晶の引上げ軸を中心とするリング状の酸化誘起積層欠陥(ring likely distributed oxidation−induced stacking faults:以下、「OSFリング」という)が発生することがある。その他に、その面内に数種類の微小欠陥が形成されるが、これらは単結晶の育成時に形成された結晶欠陥であって、いわゆるGrown−in欠陥と呼ばれる。
OSFリングが発生した単結晶では、その内側領域と外側領域では結晶物性は異なり、検出されるGrown−in欠陥も相違する。OSFリングの内側領域には、MOS型デバイスのゲート膜耐圧特性を劣化させる点欠陥(空孔)に関係するGrown−in欠陥が105〜106個/cm3程度存在している。このGrown−in欠陥はCOPと称され、内部が空洞の八面体構造を基本としている。0.35μm以下のデザインルールによるULSIデバイスでは、COPはゲート膜耐圧特性だけでなく、素子分離不良も生じさせる。
一方、OSFリングの外側領域には、デバイスのリーク電流特性を悪化させる点欠陥(格子間シリコン)に関係したGrown−in欠陥として、転位クラスターが103〜104個/cm3程度存在している。
図2は、育成されたシリコン単結晶を引上げ軸と垂直な面と平行に切り出して、高温酸化処理を施したのち結晶面を観察した結果を模式的に示した図である。シリコン単結晶の中心部にはCOP領域があり、その外側にOSFリング領域が拡がり、OSFリング領域の外側に酸素析出領域が位置する。さらに、酸素析出領域の外側には酸素析出抑制領域が拡がり、最外周に転位クラスター領域が拡がっている。
図2に示す結晶面において、OSFリング領域とこれに外接する酸素析出領域および酸素析出抑制領域には、微細なサイズまたは極低密度の酸素析出物以外にはGrown−in欠陥が存在しない領域である。前述の通り、OSFリング領域は高温の酸化処理によって、酸化誘起積層欠陥(Oxidation−induced stacking fault:以下単に「OSF」という)を誘起する領域であるが、その核は酸素析出物である。
しかし、高温酸化処理前の育成ままの状態、すなわち、as−grownの状態では、OSFリング領域において核を直接検出することは極めて困難であることから、上記の表面検査機器による評価では、Grown−in欠陥が観察されない領域として認識される。
OSFリングの発生位置は、育成中の引上げ速度の影響を受け、育成されるシリコン単結晶内の融点から1300℃近傍までの温度勾配Gとし、引上げ速度をVとした場合に、V/Gの関係によって制御される。したがって、単結晶の育成中にV/G値を所定の範囲に設定することによって、結晶面内の任意位置にOSFリングを現すことができる。
このようにOSFリングを任意位置に発生できるので、発生位置を制御して、ウェーハ面の同心円状に発生するGrown−in欠陥を低減する方法が、従来から提案されている。まず、OSFリングをウェーハの外周部に発生させて、OSFリング領域の内側に発生するCOPの密度を低減させる方法として、次の提案がある。
特許文献1では、シリコンウェーハの表面に熱酸化膜を形成する工程の直前で、水素ガスを含む非酸化性雰囲気中で1100℃以上の熱処理で、表層のCOPを消滅する方法が提案されている。また、特許文献2では、COPの欠陥密度を高くすることによって、欠陥サイズを微細化させ、微細になった欠陥を熱処理により消滅させるとしている。さらに、特許文献3公報では、窒素をドープすることによって、COPのサイズ分布を小さい方にシフトさせる方法が開示されている。しかし、上述のCOPを低減させる方法では、いずれも欠陥低減のために熱処理が必要になることから、工程増加が必須となり、製造コストの増大を招くことになる。
また、添加した窒素濃度が育成された結晶中にどの程度ドープされたかを検証する方法が確立されておらず、保証の点で問題が残る。特に、窒素ガスでドープする場合には、シリコン原料とともに窒化物を溶融する固体ドープ法よりもドープ量を把握しにくい。
一方、OSFリングをウェーハの内側に発生させて、欠陥部分を中心部に集中させるか、若しくは欠陥部分を中心部で消滅させる方法も提案されている。しかし、この方法では、引上げ速度を著しく低下させる必要があるため、生産性が低下する。さらに品質的にも、OSFリングを結晶内側に収縮させることによる転位発生の恐れがある。
また、OSFリング領域の外側に位置する酸素析出領域および酸素析出抑制領域をウェーハ表面に形成させ、結晶軸の方向にも維持させる方法が提案されている。しかし、この方法を実効あるものにするには、欠陥分布が面内均一になるようなホットゾーンを作製すること、および前述のV/G値を厳密に制御させながらの結晶育成を行う必要があることから、作業性の維持が困難になる。
特公平3−80338号公報 特開平10−208987公報 特開平10−098047号公報
前述の通り、OSFリングの発生位置を制御して、COP領域、OSFリング領域の欠陥を低減したり、酸素析出領域および酸素析出抑制領域をウェーハ表面に拡げようとしても、工程の増加となり、製造コストの増大を招いたり、作業性が著しく低下するという問題が発生する。特に、パーティクルモニターウェーハとして使用する場合には、なるべく簡単に製造が可能で、さらに製造工程を増加させることなく、製造コストを低減させる必要がある。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストの増大をともなうことなく、簡易な製造工程で、ウェーハ表面にOSFリング領域を拡張し、Grown−in欠陥の発生を効果的に抑制することができるシリコン単結晶およびシリコンウェーハを提供することを目的としている。
CZ法によって製造されたシリコン単結晶ウェーハは、酸化性雰囲気で、1000〜1200℃、1〜20時間の高温酸化処理を施すと、OSFリングが発生する場合がある。OSFは1200℃以上の高温でも消滅し難い安定な酸素析出物を核とし、上記の高温酸化処理によって誘起される。しかし、高温酸化処理を施さず、育成直後のas−grownの状態で、OSFの核を検出することは極めて困難である。言い換えると、as−grown状態のOSFリング領域は、Grown−in欠陥が存在しない領域と言うことができる。
通常、ウェーハ面に現れるOSFリングは、数〜10数mmの幅を有するが、本発明者らは、CZ法で単結晶を育成する過程で、窒素をドープすることによってOSFリングの幅を拡大させることが可能であり、ウェーハ表面をOSFからなる領域にできることを見いだした。
前述の通り、OSFリングは極僅かな密度の酸素析出物が存在するが、それ以外のGrown−in欠陥が殆ど存在しない領域であるから、ウェーハ表面をOSFリング領域とすれば、パーティクルモニターウェーハとして用いるのに最適なウェーハを得ることができる。また、OSFリング領域の外側には酸素析出領域とその外側には酸素析出抑制領域が存在しているが、これらの領域でもGrown−in欠陥が殆ど検出されないことから、これらの領域からなるウェーハであれば、パーティクルモニターウェーハとして有効である。
図3は、パーティクルモニターウェーハとして用いるのに有効なウェーハ表面の構成を模式的に示した図である。図3(a)は表面にOSFリング領域が拡張されたウェーハを、同(b)はOSFリング領域とそれに外接する酸素析出領域からなるウェーハを、同(c)はOSFリング領域、酸素析出領域および酸素析出抑制領域からなるウェーハをそれぞれ示している。図に示す表面構成からなるウェーハであれば、Grown−in欠陥が殆ど検出されないことから、パーティクルのモニター用として最適なものとなる。
さらに、OSFリング上に存在する低密度の酸素析出物は、酸素濃度を低減させることによって、OSFの誘起が抑制される。したがって、酸素濃度が低い状態で結晶育成を行うか、またはウェーハに酸素の外方拡散処理を施して、酸素濃度を低減すれば、電気特性の改善が図れ、デバイス特性に優れたシリコンウェーハを得ることができる。
また、育成中の引上げ速度とOSFリングが現れる位置との関係について、真円形状からずれる結晶面形状に着目して検討した結果、引上げられる結晶面形状が真円形状からのずれ率(以下、「結晶変形率」という)とOSFリングの位置との間に強い相関関係がある。これにより、結晶変形率を指標とすることでOSFリングが現れる位置を設定することが可能になる。
また、高温酸化処理を施す際に生成するOSF密度と窒素ドープ量には良好な相関があることを明らかにした。すなわち、OSF密度と窒素ドープ量とは互いに正の相関があり、OSF密度を検出することで結晶中のドープ量を推定することが可能になる。特に、窒素をガスドープする場合のドープ量の推定に有効である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、下記(1)および(2)のシリコン単結晶の育成方法を要旨としている。
(1)CZ法により、窒素が1×1012atoms/cm3〜5×1015atoms/cm3の濃度でドープされたシリコン単結晶を育成する方法であって、育成された結晶の最大外径をDmaxとし、最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×l00(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として予め算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面が酸化誘起積層欠陥領域からなる単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法である。
(2)上記(1)のシリコン単結晶の育成方法では、同様に、結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として予め算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面が酸化誘起積層欠陥領域および酸素析出領域からなり、またはそれらの領域に加え酸素析出抑制領域からなる単結晶を育成することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法では、育成された結晶の結晶面形状を測定して算出された結晶変形率(真円形状からずれる結晶面形状のずれ率)から予め最大引上げ速度を算出しておき、実際の育成時における目標引上げ速度に所定係数を乗することで定め、OSFリングが現れる位置を制御できる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、製造コストの増大をともなうことなく、簡易な製造工程で、ウェーハ表面にOSFリング領域を拡張し、Grown−in欠陥の発生を効果的に抑制することができる。これにより得られたシリコンウェーハは、パーティクルモニター用として最適なウェーハとでき、さらに含有される酸素濃度を低減することによって、製品ウェーハとしても充分に使用できる。
本発明の育成方法では、CZ法による育成中に窒素をドープし、育成結晶の真円形状からのずれを示す結晶変形率から最大引上げ速度として予め算出しておき、実際の育成時に、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面がOSFリング領域および酸素析出領域からなり、またはそれらの領域に加え酸素析出抑制領域からなる単結晶を育成することができる。
本発明の育成方法では、シリコン単結晶の窒素ドープ量が1×1012atoms/cm3でOSFリング領域の拡張効果が現れてくるが、1×1014atoms/cm3以上とするのが望ましい。窒素添加によるOSFリング領域を拡張する作用を充分に発揮させるためである。一方、窒素ドープ量の上限は、極端に高濃度となると有転位化しやすくなるため、5×1015atoms/cm3を上限にする。
ここで、ウェーハにドープした窒素濃度は、引上げ前のシリコンに対するドープした窒素量、シリコンの融液並びに固相とでの窒素の分配係数、および結晶の固化率から計算される。すなわち、シリコン中の窒素の初期濃度C0は、原料シリコンの原子量と添加した窒素原子数とから計算され、結晶中の窒素濃度CNは下記(a)式で計算される。
N=C0k(1−x)k−1 ・・・ (a)
上記(a)式で、kは窒素の平行偏析係数であり、7×10-4を使用できる。xは固化率であり、結晶引上げ重量を初期チャージ量で割ったものとして表される。
一般的に高速引上げで単結晶を育成すると、OSFリングがウェーハの外周部に現れるようになり、低速引上げで育成すると、現れる領域が外周側から内側に収縮する。OSFリングがウェーハ内部に現れる場合に、窒素ドープによるOSFリング領域の拡張作用を有効に機能させることができる。したがって、OSFリングがウェーハ最外周部、またはウェーハ外に現れたり、OSFリングが中心部で消滅するような引上げ条件では、窒素ドープの効果は低減する。そのため、本発明においては、OSFリングがウェーハ最外周部に位置したり、ウェーハ中心部で消滅することのない引上げ条件を前提にするのが望ましい。
CZ法における引上げ速度が限界引上げ速度に近づくと、育成中の結晶引上げ方向に直交する面形状が真円形状からずれるようになる。通常、育成される方向に直交する面内における結晶の最大外径をDmaxとし、最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×100(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度とされる。
そして、このような最大引上げ速度を予め算出しておき、実際の育成時における目標引上げ速度を設定することにより、引上げ速度とOSFリングが現れる位置とは相関することから、OSFリングがウェーハ内部に現れる位置を制御することができる。
具体的には、上記の(Dmax−Dmin)/Dmin×100(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成するのが望ましい。引上げ速度の下限を最大引上げ速度の0.4倍にすることにより、OSFリングを中心部に消滅させることがない。一方、引上げ速度の上限を最大引上げ速度の0.8倍にすることにより、ウェーハ最外周部に位置したり、またはウェーハ外に出てしまうようなことがない。
モニターウェーハとして使用する場合には、結晶中に含有される酸素濃度を特に規定しないが、酸素濃度の低い条件で引上げることにより、OSFの核を低減することが可能になる。本発明者らの研究によれば、OSFリング領域が表面に広がり、かつ含有される酸素濃度が9×1017atoms/cm3以下であるウェーハは、良好な電気特性を有し、モニターウェーハとしてだけでなく、製品ウェーハとしても使用可能であることが明らかになる。
また、9×1017atoms/cm3を超えた酸素濃度で育成された単結晶であっても、ウェーハに酸素外方拡散処理を施すことによって、OSFの発生は抑制され、電気特性の改善が図れる。ここでいう酸素外方拡散処理とは、後述する実施例で示すように、酸素析出物のサイズを収縮する熱処理であり、1200℃、さらに1300℃以上の高温処理が望ましい。
さらに、本発明者らの研究によって、見込みドープ量と、高温酸化処理を施した際に生成するOSF密度と良い相関を持つことが明らかになる。すなわち、高温酸化処理により誘起されるOSF密度を測定することによって、結晶中への窒素ドープ量を簡易に把握できる。このような観点から種々検討した結果、窒素ドープによるOSFリング領域の拡張作用を有効に発揮させるには、高温酸化処理を施した場合に、ウェーハの表面に103/cm2以上の酸化誘起積層欠陥が発生するのが望ましい。この評価方法は、特に窒素ガスによるドープの場合に有効である。
窒素ドープ方法としては、原料中または溶融液中への窒化物の混合や、炉内に窒素または窒素化合物ガスを流しながら単結晶を育成したり、溶融前に高温多結晶シリコンに窒素ガスまたは窒素化合物ガスを吹き付けるなどの慣用されている方法であればよい。さらに、原料として窒素を添加したFZシリコン結晶、または表面に窒化珪素膜を形成したウェーハを原料シリコンに添加して単結晶引上げを行う方法や、窒素または窒素化合物ガス雰囲気中で多結晶シリコンを溶融することにより原料シリコンに窒素を添加する方法や、窒化物製にするか、または石英坩堝に窒素を添加したものを坩堝として用いて単結晶の育成を行う方法なども採用することができる。
本発明の効果を確認するため、次の4つの実験を実施した。
(実施例1)図1に示す単結晶育成装置を用い、坩堝内で高純度多結晶シリコン100kgを溶融させ、ボロンをドーバントとして直径200mm、結晶方位<100>の単結晶を育成した。育成時の引上げ速度は、最大引上げ速度の0.6倍または0.9倍とした。酸素濃度は13〜15×1017atoms/cm3となるように育成した。
窒素の添加効果を調べるため、単結晶が肩下100mmまで成長したところから、窒素ガスを装置炉内に10l/minで流した。育成後の単結晶から、結晶軸に平行に試験片を切り出し、酸素雰囲気中で800℃×4Hr+1000℃×16Hrの熱酸化処理を施した。その後X線トポグラフ写真を撮影した。
図4は、トポグラフ写真で観察した結果を模式的に図示したものであり、同図(a)、(b)は最大引上げ速度の0.6倍または0.9倍で窒素ドープした場合を、同図(c)は最大引上げ速度の0.9倍で窒素ドープしない場合の結果を示している。同図(c)に示すように、窒素ドープをせずに、引上げ速度を最大引上げ速度の0.9倍で育成すると、OSFリングは単結晶の外周部に発生している。
同図(a)から、最大引上げ速度の0.6倍の速度で引上げた結晶では、窒素をドープした位置からOSFリングの幅が拡大し、徐々に表面がリング領域に変化していく過程が分かる。一方、同図(b)では、引上げ速度が最大引上げ速度の0.9倍になると、窒素をドープしているにも拘わらず、リング領域はそれほど大きな拡大を見せていない。したがって、窒素をドープした場合であっても、OSFリング幅の拡張挙動に引上げ速度が影響を及ぼすことなる。
(実施例2)前記図4(a)に示す単結晶と同じ育成条件、すなわち、育成時の引上げ速度を最大引上げ速度の0.6倍とし、窒素ガスを炉内に10l/minで流して結晶育成を行った。比較例として、窒素ガスを流さずに育成した単結晶も準備した(試験No.1)。
育成後の単結晶から、結晶軸に垂直な面に平行にウェーハ状の試験片を切り出し、市販の表面検査機器(レーザーパーティクルカウンター)を用いて、Grown−in欠陥の密度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004577319
表1から分かるように、窒素ドープした結晶(試験No.2)は、窒素ドープしない結晶(試験No.1)に比べGrown−in欠陥数が極めて低い。このことから、OSFリング領域がほぼ表面に拡がったウェーハはモニターウェーハとして有効であるといえる。さらに、酸素雰囲気中にて1100℃×16Hrの熱酸化処理を行って、OSF密度を測定したが、窒素ドープした結晶(試験No.2)では、104/cm2程度のOSFをカウントした。
次いで、酸素低減の効果を確認するため、窒素ドープしたウェーハに、Ar雰囲気で1200℃×4Hrの熱処理による酸素外方拡散処理を施して、Grown−in欠陥の密度を測定した。その後、酸素雰囲気中にて1100℃×16Hrの熱酸化処理を行って、OSF密度をカウントした(試験No.3)。
その結果も表1に示すが、酸素外方拡散処理を施すことにより、ウェーハ表面のOSF密度が著しく低減していることが分かる。このことは、熱処理を施したことにより、パーティクルモニター用としてだけでなく、製品ウェーハとしても充分に使用できることを意味している。なお、この効果は、Ar以外の不活性ガス、水素または窒素若しくはそれらの混合ガスでも認められ、処理温度に関しては、さらに高温が適し、1300℃以上であることが望ましい。
(実施例3)低酸素レベルで育成された単結晶の特性を確認するため、育成時の引上げ速度を最大引上げ速度の0.6倍とし、窒素ガスを炉内に10l/minで流して、酸素濃度を8×1017atoms/cm3である結晶を育成した。このシリコン単結晶から切り出したウェーハについて市販の表面検査枚器(レーザーパーティクルカウンター)を用いてGrown−in欠陥密度の評価を行った。さらに、酸素雰囲気中にて1100℃×16Hrの熱酸化処理を行って、OSF密度を測定した(試験No.4)。その結果を、表1に示す。
表1から明らかなように、比較例の窒素ドープしない結晶(試験No.1)に比べ、実施例3で窒素ドープした結晶(試験No.4)は、Grown−in欠陥、OSFともに極めて低い。特に、OSFは、高温酸化処理によって殆ど誘起されていない。このことから、OSFリング領域がウェーハ表面に拡がったウェーハでも、結晶中の酸素濃度が低い場合には、OSFを誘起しないことが分かる。
(実施例4)実施例1と同様に、図1に示す育成装置を用いて、さらに単結晶の育成を行った。ドープ量を見積もりやすくするために、窒素ガスドープ方式でなく、窒化膜を形成したシリコンウェーハを原料と共に仕込む方式とした。窒素濃度が1013〜から1015atoms/cm3の範囲で種々の濃度となるように窒化膜付きウェーハの投入量を調整した。
育成後の単結晶から、結晶軸に垂直な面に平行にウェーハ状の試験片を切り出し、酸素雰囲気中で1100℃×16hrの熱酸化処理を施した。その後ライトエッチング液で2分間選択エッチングした後、光学顕微鏡にてOSF密度を測定した。
図5は、ウェーハの中心から40mmの距離までに測定されたOSF密度の平均値である。同図から、ドープ量が増大するとOSF密度が増大しており、OSF密度と仕込みの窒素濃度との間には良好な相関関係があることが明らかである。このことは、高温酸化処理により誘起されたOSFの密度を測定すれば、仕込みの窒素濃度を推定できることを示している。したがって、ウェーハ表面で103/cm2以上のOSFをカウントすれば、育成された単結晶の窒素ドープ量は1×1014atoms/cm3以上であると推定することができる。
本発明のシリコン単結晶の育成方法によれば、製造コストの増大をともなうことなく、簡易な製造工程で、ウェーハ表面に亘りOSFリング領域を拡張し、Grown−in欠陥の発生を効果的に抑制することができる。これにより得られたシリコンウェーハは、パーティクルモニター用として最適なウェーハとでき、さらに含有される酸素濃度を低減することによって、製品ウェーハとしても充分に使用できる。
したがって、本発明のシリコン単結晶の育成方法は、半導体の集積回路素子に使用されるシリコン単結晶の製造方法として広く利用することができる。
CZ法による単結晶の育成方法を説明する単結晶育成装置の模式的断面図である。 育成されたシリコン単結晶を引上げ軸と垂直な面と平行に切り出して、高温酸化処理を施したのち結晶面を観察した結果を模式的に示した図である。 パーティクルモニターウェーハとして用いるのに有効なウェーハ表面の構成を模式的に示した図である。 トポグラフ写真で観察した結果を模式的に図示したものであり、同図(a)、(b)は窒素ドープした場合を、同図(c)は窒素ドープしない場合の結果を示している。 ウェーハの中心から40mmの距離までに測定されたOSF密度の平均値である。
符号の説明
1:ルツボ、 1a:内層保持容器
1b:外層保持容器、 1c:支持軸
2:ヒーター、 3:溶融液
4:引上げ軸、 5:種結晶
6:単結晶

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により、窒素が1×1012atoms/cm3〜5×1015atoms/cm3の濃度でドープされたシリコン単結晶を育成する方法であって、
    育成された結晶の最大外径をDmaxとし、最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×l00(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として予め算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、
    育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面が酸化誘起積層欠陥領域からなる単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  2. チョクラルスキー法により、窒素が1×1012atoms/cm3〜5×1015atoms/cm3の濃度でドープされたシリコン単結晶を育成する方法であって、
    育成された結晶の最大外径をDmaxとし、最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×l00(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として予め算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、
    育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面が酸化誘起積層欠陥領域および酸素析出領域からなる単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
  3. チョクラルスキー法により、窒素が1×1012atoms/cm3〜5×1015atoms/cm3の濃度でドープされたシリコン単結晶を育成する方法であって、
    育成された結晶の最大外径をDmaxとし、最小外径をDminとしたとき、(Dmax−Dmin)/Dmin×l00(%)で表される結晶変形率が1.5〜2.0%となる速度を最大引上げ速度として予め算出しておき、この最大引上げ速度の0.4倍〜0.8倍の引上げ速度で育成することにより、
    育成された単結晶からウェーハを切り出して高温酸化処理を施した場合に、ウェーハ表面が酸化誘起積層欠陥領域、酸素析出領域および酸素析出抑制領域からなる単結晶を育成することを特徴とするシリコン単結晶の育成方法。
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