図1〜図9を参照して本発明の一実施形態について説明する。
(構成)
まず、図1および図2を参照して、スロットマシン1の構成の概略について説明する。図1はスロットマシン1の正面図である。図2は図1中のX−X断面図である。
図1に示すように、スロットマシン1は、遊技媒体であるメダルが規定数投入されることを条件とする遊技者の操作に基づいて一回の遊技が実行されるものであり、筐体の前面が前扉2により開閉自在に閉塞され、この前扉2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。
そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられ、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール6(本発明における回転リールに相当)が配置されている。各リール6には、例えば「赤7」「白7」「青7」「BAR」「チェリー」「ベル」「スイカ」「リプレイ」の複数種類の図柄が合計21個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、各図柄が印刷されたリールテープがリール6の周面に貼り付けられて各リール6がそれぞれ形成される。そして、各リール6が回転すると、複数の図柄がそれぞれ表示窓5に変動表示される。表示窓5からは、各リール6の回転が停止すると、図柄が上段、中段および下段にそれぞれ1個の合計3個ずつ覗くように設定されている。すなわち、3個すべてのリール6が停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示されるようになっている。
また、各リール6をそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール6には、それぞれステッピングモータにより構成されるリールモータ(図示せず)が連結されている。
さらに、操作板3には、内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ7、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ8、各リール6を回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ9、左・中・右リール6の回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ(本発明における操作スイッチに相当)10L,10M,10R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ11、およびメダル投入口12が設けられている。なお、この実施形態では、1ゲームに必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知する演出を行うための液晶表示器13が設けられ、液晶表示器13のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル14が設けられ、これら液晶表示器13および説明パネル14の左右には、音楽などによる演出を行うためのスピーカ15L,15Rがそれぞれ設けられている。また、説明パネル14およびスピーカ15L,15Rの上辺には中央ランプ部16Mが配設され、その左右には左・右ランプ部16L,16Rがそれぞれ配設されている。各ランプ部16M,16L,16Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらのランプ部16M,16L,16Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部16を構成している。
また、正面板4の表示窓5と液晶表示器13との間の領域において、各リール6それぞれに対応する装飾画などが表示され、この装飾画の表示部分に対応する位置に本発明の照明装置17が配設されている。なお、照明装置17の構成については後で詳述する。
また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部19L,19Rが設けられている。また、下部パネル18の下方には、メダルの払出口20や、この払出口20から払い出されるメダルを受けるメダル受け21が設けられている。また、正面板4には入賞ラインが描かれ、正面板4の左下にはクレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器22が配設されている。このクレジット表示器22は、例えば2個の7セグメントLEDで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。
また、図2に示すように、各リール6を支持する支持枠体23が、筐体内の後壁に固定されている。また、支持枠体23には各リール6のバックライト24が支持されており、バックライト24には、各リール6それぞれに設けられた図柄のうち、表示窓5から遊技者が視認できる9つの図柄(右リール:3つ、中リール:3つ、左リール3つ)それぞれを内部から照明する9つの点光源25(例えばLED)が配設されている。
さらに、図2に示すように、前扉2の裏側から、照明装置17が取り付けられており、この照明装置17が、上記した装飾画の表示部を正面板4の裏面側から照明するとともに各リール6の表面を外部から照明する。
(照明装置)
次に、照明装置17の構成について図3〜図7を参照して説明する。なお、図3は照明装置17を右斜め前上方から見たときの斜視図、(b)はその分解斜視図、図4は照明装置17の基板の正面図、図5はリフレクタの(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図、図6は照明装置17の(a)正面図、(b)背面図、(c)平面図、(d)底面図、図7は照明装置17を左斜め前下方から見たときの斜視図である。
照明装置17は、図3〜図7に示すように、それぞれ前扉2の所定の装飾画の表示部を照射する複数の第1発光部26、および、それぞれ各リール6の表面を外部から照射する複数の第2発光部27からなる光源群と、この光源群の各発光部26,27を実装するための横長矩形状の基板28と、該基板28に装着され、各発光部26,27からの光をそれぞれ個別に所定の照射対象(装飾画の表示部や各リール6)に出射するためのリフレクタ29(本発明における出射手段に相当)とを備える。
基板28は、例えば、内部または表面に配線パターンなどが形成されたプリント基板により形成され、図4に示すように、それぞれの一方主面(実装面)であって、該基板28の長手方向に、略直線状に複数の発光素子26a,27a(この実施形態では発光ダイオード:LED)が配列実装される。この場合、各発光素子26a,27aの中には、それぞれ各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知するための演出照明用に使用される複数の発光素子26aと、それぞれ各リール6表面の照射用に使用される複数の発光素子27aの2種類があり、1つの発光素子26aにより個々の第1発光部26が形成されるとともに、1つまたは2つの発光素子27aにより個々の第2発光部27が形成される。そして、図4に示すように、第1発光部26と第2発光部27とが、基板28の長手方向に交互に配列されてなる光源群が形成される。なお、各発光素子26a,27aを完全に直線上に配列してもかまわない。また、この実施形態において、光源群を構成する発光部26,27の総数を限定するものではないが、3つ以上の発光部26,27で構成されていることが好ましい。
また、図3(b)に示すように、基板28の主面には、リフレクタ29を基板28に装着するための2つの貫通孔30が、2つの発光素子27aで形成された2つの第2発光部27それぞれの、両発光素子27a間に透設される。また、基板28の他方主面には、外部接続用のコネクタ31が実装され、該コネクタ31を介して外部から入力される制御信号により、各発光素子26a,27aの照明制御が個別に行われる。
なお、本発明は、各第1発光部26および各第2発光部27が基板28上に交互に配列された構成であればよく、各第1発光部26および各第2発光部27それぞれを構成する発光素子26a,27aの個数を限定するものではない。また、各発光部26,27を、必ずしも基板28の長手方向に沿うように配列する必要はなく、基板28の実装面に直線状に各発光部26,27を交互に配列する構成であれば、その配列方向はどのような方向であってもかまわない。
リフレクタ29は、各第1発光部26および各第2発光部27からの光をそれぞれ異なる方向に出射するものであり、各第1発光部26からの光それぞれを、前扉2の所定の装飾画の表示部に向けて出射するための複数の第1光出射部29aと、各第2発光部27からの光それぞれを、各第1発光部26からの光の出射方向と異なる各リール6の表面に向けて出射するための複数の第2光出射部29b,29cとを有する。そして、各第1光出射部29aおよび各第2光出射部29b,29cが一体的に形成されることにより、ユニット化されたケース体として形成され、基板28の光源群の配置側に着脱自在に装着される。なお、リフレクタ29は、不透明のプラスチック等で形成される。
具体的には、各第1光出射部29aは、図3(a)、図5(a)、図5(c)図6(a)、図6(c)に示すように、各第1発光部26それぞれに対応して設けられており、各々、リフレクタ29が基板28に装着された状態で、対応する第1発光部26の光の照射方向である前方側(前扉2側)および上方側が開放され、第1発光部26を左右から挟み、かつ、基板28から遠ざかるに連れて広がるように形成された2つの第1発光部左右反射面29a1(本発明における第2反射面に相当)と、第1発光部26の下側に形成された3つの第1発光部下部反射面29a2(本発明における第3反射面に相当)とを有し、各反射面29a1,29a2が一体的に形成される。
なお、この実施形態における各第1光出射部29aは、各反射面29a1,29a2それぞれが略平面で形成され、隣接する両反射面29a1,29a2の結合部に境界ができるように形成されているが、各反射面29a1,29a2の一部また全面を曲面に形成することにより、当該結合部に境界ができないように、滑らかに各反射面29a1,29a2を結合させる構成であってもかまわない。また、第1光出射部29aは、必ずしもその上方側を開放する必要はなく、例えば、第1発光部26の左右に配置された両第1発光部左右反射面29a1の上端どうしを接続する反射面を新たに設け、第1発光部26の上下左右の全周を囲むように、第1光出射部29aを形成してもよい。
各第2光出射部29b,29cは、図5(b)、図5(d)および図6(d)に示すように、各第2発光部27それぞれに対応して設けられており、それぞれ1つの発光素子27aで構成された第2発光部27に対応する複数の第2光出射部29bと、それぞれ2つの発光素子27aで構成された第2発光部27に対応する2つの第2光出射部29cとを有する。
1つの発光素子27aで構成された各第2発光部27に対応する各第2光出射部29bは、各々、リフレクタ29が基板28に装着された状態で、対応する第2発光部27の周囲を囲む全周のうちの光の出射側(下方側:各リール6側)が開放され、当該第2発光部27の光の照射方向を変更する反射面29b1,29b2を有する。
この反射面29b1,29b2は、図5(d)および図6(d)に示すように、対応する第2発光部27を左右から挟む2つの第2発光部左右反射面29b1(本発明における第1反射面に相当)と、当該第2発光部27の周囲を囲む全周のうちの上方側に配設された第2発光部上部反射面29b2とで構成される。この場合、両第2発光部左右反射面29b1は、各々、さらに2つの反射面29b1で構成され、これらの反射面29b1が一体形成される。そして、両第2発光部左右反射面29b1は、基板28から遠ざかるに連れて接近するように形成され、当該両反射面29b1の前端部どうしが結合される。また、第2発光部上部反射面29b2は、両第2発光部左右反射面29b1の上端部どうしを接続するように形成され、第2発光部上部反射面29b2の左右両端部と両第2発光部左右反射面29b1の上端部が結合される。そして、各反射面29b1,29b2が一体形成されることにより、リフレクタ29が基板28に装着された状態で、下方側が開放された各第2光出射部29bが形成される。
また、2つの発光素子27aで構成された両第2発光部27それぞれに対応する両第2光出射部29cは、各々、リフレクタ29が基板28に装着された状態で、対応する第2発光部27の周囲を囲む全周のうちの光の出射側(下方側:各リール6側)が開放され、当該第2発光部27の光の照射方向を変更する反射面29c1,29c2,29c3を有する。
この反射面29c1,29c2,29c3は、図5(d)および図6(d)に示すように、対応する第2発光部27を左右から挟む2つの第2発光部左右反射面29c1と、当該第2発光部27の周囲を囲む全周のうちの上方側に配設された第2発光部上部反射面29c2と、当該第2発光部27の前方側に対向するように配設された第2発光部前方反射面29c3とで構成される。この場合、両第2発光部左右反射面29c1は、各々、さらに2つの反射面29c1で構成され、これらの反射面29c1が一体形成される。そして、両第2発光部左右反射面29c1は、基板28から遠ざかるに連れて接近するように形成される。また、第2発光部上部反射面29c2は、両第2発光部左右反射面29c1の上端部どうしを接続するように形成され、第2発光部上部反射面29c2の左右両端部と両第2発光部左右反射面29c1の上端部が結合される。また、第2発光部前方反射面29c3は、両第2発光部左右反射面29c1の前端部どうしを接続するように形成され、第2発光部前方反射面29c3の左右両端部と両第2発光部左右反射面29c1の前端部が結合される。そして、各反射面29c1,29c2,29c3が一体形成されることにより、リフレクタ29が基板28に装着された状態で、下方側が開放された第2光出射部29cが形成される。なお、各光出射部29a,29b,29cの各反射面29a1,29a2,29b1,29b2,29c1,29c2,29c3それぞれは、表面が鏡面状に形成され、各発光部26,27が照射する光をロスなく出射方向に反射できるようになっている。
また、リフレクタ29は、図5および図6等に示すように、各第1光出射部29aと各第2光出射部29b,29cとが一体形成されており、例えば、一の第1光出射部29aと右側に隣接する第2光出射部29b,29cとの間では、第1光出射部29aの右側の第1発光部左右反射面29a1と第2光出射部29b,29cの左側の第2発光部左右反射面29b1,29c1とが1枚の反射板に形成されるとともに、当該一の第1光出射部29aの左側に隣接する第2光出射部29b,29cとの間では、第1光出射部29aの左側の第1発光部左右反射面29a1と第2光出射部29b,29cの右側の第2発光部左右反射面29b1,29c1とが1枚の反射板に形成される。そして、リフレクタ29は、図5(b)に示すように、背面側から見たときに、各第1光出射部29aそれぞれが、対応する第1発光部26の光の出射側(開放された部分)を除く周囲を囲むように円弧状(下側に凸)に形成されるとともに、各第2光出射部29b,29cそれぞれが、対応する第2発光部27の光の出射側を除く周囲を囲むように円弧状(上側に凸)に形成され、これらの円弧が連なって、波状に形成されることにより、各発光部26,27が個別に仕切られた状態になるように形成されている。
また、リフレクタ29には、図5(b)および図5(d)に示すように、基板28に装着するための2つの装着部32が、基板28の2つの貫通孔30に対応する位置に設けられている。この場合、各々の装着部32は円柱状の装着部本体32aと、該装着部本体32aの径よりも小さな径を有する円柱状の嵌合部32bとが同軸上に一体形成されたものであり、第2光出射部29cの第2発光部前方反射面29c3から後方に突出した状態で、第2光出射部29cに一体形成される。また、装着部32には、前後方向の中心軸にねじ孔が形成されている。そして、当該嵌合部32bを基板28に設けられた貫通孔30に嵌めた状態で基板28の裏側(後方側)からねじ33で固定することにより、リフレクタ29が基板28に装着される。なお、嵌合部32bの外径は、貫通孔30の径よりも若干小さい径で形成される。また、リフレクタ29の基板28への装着は、必ずしも、ねじ33による固定に限らず、種々の方法を採用することができる。
また、リフレクタ29の左右両端部には、照明装置17をスロットマシン1に取り付けるための取り付け部29dが形成されている。
以上のように形成されたリフレクタ29は、図3(a)、図6(a)等に示すように、各第1発光部26それぞれにおいて、前方方向および上側方向以外に広がる光のうち、第1発光部26から横方向に広がる光は、第1光出射部29aの左右の両第1発光部左右反射面29a1により反射され、他の発光部26,27との光の干渉が防止されるとともに、下側方向(第2発光部27の光の出射方向)に広がる光は、第1発光部下部反射面29a2により反射され、他の発光部26,27との光の干渉が防止される。
一方、図6(d)、図7に示すように、各第2発光部27それぞれにおいて、下側方向(出射方向)以外に広がる光のうち、第2発光部27から横方向に広がる光は、両第2発光部左右反射面29b1,29c1により反射され、他の発光部26,27との光の干渉が防止されるとともに、上側方向に広がる光は、第2発光部上部反射面29b2,29c2により反射され、他の発光部26,27との光の干渉が防止される。また、前方方向に広がる光は、1つの発光素子27aで構成された第2発光部27は、第2光出射部29bの両第2発光部左右反射面29b1により反射されるとともに、2つの発光素子27aで構成された第2発光部27は、第2光出射部29cの第2発光部前方反射面29c3により反射され、それぞれ他の発光部26,27との光の干渉が防止される。すなわち、リフレクタ29(各第1光出射部29aおよび各第2光出射部29b,29c)は、一の発光部26,27からの洩れ光が、当該一の発光部26,27に隣接する他の発光部26,27の光と干渉するのを防止する遮蔽機能を有し、各発光部26,27それぞれが、他の発光部26,27からの洩れ光に干渉されることなく、個別に仕切られた状態で形成される。
次に、各光出射部29a,29b,29cによる各発光部26,27の光の出射方向について、図8を参照して説明する。なお、図8(a)は照明装置17の平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。
この実施形態において、各第1発光部26は、各々、前扉2装飾画の表示部に対して光を照射し、遊技者に各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知するための演出照明用に使用される。この場合、第1発光部26から横方向に広がる光は、図8(a)に示すように、対応する第1光出射部29aの両第1発光部左右反射面29a1により反射され、ほぼ直進(前方方向)するように出射される。また、第1発光部26から下側方向に広がる光は、図8(b)に示すように、当該対応する第1発光部26を囲む全周のうち、下側に配設された第1発光部下部反射面29a2により反射され、ほぼ直進するように出射される。
また、各第2発光部27は、各々、各リール6の表面を照射するためのリール照明用に使用される。この場合、第2発光部27から上側方向に広がる光は、図8(c)に示すように、対応する第2光出射部29b,29cの第2発光部上部反射面29b2,29c2により反射され、下側方向(各リール6側)に向けて出射される。また、第2発光部27から横方向および前方方向に広がる光は、当該対応する第2光出射部29b,29cの両第2発光部左右反射面29b1,29c1により反射され、下側方向(各リール6側)に向けて出射される。このように、リフレクタ29は、各第1発光部26それぞれからの光を所定方向(前扉2装飾画の表示部側)に出射するとともに、各第2発光部27それぞれからの光を当該所定方向と異なる方向(各リール6側)に出射する。
次に、照明装置17のスロットマシン1への取り付けに関して、図1および図9を参照して説明する。なお、図9(a)は前扉2の部分正面図、(b)は前扉2裏側を右斜め下方向から見たときの部分背面斜視図である。なお、説明を簡単にするために、図9(a)において、前面板4等を図示省略するとともに、紙面右半分のリフレクタ29を図示省略している。
照明装置17は、図1および図9(a)に示すように、中パネルベース34の上部付近、すなわち、液晶表示器13と各リール6の間に相当する位置に取り付けられる。なお、中パネルベース34は、前扉2の上側のフレームとして設けられたものであり、前面に正面板4が配設される。このとき、中パネルベース34の裏側には、照明装置17を係止するための係止体34aが、後方に突出して一体形成されており、リフレクタ29の取り付け部29dが係止体34aにより係止されて、照明装置17が中パネルベース34の上記した所定の位置に固定される。なお、照明装置17をねじで中パネルベース34に固定するようにしてもよい。
また、図9(b)に示すように、照明装置17の裏側には、前扉2の補強用の補強板34bが配設され、ねじにより中パネルベース34に固定される。また、照明装置17の下側には、第2発光部27から下側(各リール6側)に出射される光を拡散させるための拡散板34cが配設され、各リール6表面に対してほぼ均一に光が照射されるように構成されている。なお、拡散板34cは、光の透過・拡散が可能な材質を使用するのが望ましく、例えば半透明のプラスチックが好適である。特に、拡散板34cの下面側は光を拡散すべくすりガラス状に形成するとよい。
したがって、上記した実施形態によれば、照明装置17が備える光源群は、横長矩形状の基板28上であって、該基板28の長手方向に第1発光部26と第2発光部27とが交互に配列された状態で形成される。そして、各第1発光部26からの光は、各々、第1光出射部29aにより、前方方向(前扉2側)に出射されるとともに、各第2発光部27からの光は、各々、第2光出射部29b,29cにより、第1発光部26からの光の出射方向と異なる下側方向(各リール6側)に出射される。
すなわち、単一の照明装置17で異なる2方向に光を出射することができるため、光の出射方向の異なる照明装置を個別に設ける従来の構成と比較して、照明装置17の小型化を図ることができる。また、照明装置17を単一なものとすることにより、照明装置17を構成する部品の数を削減することができるため、照明装置17の低コスト化を図ることもできる。また、照明装置17を小型化することにより、スロットマシン1の筐体内部における照明装置17の設置スペース以外の空きスペースを大きくすることができるため、スロットマシン1の設計自由度の向上を図ることもできる。
また、それぞれ異なる方向に光を照射するための各第1発光部26および各第2発光部27が個別の発光素子26a,27aで形成されるため、従来のように、リール照明用の光源と演出照明用の光源を一つの光源で構成したときの問題が生じない。すなわち、リール回転中の演出として、前扉2に描かれた装飾画を点滅させると各リール6用の照明まで点滅することになり、リール図柄が見づらくなるという問題が生じたり、遊技者がリール図柄を視認しやすいように各リール6用の照明を常時点灯させると、上記したリール回転中の演出を実現することができないといった問題が生じたりすることがない。
また、各発光部26,27を基板28の長手方向に略直線状に配列することにより、基板28の主面における、長手方向と垂直な方向(短手方向)の長さを短くすることができるため、基板28の小型化、ひいては照明装置17の小型化を図ることができる。
また、各第2光出射部29b,29cそれぞれは、第2発光部27の周囲を囲む全周のうちの下側(各リール6側)が開放され、当該第2発光部27の光の照射方向を変更する反射面29b1,29b2,29c1,29c2,29c3を有するため、各第2発光部27それぞれの光の照射方向を各第2光出射部29b,29cの反射面29b1,29b2,29c1,29c2,29c3により変更した上で、各第1発光部26の光の出射方向と異なる方向に出射することができる。
また、1つの発光素子27aで構成された各第2発光部27に対応する各第2光出射部29bそれぞれは、対応する第2発光部27を左右から挟み、該第2の発光部27から横方向に広がる光を反射する2つの第2発光部左右反射面29b1を備え、両反射面29b1は、基板28から遠ざかるに連れて接近するように形成され、両反射面29b1の前端部どうしが結合される。このように構成すると、各第2光出射部29bそれぞれを、基板28から遠ざかるに連れて先細りの形状で形成することができるため、第1発光部26からの光を前方方向(前扉2側)出射したときに、リフレクタ29が各第1発光部26からの光を遮って、第1発光部26の照射対象である前扉2の装飾画の表示部に影が映るのを防止することができる。したがって、各第1発光部26の照射対象の視認性に優れた照明装置17を提供することができる。
また、各第1光出射部29aそれぞれは、対応する第1発光部26を左右から挟み、かつ、基板28から遠ざかるに連れて距離が広がるように形成され、当該第1発光部26の横方向に広がる光をほぼ直進するように反射して出射する2つの第1発光部左右反射面29a1と、当該第1発光部26の下側に形成され、当該第1発光部26の下側方向に広がる光をほぼ直進するように反射して出射する第1発光部下部反射面29a2とを備えるため、各第1発光部26それぞれからの光を直進方向に効率よく出射することができる。
また、リフレクタ29(各第1光出射部29aおよび各第2光出射部29b,29c)は、基板28に装着されたときに、両発光部26,27のいずれかからの洩れ光が、当該発光部26,27に隣接する他の発光部26,27の光と干渉するのを防止する遮蔽機能を有し、各発光部26,27それぞれが個別に仕切られた状態で形成されるため、隣接する両発光部26,27それぞれからの光の相互干渉を防止することができる。
また、照明装置17を中パネルベース34に取り付けた状態において、第2発光部27の光の出射方向である下側(各リール6側)に拡散板34cが配設されているため、各第2発光部27からの光を各リール6表面に均一に照射することができる。
また、各第1光出射部29aおよび各第2光出射部29b,29cがユニット化されてケース体を成し、該ケース体が、基板28の光源群の配置側に着脱自在に装着されるため、リフレクタ29の小型化、ひいては照明装置17の小型化を図ることができる。また、ケース体を基板28に着脱自在に装着することができるため、リフレクタ29の交換作業を容易に行うことができる。
各第1発光部26からの光を遊技者にストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知するための演出照明用に使用し、各第2発光部27からの光を各リール6の表面を照射するためのリール照明用に使用するため、リール照明用および演出照明用それぞれで個別に照明装置を設置する必要がなく、スロットマシン1の筐体内部における照明装置17の設置スペースを小さくすることができ、スロットマシン1の設計自由度の向上を図ることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した実施形態では、各第1発光部26からの光を、その光の照射方向を変更せずに前方側に出射し、各第2発光部27からの光を、その光の照射方向を変更して下側に出射するように構成したが、各発光部26,27からの光の出射方向は適宜変更可能である。例えば、第1光出射部29aの第1発光部下部反射面29a2等の配設角度を調整することにより、各第1発光部26からの光もその照射方向と異なる方向(例えば、上側方向や斜め上方向)に変更して出射するようにしてもよい。このように構成することにより、照明装置17のスロットマシン1の筐体内における配置の自由度が向上する。
また、照明装置17の利用用途は、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知するための演出照明用および各リール6の照明用に限らず、例えば、照明装置17を、図1に示す中央ランプ部16Mに配設して演出照明用に使用したり、スロットマシン1の上下方向に立設して、左・右ランプ部16L,16Rや下部ランプ部19L,19Rに演出照明用として使用したりしてもよい。このように構成することにより、多彩な照明演出を実行することができる。
また、上記した実施形態では、照明装置17を各リール6の上部に配設する構成としたが、各リール6の下部に配設するようにしてもよい。
また、照明装置17によるスロットマシン1の演出は、上記した所謂押し順ナビに限られないことはいうまでもない。例えば、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの停止操作のタイミングや停止図柄を報知するものであってもよい。特に、停止図柄を報知する場合、例えば、遊技者が左リール6の「赤7」図柄を表示窓5に停止させるための報知は、左リール6に対応する第1発光部26のみを赤色に点灯させることで実行可能である。また、ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知するのとは別に基板28の長手方向に並んだ各第1発光部26を例えば左から右に順々に点灯させる演出を行うこともできる。
また、上記した実施形態では、各リール6それぞれに対応する前扉2の各装飾画の表示部に対して個別に第1発光部26の光を照射することにより、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったが、単に前扉2の装飾画に対して光を照射する演出であってもよい。また、前扉2に装飾画が描かれていない状態で、各リール6に対応する第1発光部26のみを点灯するなどして各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出であってもかまわない。
また、各第2発光部27からの光を利用してリール演出を行ってもかまわない。この場合、例えば、各リール6の表面に対しての光を点灯、消灯、点滅等させることにより、多彩なリール照明演出が可能になる。
また、上記した実施形態にかかるスロットマシン1が備える照明装置17を、スロットマシン1以外の遊技機(たとえば、パチンコ機)に適用することも可能であり、この場合には第1、第2発光部26,27をともに演出用に使用すればよい。