以下、本発明の実施形態を図示例と共に説明する。図1から図6は、発明を実施する形態の一例であって、図中、図と同一または類似の符号を付した部分は同一物または相当物を表わし、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態の遊技機1の外観を示す正面斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rが設けられる。左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETボタン11、2−BETボタン12、最大BETボタン13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a、9b、9cの点灯で表示される。ここで、入賞ライン8aから8eは、役の入賞の成否に関わる。
即ち、所定の役(例えば、後述の「チェリーの小役」)に対応する一の図柄(例えば、後述の“チェリー図柄97”)がいずれかの有効化された入賞ラインに対応する所定の位置(例えば、後述のBET数が“3”であれば左リール表示窓4L内の位置)に停止表示されること、又は所定の役に対応する図柄組合せを構成する図柄がいずれかの有効化された入賞ラインに対応する所定の位置に並んで停止表示されることにより、所定の役の入賞が成立することとなる。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L、リール3C、リール3Rが回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を形成している。各リールの図柄は左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rを通して遊技者が観察できる。各リールは、定速回転時の回転速度として例えば、毎分80回転で回転する。
左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施形態では、一のゲームは、全てのリールが停止したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDで構成し、貯留されているメダルの枚数を表示する。
左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rの右側には、告知ランプ(いわゆるWIN点灯ランプ)17及び払出表示部18が設けられる。告知ランプ17は、基本的に、BB又はRBの入賞成立が実現可能となった後、BB又はRBの入賞が成立するまでの間、点灯する。ここで、BB及びRBを総称して、以下「ボーナス」という。払出表示部18は、7セグメントLEDで構成し、入賞成立時のメダルの払出枚数を表示する。
ここで、BB、RBとは以下のようなものである。現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有する。特に、ある役の入賞が成立したときは、1回のメダルの払出しに終わらず、所定期間、通常の状態よりも条件の良い遊技状態となる。このような役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームを所定回数行える役と、遊技者に相対的に小さい利益を与えるゲームを所定回数行える役とがある。前者を「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する。後者を「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する。
パネル表示部2aの左側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDで構成し、後述するBB一般遊技状態におけるゲームの回数等を表示する。左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rの下方には水平面の台座部10が形成され、その台座部10と左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rとの間には液晶表示装置27が設けられている。この液晶表示装置27の略全面には、遊技に関連する情報等が表示される。
液晶表示装置27の右側にはメダル投入口22が設けられ、液晶表示装置27の左側には、1−BETボタン11、2−BETボタン12、及び最大BETボタン13が設けられる。1−BETボタン11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETボタン12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETボタン13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からクレジットされていたメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
キャビネット2の上方の左右には、スピーカ21L、21Rが設けられ、その2台のスピーカ21L、21Rの間には、入賞図柄の組合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル23が設けられている。台座部10の前面部中央で、液晶表示装置27の下方位置には、3個の左リール3L、中リール3C、右リール3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のリール停止ボタン(停止操作手段)7L、7C、7Rが設けられている。
なお、遊技機1は、停止ボタン7L、7C、7Rを設けない構成とすることもできる。かかる場合、遊技者によるスタートレバー6の操作に応じて変動表示を開始する各リール3L、3C、3Rは、当該変動表示の開始から所定の時間経過後、自動的に順次停止する。
また、リール停止ボタン7Rの右側には、液晶表示装置27に表示するメニュー画面の切替え手段としてのスクロールスイッチ200を設け、上スクロールスイッチ200a及び下スクロールスイッチ200bによりメニューを切替えることができる。
図2は、本実施形態に用いる各左リール3L、中リール3C、右リール3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”から“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後述するROM32(図3、参照)に格納(記憶)されている。左リール3L、中リール3C、右リール3R上には、“赤7図柄91”、“青7図柄92”、“BAR図柄93”、“ベル図柄94”、“プラム図柄95”、“Replay図柄96”及び“チェリー図柄97”の図柄で構成される図柄列が表わされている。左リール3L、中リール3C、右リール3Rは、図柄列が図中左に示す下矢印方向に移動するように回転駆動される。
次に、図3は、液晶表示装置27の概略構成を示す分解斜視図である。液晶表示装置27においては、前面に設けた第1層目の保護ガラス171の裏面に、第2層目の表示板172が配置され、この表示板172の裏面に第3層目の液晶パネル173が配置され、この液晶パネル173の裏面に第4層目の導光板174が配置され、この導光板174の裏面に第5層目の反射板175が配置されている。即ち、液晶表示装置27は、5層構造のパネルで構成されている。さらに、液晶表示装置27は、液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり液晶パネル173の端子部に接続されたフレキシブル基板(図示せず)等を含んでいる。液晶表示装置27は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rとは、別体で所定の間隔をあけて、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの前面に配設されている。
保護ガラス171及び表示板172は、透光性部材によって構成されている。保護ガラス171は、液晶パネル173を保護すること等を目的として設けられており、表示板172において、パネル表示部39(図1参照)に対応する領域には、画像が描かれている。なお、この図では、パネル表示部2aに対応する表示板172の領域の裏側に配置される各種表示部及びメダル投入表示ランプ9aから9cを動作させる電気回路は省略されている。
液晶パネル173は、薄膜トランジスタ層が形成されたガラス板などの透明な基板と、これに対向する透明な基板との間隙部に液晶を封入して形成されている。この液晶パネル173の表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されている。液晶パネル173がノーマリーホワイトに設定された場合、液晶を駆動していない状態で白表示、即ち、表示面側に光が透過し、透過した光が外部から視認される。ノーマリーホワイトに設定された液晶パネル173を用いることにより、液晶を駆動できない事態が生じた場合であっても、遊技者は、左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rを通して、変動表示あるいは停止表示している左リール3L、中リール3C、右リール3R上に配置された図柄を視認することができ、遊技を継続することができる。なお、液晶パネル173は、演出画像などの画像を表示するものでもある。
導光板174は、当該導光板174の端面に配置された冷陰極管(冷陰極ランプ)176a、176bから照射される光を液晶パネル173へ導き出すことで液晶パネル173を照明すべく、液晶パネル173の裏側に配設されており、例えば2cm程度の厚さを有するアクリル系樹脂などの導光機能を有する透光性部材によって構成されている。
図4は、導光板174をリール側(遊技機の正面から見て裏面側)から見た場合の斜視裏面図である。図示されるように、導光板174においては、各リール3L、3C、3Rに対向して位置する部位40L、40C、40Rは透過領域として切り抜かれている。そして、導光板174の裏面には、冷陰極管176a、176bからの光を液晶パネル173に導くための光偏向パターンAが形成されている。そして、この当該切り抜かれた部位(それぞれ、窓部40L、40C、40Rという)の内法に当たる端面には、光散乱加工が施されている(光散乱加工面174a、174b、174c)。光散乱加工を上記端面に施すとは、例えば、ブラスト加工やサンドペーパによる加工を上記端面に施すことである。ブラスト加工やサンドペーパによる加工が上記端面に施されると、上記端面に微細粗面が形成される。このような光散乱加工が施された端面(光散乱加工面174a、174b、174c)においては、入射してきた可視光線が散乱することにより、あたかも上記端面が発光するかのように視認される。また、図4では、光散乱加工面174a、174b、174cが、それぞれ、窓部40L、40C、40Rの内側端面の2箇所(左端面と底部端面)に形成されている様子が示されているが、これに限定されず、内側端面の他の2箇所(右端面と頂部端面)にも形成されてもよい。また、光散乱加工面は、窓部40L、40C、40Rの内側端面(左端面、底部端面、右端面、頂部端面)のうち、1又は複数の端面に形成されてもよい。
ここで、ブラスト加工とは、研磨材等の粒子を上記端面に高速で衝突させ、凹凸処理を行うことをいう。このブラスト加工の際に、バリ取りを行ってもよい。
このことにより、ブラスト加工により形成された光散乱加工面174a、174b、174cは、金型等により光偏向パターンを形成することが難しい窓部40L、40C、40Rのバックライトの役割を果たす。これにより、液晶パネル173の発色が良くなり、リールバックライトのRGB−LEDの発光ムラを打ち消すことができる。更に、左リール3L、中リール3C、右リール3R自体への照明にもなり、左リール3L、中リール3C、右リール3Rの図柄が鮮やかに表現される。また、補助光を必要としないため、その分液晶表示装置の構造が単純となり、またコストを抑えることができる。さらに、補助光の駆動回路(インバータ等)によるノイズの発生が無くなる。
なお、上記した実施形態によれば、導光板174の切り抜かれた部位の端面にブラスト加工を施し端面から発光することとしたが、導光板174を、例えば射出成型によって生産する場合は、ブラスト加工を施すことなく、光を偏向させるパターンを上記導光板に形成することができる。一例をあげると、金型に溝・コーンカット等の微細加工を施し、射出成型で導光板174表面に、光散乱形状としての光偏向パターンを転写することにより、光を偏向させるパターンが形成されてもよい。この成型品には、出光面側に微細V溝が転写される。
このことにより、前述のように、光を散乱させる散乱パターンが転写された端面としての光散乱加工面174a、174b、174cが、窓部40L、40C、40Rのバックライトの役割を果たす。
図5は、液晶パネル173、導光板174とリール3L、リール3C、リール3Rとの位置関係を説明するための断面図である。これらは、遊技者側(即ち、図中左側)から、液晶パネル173、導光板174、リール(リール3L、リール3C、リール3R)の順で配置される。ここで、液晶パネル側のリールの一部を窓部40L、40C、40Rに挿入することなく配置した場合には、液晶パネル173に対してリール3L、リール3C、リール3Rが導光板174の厚さだけ奥まっている印象を遊技者に与えてしまう。また、液晶表示装置27で、入賞ラインの表示やリール上の図柄と、液晶表示とを重ね合わせるような演出表示が行われるときに、遊技者が液晶表示装置27を斜めから目視したならば、リール上の図柄を視認する位置と、液晶表示を視認する位置との間において視差によるズレ(以下、「リール上の図柄と液晶表示との視差によるズレ」という)が生じ、遊技者は、リール上の図柄と、液晶表示とが重ね合わさるように視認できないことがあった。
本実施形態によれば、図5に示すとおり、リール3L、リール3C、リール3Rの液晶パネル側の一部が、窓部40L、40C、40Rに挿入して配置されているので、リールが奥まった印象を遊技者に与えないだけでなく、遊技者が液晶表示装置27を斜めから目視する場合であっても、リール上の図柄と液晶表示との視差によるズレを少なくすることができる。
また、液晶パネル173を大きくして、例えば15インチから20インチに画面面積を増やした場合には、液晶パネル173の単位面積当たりの光量を維持するために発光手段である冷陰極管176a、176bを奥行き方向に複数設ける(例えば1本から3本に増す)必要がある。これに伴い、増設した冷陰極管の分だけ導光板174を厚くする必要がある。この場合、液晶パネル側のリールの一部が、窓部40L、40C、40Rに挿入することなく配置された場合、上述のリールの奥まった印象やリール上の図柄と液晶表示との視差によるズレは一層大きくなる。本実施形態では、液晶パネル側のリールの一部が、窓部40L、40C、40Rに挿入されているので、そのような事態(上述のリールの奥まった印象を遊技者が抱いたり、リール上の図柄と液晶表示との視差によるズレは一層大きくなるような事態)が回避される。特に、冷陰極管176a、176bを奥行き方向に複数設ける場合に、液晶パネル側のリールの一部が、窓部40L、40C、40Rに挿入されていることによる効果が大きくなる。
なお、本実施形態では導光板174から、透過領域として窓部40L、40C、40Rが切り抜かれた場合を例示したが、リール3L、リール3C、リール3R側から導光板174の一部(窓部40L、40C、40Rに対応する領域の部分)を、切削若しくは成形することにより、導光板174に、凹部が設けられてもよい。そして、この凹部の内法の端面に光散乱加工が施されてもよい。また、この凹部にリール3L、リール3C、リール3Rの一部が挿入されてもよい。
説明を図3に戻す。冷陰極管176a、176b(画面容量が大きい場合は奥行き方向に複数配置される)は、全ての波長の光を人の目に特定の色彩が目立たない割合で含む白色光源として構成されており、冷陰極管176aは図中(鉛直方向に立てて配置された)導光板174の上端部に沿って、冷陰極管176bは図中導光板174の下端部に沿って、それぞれ配設されており、冷陰極管176a、176bの両端は不図示のランプホルダにより支持されている。この冷陰極管176a、176bは、液晶パネル173の領域のうち主として演出表示領域に対応する領域の照明手段として機能する。即ち、冷陰極管176a、176bは、導光板174に導入する光を発生する。
反射板175は、例えば白色のポリエステルフイルムやアルミ薄膜に銀蒸着膜をスパッター形成したものが用いられ、導光板174に導入された光を導光板174の正面側、即ち、液晶パネル173の方向に向けて反射させる。この反射板175には、反射領域177及び非反射領域としての左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rが形成されている。なお、反射板175は、板状の構成のものに限定されず、例えば、シート状の構成のもの(反射シート)であってもよい。
左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rの各々は、左リール表示窓4Lがリール3Lに、中リール表示窓4Cがリール3Cに、右リール表示窓4Rはリール3Rに、それぞれ対応している。各リール表示窓は、入射した光を反射することなく透過させる光透過表示部として形成されている。また、各リール表示窓は、リール3L、リール3C、リール3Rの回転が停止した場合に表示される図柄の各々の前方に位置し、リール3L、リール3C、リール3Rとも、停止表示の際に上段、中段、下段に合わせて3種づつ図柄を表示できる大きさで設けられている。反射領域177は、入射した光を反射し、前面に配置されている液晶パネル173の領域のうち、主として演出表示領域に対応する領域の照明手段の一つとして機能する。この構成によれば、遊技者は、反射板の光透過表示部(各リール表示窓4L、4C、4R)を通してリール3L、リール3C、リール3Rの変動表示及び停止表示を視認し得るとともに、液晶パネル173の演出表示領域に表示された演出などを視認できるので、リール3L、リール3C、リール3R及び液晶表示装置27の表示態様により遊技を楽しむことができる。
図6は、本発明の実施形態である遊技機の演出態様の一例を示す模式図である。各リールの停止順序を遊技者に知らせる停止報知の表示態様を示している。遊技機の液晶表示装置27は、前述のように前面から順番に、保護ガラス、表示板、液晶パネル、導光板および反射板を配置した構造のパネルで構成することができる。
図6に示すように、液晶表示装置27の底部には図中左から順に仮想の光源43L、43C、43Rが配置されているように表示される。仮想の光源43Lからは、光透過表示部としてのサーチライト画像44が配設されているように表示され、このサーチライト画像44は、仮想の光源43Lの上方に配設されているリール3Lを照射する画像として構成されている。サーチライト画像44は、リール3Lの左リール表示窓4L、中リール表示窓4C、右リール表示窓4Rの領域外から領域内に至る画像である。サーチライト画像44の表示においては、表示領域内の部分の表示が透過され、リール図柄が重ねて表示されることにより、リール3Lの図柄が透過表示される(図6の場合)。これにより、遊技者に対してリールの停止順序を報知し、遊技者のボタン操作を促すような表示が可能となる。
また、液晶表示装置27のサーチライト画像44以外の画像領域である非透過表示領域45と、リール3C及びリール3Rのリール表示窓の表示領域とが重ね合わされる表示が行われることにより、遊技者は、変動表示中のリール3C及びリール3Rを視認することができないようにされている。このとき、遊技者は、サーチライト画像44と左リール表示窓4Lとが重なった部分からリール3Lを見通すことができる。
この実施形態では、サーチライト画像44と各リール表示窓4L、4R、4Cとが重なった部分は、サーチライトに照らされたかのようにリールを見通すことができる。このとき、液晶パネルの上下に配置されているバックライト用の冷陰極管とは別に窓部40L、40C、40Rを照らす照明部がなくても、切り抜き部の端面(例えば、窓部40Lの端面174aなど)に施された光散乱加工のため、リールが明るく照らされる。
本実施形態の遊技機は、遊技の入賞形態に応じた図柄組合せに関してリール3L、3C、3Rを用いて各列に停止表示する機械的変動表示装置と、発光体からの光を液晶パネルに導く光偏向パターンが形成された導光板の、リールに対向して位置する部位に切り抜き、又は、凹部が設けられ、当該切り抜き、又は、凹部の端面に光散乱加工を施して成る液晶表示装置とを備えるため、窓部の上下に照明部を設ける必要がなくなり、窓部からの光量不足により液晶表示およびリールが暗くなるのを防ぐ遊技機を提供することができる。
また、本実施形態の遊技機は、遊技の入賞形態に応じた図柄組合せに関してリールを用いて各列に停止表示する機械的変動表示装置と、発光体からの光を液晶パネルに導く光偏向パターンが転写された導光板の、リールに対向して位置する部位に切り抜き、又は、凹部が設けられ、当該切り抜き、又は、凹部の端面に光散乱パターンを転写して成る液晶表示装置とを備えるので、窓部の上下に照明部を設ける必要がなく、若しくは小型の照明部を設ければ足りる。
さらに、本実施形態の遊技機では、切り抜き、又は、上記凹部にリールの液晶パネル側の一部が挿入されるので、リールを遊技者に接近させるフロント空間を形成することができ(図5参照)、リールと遊技者との距離をより接近させることができるため、迫力のある遊技機を提供することができる。
さらにまた、遊技者が液晶表示装置27を斜めから目視する場合であっても、リール上の図柄と液晶表示装置27上の液晶表示との視差によるズレを少なくすることができる。
(変更例1)
上述の本実施形態においては、導光板174のリールが対向する部位には、導光板を貫通する切り抜き又はリールに面した側から凹部が形成され、切り抜き又は凹部には、光偏向パターンAが施されておらず、切り抜き又は凹部の端面には、照明手段からの光を出射するための光散乱加工が施されており、切り抜き又は凹部の端面(例えば、光散乱加工面174a)から液晶パネル173への光の出射度は、光偏向パターンAが施された領域から液晶パネル173への光の出射度と同程度であるようにしてもよい。
具体的な説明は、以下の通りである。ここでは、導光板174に、上記切り抜き(窓部)が形成された場合を例にして説明するが、リールに面した側から凹部が形成された場合も、同様に適用できる。上述したように、導光板174の裏面には、光偏向パターンAが施されており、上記切り抜きの部分には、光偏向パターンAが施されていない。
なお、光散乱加工面174a、174b、174cにおいては、例えば、冷陰極管176a、176bからの光を液晶パネル173又はリール3L、3C、3Rへ出射するための複数の格子状の領域である格子領域と、各格子状領域の間の領域である間隔領域とが設けられるようにしてもよい。冷陰極管176a、176bから出射された光が、格子領域に当たると、格子領域から、光が液晶パネル173又はリール3L、3C、3Rに向けて出射されるようにしてもよい。一方、冷陰極管176a、176bから出射された光が、間隔領域に当たると、液晶パネル173又はリールへ出射されないで、反射して導光板174の中に留まる。
冷陰極管176a、176bから出射された光は、光散乱加工面174a,174b,174cに当たると、例えば、一部の光は、リール側に出射され、一部の光は、液晶パネル173側に出射される。
ここで、光散乱加工面174a、174b、174cは、以下の条件を満たすように形成されてもよい。この条件とは、例えば、各光散乱加工面における単位面積当たりの液晶パネル173への光の出射量(出射度の一例、例えば、窓部40Lに対応する切り抜きの端面に形成された光散乱加工面174aから液晶パネル173への光の出射量を上記切り抜きの面積で割った値)が、光偏向パターンAにおける単位面積当たりの液晶パネル173への光の出射量(出射度の一例、例えば、光偏向パターンAから液晶パネル173への光の出射量を光偏向パターンAが施された面積で割った値)と略同じになるという条件である。
具体的には、光散乱加工面174a、174b、174cにおいて、上記単位面積当たりの間隔領域に対する格子状領域の数や大きさの割合を、上述の条件を満たす所定値となるように、光散乱加工面174a、174b、174cが形成されてもよい。
このように構成された導光板174においては、各切り抜き(窓部40L、40C、40R)の端面に設けられた光散乱加工面174a,174b,174cから液晶パネル173への光の出射度は、光偏向パターンAが施された領域から液晶パネル173への光の出射度と同程度となるので、窓部40L、40C、40Rに対応する液晶表示の領域の明るさと、それ以外の液晶表示の領域の明るさが同程度となり、液晶表示における明るさの均一化を図ることができる。
なお、上述の導光板174において、光偏向パターンAを施さない部分は、上述したように、3つのリールに対応してそれぞれ設けられる場合に限定されず、例えば、3つのリールに対応する1つの、光偏向パターンを施さない部分が設けられてもよい。図7,図8は、本変更例の他の導光板174を示す図である。
図7に示すように、導光板174において、3つのリールを視認可能にするための部分をくり抜き、くり抜かれた部分自体においては、光偏向パターンAが施されず、端面174aにのみ、光散乱加工が施されるようにしてもよい。
また、図8に示すように、3つのくり抜き部分40L、40R、40Cの間に設けられた部分174wに、光偏向パターンAが施されないようにしてもよい。
(変更例2)
図4,図7,図8に示す上述の実施形態、変更例1の導光板において、光偏向パターンAは、導光板174の発光をより均一にするために、例えば、冷陰極管176a、176bに近い部位では、光偏向パターンAを粗く施し(後述する格子領域174jの間隔が広くなるように施し)、冷陰極管176a、176bから遠い部位(領域)、つまり、導光板174の中央付近に近づくに連れて光偏向パターンAを細かくする(例えば、後述する格子領域174jの間隔を狭くする)など、部位により光偏向パターンAの粗さを異ならせて施してもよい。
図9、図10,図11は、本変更例の導光板174の裏面(遊技機の正面側から見て裏面)の様子を示す図である。導光板174の裏面においては、導光板174の端部174fから中央近傍部174gまでの所定の領域(例えば、導光板174の裏面のうち、窓部の領域を除いた領域)において、上記端部174fからの距離が大きくなるに従い、光偏向パターンAにおける液晶パネル173へ光を出射する部分の割合が高くなるように、光偏向パターンAが施されている。具体的な説明は、以下の通りである。
図10は、図9における導光板の端部174fの近傍の領域X(下側の領域X)を拡大した様子を示す図であり、図11は、図9における導光板の中央近傍部174gの領域Yを拡大した様子を示す図である。
図10、図11に示すように、光偏向パターンAは、冷陰極管176a、176bからの光を液晶パネル173へ出射するための複数の格子状の領域(以下、格子領域174j)と、各格子領域174jの間の領域(以下、間隔領域174k)とを有する。冷陰極管176a、176bから出射された光が、格子領域174jに当たると、格子領域174jから、光が液晶パネル173に向けて出射される。一方、冷陰極管176a、176bから出射された光が、間隔領域174kに当たると、光が液晶パネル173に向けて出射されないで、光偏向パターンA内に留まる。
そして、導光板174の裏面に設けられた光偏向パターンAにおいて、単位面積中の間隔領域174kの大きさに対する格子領域174jの大きさの割合が全ての領域で同じである場合には、端部174fの近傍の領域にて、冷陰極管176a、176bから出射された多くの光が、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射されてしまい、中央近傍部174gの領域にて、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射される光が少なくなってしまう。この場合には、遊技者は、導光板174が全面的にだいたい均一に光っていると視認するものの、端部174fと、中央近傍部174gとでは、発光具合が異なると視認するようになり、液晶表示の明るさのムラがあると感じることになる。本変更例では、以下のようにして、上記不都合を解消している。
図10、図11に示すように、光偏向パターンAにおいて、端部174fの近傍の領域における単位面積中の間隔領域174kの大きさに対する格子領域174jの大きさの割合は、中央近傍部174gの近傍の領域における単位面積中の間隔領域174kの大きさに対する格子領域174jの大きさの割合より小さくなっている。言い換えると、図11では、格子領域174jの大きさが大きく、間隔領域174kの大きさや幅は小さいのに対して、図10では、格子領域174jの大きさが小さく、間隔領域174kの大きさや幅が大きくなっている。
このため、本変更例によれば、端部174fの近傍の領域にて、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射される光の量は、抑えられ、中央近傍部174gの領域にて、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射される光の量を多くすることができる。このように構成された光偏向パターンAを用いることにより、端部174fの近傍の領域にて、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射される単位面積当たりの光の量と、中央近傍部174gの領域にて、格子領域174jを介して、液晶パネル173に向けて出射される単位面積当たりの光の量とを同程度にすることが可能となる。この結果、窓部40L、40C、40Rに対応する領域以外の領域において、場所により明るさが異なってしまう事態が回避され、液晶表示における明るさの均一化を一層図ることができる。
(変更例3)
上述した実施形態、変更例1、2の遊技機において、反射板175の構成、導光板174の構成は、本変更例で示す構成に変更されてもよい。
図12は、本変更例の液晶表示装置27と、リール3L、3C、3Rとの関係を示す側部分解断面図である。図13は、本変更例の導光板174の裏面を示し、本変更例の特徴を説明するための補足図である。なお、本変更例において、図3に示す構成と同じ構成の説明は、省略又は簡略化する。
本変更例の液晶表示装置27は、遊技者と、リール3L、3C、3Rとの間に配置されている。液晶表示装置27は、透明アクリル板300(実施形態の表示板172に対応する板)と、透明アクリル板300の背面側(遊技機の正面から見て背面側)に配置された液晶パネル部201と、液晶パネル部201の背面側に配置された導光板174と、導光板174の背面側に配置された反射板175及び放熱板181とを備える。なお、反射板175は、導光板174の背面側であるとともにリール3L、3C、3Rの前面側(遊技機の正面から見て前面側)に設けられ、導光板174から出射された光と、冷陰極管176aから出射された光とを、前面側に反射するものである。
液晶パネル部201は、偏向板180と、2つの重なった拡散シート178(以下、拡散シート部178という)と、偏向板180と拡散シート部178との間に配置された液晶パネル173とを備えている。液晶パネル173は、上述の実施形態の液晶パネルと同じものである。
偏向板180は、液晶パネル173の表側に設けられており、冷陰極管176aから出射された光を、液晶パネル173の面に対して直角方向に偏向させて遊技機1の正面側に導くためのものである。
拡散シート178は、透光性を有するシート部材から形成されており、冷陰極管176a、176bから出射された光を拡散し、液晶パネル173に照射される光を均一化する部材である。拡散シート178においては、窓部40L、40C、40Rの透明度を低下させないように、窓部40L、40C、40Rに対応する部位が、切り抜かれているか若しくは透明部材により形成されている。これにより、液晶表示装置27の後方に位置する各リール3L、3C、3Rの視認性が高まるようになっている。
導光板174の上端部の近傍、下端部の近傍には、それぞれ、複数の冷陰極管176a、複数の冷陰極管176bが配置されている。この配置関係は、図3に示す配置関係と同様である。図13に示すように、導光板174の裏面には、窓部40R、40C、40Lの外側の周囲に、第1の光偏向パターン174eが形成されており、第1の光偏向パターン174eの周囲には、第2の光偏向パターン174dが形成されている。
ここで、第1の光偏向パターン174eにおけるパターンの密度は、第2の光偏向パターン174dにおけるパターンの密度よりも高くなっている。具体的には、以下の通りである。第2の光偏向パターン174dにおいては、導光板全面を均一に発光させるための導光パターンとして、例えば、ピッチが2mm程度の格子状のパターンが形成されている。一方、第1の光偏向パターン174eにおいては、微細な導光パターンとして、例えば、ピッチが0.5mm程度の格子状のパターンが形成されている。
なお、第1の光偏向パターン174eが形成される領域は、例えば、遊技機の正面から見て高さ方向及び横方向において、窓部の位置と遊技者の視点とが略一致する場合に対して、遊技者の視点が所定量(この所定量は、遊技中に遊技者が通常動く範囲に基づいて決められる)ずれた場合に、導光板174の裏面が遊技者に視認可能な領域以上の広さの領域であるように決められる。
また、光偏向パターンにおけるパターンの密度とは、例えば、光偏向パターンに含まれる格子状のパターンのピッチや、格子の数や格子の大きさにより決められ、格子状のパターンの微細度を示す値である。なお、光偏向パターンに、格子状のパターンではなく、他の形状のパターン(例えば、ドット状のパターン)が含まれる場合にでも、格子状のパターンの場合と同様にして、光偏向パターンにおけるパターンの密度が決められる。
また、本変更例の第1の光偏向パターン174e及び第2の光偏向パターン174dは、冷陰極管176aから出射される光を液晶パネル173側に導くとともに、リール3L、3C、3R側に導く。
具体的には、第1の光偏向パターン174e及び第2の光偏向パターン174dには、冷陰極管176a、176bからの光を液晶パネル173側へ出射するための複数のドット状の領域(以下、第1ドット領域)と、冷陰極管176a、176bからの光をリール3L、3C、3R側へ出射するための複数のドット状の領域(以下、第2ドット領域)と、各ドット領域の間の領域(以下、間隔領域)とが含まれている。
冷陰極管176a、176bから出射された光が、第1ドット領域又は第2ドット領域に当たると、第1ドット領域又は第2ドット領域から、それぞれ、光が液晶パネル173側又はリール3L、3C、3R側に向けて出射される。一方、冷陰極管176a、176bから出射された光が、間隔領域に当たると、光が液晶パネル173側又はリール3L、3C、3R側に向けて出射されないで、反射して導光板174の中に留まる。
なお、本実施形態の導光板174においては、窓部40R、40C、40Lの部分が切り抜かれており、窓部40R、40C、40Lの内側の端面には、それぞれ、光散乱加工が施されている。窓部40R、40C、40Lの内側の端面は、それぞれ、光散乱加工面174a,174b,174cとなっている。なお、導光板174においては、窓部40R、40C、40Lの部分が切り抜かれておらず、窓部40R、40C、40Lの部分に、凹部が形成されている場合も、本変更例は、同様に適用可能である。
本変更例の反射板175は、以下のような構成となっている。即ち、反射板175においては、遊技機1の正面側から見て高さ方向及び横方向からなる2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eが形成された領域の外周端部と略一致する端部から内側の部分が切り抜かれている。具体的な説明は、以下の通りである。
遊技機に配置されている反射板175においては、図13に示すように、上記2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eが形成された領域と、第2の光偏向パターン174dが形成された領域との境界線174xで囲まれた領域と略同じ領域の部分が、切り抜かれている。
これにより、図12に示すように、遊技機の正面側から見て高さ方向において、反射板175の内側の端部175aの位置と、第1の光偏向パターン174eが形成された領域と第2の光偏向パターン174dが形成された領域との境界線174xの位置とは、略同じになる。同様に、遊技機の正面側から見て横方向において、反射板175の内側の端部の位置と、第1の光偏向パターン174eが形成された領域と第2の光偏向パターン174dが形成された領域との境界線174xの位置とは、略同じである。
放熱板181は、反射板175の背面側に配置され、冷陰極管176aによる光の出射により発生する熱を吸収し、液晶表示装置27内の温度の過度な上昇を抑制するためのものである。放熱板181においては、反射板175と同様に、遊技機1の正面側から見て高さ方向及び横方向からなる2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eが形成された領域の外周端部と略一致する端部から内側の部分が切り抜かれている。
また、液晶表示装置27(放熱板181)の背面には、リアフレーム182が配置されている。このリアフレーム182は、導光板174を裏面から支持するためのものである。リアフレーム182においては、反射板175と同様に、遊技機1の正面側から見て高さ方向及び横方向からなる2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eが形成された領域の外周端部と略一致する端部から内側の部分が切り抜かれている。なお、リアフレーム182も、入射された光の一部を液晶パネル173に反射する機能を有する。
また、リアフレーム182の背面には、反射板175の開口、放熱板181の開口、リアフレーム182の開口を、裏面から覆う位置に,帯電防止シート183が接着されている。この帯電防止シート183は、液晶パネル173の帯電を防止するための透明な部材である。
また、遊技機には、ランプリフレクタ185が、冷陰極管176a、176bの端部(遊技機1の正面側から見て高さ方向における端部)と、反射板175の端部175bと、放熱板181の端部181aに跨って配置されている。このランプリフレクタ185は、冷陰極管176aから出射された光を、液晶表示装置27の外部に逃がさないようにするためのものである。
また、リール3L、3C、3Rの内部には、リールの表示面を照らすためのLED部3aが設けられている。なお、リアフレーム182の内側の端部182aには、光をリール3L、3C、3R側に向けるための突起部(図示せず)が設けられている。
ここで、遊技機の高さ方向において、第1の光偏向パターン174eが形成された領域と、第2の光偏向パターンが形成された領域との境界線174xの位置は、例えば、以下のようにして決められてもよい。即ち、窓部40R、40C、40Lと対向するリール3L、3C、3Rの領域(遊技機の正面側から見て、窓部40R、40C、40Lの領域と略一致するリール3L、3C、3Rの領域)に送られる単位面積当たりの光の量と、窓部40R、40C、40Lと対向する領域(遊技機の正面側から見て、窓部40R、40C、40Lの領域と略一致する領域)以外の領域(液晶パネル173の領域)に送られる単位面積当たりの光の量との差が所定量以内であるような位置(所定の位置)に、上述の境界線174xの位置が決定されてもよい。この所定量は、窓部から遊技者が視認できるリールの明るさと、遊技者が視認する液晶パネル173(窓部に対向する領域以外の液晶パネルの領域)の明るさとのバランスが保てるような範囲内で決められる。
このように構成された遊技機によれば、以下のような作用効果が得られる。実施形態や変更例1の遊技機では、反射板175においては、上記2次元座標上で窓部40L、40C、40Rの領域と略同じ領域の部分が、切り抜かれていた。このため、冷陰極管176a、176bから導光板174に入射された光は、導光板174の裏面に形成された光偏向パターンにより、液晶パネル173側へ、多くの光を出射することができたが、上記2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eの領域と、反射板175の領域とは重なっていたので、第1の光偏向パターン174eから出射された光は、反射板175により反射されてしまい、リール側にほとんど送られないので、リール3L、3C、3R側へ出射する光の量が少なくなってしまった。
本変更例では、上記2次元座標上で、第1の光偏向パターン174eの領域と、反射板175の領域とは重なっておらず、第2の光偏向パターンの領域174dだけが、反射板175の領域と重なっている。このため、第1の光偏向パターン174eから出射された光の多くは、反射板175で反射されることなく、リール3L、3C、3Rに送られるので、従来技術に比べて、導光板174から出射される光のほとんどが、液晶パネル173に送られるのではなく、液晶パネル173側へ出射される光の量を多くすることができる。この結果、窓部における光量不足により液晶表示およびリールが暗くなるのを一層防ぐことができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技機1の正面側から見て高さ方向及び横方向からなる2次元座標上で、反射板175においては、第1の光偏向パターン174eが形成された領域の外周端部と略一致する端部から内側の部分が切り抜かれているので、液晶パネル173側に送られる光の量をも大きく下げることはない。例えば、第1の光偏向パターンが形成された領域と、第2の光偏向パターンが形成された領域との境界線174xの位置が、上述の所定の位置に決められることにより、窓部40L、40C、40Rから遊技者が視認できるリール3L、3C、3Rの明るさと、遊技者が視認する液晶パネル173(窓部に対向する領域以外の液晶パネルの領域)の明るさとのバランスが保たれる。
また、従来では、液晶パネル173において、窓部40L、40C、40Rと対向する部分では、送られてくる光の量が不足する傾向にあった。本変更例では、第1の光偏向パターン174e及び第2の光偏向パターン174dにより、冷陰極管176a,176bから照射された光を、液晶パネル173の窓部40L、40C、40Rに対向する部分に、送ることができる。このため、液晶パネル173において、窓部40L、40C、40Rと対向する部分に送られてくる光の量と、それ以外の部分に送られてくる光の量との差を少なくすることができ、液晶パネル173における明るさのムラを抑えることができる。この結果、液晶パネル173において、窓部40L、40C、40Rと対向する部分の明るさを明るくすることができ、窓部と対向する液晶パネル173上にて行われる演出画像の表示を明瞭にすることができる。
なお、本変更例によれば、遊技者が直接導光板裏面に形成された光偏向パターンを目視し得る状況であっても、目視できるのは、粗い光偏向パターンではなく、微細な光偏向パターン(第1の光偏向パターン174e)であり、遊技者は、光偏向パターンの存在を認識しにくいので、遊技機の外観が美しくないと感じることが防止され、美観を損ねることがない遊技機を提供することができる。
(変更例4)
上述した変更例3において、第1の光偏向パターン174e及び第2の光偏向パターン174d内に含まれるドット状の領域は、ドット形状に限定されず、例えば、格子形状などの他の形状であってもよい。
また、上述の変更例3では、図13に示すように、境界線174xで囲まれた領域と略同じ領域の部分が、切り抜かれている部材として、反射板175、放熱板181、リアフレーム182である場合の説明を行ったが、これに限定されない。例えば、上記部材としては、反射板175だけであってもよいし、又は、反射板175と、放熱板181及びリアフレーム182のいずれかの部材であってもよい。
また、上述の変更例3では、第1の光偏向パターン174eにおけるパターンの密度は、第2の光偏向パターン174dにおけるパターンの密度よりも高い場合の説明を行ったが、これに限定されず、低くてもよいし、同じであってもよい。また、液晶パネル173の裏面に配置される拡散シート178は、1枚であってもよい。
以上、本発明の実施形態、その変更例の一例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段の具体的構成等は、適宜設計変更可能である。また、実施形態やその変更例に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施形態やその変更例に記載されたものに限定されるものではない。
1・・・遊技機、3L、3C、3R…リール、4L…左リール表示窓、4C…中リール表示窓、4R…右リール表示窓、6…スタートレバー、7L、7C、7R…リール停止ボタン、17…告知ランプ、27…液晶表示装置、40L、40C、40R…窓部、171…保護ガラス、172…表示板、173…液晶パネル、174…導光板、174a,174b,174c…光散乱加工面、174d…第2の光偏向パターン、174e…第1の光偏向パターン、174f…端部、174g…中央近傍部、174j…格子領域、174k…間隔領域、174x…境界線、175…反射板、175a、175b…端部、176a,176b…冷陰極管、177…反射領域、178…拡散シート、180…偏向板、181…放熱板、181a、182a…端部、182…リアフレーム、183…帯電防止シート、185…ランプリフレクタ、201…液晶パネル部、300…透明アクリル板。