JP5678828B2 - トランシーバ - Google Patents
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Description
この種の通信システムにおいて効率の良い通信を行うには、バス通信路を介して信号を送受信するために各ノードに設けられるトランシーバの動作を、互いに同期させることが望ましい。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、車両に搭載され、ボデー系のアプリケーションを実現する電子制御装置(ボデー系ECU)や、車両の状態を検出したり車両の状態を制御したりするために設けられた関連機器(ライト、センサ等)からなるノード3を、バス状の通信路(以下「バス通信路」という。)5を介して相互に接続した通信システム1の概略構成を示すブロック図である。
バス通信路5は、異なるノード3からハイレベルの信号とロウレベルの信号とが同時に出力されると、バス通信路5上の信号レベルがロウレベルとなるように構成されており、この機能を利用してバス調停を実現する。
図2(a)に示すように、バス通信路5では、伝送路符号として、ビットの途中で信号レベルがロウレベルからハイレベルに変化するPWM符号が用いられ、レセッシブ(本実施形態では1に対応)及びドミナント(本実施形態では0に対応)からなる二値の信号を2種類のデューティ比で表現する。
図2(b)に示すように、フレームは、送信を許可するデータを指定するためのヘッダと、ヘッダによって指定されたデータを送信するための可変長のレスポンスからなる。
通信システム1では、マスタ3aがヘッダを送信することによって、送信を許可するデータ(ひいてはデータの送信元となるスレーブ3b)を順次指定し、ヘッダによって指定されたデータの送信元となるスレーブ3bがレスポンス(データ)を送信するポーリング(以下「定期通信」ともいう。)と、マスタ3aからの指示によらずスレーブ3bが自律的に通信を制御するイベント通信とを実行する。
<マスタ>
マスタ3aは、バス通信路5を介した他ノード3との通信によって得られた情報等に基づき、自ノード3に割り当てられた各種処理を実行する信号処理部としてのマイコン(マイクロコンピュータ)10と、マイコン10から供給されるNRZ符号の送信データTXDをPWM符号の送信データに符号化してバス通信路5に出力し、バス通信路5から取り込んだPWM符号の受信データをNRZ符号の受信データRXDに復号化してマイコン10に供給するトランシーバ20とを備えている。
マイコン10は、CPU、ROM、RAM、IOポート等を中心に構成され、更に、調歩同期(非同期)方式のシリアル通信を実現するUART(汎用非同期受信・送信機:Universal Asynchronous Receiver Transmitter )11、当該マイコン10を動作させるための動作クロックや、UART11の通信速度と同じ速度(本実施形態では20Kbps)に設定されトランシーバ20に供給する内部クロックCKを発生させる発振子12を備えている。発振子12には、安定した周波数で発振する高精度のもの(例えば水晶発振子)が用いられている。
ここで図2(c)は、UART11が送受信するデータTXD、RXDの構成を示す説明図である。図示されているように、UART11は、データの開始を示す1ビット長のスタートビット(ロウレベル)と、データの終了を示すストップビット(ハイレベル)と、これらスタートビット、ストップビットに挟まれた8ビットのデータとで構成された合計10ビットのブロックデータを単位として送受信する。ただし、主要部となる8ビットのデータは、LSB(最下位ビット)が先頭、MSB(最上位ビット)が末尾となるように設定されている。
図3に戻り、トランシーバ20は、発振回路21と、再生回路22と、カウンタ23と、判定回路24とを備える。
スレーブ3bは、バス通信路5を介した他ノード3との通信によって得られた情報等に基づき、自ノード3に割り当てられた各種処理を実行する信号処理部としてのシーケンサ30と、シーケンサ30から供給される送信データTXDをPWM符号で符号化した送信データをバス通信路5に出力し、バス通信路5上のデータを受信した受信データRXDをシーケンサ30に供給するトランシーバ20とを備えている。スレーブ3bのトランシーバ20は、マスタ3aに用いられるものと同一の構成である。
シーケンサ30は、UART11に相当する機能などを備え、基本的な機能はマイコン10と共通するが、動作クロックを発生させるための発振子を備えておらず、トランシーバ20から供給されるクロックで動作する。また、シーケンサ30は、自ノードの動作モードを表すモード信号M/Sとして、スレーブモードを表すモード信号をトランシーバ20に供給するように構成されている。
トランシーバ20は、マスタ3aに用いられるものと同一の構成であるが、スレーブ3bに搭載されるトランシーバ20においては、再生回路22はスレーブモードに切り替えられている。そして、スレーブモードの再生回路22は、バス通信路5上の信号のエッジであってクロック成分の周期で発生する立ち下がりエッジを抽出する。
このように、スレーブ3bのトランシーバ20は、バス通信路5から取り込んだPWM符号の受信データのビット境界となる立ち下がりエッジをクロック成分として抽出し、そのクロック成分に同期したバスクロックBCKを生成し、このバスクロックBCKに従って送信データTXDの符号化、受信データRXの復号化を行い、バス通信路5を介した通信を実現する。
次に、スレーブ3bのトランシーバ20で繰り返し実行される処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
以上説明したように、スレーブ3bのトランシーバ20は、クロック成分を含む信号がマスタ3aから供給されている状況においては、バスクロックBCKを用いてシーケンサ30を動作させることができる。また、クロック成分を含む信号の供給が停止された状況においても、代替クロックACKを用いてシーケンサ30を動作させることができる。したがって、発振子レスのシーケンサ30を用いてスレーブ3bを構成することができ、その結果、通信システム1の低コスト化が実現される。
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるが、スレーブ3bのトランシーバ20で実行される処理が異なる。具体的には、第2実施形態のスレーブ3bのトランシーバ20では、前述した図4に示す処理に代えて、図5に示す処理が実行される。
まず、カウンタ23において、カウント値がリセットされ(S201)、カウント用クロックCCKを用いたカウントが開始される(S202)。その後、再生回路22によりバス通信路5上の信号の立ち下がりエッジが抽出されず(S203:NO)、判定回路24によりカウント値が上限値に達したと判定されない間は(S204:NO)、カウントが継続される(S202)。
このような第2実施形態の処理によっても、第1実施形態と同様の理由により、通信システム1の低コスト化が実現される。特に、第2実施形態によれば、カウント値が上限値に達するまでの期間をそのまま代替クロックACKの1周期とするため、クロック成分を含む信号がマスタ3aから供給されている状況での処理と、供給が停止されている状況での処理とを区別する必要がなく、処理負荷を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
Claims (4)
- 基準クロックを元に生成されたクロック成分を含む伝送路符号を用いて符号化された信号を、前記基準クロックに基づく通信速度でバス通信路に送信可能なトランシーバを備えるマスタ装置と、前記信号を前記バス通信路を介して受信可能であって、前記バス通信路上のクロック成分を抽出して通信速度を学習可能なトランシーバを備えるスレーブ装置と、を備える通信システムにおいて少なくとも前記スレーブ装置に用いられる前記トランシーバであって、
前記クロック成分よりも周波数の高いカウント用クロックを発生するクロック発生手段と、
前記バス通信路上の信号のエッジであって前記クロック成分の周期で発生する注目エッジを抽出するエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出されてから次の前記注目エッジが抽出されるまでの間隔であるエッジ間隔を、前記カウント用クロックを用いてカウントするカウント手段と、
前記カウント用クロックを分周することにより、前記クロック成分に同期したバスクロックを生成するクロック生成手段と、
前記カウント手段によるカウント値が所定の上限値に達したことを検知する上限検知手段と、
を備え、
前記クロック生成手段は、
前記上限検知手段によりカウント値が前記上限値に達したことが検知される前に、前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出された場合には、当該注目エッジまでの前記エッジ間隔のカウント値に応じた期間を1周期とする前記バスクロックを生成し、
前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出される前に、前記上限検知手段によりカウント値が前記上限値に達したことが検知された場合には、前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出されるまでの間、前記バスクロックに代えて、代替カウント値に応じた期間を1周期とする代替クロックを生成する
ことを特徴とするトランシーバ。 - 請求項1に記載のトランシーバであって、
前記代替カウント値は、過去に抽出された前記注目エッジまでの前記エッジ間隔のカウント値に基づいて定められる
ことを特徴とするトランシーバ。 - 基準クロックを元に生成されたクロック成分を含む伝送路符号を用いて符号化された信号を、前記基準クロックに基づく通信速度でバス通信路に送信可能なトランシーバを備えるマスタ装置と、前記信号を前記バス通信路を介して受信可能であって、前記バス通信路上のクロック成分を抽出して通信速度を学習可能なトランシーバを備えるスレーブ装置と、を備える通信システムにおいて少なくとも前記スレーブ装置に用いられる前記トランシーバであって、
前記クロック成分よりも周波数の高いカウント用クロックを発生するクロック発生手段と、
前記バス通信路上の信号のエッジであって前記クロック成分の周期で発生する注目エッジを抽出するエッジ抽出手段と、
前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出されてから次の前記注目エッジが抽出されるまでの間隔であるエッジ間隔を、前記カウント用クロックを用いてカウントするカウント手段と、
前記カウント用クロックを分周することにより、前記クロック成分に同期したバスクロックを生成するクロック生成手段と、
前記カウント手段によるカウント値が所定の上限値に達したことを検知する上限検知手段と、
を備え、
前記クロック生成手段は、
前記上限検知手段によりカウント値が前記上限値に達したことが検知される前に、前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出された場合には、当該注目エッジまでの前記エッジ間隔のカウント値に応じた期間を1周期とする前記バスクロックを生成し、
前記エッジ抽出手段により前記注目エッジが抽出される前に、前記上限検知手段によりカウント値が前記上限値に達したことが検知された場合には、前記上限値に応じた期間を1周期とする代替クロックを生成する
ことを特徴とするトランシーバ。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のトランシーバであって、
前記クロック生成手段は、複数の動作モードに切り替え可能に構成され、前記複数の動作モードには、
前記バス通信路上の信号に含まれる前記クロック成分を元に、前記クロック成分に同期した前記バスクロックを生成する第1のモードと、
前記カウント用クロックよりも精度の高い前記基準クロックを元に、前記基準クロックに同期した前記クロック成分を生成する第2のモードと、
が含まれることを特徴とするトランシーバ。
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