JP5905678B2 - トランシーバ - Google Patents
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Description
この種の通信システムにおいて効率の良い通信を行うには、バス通信路を介して信号を送受信するために各ノードに設けられるトランシーバの動作を、互いに同期させることが望ましい。
<全体構成>
図1は、車両に搭載され、ボデー系のアプリケーションを実現する電子制御装置(ボデー系ECU)や、車両の状態を検出したり車両の状態を制御したりするために設けられた関連機器(ライト,センサ等)からなるノード3を、バス状の通信路(以下「バス通信路」という)5を介して相互に接続した通信システム1の概略構成を示すブロック図である。
バス通信路5は、異なるノード3からハイレベルの信号とロウレベルの信号とが同時に出力されると、バス通信路5上の信号レベルがロウレベルとなるように構成されており、この機能を利用してバス調停を実現する。
図2(a)に示すように、バス通信路5では、伝送路符号として、ビットの途中で信号レベルがロウレベルからハイレベルに変化するPWM符号が用いられ、レセッシブ(本実施形態では1に対応)およびドミナント(本実施形態では0に対応)からなる二値の信号を2種類のデューティ比で表現する。
図2(b)に示すように、フレームは、送信を許可するデータを指定するためのヘッダと、ヘッダによって指定されたデータを送信するための可変長のレスポンスからなる。
各ノード3は、予め割り当てられた全ての機能を実行可能な動作モードであるウェイクアップモード、一部の機能(ここでは符号化,復号化)を停止して低消費電力状態を実現する動作モードであるスリープモードで動作する。
<マスタ>
マスタ3aは、バス通信路5を介した他ノード3との通信によって得られた情報等に基づき、自ノード3に割り当てられた各種処理を実行する信号処理部10と、信号処理部10から供給されるNRZ符号の送信データTXDを、入力端子PIを介して取り込み、取り込んだ送信データTXDをPWM符号に符号化したもの、或いは符号化していないそのままのものを送信データTXとして通信端子PTを介してバス通信路5に出力すると共に、バス通信路5から通信端子PTを介して取り込んだ受信データRXをPWM符号からNRZ符号に復号化したもの、或いは復号化していないそのままのものを受信データRXDとして出力端子POを介して信号処理部10に供給するトランシーバ20とを備えている。
信号処理部10は、CPU,ROM,RAM,IOポート等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、更に、調歩同期(非同期)方式のシリアル通信を実現するUART(汎用非同期受信・送信機:Universal Asynchronous Receiver Transmitter )、11、当該信号処理部10を動作させるための動作クロックや、UART11の通信速度と同じ速度(本実施形態では20Kbps)に設定されトランシーバ20に供給する内部クロックCKを発生させる発振回路12を備えている。
図3に戻り、トランシーバ20は、信号処理部10からクロック端子PCを介して供給される内部クロックCKに同期した各種タイミング信号を生成するタイミング生成部21と、タイミング生成部21にて生成されたタイミング信号に従って、送信データTXDの符号化、受信データRXの復号化を行う符号化復号化部22と、符号化復号化部22にて符号化された送信データTXを通信端子PTから出力する送信バッファ23と、通信端子PTを介して取り込んだ信号を2値化し受信データRXとして符号化復号化部22に供給する受信バッファ24とを備えている。
ここで図4は、タイミング生成部21が生成する各種タイミング信号を示す説明図である。なお、発振回路が発生させるカウント用クロックCCKは、内部クロックCKに対して十分に高い周波数(数十〜数百倍程度)を有するように設定されている。
図4に示すように、タイミング生成部21は、周期カウント値Ciに相当する周期を有し、立ち下がりエッジから立ち上がりエッジまでの間隔が周期カウント値Ciの1/2に相当する長さに設定されたデューティ50%のバスクロックBCKと、バスクロックBCKの立ち下がりエッジで立ち下がり、その立ち下がりエッジから周期カウント値の1/3に相当する期間だけ経過したタイミングが立ち上がりエッジとなるレセッシブ生成用クロックRCKと、バスクロックBCKの立ち下がりエッジで立ち下がり、その立ち下がりエッジから周期カウント値の2/3に相当する期間だけ経過したタイミングが立ち上がりエッジとなるドミナント生成用クロックDCKとを生成する。
次に、図5は、符号化復号化部22の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、符号化復号化部22は、入力端子を介して入力された送信データTXD(NRZ符号)を伝送路符号(PWM符号)に符号化する符号化回路27と、モード設定信号NSLPが示す動作モードに従い、符号化回路27の出力(符号化された送信データTXD)または符号化回路27をバイパスした符号化されていない送信データTXDのいずれかを、送信データTXとして送信バッファ23に供給する送信側セレクタ28とを備えている。
ここで図6は、各動作モードでのトランシーバ20の動作を示すタイミング図である。
図6に示すように、トランシーバ20は、動作モードが通常モード(NSLP:非アクティブ)である期間(T1〜T3,T6〜T7参照)では、送信データTXDをPWM符号に符号化したものを送信データTXとして出力すると共に、受信データTXを復号化したものを受信データRXDとして出力する。また、トランシーバ20は、信号処理部10から送信データTXDの供給がない場合(図示せず)でもバス通信路5にレセッシブを出力し続けることによって、マスタ3a以外のノード3に、バスクロックBCKの再生に必要なクロック成分を供給するクロックマスタとして動作する。
図3に戻り、スレーブ3bは、マスタ3aと同様に、バス通信路5を介した他ノード3との通信によって得られた情報等に基づき、自ノード3に割り当てられた各種処理を実行する信号処理部40と、信号処理部40から供給されるNRZ符号の送信データTXDを、入力端子PIを介して取り込み、取り込んだ送信データTXDをPWM符号に符号化したもの、或いは符号化していないそのままのものを送信データTXとして通信端子PTを介してバス通信路5に出力すると共に、バス通信路5から通信端子PTを介して取り込んだ受信データRXをPWM符号からNRZ符号に復号化したもの、或いは復号化していないそのままのものを受信データRXDとして出力端子POを介して信号処理部40に供給するトランシーバ50とを備えている。
信号処理部40は、トランシーバ50に対して内部クロックCKを供給する機能が省略され、代わりに、UART11を介することなく受信データRXDを取り込んでクロック(PWM符号送出)の有無を判定するクロック判定機能を有する点以外は、信号処理部10と同様に構成されている。
トランシーバ50は、トランシーバ20と同様に、タイミング生成部51,符号化復号化部52,送信バッファ23,受信バッファ24を備えており、タイミング生成部51および符号化復号化部52の構成の一部が、トランシーバ20のタイミング生成部21および符号化復号化部22とは異なっている。
ここで、信号処理部10,40が実行するウェイクアップ処理およびスリープ処理について説明する。
<<ウェイクアップ処理>>
ウェイクアップ処理は、動作モードがスリープモードである時に、予め設定されたウェイクアップ要因が存在する場合に起動する。ウェイクアップ要因としては、例えば、ライトSW入力など、車両の乗員による各種スイッチ操作がある。但し、マスタ3a(クロックマスタ)に限り、ウェイクアップ要因の一つにウェイクアップパルスの受信が含まれている。
自ノードがマスタ3aであれば、S140に進み、モード設定信号NSLPを1(非アクティブ)に変化させると共に、トランシーバ20に対して内部クロックCKの出力を開始する。
一方、先のS110にて、自ノードがマスタ3aではなくスレーブ3bであると判断した場合、S120に進み、ウェイクアップパルス(ロウレベルのパルス)を送信する。ウェイクアップパルスは、例えば、UART11を介して、任意のブロックデータを送信すればよい。即ち、ブロックデータにはスタートビットが含まれるため、このスタートビットがウェイクアップパルスとなる。また、UART11とは別に設けられた出力ポートを操作することで、UART11を用いることなくウェイクアップパルスを送信するように構成されていてもよい。
次に、スリープ処理は、動作モードが通常モードである時に、予め設定されたスリープ禁止要因が存在しない場合に起動する。スリープ禁止要因としては、例えば、ライトSW入力などがある。但し、マスタ3aでは、スリープコマンドを受信した場合にも本処理が起動するように構成されている。
自ノードがマスタ3aであれば、S240に進み、モード設定信号NSLPを0(アクティブ)に変化させると共に、トランシーバ20に対する内部クロックCKの供給を停止する。
一方、先のS210にて、自ノードがマスタ3aではないと判断した場合、S220に進み、スリープコマンドを送信する。
これにより、トランシーバ50は、バス通信路5上の信号から抽出したクロック成分に基づく各種タイミング信号の生成が停止し、そのタイミング信号に従った送信データの符号化、受信データの復号化も不能な状態となる。
以上説明したように、トランシーバ20,50は、タイミング生成部21,51が作動状態となる通常モードの時には、信号処理部10,40から供給される送信データTXDをPWM符号に符号化したものを送信データTXとしてバス通信路5に出力すると共に、バス通信路5から取り込んだ受信データRX、NRZ符号に復号化したものを受信データRXDとして信号処理部10,40に供給し、タイミング生成部21,51が停止状態となるスリープモードの時には、信号処理部10,40から供給される送信データTXDをそのまま送信データTXとしてバス通信路5に出力すると共に、バス通信路5から取り込んだ受信データRXをそのまま受信データRXDとして信号処理部10,40に供給するように構成されている。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
上記実施形態では、ビット調停回路31を、送信データTXと受信データRXとを比較するように構成したが、送信データTXDと受信データRXDとを比較するように構成してもよい。
Claims (3)
- 予め設定された伝送路符号に符号化された通信データを、通信路を介して複数のノード間で送受信し、前記ノードは、NRZ符号から前記伝送路符号への符号化および前記伝送路符号からNRZ符号への復号化を行う動作モードである通常モード、前記符号化および前記復号化の機能を停止させ低消費電力状態にする動作モードであるスリープモードを有すると共に、前記ノードの一つをクロックマスタとして、前記クロックマスタは、前記通常モードの時に、前記伝送路符号を出力し続けることによって、バスクロックの再生に必要なクロック成分を供給し、前記クロックマスタ以外の前記ノードは、前記スリープモードの時に、予め設定されたウェイクアップ要因が存在すると、前記クロックマスタに対してウェイクアップパルスを送信する通信システムに適用され、
NRZ符号で表された送信データを入力するための入力端子、NRZ符号で表された受信データを出力するための出力端子、前記通信路に接続される通信端子、前記通常モードおよび前記スリープモードのいずれかを指定するモード設定信号を入力するためのモード設定端子を備えたトランシーバであって、
NRZ符号から前記伝送路符号に符号化する符号化回路と、
前記伝送路符号からNRZ符号に復号化する復号化回路と、
前記モード設定信号で示された動作モードが通常モードである場合、前記入力端子から入力される送信データを前記符号化回路に供給することによって、該符号化回路にて符号化された送信データを前記通信データとして前記通信端子から出力させ、前記モード設定信号で示された動作モードがスリープモードである場合、前記入力端子から入力される送信データをそのまま前記ウェイクアップパルスとして前記通信端子から出力させる送信切替回路と、
前記モード設定信号で示された動作モードが通常モードである場合、前記通信端子から入力される通信データを前記復号化回路に供給することによって、該復号化回路にて復号化された通信データを前記受信データとして前記出力端子から出力させ、前記モード設定信号により示された動作モードがスリープモードである場合、前記通信端子から入力される前記ウェイクアップパルスをそのまま前記受信データとして前記通信端子から出力させる受信切替回路と、
を備えることを特徴とするトランシーバ。 - 前記動作モードを前記スリープモードから前記通常モードに遷移させるウェイクアップ要因の一つに、前記通信路を介したウェイクアップパルスの受信が含まれる通信システムにおいて使用されることを特徴とする請求項1に記載のトランシーバ。
- クロック信号を発生させるクロック発生部を有し、該クロック発生部が発生させたクロック信号に基づき、前記符号化回路および前記復号化回路の動作を制御するための各種タイミング信号を生成するタイミング生成回路を備え、
前記タイミング生成回路は、前記モード設定信号で示された動作モードがスリープモードである場合、前記クロック発生部の動作を停止することによって、前記符号化回路および復号化回路の動作を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトランシーバ。
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