JP5678457B2 - アルコール化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、
<1> イミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させてルテニウム錯体を得る第1工程、及び
第1工程で得られたルテニウム錯体の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元する第2工程を含むことを特徴とするアルコール化合物の製造方法;
<3> 連結基が、置換基を有していてもよいアルキレン基であることを特徴とする<2>記載の製造方法;
<4> 該イミダゾール環が、式(1)
(式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはR2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を表す。波線は結合手を表す。)
で示されるイミダゾール環であることを特徴とする<2>又は<3>記載の製造方法;
<5> 該アミノ基が式(2)
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R4とR5とが結合して一緒になって炭素数2〜8のアルキレン基を表す。波線は結合手を表す。)
で示されるアミノ基であることを特徴とする<2>〜<4>のいずれか記載の製造方法;
<6> イミダゾリウム塩(A)が、式(3)
(式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはR2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R4とR5とが結合して一緒になって炭素数2〜8のアルキレン基を表す。Qは置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、X−は1価のアニオンを表す。)
で示される含アミンイミダゾリウム塩であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか記載の製造方法;
<8> ルテニウム化合物(B)が、ハロゲン化ルテニウム、芳香族化合物が配位したルテニウム ジハライド ダイマー、ジエンが配位したルテニウム ジハライド ポリマーおよびトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか記載の製造方法;
<9> 塩基(C)が、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属水素化物およびアルカリ金属ビス(トリアルキルシリル)アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<8>のいずれか記載の製造方法;
(式中、R6およびR7はそれぞれ互いに独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示されるカルボン酸エステル化合物であり、得られるアルコール化合物が、式(5)
(式中、R6は上記と同一の意味を表す。)
で示されるアルコール化合物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか記載の製造方法;
<11> カルボン酸エステル化合物が、式(9)
(式中、R9は、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。)
で示されるラクトンであり、得られるアルコール化合物が式(10)
(式中、R9は上記と同一の意味を表す。)
で示されるアルコール化合物であることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか記載の製造方法;
<12> カルボン酸エステル化合物が、式(6)
(式中、R8は炭素数1〜6のアルキル基を表し、X1は互いに独立に、水素原子またはハロゲン原子を表す。ただし、X1の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
で示されるハロゲン置換テレフタル酸ジエステルであり、得られるアルコール化合物が、式(7)
(式中、R8およびX1はそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示されるハロゲン置換(4−ヒドロキシメチル)安息香酸エステルおよび/または式(8)
(式中、X1はそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示されるハロゲン置換ベンゼンジメタノールであることを特徴とする<1>〜<9>のいずれか記載の製造方法;
<14> 第2工程が、ルテニウム錯体及び塩基の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元する工程であることを特徴とする<1>〜<13>のいずれか記載の製造方法;
<15> イミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させて得られるルテニウム錯体;
<16> イミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させて得られたルテニウム錯体の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元することを特徴とするアルコール化合物の製造方法;
等である。
本発明の製造方法は、イミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させてルテニウム錯体を得る第1工程、及び
第1工程で得られたルテニウム錯体の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元する第2工程を含む。
該連結基は、該イミダゾール環に含まれる窒素原子または炭素原子(好ましくは窒素原子)と、該アミノ基の窒素原子とを連結しているものが好ましい。
イミダゾリウム塩(A)は、該塩に含まれるイミダゾール環の一方の窒素原子に、該アミノ基、該連結基、これらと異なる置換基等と結合して4級アンモニウムカチオンとなっており、さらに、ハロゲンイオン、水酸化イオンなどのアニオンを有することによって塩となっている。
上記イミダゾール環に結合してもよい置換基のうち、上記置換基を有していてもよいアルキル基は、直鎖状、分枝鎖状および環状の何れであってもよく、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。
上記置換基を有していてもよいアルキル基のうち、無置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基等の直鎖状または分枝鎖状の炭素数1〜20のアルキル基;シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基等が挙げられる。
上記置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基;2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基等の炭素数1〜4のアルキル置換アリール基;4−クロロフェニル基等のハロゲン置換アリール基;4−メトキシフェニル基等の炭素数1〜4のアルコキシ置換アリール基等が挙げられる。
上記置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等の炭素数1〜6のハロアルコキシ基;ベンジルオキシ基;4−メチルベンジルオキシ基等の(C1〜C4アルキル)置換ベンジルオキシ基;4−メトキシベンジルオキシ基等の(C1〜C4アルコキシ)置換ベンジルオキシ基;3−フェノキシベンジルオキシ基等のフェノキシ置換ベンジルオキシ基;メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基等の(C1〜C4アルコシキ)置換C1〜C4アルコキシ基等が挙げられる。
上記置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基;2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基などの[(C1〜C4アルキル)置換アリール]オキシ基;4−メトキシフェノキシ基などの[(C1〜C4アルコシキ)置換アリール]オキシ基;3−フェノキシフェノキシ基などの(フェノキシ置換アリール)オキシ基等が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
尚、本明細書中、各置換基の例示において、C1〜C4、C3〜C10は、それぞれ炭素数1〜4、炭素数3〜10を表す。
上記置換基を有するアリール基の置換基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記置換基を有するアリール基としては、例えば、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基等の(C1〜C4アルキル)置換アリール基;4−クロロフェニル基等のハロゲン置換アリール基;4−メトキシフェニル基等の(C1〜C4アルコキシ)置換アリール基;などが挙げられる。
上記連結基におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基等の炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられる。
上記アルキレン基が有しうる置換基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基;置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基;置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基;ハロゲン原子等が挙げられる。
上記アルキレン基が有しうる置換基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、4−メトキシベンジルオキシ基、3−フェノキシベンジルオキシ基等の置換基を有していてもよい炭素数2〜11のアルコキシ基;フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、3−フェノキシフェノキシ基等の置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリールオキシ基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;等が挙げられる。
置換基を有するアルキレン基としては、例えば、フルオロメチレン基、メトキシメチレン基、フェニルメチレン基、フルオロエチレン基、メトキシエチレン基、2−メトキシプロピレン基等が挙げられる。
(式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはR2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を表す。波線は結合手を表す。)
で示されるイミダゾール環を有することが好ましい。
式(1)において、置換基としては、それぞれ上述のイミダゾール環に結合し得る置換基として例示した基を挙げることができる。
R2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を含むイミダゾール基の具体例としては、式(1)の結合手(波線)がない、式(9)
(式中は、R1は水素原子を表し、R2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を表す。)
で示されるイミダゾールとして例示すると、シクロペンテノイミダゾール、シクロヘキセノイミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール等が挙げられる。
上記アミノ基が有しうる置換基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
(式中、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R4とR5とが結合して一緒になって炭素数2〜8のアルキレン基を表す。波線は結合手を表す。)
で示されるアミノ基(以下、アミノ基(2)と記すことがある。)が挙げられる。
上記式(2)において、炭素数1〜4のアルキル基としては、上記例示した基が挙げられる。
上記イミダゾリウム塩(A)の例として、イミダゾール環が炭素数1〜4のアルキル基を一方の窒素原子上に有し、アミノアルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩;イミダゾール環が(C1〜C4アルキル置換)アリール基を一方の窒素原子上に有し、アミノアルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩;イミダゾール環がベンジル基を一方の窒素原子上に有し、アミノアルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩;イミダゾール環が炭素数1〜4のアルキル基を一方の窒素原子上に有し、(C1〜C4アルキルアミノ)アルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩;イミダゾール環が(C1〜C4アルキル置換)アリール基を一方の窒素原子上に有し、(C1〜C4アルキルアミノ)アルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩;イミダゾール環がベンジル基を一方の窒素原子上に有し、(C1〜C4アルキルアミノ)アルキル基をもう一方の窒素原子上に有するイミダゾリウム塩等が挙げられる。
(式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ上記と同じ意味である。Qは、置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、X−は1価のアニオンを表す。)
で示される塩(以下、この化合物をイミダゾリウム塩(3)と記すことがある。)も挙げられる。
式(3)におけるアルキレン基としては、上述の連結基として例示したアルキレン基が挙げられる。
X−としては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;メタンスルホナート等のアルカンスルホナートイオン;トリフルオロメタンスルホナート等のフッ素原子を有するアルカンスルホナートイオン;アセテートイオン;トリフルオロアセテートイオン、トリクロロアセテートイオン等のハロゲン原子を有するアセテートイオン;硝酸イオン;過塩素酸イオン;テトラフルオロボレート、テトラクロロボレート等のテトラハロボレートイオン;ヘキサフルオロホスファート等のヘキサハロホスファートイオン;ヘキサフルオロアンチモナート、ヘキサクロロアンチモナート等のヘキサハロアンチモナートイオン;ペンタフルオロスタンナート、ペンタクロロスタンナート等のペンタハロスタンナートイオン;テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等の置換基を有していてもよいテトラアリールボレートイオン;等が挙げられる。これらの中でも、ハロゲン化物イオンが好ましい。
上記イミダゾリウム塩(3)は、R1が炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、アリール基、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有するベンジル基であり、R2が水素原子であり、R3が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R4およびR5が水素原子またはメチル基であることが好ましい。
(式中、R2、R3及びQは前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物をベンズアルデヒド等と反応させて、該イミダゾール化合物の−NH2をシッフ塩基に変換し、得られた塩基化合物を式(11)
(式中、R1は前記と同じ意味を表す。Zは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される化合物と反応させてイミダゾリウム塩を得て、次いでイミダゾリウム塩中のシッフ塩基をアミノ基に変換してイミダゾリウム塩(3)を得る方法等が挙げられる(例えば、Polyhedron,23,2821(2004)参照。)。
(式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を表す。)
で示される化合物と式(12)
(式中、R4、R5及びQは前記と同じ意味を表し、Yは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
で示される化合物との反応(例えば、Organometallics,27,224(2008)参照。)等を挙げることができる。
上記ルテニウム錯体は、後述のカルボン酸エステル化合物を還元する触媒として好適に用いることができる。上記ルテニウム錯体は、上記イミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)から得られるので、安価に製造することができる。
ルテニウム化合物(B)は、ルテニウム原子及びハロゲン原子を含むことが好ましい。
上記ルテニウム化合物(B)としては、芳香族化合物が配位したルテニウム ジハライド ダイマー、ハロゲンとルテニウムとからなる化合物およびトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムハライドがより好ましい。
上記ルテニウム化合物(B)は単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。ルテニウム化合物(B)は、市販品であってもよいし、公知の方法により合成したものであってもよい。
ルテニウム化合物(B)は、ルテニウム化合物(B)におけるルテニウム原子の量が、イミダゾリウム塩(A)1モルに対して、一般に0.3〜2モル、好ましくは0.3〜1モル、さらに好ましくは0.4〜0.6モルの範囲となる量で使用される。
ルテニウム化合物(B)におけるルテニウム原子の量は、ICP発光分析による元素分析等の公知の手段により求められる。
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ上記と同一の意味を表し、:は当該炭素原子がカルベンであることを表す。)
で示される基を発生させることができる。
塩基(C)は単独で用いてもよいし、2種以上用いてもよい。塩基(C)は、市販品であってもよいし、公知の方法により合成したものであってもよい。
塩基(C)の使用量は、イミダゾリウム塩(A)1モルに対して、例えば、0.8〜3モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは1〜2モルの範囲等が挙げられる。
かかる有機溶媒としては、例えば、メチルtert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;等が挙げられ、エーテル溶媒、アミド溶媒が好ましい。
有機溶媒の使用量として、例えば、イミダゾリウム塩(A)1重量部に対して、1重量部以上、100重量部以下の範囲等を挙げることができる。
第1工程の反応温度としては、例えば、−20〜100℃の範囲等を挙げることができ、好ましくは0〜60℃の範囲等が挙げられる。第1工程の進行は、例えば高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
単離する際の具体的な処理方法としては、例えば、洗浄、分液、濾過、晶析、濃縮等が挙げられる。精製する際の具体的な処理方法としては、再結晶、カラムクロマトグラフィ等が挙げられる。
本発明において、ルテニウム錯体は、反応混合物から単離されたものが好ましい。例えば、反応混合物中にアルカリ金属ハロゲン化物等の不溶物が析出している場合は、濾過等により該反応混合物から該不溶物を除去することが好ましい。
上記ルテニウム錯体を含有する組成物としては、イミダゾリウム塩(A)とルテニウム化合物(B)との反応により得られた反応混合物や、該反応混合物から単離されたルテニウム錯体を含む粉末または溶液が挙げられる。該組成物は、ルテニウム錯体を含有するので、後述の第2工程に好適に用いることができる。
第2工程に用いられるカルボン酸エステル化合物は、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を1つ以上有する有機化合物である。上記カルボン酸エステル化合物は、モノエステルであってもよいし、ジエステル等の複数のカルボニルオキシ基を有する化合物であってもよい。上記複数のカルボニルオキシ基を有する化合物として、シュウ酸ジエステル、マロン酸ジエステル、フタル酸ジエステル、マレイン酸ジエステル、グルタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステルが挙げられる。
(式中、R6およびR7はそれぞれ互いに独立して、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基または置換基を有していてもよいアリール基等を表す。)
で示されるカルボン酸エステル化合物等を挙げることができる。
かかるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、デシル基、シクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メンチル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。該アルキル基における置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;アミノ基;水酸基;炭素数2〜5のカルボニルオキシアルキル基;が挙げられる。置換基を有するアルキル基の具体例としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、ベンジル基等の炭素数1〜20の置換アルキル基が挙げられる。
かかるアルケニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状の炭素数2〜12のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基における置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;アミノ基;水酸基;等が挙げられる。置換基を有するアルケニル基の具体例としては、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−メトキシ−1−プロペニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素含有カルボン酸エステルは、市販品であってもよいし、公知の方法により製造したものであってもよい。
かかるアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等の炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。該アリール基における置換基としては、例えば、前記置換されていてもよいアルキル基;前記置換されていてもよいアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アミノ基;水酸基;カルボニルオキシアルキル基;等が挙げられる。置換基を有するアリール基の具体例としては、2−メチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−アミノフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3−フェノキシ−1−ブテニル基、スチリル基等が挙げられる。
(式中、R8は炭素数1〜6のアルキル基を表し、X1は互いに独立に、水素原子またはハロゲン原子を表す。ただし、X1の少なくとも一つはハロゲン原子である。)
で示される化合物が挙げられる。
R8で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
上記例示された芳香族炭化水素含有カルボン酸エステルは、例えば、対応する酸ハライドとアルコールとを反応させる方法(例えば、特公平4−66220号公報参照。)等に準じて製造することができる。
(式中、R9は、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。)
で示されるラクトン等を挙げることができる。
かかるラクトンは、4〜22員環であることが好ましい。上記ラクトンは、置換されてもよい炭素数2〜20のアルキレン基を有する環構造であることが好ましい。かかるアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプタレン基、オクタレン基、デシレン基が挙げられる。該アルキレン基における置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;エテニル基、1−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基等のアルケニル基;アミノ基;水酸基;等が挙げられる。置換基を有するアルキレン基の具体例としては、フルオロエチレン基、メトキシメチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、2−アミノブチレン基、2−フェニルメチルブチレン基等が挙げられる。
上記環状カルボン酸エステル化合物としては、β―プロピオラクトン、γ―ブチロラクトン、δ―バレロラクトン、ε―カプロラクトン、β−メチル−ε―カプロラクトン、γ−メチル−ε―カプロラクトン、ヘプタノラクトン、オクタノラクトン、ノナノラクトン、デカノラクトン等が挙げられる。環状カルボン酸エステル化合物は、市販品であってもよいし、公知の方法により製造したものであってもよい。
第2工程において、水素は、カルボン酸エステル化合物1モルに対し、例えば、1〜100モルの範囲で使用される。
上記ルテニウム錯体において、ルテニウム原子の量は、ICP発光分析を用いた元素分析等、公知の方法により測定することができる。
上記還元における塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;が挙げられる。該塩基は、第1工程で用いられる塩基(C)と同種類であってもよいし異なる種類であってもよい。好ましくは、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物等を挙げることができ、より好ましくは、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
第2工程における塩基の使用量は、ルテニウム錯体が有するハロゲン化物イオン1モルに対して、例えば、1〜100モルの範囲等を挙げることができ、好ましくは1〜10モルの範囲等、より好ましくは1〜5モルの範囲等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、カルボン酸エステル化合物1重量部に対して、例えば、1重量部以上、100重量部以下の範囲等を挙げることができる。
第2工程における反応温度は、例えば、0〜200℃、好ましくは50〜180℃の範囲等が挙げられる。
第2工程における反応圧力は、例えば、0.1〜5MPaの範囲、好ましくは0.5〜5MPaの範囲等が挙げられる。
第2工程における反応の進行は、例えば、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、NMR、IR等の通常の分析手段により確認することができる。
反応混合物中にルテニウム錯体等の不溶物が析出している場合は、必要に応じて、ろ過等により該不溶物を除去した後で上記の単離処理を施せばよい。
上記の分液処理には、必要に応じて、水と混和しない有機溶媒を用いてもよい。また、単離されたアルコール化合物を、例えば、蒸留、カラムクロマトグラフィ等の精製手段により精製してもよい。
ここで、水と混和しない有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。
カルボン酸エステル化合物として前記式(4)で示される脂肪族炭化水素含有カルボン酸エステルを用いた場合、例えば、式(5)
(式中、R6は上記と同一の意味を表す。)
で示されるアルコール化合物等を得ることができる。
ベンジルアルコール、2−フルオロベンジルアルコール、3−フルオロベンジルアルコール、4−フルオロベンジルアルコール、2−クロロベンジルアルコール、4−クロロベンジルアルコール、4−アミノベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、2−フェニル−1−エタノール、4−フェニル−1−ブタノール、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1−プロパノール、
1−ナフチルメタノール、1,2−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ベンゼンジメタノール、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−ベンゼンジメタノール。
(式中、R8およびX1はそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示される化合物(以下、化合物(7)と記すことがある。)および/または式(8)
(式中、X1はそれぞれ上記と同一の意味を表す。)
で示される化合物(以下、化合物(8)と記すことがある。)を得ることができる。
化合物(8)としては、例えば、2−フルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2−クロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,5−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,6−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3−ジフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3−ジクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5−トリフルオロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5−トリクロロ−1,4−ベンゼンジメタノール、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノール、2,3,5,6−テトラクロロベンゼンジメタノール、2,3,5−トリフルオロ−6−クロロベンゼンジメタノールが挙げられる。
(式中、R9は上記と同一の意味を表す。)
で示されるアルコール化合物が得られる。
式(10)で示されるアルコール化合物としては、例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、4−メチル−1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。
本発明の製造方法によれば、医農薬原体、電子材料等の各種化学製品およびそれらの合成中間体等として有用なアルコール化合物を提供することができる。
融点は、メトラー社製 全自動融点測定装置 METTLER FP62にて測定した。
NMRはブルッカー社製 FT−NMR装置 DPX300にて測定した。
ガスクロマトグラフィーは、島津社製 GC−17Aにて測定した。
ディーンスターク還流冷却管を備えた100mLフラスコに、3−(1H−イミダゾ−1−リル)−1−プロパンアミン25g、ベンズアルデヒド21.2g、p−トルエンスルホン酸100mgおよびトルエン30gを仕込み、得られた混合物を加熱し、還流させながら、共沸脱水反応を4時間行った。得られた反応混合物を室温(約25℃)まで冷却し、5重量%炭酸カリウム水溶液20gで洗浄し、次いで水20gで洗浄した後、濃縮することにより、淡黄色オイルとして、N−ベンジリデン−3−(1H−イミダゾ−1−リル)−1−プロパンアミン42gを得た。
還流冷却管を備えた100mLフラスコに、参考例1で得たN−ベンジリデン−3−(1H−イミダゾ−1−リル)−1−プロパンアミン5.7g、1,3,5−トリメチル−2−(クロロメチル)ベンゼン5gおよびトルエン20gを仕込み、得られた混合物を100℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、得られた1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライドを含む油状物をデカンテーションにより回収した。更に、該油状物にトルエン20gを追加、混合し、得られた混合物から油状物を回収する操作を3回繰り返した。
前記操作で得られた油状物9.7g、トルエン20g、水20gおよび35%塩酸3.3gをフラスコに仕込み、得られた混合物を80℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、分液処理によりトルエン層を分離した。得られた水層を、トルエン10gで2回洗浄した後で濃縮することにより、白色結晶として、1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライド塩酸塩8.8gを得た。
前記白色結晶8.8gとメタノール20gを100mlフラスコに仕込み、そこに水酸化ナトリウム1.07gを加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。得られた混合物にアセトニトリル10gを加えたところ、塩が析出した。得られた混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を濃縮することにより、淡黄色油状物として、1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライド7.8gを得た。
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):1.90(m,2H)、2.23(s,3H)、2.25(s,6H)、2.52(m、2H)、4.29(m,2H)、5.48(s、2H)、6.99(s、2H)、7.63(s、1H)、7.94(s,1H)、9.23(s,1H)
還流冷却管を備えた100mLフラスコに、参考例1で得たN−ベンジリデン−3−(1H−イミダゾ−1−リル)−1−プロパンアミン12.6g、ベンジルブロマイド12gおよびトルエン50gを仕込み、得られた混合物を100℃で5時間攪拌した。得られた反応混合物を、室温まで冷却し、得られた1−ベンジル−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムブロマイドを含む油状物をデカンテーションにより回収した。更に、該油状物にトルエン20gを追加、混合し、得られた混合物から油状物を回収する操作を3回繰り返した。
前記操作で得た油状物22.7g、トルエン50g、水50gおよび35%塩酸7.5gを仕込み、得られた混合物を80℃で1時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却し、分液処理によりトルエン層を分離した。得られた水層を、トルエン10gで2回洗浄した後で濃縮することにより、白色結晶として、1−ベンジル−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムブロマイド塩酸塩19.9gを得た。
前記で得た白色結晶19.4gとメタノール50gを100mlフラスコに仕込み、そこに水酸化ナトリウム2.33gを加え、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。得られた混合物にアセトニトリル30gを加えたところ、塩が析出した。得られた混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を濃縮することにより、淡黄色油状物として、1−ベンジル−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムブロマイド17.3gを得た。
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):1.86(m,2H)、2.48(m,2H)、4.29(s,3H)、2.25(s,6H)、3.56(m,2H)、4.29(m,2H)、5.50(s、2H)、7.2−7.5(m、5H)、7.89(m、2H)、9.54(s,1H)
還流冷却管を備えた100mLフラスコに、1−メチルイミダゾール5g、3−ジメチルアミノ−1−クロロプロパン塩酸塩9.6gおよびアセトニトリル50gを仕込み、得られた混合物を80℃で16時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、ろ過することにより結晶を取り出し、該結晶を乾燥させることにより、3−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]−1−メチル−1H−イミダゾリウムクロライド塩酸塩6.5gを得た。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例2で得た1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライド300mgとテトラヒドロフラン10gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)45mgを加え、これを25℃で30分攪拌した。そこに、(p−シメン) ルテニウム クロライド ダイマー150mgを加え、得られた混合物を40℃で8時間攪拌した後、得られた反応混合物を室温まで冷却した。該反応混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を濃縮することにより、ルテニウム錯体を含む黒緑色粉末290mgを得た。この粉末の融点は245〜250℃(分解)であった。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例1で得た黒緑色粉末50mg、水酸化カリウム20mg、安息香酸メチル200mgおよびテトラヒドロフラン10gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、100℃まで昇温したところ、内圧は1.3MPaとなった。オートクレーブの内容物を100℃で16時間攪拌したところ、内圧は1.2MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温(約25℃)まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、ベンジルアルコールの収率は10%であった。また、安息香酸メチルが85%回収された。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例4で合成した3−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]−1−メチル−1H−イミダゾリウムクロライド塩酸塩240mgとテトラヒドロフラン10gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)80mgを加え、これを25℃で30分攪拌した。そこに、トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムジクロライド470mgを加え、得られた混合物を40℃で8時間攪拌した後、得られた反応混合物を室温(25℃)まで冷却した。該反応混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を濃縮することにより、ルテニウム錯体を含む黒緑色粉末590mgを得た。この粉末の融点は220〜225℃(分解)であった。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例3で得た黒緑色粉末50mg、水酸化カリウム10mg、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル200mgおよびトルエン10gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、170℃まで昇温したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を170℃で4時間攪拌したところ、内圧は1.5MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は5%であり、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルの収率は42%であった。また、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルが22%回収された。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例4で合成した3−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]−1−メチル−1H−イミダゾリウムクロライド塩酸塩720mgとテトラヒドロフラン20gを仕込み、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)250mgを加え、これを25℃で30分攪拌した。そこに、トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムジクロライド1410mgを加え、得られた混合物を40℃で2時間攪拌した後、得られた反応混合物をろ過して塩を除去し、0℃まで冷却し、0℃で10時間静置した。冷却後、析出した結晶をろ過し、更に乾燥することにより、ルテニウム錯体を含む黒緑色粉末590mgを得た。
ルテニウム錯体(含む黒緑色粉末)
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):2.35(m,2H)、2.55(S,6H)、3.1−3.5(m,4H)、3.65(s,3H)、7.70(s,1H)、7.80(s、2H)(トリフェニルフォスフィンに同定されるピーク(6.95付近)は見られなかった。)
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例5で得た黒緑色粉末40mg、水素化ナトリウム10mg、γ−ブチロラクトン200mgおよびテトラヒドロフラン4gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、120℃まで昇温したところ、内圧は1.4MPaとなった。オートクレーブの内容物を120℃で6時間攪拌したところ、内圧は1.2MPaとなった。オートクレーブの内容物を約25℃まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、1,4−ブタンジオールの収率は14%であった。また、γ−ブチロラクトンが85%回収された。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例2で得た1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライド510mgとジメチルアセトアミド10gを仕込み、そこに、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)ルテニウム243mgを加え、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)70mgを加え、25℃で1時間攪拌した。得られた混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を濃縮し、更に乾燥することにより、ルテニウム錯体を含む黒緑色結晶510mgを得た。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例7で得た黒緑色結晶50mg、水素化ナトリウム5mg、γ−ブチロラクトン200mgおよびテトラヒドロフラン4gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、120℃まで昇温したところ、内圧は1.4MPaとなった。オートクレーブの内容物を120℃で6時間攪拌したところ、内圧は1.3MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、1,4−ブタンジオールの収率は15%であった。また、γ−ブチロラクトンが84%回収された。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例7で得た黒緑色結晶50mg、水素化ナトリウム5mg、3−フェニルプロピオン酸メチル200mgおよびトルエン4gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、120℃まで昇温したところ、内圧は1.2MPaとなった。オートクレーブの内容物を120℃で6時間攪拌したところ、内圧は1.16MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、3−フェニルプロパノールの収率は5%であった。また、3−フェニルプロピオン酸メチルが90%回収された。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例2で得た1−[(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムクロライド260mgとジメチルアセトアミド10gを仕込み、そこに、塩化ルテニウム(RuCl3)92mgを加え、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)40mgを加え、25℃で1時間攪拌した。得られた混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を、窒素置換したトルエン100gに滴下すると黒緑色結晶が析出した。結晶をろ過し、更に乾燥することで、ルテニウム錯体を含む黒緑色粉末220mgを得た。
ルテニウム錯体(黒緑色粉末)
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):1.95(m,2H)、2.30(s,3H)、2.59(s、6H)、4.1−4.5(m,2H)、5.45(s,2H)、6.85(bs、2H)、7.1−7.3(m,2H)、7.65(m、2H)
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例10で得た黒緑色粉末11mg、水素化ナトリウム5mg、γ−ブチロラクトン200mgおよびテトラヒドロフラン4gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、120℃まで昇温したところ、内圧は1.4MPaとなった。オートクレーブの内容物を120℃で6時間攪拌したところ、内圧は1.3MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、1,4−ブタンジオールの収率は14%であった。また、γ−ブチロラクトンが85%回収された。
還流冷却管を備えた50mLフラスコに、参考例3で得た1−ベンジル−3−(3−アミノプロピル)イミダゾリウムブロマイド390mgとジメチルアセトアミド10gを仕込み、そこに、塩化ルテニウム(RuCl3)138mgを加え、フラスコ内を窒素で置換した。そこに、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)60mgを加え、25℃で2時間攪拌した。得られた混合物をろ過して塩を除去し、得られたろ液を、窒素置換したトルエン100gに滴下すると黒緑色結晶が析出した。結晶をろ過し、更に乾燥することで、ルテニウム錯体を含む黒緑色粉末390mgを得た。
1H−NMR(δppm、DMSO−d6、TMS基準):1.93(m,2H)、2.48(s,3H)、4.30(m、2H)、5.50(m,2H)、7.1−7.5(m,5H)、7.99(m、2H)
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、実施例12で得た黒緑色粉末20mg、水素化ナトリウム−ミネラルオイルディスパージョン(60%含量)5mg、γ−ブチロラクトン200mgおよびテトラヒドロフラン4gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、120℃まで昇温したところ、内圧は1.4MPaとなった。オートクレーブの内容物を120℃で6時間攪拌したところ、内圧は1.3MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、1,4−ブタンジオールの収率は22%であった。また、γ−ブチロラクトンが77%回収された。
実施例4において、実施例3で得た黒緑色粉末50mgに替えてトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムジクロライド50mgを用いる以外は、実施例2と同様に行った。オートクレーブの内容物をガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの生成も、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルの生成も、認められず、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルエステルが90%回収された。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、ビス{2−[ビス(1,1−ジメチルエチル)ホスフィノ−κP]エタンアミン−κN}ジクロロルテニウム(アルドリッチ社から入手)20mg、水酸化カリウム20mg、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル400mgおよびトルエン20gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、170℃まで昇温したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を170℃で4時間攪拌したところ、内圧は1.5MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの収率は8%であり、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルの収率は51%であった。また、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルが22%回収された。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、(p−シメン) ルテニウム クロライド ダイマー20mg、ナトリウムメトキシド10mg、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル200mgおよびテトラヒドロフラン10gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、170℃まで昇温したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を170℃で4時間攪拌したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの生成も、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルの生成も認められず、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルが主に回収された。他に、2,3,5−トリフルオロテレフタル酸ジメチルや2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸メチル等の副生が認められた。
ガラス製内筒管を備えた100mLオートクレーブに、5%パラジウム/炭素100mg、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチル200mgおよびテトラヒドロフラン10gを仕込んだ。オートクレーブ内を窒素で置換した後に水素で置換し、水素圧1.0MPaまで加圧した後、170℃まで昇温したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を170℃で4時間攪拌したところ、内圧は1.6MPaとなった。オートクレーブの内容物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィー(内部標準法)にて分析したところ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンジメタノールの生成も、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシメチル安息香酸メチルの生成も認められず、2,3,5,6−テトラフルオロテレフタル酸ジメチルが主に回収された。他に2,3,5−トリフルオロテレフタル酸ジメチルや2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸メチル等の副生が認められた。
Claims (14)
- 分子内にアミノ基とイミダゾール環とを有し、該アミノ基と該イミダゾール基とが連結基を介して結合している部分構造を含むイミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させてルテニウム錯体を得る第1工程、及び
第1工程で得られたルテニウム錯体の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元する第2工程
を含むことを特徴とするアルコール化合物の製造方法。 - 該連結基が、置換基を有していてもよいアルキレン基であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 該イミダゾリウム塩(A)が、式(3)
(式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表すか、またはR2とR3とが結合して、R2とR3とがそれぞれ結合する炭素原子と一緒になって環を表す。R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表すか、R4とR5とが結合して一緒になって炭素数2〜8のアルキレン基を表す。Qは置換基を有していてもよいアルキレン基を表し、X−は1価のアニオンを表す。)
で示される含アミンイミダゾリウム塩であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記
載の製造方法。 - 該ルテニウム化合物(B)が、ルテニウム原子及びハロゲン原子を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
- 該ルテニウム化合物(B)が、ハロゲン化ルテニウム、芳香族化合物が配位したルテニウム ジハライド ダイマー、ジエンが配位したルテニウム ジハライド ポリマーおよびトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
- 該塩基(C)が、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属水素化物およびアルカリ金属ビス(トリアルキルシリル)アミドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
- 第2工程における該ルテニウム錯体の使用量が、ルテニウム原子に換算した量として、カルボン酸エステル化合物におけるカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)1モルに対して0.001〜0.2モルの範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の製造方法。
- 第2工程が、該ルテニウム錯体及び塩基の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元する工程であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の製造方法。
- 分子内にアミノ基とイミダゾール環とを有し、該アミノ基と該イミダゾール基とが連結基を介して結合している部分構造を含むイミダゾリウム塩(A)、ルテニウム化合物(B)及び塩基(C)を反応させて得られたルテニウム錯体の存在下、カルボン酸エステル化合物を水素で還元することを特徴とするアルコール化合物の製造方法。
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