以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の電子機器の第1の実施形態である画像読取装置を説明するための概略断面図、図2は図1に示す画像読取装置の要部の模式図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態の画像読取装置200は、複数枚の原稿Fが積載される原稿台1が昇降モータ2により昇降駆動される。原稿検知センサ3は、原稿台1に積載された原稿Fを検知する。給紙ローラ4は、給紙モータ5により駆動され、原稿台1の原稿Fを給紙する。
給送ローラ6及び分離ローラ7は、それぞれ給送モータ8及び分離モータ9により駆動され、給紙ローラ4により給紙された原稿Fを一枚ずつ分離して搬送路に給送する。給紙モータ5、給送モータ8、分離モータ9は、本発明の駆動モータの一例である。給紙ローラ4、給送ローラ6、分離ローラ7は、原稿と後述する読取ユニットとの相対位置を移動する移動手段の一例を構成する。
分離ローラ7は、原稿Fを搬送路に給送する回転力を不図示のスリップクラッチを介して分離モータ9から常時受けているが、原稿Fが1枚の場合、原稿Fの給送力を受けてスリップクラッチにより給送ローラ6に追従回転を許容されて回転する。そして、分離ローラ7は、原稿Fが複数枚の場合、原稿Fを原稿台1に戻す方向に回転する。なお、分離ローラ7に代えて、分離ベルトを用いる場合もある。
搬送モータ10は、分離給送後の原稿Fを読み取り位置から排出位置まで搬送するための搬送ローラ対20,21及び搬送ローラ対22,23等を駆動する。ニップ隙間調整モータ11は、給送ローラ6と分離ローラ7との隙間、あるいは分離ローラ7に対する給送ローラ6の圧接圧を調整して、原稿Fの厚みに適合した隙間、あるいは圧接圧に調整して原稿Fの分離搬送がスムーズに行われるようにする。
読取ユニット14,15は、搬送されてきた原稿Fの画像を読み取るラインセンサと、画像読取用の光源とを備えており、光源の照射光が原稿Fの読取面で反射され、その反射光をラインセンサが受光することで、原稿Fの画像を読み取る。
排紙センサ16は、原稿Fが読取ユニット14,15を通過して排紙部44に排出されたことを検知する。レジストローラ対17,18は、一時的に停止して原稿Fが下流側に搬送されるのを制限することで、原稿Fの斜行を修正する。レジストクラッチ19は、搬送モータ10の回転をレジストローラ18に伝達したり、遮断したりする。
搬送ローラ対20,21及び搬送ローラ対22,23は、原稿Fを排紙部44に搬送する。上ガイド板40と下ガイド板41との2つのガイド板は、ローラ対6,7、レジストローラ対17,18、搬送ローラ対20,21、搬送ローラ対22,23に挟まれて搬送される原稿Fを案内する。
図3は、外部電源からの電力を蓄積しながら各モータ2,4,8,9,10,11や読取ユニット14,15等の負荷への電力の供給を制御する電源部の一例を示すブロック図である。
図3に示す電源部300Aは、不図示のACアダプタ等の外部電源が接続される。電源部300Aは、電源が投入されると、外部入力用端子を備えた外部電源入力部301からの充電経路に接続された電流制限部302を介して蓄電素子303に電力を蓄えると共に、負荷305への電力の供給を行う。すなわち、電源制限部302は、蓄電素子303を設けた回路ブロックへ流入する電流を制限する。
蓄電素子303から負荷305への電力の伝送経路(放電経路)はスイッチを介して接続され、蓄電素子303からの電力は安定化されることなく駆動モータ等の負荷305へ供給される。これにより、駆動モータに流れる駆動電流は、電流制限部302からの電流でまかなわれるとともに、その一部は蓄電素子303からの電流でまかなわれることになる。なお、大容量の蓄電素子を用いる場合は、外部からの電力供給が切断されても、しばらくの間は駆動モータの駆動電流の全てを蓄電素子から供給して、読取動作を継続することができる。蓄電素子303には、例えば短時間で充電可能で充放電耐久性の高い電気二重層キャパシタなどを用いる。なお、蓄電素子303の端子電圧は、蓄電量にほぼ比例するものとする。
ここで、電流制限部302で電流制限を行う利点は、蓄電素子303の充電時の過電流と接続した負荷の過電流による外部電源の過負荷を防止出来ることである。但し、例えば外部電源に過負荷防止機能がある場合は、電流制限部302を省略して外部電源入力部301と蓄電素子303とを直接接続しても良い。
図4は、電源部300Aの動作例について説明するためのフローチャート図である。なお、ここでは、複数の負荷305を、それぞれ負荷305−1、負荷305−2、負荷305−3として説明する。
外部電源入力部301からの電源供給により本処理を開始すると、電圧検知部306は、充電が始まったことにより上昇する蓄電素子303の端子電圧を測定する(ステップS1001)。
そして、ステップS1002、ステップS1005及びステップS1008では、供給制御部304は、電圧検知部306で測定された蓄電素子303の電圧値がどこまで上昇したかを基に、例えば閾値1〜閾値3を用いて負荷305−1〜305−3へ電力を供給するか否かを判断する。ここで、閾値1〜閾値3は、閾値1<閾値2<閾値3とし、負荷305−1〜305−3の負荷変動率、最低駆動電圧、重要度を考慮して設定する。
ステップS1002では、供給制御部304は、電圧検知部306による蓄電素子303の測定電圧値が閾値1以上か否かを判断し、測定電圧値が閾値1以上の場合は、ステップS1004に進み、測定電圧値が閾値1未満の場合は、ステップS1003に進む。
ステップS1004では、供給制御部304は、充電の進行により蓄電素子303の端子電圧が所定の電圧に達して、負荷305−1に対して電力を供給可能な状態となっており、負荷305−1への電力の供給を開始し、ステップS1005に進む。
ステップS1003では、供給制御部304は、蓄電素子303の端子電圧が所定の電圧を超えていないので、負荷305−1への電力の供給がすでに開始されていれば停止し、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、供給制御部304は、電圧検知部306による蓄電素子303の測定電圧値が閾値2以上か否かを判断し、測定電圧値が閾値2以上の場合は、ステップS1007に進み、測定電圧値が閾値2未満の場合は、ステップS1006に進む。
ステップS1007では、供給制御部304は、充電の進行により蓄電素子303の端子電圧が負荷305−2に対して電力を供給可能な電圧に達したと判断し、負荷305−2への電力の供給を開始し、ステップS1008に進む。
ステップS1006では、供給制御部304は、蓄電素子303の端子電圧が所定の電圧に達していないと判断し、負荷305−2への電力の供給を停止し、ステップS1008に進む。
ステップS1008では、供給制御部304は、電圧検知部306による蓄電素子303の測定電圧値が閾値3以上か否かを判断し、測定電圧値が閾値3以上の場合は、ステップS1010に進み、測定電圧値が閾値3未満の場合は、ステップS1009に進む。
ステップS1010では、供給制御部304は、充電の進行により蓄電素子303の端子電圧が負荷305−3に対して電力を供給可能な電圧に達したと判断し、負荷305−3への電力の供給を開始し、ステップS1011に進む。
ステップS1009では、供給制御部304は、蓄電素子303の端子電圧が所定の電圧に達していないと判断し、負荷305−3への電力の供給を停止し、ステップS1002に戻る。
なお、供給制御部304は、電流制限部302の電流制限値を越えない範囲で蓄電素子303の充電を常時行っているものとするが、電流制限部等を制御して必要なタイミングで充電するようにしてもよい。
また、供給制御部304での制御に関しては、CPUを用いた制御でも良いし、電力の供給開始/停止の切換の閾値を設け、コンパレータ等のハードウェアを用いた制御でも良い。また、各閾値は、装置の動作状態や動作モードに応じて可変してもよく、電力の供給状態から停止状態への閾値と、停止状態から供給状態への閾値を適時変更してもよい。
以上説明したように、本実施形態では、外部電源の電流容量を小さくしても、蓄電素子303に蓄えられた電力を放電することにより、負荷305に対して必要な電力を供給することができる。
また、蓄電素子303に対して昇圧、降圧する充電制御回路を用いなくてよいため、電流制限部302のみの簡単な構成として、電源部300Aの低コスト化及び小型化を実現することができる。なお、負荷305−1〜305−3とは異なり、電源電圧の安定化が必要な不図示の負荷については、外部電源入力部301から電力の供給を受ける略定電圧の電源電力供給経路に接続されているものとする。
(第2の実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明の電子機器の第2の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図5に示すように、電源部300Bの蓄電素子303の端子電圧値は制御ユニット310によって監視される。制御ユニット310は、A/D変換器309及び制御部308を備え、A/D変換器309により蓄電素子303の端子電圧値がデジタルデータに変換されて制御部308に入力される。
制御部308は、外部電源入力部301より電源供給を開始すると、電流制限部302からの電流の流入により充電が始まるので蓄電素子303の端子電圧値を調べる。そして、制御部308は、端子電圧値を基に、上記第1の実施形態と同様に、閾値を用いて負荷305へ電力を供給するか否かを判断して、負荷305への電力の供給/停止を切換える。
また、本実施形態では、制御部308は、電流制限部302を介して接続された蓄電素子303から負荷305に電力を供給する際の蓄電素子303の端子電圧の変化を監視する。これにより、負荷305の必要とする消費電流値の確認や、負荷の動作状態や異常を検出できるようになっている。
図6は、制御部308において、蓄電素子303から負荷305に供給される電圧の変化率に基づき、負荷305の必要とする消費電流値の確認や、負荷の動作状態や異常を検出する処理を説明するためのフローチャート図である。
電源投入とともに本処理が始まると、蓄電素子303とすべての負荷305とを未接続状態にしたままで電流制限部302で制限された所定の電流値で蓄電素子303の充電が始まる。従って、ステップS1101では、制御部308は、蓄電素子303の端子電圧を調べる。
ステップS1102では、制御部308は、電流制限部302の電流値と蓄電素子303の容量とから蓄電素子303の端子電圧の上昇率の正常値を計算する。
そして、制御部308は、蓄電素子303の充電時における端子電圧の上昇率が前記正常値から定めた閾値以下か否かを判断し、閾値以下の場合は、ステップS1104に進み、閾値を超える場合は、ステップS1103に進む。
ステップS1104では、制御部308は、蓄電素子303や電流制限部302等が異常であると判断し、処理を終了する。
ステップS1103では、制御部308は、蓄電素子303の充電により端子電圧が電圧閾値まで上昇したか否かを判断し、電圧閾値まで上昇した場合は、ステップS1105に進み、充電が不十分である場合は、ステップS1102に戻る。
ステップS1105では、制御部308は、蓄電素子303と所定の負荷305とを接続して蓄電素子303から負荷305に電力を供給し、ステップS1106に進む。
ステップS1106では、制御部308は、蓄電素子303の電圧変化率から求めた負荷305の消費電流値が所定の範囲内か否かを判断する。
ここで、接続した負荷305が消費する電流値が電流制限部302で制限した電流値以下である場合においては、蓄電素子303の電圧はさらに上昇することになる。また、接続した負荷305が消費する消費電流値が電流制限部302で制限した制限電流値を超える場合には、蓄電素子303の電圧は降下する。これらのことから、負荷305の消費電流値を求めることができる。
従って、制御部308は、蓄電素子303の端子電圧の変化率から求めた負荷305の消費電流値が所定の範囲内の場合は、負荷305は正常と判断して、ステップS1108に進む。また、制御部305は、蓄電素子303の端子電圧の変化率から求めた負荷305の消費電流値が所定の範囲から外れる場合は、負荷305が異常と判断して、ステップS1107に進む。なお、負荷305は標準的な動作状態にしておいて上記判断を行うことが望ましい。また、負荷変動の大きな負荷については、あらかじめどの程度の変動があるかを認識しておくことが望ましい。
ステップS1107では、制御部308は、蓄電素子303と負荷305との接続を解除し、処理を終了する。
ステップS1108では、制御部308は、負荷305を接続した際の蓄電素子303の電圧変化率から求めた負荷305の消費電流値を不図示の記憶部に記憶し、処理を終了する。
ここで記憶された消費電流値は、以降の通常動作で蓄電素子303と負荷305との接続可否を決定する際の閾値を定めるための情報として用いる。以上の処理を接続する全ての負荷に対して行うことで、全ての負荷が異常であるか否かを検出する事が出来る。
本実施形態では、大容量の蓄電素子303にスイッチを介してほぼ直接負荷305を接続する構成である。このため、接続する負荷305により電流制限値を超える過負荷状態になっても蓄電素子303の電圧降下は比較的緩やかであり、負荷変動による急激な電圧降下を回避することができる。
従って、蓄電素子303に過大な負荷を接続した際にも、電圧降下で誤動作になる前に蓄電素子303と負荷305との接続を解除すればよく、特に、負荷がモータ等であり、モータロックによる過負荷状態である場合等に装置全体の誤動作を回避することができる。また、負荷毎に実装しているヒューズ等の異常検出素子や回路が不要になる。
(第3の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の電子機器の第3の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図7に示すように、電源部400が負荷305への電力供給経路を複数持ち、具体的には、電流制限部302の入力側から及び蓄電素子303の端子からのそれぞれ負荷305へ電力を供給する経路を持つ。
そして、供給制御部304は、各負荷305の負荷変動率、最低駆動電圧、重要度を考慮して、電源電力供給経路に接続するか、蓄電素子303からの電力を供給する経路(放電回路)に接続するかを選択的に切換え制御する。ここでの電源電力供給経路は、電流制限部302の入力側に外部電源の電力を供給する経路である。
例えば、負荷305がDCモータ等の駆動モータである場合は、負荷変動率が大きいが、駆動電圧が低くてもモータの回転速度を下げて消費電流を減らすことで対応可能であり、動作上大きな問題にはならない。また、デジタル回路を駆動する電源に関しては、2V以下の電圧でも問題なく動作する負荷も多くある。
しかし、例えば原稿照明に用いる白色LED等では、負荷変動が少ないことが特徴である一方、電源電圧が低下すると十分な光量が得られず、画像の読取動作に支障をきたす。本実施形態では、蓄電素子303の出力電圧は負荷の状態に応じて大きく変化する為、原稿照明用の白色LEDなどは蓄電素子303から電力を供給すると電圧低下で動作不良になる。
そこで、本実施形態では、供給制御部304は、負荷変動が比較的少なく、安定した駆動電圧を必要とする照明系の負荷(第1の負荷)305に関しては、電流制限部302の入力側の電力供給経路を選択して接続する。
これに対し、供給制御部304は、負荷変動が大きく、最低駆動電圧が低い負荷(第2の負荷)305(例えばDCモータ)の場合には、蓄電素子303からの電力を供給する経路を選択する。
蓄電素子303からの電力を供給するように経路を選択した場合は、供給制御部304は、上記第1の実施形態と同様に、電圧検知部306で測定された蓄電素子303の電圧値を基に、閾値を用いて負荷305への電力の供給/停止を切換える。
負荷305に対して電力供給経路の選択を変更した際には、画像読取装置の読取動作を休止して電力を蓄えることが可能な間欠動作モードに移行させるための閾値である間欠開始電圧を設定する。ここでの間欠開始電圧の設定は、蓄電素子303からの電力を供給する経路に接続された負荷305のうち、最も高い最低駆動電圧を持つ負荷を基準に行われる。
例えば、この間欠開始電圧より蓄電素子303の電圧が低下した場合には、間欠動作モードに移行し、装置の動作を一時休止するとともに、負荷305の動作を停止させて電力の消費がほとんどない状態にする。そして、蓄電素子303の電圧が十分に上昇した後に、各負荷305を動作させて画像読取動作を再開する。なお、画像読取装置の動作状態の変更や、外部電源入力部301に接続する外部電源の変更等により、各負荷305に対する電源供給経路を変更する毎に間欠開始電圧を変更するのが望ましい。
このように、本実施形態では、電力の供給経路を複数持ち、各負荷305の接続経路を複数の異なる供給経路から選択出来る様に構成し、接続経路を選択する際に、各負荷305の最低駆動電圧を考慮する事で、効果的な電源経路管理が行える。
これにより、低い駆動電圧で動作する負荷と、高い駆動電圧を必要とする負荷を認識して適切に接続経路を切り換える事で、蓄電素子303に蓄えた電力を効率的に利用する事が出来る。なお、電流制限部に電流制限値は、供給制御部304等から設定可能であり、負荷の接続経路の変更時に電流制限値を変更する。また、電流制限値を0とすること等で充電を停止できるようにしてもよい。
(第4の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の電子機器の第4の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図8に示すように、電流制限部302の出力側に充放電回路部406が配置され、充放電回路部406がスイッチを介して直接負荷305に接続される。また、充放電回路部406には、蓄電素子303が接続されて、蓄電素子303の端子電圧から電圧を安定化した出力を生成して負荷305へ供給される。
供給制御部304は、充放電回路部406から得られる蓄電素子303の電圧情報を基に、上記第1の実施形態と同様に、閾値を用いて負荷305への電力の供給/停止を切換える。
充放電回路部406および供給制御部304での制御に関しては、CPUを用いた制御でも良いし、充放電の切換及び電力の供給開始/停止切換の夫々の閾値電圧を設け、コンパレータ等のハードウェアを用いて制御しても良い。
本実施形態では、外部電源部の電流容量を小さくしても、蓄電素子303に蓄えられた電力を安定化しながら放電することにより、供給先の負荷305に対して安定した電力を供給することができる。
また、充放電回路部406及び蓄電素子303に外部から供給される電流に対して電流制限部302で電流値の制限を加える事で、外部電源が過負荷になることを防止することができる。
更に、充放電回路部406を設けることで、蓄電素子303への過充電を防止することができ、蓄電素子303がショートした場合にも安全に保護することができる。
また、充放電回路部406から負荷305に対して供給される電圧は、充放電回路部406が備える不図示の安定化回路により略定電圧になるよう制御されている。上記第1の実施形態では、蓄電素子303に対してほぼ直接負荷305を接続していたため、接続可否の閾値は、蓄電素子303の蓄電量にほぼ比例する端子電圧に加えて、負荷305の最低駆動電圧を考慮して設定しなければならない。
これに対し、本実施形態では、接続する負荷305の最低駆動電圧を考慮する必要はなく、負荷305に応じて電圧を安定化して略一定に保つことにより、負荷接続の可否を決定する際の制限条件が緩和され、蓄電素子303の電力を有効に使用する事が出来る。なお、複数の負荷305がそれぞれ異なる電源電圧であれば、安定化回路の出力も複数の電圧を出力することになる。
(第5の実施形態)
次に、図9を参照して、本発明の電子機器の第5の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1及び第4の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図9に示すように、電源部600は、電流制限部302とその後段の充放電回路部406を介して負荷305へ電圧が安定化された電力を供給する経路を有する。また、電源部600は、充放電回路部406を介さずに電流制限部302の入力側からの経路(電源電力供給経路)に接続して負荷305へ電力を供給する経路を有する。なお、電流制限部302の入力側端子からの経路に限定せず、それより前段の回路であって、略定電圧の電源電力供給経路に、負荷305を接続する経路を有していてもよい。
そして、供給制御部304は、充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給するか、充放電回路部406を介さずに電流制限部302の入力側から負荷305へ電力を供給するか、負荷305への電力の供給を停止するかを決定する。
蓄電素子303の電圧変動のある端子電圧は、充放電回路部406を介することで電圧が安定化される。必要であれば、昇圧を行ってもよい。このような放電経路に接続して負荷305へ電力を供給する場合は、上記第4の実施形態と同様に、供給制御部304は、充放電回路部406から得られる蓄電素子303の電圧情報を基に、閾値を用いて負荷305への電力の供給/停止を切換える。
ここで、略定常の負荷である負荷305に対しては、電流消費量が定常である事から、電流制限部302や蓄電素子303を利用する効果がない。従って、本実施形態では、あらかじめ定常負荷に対して見込まれる消費電流を設定しておき、定常負荷を電流制限部302の入力側に接続するとともに、外部電源の電流容量から定常負荷の消費電流を差し引いた値を、電流制限部302の電流制限値に設定する。
このときの定常負荷の消費電流は、各負荷に対して予め固定値を設定してあっても良い。また、上記第1の実施形態と同様に、各負荷305を充放電回路部406を介した経路に試験的に接続し、電流制限部302からの電流値変化に関する情報や蓄電素子303の端子電圧の変化率から消費電流を求めてもよい。
本実施形態では、電流制限部302で定めた電流制限値内で蓄電素子303を充電すると同時に、蓄電素子303を介して負荷変動が大きい負荷305へ電力を供給する。これにより、負荷変動が大きい負荷305による電流消費量の変化を効果的に平滑化することができる。
また、定常電力を消費する負荷305に対しては電流制限部302や充放電回路部406を介さずに電力を供給する事で、電流制限部302や充放電回路部406を通る最大電流値が低下し、制御素子を小型にすることができる。
(第6の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の電子機器の第6の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1及び第5の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図10は、本発明の第6の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図10に示すように、電源部700は、外部電源入力部301及び電流制限部302をそれぞれ複数有する。
また、電源部700は、充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給する経路と、充放電回路部406を介さずに外部電源入力部301から負荷305へ電力を供給する経路とを有する。
そして、供給制御部304は、充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給するか、充放電回路部406を介さずに外部電源入力部301から負荷305へ電力供給するか、または負荷305への電力の供給を停止するかを決定する。
充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給する場合は、上記第5の実施形態と同様に、供給制御部304は、充放電回路部406から得られる蓄電素子303の電圧情報を基に、閾値を用いて負荷305への電力の供給/停止を切換える。
ここで、あらかじめ負荷305の特性が分かっている場合は、負荷変動の大きな負荷であれば、電流制限部302及び充放電回路部406を経由して電力供給し、定常負荷であれば、電流制限部302も充放電回路部406も経由せずに電力供給する。
また、あらかじめ得た定常負荷の電流消費量を用いて、外部電源の電流容量から定常負荷の電流消費量(要求電流値)の合計を差し引いた値を、電流制限部302の電流制限値とする。
この電流制限値内で充放電回路部406が蓄電素子303を充電すると同時に、蓄電素子303を介して複数の負荷305のうちの負荷変動の大きな負荷へ電力を供給する。これにより、負荷変動の大きな負荷による電流消費量の変化を効果的に平滑化することができる。
また、外部電源入力部301の電源仕様が分かっている場合には、定常負荷に対しては電源容量のより小さい外部電源入力部から電力供給を行い、変動負荷に対しては電源容量のより大きい外部電源入力部から電力供給を行うようにすることもできる。
これにより、外部から入力される電源電力を効率的に使用して、変動負荷に対する電源供給の平滑化をより効果的に達成でき、複数の外部電源入力部301を備えた電源部700において、負荷305に対して効率良く電力を供給することができる。
(第7の実施形態)
次に、図11〜図14を参照して、本発明の電子機器の第7の実施形態である画像読取装置の電源部を説明する。なお、上記第1、第5及び第6の実施形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号等を流用して説明する。
図11は、本発明の第7の実施形態である画像読取装置の電源部を説明するためのブロック図である。
本実施形態では、図11に示すように、電源部800は、複数の外部電源入力部301を有する。
また、電源部800は、充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給する経路と、充放電回路部406を介さずに外部電源入力部301から負荷305へ電力を供給する経路とを有する。
そして、供給制御部304は、充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給するか、充放電回路部406を介さずに外部電源入力部301から負荷305へ電力供給するか、又は負荷305への電力の供給を停止するかを決定する。
充放電回路部406を介して負荷305へ電力を供給する場合は、上記第6の実施形態と同様に、供給制御部304は、充放電回路部406から取得される蓄電素子303の電圧情報を基に、閾値を用いて負荷305への電力の供給/停止を切換える。
外部電源入力部301から負荷305へ電力供給する場合は、供給制御部304は、上記第5の実施形態と同様な制御を行う。
ここで、本実施形態では、供給制御部304は、外部電源入力部301に接続している外部電源の状態情報を得る事が出来る。一般に、外部電源の状態情報は、外部電源の電圧等によって判断する事が多い。簡単な手段としては、入力電圧が一定の閾値を越えたかどうかで判断する手段や、入力電圧に応じて出力される制御信号を変更する制御変更手段を用いる方法がある。複雑な手段としては、一定の負荷電流を消費する負荷を接続し、その負荷電流による入力電圧変化を調べて判断しても良い。より複雑で高度な手段としては、外部電源入力部301に外部電源から入力された専用の制御信号を出力可能とし、この制御信号により外部電源の状態情報を得る方式もある。本実施形態では、前述のいずれの手段を用いてもよい。
本実施形態では、供給制御部304は、外部電源入力部301に外部電源が接続されているかを外部電源接続情報から判断し、外部電源が接続されている場合は、外部電源の数や種類に基づき、電源部800での電力の供給経路の接続状態を変更する。
上記制御のための外部電源接続情報としては、接続した外部電源の電圧や接続した入力部の場所等の検出結果、および、不図示の外部電源状態の設定部などによりユーザが設定した情報等のいずれかを用いる。
また、外部電源入力部301に外部電源を接続した際に、電流制限部302を介して充放電回路部406に接続し、電流制限部302により規定された一定電流を流されたことに対する外部電源の電圧変化を用いて外部電源に関する情報を得る事も出来る。
電源投入時においては、蓄電素子303は十分に放電されており、蓄電が完了するまでに十分な時間がある。この時間を利用し、外部電源入力部301から電流制限部302を介して一定電流を流す負荷が接続された状態を実現し、外部電源に関する情報を取得することもできる。
次に、図12を参照して、電源部800の動作例について説明する。ここでは、2つの外部電源入力部301を外部電源入力部301−1及び外部電源入力部301−2として説明する。
ステップS1201では、供給制御部304は、外部電源入力部301−1を電流制限部302に接続し、ステップS1202に進む。このとき、供給制御部304は、電流制限部302の電流制限値は0とし、充放電回路部406には電力を供給しない。なお、電流制限値を0とするのではなく、接続を切ってもよい。
ステップS1202では、供給制御部304は、外部電源入力部301−1の電圧を測定して、不図示の記憶部に記憶し、ステップS1203に進む。
ステップS1203では、供給制御部304は、ステップS1202で記憶した電圧測定値が閾値以上であるか否かを判断する。そして、供給制御部304は、電圧測定値が閾値以上であれば、ステップS1204に進み、電圧測定値が閾値以上でなければ、外部電源入力部301−1に外部電源が接続されていないと判断し、ステップS1209に進む。
ステップS1204では、供給制御部304は、負荷特性の測定を継続して行う為に電流制限部302の電流制限値を低い値に設定し、ステップS1205に進む。ここでは、特性の違った外部電源に対応する為に急激に電流値を上げる事無く徐々に上げていく。この電流制限値の設定値は、接続する外部電源の種類だけ用意するのが望ましい。
ステップS1205では、供給制御部304は、外部電源入力部301−1の電圧を測定して、不図示の記憶部に記憶し、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、供給制御部304は、ステップS1205で記憶した電圧測定値が閾値以上か否かを判断する。そして、供給制御部304は、電圧測定値が閾値以上であれば、ステップS1207に進み、電圧測定値が閾値以上でなければ、外部電源入力部301−1に接続された外部電源は使用不可と判断し、ステップS1209に進む。
ステップS1207では、供給制御部304は、電流制限部302の電流制限値を高い値に設定し、ステップS1208に進む。
ステップS1208では、供給制御部304は、外部電源入力部301−1の電圧を測定して、不図示の記憶部に記憶し、ステップS1209に進む。
ステップS1209では、供給制御部304は、電流制限部302の電流制限値を0に戻し、外部電源入力部301−1の接続を解除し、ステップS1210に進む。
以降、ステップS1210〜ステップS1218において、外部電源入力部301−2に対して、上記ステップS1201〜1209までの同様の処理を行う。ここまでの動作は、蓄電素子303が十分に充電されるまでに行う事で、無駄な負荷に接続する事無く、外部電源の接続状態情報を検知する事が可能になる。
また、既に蓄電素子303の充電電圧が外部電源入力部301の電圧と略同等に上昇している場合には、先の実施形態で述べた負荷特性の測定を行い、蓄電素子303の電圧が低下した後に図12の処理を実施することで電力の無駄をなくすことができる。
これらの外部電源接続状態の設定や、外部電源接続状態情報の検知により判明した外部電源に対して、負荷305の割り振りを行う。
接続する負荷305の特性を求める方式は、前述の実施形態で説明したのと同じ様にあらかじめ設定しておく方式と、負荷を逐次接続して電流制限部302の電流値を用いて検出する方式とがある。これより求めた負荷305の特性を用いて、外部電源の電流容量を越えないように、負荷変動の少ない負荷から順に外部電源入力部301に直接接続して行く。
このとき、外部電源の総供給電流値に対して全負荷による最大総電流値(負荷変動も含んだ値)が下回る場合には、外部電源入力部301と負荷305のすべてを直接接続してよい。なお、このとき、電流制限部302や充放電回路部406、蓄電素子303等の動作を停止してもよい。
この様に制御することで、外部電源入力部から負荷へ中継する回路を削減し、中継する回路部での電力消費量を削減出来る。
また、接続する負荷の最大総電流値が外部電源の電流容量を越える場合は、越えた分の負荷以上の負荷分を電流制限部302に接続する。特に、負荷変動の大きな負荷は充放電回路部406の出力側に接続するのが望ましい。これにより、負荷変動の大きな負荷は蓄電素子303により最大電流値が平準化される。本実施形態では、負荷変動が大きな負荷としてモータ駆動回路等を想定している。
また、このときの電流制限部302の制限電流値は、外部電源の最大供給電流値から外部電源入力部301と負荷305を直接接続した分の最大総電流値を引いた値以下になるように調整される。この様に調整して、外部電源入力部301に接続する負荷の最大総電流値が外部電源の電流容量を越えない様に制御する。
これにより、外部から入力される電源を効率的に使用して、変動負荷に対する電源供給の平滑化をより効果的に達成できる。また、外部電源入力部301の接続状態に応じて電流制限部302や充放電回路部406等の使わない回路を停止する事で、全体の省エネが図れる。従って、複数の外部電源入力部301を備えた電源部800において、負荷305に対して効率良く電力を供給することができる。
図13は、図12の電源部800を画像読取装置の電源部として更に具体化した例を説明するためのブロック図である。
図13に示す電源部900は、外部電源入力部301−1にホスト装置からのUSB電源が接続され、外部電源入力部301−2にホスト装置からの他のUSB電源、ACアダプタ或いはバッテリ等が接続される。
負荷305には、搬送モータ305−1、表面用の読取ユニットのCISセンサ305−2、照明LED305−3、裏面用の読取ユニットのCISセンサ305−4、照明LED305−5が配置される。また、負荷305には、レジストセンサ305−6、原稿検知センサ305−7、メモリ305−8が配置される。
メモリ305−8は、画像処理したデータを保存するためのメモリであり、必要に応じてRAMや不揮発性メモリで構成される。また、メモリ305−8は、コネクタ等のI/Fを介して装置に対して着脱可能な構成でもよい。
外部電源入力部301−1に接続されるUSB電源は、USBインターフェイスから供給される電源であり、電源供給能力が低いローパワーモードと、電源供給能力が高いハイパワーモードがある。この電源供給能力の違いについては、USBインターフェイスによる外部機器との通信にて情報を得ることができる。
外部電源入力部301−2に接続されるUSB電源、ACアダプタ或いはバッテリ等は、出力電圧や電源供給能力に差があり、その電源供給能力の差は、電源の種類の差だけでなく、同種類の電源でも差が発生する。従って、外部電源入力部301−2に接続される電源の電源供給能力を事前に確認する事は、装置の効率を上げる上で非常に有効である。
電流制限部302は、蓄電素子303への充放電を制御する充放電回路部406への供給電流値を制限する。この電流制限値は設定で変えることができる。
蓄電素子303は、電気2重層コンデンサ等で構成されており、電源投入時にはたいていの場合充電されていない。蓄電素子303の充電が完了するまで、電流制限部302には、電流制限値に略等しい電流が流れる。このとき、外部電源入力部301−1に接続されたUSB電源から蓄電素子303に充電する接続をやめて外部電源入力部301−2からの電力により充電する接続に変更する。これにより、外部電源入力部301−2に接続される他のUSB電源、ACアダプタ或いはバッテリ等に大きな負荷を加える事が出来る。そして、このときの外部電源入力部301−2の電圧変化率を検知する事で、外部電源入力部301−2に接続した電源の種類、電源供給能力を確認できる。
また、蓄電素子303に充電する状態を外部電源に関する情報の取得に利用する事で、電源部に対して十分な負荷を加えると同時に、流れた電流が蓄電素子303の充電に用いられるため、電力の無駄を防ぐ事も出来る。
供給制御部304は、画像読取装置の動作状態、外部電源入力部301−1,301−2の接続状態、負荷の状態を考慮して、各負荷305−1〜305−8の接続を切り換える。負荷305−1〜305−8の中で負荷変動の大きい負荷が存在するか否かを判定する為には、簡易的に充放電回路部406に上記負荷を接続し、蓄電素子303の電圧変化率に基づき各負荷の消費電流の変動を求めることができる。
例えば搬送モータ305−1等はモータの効率や搬送部の摩擦等で必要電力が大きく変化する。一方、照明LED305−3,305−5においては、電源電圧の変動により発光光量に大きな差が出る事が良く知られている。
以上の動作にて、電源部900の電源供給能力と負荷305−1〜305−8の必要電力を正確に求める事が出来る。
次に、供給制御部304は、画像読取装置の動作状態を考慮して、負荷305−1〜305−8を適切に接続変更する。
例えば、外部電源入力部301−2に何も接続せず外部電源入力部301−1のUSB電源のみで動作する場合について説明する。
供給制御部304は、常に動作し、比較的負荷変動が少なく消費電流の小さな負荷305は外部電源入力部301−1のUSB電源の供給上限を越えない範囲で、該USB電源に直接接続する。その後、供給制御部304は、電流制限部302の電流制限値を外部電源入力部301−1のUSB電源の上限値から該USB電源に直接接続した負荷305の分の消費電流を引いた値に設定変更する。
次に、供給制御部304は、負荷変動の大きな負荷305を電流制限部302に接続し、残りの負荷305を充放電回路部406の出力側に接続する。各部に接続した負荷305は、画像読取装置の動作状態によっては接続しない場合もある。
この様な接続を行う事で、USB電源が供給する以上の電流を消費する動作状態となる動作モードであっても蓄電素子303の充放電を用いて例えば1枚又は複数枚の読取を終わるごとに充電のため休止時間をとる間欠動作とする事が可能となる。これにより、複数の原稿の読取を順次実行する事が可能になる。またこれと同時に、装置の動作状態による負荷変動に対して蓄電素子303の蓄電容量が少なくても対応する事が出来る。この結果、USBインターフェイス用等のインターフェイスケーブルにより供給される電源電力によって稼動する画像読取装置において、負荷変動を吸収可能にして信頼性を向上できる。なお、間欠動作モードは、1枚の原稿の読取の途中で充電のための休止時間を取るような動作モードであってもよい。
次に、外部電源入力部301−2に電源が接続される場合について説明をする。
供給制御部304は、前述の手段にて外部電源入力部301−2に接続した電源が十分な電源供給能力があると判断した場合には、その電源に見合った分の負荷305を外部電源入力部301−2に直接接続する。
例えば、外部電源入力部301−2に接続した電源が外部装置からの他のUSB電源であることがわかっている場合には、該USB電源の供給能力を越えない範囲の負荷305を外部電源入力部301−2に接続する。そして、残りの負荷変動が大きな負荷305は、放電回路部406の出力側に接続する。
次に、供給制御部304は、外部電源入力部301−2に電源電圧の安定性が比較的高く、電源供給能力の高いACアダプタ等が接続される場合は、全ての負荷305−1〜305−8を外部電源入力部301−2に直接接続する。
この場合、外部電源入力部301−2から蓄電素子303に電力を供給する経路を切断してもよい。これにより、電流制限部302や充放電回路部406を介さずに負荷へ電源を供給する事が出来、無駄な電力の消費をなくすことが出来る。
また、供給制御部304は、外部電源入力部301−2に電源供給能力の低いバッテリが接続されていることがわかっている場合は、極力バッテリの電力を使用しないように負荷305を接続する。
例えば比較的変動が少なく小さな負荷305や、必要とする電源電圧が比較的高い負荷305は、外部電源入力部301−1の電源供給能力を越えない範囲で外部電源入力部301−1のUSB電源に直接接続する。
次に、供給制御部304は、外部電源入力部301−2のバッテリを電流制限部302に接続した後、残った負荷を充放電回路部406に接続する。これにより、負荷変動の少ない負荷、すなわち常時電力を消費する負荷は外部電源入力部301−1のUSB電源に接続する事になり、定常的負荷によるバッテリの消耗を回避する事が出来る。
また、バッテリの放電量制限を電流制限部302で設定出来ると同時に、負荷変動によるバッテリ電圧の低下による不具合の発生を蓄電素子303を用いて効果的に回避出来る。
図14は、図11に示す電源部800において、電流制限部302の電流制限状態に基づき、負荷305の接続を切り換える処理を説明するためのフローチャート図である。
ステップS1301では、供給制御部304は、2つの外部電源入力部301のいずれかと複数の負荷305のいずれかを接続する際に、電流制限部302の電流制限状態を確認する。ここで、電流制限部302の電流制限値は、例えば、外部電源入力部の供給電力の上限値に設定しておく。
そして、供給制御部304は、電流制限部302に流れる電流値が、電流制限部302の電流制限値と略同等、すなわち電流制限値の上限値に達している場合には、画像読取装置の動作を保留する。また、供給制御部304は、蓄電素子303の充電が完了する等の要因で、電流制限部302に流れる電流値が電流制限値未満になった事を確認すると、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、供給制御部304は、外部電源入力部301の供給電力の上限値から接続する負荷305の要求電流値を引いた値を新たな電流制限部302の電流制限値に設定し、ステップS1303に進む。
ステップS1303では、供給制御部304は、電流制限部302に流れる電流値が新たな電流制限値未満になった事を確認すると、ステップS1304に進む。
ステップS1304では、供給制御部304は、外部電源入力部301に対して負荷305を直接接続し、処理を終了する。
これにより、電流制限部302より入力側に負荷305を接続する際、外部電源入力部301が過負荷状態になるのを避ける事ができ、また、接続変更のタイミングを精度良く検知する事が出来る。
このように、外部電源入力部301の電源供給能力と負荷305の必要電力を適時検知し、それに合わせて電力の供給制御を行う事で、電力を有効に活用し、少ない電力で確実な画像読取動作が行える。また、画像読取動作に必要な蓄電素子303として不必要に大きな素子を使用しない構成にすることができる。
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記各実施形態では、原稿を搬送して画像を読み取る画像読取装置について説明したが、静止した原稿から画像を読み取るフラットヘッドスキャナ等でもよい。また、画像読取機能を持たないプリンタや外部記憶装置であってもよい。また、上記各実施形態の構成要素を他の実施形態に追加してもよく、本発明に含まれる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。