JP5676904B2 - 油性インクジェットインク - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録システムの使用に適した油性インクジェットインクであって、詳細には普通紙に対しても印字濃度を高く印刷することが可能な油性インクジェットインクに関するものである。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なヘッドノズルからインク粒子として噴射し、上記ノズルに対向して置かれた印刷紙に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。このようなインクジェット記録方式に用いられるインクとして、非水溶性溶剤に顔料を微分散させたいわゆる油性インクジェットインクが種々提案されている。
例えば、本出願人は特許文献1において、溶剤の30〜70質量%が非極性溶剤からなり、溶剤の20質量%以上がα値6°〜8°のエステル系溶剤からなる油性のインクジェットインクを提案している。このインクジェットインクは、インク中に含まれる揮発成分がほとんどないため、開放放置されたヘッドノズル近傍のインクの増粘が少なく、吐出回復性に優れる。また、用紙のカールが少ないという利点を有し、PPC複写機やレーザープリンターで印刷された印刷面と重ね合わせた場合でも貼り付かない印字面を得ることができるという利点も有しており、高速インクジェットプリンターに適したインクである。
しかし、油性インク全般に言えることであるが、印刷用紙上に吐出されたインクは油性成分が揮発しにくいために、時間と共に印刷用紙の繊維間隙に少なからず浸透してしまい、結果として色材が印刷用紙表面上に留まり難く、印字濃度が低くさらには裏抜けをするという問題がある。
このような観点から出願人は、充分な画像濃度が得られる非水系顔料インクとして、顔料分散剤としてビニルピロリドン(PVP)と炭素数10〜40のアルケンとの共重合体(アルキル化PVP)を含む非水系顔料インク(油性インク)および、アルキル化PVPを顔料分散剤とする黒インクである第1のインクと、ポリエステル側鎖を有する含窒素グラフト共重合体(ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛型構造のポリアミド系分散剤)を顔料分散剤とする色インクである第2のインクとのインクセットを提案している(特許文献2)。
この特許文献2に記載された油性インクに含まれるアルキル化PVPは極性であるため、非水系溶剤との親和性が高すぎない。従って、溶剤リリース性(顔料と溶剤との分離性)が早く、顔料が紙に残りやすく、印字濃度を高くすることが可能なものである。また、インクセットは、第1のインク(黒インク)を第2のインクと組み合わせることにより、第1のインク単独の場合に比べて、より濃度の高い黒色印刷を実現することができるものである。
特開2007−126564号公報 特開2009−270061号公報
上記特許文献2に記載された油性インクは、従来の油性インクに比べてインクの溶剤リリース性がよく、灰分率の高い紙への印刷に用いても印字濃度を高くすることが可能なものであるが、さらに鋭意検討を重ねたところ、より印字濃度を高くすることができる油性インクを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、普通紙に印刷した場合であっても印刷用紙の繊維間隙に浸透しにくく、より高度な印字濃度を確保することが可能な油性インクジェットインクを提供することを目的とするものである。
本発明の油性インクジェットインクは、少なくとも顔料、顔料分散剤、溶剤とからなる油性インクジェットインクにおいて、スルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤を含むことを特徴とするものである。
前記フッ素系添加剤はパーフルオロブタンスルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤であることが好ましい。
前記顔料分散剤はビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体および/またはポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛型構造のポリアミド系分散剤であることが好ましい。
前記フッ素系添加剤をインク全量に対して0.1%質量以上含むことがより好ましい。
本発明の油性インクジェットインクは、スルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤を含むので、インクの溶剤リリース性をより良好なものとすることが可能であり、灰分率の高い普通紙のような印刷用紙の繊維間隙に浸透しにくく、より高度な印字濃度を確保することが可能である。
本発明の油性インクジェットインク(以下、単にインクともいう)は、少なくとも顔料、顔料分散剤、溶剤とからなるインクにおいて、スルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤とを含むことを特徴とする。
フッ素系添加剤はパーフルオロブタンスルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤であることが好ましい。パーフルオロブタンスルホン酸基(C49SO3H)を構造中に有するフッ素系添加剤(以下、単にフッ素系添加剤ともいう)としては、具体的には住友スリーエム(株)社製ノベックFC4430、FC4432、大日本インク(株)社製メガファックF−114等が好適に挙げられる。フッ素系添加剤の含有量はインク全量に対し、0.05〜2.0質量%以上が好ましく、0.1質量%〜1.0質量%が好ましい。0.05質量%未満ではインクの溶剤リリース性が促進されにくい。一方、2.0質量%を超えて含有させると、ヘッドノズルプレートの撥インク性が維持しにくくなるため好ましくない。
本発明において、フッ素系添加剤を加えることによって、インクの溶剤リリース性をより良好なものとすることができる。例えば、顔料分散剤として後述するアルキル化PVPを使用したインクにおいて、アルキル化PVPは極性であるため、非水系溶剤との親和性が高すぎないため、溶剤リリース性は比較的早い。しかし、ポリアミド系分散剤と同様に顔料とは非常に親和性が高いために、印字した場合の溶剤リリース性は溶剤との親和性に引きずられる面がある。ここにフッ素系添加剤を加えると、さらに溶剤リリース性を向上させることができる。
すなわち、非水系溶剤に顔料を安定して分散させるためには、分散剤自身が溶剤に溶解できることが必要であるが、一方で、分散剤と非水系溶剤との親和性が高すぎると、溶剤リリース性が低下し、顔料が溶剤に伴われて紙の中に浸透してしまうために、画像濃度が低下する。フッ素系添加剤はアルキル化PVPやポリアミド系分散剤と非水系溶剤との親和性をさらに弱めて溶剤リリース性を向上させ、画像濃度を向上させることができるものと考えられる。
また、特許文献2記載のインクではコンポジット画像の画像濃度向上において、色材と分散剤の組み合わせが限定されてしまうが、このフッ素系添加剤の配合によって、色材と分散剤の組み合わせを限定せずに所望とするコンポジット画像の画像濃度を得ることができるようになる。
顔料分散剤としては、ビニルピロリドン(PVP)と炭素数10〜40のアルケンとの共重合体(以下、アルキル化PVPともいう)および/またはポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛型構造のポリアミド系分散剤(以下、ポリアミド系分散剤ともいう)を使用することが好ましい。アルキル化PVPとポリアミド系分散剤は、インク中に両方が含まれていてもよいし、いずれか一方が含まれていてもよい。
アルキル化PVPとして具体的には、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、ノナデセン、イコセン、エイコセン、ドコセン、およびトリアコンテン等から選ばれるアルケンとPVPとの共重合体が挙げられる。なかでも、炭素数12〜24のアルケンとの共重合体であることが、分散安定性の観点から好ましく、PVP−ヘキサデセン共重合体、PVP−エイコセン共重合体、PVP−トリアコンテン共重合体などを用いることが好ましい。共重合体には、複数種のアルケンが含まれていてもよい。
PVPとアルケンとの共重合比(モル比)は、極性を適切に制御する観点から、PVP:アルケンが1:9以上5:5未満であることが好ましく、2:8〜4:6であることがより好ましい。
アルキル化PVPの分子量(質量平均分子量、GC法測定、標準ポリスチレン換算)は、3000〜5万であることが好ましく、5000〜3万であることがより好ましい。
PVP−ヘキサデセン共重合体の市販品としては、ISP社製Antaron V−216およびGanex V−216、Induchem社製Unimer U−151が挙げられ、PVP−エイコセン共重合体としては、ISP社製Antaron V−220およびGanex V−220、Induchem社製 Unimer U−15が挙げられる。
インクには、複数種のアルキル化PVPが含まれていてもよい。
ポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛形構造のポリアミド系分散剤は、ポリエチレンイミンのような多数の窒素原子を含有する主鎖を備え、かつ、この窒素原子を介してアミド結合した側鎖を複数備える化合物であって、側鎖がポリエステル鎖であるものを意味し、例えば、特開平5−177123号公報(米国特許第4645611号明細書)に開示されているような、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンからなる主鎖を備え、これに3〜80個のカルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ基を含有するポリ(カルボニル―C3〜C6―アルキレンオキシ)鎖がアミド架橋によって側鎖として結合している構造の分散剤が挙げられる。なお、かかる櫛形構造ポリアミド系分散剤は、日本ルーブリゾール社製ソルスパース11200、ソルスパース28000(何れも商品名)などの市販品として入手可能である。
インクには、複数種のポリアミド系分散剤が含まれていてもよい。
本発明のインクは、上記に記載した顔料分散剤以外に顔料、溶剤、必要に応じて各種添加剤等を含有することができる。
本発明で使用される顔料としては特に限定されず、従来公知の無機顔料および有機顔料を使用することができる。例えば、無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、コバルトブルー、群青、紺青、カーボンブラック、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、タルク、シリカ等が挙げられる。有機顔料としては、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、縮合多環顔料、銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。これらの顔料は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である。顔料の添加量は、インク全量に対して0.5〜20質量%が好ましい。
顔料分散剤として、アルキル化PVPおよび/またはポリアミド系分散剤以外の分散剤を併用してもよい。併用できる分散剤としては、顔料を溶剤中に安定して分散させるものであれば特に限定されないが、たとえば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が好適に使用され、そのうち、高分子分散剤を使用するのが好ましい。
顔料分散剤は、総量で、顔料1に対し0.2〜1.0の質量比で含まれていることが好ましく、アルキル化PVPは顔料1に対し0.1以上、ポリアミド系分散剤は顔料1に対し0.1以上であることが好ましい。インク中の配合量としては、顔料分散剤は総量で、1〜15質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。アルキル化PVPのインク中の配合量としては、0.5〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。ポリアミド系分散剤のインク中の配合量としては、1.0〜15質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがより好ましい。
インクの溶剤としては、非極性有機溶剤、極性有機溶剤、又はこれらの混合物を含でいてよく、特に非極性溶剤を併用することが好ましい。非極性溶剤を併用することにより、吐出性能を良好なものとすることができる。溶剤全量に対する非極性溶剤と極性溶剤の含有量は、20〜80質量%の非極性溶剤と80〜20質量%の極性溶剤であることが好ましく、より好ましくは、30〜60質量%の非極性溶剤と70〜40質量%の極性溶剤、さらには、35〜60質量%の非極性溶剤と65〜40質量%の極性溶剤であることが好ましい。
非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、たとえば、日本石油(株)製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、Isopar H、Isopar L、Isopar M、Exxsol D40、Exxsol D80、Exxsol D100、Exxsol D130、Exxsol D140」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、日本石油(株)製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。極性有機溶剤としてより具体的には、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル系溶剤;イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノールなどのアルコール系溶剤;ノナン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
上記極性有機溶剤は、インク全量に対し10質量%以上含まれていることが好ましい。さらに、保存容器や印刷機上で十分な安定性が得られ、かつ印刷後に時間が経過しても画像濃度が低下することなく、高濃度の印刷物が得られるとの観点から、インク中の非水系溶剤に占める極性有機溶剤の割合は、質量比で20〜80質量%であることがより好ましい。
上記各成分に加えて、本発明のインクには慣用の添加剤が含まれていてよい。添加剤としては、界面活性剤、例えばアニオン性、カチオン性、両性、もしくはノニオン性の界面活性剤、酸化防止剤、例えばジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、及びノルジヒドログアヤレチック酸等、が挙げられる。
本発明のインクは、例えばビーズミル等の公知の分散機に全成分を一括又は分割して投入して分散させ、所望により、メンブレンフィルター等の公知のろ過機を通すことにより調製できる。具体的には、予め溶剤の一部と顔料及び分散剤の全量を均一に混合させた混合液を調製して分散機にて分散させた後、この分散液に残りの成分を添加してろ過機を通すことにより調製することができる。
以下に本発明の油性インクジェットインクの実施例を示す。
(インキの調製)
下記表1に示す配合(表1に示す数値は質量部である)で原材料をプレミックスした後、ビーズミルにて約10分間分散させて実施例1〜10、比較例1〜5のインクを調製した。なお、表1において、V216はISPジャパン(株)社製のアルキル化PVP(PVP−ヘキサデセン共重合体、共重合比2:8、質量平均分子量14×103)、S11200は日本ルーブリゾール(株)社製ソルスパース11200(脂肪族系溶剤中固形分50質量%(表1の配合量は固形分量))、S2800は日本ルーブリゾール(株)社製ソルスパース28000(固形分100%)、ノベックFC4430および4432はともに住友スリーエム(株)社製のパーフルオロブタンスルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤、メガファックF−477およびF−479はともに大日本インク(株)社製のパーフルオロアルキル基・親水性基・親油性基含有オリゴマーである。
NAD微粒子は以下の手順で合成した。まず、300mlの四つ口フラスコに、AF−4(ナフテン系溶剤;新日本石油(株)製)75gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら110℃まで昇温した。次いで、温度を110℃に保ちながらベヘニルメタクリレート50g、2-エチルへキシルメタクリレート35g、グリシジルメタクリレート15gの混合物にAF−4 16.7g、パーブチル O(t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)2gの混合物を3時間かけて滴下した。その後、110℃に保ちながら1時間および2時間後に、パーブチル Oを0.2g添加した。さらに110℃で1時間熟成を行い、AF−4 10.6gで希釈して、不揮発分50%の無色透明の幹ポリマー溶液を得た。
次に、500mLの四つ口フラスコに、パルミチン酸イソオクチル(IOP、日光ケミカルズ(株)製)81g、幹ポリマー溶液(AF−4溶剤中固形分50%)200g、プロピレングリコール 4.0g、ジエタノールアミン 2.8gを仕込み、窒素ガスを通気し攪拌しながら、110℃まで昇温した。110℃に1時間保ち、幹ポリマーのグリシジル基とジエタノールアミンとの反応を完結させた。その後、ジブチル錫ジラウレートを0.2g添加し、タケネート 600(1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学ポリウレタン(株)製)10.2gとIOP 99 91.8gとの混合物を1時間かけて滴下した。滴下後、温度を120℃に昇温して6時間反応させ、冷却して、固形分(NAD微粒子)30%の非水系分散液を得た。
(評価)
(普通紙印刷濃度)
インクジェット記録装置として「HC5500」(理想科学工業(株))を使用し、各インクを、インクジェット記録装置に装填し、理想用紙薄口(理想科学工業(株))の印刷用紙に対し、単色の場合は、ブラックインクを液滴30plで300dpi×300dpi相当のベタ画像を印刷し、コンポジットの場合は、ブラックインクのベタ画像にさらにシアンインクを液滴30plで300dpi×300dpi相当のベタ画像を重ねて印刷した。単色ベタおよびコンポジットベタの24時間経過後の画像濃度を、そのOD値を測定し以下の基準により評価した。なおOD値は、マクベス濃度計(マクベス社製RD920)により測定した。
○:単色OD値1.0以上 コンポジットOD値1.1以上
△:単色OD値0.95以上 コンポジットOD値1.05以上
×:単色OD値0.95未満 コンポジットOD値1.05未満
各インクの処方と評価の結果を表1に示す。
Figure 0005676904
表に示すように、本発明のインクは単色濃度、コンポジット濃度の双方において高い印刷濃度を有していた。フッ素添加剤を使用することで溶剤リリース性がより改善され、印刷濃度が高くなったものと考えられる。一方、比較例1および2はアルキル化PVPとポリアミド系分散剤の双方を含むものであるが、この場合には本発明のインクに比べて溶剤リリース性が低下したため、印刷濃度は低かった。比較例3はポリアミド系分散剤のみを含むものであるが、この場合には溶剤リリース性が得られず、印刷濃度は格段に悪くなった。比較例4および5はスルホン酸基を構造中に有していないフッ素系添加剤であるため、本発明のインクに比べて溶剤リリース性が低下して印刷濃度は低くなった。

Claims (3)

  1. 少なくとも顔料、顔料分散剤、溶剤とからなる油性インクジェットインクにおいて、スルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤を含み、
    前記顔料分散剤が、ビニルピロリドンと炭素数10〜40のアルケンとの共重合体および/またはポリエステル鎖からなる側鎖を複数備える櫛型構造のポリアミド系分散剤であることを特徴とする油性インクジェットインク。
  2. 前記フッ素系添加剤がパーフルオロブタンスルホン酸基を構造中に有するフッ素系添加剤であることを特徴とする請求項1記載の油性インクジェットインク。
  3. 前記フッ素系添加剤をインク全量に対して0.1%質量以上含むことを特徴とする請求項1または2いずれか1項記載の油性インクジェットインク。
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