JP5676574B2 - 蒸気アイロンの底板における使用のための蒸気排出ユニット - Google Patents

蒸気アイロンの底板における使用のための蒸気排出ユニット Download PDF

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Description

本発明は、
− 水蒸気混合物の流れを収容し且つ水蒸気混合物を加熱するためのチャンバと、
− 水蒸気混合物をチャンバに供給するための入口と、
− チャンバから蒸気を放出するための出口とを含む、
蒸気処理(スチーミング)装置における使用のための排出ユニットに関する。
その上、本発明は、少なくとも1つの蒸気排出ユニットを備える蒸気アイロン(スチームアイロン)における使用のための底板(ソールプレート)に関する。
蒸気生成器から所謂湿り蒸気、即ち、水蒸気混合物を受け取り、乾燥蒸気を放出するためのユニットを含む蒸気処理装置は既知である。例えば、HU193751は、凝縮容器として示される蒸気放出ユニットを有する蒸気処理装置を開示しており、蒸気放出ユニットは、円筒形の内部キャビティと、湿り蒸気をチャンバ内に入れるための入口とを有する。蒸気処理装置の動作中、回転動作が湿り蒸気に付与され、湿り蒸気は凝縮容器のキャビティに供給されるので、水滴は遠心力によって蒸気から分離される。水は容器から排出され或いは加熱によって気化され、蒸気は回転運動の軸と一致して、即ち、中心位置で排出される。具体的には、凝縮容器は、ハウジングの形態にあり、円筒形キャビティと、接線方向の蒸気入口パイプと、同心状の乾燥蒸気排出パイプとを備える。HU193751は、ディスク形状の気化キャビティをその基部に備える手動の蒸気アイロンを更に開示しており、キャビティの各々は、上記の凝縮容器として作用する。
HU193751から既知の凝縮容器の不利点は、スピッティング(spitting)が起こり得ることである。スピッティングは蒸気アイロンの分野において周知の問題であり、水滴が底板から放出される蒸気によって運ばれるという望ましくない状況を含み、その結果、アイロン掛けされるべき品目が湿らされるこがあり得るし、シミが付けられたりすることさえあり得る。凝縮容器は乾燥蒸気のみを放出するよう設計されるが、実際には、水滴が蒸気の流れと共に凝縮容器から漏れ出ることが起こる。この問題に寄与する様々な要因がある。とりわけ、凝縮容器はアイロンの底板の内側に適合するよう作製されるので、凝縮容器は浅くコンパクトな設計を有する。その結果、入口と出口との間の距離は比較的短く、水蒸気混合物は、水が気化し且つ/或いは凝縮容器の排出部に向かって流れるのに十分なほど長く凝縮容器内に留まらない。
一般的に、蒸気が別個に生成され且つホース又は他の適切な中間部材を介して排出ユニットに移転される蒸気装置(例えば、蒸気アイロンの底板又はスチーマヘッドであり得る)において、凝縮は蒸気流路に沿って起こり、その結果、水は比較的高速で蒸気と共に排出ユニットに進入する。加えて、垢及び不純物の集中の故に、泡立ち(フォーミング)が蒸気生成器内で起こり、その結果、水が蒸気と共に排出ユニットに持ち込まれる。アイロンでは、使用者が低温設定を選択することが可能である。しかしながら、そのような設定を用いるならば、低いエネルギ成分が得られ、その結果、排出ユニットのチャンバに進入する水の十分に速い気化を実現することは困難/不可能である。上述された要因のいずれかの故に、蒸気処理が活性化される間、排出ユニットからの水漏れが起こり得る。
例えば、蒸気アイロンの底板において使用されるのに適した蒸気排出ユニットの浅くコンパクトな設計を維持しながら、スピッティングの問題に対する解決策を提供することが、本発明の目的である。水が排出ユニットのチャンバ内に効果的に保持されることを保証する解決策が必要とされる。
本発明の目的は、チャンバと、チャンバと関連付けられる入口及び出口と、入口から出口への水蒸気混合物の流路においてチャンバの内側に配置される障壁(バリヤ)と、同様にチャンバの内側に配置される疎水表面とを含む、蒸気排出ユニットによって達成される。
チャンバの入口から出口への水蒸気混合物の流路における障壁の存在に基づき、水が蒸気入口に近接するチャンバの壁に沿って進行し、次に排出されることは、容易に起こり得ない。障壁は出口に向かう直接の経路を邪魔して遮断するよう構成される。本発明に従った排出ユニットの好適実施態様において、障壁は出口の周りに配置される。例えば、障壁は管のように成形されてもよく、出口が配置されるチャンバの壁から内向きに延び得る。いずれにしても、流れは障壁が配置される位置で通過し得えず、進み続け得るためには迂回する必要があるので、障壁は、チャンバの入口から出口への水蒸気混合物の流路において障害、即ち、流れを直接的な経路以外の他の経路に従わせる物体を構築する。故に、初期方向における流れの継続を許容しない障壁の遮断機能の故に、障壁の位置で流れの方向変更が起こる。第一に、流れが障壁に衝突し、第二に、流れが障壁を通過し得るまで、流れは障壁に従う。
その上、疎水表面の存在に基づき、蒸気と共にチャンバから容易に流出し得る水の連続的な膜の形成を回避することが達成される。出願人によって行われた試験結果は、疎水表面が存在する状態で、水漏れが全く起こらないことを示した。代わりに、水滴は接合し合ってより大きな滴を形成したに過ぎず、より大きな滴は、水のショットを作り出すのではなくむしろ、チャンバの内側の下方位置に落下するように思われる。出口が比較的高いレベルに位置付けられるとき、水が出口を通過し得ないことが保証される。
本発明によれば、障壁と疎水表面との組み合わせが適用され、その結果、スピッティングが完全に回避される。チャンバの壁部分に塗布されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような疎水塗膜を有することによって、或いは、PTFEのような高い耐熱性の疎水性の材料から成る部分を有することによって、疎水表面を実現し得る。両方の選択肢が同じ機能性をもたらすという事実に鑑み、本発明は両方の選択肢をカバーする。本発明の範囲内で、チャンバの内側の何らかの位置で疎水効果を有することが有利であり、その理由のために、疎水性を有する表面が提供され、その場合には、疎水特性を有する塗膜を塗布することによって或いは疎水特性を有する材料から成る部分を提供することによって表面が得られるか否かは係わりがない。何故ならば、両方の選択肢は、既述のような同じ疎水効果、即ち、既述のような塗膜の外表面又は部分を生むからである。
疎水表面のための代替的な材料、例えば、他の疎水ポリマ、及び、仕上げ、例えば、ロータスリーフ効果(lotus leaf effect)を生み出すよう構成される仕上げも使用し得る。障壁が出口の周りに配置される状況では、障壁を取り囲むように疎水表面を配置し得る。一般的には、出口の周りに達する如何なる水滴も出口に向かって流れ且つチャンバから出る機会を最小限化するために、疎水表面が出口の直ぐ周りに配置されることが好ましい。
好ましくは、本発明に従った排出ユニットのチャンバは、所謂低気圧性(サイクロン性)蒸気チャンバであり、湾曲した壁を含む。蒸気処理装置の動作中、壁は加熱され、湾曲した形状の故に、水への熱移転(伝熱)は強化される。水は壁に対して拡散され、遠心力の原理によって壁に対して押されるからである。湾曲壁は、チャンバの加熱表面として働き、それは加熱素子からエネルギを直接的に引き抜き得る。このようにして、湾曲壁に対する蒸気処理のために利用可能なエネルギが保証される。
チャンバ内への水蒸気混合物の流れの滑らかな進入を可能にするために、低気圧性(cyclonic)蒸気チャンバは、湾曲壁に対して接線方向の向きを有する入口を備え得る。接線方向に向けられる入口は流れの高速を維持し、前述されたような遠心効果を最大限化する。
有利に、低気圧性蒸気チャンバでは、出口は湾曲壁以外の他の壁に配置される。この機能は、接線方向に向けられる入口との組み合わせで、水が湾曲壁に沿ってチャンバの内側で反復的ループ(環)を行うことを可能にする。故に、蒸気処理のために利用可能な長さは、チャンバのコンパクトな設計において巨大であり、それは熱移転の観点から極めて有利である。
好ましくは、出口はチャンバの湾曲壁に対して中心位置を有する。水は湾曲壁でチャンバに進入し、遠心力の故に湾曲壁に拘束される。中心位置で、出口は湾曲壁から可能な限り離れて配置されるので、水が出口に達する可能性は最小限化される。
水を湾曲壁に接続された他の壁に流させるために、低気圧性チャンバの湾曲壁はテーパを備え得る。いずれにしても、出口から更に離れる方向に水を案内するためにテーパを使用し得る。
疎水表面以外に、排出ユニットは、蒸気形成を強化するための親水表面を含み得る。そのような親水表面は出口からある距離に位置付けられるのが好ましいことが理解されよう。
本発明に従った排出ユニットの実用的な実施態様において、チャンバは、2つの端壁と、端壁の間に延在する湾曲した側壁とを有するシリンダのように成形され、障壁は、シリンダの端壁のうちの1つから内向きに延びる管のように成形される。この実施態様では、疎水表面を管形状の障壁に配置し得るし、出口を取り囲むよう管形状の障壁を配置し得る。故に、この実施態様において、水滴が出口に達して、蒸気流と共にチャンバから排出されることは、実際的に不可能である。障壁の故に、出口に向かう経路は遮断され、水滴が疎水表面に達するや否や、水滴は出口領域から離れさせられる。何故ならば、それらはより大きな水滴を形成するよう関連し、それは次に表面から分離されるからである。
排出ユニットは、水蒸気混合物の流れを方向付けるためにチャンバの内側に配置される追加的な障壁を更に含み得る。チャンバが低気圧性チャンバである場合には、障壁が湾曲した指向性の表面を有することが有利である。
水滴が出口から排出される危険性(リスク)を更に削減するために、出口を取り囲むチャンバの内表面の一部が溝及びリブのパターンを備えるならば有利である。換言すれば、チャンバの内表面が部分的に、即ち、出口が溝及びリブのパターンによって完全に取り囲まれるよう出口に近い位置で波状であるならば有利である。平坦な表面とは異なり、溝及びリブを含む表面は、循環する水滴を捕捉し且つ収集可能であり、出口に向かう高速蒸気による水滴の運搬を妨げる。
本発明の上述の及び他の特徴は、以下の本発明に従った排出ユニットの多数の実施態様の詳細な記載を用いて明瞭に解明されるであろう。
図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面中、等しい又は類似の部分は同じ参照記号によって示されている。
本発明に従った排出ユニットの第一実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明に従った排出ユニットの第一実施態様を概略的に示す上面図である。 排出ユニットの障壁及び排出ユニットのチャンバの壁への障壁の接続の設計の様々な選択肢を示す概略的に示す断面図である。 排出ユニットの障壁及び排出ユニットのチャンバの壁への障壁の接続の設計の様々な選択肢を示す概略的に示す断面図である。 排出ユニットの障壁及び排出ユニットのチャンバの壁への障壁の接続の設計の様々な選択肢を示す概略的に示す断面図である。 排出ユニットの障壁及び排出ユニットのチャンバの壁への障壁の接続の設計の様々な選択肢を示す概略的に示す断面図である。 本発明に従った排出ユニットの第二実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明に従った排出ユニットの第二実施態様を概略的に示す上面図である。 本発明に従った排出ユニットの第三実施態様を概略的に示す断面図である。 本発明に従った排出ユニットの第三実施態様を概略的に示す上面図である。 蒸気アイロンにおいて使用されるのに適した本発明に従った底板の2つの部分を概略的に示す斜視図である。 本発明に従った蒸気処理装置を概略的に示す断面図であり、蒸気生成器と、2つの排出ユニットを有する底板とを含む。
全ての図面において、水蒸気混合物及び/又は水滴及び/又は蒸気の流れの方向は、矢印を用いて概略的に示されていることを付記する。
図1及び2は、本発明に従った排出ユニット1の第一実施態様の図面を示している。排出ユニット1は、チャンバ10と、チャンバ10への入口11と、チャンバ10からの出口12とを含む。動作中、水蒸気混合物は入口11を介してチャンバ10に供給され、乾燥蒸気のみが出口12を介してチャンバ10から排出される。チャンバ10は、2つの端壁13,14と、端壁13,14の間に延在する湾曲した側壁15とを有するシリンダのように成形される。図示の実施例において、側壁15は円形の外周を有する。その上、入口11は側壁15内に配置され、側壁15に対して接線方向の向きを有する。図2において、入口11及び側壁15は、破線を用いて示されている。
チャンバ10の機能の基本を以下に説明する。入口11を通じてチャンバ10内に導入される水蒸気混合物は、チャンバ10の側壁15の湾曲した形状の故に、円形経路、実際には、螺旋経路に従わせられる。プロセス中、遠心効果が起こる。入口11が側壁15に対して接線方向の向きを有するという事実は、チャンバ10内への水蒸気混合物の滑らかな進入に寄与する。その上、遠心効果はこの事実に基づき最大限化され、チャンバ10に供給される流れの速度は可能な限り維持されるので、チャンバ10内部の流れの速度は可能な限り高くあり得る。上述されたような全ての特徴は、水蒸気混合物内の水滴の気化プロセスに寄与し、それは少なくとも側壁15を加熱するよう構成される1つ又はそれよりも多くの加熱素子(図示せず)によって供給される熱の影響の下で起こる。加熱素子から水滴への熱移転は、側壁15への水滴の接触の機会に直接的に関連し、従って、集中的な接触の機会を作り出することが有利である。
有利に、出口12の位置は、側壁15から可能な限り離れる。出口12のそのような位置は、図面に示されるように、中心の又は同心的な位置である。この位置の故に、排出ユニット1からの水滴の予期しない放出であるスピッティングと呼ばれる現象は最小限化される。しかしながら、スピッティング現象を完全に回避するために、排出ユニット1は、水滴が出口12に達することを防止することを目的とする特別な機能を有する。特定の情況の下で、側壁の湾曲した形状、側壁15に対する入口11の接線方向の向き、及び、出口12の中央位置決めのような要因は、スピッティングを回避するに十分ではないかもしれない。換言すれば、特定の情況の下で、全ての水滴を十分に迅速に気化することは可能でなく、水滴は出口12を通じてチャンバ10から流れる蒸気と共に運搬される。そのような状況は全く望ましくなく、全ての情況の下でこの状況を回避するために、特別な手段が取られる。
第一に、障壁(バリヤ)20が入口11から出口12への水蒸気混合物の流れの邪魔になる位置で、障壁20がチャンバ10の内側に配置される。障壁20は如何なる適切な形状をも有し得るし、この機能を行うために如何なる適切な位置にも障壁を配置し得る。図示の実施例において、障壁20は、出口12の周りに配置され、且つ、出口12が存在する端壁14から内向きに延びる管のように設計される。チャンバ10の入口11は、管形状の障壁20の入口とは別のレベルに位置付けられるので、チャンバ10内への水滴の導入の直ぐ後に水滴が出口12に達することは可能でない。代わりに、水滴が循環流において連行されることが保証されるので、気化プロセスが起こるのに十分な時間及び十分な熱移転がある。
第二に、疎水表面30がチャンバ10の内側に配置される。有利に、疎水表面30は、出口12の直ぐの周囲に配置されるが、本発明の範囲内で、疎水表面をチャンバ10の内側のどこに配置してもよいし、或いは、様々な位置に配置される様々な部分を含んでもよい。図示の実施例において、出口12及び障壁20が配置される障壁20及び端壁14の両方は、疎水層を備える。代替として、既述の障壁20及び端壁14が疎水材料で作製されることも可能である。いずれにしても、出口12の直ぐ周囲における疎水表面30の存在の故に、出口12付近の連続的な水膜の形成及び付着が回避される。疎水表面は、より大きな滴を形成するよう水滴を接合させ、水滴はより大きく成長すると落下するので、水滴は出口12に比較的近い領域から取り除かれ、水が出口12に達する危険はない。
出口12及び障壁20が存在する端壁14から遠く離れた他の端壁13の内表面の少なくとも一部は、疎水層を選択的に備えることができ、それは表面と接触するようになる水滴の蒸気処理を助ける。
既に付記したように、障壁20は如何なる形状をも有し得る。出口12が図示の実施例における場合のように短い管を含み、障壁20も管形状であるとき、それらの管の直径は同じであり得るが、必ずしもそうである必要はない。例えば、障壁20が出口12よりも大きな内径を有することも可能である。その上、障壁20から出口12への移行は、図示の実施例における場合のように垂直な縁部を通じてであり得るが、例えば、丸い縁部又は斜面付き縁部を通じてであってもよい。また、出口12から離れる方向の水の流れを強化するよう、障壁20の表面はテーパ付きであり得る。様々な選択肢の実施例が図3乃至6に例示されており、各図面の断面は異なる可能な形状を示している。
図7及び8は、本発明に従った排出ユニット2の第二実施態様の図面を示している。第一実施態様に従った排出ユニット1のように、第二実施態様に従った排出ユニット2は、チャンバ10と、入口11と、出口12と、障壁20と、疎水表面30とを含む。その上、第二実施態様に従った排出ユニット2は、出口12の途中にある水滴を遮断するための障壁20が配置される端壁14から遠く離れたチャンバ10の他の端壁13に配置される追加的な障壁40を含む。好ましくは、追加的な障壁40は管形状であり、円形の外周を有するので、水蒸気混合物の流れに対して行われる方向付けプロセスの向上に基づき、排出ユニット2の水分離効率を強化し得る。追加的な障壁40の円形の外表面は、遠心効果に寄与し、流れが側壁15に沿って循環するのを助ける。
図9及び10は、本発明に従った排出ユニット3の第三実施態様の図面を示している。第二実施態様に従った排出ユニット2と同様に、第三実施態様に従った排出ユニット3は、チャンバ10と、出口12と、障壁20と、疎水表面30と、追加的な障壁40とを含む。その上、第三実施態様に従った排出ユニット3では、出口12及び障壁20が配置される端壁14の内表面が、溝51及びリブ52のパターン50を備える。図示の実施例において、溝51及びリブ52は、水滴を収集し且つ出口12への高速流による水滴の容易な輸送を減少する働きをする。このようにして、溝51及びリブ52のパターン50は、障壁20の水遮断機能を強化する。
本発明に従った排出ユニット1,2,3を様々な用途において使用し得る。例えば、排出ユニット1,2,3を蒸気アイロンの底板の一部であるよう意図し得るが、蒸気処理機能を有する他の装置においても適切に使用し得る。
図11は、蒸気アイロンにおいて使用されるに適した、本発明に従った底板61の2つの部分の図面を示している。底板61は、本発明に従った排出ユニット2,3、即ち、2つの端壁13,14と湾曲した側壁15とによって境界付けられるチャンバ10と、チャンバ10への入口11と、チャンバ10からの出口12と、障壁20と、疎水表面30とを含む。図示の実施例において、底板61の内側に配置される排出ユニット2,3は、追加的な障壁40も含む。
図12は、本発明に従った蒸気処理装置70の図面を示している。蒸気処理装置70は、任意の適切な既知の方法で蒸気を生成するための蒸気生成器71と、アイロン掛けされるべき物体と接触するためのアイロン掛け板63を有する底板61とを含み、アイロン掛け板63は、多数の蒸気通孔(ベント)を備える。その上、底板62は、障壁20と疎水表面30とを含む2つの排出ユニット1a,1bを有する。排出ユニット1a,1bの一方は、主排出ユニット1aであり、アイロン掛けプロセス中に多かれ少なかれ継続的な蒸気の供給をもたらす働きをし、排出ユニット1a,1bの他方は、補助排出ユニット1bであり、そうすることを使用者が望むならば、アイロン掛けプロセス中に蒸気のショット(a shot of steam)をもたらす働きをする。蒸気生成器71からの水蒸気混合物を排出ユニット1a,1bのいずれか一方に供給するために、蒸気処理装置70には偏向装置(deviator)72が配置される。通常、偏向装置72は、水蒸気混合物を主排出ユニット1aに供給するための状態にある。蒸気のショットが必要とされるとき、偏向装置72の状態は、水蒸気混合物が補助排出ユニット1bに回されるように変更される。偏向装置72は、ホース73又は他の適切な中間部材を通じて蒸気生成器71に接続される。
本発明の範囲が前記において議論された実施例に限定されないこと、及び、それらの幾つかの矯正及び修正が添付の請求項に定められるような本発明の範囲から逸脱せずに可能であることは、当業者に明らかであろう。本発明は図面及び明細書中に詳細に例示され且つ記載されたが、そのような例示及び記載は例証的又は例示的であるに過ぎず、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は開示された実施態様に限定されない。
請求される発明を実施する当業者は、図面、明細書、及び、添付の請求項の研究から、開示された実施態様への変更を理解し且つ行い得る。請求項において、「含む」という言葉は他のステップ又は素子を排除せず、不定冠詞は複数を排除しない。特定の手段が相互に異なる従属項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。請求項中の如何なる参照記号も本発明の範囲を限定するものと考えられてはならない。
本発明を以下のように要約し得る。蒸気排出ユニット1,2,3は、水蒸気混合物の流れを収容し且つ水蒸気混合物を加熱するためのチャンバ10と、チャンバ10への入口11と、チャンバ10からの出口12とを含む。水滴が蒸気の流れと共に出口12を通じてチャンバ10から出ることを防止するために特別な手段が取られ、特別な手段は、入口11から出口12への水蒸気混合物の流路においてチャンバ10の内側に配置される障壁20と、好ましくは、出口12に近接した疎水表面30とを含む。
好ましくは、チャンバ10は、チャンバ10の内側に循環流を得ることができ、且つ、水蒸気混合物への熱移転が最適であるよう、湾曲した側壁15を有する。このようにして、効果的な水の気化プロセスが実現される。これに拘わらず、水滴がチャンバ10内に留まり、出口12に向かって移動する傾向を有する場合でも、障壁20及び疎水表面30の存在の故に、チャンバ10からの水滴の実際の放出は起こり得ない。例えば、排出ユニット1,2,3が蒸気アイロンの底板61,62に適用されるとき、望ましくない周知のスピッティング現象は起こり得ず、それは本発明の重要な達成(功績)であると同時に、底板設計は、従来技術に比べて余り複雑でなく、質量がより少ない。
一般的には、本発明は、蒸気処理装置70における使用のための排出ユニット1,2,3に関し、排出ユニット1,2,3は、水蒸気混合物の流れを収容し且つ水蒸気混合物を加熱するためのチャンバ10と、水蒸気混合物をチャンバ10に供給するための入口11と、チャンバ10から蒸気を排出するための出口12と、入口11から出口12への水蒸気混合物の流路において、流れによって取り囲まれるべき入口11から出口12への経路内で障害として作用する位置で、チャンバ10の内側に存在する障壁20と、疎水性を有する塗膜又は疎水性を有する材料から成る部分のような疎水物体の外表面の形態において同様にチャンバ10の内側に存在する疎水表面30とを含む。

Claims (15)

  1. 蒸気加熱装置において使用される排出ユニットであって、
    蒸気との混合物の流れを容し且つ該水蒸気との混合物を加熱するためのチャンバと、
    前記水蒸気との混合物を前記チャンバに供給するための入口と、
    前記チャンバから蒸気を排出するための出口と、
    前記入口から前記出口への前記蒸気の流路において前記チャンバの内側に前記入口から離れる方向に延びるように形成されるとともに、内部に流路が形成されて前記出口に連通する障壁とを含むことで、
    該障壁は、前記入口から前記出口への流路内に障害を構成し、それによって、使用中、前記流れを前記障壁の周りに前記チャンバの壁に沿って循環させるように従わせ、
    前記チャンバは疎水性を有する表面を備え、該表面は前記チャンバの内側に配置される、
    排出ユニット。
  2. 前記疎水表面は、前記出口の直ぐ周囲に配置される、請求項1に記載の排出ユニット。
  3. 前記障壁は、前記出口の周りに配置され、前記疎水表面は、前記障壁を取り囲む、請求項1に記載の排出ユニット。
  4. 前記障壁は、管状に成形される、請求項1に記載の排出ユニット。
  5. 前記チャンバは、湾曲壁を含み、前記入口は、前記チャンバの前記湾曲壁に対して接線方向の向きを有する、請求項1に記載の排出ユニット。
  6. 前記出口は、前記湾曲壁以外の前記チャンバの壁に配置される、請求項5に記載の排出ユニット。
  7. 前記出口は、前記チャンバの前記湾曲壁に対して中心位置を有する、請求項5に記載の排出ユニット。
  8. 前記チャンバの前記湾曲壁は、テーパを備える。請求項5に記載の排出ユニット。
  9. 前記チャンバは、蒸気形成を強化するために、前記チャンバの内側に配置される親水表面を更に含む、請求項1に記載の排出ユニット。
  10. 前記チャンバは、2つの端壁と、該端壁間に延在する湾曲側壁とを有するシリンダ状に成形され、前記障壁は、前記シリンダの前記端壁の一方から内向きに延びる管状に成形される、請求項1に記載の排出ユニット。
  11. 前記疎水表面は、前記管状の成形される障壁に配置される、請求項10に記載の排出ユニット。
  12. 前記管状に成形される障壁は、前記出口を取り囲む、請求項10に記載の排出ユニット。
  13. 前記障壁を含む前記端壁から離れた前記チャンバの前記他の端壁で前記チャンバの内側に配置される追加的な障壁を更に含み、該追加的な障壁は、前記水蒸気との混合物の前記流れを方向付けるよう配置される、請求項10に記載の排出ユニット。
  14. 前記出口及び前記障壁が配置される前記端壁の内表面は、溝とリブとのパターンを備える、請求項1に記載の排出ユニット。
  15. 請求項1に記載の少なくとも1つの排出ユニットを備える蒸気アイロンにおける使用の
    ための底板。
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