JP5676343B2 - 耐爆裂性水硬性硬化体 - Google Patents
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Description
そこで、このような高強度コンクリートについては、爆裂現象を抑制する為、コンクリート中にポリプロピレンやポリビニルアルコールなどの有機繊維を混入させる事で、火災発生時のコンクリートが爆裂現象を起こす前に、水蒸気の逃げ道となる微細トンネルを形成させる事で爆裂を抑制する方法が検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、さらに耐爆裂性向上の為、ポリプロピレンからなる第一成分とポリプロピレンより融点が低い有機物の第二成分からなる複合繊維も開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
(1)繊維繊度が0.1〜100dtexであること、
(2)一定繊維直径当たりの(X)と(Y)の面積比(X)/(Y)は80/20〜20/80であること、
(3)繊維長が1〜30mmであること、
(4)芯部に融点が170〜300℃である熱可塑性樹脂を成分とした複合繊維が含有されてなること、
を満足してなる。
なお、本明細書において、「〜」の記号は、両端点を含む意味で用いるものとする。
[複合繊維の詳細]
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の繊維は、特定の融点もしくは軟化点を有する熱可塑性樹脂とEVA系樹脂を芯鞘構造となるように溶融紡糸することで製造することができる。紡糸時の温度や引取り速度、延伸温度、延伸倍率、熱処理温度等の諸条件は、目標とする繊度、強度、収縮率等、その他原綿物性に応じて適宜選択設定することができる。たとえば、融点が240℃のポリエステル系熱可塑性樹脂、及びEVA樹脂を押出機で溶融して、該溶融体を芯鞘型複合口金を備え付けた紡糸パックを用いて紡糸装置で紡糸することにより製造することができる。その際の紡糸温度としては260〜300℃の範囲内の温度が採用される。紡糸後の工程については、紡糸捲取り後、必要に応じて延伸してもよく、目標とする繊度や強度、伸度特性等に応じて、延伸温度、延伸倍率、熱処理温度等の諸条件を適宜設定することが望ましい。
硬化体が加熱されると、温度上昇に伴い内在する自由水が蒸発し、内部蒸気圧が増加して爆裂しようとする力が働き、圧縮強度よりも内部蒸気圧が勝った場合に爆裂することとなる。これに対し、本特許の繊維を硬化体に内在させておくと、鞘成分であるEVA樹脂が早く溶融することで、繊維とマトリクス間に隙間が生じ、その隙間を通じて内在蒸気が系外に散逸されることで爆裂を抑制することができるからである。
また、一部親水基を含有していることが、上記の効果を助長している。耐爆裂抑制向けにPVA系繊維やポリプロピレン繊維がよく用いられているが、PVA系繊維が添加された水硬性硬化体が火災などの急激な温度上昇を伴って加熱された場合、同繊維はマトリックスとの接着性が高いため、繊維が溶融または分解する前に一旦マトリックスの破壊が生じると、かえって大きな爆裂に至る場合がある。また、ポリプロピレン繊維はマトリックスとの接着性が低く、繊維が溶融する前に繊維により形成される架橋が弱いので、加熱時の水分の気化による蒸気圧の上昇に抗しきれず、容易に爆裂に至る場合がある。一方、EVA樹脂はPVAよりも水酸基が少ないが一部有していることから、水硬性硬化体との接着性はPVA系繊維よりも低くポリプロピレン繊維よりも高い。したがって、本発明の複合繊維を添加した水硬性硬化体は急激な温度上昇を伴った加熱時において、加熱時の水分の気化による蒸気圧の上昇により分断しようとするマトリックスを該複合繊維が溶融する前に架橋を形成し、さらに加熱されることにより200℃以下の温度により速やかに溶融・分解し、水蒸気の逃げ道となる微細トンネルをつくる。したがって、本発明の複合繊維は、加熱による蒸気圧の上昇時に、繊維が溶融する前の爆裂を防ぐためのマトリックス中での架橋形成と、さらなる温度上昇により繊維が溶融・分解することによる微細トンネルの生成が、PVA系繊維やポリプロピレン繊維に比べてスムーズに進行するので、PVA系繊維やポリプロピレン繊維に比べて優れた耐爆裂性能を有するのである。
エチレンの含有量が25モル%よりも低い場合、繊維は水に溶解しやすい性質を有するため、繊維が水硬性材料中の水により硬化前に溶解しやすくなるといった問題点がある。一方、エチレンの含有量が70モル%よりも高い場合は、融点が120℃以下の低融点の繊維となるため、繊維が水硬性材料中で硬化前の水和熱により溶融しやすくなるといった問題点がある。好ましくは30〜50モル%である。
本発明における繊維は、収縮応力が0.08cN/dtex以上2cN/dtex以下でなければならない。このことが、本発明で最も重要な点である。
上述したように、温度上昇に伴い内部蒸気圧が増加して爆裂しようとする力が働き、圧縮強度よりも内部蒸気圧が勝った場合に爆裂することとなる。これを防止するため、従来の技術では、加熱時に繊維が溶解・溶融・分解することで施工体の組織に微細な練通孔が形成され、この練通孔を介して水蒸気が容易に散逸させて施工体の水蒸気爆裂等を防止することを目的に、水溶性PVA系繊維やポリプロピレン系繊維が用いられてきた。
しかしながら、圧縮強度の高いモルタルコンクリートやセメント分をできるだけ減少させるために空隙の少ない緻密な構造を持つ不定形耐火物においては、水溶性PVA系繊維或いはポリプロピレン系繊維は、溶解或いは溶融してもそのままの状態で閉じ込められるだけであり、繊維空隙が形成されにくいため、爆裂しやすい状況にあった。
一方で、収縮応力が0.08cN/dtex以上の繊維を添加した場合は、該繊維の融点付近から急激に収縮応力が発現するため、緻密な構造においても空隙が形成されやすくなる。そのため、該空隙を起点として蒸気が散逸しようとして微小なひび割れが形成され、そのひび割れが別の空隙に伝播、あるいは別の空隙由来のひび割れと合流することで、全体にひび割れが伝播し、結果として水蒸気が散逸しやすくなるため爆裂が抑制されるものと思われる。
従って、収縮応力は0.08cN/dtex以上なければならない。0.08cN/dtex未満であると、上記の通り空隙が形成されないため、好ましくない。好ましくは、0.09cN/dtex以上、更に好ましくは0.1cN/dtex以上が好ましい。
上記したように、不定形耐火物は急激な加熱乾燥時には蒸気圧の上昇が著しく爆裂を起こしやすいが、本発明の繊維を添加すると、収縮して得られる空隙を起点としてひび割れが発生することで水蒸気の散逸に充分な通気孔が形成され、高い爆裂抑制効果が達成される。ここで水蒸気の散逸性としては、JIS−R2115に規定されている通気率によって表すことができる。物質の通気率とは、圧力差の下で物質がガスを通過させる特性であり、通気率(μ)は、一定時間中に物質を通過するガス容量によって与えられる下記式(1)から計算することにより得られる。
V/t=μ*(1/η)*(A/δ)*(p1−p2)*(p1+p2)/2P・・(1)
ここで、 V:物質を通過した圧力p1におけるガス量(m3)
t:ガス量(V)が物質を通過するのに要した時間(s)
μ:物質の通気率(m2)
η:試験温度におけるガスの粘度(Pa・s)
A:ガスが通過する物質の断面積(m2)
δ:ガスが通過する物質の厚み(m)
P:ガス容量測定時のガスの絶対圧(Pa)
p1:物質へのガス侵入絶対圧(Pa)
p2:物質からのガス離脱絶対圧(Pa)
上記式(1)において、物質の通気率μが高い場合は、内部の空隙も多いと推察できるので、蒸気散逸の良好性を示す指標であると考えることができる。即ち通気率は、爆裂抑制効果を反映する重要な指標と言える。
通気率は、不定形耐火物の種類等により最適値が変化するが、本発明での環境では、1.81×10−15〜9.9×10−14m2 であることが重要である。9.9×10−14m2を超えると不定形耐火物の構造が非常にポーラスな状態にあり、機械的強度が欠けるため好ましくない。一方、1.81×10−15m2未満では通気率が非常に低く、水蒸気を十分散逸させることができないため爆裂抑制効果が低くなる。
本発明に使用される水硬性材料は特に限定されず、セッコウ、セッコウスラグ、セメント等があげられ、ポルトランドセメントや不定形耐火物等がその代表的なものであるが、セメントは高炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメント等を使用してもよい。また、さらに骨材等を配合してもかまわない。骨材としては、細骨材としてたとえば川、海、陸の各砂、破砂、砕石、シリカ、シリカヒューム、高炉スラグ、フライアッシュ等が用いられ、粗骨材としてたとえばぐり石や破石などが使用できる。もちろん、場合によって粗骨材を用いてもよいが、非破断率増大幅を小さくするために微粒子、たとえばフライアッシュ、シリカヒューム等を適宜配合するのが好ましい。もちろん、上記以外の添加剤を添加して成形体を製造してもかまわない。たとえば、水セメント比を低減させ、ワーカビリテイを高めるために、減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤等を適宜添加しても構わない。また水セメント比を低下させることにより硬化体の機械的性能も高まることから優れた効果が得られる。さらに補強繊維のセメントフレッシュ中での分散性は必ずしもよくないので、かかる混和剤を添加することにより繊維の分散性が改善され、補強繊維の補強効果と耐久性を有効に引出すことができる。
これら水硬性硬化体の混練、成形は特に限定されず、一般的な方法で問題なく施工することが可能である。
さらに本発明の不定形耐火物は、特に構造用不定形耐火物が重要である。
不定形耐火物とは、粉粒体または練り土状の耐火物で、一般的な耐火耐熱水硬性複合物である。通常、使用目的によって構造用と補修用に大別され、構造用としてキャスタブル耐火物・プラスチック耐火物・ラミング耐火物・築造用耐火モルタルに分類され、補修用として吹付耐火物・パッチング耐火物・コーティング耐火物・圧入耐火物・補修用耐火モルタルに分類される。また、上記の不定形耐火物は、使用目的によって断熱用と緻密質耐火物に分類される。近年の高度成長以後伸びているのはキャスタブルと吹付け材、並びにコーティング材である。
この中で本発明での構造用不定形耐火物は、種類について特に限定するものではないが、施工後、加熱乾燥する際に水蒸気爆裂が発生する可能性のある構造用不定形耐火物に対し特に好適に使用される。
また、耐火性原料には、分散剤をさらに添加してもよい。分散剤としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ等の無機塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリメタリン酸塩、ポリカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩類、ナフタレンスルホン酸、カルボキシル基含有ポリエーテル等が挙げられる。分散剤を添加する場合は、その添加量は、耐火性原料100質量%に対して外掛けで0.01〜0.3質量%であることが好ましい。
また、本発明の不定形耐火物に用いられる結合剤としては、アルミナセメント、リン酸塩、珪酸塩、塩化物、硫化物、シリカゾル、アルミナゾル、ρ−アルミナなどの無機結合剤や各種樹脂、有機糊剤等の有機結合剤が使用できる。このうち例えばアルミナセメントの場合、分散している超微粉を凝集させる凝集剤としての働きもある。アルミナセメントの場合、添加量は1〜15質量%が望ましい。1質量%未満では十分な結合強度が得られず、一方、15質量%を超えると耐食性の低下が大きくなるので好ましくない。
なお、本発明の不定形耐火物には、硬化時間を調整するため、消石灰等のカルシウム化合物、珪酸ソ−ダ等の珪酸アルカリ塩、炭酸リチウムや炭酸ソ−ダ等の炭酸塩、クエン酸や酒石酸等のカルボン酸、硼砂、硼酸アルカリ塩などの硬化調整剤を少量添加することができる。また、本発明の不定形耐火物は、流し込み施工、吹付け施工、スタンプ施工、圧入施工、パッチング施工、振動施工等の各種施工方法に適した性状に調整して使用することができる。
以上説明した不定形耐火物は、施工水を添加して施工される。施工水の添加量は、施工方法等に応じて決定される。例えば、流し込み施工においては、施工水の添加量は、不定形耐火物100質量%に対して、外掛けで例えば3〜10質量%程度である。また、吹き付け施工においては、施工水の添加量は、不定形耐火物100質量%に対して、外掛けで例えば5〜15質量%程度である。
本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明の不定形耐火物は、その効果を損なわない範囲において、金属Si粉、セラミック繊維、塩基性乳酸アルミニウム、酸化防止剤、硬化剤、硬化遅延剤等を含んでもよい。また、本発明の不定形耐火物の施工方法は、特に流し込み施工又は吹き付け施工に限られず、圧入施工等の他の施工方法によって施工されてもよい。
なお、本発明の不定形耐火物の被施工部位としては、例えば各種の溶融金属容器、溶融金属樋、溶融金属処理装置、高温炉、煙道、セメントロータリーキルン、ごみ焼却炉、ごみ焼却灰・飛灰溶融炉、産業廃棄物処理炉、電気炉(炉蓋)、タンディシュ、ランスパイプ等が挙げられる。
JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法(8.5.1)」に準じて評価した。
JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法(8.5.1)」に準じて評価した。
フィラメント状繊維試料を、熱収縮・応力測定装置(機器名:大栄科学精器製作所製テストライト)の測定部に0.01g/dtex荷重下でセットし、その状態で所定の温度(融点又は軟化点又は分解温度+20℃。複合繊維の場合、高融点成分に合わせる。)に調整された高温雰囲気室内に挿入し、この時の最大収縮応力(cN)を測定し、繊度からdtex当りの収縮応力(cN/dtex)を計算した。
繊維と不定形耐火物材料、混練水を加えてミキサーで混練後、φ50mm×高さ50mmの型枠に流し込み20℃で24時間養生を実施した後、脱型し供試体を作成した。
この供試体を所定の温度に保持した電気炉(丸祥電気株式会社製 炉床昇降式電気炉「型式SPB2022−16」)に投入し、加熱することで、爆裂発生の有無を評価した。
なお、爆裂温度とは爆裂が発生した設定電気炉温度とし、また爆裂限界温度とは爆裂温度から50℃低い温度と規定する。
あらかじめ爆裂温度が分かっている供試体に対し、爆裂限界温度に設定された電気炉で25分間加熱処理を施し、その後デシケーター中で20℃×24時間静置冷却後、JIS R2115「定形及び不定形耐火物の通気率の測定」に記載の装置に準拠した測定装置(セリオ株式会社製 通気率測定装置「型式S−1000」)を用いて装置にセットし、上記JIS R2115に準じて測定し、計算により通気率を求め評価した。
不定形耐火物材料については、次の配合のものを使用した。
アルミナセメント(電気化学工業社製「ハイアルミナセメント」) :5質量%
アルミナ:市販品A1203純度99%以上、5−3mm :18質量%
アルミナ:市販品A1203純度99%以上、1−3mm :25質量%
アルミナ:市販品A1203純度99%以上、0−1mm :20質量%
アルミナ:市販品A1203純度99%以上、0−0.075mm :25質量%
シリカフューム(エルケム社製「940U」) :7質量%
この不定形耐火物材料に表1に示す各種繊維を0.01質量%添加し、丸菱科学機械製作所製MKSモルタルミキサー「型式MS−120」に添加し、Dry状態で60秒混練した後、混練水6.0質量%添加後さらに60秒混練し、底部をゴムヘラでかき混ぜた後、さらに120秒ミキサーで混練を実施した。
次にφ50mm×高さ50mmの型枠内に流し込み、20℃×24時間養生を実施して、供試体を作成した。この供試体の耐爆裂性の評価結果を表1に示す。
実施例1〜2は、爆裂温度が900℃以上と高く、耐爆裂性の高いものであった。これは、通気率が高く、蒸気散逸がスムーズに行われたため、高い耐爆裂性が得られたものと推察される。
一方比較例1〜4は、爆裂温度が900℃未満と低く、耐爆裂性の低いものであった。これは通気率が低く、蒸気散逸が悪かったものと推測される。
コンクリートについては、以下配合で使用した。
早強セメント(太平洋セメント社製) :12質量%
海砂 :25質量%
砕砂 :11質量%
粗骨材 :26質量%
細骨材 :25質量%
混練水 :8質量%
まずこのコンクリートの混練水以外をDry状態で1分混練した後、表2に示す各種繊維を0.01質量%添加して1分混練した。次に混練水を添加してから5分混練した出来たコンクリートをφ50mm×高さ50mmの型枠内に流し込み、20℃×48時間気中養生を実施して、供試体を作成した。この供試体を所定の温度に保持した電気炉に投入し、加熱することで、表面ヒビ割れの有無を評価した。なお、ヒビ割れ温度とははっきりしたヒビ割れが発生した設定電気炉温度とし、小ヒビ発生温度は、小さなヒビが発生した設定電気炉温度とした。また割れ限界温度とは小ヒビ割れ温度から50℃低い温度と規定する。コンクリートの耐爆裂性の評価結果を表2に示す。
参考例1は、比較例5〜6に比べ、ヒビ割れ限界温度、小ヒビ発生温度、ヒビ発生温度が高く、耐爆裂性の良いものであった。
本発明は、建造物の床、壁、柱、梁などを構成するコンクリート部材として使用することができる。また手摺などの薄肉部材は表面積が大きいことから急激に温度上昇して爆裂しやすいので、従来のビニロン繊維やポリプロピレン繊維を用いた場合においては、耐爆裂性を付与することは容易ではないが、本発明の複合繊維を用いれば、薄肉部材においても耐爆裂性を付与することが可能となる。また不定形耐火物の被施工部位としては、例えば各種の溶融金属容器、溶融金属樋、溶融金属処理装置、高温炉、煙道、セメントロータリーキルン、ごみ焼却炉、ごみ焼却灰・飛灰溶融炉、産業廃棄物処理炉、電気炉(炉蓋)、タンディシュ、ランスパイプ等が挙げられる。
Claims (2)
- 少なくとも2種の熱可塑性樹脂が繊維軸方向に芯鞘構造を形成した複合繊維において、エチレン含有量が25〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体を鞘部とした、収縮応力が0.08cN/dtex以上2cN/dtex以下の芯鞘複合繊維を添加されてなる構造用不定形耐火物であって、
前記不定形耐火物に100容積%に対し、前記芯鞘複合繊維が0.005〜0.5容積%含有されてなり、通気率が1.81×10 −15 〜9.9×10 −14 m 2 である耐爆裂性構造用不定形耐火物。 - 少なくとも2種の熱可塑性樹脂が繊維軸方向に芯鞘構造を形成した複合繊維において、芯成分が熱可塑性樹脂(X)と、鞘成分のエチレン含有量が25〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂(Y)である複合繊維が含有されてなる耐爆裂性水硬性硬化体であり、該複合繊維が下記(1)〜(4)を満足してなる請求項1に記載の耐爆裂性構造用不定形耐火物。
(1)繊維繊度が0.1〜100dtexであること、
(2)一定繊維直径当たりの(X)と(Y)の面積比(X)/(Y)は80/20〜20/80であること、
(3)繊維長が1〜30mmであること、
(4)芯部に融点が170〜300℃である熱可塑性樹脂を成分とした複合繊維が含有されてなること。
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