JP4576367B2 - 廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物およびこれを内張りに使用した廃棄物溶融炉 - Google Patents

廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物およびこれを内張りに使用した廃棄物溶融炉 Download PDF

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本発明は、実質的にクロミア成分を含まない廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物、および、この不定形耐火物を内張りに使用した廃棄物溶融炉に関する。
廃棄物の減容化とダイオキシン発生抑制に優れた廃棄物処理炉として、近年、廃棄物を直接溶融するガス化溶融炉あるいは廃棄物の焼却灰を溶融する灰溶融炉が出現している。
そして、これらの廃棄物溶融炉は、焼却炉と異なり高温操業であり、耐火物の損耗機構は、廃棄物成分由来のスラグに起因した廃棄物溶融炉特有のものである。(なお、後記するように、従来、クロミア含有材質で十分な耐用性が得られるために使用されているが、環境汚染の問題がある。)
すなわち、これらの廃棄物溶融炉(以下、単に“溶融炉”と称する)内に生成するスラグは、CaO/SiO質量%比が0.3〜1.5の低塩基度であり、廃棄物に由来するナトリウム等のアルカリ,塩素等の酸を含んでいる。
上記溶融炉内に生成するスラグは、低塩基度であることに加え、1300℃以上の高温操業のために溶融時の粘性が極めて低い。その結果、耐火物組織の脆弱化原因となるアルカリ,酸等のスラグ成分の耐火物組織に対する浸透が促進され、内張りの損耗が著しい。また、溶融炉に投入される廃棄物あるいは焼却灰は、炉内において低温物であり、その冷却作用によって耐火物がスポーリング損傷する。
溶融炉に使用される耐火物は、定形耐火物と不定形耐火物とに大別される。定形耐火物の施工は、煉瓦積み作業を伴い重労働でしかも高度な技術を要することから、近年は不定形耐火物による内張りが汎用されている。
溶融炉の不定形耐火物として、従来使用されている材質は、アルミナ-クロム質に代表されるクロミア含有材質である。この材質は、アルミナの耐火性,容積安定性とクロミアの耐スラグ性とが相まって優れた耐食性を示す。
しかし、耐火物成分の酸化クロムが人体に有害な六価クロムに変化し、炉から排出されるスラグおよび使用後の耐火物が環境汚染をきたす重大な問題があることが知られている。
上記問題点を解決するために、これまでに、溶融炉用不定形耐火物として、実質的にクロミア原料を含まないクロムフリー材質が提案されている。例えば、アルミナ−ジルコニア質(特許文献1参照),アルミナ−マグネシア質(特許文献2参照),アルミナ−炭化珪素質(特許文献3参照),アルミナ−チタニア質(特許文献4参照),スピネル−チタニア質(特許文献5参照),マグネシア−アルミナ−チタニア質(特許文献6,7参照)の各不定形耐火物が知られている。
特開2000-281455号公報 特開2001-153321号公報 特開2000-203952号公報 特開2004-352601号公報 特開2002-145674号公報 特開平11-147776号公報 特開2005-213120号公報
これまでに提案されている前記クロムフリー質不定形耐火物は、溶融炉としての使用において、いずれも十分な耐用性が得られていない。溶融炉用の耐火物の損傷形態は、主に溶損とスポーリングによる剥離である。
ここで、前記クロムフリー質不定形耐火物の有する問題点について、具体的に説明すると、アルミナ−ジルコニア質(特許文献1)では、溶融炉スラグの塩基度が低いため、ジルコニア成分がスラグに溶出し、耐食性に劣る。アルミナ−マグネシア質(特許文献2)では、相当量のマグネシア原料を添加しているためにスピネル化反応による膨張が大きく、耐スポーリング性に劣る。アルミナ−炭化珪素質(特許文献3)では、溶融炉の操業が酸化雰囲気であることで、炭化珪素成分が酸化し耐食性の低下が著しい。アルミナ−チタニア質(特許文献4)では、高温操業時にチタニア成分の添加による焼結収縮が大きく、耐スポーリング性に劣る。
また、スピネル−チタニア質(特許文献5)では、耐食性を向上させるためにチタニア粒子を相当量添加しているため、焼結収縮が大きく耐スポーリング性に劣る。マグネシア−アルミナ−チタニア質(特許文献6,7)では、熱膨張率の大きいマグネシア原料を多量添加しているため、耐スポーリング性がかなり劣る。
本発明は、従来のクロムフリー質不定形耐火物の前記問題点に鑑み成されたものであって、本発明が解決しようとする課題(目的)は、環境汚染の問題を解決するための廃棄物溶融炉用クロムフリー質不定形耐火物であって、しかも、溶融炉の内張りとしての耐用性が、アルミナ-クロミア質不定形耐火物相当、あるいは、それ以上の優れた耐用性を有する上記クロムフリー質不定形耐火物を提供することであり、また、この不定形耐火物を内張りに使用した廃棄物溶融炉を提供することである。
前記課題を解決する手段として、本発明に係る廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物は、MgAl−MgTiO系固溶体粒子が3〜70質量%、仮焼アルミナが0.5〜20質量%、アルミナ粒子およびMgO成分が3〜33質量%であるスピネル粒子のうち少なくとも1つ以上からなり、かつ、アルミナセメントを含む結合材、分散剤を添加してなり、前記仮焼アルミナと前記結合材中のアルミナセメントの合計量が3〜25質量%であることを特徴とする(請求項1)。
また、前記アルミナセメントを含む結合材がアルミナセメントを50質量%以上含む結合材であって、該結合材の添加量が1〜15質量%であり、前記分散剤の添加量が0.01〜0.5質量%であること(請求項2)、前記MgAl-MgTiO系固溶体粒子中のTiO成分量が0.5〜15質量%であること(請求項3)、を特徴とする。
一方、本発明に係る廃棄物溶融炉は、上記廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物を流し込み施工またはプレキャストブロックにて内張りしたことを特徴とする(請求項4)。
以下、従来のクロムフリー材との対比、本発明で奏する作用効果を含めて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
従来のクロムフリー材は、アルミナにジルコニア,マグネシアあるいは炭化珪素を組み合わせたり、0.1mm以下のチタニアを少量添加したりしている(前掲の特許文献1〜7参照)。
これに対して、本発明は、前記した通り、仮焼アルミナ、及び、アルミナ粒子又はスピネル粒子ないしはアルミナ粒子とスピネル粒子とを併用したものに、相当量(3〜70質量%)のMgAl−MgTiO系固溶体粒子を添加することを特徴とする。これにより、クロムフリー材質にも関わらず、クロミア含有品と同等、あるいは、それ以上の耐用性を発揮する。その理由は、以下の通りであると考えられる。
MgAl-MgTiO系固溶体粒子中のTiO成分は、浸潤してきたスラグ中のCaOと反応して高融点のCaTiOを生成する。このため、スラグの更なる浸潤を抑制することが可能となる。そして、スラグ浸潤による変質層厚さを薄く抑えることができ、また、スラグ浸潤部の融点の低下も小さくなるため、耐食性も高いものと考えられる。
従って、耐食性を向上させるためには、浸潤したスラグのCaOと反応性を高める必要があり、TiO成分を如何に緻密且つ均一に分散させるかが非常に重要である。TiO成分の分散性は、添加方法に大きく影響される。つまり、0.1mm以下の高純度のチタニア粒子を添加するよりも、低濃度のチタニア成分を含んだMgAl−MgTiO系固溶体粒子として相当量(3〜70質量%)添加することにより、TiO成分の均一分散度が格段に向上することで、高耐食性が発揮される。
さらに、仮焼アルミナを添加することにより、TiO成分の均一分散は向上し、高耐食性を発揮すると考えられる。
仮焼アルミナは、易焼結アルミナとも呼ばれ、MgAl−MgTiO系固溶体の微粉中のMgTiOのマグネシア成分と仮焼アルミナのアルミナ成分とが緻密な2次スピネルを形成し、TiO成分は、緻密な2次スピネルの粒界に拡散していくため、さらに均一分散度を高める効果があると考えられる。
また、MgAl−MgTiO系固溶体粒子中のTiO成分は、焼結を促進させる効果もあるが、相当量添加しても高融点のスピネルと固溶しているため過焼結が抑制され、耐スポーリング性の劣化が起きない。仮焼アルミナとの2次スピネルの形成により、MgAl−MgTiO系固溶体骨材の周囲には空隙が形成される。これは、熱応力により生じる亀裂の進展を効果的に抑制するので、高い耐スポーリング性が発現するものと考えられる。
本発明において、MgAl−MgTiO系固溶体粒子,仮焼アルミナ,アルミナ粒子,スピネル粒子の合計量が85〜98質量%が好ましい。より好ましくは、その下限値が90質量%以上である。アルミナ粒子およびスピネル粒子は、それぞれ単独で使用できるが、併用することもできる。
MgAl−MgTiO系固溶体粒子からのTiO成分は、0.5〜15質量%になるように添加することが好ましく、より好ましくは1〜12質量%である。0.5質量%未満では、TiO成分の均一分散が不十分となり耐食性が悪くなり、15質量%を超えると、液相生成量が多くなり、耐スポーリング性が低下するため、好ましくない。
本発明におけるMgAl−MgTiO系固溶体粒子は、MgO成分が15〜85質量%,Al成分が5〜75質量%,TiO成分が0.5〜25質量%のものを使用することができる。上記3成分の合計は90%以上が好ましく、より好ましくは93質量%以上であり、不可避的な不純物または本発明の目的、効果を損なわない程度の他の成分を含んでも良い。90質量%以下では、不純物の影響により耐食性が低下するため好ましくない。
MgAl−MgTiO系固溶体粒子は、焼成品あるいは電融品のどちらでも使用でき、併用することもできる。
MgAl-MgTiO系固溶体の添加量としては3〜70質量%が好ましく、より好ましくは5〜65質量%である。70質量%を超えると、TiO成分量が過剰に多くなり耐食性が低下するだけでなく、耐スポーリング性も低下するため、好ましくない。3質量%未満では、TiO成分の均一分散が不十分となり、耐食性の低下を引き起こすため、好ましくない。
また、MgAl−MgTiO系固溶体粒子の添加効果を最大限に発揮するためには、スラグとの反応性を高めることが重要であるため、1mm以下の微粉を主体に使用することが好ましい。
仮焼アルミナは、0.5〜20質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜15質量%である。0.5質量%より少ないと、2次スピネル反応に伴うTiO成分の均一分散の効果が小さくなるため、好ましくない。また、20質量%以上では、練り性状が悪くなり、添加水分量が多くなるため、好ましくない。
本発明における仮焼アルミナとしては、一般的に販売されている仮焼アルミナが使用できる。平均粒径が10μm以下のものが好ましい。2次スピネル生成反応を高めるためには、平均粒径が5μm以下であることがより好ましい。また、高流動性を付与するために、平均粒径の異なる仮焼アルミナを2種類、あるいは2種類以上使用することもできる。
本発明における結合材としては、成形体の強度付与の効果が大きいアルミナセメントが好ましく、結合強度を確保するためには、結合材中にアルミナセメントを50質量%以上含むことが好ましい。
本発明において、アルミナセメント以外に、水硬性アルミナ,リン酸,乳酸アルミニウム塩等の粉末状結合材やコロイダルシリカ溶液のような液状結合材等と併用することができる。また、粒子直径5μm以下の超微粉で、かつ水和反応を生じるもの、例えばシリカフラワーなども使用できる。
結合材の添加量としては、1〜15質量%が好ましく、より好ましくは2〜12質量%である。ただし、液状結合材を使用するときは、溶液中の固形分として計上する。1質量%よりも少ないと、十分な結合強度が得られず、15質量%以上では、耐食性が低下するため、好ましくない。
本発明におけるアルミナセメントとしては、一般的に販売されているアルミナセメントが使用できる。種々のアルミナセメントが販売されているが、耐食性の低下を引き起こす原因となるため、Al値が70質量%以上のアルミナセメントを使用することが好ましい。
アルミナセメントと仮焼アルミナの合計量が3〜25質量%であることが好ましい。より好ましくは3〜22質量%である。アルミナセメント中にはコランダムを鉱物組成とするアルミナが含まれており、結合強度と2次スピネルの形成に関わるため、仮焼アルミナと同様の効果を発揮する。アルミナセメントと仮焼アルミナの合計量が3質量%以下では、2次スピネルの形成が不十分となり、TiO成分の均一分散の効果が小さく、25質量%以上では、超微粉が多くなり過ぎ、耐スポーリング性が低下するため、好ましくない。
本発明におけるアルミナ粒子としては、OLE_LINK2一般的に販売されているOLE_LINK2焼結アルミナ、電融アルミナ等が使用でき、併用することもできる。アルミナ粒子の純度は95質量%以上であることが好ましく、より好ましくは98質量%以上である。Al成分が95質量%未満では、不純物の影響により耐食性が低下するため、好ましくない。また、アルミナ粒子の一部は仮焼アルミナで使用することができる。
本発明においては、アルミナ粒子の一部または全量を、種々のMgO:Al成分比のスピネル粒子を置換使用することにより、さらに優れた効果が発揮される。
スピネル(MgAl)の理論組成は、MgO成分が28質量%、Al成分が72質量%であるが、MgOが3質量%以上23質量%未満のものを“アルミナ過剰スピネル粒子”といい、23〜33質量%のものを“略理論スピネル粒子”といい、MgOが33質量%を超え60%以下のものを“マグネシア過剰スピネル”という様に、大きく3区分されることが知られている。
本発明におけるスピネル粒子は、本質的にMgO成分とAl成分とからなるが、不可避的な不純物または本発明の目的、効果を損なわない程度の他の成分を含んでも良い。MgO成分は3〜33質量%で、MgO成分とAl成分の合計量は95質量%以上であることが好ましく、よりこのましくは97質量%以上である。スピネル粒子中のMgO成分が33質量%を超えると、MgAl結晶よりも熱膨張率が非常に大きいペリクレース結晶の割合が多くなり、耐スポーリング性が低下するため、好ましくない。また、仮焼アルミナと反応し2次スピネルを形成するため、仮焼アルミナの添加効果が低下するため好ましくない。また、スピネル粒子のMgO成分とAl成分の合計量が95質量%未満では、不純物の影響により耐食性が低下するため、好ましくない。また、スピネル粒子は、焼成品あるいは電融品のどちらでも使用でき、併用することもできる。
分散剤は、解こう剤とも称され、不定形耐火物施工時の流動性を付与する効果をもつ。分散剤の材質は、従来から種々のものが提案されているが、本発明における分散剤の種類は限定されるものではないが、分散剤の具体例としては、例えば、トリポリリン酸ソーダ,ヘキサメタリン酸ソーダ,ウルトラポリリン酸ソーダ,酸性ヘキサメタリン酸ソーダ,ホウ酸ソーダ,炭酸ソーダなどの無機塩、クエン酸ソーダ,酒石酸ソーダ,ポリアクリル酸ソーダ,スルホン酸ソーダ,カルボキシル基含有ポリエーテルなどがある。分散剤の添加量は0.01〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.03〜0.3質量%である。
定形耐火物は施工性のための技術常識として、施工時の作業性,可使時間などを調節するために、硬化調整剤を併用することができる。硬化調整剤には、硬化促進剤と硬化遅延剤があり、本発明における硬化調整剤の種類は限定されるものではないが、例えば、ホウ酸,ホウ酸ナトリウム,ホウ酸アンモニウム,消石灰,炭酸リチウムなどがあり、添加量としては0.3重量%以下で添加することが好ましい。
本発明に係る不定形耐火物は、この他にも、流し込み材の添加物として公知の、耐火性超粗大粒子,金属ファイバー,有機繊維,セラミックファイバー,発泡剤,消泡剤,などを添加してもよい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、ジルコニア,ジルコン,イットリア,チタ二ア、および、チタニアフラワー,珪石,溶融シリカ,ガラス粉,金属粉のうち1種または2種以上を添加することができる。その合計量としては10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下である。
施工は、配合物に対し外掛けで4〜8重量%程度の水を添加,混練し、型枠を用いて流し込み施工される。ただし、液状結合材を使用する場合は、液分の量だけ水を減らす必要がある。施工の際には充填性を向上させるため、型枠にバイブレーターを取り付けるか、あるいは、耐火物中に棒状バイブレーターを挿入して施工される。
廃棄物溶融炉に直接流し込み施工するだけでなく、あらかじめ任意の形状に施工したブロック、いわゆるプレキャストブロックを内張り材として使用してもよい。
次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明に係る廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物を具体的に説明する。
各実施例および比較例において、MgAl−MgTiO系固溶体粒子としては、表1に示す成分値の伊藤忠セラテック株式会社製MgAl−MgTiO系固溶体粒子(商品名:アルチマイト)を使用した。
Figure 0004576367
(実施例1〜10,比較例1〜10)
実施例1〜10を表2に示し、比較例1〜10を表3に示す。また、各例で得られた不定形耐火物の試験試料(注)に対して、次の「耐食性試験」「耐スポーリング性試験」「実機試験」を行い、その試験結果を表,表に表示した。
(注):試験用試料は、表2,表3に示す不定形耐火物の配合組成物に所定量の水分を添加してミキサーにて混練後、各試験用の型枠に振動をかけながら流し込み成形を行った。24時間養生した後に脱枠し、105℃で24時間乾燥した。
「耐食性試験」
耐食性試験は、回転ドラム侵食試験により行った。侵食材は、ガス化溶融炉スラグ(化学成分値:SiO=31.6質量%、Al=23.0質量%、CaO=26.3質量%、Fe=5.7質量%、NaO=3.5質量%、KO=1.0質量%、P=2.5質量%、Cl=0.9質量%、CaO/SiO=0.83)を用いて試験を行った。1600℃で8時間侵食させた後、侵食量,スラグ浸潤量を測定した。侵食材は1時間毎に交換を実施した。
(耐スポーリング性試験)
耐スポーリング性試験は、並形れんがサイズ(230mm×114mm×65mm)の試料を用い、長さ方向に対する片面を電気炉にて1400℃で30分間加熱した後、強制空冷を30分間行った。この”加熱−冷却”を10回繰り返した後、試料の亀裂発生状況を次の4段階で評価した。
◎:亀裂は殆ど無し。 ○:微亀裂の発生。
△:亀裂が大きい。 ×:亀裂が極めて大きい。
(実機試験)
実機試験としては、1日あたりのごみ処理量が約100t、操業温度が1300〜1400℃のガス化溶融炉に内張りし、約6ヶ月間の使用後において内張り耐火物の損耗速度(mm/月)を測定した。
Figure 0004576367
Figure 0004576367

表2,3の試験結果に示されるように、本発明実施例1〜10は、耐スポーリング性に優れ、比較例1,2に示す従来品のクロミア含有品に相当、あるいはそれ以上の耐食性に優れた効果を発揮した。実機損傷速度も略同様の結果であり、廃棄物溶融炉に使用されているクロミア含有材質を代替できる。
本発明に係る不定形耐火物は、実施例の結果が示す様に、廃棄物溶融炉用の不定形耐火物として、クロミア含有材質に相当、あるいはそれ以上の優れた耐用性を発揮する。しかも、クロムフリー材質であることから、従来のクロミア含有材質の代替使用により環境汚染の問題も解決でき、その産業上の利用可能性が顕著である。

Claims (4)

  1. MgAl−MgTiO系固溶体粒子が3〜70質量%、仮焼アルミナが0.5〜20質量%、並びに、アルミナ粒子およびMgO成分が3〜33質量%であるスピネル粒子のうち少なくとも1つ以上からなり、かつ、アルミナセメントを含む結合材、分散剤を添加してなり、前記仮焼アルミナと前記結合材中のアルミナセメントの合計量が3〜25質量%であることを特徴とする廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物。
  2. 前記アルミナセメントを含む結合材がアルミナセメントを50質量%以上含む結合材であって、該結合材の添加量が1〜15質量%であり、前記分散剤の添加量が0.01〜0.5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物。
  3. 前記MgAl-MgTiO系固溶体粒子中のTiO成分量が0.5〜15質量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物を流し込み施工またはプレキャストブロックにて内張りした廃棄物溶融炉。
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