JP5676134B2 - 凍結乾燥成形品およびそれを使用する方法、並びにそのパーツキット製品 - Google Patents
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Description
特に、活性物質を化粧品として用いる場合には、活性成分、活性およびケア物質の皮膚および毛髪への外与を最適な形で可能とする特に好ましい投与形態は、活性物質の経口投与に加えて同様に活性物質の医薬用途においても大きな役割を果たす。
乾燥によって安定化されたこのような易可溶性の1単位の投与形態をより大きな形式で行うことが、特に迅速、確実に完全に溶解する挙動により特徴付けられる活性物質を、可能であれば不均質な完全に溶解しない残留物なく経口投与および/または外用投与するために、ますます注目を集めている。
材料内の安定化反応が大きすぎる場合、水が加えられる間に材料が膨脹するが、機械的に撹拌したり、こすったり、押しつぶしたりもんだりするなどの機械的ストレスを加えただけで分解する。その後に迅速に水和するよう膨脹する一方で、重量増大を補償するための折衷的な、十分な機械的強度は達成するのが非常に困難である。
独国特許第69727922号明細書は、これらとはアルギン酸塩などのバインダ剤と並んでマンニトールなどの比較的高い含量の賦形剤を含み高価かつ複雑な凍結乾燥方法によっては得られない迅速に溶解可能な投薬形態を製造する点で異なる。このようにして得られる経口投与形態は、15秒未満の溶解度により特徴付けられる。しかしながら、独国特許第69727922号明細書からは、特に外用において必要となる十分な機械的安定性を有する成形品が記載された方法によって得られるのかは明らかでない。加えて、機械的影響なく、かつ工程中で不均質な膨脹しない内部領域を形成することなく迅速かつ完全に溶解することは記載されない。独国特許第69727922号明細書に記載の投薬形態は、経口投与のみを意図したものであることから、このような特別な溶解挙動は実際には関係ない。というのは、舌および口蓋の動作は必然的に機械的影響を構成し、必要に応じて、不均一に溶解する領域を溶解継続中にサポートするからである。所定の大きさの1単位の投与形態として利用可能な活性物質を迅速に溶解可能な投与形態を提供する別の公知の方法が米国特許第5405616号明細書および独国特許第4201179号明細書に記載される。これらの文献において使用される担体材料は、好ましくは、タンパク質をベースとするものである。ペレットが、タンパク質足場形成剤と、場合により、化粧品用または医薬品用の活性物質の分散液とを、低温不活性である液体(好ましくは、液体窒素)の中に滴下し、続いて、分離させ、凍結したペレットを凍結乾燥させることによって生成される。しかし、タンパク質足場形成剤、特に、コラーゲンまたはコラーゲン誘導体しかこれらの条件下で安定なペレットを形成することができないので、これらの条件下でペレットを形成させるためには上記タンパク質足場形成剤の存在が必要である。しかしながら、タンパク質生成担体材料は、用いられる滴下法中での組成物の分子内安定性に関する高い要件のために、特に迅速かつ完全な溶解挙動を膨脹領域を残すことなく、かつ特に、本ケースで望まれるように機械的影響なしに達成するのには不適切である。
容易に溶解可能な活性物質入り成形品の別の製造方法が国際公開第05/073296号および国際公開第04/011537号の主題であるが、いずれの文献も溶解の種類ないし、特に速度に関して具体的な記載がない。特に、機械的影響なしに迅速かつ残存物なく溶解することは記載されない。
したがって、より迅速かつ良好な溶解性を有し、完全かつ残留物なく、特に機械的影響なしに均質かつ均一に分解し、工程中に何ら膨脹した不均質な領域を残さず、したがって特に化粧および医薬活性成分、活性およびケア物質を投与するのに適する投与形態を得るために適切な方法および組成物は先行技術からこれまでのところ知られていない。
したがって、本発明の目的は、特に迅速な溶解性を特徴とする活性物質投与用の組成物を提供することであり、完全に、可能であれば残留物なしに、不均質な膨脹領域を形成することなく、かつ特に、機械的影響なしに溶解し、かつ公知の容易に溶解可能な投与形態に対して優れた溶解挙動を有する組成物を提供することである。さらに、目的は、これらの特に迅速かつ完全に溶解可能な活性物質の組成物を、特に、いわゆる単回投与単位または単独投与の用途の形態で化粧品としてまたは医薬品としての用途に使用できるように、高い機械的強度と十分な大きさを有するように設計することにある。この場合、組成物は、外用、ならびに経口投与または経口的な用途に等しく適していると考えられる。
リン酸アスコルビルマグネシウムは先行技術から化粧品製剤中の成分として公知である。例えば、日本国特許第2231496号公報は化粧品用途にリン酸アスコルビルマグネシウムを凍結乾燥して、容易に溶解可能なリン酸アスコルビルマグネシウムを得る方法を開示する。
上述の先行技術文献のいずれも、このようなアルギン酸塩とリン酸アスコルビルマグネシウムの特殊な組み合わせによる特別な溶解挙動によって特徴付けられる凍結乾燥医薬ないし化粧成形品を記載しない。
したがって、本発明は、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに、場合により一種類以上の活性物質および/または補助物質を含有し、この具体的な組成による特殊な変形された溶解挙動により特徴付けられる凍結乾燥成形品を提供する。加えて、本発明は、これらの凍結乾燥成形品の製造方法とこれらを化粧および医薬品用途に利用する可能性をも提供する。
本発明の意味の成形品は、規則的形状、例えば具体的には、球形、立方体、角錐、星型の幾何学的物体であると理解されるが、海洋生物(例えば、ヒトデ)等の動物、ムール貝等の魚介類、植物および植物の一部(例えば、葉など)の形のような、自然の形状を模した成形品であってもよい。以下に記載される本発明にしたがって使用される成形品の生成方法により、これらの形状の全てを得ることができる。本発明では、特に好ましい表面積/体積比率により特に有利であることから、具体的に球状などの均一な球形状が好ましい。乾燥済みの生成物内の昇華距離は、あらゆる面に対して対称であり、小さい。このことは、凍結乾燥プロセスにおいて、乾燥済みの材料を通り抜ける蒸気の移動を容易とし、これにより凍結乾燥プロセスを短縮し、これをより効果的かつ低コストとし、これにより得られる成形品の安定性に積極的な影響を与える。
使用される成形品の体積は、例えば、それらの生成方法によっては限定されない。便宜上、体積は、好ましくは約0.1cm3、好ましくは0.3cm3、より好ましくは、少なくとも約0.5cm3、さらに好ましくは、少なくとも約0.7cm3である。使用される体積の上限は、便宜上、約6cm3、好ましくは約5cm3、より好ましくは、約4cm3である。特に、成形品の大きさは、成形品について所望の投与形態、または成形品が外用される部位によって決まる。したがって、外用の化粧品としてまたは医薬品として使用する際には、大きな体表面または毛髪への塗布(例えば、背中などに湿らせた成形品を直接塗布すること、または入浴剤としての使用)に、大きな成形品を使用することができ、一方、小さい成形品は、体の小さい領域(例えば、頬など)に使用する際に好ましい。
大きさは、また、経口投与のための成形品の生成に合わせて調整しても良い。例えば、成形品の大きさは、関連するターゲットグループに合うように調整することが考えられる。年長の使用者には、より容易に取り扱い可能な大きな成形品を提供し、例えば、若年使用者ないし子供には、彼らの体の大きさに合わせ、彼らの年齢から予測される用途に合わせた成形品が提供されることが考えられる。
上記の理由から、特に好ましい成形品は、略球状の幾何学的形状を有し、球の直径は3mm〜30mm、好ましくは5mm〜20mm、より好ましくは7mm〜15mm、さらに好ましくは8mm〜13mmである。直径が少なくとも6mmである球形の成形品が特に好ましい。
アルギン酸塩とその他の足場形成剤、例えば、多糖類群から、カラギーナン、ペクチン、トラガカントガム、グアーガム、カルボガム、寒天、アラビアガム、プルラン、トレハロース、キサンタンガム、天然および修飾された(例えば、陽イオンで修飾された)澱粉、デキストラン、デキストリン、マルトデキストリン、キトサン、グルカン(例えば、β−1,3−グルカンまたはβ−1,4−グルカン、例えば、セルロース)、ムコ多糖類群からヒアルロン酸など、あるいはセルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成ポリマ、メチルセルロース、カルボキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、陽イオン修飾カルボキシメチルセルロースなどの合成セルロース誘導体、セルロースエステル、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエーテル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリエチレングリコールも使用可能である。
本発明のアルギン酸塩およびリン酸アスコルビルマグネシウムの組み合わせにより、驚くべきことに再水和工程中の特別な機械的安定性に加え、例えば取扱中、包装、貯蔵および運搬中の機械的摩耗に関して優れた安定性をも有し、これによりほこりっぽくない活性物質成形品を提供可能な成形品が得られる。
アルギン酸塩および選択的なその他の足場形成剤は、皮膚適合性かつ粘膜適合性であり、外用される際にも、経口投与または経口的に投与される際にも、毒性、刺激作用、または他の不和性反応を有さない。これらは、薬理学的には全体として無害であり、したがって場合により、本発明による化粧品用および医薬品用の外用、および経口または経口的な使用に適している。
活性物質には、特に、外用、ならびに経口投与または経口的な用途に適している、化粧品用または治療用または医薬品用の活性物質が含まれる。好ましくは、本発明にしたがって使用される成形品には、少なくとも1種類の化粧品用および/または医薬品用の活性物質が含まれる。したがって、本発明の凍結乾燥成形品は、化粧品または治療用の製品であることが好ましい。
好ましい化粧用活性物質はグリセリン、尿素およびセラミドなどの天然および合成保湿成分、肌保護製品、肌美白製品、ビタミン類、酸化防止剤、いわゆる老化防止剤、抗刺激剤、日焼け止めなどである。
好ましい外用の治療剤は、鎮痛剤、例えば、免疫抑制剤、ホルモン、神経皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ニキビ、酒さなどのような皮膚病治療薬、および抗ヘルペス剤である。
外用、ならびに経口投与または経口的な用途の両方に使用される特に好ましい医薬品用の活性物質は、サリチル酸およびその誘導体、例えば、アセチルサリチル酸(ASS)である。
特に好ましい補助物質は、本発明において好ましいpH値である4以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上、またより好ましくは5.5以上、さらにより好ましくは6.0以上、特に好ましくは6.5以上に調節するpH調整剤から選択され、好ましくは水酸化ナトリウム溶液である。
その他の好ましい補助物質は、油脂のグループから、特に、例えば化粧品用の油のグループから選択されるものである。この場合、スクアランが選択されるのが好ましい。驚くべきことに、その疎水性にもかかわらず、スクアランによって成形品の溶解性が向上し、これによって肌への外用が容易となる。これ以外に、スクアランはスキンケア効果をも有するが、これは発明内での意味における活性物質ではない。脂肪成分および化粧品ないし医薬品油から選択されるその他の好ましい補助物質は、自然油(トリグリセリド)およびホホバ油である。
特殊な二段階分解運動について重要であり、特に迅速かつ完全な残留物なく機械的影響なしに本発明の成形品を溶解するのに重要なことは、組成物のpH値である。本発明では、これは4.0以上、好ましくは5.0以上、より好ましくは6.0以上であり、本発明の成形品の1重量%水溶液または懸濁液が20℃で4.0以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.0以上、またより好ましくは5.5以上、更により好ましくは6.0以上、特に好ましくは6.5以上のpH値を有するようにする。驚くべきことに、pH値が高くなるほど、成形品が速く溶解することが判明した。
さらに、本発明の成形品は、いずれも凍結乾燥成形品の全重量に対して、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、更により好ましくは20重量%以上、特に好ましくは25重量%以上のアルギン酸塩、特にアルギン酸ナトリウムを含む。
さらに、成形品は、最大約80重量%の1種類以上の活性物質、より好ましくは最大40重量%、更により好ましくは最大25重量%の1種類以上の活性物質を含んでも良い。
ビタミン群からの活性物質、例えば具体的に、アスコルビン酸(ビタミンC)およびその誘導体、ならびに/またはサリチル酸およびその誘導体(例えば、アセチルサリチル酸(ASS)およびその誘導体)が特に好ましい。
好ましい補助物質は、例えば水酸化ナトリウム水溶液等のpH調節剤、スクアラン、ホホバ油ないし天然油などの化粧品用油(cosmetic oils)、色顔料ないし不活性賦形剤などである。
場合により、成形品にはまた残留水も含まれる。しかし、凍結乾燥成形品はその成分とその極めて迅速に溶解可能な性質のため極めて湿気に敏感であることから、水含有量は可能な限り低く保たれなければならない。この場合、水含有量は、最大10重量%である。水含有量は、凍結乾燥による成形品の生成後、保存中に変化する可能性がある。一般に、これは高くなる。好ましくは、製造後の成形品の水含有量は最大10重量%であり、好ましくは5重量%未満であり、より好ましくは1重量%未満である。
20重量%以上のリン酸アスコルビルマグネシウム、
20重量%以上のアルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウム、特に低粘度でカルシウムを含まないアルギン酸ナトリウムであって、その1重量%水溶液または水懸濁液(20℃で99mlの水に1g、pH6〜8)が、2000未満の粘度、好ましくは1000未満、特に好ましくは100mPasの粘度を有するもの、
50重量%以下の一種類以上の活性物質、
最大60重量%の1種類以上の補助物質、例えば、特に、化粧品用の油脂、特にトリグリセリド、または水酸化ナトリウム溶液などの無機塩基などのpH調整剤、および
最大10重量%、好ましくは最大5重量%、より好ましくは1重量%未満の水が含まれる。
この場合の条件は、液体添加後の成形品が、その物理的形状を維持しつつ完全に浸潤され、その後30秒以内、好ましくは20秒以内、より好ましくは10秒以内、更に好ましくは5秒以内に機械的影響無しに完全に分解すること、およびその1重量%水溶液ないし水懸濁液が20℃で4以上、好ましくは4.5以上、より好ましくは5.5以上、さらにより好ましくは6.5以上のpH値を有することである。
・成形品の1重量%の水溶液または水性懸濁液中20℃でpH値が4.5以上、より好ましくは5.5以上、さらにより好ましくは6.5以上であり、
・密度が0.005g/cm3から0.8g/cm3、好ましくは0.01g/cm3から0.8g/cm3であり、
・体積が0.1cm3から6cm3、好ましくは0.6cm3から6cm3であり、
・直径が少なくとも6mm(成形品の2点間の最大距離)であり、および/または
・好ましくは、球状の立体構造を有し、特に好ましくは球形である。
例えば、上記の成形品のような本発明の成形品は:
・少なくとも70重量%の水、
・少なくとも5重量%の多価アルコール、
・特に、化粧品用の活性物質のグループから選択される活性物質のような、最大10重量%の1種類以上の活性物質、
・特に、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド等の化粧品用の油のグループから選択される補助物質等の、最大20重量%の1種類以上の補助物質を含み、5〜7のpH値と、さらには、特に1重量%未満の、カルシウムおよび/またはマグネシウムイオン等のアルカリ土類イオンの含有量を有している、水性液体/活性剤溶液で溶解させられることが好ましい。
(a)リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに、場合により一種類以上の活性物質および/または補助物質の水懸濁液または水溶液を調製し、
(b)場合により、水溶液または水性懸濁液のpH値を4より大きく、好ましくは4.5より大きく、より好ましくは5.5より大きく、特に好ましくは6.5より大きく調整し、
(c)混合物を型に注ぎ、
(d) 型の中の混合物を凍結させ、
(e)凍結させた混合物を凍結乾燥させつつ、成形品を形成する。
場合により、他の工程を、これらの工程の間で行うことができる。具体的には、工程(d)の後に、型から凍結させた成形品を取り出してもよい。さらに、凍結した成形品の表面を機械加工によって後加工してもよい。
したがって、純粋な”溶解度”以外に、アルギン酸塩などの重合体系の担体物質を用いる場合には、”膨潤性能”、すなわち成形品の機械的安定性もこの場合、極めて重要な役割を演じる。材料膨潤が速すぎると、成形品がその物理的一体性をあまりにも速く失って崩壊し、多くの場合、まだ膨脹していないより低い含水量を有する”内部”領域を形成している間に、湿気が加えられて、成形品はいわば溶融する。このようにして得られる溶液ないしゲルは不均質であり、成分が不規則に分布する不規則な組成を有する。
しかしながら、材料内の安定化反応が大きすぎる場合、水が加えられる間に材料が膨脹するが、機械的に撹拌したり、こすったり、押しつぶしたりもんだりするなどの機械的ストレスを加えただけで分解する。したがって、組成物を処方と特定の範囲の量割合とに慎重に調整することが、一方では膨潤中の重量増大、および他方ではその後の迅速な水和を補償する十分な機械的強度を得るために必要となる。
個々の成形品の重量は、当然、それらの大きさに依存する。一般的には、個々の成形品の重量は、約10mgから200mg、好ましくは20mgから100mgである。例えば、11mmの直径を有している球は、好ましくは20mgから80mg、より好ましくは30mgから60mgまでの範囲の重量を有する。その他の好ましい範囲は、他の直径の球について対応して計算される。
しかし、水溶性の活性物質が使用されることが好ましい。
0.25〜10重量%のリン酸アスコルビルマグネシウム、
0.5〜5重量%のアルギン酸塩、
0〜20重量%の一種類以上の活性物質、および
0〜25重量%の一種類以上の補助物質。
この溶液または懸濁液は、次いで、成形品に対応する所望の幾何学的形状の空洞を有している型に注がれる。型は、ゴム、シリコーンゴム、加硫ゴム(ゴム)製などが好ましい。ゴム製の型が好ましい。型材は、場合によりコーティングされてもよい。その中に溶液が注ぎ込まれる成形品の空洞は、一般的には、所望の成形品の形状を有している。すなわち、空洞の体積は、後に得られる成形品の体積に実質的に相当する。
凍結乾燥は、それ自体公知の方法で、例えば、独国特許第4328329C2号明細書、独国特許第4028622C2号明細書、または独国特許出願公開第10350654A1号明細書にも記載されているような一般的に知られている凍結乾燥プロセスにしたがって行うことができる。
1.リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに場合により一種類以上の活性物質および/または補助物質を含有する凍結乾燥成形品。
2.実施形態1に記載の凍結乾燥成形品であって、アルギン酸塩はアルギン酸ナトリウムである凍結乾燥成形品。
3.実施形態1から2のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、活性物質として、少なくとも1種類が、ビタミン類およびその誘導体のグループから、好ましくは、ビタミンCおよびその誘導体のグループから選択される凍結乾燥成形品。
4.実施形態1から3のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、補助物質として、少なくとも1種類が化粧品および/または医薬品用油のグループから選択される凍結乾燥成形品。
6.以下の工程を含む、実施形態1から5のいずれかに記載の凍結乾燥成形品の生成方法:
a.リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに、選択的に一つ以上の活性物質および/または補助物質の水懸濁液または水溶液を調製し、
b.場合により、前記水溶液または水性懸濁液のpH値を4よりも大きく調整し、
c.混合物を型に注ぎ、
d.型の中の混合物を凍結させ、
e.凍結させた混合物を凍結乾燥させつつ、成形品を形成する。
7.実施形態6に記載の方法であって、工程(a)の前記水懸濁液または水溶液が、前記水懸濁液または水溶液の全組成物に対して、以下を含むもの。
0.25〜10重量%のリン酸アスコルビルマグネシウム、
0.5〜5重量%のアルギン酸塩、好ましくはアルギン酸ナトリウム、
0〜20重量%の一種類以上の活性物質、および
0〜25重量%の一種類以上の補助物質。
8.実施形態6から7のいずれかに記載の方法であって、pH値は、工程(b)において、無機塩基、好ましくは水酸化ナトリウム溶液を添加することによって調整される方法。
10.実施形態6から9のいずれかに記載の方法によって得られる凍結乾燥成形品。
11.実施形態1から5および10のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、その1重量%の水溶液または水性懸濁液が、20℃でpH値が4.0以上、より好ましくは5.0以上、更により好ましくは6.0以上である凍結乾燥成形品。
12.実施形態1から5および10から11のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、液体が添加されると30秒以内、好ましくは20秒以内、より好ましくは10秒以内、更により好ましくは5秒以内に完全に分解される凍結乾燥成形品。
14.実施形態13に記載の凍結乾燥成形品において、成形品が、湿潤液の成形品に対する重量比が5:1から100:1の湿潤液に当接すると、その製品の物理的形状を維持しつつ湿潤液を吸収し、その後その物理的形状を失いつつ完全に分解する凍結乾燥成形品。
15.実施形態1から5および10から14のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、リン酸アスコルビルマグネシウムのアルギン酸塩に対する重量比は0.1:1から5:1である凍結乾燥成形品。
16.実施形態1から5および10から15のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、0.1cm3から6cm3の体積、0.01g/cm3から0.8g/cm3の密度、および/または少なくとも6mmの直径を有する球の幾何学的形状を有する凍結乾燥成形品。
18.実施形態1から5または実施形態10から16のいずれかに記載の凍結乾燥成形品の医薬品としての用法。
19.実施形態17または実施形態18に記載の用法において、投与が皮膚ないし毛髪への外用によって行われる用法。
20.実施形態17から19のいずれかに記載の用法において、凍結乾燥成形品が水、または1種類以上の活性物質および/または場合により補助物質の水溶液で湿らされ、30秒以内に、好ましくは20秒以内に、より好ましくは10秒以内に、さらにより好ましくは5秒以内に機械的影響なく分解し、その後溶解された形態で皮膚または毛髪に塗布される用法。
a.成形品が当該工程中でその形状を維持しつつ供給された液体に完全に浸潤され、
b.その後、その物理的形状を失いつつ分解する。
22.実施形態1から5または実施形態10から16のいずれかに記載の凍結乾燥成形品の用法において、活性物質の経口投与または経口的な用途のためである用法。
23.実施形態1から5または実施形態10から16のいずれかに記載の少なくとも1種類の凍結乾燥成形品、ならびに、1種類以上の活性物質および/または場合により1種類以上の補助物質を含む少なくとも1つの水溶液を、一体の空間的配置の中に含むパーツキットの組み合わせ。
24.実施形態23に記載のパーツキットの組み合わせの化粧品としての用法。
25.実施形態23に記載のパーツキットの組み合わせの治療薬としての用法。
26.実施形態15から22および実施形態24から25のいずれかに記載の用法において、エンドユーザによって直接行われる用法。
27.アルギン酸塩に基づく凍結乾燥成形品の溶解挙動を変更するためのリン酸アスコルビルマグネシウムの用法。
アルギン酸ナトリウム−リン酸アスコルビルマグネシウム球体、直径9mm
20gのアルギン酸ナトリウムを、攪拌しながら960gの水に添加し、均質になるように混合する。その後、20gのリン酸アスコルビルマグネシウムを攪拌しながら添加し、pH6.0〜8.5のpH値を有する混合物を、処理中、15〜25℃の温度で維持する。均質な(脱気した)混合物を型に注ぎ、風を吹きつけて凍結させ、型から取り出し、その後、それ自体として公知の方法で凍結乾燥させる。
凍結乾燥成形品には以下が含まれる:
50重量%のアルギン酸ナトリウム
50重量%以上のリン酸アスコルビルマグネシウム。
アルギン酸ナトリウム−リン酸アスコルビルマグネシウム球体、直径11mm
30gのアルギン酸ナトリウムを、攪拌しながら955gの水に添加し、均質になるように混合する。その後、15gのリン酸アスコルビルマグネシウムを攪拌しながら添加し、pH6〜8.5のpH値を有する混合物を、処理中、15〜25℃の温度で維持する。均質な(脱気した)混合物を型に注ぎ、風を吹きつけて凍結させ、型から取り出し、その後、それ自体として公知の方法で凍結乾燥させる。
凍結乾燥成形品には以下が含まれる:
66.6重量%のアルギン酸ナトリウム
33.3重量%以上のリン酸アスコルビルマグネシウム。
アルギン酸ナトリウム−リン酸アスコルビルマグネシウム球体、直径13mm
20gのアルギン酸塩を、攪拌しながら920gの水に添加し、均質になるように混合する。その後、20gのリン酸アスコルビルマグネシウムを攪拌しながら添加し、pH6.0〜8.5のpH値を有する混合物を、処理中、15〜25℃の温度で維持する。その後、40gのカプリル/カプリン酸トリグリセリドが均質に混合され、その後均質な(脱気した)混合物を型に注ぎ、風を吹きつけて凍結させ、型から取り出し、その後、それ自体として公知の方法で凍結乾燥させる。
凍結乾燥成形品には以下が含まれる:
25重量%のアルギン酸ナトリウム
25重量%以上のリン酸アスコルビルマグネシウム、
50重量%のトリグリセリド。
アルギン酸ナトリウム−リン酸アスコルビルマグネシウム球体、直径15mm
20gのアルギン酸ナトリウムを、攪拌しながら910gの水に添加し、均質になるように混合する。その後、20gのリン酸アスコルビルマグネシウムを攪拌しながら添加し、pH6.0〜8.5のpH値を有する混合物を、処理中、15〜25℃の温度で維持する。その後、40gのトリグリセリドと10gの活性物質(例えば緑茶抽出物)が均質に混合され、その後均質な(脱気した)混合物を型に注ぎ、風を吹きつけて凍結させ、型から取り出し、その後、それ自体として公知の方法で凍結乾燥させる。
凍結乾燥成形品には以下が含まれる:
22重量%のアルギン酸ナトリウム
22重量%のリン酸アスコルビルマグネシウム。
44重量%のトリグリセリド
11重量%の活性物質(例えば緑茶抽出物)。
処方の作用としての溶解運動
レシーバ(Receiver):1mlの逆浸透水、それぞれ略20℃
球径:11mm
試料1:実施例3に記載の本発明にかかる凍結乾燥成形品。
試料2:参考試料;リン酸アスコルビルマグネシウムをアスコルビン酸(ビタミンC)と置き換えて実施例3と同様に製造された凍結乾燥成形品。
図2はどのように試料1(本発明の成形品)が1秒内に水に完全に浸潤されるかを示す。
図3は、およそ4秒後に、試料1が構造的一体性を失い、認識できる非水和領域なしに完全に水和されたゲルに分解することを示す。
図4から図6は、リン酸アスコルビルマグネシウム(MAP)の代わりにビタミンCを用いた比較試料2が、その後の工程で完全には浸潤されず、13秒後においても上部に白く、水和されない成形品領域を有することを示す。
ここに示される溶解挙動は、原理的には球体の直径とは独立であり、基本的に実施例3によって生成される11mmの直径を有する成形品には限られず、本発明の意味において異なる組成および異なる直径ないし幾何学形状を有する全ての成形品について同じように観察されうる。
比較例1に記載のテスト条件と同様に、実施例3と、リン酸アスコルビルマグネシウムをアスコルビン酸(ビタミンC)ないしアスコルビルグルコシドと置換した実施例3と同様に生成された凍結乾燥成形品の形態での比較試料とが本発明の組成物の溶解速度および溶解挙動について追加的に比較された。結果は表1に示される。これによれば、リン酸アスコルビルマグネシウムをその他のビタミンC成分に置換することによっては、二段階運動によって特徴付けられる特に迅速な溶解挙動は現れないことがわかる。むしろ、ビタミンC試料、アスコルビルグルコシド試料の双方は、著しく劣った溶解挙動を示すことがわかった。成形品の分解は、機械的影響なしに行いえず、したがって、二段階分解運動も観察されなかった。
Claims (15)
- 凍結乾燥成形品であって、リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに場合により一種類以上の活性物質および/または補助物質を含有し、
前記リン酸アスコルビルマグネシウムの前記アルギン酸塩に対する重量比は、0.1:1から5:1であり、
前記凍結乾燥成形品は、外部の機械的影響なしに、前記凍結乾燥成形品の重さの10倍から100倍の量の水性液体が添加された場合に、均質な溶液またはゲルを形成しつつ、30秒内に分解することを特徴とする凍結乾燥成形品。 - 請求項1に記載の凍結乾燥成形品であって、前記アルギン酸塩はアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする凍結乾燥成形品。
- 請求項1から2のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、活性物質として、少なくとも1種類が、ビタミン類であることを特徴とする凍結乾燥成形品。
- 請求項3に記載の凍結乾燥成形品において、前記ビタミン類が、ビタミンC(アスコルビン酸)およびこの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記誘導体が、グルコシド、エステル、エステルのアルカリ金属塩、エステルのアルカリ土類金属塩、および、エステルの三価の金属塩からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする凍結乾燥成形品。 - 請求項1から4のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、補助物質として、少なくとも1種類が化粧品および/または医薬品用油のグループから選択されることを特徴とする凍結乾燥成形品。
- 請求項1から5のいずれかに記載の凍結乾燥成形品の生成方法であって、
(a)リン酸アスコルビルマグネシウムおよびアルギン酸塩、並びに、場合により一つ以
上の活性物質および/または補助物質の水懸濁液または水溶液を、前記リン酸アスコルビルマグネシウムの前記アルギン酸塩に対する重量比が、0.1:1から5:1となるように、調製する工程と、
(b)場合により、前記水溶液または水性懸濁液のpH値を4よりも大きく調整する工程
と、
(c)混合物を型に注ぐ工程と、
(d)型の中の混合物を凍結させる工程と、
(e)凍結させた混合物を凍結乾燥させつつ、成形品を形成する工程と
を備えることを特徴とする方法。 - 請求項6に記載の方法であって、工程(a)の前記水懸濁液または前記水溶液が、前記水懸濁液または水溶液の全組成物に対して、
0.25〜10重量%のリン酸アスコルビルマグネシウムと、
0.5〜5重量%のアルギン酸塩と、
0〜20重量%の一種類以上の活性物質と、
0〜25重量%の一種類以上の補助物質とを含み、
前記リン酸アスコルビルマグネシウムの前記アルギン酸塩に対する重量比が、0.1:1から5:1であることを特徴とする方法。 - 請求項6から7のいずれかに記載の方法によって得られる凍結乾燥成形品。
- 請求項1から5および8のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、前記凍結乾燥成形品の1重量%の水溶液または水性懸濁液が、20℃でpH値が4.0以上であることを特徴とする凍結乾燥成形品。
- 請求項1から5、8および9のいずれかに記載の凍結乾燥成形品を、化粧品を調整するために使用する方法。
- 請求項1から5、8および9のいずれかに記載の凍結乾燥成形品を、医薬品を調整するために使用する方法。
- 請求項1から5、8および9のいずれかに記載の凍結乾燥成形品を、活性成分を皮膚または毛髪上に溶解した形で局所的に塗布するための薬剤を調製するために使用する方法。
- 請求項1から5、8および9のいずれかに記載の凍結乾燥成形品において、前記凍結乾燥成形品の溶解が以下の二段階で行われることを特徴とする凍結乾燥成形品。
(a)成形品が当該工程中でその形状を維持しつつ供給された液体に完全に浸潤され、
(b)その後、その物理的形状を失いつつ分解する。 - 請求項1から5、8および9のいずれかに記載の凍結乾燥成形品を、活性物質の経口投与または経口的な用途のための医薬品を調製するために使用することを特徴とする方法。
- 請求項1から4、8、9および13のいずれかに記載の少なくとも1種類の凍結乾燥成形品と、1種類以上の活性物質および/または場合により1種類以上の補助物質を含む少なくとも1つの水溶液とを含み、前記凍結乾燥成形品と前記水溶液とが一体の空間的配置の中に存在することを特徴とするパーツキット製品。
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