以下、図面を参照して本発明における実施の形態を説明する。まず、図1〜3を用いて、本実施の形態である画像形成装置1について説明する。図1は、画像形成装置1の内部構造の概略を示す図である。図2は、読取部301の内部構造を示す概略平面図である。図3は、図2を矢印S方向から見た図である。尚、本実施の形態では、本発明を適用した画像形成装置を例に説明するが、後述する画像読取装置300のみでも実現可能である。また、本実施の形態において、後述する手差しトレイ65が配置された側(図1における右側)を画像形成装置1の前側とする。
画像形成装置1は、上方側に配置される画像読取装置300と、下方側に配置され画像読取装置300からの画像情報に基づいて用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。画像読取装置300は、所定の原稿Gを送り出す原稿送り部70と、原稿Gの画像を読み込む読取部301と、を備える。原稿送り部70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結され、後述する読取面302Aを保護する機能も有する。
原稿送り部70が閉状態の場合、原稿Gは、原稿送り部70における上面に形成される原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、不図示の送りローラにより読取部301における読取面302Aを構成する第1読取面303Aに移動される。この場合、後述する照明ユニット347及びミラーユニット349は、第1位置303に固定される。そして、原稿Gが第1読取面303Aをスライドするように移動されることで、CCD358により原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
原稿送り部70が開状態の場合、原稿Gは、読取面302Aを構成する第2読取面304Aに載置される。この場合、照明ユニット347及びミラーユニット349は、第2位置304に配置されると共に、第2位置304おいて副走査方向Xにそれぞれ移動する。照明ユニット347及びミラーユニット349は、後述する光路Hの長さ(光路長)を一定に保持しながら移動される。これにより、第2読取面304Aに載置された原稿Gの画像が読みとられる。
装置本体Mは、像担持体としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給装置6a、6b、6c、6dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8を含む中間転写ユニット200と、定着装置9と、を備える。また、装置本体Mは、該装置本体Mの下方側に引き出し可能に配置され用紙Tが積層された状態で収納される給紙カセット52を備える。また、装置本体Mは、給紙カセット52から送り出された用紙Tが搬送される搬送路54を備える。
感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、円筒形状の部材であり、図1に対して垂直な回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成される。帯電部10a、10b、10c、10dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に配置され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)帯電させる。
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの上方に感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれから離間して配置され、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に帯電した電荷が除去され、静電潜像が形成される。
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの側方(図1において左側)に配置され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された静電潜像に各色のトナー画像を現像する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つのトナー色に対応し、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに対向配置可能な現像ローラ116a、116b、116c、116dとトナー攪拌用の攪拌ローラとを有して構成される。
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容し、本実施の形態では、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。トナー供給装置6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに現像された各色のトナー画像が順次転写される。中間転写ベルト7は、駆動ローラ35とテンションローラ36との間に掛け渡されて配置される。テンションローラ36がバネ38によって駆動ローラ35から離れる側に付勢されているので、中間転写ベルト7には、所定の張力が与えられる。
中間転写ベルト7における感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより、中間転写ベルト7における所定部分が挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。このようにして1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成され、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像が中間転写ベルト7に順次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の電圧印加手段により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色トナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の電圧印加手段により、中間転写ベルト7のトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して接離される。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に移動され、他の場合には離間位置に移動される。ここで、2次転写ローラ8における接離動作は中間転写ユニット200全体が回動移動されることによりなされる。
中間転写ユニット200は、2次転写ローラ8を収容すると共に該2次転写ローラ8を回転可能に軸支するハウジング201と、ハウジング201の側面に配置される回転駆動ギア210と、2次転写ローラ8の回転軸方向であってハウジング201の側面に配置されるローラ側ギア220と、回転駆動ギア210とローラ側ギア220とに当接して配置されるアイドルギア230とを備える。中間転写ユニット200は、不図示の接離手段により、不図示の回転軸を中心として2次転写ローラ8が中間転写ベルト7に当接可能な位置と、中間転写ベルト7に当接しない位置とに回動移動される。
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8に対向する側には、対抗ローラ108が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラ8と対抗ローラ108とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の表面(画像が1次転写された側)に押し当てられる。このようにして2次転写ニップN2が形成され、中間転写ベルト7に1次転写されたトナー画像が用紙Tに2次転写される。
定着装置9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色トナーを溶融定着させる。定着装置9は、ヒータにより加熱される加熱ローラ9aと、加熱ローラ9aに圧接される加圧ローラ9bと、を備える。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟持するようにして搬送する。加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとの間に挟持されるように搬送されることで、用紙Tに転写されたトナーは溶融定着される。
2次転写ローラ8とテンションローラ36との間には、中間転写ベルト7を清掃するためのベルトクリーニング装置40が配置される。ベルトクリーニング装置40は、中間転写ベルト7の表面に摺接されるクリーニングブラシ41と、クリーニングブラシ41と接触するように配置されたクリーニングローラ42と、先端がクリーニングローラ42の表面に接触するように配置されるブレード43と、ブレード43の下方に配置された回収スパイラル44と、を備える。
装置本体Mにおける下方側には、用紙Tを収容する給紙カセット52が水平方向に引き出し可能に配置され、用紙Tが積層された状態で収容される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側端部(図1における右側端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路54に送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路54に送り出すための給紙ローラ対63からなる重送防止機構を備える。
カセット給紙部51と排紙部50との間には、用紙Tを搬送する搬送路54が形成される。搬送路54は、カセット給紙部51から2次転写ローラ8までの第1搬送路55と、2次転写ローラ8から定着装置9までの第2搬送路56と、定着装置9から排紙部50までの第3搬送路57とを有する。また、定着装置9の出口には、分岐爪58が設けられており、この分岐爪58と第1搬送路55における後述する湾曲路55aとの間には、用紙Tを第1搬送路55に戻すための戻し搬送路59が形成される。
第1搬送路55は、給紙カセット52から送り出された用紙Tを上方に搬送しつつ搬送方向を図1における左方向にするための湾曲路55aと、湾曲路55aから2次転写ローラ8までの直線路55bとを有する。第1搬送路55には、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対が配置される。また、第1搬送路55には、用紙Tを検出するためのセンサと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正やトナー画像とのタイミングを合わせるためのレジストローラ対80が配置される。センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(上流側)に配置される。レジストローラ対80は、センサからの検出信情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
第2搬送路56は、定着装置9側に向かって下方側に傾いた直線状の搬送路である。第2搬送路56には、用紙Tを載置した状態で搬送する搬送ベルト156が配置される。また、第2搬送路56における所定位置には、用紙Tを検出するためのセンサが配置される。
第3搬送路57は、定着装置9の出口から図1における左斜め上方に向かうよう形成される。第3搬送路57は、分岐爪58の搬送方向下流側に位置し上方へ向かって形成される縦搬送路57aを有して構成される。第3搬送路57により搬送される用紙Tは、分岐爪58の上面側を通過した後、ほぼ垂直上方に向かって搬送されて排紙部50から装置本体Mの外部に排出される。第3搬送路57は、他の搬送路と同様に、用紙Tを案内しながら搬送するガイド板及びローラ対を有して構成される。
戻し搬送路59は、分岐爪58から第3搬送路57とは反対側の下方に分岐し、定着装置9、第2搬送路56、2次転写ローラ8及びレジストローラ対80の下方を通り、更に上方に向かうよう形成される。戻し搬送路59は、第1搬送路55における湾曲路55aに合流するように形成される。戻し搬送路59は、定着装置9を通過した用紙Tを、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に戻すための搬送路であり、用紙Tの両面にトナー画像を印刷する、いわゆる両面印刷をする場合に用いられる搬送路である。
装置本体Mの図1における右側面であって給紙カセット52の上方には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において側壁を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、下端が第1搬送路55の湾曲路55aの近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられ、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを第1搬送路55の湾曲路55aに給紙する。
次に、画像読取装置300を構成する読取部301について説明する。図2に示すように、読取部301は、原稿Gが載置されるコンタクトガラス335と、一対の案内レール345と、駆動プーリ351が取り付けられた駆動軸350と、従動プーリ352が取り付けられた支軸353と、照明ユニット347と、ミラーユニット349と、結像レンズ357と、CCD358と、光学センサ362と、を備える。
読取部301は、上面(図2における手前側)に配置され原稿Gが載置されるコンタクトガラス335を有する。コンタクトガラス335は、画像形成装置1が通常の状態で配置された場合、水平面と略平行に配置される。一対の案内レール345は、読取部301における側面306a、306b(図2における左右)同士の間に配置される。一対の案内レール345は、上述のコンタクトガラス335と平行に設置される。一対の案内レール345上には、照明ユニット347及びミラーユニット349が移動可能に載置される。
駆動軸350は、側面306a側に案内レール345と直交するように配置される。駆動軸350は、不図示の駆動モーターにより正転、逆転駆動される。駆動軸350の両端であって案内レール345よりも主走査方向Y外側には、大径部及び小径部を有する駆動プーリ351が取り付けられる。
支軸353は、側面306b側に案内レール345と直交するように配置される。支軸353の両端であって案内レール345よりも主走査方向Y外側には、駆動プーリ351と同一径の従動プーリ352が取り付けられる。駆動プーリ351及び従動プーリ352の大径部には、駆動用ワイヤー354aが掛け渡される。そして、駆動用ワイヤー354aには、照明ユニット347が固定される。また、駆動プーリ351及び従動プーリ352の小径部には、駆動用ワイヤー354bが掛け渡される。そして、駆動用ワイヤー354bにはミラーユニット349が固定される。
駆動軸350が駆動モーターによって回転されることで、駆動用ワイヤー354a、354bは回動される。駆動用ワイヤー354a、354bが回動されることで、照明ユニット347及びミラーユニット349は、案内レール345に沿って副走査方向X(図の左右方向)に移動される。駆動プーリ351及び従動プーリ352の大径部と小径部の径比が2:1であるため、照明ユニット347とミラーユニット349の移動距離の比は2:1となる。
ここで、照明ユニット347及びミラーユニット349における案内レール345の上面と接する部分には、接触子355がそれぞれ2個ずつ設けられる。各接触子355の案内レール345との接触面は球面状となっている。これにより、照明ユニット347及びミラーユニット349は、副走査方向Xへスムースに移動される。
読取部301の底面における側面306a側には、支持部材であるISUベース356が取り付けられる。ISUベース356の上面には、結像レンズ357と、CCD358が所定の位置関係で取り付けられる。
結像レンズ357は、ISUベース356に固定されるレンズ支持台359上に設置される。レンズ支持台359は、CCD358側に配置されるガイド部材360により位置が調整可能に配置される。結像レンズ357は、読取部301の副走査方向Xにおける略中央であって、光路H(図3参照)における原稿G側と反対の端部側に配置される。結像レンズ357は、入射された光束H4(図3参照)を所定位置において結像させる。つまり、結像レンズ357は、原稿Gの画像を所定位置において結像させる。
CCD358は、ガイド部材360の背面に配置されるCCD基板361に実装され、結像レンズ357における結像位置に配置される。結像レンズ357からの光束は、ガイド部材360の中央付近に形成される開口窓360aを通ってCCD358に入射される。CCD358に入射される光束における光軸は、ガイド部材360の位置を微調整することにより補正される。光学センサ362は、ISUベース356上に配置され、コンタクトガラス335上に載置された原稿Gからの反射光を受光するか否かによって原稿のサイズ(図2の左右方向)を検知する。
次に、照明ユニット347について説明する。照明ユニット347は、照明部347aと、第1ミラー347bと、照明部347a及び第1ミラー347bを収容する第1枠体347cと、を備える。照明部347aは、複数のLED501と、複数のLED501に近接又は当接して配置され第1出光面411及び第2出光面412を有する導光体505と、第2出光面412からの光を原稿に照射させる反射ミラー541と、を備える。照明部347aについては、後に詳述する。
第1ミラー347bは、照明ユニット347における厚さ方向Zにおける下方側に配置され、反射面が原稿G及び第2ミラー349a側に向くように配置される。第1ミラー347bは、原稿からの光束H1を第2ミラー349aに反射させる。
第1枠体347cは、照明部347aと第1ミラー347bとを収容し、駆動プーリ351及び従動プーリ352の大径部に掛け渡される駆動用ワイヤー354aに固定される。駆動用ワイヤー354a、354bが回動されることで、第1枠体347cは、案内レール345に沿って副走査方向Xに移動される。
ミラーユニット349は、第2ミラー349aと、第3ミラー349bと、第2ミラー349aと第3ミラー349bとを収容する第2枠体349cと、を備える。第2ミラー349aは、第2枠体349cの厚さ方向Zにおける上方側に配置される。第2ミラー349aは、反射面が第1ミラー347b及び第3ミラー349b側を向くように配置される。第2ミラー349aは、第1ミラー347bからの光束H2を第3ミラー349b側に反射させる。
第3ミラー349bは、第2枠体349cの厚さ方向Zにおける下方側に配置され、反射面が第2ミラー349a及び結像レンズ357側を向くように配置される。第3ミラー349bは、第2ミラー349aからの光束H3を結像レンズ357側に反射させる。
第1ミラー347bと、第2ミラー349aと、第3ミラー349bとは、原稿Gからの光を結像レンズ357に入光させるための光路Hを形成する。上述の通り、照明ユニット347が副走査方向Xに速度Aで移動すると共に、ミラーユニット349が副走査方向Xに速度A/2で移動するので、画像読み取り動作時においても光路Hの長さは一定に保持される。
図4は照明部347aの構成を説明する断面図であり、図5は図4における導光体505を説明する部分拡大図である。照明部347aは、複数のLED501が取り付けられたLEDユニット503と、第1出光面411及び第2出光面412を有する導光体505と、第2出光面412からの光を原稿に照射させる反射ミラー541と、LEDユニット503、導光体505、及び反射ミラー541が取り付けられる取り付け部材510と、を備える。
図6は、LEDユニット503を説明する斜視図である。複数のLED501は、主走査方向Yに一定間隔ごとに並んで配置され、板状部材502を介して金属製で高剛性の取り付け部材510に取り付けられる。
導光体505は、LEDユニット503からの光をコンタクトガラス335側へ導くためのものであり、一端505aが複数のLED501が配置されたLEDユニット503側を向き、他端505bがコンタクトガラス335側に向くように配置される。導光体505は、一端505a側に形成される入光面400と、他端505b側に形成される第1出光面411及び第2出光面412とを有する。また、導光体505は、入光面400に入光された光を反射して第1出光面411から出光させるための反射面421を有する。
入光面400は、複数のLED501に対向して配置され、複数のLED501からの光が導光体505の内部に向けて入光される。
第1出光面411は、原稿Gに対向して配置され、入光面400から入光した光であって反射面421に反射された光を出光させる。この反射面421は、複数のLED501に対向する側における第2出光面412が形成されていない部分に形成され、更に反射面421が受けた光が第1出光面411に向けて反射される角度に形成される。つまり、第1出光面411から出光する光H01a、H01bは、反射面421により反射された光である。
第2出光面412は、反射ミラー541に対向して配置され、入光面400に入光された光を反射ミラー541側に向けて出光させる。第2出光面412から出光された光は、反射ミラー541により原稿G側に向かうよう反射され、反射ミラー541により反射された光H02は、第1出光面411から出光された光H01a、H01bとは異なる側から原稿Gを照射する。
そして、導光体505の第1出光面411には拡散板511が、第2出光面412には拡散板512が配置される。この拡散板511及び512は、所定方向の光の拡散率と、所定方向に直交する方向の光の拡散率とが異なるように構成されたものである。望ましくは、主走査方向の拡散率が副走査方向の拡散率より高い拡散板(楕円拡散板)であることが好ましい。LEDユニット503を構成するLED光源は指向性の強い光源であるため、原稿面においてLEDの発光面と対向する部分には照射強度の強い光が照射され、LEDの発光面と対向していない部分には照射強度の弱い光が照射される。このように原稿を照射する光の強度が不均一であるとCCD358によって読み取られた画像の画質を悪くする原因の一つとなっていた。そこで、出光面に拡散板511及び512を配置することによって原稿に照射される光の強度が分散されて均一となり、この問題を解消することができる。
拡散板511は、第1出光面411の全面を確実に覆うために、第1出光面411の面積よりも大きく成形され、第1出光面411に対向する面全体に両面テープを貼り付け、又は接着剤等を塗布して第1出光面411に接着・固定される。拡散板511の面積が第1出光面411より大きいため、拡散板511を第1出光面411に貼り合わせたとき、拡散板511の周囲部分が少しはみ出すようになる。このはみ出した面には両面テープが貼られているため、接着面が露出した状態となり、この部分に埃やゴミ等が付着する可能性があった。
図7は、従来の導光体505について説明するための図である。拡散板511のはみ出し面511aは両面テープが露出した状態となっている。このはみ出し面511aに埃dが付着すると、この埃dが原稿を反射した光束H1の光路を遮る可能性がある。言い換えると、コンタクトガラス335上の領域Aは、CCD358が読み取り可能な領域であり、この領域Aにおいて反射してCCD358に入射される光束H1の光路を埃dが遮ると、この埃dの部分が陰となって筋画像が発生してしまう可能性があった。
図5に戻る。この問題を解決するために、反射面421の第1出光面411側における主走査方向に沿った縁部に光束H1に向かって突出した固定しろ部430を設ける。この固定しろ部430はその一面が第1出光面411と同一面であり、導光体421と一体的に形成されたものである。導光体505はアクリル樹脂等で構成されるため、固定しろ部430を導光体505と一体的に樹脂成形することによって簡単に形成することができる。従って、固定しろ部430を形成するために特別な部品や取り付け工程等の必要がなく、コストアップや大型化等の問題なく実現することができる。
この固定しろ部430について詳しく説明する。図8は導光体505の一部を示した斜視図である。Fは反射面421の仮想面であり、Lは仮想面Fと第1出光面411の交線である。固定しろ部430はこの交線Lより導光体505の外側に向かって突出しており、この突出部は反射面421上において主走査方向Yの一端側から他端側まで延びた形状をしている。そして、第1出光面411上であって、交線Lより副走査方向Xの+方向側の斜線で示した領域を固定しろ領域Mとする。拡散板511は、その主走査方向の一方の辺(長辺)が固定しろ領域M内に位置するように固定する。
図5は拡散板511の主走査方向の一方の辺と第1出光面411の光束H1に近い縁部とが略一致して固定された場合を示し、図9は拡散板511の主走査方向の一方の辺が固定しろ領域M内に位置して固定された場合を示している。固定しろ部430を導光体505と同じ樹脂で一体的に成形すると、固定しろ部430も透明素材になるため、図9に示すように、LEDユニット503からの光のうち面422にて反射した光H01cが固定しろ部430から出光する可能性がある。この光H01cは拡散板511を透過していないため照射強度が拡散されていない強い光であり、光H01cが原稿側Gに照射されて反射光がCCD358に入光すると、読み取り画像の画質を悪化させる原因となりうる。
そこで、固定しろ領域Mから出光する光H01cが原稿面における読み取り可能領域Aには照射しないように固定しろ部430が設計され、形成される。具体的には、読み取り可能領域Aの副走査方向Xの幅が光束H1の光軸を中心に±R[mm]である場合(例えば、R=±1.5mm)、固定しろ領域430を出光した光H01cが光束H1の光軸を中心に±R[mm]の範囲に照射しないように固定しろ部430が形成される。逆に、第1出光面411における固定しろ領域M以外の領域から出光する光のほとんどは読み取り可能領域Aを照射するため、この第1出光面411における固定しろ領域M以外の領域を拡散板511が覆っていれば、読み取り可能領域Aには強度の拡散された光が照射される。従って、拡散板511は主走査方向の一方の辺全てが固定しろ領域M内に位置するように固定する。
従来は、埃の付着を避けるために、拡散板511の接着面の露出面が少なくなるように拡散板511の主走査方向の一方の辺と第1出光面411の縁が略一致するように慎重に固定していたため、固定作業が大変困難であった。しかし、固定しろ領域Mを設けることで、この固定しろ領域M内のいずれかに拡散板511の主走査方向の一方の辺全体が位置するように拡散板511を配置・固定すればよいため、固定作業が簡単になる。そして、拡散板511の接着面は固定しろ部430によって被覆されるため埃等が付着を防ぐことができる。
更に、図10に示すように、第1出光面411上であって固定しろ領域M内の縁部に凸部431を設けてもよい。この凸部431は、第1出光面411と略直交する方向に突出した形状をなし、第1出光面411上の固定しろ領域M側の縁部に主走査方向の一端側から他端側まで連続又は部分的に形成されたものである。上記したように、固定しろ領域Mから出光する光は原稿面における読み取り可能領域Aには照射しないよう形成されるため、固定しろ領域M内に形成された凸部431から出光する光H01dも読み取り可能領域Aを照射しない。
そして、拡散板511を第1出光面411に配置する際は、図に示すように拡散板511の主走査方向の一方の辺が凸部431と接するように配置する。こうすることで拡散板511の主走査方向の一方の辺全てが固定しろ領域M内に位置するように拡散板511を配置することができる。従って、従来より簡単に拡散板511を第1出光面411に配置することができ、固定作業が簡単になる。
以上、説明したように、反射面421の第1出光面411側における主走査方向に沿った縁部に光束H1に向かって突出した固定しろ部430を設ける。これにより、従来は露出していた拡散板511の接着面が固定しろ部430によって被覆されることになり、接着面への埃の付着を防ぐことができる。そして、反射面421の仮想面と第1出光面411との交線Lより光束H1側の領域を固定しろ領域Mとし、この固定しろ領域Mから出光する光は読み取り可能領域Aに照射しないようにすることにより、拡散板511の主走査方向の一方の辺全てが固定しろ領域M内のどこかに位置するように配置さえすれば読み取り可能領域Aには拡散板511を通過した光が照射される。従って、拡散板511の位置合わせが簡単になり、従来より固定作業が簡単になる。
また、第1出光面411上であって固定しろ領域M内の縁部に凸部431を設けることにより、拡散板511を第1出光面411に配置する際は、拡散板511の主走査方向の一方の辺を凸部431に合わせて配置することによって、固定作業が更に簡単になる。