JP5675024B2 - パルサープレートの取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトの軸線方向を向く取付面に複数の締結部材によってパルサープレートを締結するパルサープレートの取付構造に関する。
クランクシャフトには回転角を検出するためにパルサープレートが取付けられることがある。パルサープレートは、複数の締結部材によってクランクシャフトの軸線方向を向く取付面に締結されることが多く、円形や楕円形などに形成したボス周辺への応力集中を緩和するための発明が様々提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
ところが、パルサープレートを楕円形あるいは円形に窪ませたボスにボルトのような締結部材で締結すると、ボスの外縁部にてパルサープレートが屈曲するために、羽ばたき変形による屈曲部への応力集中が避けられない。そこで、本出願人は、パルサープレートを、複数の締結部材の挿入孔が形成される平坦な内周側部分と、内周側部分に対して軸端方向にオフセットした位置に設けられ、被検出部が形成される外周側部分と、外周側部分および内周側部分を連結する環状段部とを備えるように構成した発明を提案している(特許文献3参照)。これによれば、外周側部分の振動を剛性が高い環状段部で分散させて内周側部分に伝達させることができるため、締結部材の挿入孔の近傍に応力が集中することを効果的に防止できる。
特開2006−153107号公報 特開2008−190585号公報 特開2010−255674号公報
特許文献1の発明は、環状段部を設けることによってパルサープレートの剛性を高めることはできるが、本願発明者らがさらに鋭意研究を重ねた結果、挿入孔が環状段部に隣接する場合には、一部の挿入孔に応力が集中することが見出された。
本発明は、このような従来技術に含まれる課題を解消するべく案出されたものであり、クランクシャフトの端部に少なくとも3つの締結部材によってパルサープレートを締結するパルサープレートの取付構造において、締結部材近傍の応力集中を抑制することをその目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一側面によれば、クランクシャフト(1)の一方の軸端(フランジ6)側に位置するクランクウェブ(4)およびカウンタウエイト(5)により形成される、クランク軸線(1X)に直交し且つ前記一方の軸端方向を向く取付面(1a)に、円板状のパルサープレート(7)を少なくとも3つの締結部材(8)によって締結するパルサープレートの締結構造であって、前記パルサープレートは、前記締結部材の挿入孔(11)が形成された平板状の内周側部分(12)と、前記内周側部分に対して前記軸端(6)方向にオフセットした位置に設けられ、被検出部(15)が形成された平板状の外周側部分(14)と、前記外周側部分と前記内周側部分とを連結する環状段部(13)とを有し、前記カウンタウエイト側の取付面(端面5a)が前記クランクウェブ側の取付面(端面4a)よりも実質的に大きく、前記挿入孔のうちの少なくとも2つ(11a、11b)が前記カウンタウエイト側の取付面に対応する位置に設けられ、前記環状段部が、周方向の一部が径方向外側に突出する少なくとも1つの突出部(13b)を有し、前記突出部が、前記カウンタウエイト側の取付面の両周方向端部(5b)に隣接するように設けられた2つの挿入孔(11a、11b)のうちの少なくとも1つと周方向に重なる位置に設けられる構成とする。
上記のように取付面がカウンタ側の取付面とクランクウェブ側の取付面とに形成されると、パルサープレートの羽ばたき変形は、取付面により抑制されるために取付面が形成されていない両取付面間で大きくなり、この部分を周方向両側で支持する挿入孔の周辺に応力が集中する。そこで上記構成のように、カウンタウエイト側の取付面の周方向端部に隣接するように設けられた2つの挿入孔のうちの少なくとも1つと周方向に重なる位置に突出部を設けることにより、突出部内側の内周側部分の剛性を低下させ、この部位に形成された挿入孔周辺への応力集中を抑制できる。そして、内周側部分の剛性を低下させるとパルサープレートの平面度が保たれ難くなるが、より大きな面積を有するカウンタウエイト側の取付面と重なる位置に突出部を設けることにより、パルサープレートの変形を抑制してその平面度を保つことができる。
また、本発明の一側面によれば、前記突出部が、前記2つの挿入孔のうちの、応力がより集中する側の挿入孔(11a)と周方向に重なる位置に設けられ、当該応力がより集中する側の挿入孔が、前記両挿入孔(11a、11b)と、それらの各々に隣接するように前記クランクウェブ側の取付面に対応する位置に設けられた挿入孔(11d、11d)との間における、前記カウンタウエイト側の取付面(5a)および前記クランクウェブ側の取付面(4a)に当接しない部分(9c、9d)の周方向距離(L3、L4)、および、前記両挿入孔(11a、11b)と、それらの各々に隣接する前記周方向端部(5b)との間(9a、9b)の周方向距離(L1、L2)の少なくとも一方に基づいて定められる構成とすることができる。
クランクウェブ側の取付面の周方向端部に隣接するように設けられた2つの挿入孔への応力集中の度合いは、その挿入孔に隣接するようにクランクウェブ側の取付面に対応する位置に設けられた挿入孔との間における、カウンタウエイト側の取付面またはクランクウェブ側の取付面に当接しない部分の周方向距離と、その挿入孔から隣接する周方向端部までの周方向距離とに依存する。そこで、上記のようにして定められた、応力がより集中する側の挿入孔と周方向に重なる位置に突出部を設けることにより、応力がより集中する側の挿入孔周辺への応力集中を抑制することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記環状段部(12)が、前記突出部(13b)を1つ有する卵形状を呈する構成とすることができる。
突出部を形成すると挿入孔周辺への応力集中は防止できる一方、パルサープレートの平面度が低下しがちとなるが、この構成によれば、応力集中が最も厳しくなる挿入孔周辺の応力低減と、パルサープレートの平面度の確保とを両立させることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記カウンタウエイト側の取付面(5a)にキー溝(5c)が形成され、前記パルサープレートの前記内周側部分(12)には、前記キー溝に係合するキー(7a)を形成するためのキー開口部(7b)が形成され、前記キー開口部が周方向において前記突出部が設けられた領域に形成された構成とすることができる。
この構成によれば、キー開口部によっても応力集中しやすい挿入孔周辺の内周側部分の剛性を低下させることができる。また、キー開口部を突出部が設けられた領域に形成することにより、より径方向外側に配置することができ、位置決め精度を向上させることができる。
このように本発明によれば、締結部材の挿入孔近傍への応力集中を抑制できるパルサープレートの取付構造を提供することができる。
本発明に係るパルサープレートの取付構造をクランクシャフトの一部を破断して示す要部側面図 図1に示すクランクシャフトのパルサープレート取付前の正面図 図1に示すパルサープレートのクランクシャフトへの取付前の正面図 図1中のIV矢視図 図1に示すパルサープレートの取付構造による作用説明図 変形例に係るパルサープレートの正面図
以下、図面を参照して、本発明に係るパルサープレートの締結構造をV型エンジンに適用した実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、多気筒エンジンのクランクシャフト1は、図示しないシリンダブロックおよびクランクケース間に挟まれてメインベアリングにより回転自在に支持される複数のジャーナル2と、同じく図示しないコネクティングロッドの大端部を回転自在に支持する複数のクランクピン3と、ジャーナル2およびクランクピン3を接続するクランクウェブ4と、ジャーナル2に対してクランクウェブ4と反対側に連設されるカウンタウエイト5とを備えている。クランクシャフト1の軸端には、クランクプーリやフライホイールが結合されるフランジ6が形成される。
最もフランジ6側(軸端側)に位置するクランクウェブ4およびカウンタウエイト5は、クランク軸線1Xに直交し且つフランジ6方向を向く取付面1aを形成している。この取付面1aには、クランクシャフト1の回転位置や回転速度を検出するための円板状のパルサープレート7が複数のボルト8によって締結される。
図2に併せて示すように、カウンタウエイト5はジャーナル2から径方向外側に延出する概ね扇形を呈しており、取付面1aを構成する、クランク軸線1Xに直交する端面5a(カウンタウエイト5側の取付面1a)がその略全面に形成されている。なお、図2中の斜線は、後述するパルサープレート7の内周側部分12が面接触する領域を示しており、図1の破断部分は、図2中のI−I線に沿う断面を示している。
一方、最も軸端側に位置するクランクウェブ4は、ジャーナル2から径方向外側に延出してクランクピン3を保持するアームであり、カウンタウエイト5よりも幅狭に形成されている。そして、クランクウェブ4は、軽量化などのために不要な部分の肉が削ぎ取られ、カウンタウエイト5の端面5aと同一平面をなす、クランク軸線1Xに直交するフランジ6側の端面4a(クランクウェブ4側の取付面1a)が、パルサープレート7を固定するために周方向の両端部に突出形成された2つのボス部4Aおよび両ボス部4Aを連結する肩部4Bのみに形成されている。
そのため、クランク軸線1Xに直交する同一平面上に形成されたカウンタウエイト5の端面5a(カウンタウエイト5側の取付面1a)とクランクウェブ4の端面4a(クランクウェブ4側の取付面1a)とでは、カウンタウエイト5の端面5aの方がクランクウェブ4の端面4aよりも実質的に大きくなっている。
クランクシャフト1には、パルサープレート7を固定するためのボルト8の締結孔10(以下、第1〜第4締結孔10a〜10dとする。)が4つ形成されている。これら4つの締結孔10は、クランク軸線1Xから等距離、すなわちその中心がクランク軸線1Xに一致する半径rの仮想円9(同心円)上に配置される。4つの締結孔10のうちの2つ(第1および第2締結孔10a、10b)は、カウンタウエイト5に形成され、残りの2つ(第3および第4締結孔10c、10d)は、クランクウェブ4のボス部4Aに形成されている。
カウンタウエイト5に形成された2つの締結孔10a、10bは、扇形を呈するカウンタウエイト5の端面5a周方向側縁である2つの周方向端部5bの一方にそれぞれ近接して配置される。ここで、第1締結孔10aは、第2締結孔10bよりも周方向端部5bにより近接した位置に配置されている。つまり、仮想円9上の第1締結孔10aとこれに隣接する周方向端部5bとの間の部分(以下、第1背当部9aと称する。)の周方向距離L1が、仮想円9上の第2締結孔10bとこれに隣接する周方向端部5bとの間の部分(以下、第2背当部9bと称する。)までの周方向距離L2よりも小さくなっている(L1<L2)。
また、カウンタウエイト5のフランジ6側の端面5aには、位置決め用のキー溝5cが形成されている。キー溝5cは、締結孔10よりも径方向外側にて径方向に延在するように一定幅に形成される。
図1および図3に示すように、パルサープレート7は、径方向内側の内周側部分12と、環状段部13を介して連結された径方向外側の外周側部分14とを備えている。内周側部分12には締結孔10に対応する位置にボルト8の挿入孔11(以下、第1〜第4挿入孔11a〜11dと称する。)が4つ形成されている。外周側部分14の周縁には、径方向外向きに突設された多数の被検出突起15が形成されている。環状段部13は内周側部分12と外周側部分14とを全周にわたって連結している。パルサープレート7がクランクシャフト1に取付けられた状態において、内周側部分12はクランク軸線1Xに直交し、外周側部分14はクランク軸線1Xに直交し且つ内周側部分12に対してフランジ6方向に距離D(図1)だけオフセットした位置に配置される。なお、パルサープレート7は磁性金属板のプレス加工により形成される。
環状段部13は、クランク軸線1Xを中心とした円弧状の同心部13aと、同心部13aよりも径方向外側に突出する突出部13bとから構成される。ここでは、突出部13bが1つのみ形成され、同心部13aのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θaが180度以上とされていることから、環状段部13が略卵形状を呈している。なお、同心部13aのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θaと、突出部13bのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θbとの合計は360°になるため、突出部13bのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θbは180°以下である。
突出部13bは、同心部13aに比べて大きな曲率半径を有する一対の基部13cと、同心部13aに比べて小さな曲率半径を有し、クランク軸線1Xからの距離が同心部13aや基部13cとの中で最も大きくなる突端部13dとから構成される。ここでは、環状段部13が線対称とされており、一対の基部13cのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θcは同一である。また、各基部13cのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θcは、突端部13dのクランク軸線1Xを中心とする周方向の延在角度θdよりも小さくなっている。
突出部13bおよび突端部13dは、周方向において第1挿入孔11aと重なる位置に配置される。また、突出部13bの基端の一方は、周方向において第2挿入孔11bと重なる位置まで延びている。
ここでは基部13cが、曲率半径を変化させつつも曲率の中心を内側(クランク軸線1X側)に置く連続曲線により形成されているが、図6(A)に示すように曲率の中心を外側に置く向きの曲線を含む形態であってもよい。また、ここでは突端部13dが、全長にわたって比較的小さな曲率半径を有するように構成されているが、図6(A)に示すように、突端部13dが、その両端部のみにて曲率半径が同心部13aよりも小さくなる曲線を含むように形成される形態であってもよい。
図3に戻り、パルサープレート7の内周側部分12には、カウンタウエイト5のキー溝5cに係合することで位置決めを行うためのキー7aが突出形成されている。キー7aは、その周方向両側および径方向外側が肉抜きされてキー開口部7bとされることにより、内周側部分12から径方向外側に突出する矩形片とされ、外周側部分14のオフセット方向と反対方向(カウンタウエイト5側)に切り起こされている(図1参照)。このキー7aがキー溝5cに係合することにより、パルサープレート7のクランクシャフト1に対する回転方向である周方向の相対位置が決定される。
また、パルサープレート7には、クランクシャフト1を挿通させるために、クランク軸線1Xを中心とした真円状の貫通孔12aが複数の被検出突起15の中心に形成されるとともに、重心をクランクシャフト1の軸線に一致させるために、適宜な大きさの肉抜き孔7dが内周側部分12の適宜な位置に形成されている。
図1および図2に示すように、クランクシャフト1の最もフランジ6に近いジャーナル2のクランクウェブ4およびカウンタウエイト5に連なる部分、すなわちクランクシャフト1の取付面1aに連なる部分には、クランク軸線1Xを中心とした真円状とされ且つフランジ6よりも大径とされた外周面1bが形成されている。図1および図3に示すように、パルサープレート7の内周側部分12に形成された貫通孔12aの内周面がクランクシャフト1の外周面1bに嵌合し、かつパルサープレート7の内周側部分12の一側面がクランクシャフト1の取付面1a(5a・4a)に当接した状態、つまりパルサープレート7の貫通孔12aがクランクシャフト1の外周面1bにインロー嵌合した状態で、挿入孔11に挿入される4本のボルト8が締結孔10に締結されることにより、パルサープレート7がクランクウェブ4およびカウンタウエイト5に固定され、図4に示す状態で組み付けられる。なお、図4中の斜線は、図2同様にクランクシャフト1とパルサープレート7とが面接触する領域を示している。
図4に示すように、4つの挿入孔11のうち、図中の右上に位置する第2挿入孔11bと左下に位置する第4挿入孔11dとは、クランク軸線1Xを中心として180度の角度位置に配置される。つまり、クランク軸線1Xを中心とする第1挿入孔11aと第4挿入孔11dとの周方向角度をθ1とし、クランク軸線1Xを中心とする第2挿入孔11bと第1挿入孔11aとの周方向角度をθ2とし、クランク軸線1Xを中心とする第3挿入孔11cと第2挿入孔11bとの周方向角度をθ3とし、クランク軸線1Xを中心とする第4挿入孔11dと第3挿入孔11cとの周方向角度をθ4とすると、θ1+θ2=180°、θ3+θ4=180°となる。一方、第1挿入孔11aおよび第3挿入孔11cは、周方向について第2および第4挿入孔11b、11dの中心(両者から90度の角度位置)に対してともに第4挿入孔11d寄りにオフセットした位置に配置されている(θ1,θ4<90°<θ2,θ3)。
上記したように、仮想円9上の第1背当部9aの周方向距離L1は、仮想円9上の第2背当部9bの周方向距離L2よりも小さいが(L1<L2)、クランク軸線1Xを中心とする第1挿入孔11aと第4挿入孔11dとの周方向角度θ1が、クランク軸線1Xを中心とする第3挿入孔11cと第2挿入孔11bとの周方向角度θ3よりも小さいことから(θ1<θ3)、第1挿入孔11aとこれに隣接するようにクランクウェブ4側の取付面1aに対応する位置に設けられた第4挿入孔11dとの間における、仮想円9上のカウンタウエイト5の端面5aにもクランクウェブ4の端面4aにも当接しない(つまり背面側を支持する背当てのない)部分(以下、第1開放部9cと称する。)の周方向距離L3は、第2挿入孔11bとこれに隣接するようにクランクウェブ4側の取付面1aに対応する位置に設けられた第3挿入孔11cとの間における、仮想円9上のカウンタウエイト5の端面5aにもクランクウェブ4の端面4aにも当接しない部分(以下、第2開放部9dと称する。)の周方向距離L4よりも短くなっている(L3<L4)。
図2に示すようにキー溝5cが比較的径方向外側の位置に形成されていることから、キー7aをカウンタウエイト5と重ならない位置に配置した状態であっても、パルサープレート7をカウンタウエイト5に当接させることは可能であるが、上記したように少なくとも1つの挿入孔11がすべての挿入孔11を均等配置した位置に対して周方向にオフセットしていることにより、パルサープレート7を適正な角度位置に配置しないとすべてのボルト8を締結できないようになっている。
また、第1挿入孔11aおよび第3挿入孔11cは、これらを均等配置した位置(第2および第4挿入孔11b、11dから各90度の角度位置)からのオフセット量が互いに異なる角度位置、より具体的にはθ2<θ3となる角度位置に配置されている。つまり、4つの周方向角度θ1〜θ4は、θ4<θ1<θ2<θ3の関係となっている。これにより、パルサープレート7を表裏逆にして組み付けようとした場合にも、すべての締結孔10にボルト8を挿入することができないようになっている。
ただし、表裏を逆に配置するケースについては、パルサープレート7の外周側部分14が内周側部分12に対してクランク軸方向にオフセットし、図1、2に示すようにカウンタウエイト5の端面5aが外周側部分14に対応する位置まで平坦に延長していることからも誤組付けの防止が図られている。
パルサープレート7の被検出突起15に対向する不図示の回転センサは、その検出部にホール素子および磁石を内蔵しており、パルサープレート7の回転に伴って被検出突起15が接近、離間することで発生する磁気変動をホール素子により電気信号に変換し、その電気信号に基づいてクランクシャフト1の回転位置や回転速度を検出する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施形態の作用を説明する。クランクシャフト1と共に板状のパルサープレート7が回転すると、図5(A)、(B)に示すように、クランクピン3に加わるコンロッドからの燃焼荷重などに起因して、クランクピン3を挟む一対のカウンタウエイト5が開閉するようにクランクシャフト1が撓み変形することにより、図5(C)に示すようにパルサープレート7が共振域にて羽ばたき変形し、このとき外周側部分14がクランク軸線1X方向に波打つ振動がボルト8によるパルサープレート7の締結部の近傍に応力集中を発生させたり、回転センサによるパルサープレート7の回転位置や回転速度の検出精度を低下させたりする虞がある。なお、図5は、理解を容易にするために変形を誇張して示している。
しかしながら、本実施形態のパルサープレート7は、被検出突起15が形成された外周側部分14が全周にわたって延びる環状段部13を介して内周側部分12に接続しているため、剛性の高い環状段部13によって外周側部分14の振動が内周側部分12に伝達されることが抑制され、内周側部分12の挿入孔11の近傍への応力集中が効果的に防止される。
しかも環状段部13が全周にわたって設けられていることで、外周側部分14の剛性が高められ、回転時の振動が防止されるため、回転センサによるクランクシャフト1の回転位置や回転速度の検出精度が向上する。特に、環状段部13が全周にわたって形成されているため、外周側部分14の剛性が効果的に向上している。
一方、環状段部13によって振動は抑制されるが、羽ばたき変形の発生しやすい位置にある締結部周辺には応力が集中する。本実施形態では、内周側部分12がクランクシャフト1の取付面1a(5a・4a)に面接触するため、図4の第1および第2挿入孔11a、11b間と、第3および第4挿入孔11c、11d間で羽ばたき変形が発生し難く、第2および第3挿入孔11b、11c間と、第1および第4挿入孔11a、11d間で羽ばたき変形が発生しやすい。
そこで本実施形態では、カウンタウエイト5の端面5aの両周方向端部5bに隣接するように設けられた第1および第2挿入孔11a、11bのうち、応力がより集中する側の第1挿入孔11aと周方向に重なる位置に環状段部13の突出部13bを位置させている。
ここで、挿入孔11周辺の応力集中は次の2つの要因に大きく依存しており、本実施形態においては、その関係によって第2挿入孔11bよりも第1挿入孔11aにより応力が集中することになる。第1の要因は、第1および第2開放部9c、9dの周方向距離L3、L4である。そして第2の要因は、第1および第2背当部9a、9bの周方向距離L1、L2である。
つまり、仮想円9上のクランクウェブ4およびカウンタウエイト5による背当てのない開放部9c、9dの周方向距離L3、L4が大きいほど、その一端に位置する挿入孔11周辺への応力集中が大きくなる(応力集中にプラスに作用する)一方、仮想円9上の背当部9a、9bの周方向距離L1、L2が大きいほど、その挿入孔11への応力集中が小さくなる(応力集中にマイナスに作用する)。
本実施形態では、仮想円9上の第1および第2開放部9c、9dの周方向距離L3、L4を比較すると、第2開放部9dの方が第1開放部9cよりも大きいため(L4>L3)、第2挿入孔11bの方に応力が集中しやすく、仮想円9上の第1および第2背当部9a、9bの周方向距離L1、L2を比較すると、第1背当部9aの方が第2背当部9bよりも小さいため(L1<L2)、第1挿入孔11aの方に応力が集中しやすくなる。
この際、応力集中に及ぼす影響は、ボルト8までの背当てのある背当部9a、9bの周方向距離L1、L2の差によるものよりも、背当てのない開放部9c、9dの周方向距離L3、L4の差の方によるものの方が大きい。したがって、本実施形態のようにL1<L2(第1挿入孔11a側に応力集中)且つL3<L4(第2挿入孔11b側に応力集中)となる場合には、L1<L2の差がよほど大きくなければ、L3<L4の影響によってL4側(第2挿入孔11b)に応力が集中する。一方、本実施形態では、L3(53°)<L4(55°)であるが、その差が2°だけであるために、背当てのない開放部9c、9dの差による影響はさほど大きくなく、L1(20°)<L2(35°)の差による影響が大きいことによって第1挿入孔11a側に応力が集中しやすくなっている。
そして、上記したように第1挿入孔11aと周方向に重なる位置に環状段部13の突出部13bを設けたことにより、突出部13bの内側の内周側部分12の剛性が低下し、応力が分散することからこの部位に形成された第1挿入孔11a周辺に応力が集中することが防止される。そして、内周側部分12の剛性が低下するとパルサープレート7の平面度が保たれ難くなるが、より大きな面積を有するカウンタウエイト5側の取付面1aと重なる位置に突出部13bを設けているため、パルサープレート7の変形を抑制して、その平面度を保つことができる。
また、環状段部13に突出部13bを形成することで、その内側の挿入孔11周辺への応力集中を防止できる一方、パルサープレート7の平面度が低下しがちになるが、本実施形態では、環状段部13が、突出部13bを1つ有する卵形状としていることから、応力集中が最も厳しくなる第1挿入孔11a周辺の応力低減と、パルサープレート7の平面度の確保との両立が図られる。
さらに、カウンタウエイト5のクランク軸線1X方向の端面5aにキー溝5cが形成され、キー開口部7bが周方向において突出部13bが設けられた領域の内周側部分12に形成されているため、キー開口部7bによっても内周側部分12の剛性が低下し、応力が集中しやすい第1挿入孔11a周辺の応力が低減される。加えて、キー開口部7bは、周方向において突出部13bが設けられた領域に形成されることにより、より径方向外側への配置が可能になり、パルサープレート7の位置決め精度が向上する。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、本発明に係るパルサープレート7の取付構造をV型多気筒エンジンに適用しているが、直列多気筒エンジンや水平対向型エンジン、単気筒エンジンに適用することも可能である。また、上記実施形態では、環状段部13に突出部13bを1つだけ形成しているが、例えば図6(B)に示すように、突出部13bを複数形成してもよい。この場合には、突出部13bの少なくとも周方向の一部、望ましくは突端部13dがカウンタウエイト5の端面5aに接触するように配置するとよく、隣接する突出部13bが連続するような形態とすることも可能である。また、パルサープレート7をクランクシャフト1に締結するボルト8の本数は4本に限定されるものではない。この他、各部材や部位の具体的構成や数量、配置など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した本発明に係るパルサープレート7の取付構造の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜取捨選択することが可能である。
1 クランクシャフト
1X クランク軸線
1a 取付面
4 クランクウェブ
4a 端面(取付面)
5 カウンタウエイト
5a 端面(取付面)
5b 周方向端部
5c キー溝
6 フランジ(軸端)
7 パルサープレート
7a キー
7b キー開口部
8 ボルト(締結部材)
11 挿入孔
12 内周側部分
13 環状段部
13a 同心部
13b 突出部
14 外周側部分
15 被検出突起

Claims (4)

  1. クランクシャフトの一方の軸端側に位置するクランクウェブおよびカウンタウエイトにより形成される、クランク軸線に直交し且つ前記一方の軸端方向を向く取付面に、円板状のパルサープレートを少なくとも3つの締結部材によって締結するパルサープレートの締結構造であって、
    前記パルサープレートは、前記締結部材の挿入孔が形成された平板状の内周側部分と、前記内周側部分に対して前記軸端方向にオフセットした位置に設けられ、被検出部が形成された平板状の外周側部分と、前記外周側部分と前記内周側部分とを連結する環状段部とを有し、
    前記カウンタウエイト側の取付面が前記クランクウェブ側の取付面よりも実質的に大きく、
    前記挿入孔のうちの少なくとも2つが前記カウンタウエイト側の取付面に対応する位置に設けられ、
    前記環状段部が、周方向の一部が径方向外側に突出する少なくとも1つの突出部を有し、
    前記突出部が、前記カウンタウエイト側の取付面の両周方向端部に隣接するように設けられた2つの挿入孔のうちの少なくとも1つと周方向に重なる位置に設けられていることを特徴とするパルサープレートの締結構造。
  2. 前記突出部が、前記2つの挿入孔のうち
    (A)前記2つの挿入孔と、それらの各々に隣接するように前記クランクウェブ側の取付面に対応する位置に設けられた挿入孔との間における、前記カウンタウエイト側の取付面および前記クランクウェブ側の取付面に当接しない部分の周方向距離が大きいほど応力集中が大きくなること、および、
    (B)前記2つの挿入孔と、それらの各々に隣接する、前記カウンタウエイト側の取付面の前記周方向端部との間の周方向距離が小さいほど応力集中が大きくなること
    の少なくとも一方に基づいて、応力がより集中すると定められる側の挿入孔と周方向に重なる位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のパルサープレートの締結構造。
  3. 前記環状段部が、前記突出部を1つ有する卵形状を呈することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のパルサープレートの締結構造。
  4. 前記カウンタウエイト側の取付面にキー溝が形成され、
    前記パルサープレートの前記内周側部分には、前記キー溝に係合するキーを形成するためのキー開口部が形成され、
    前記キー開口部が周方向において前記突出部が設けられた領域に形成されたことを特徴とする、請求項〜請求項3のいずれか一項に記載のパルサープレートの締結構造。
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