JP5674184B2 - ディスク駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディスク駆動装置、特に駆動電流の低減を図りつつ耐振動特性を改善したディスク駆動装置に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)などのディスク駆動装置は、小型大容量化が進み、多くの家電機器に搭載されるようになった。そのため、使用環境が広範囲になっている。特にモバイル機器と呼ばれる携帯機器への搭載が進んでいる。モバイル機器は振動の多い環境で使用される機会が多く、当該モバイル機器に搭載されるディスク駆動装置は、振動の多い環境下でも安定してデータのリード/ライトできる特性が求められる。このような要求に対応するため、安定した高速回転が可能な流体動圧軸受ユニットを搭載するディスク駆動装置がある。流体動圧軸受ユニットの構造の一例として、ステータの一部を構成するスリーブとハウジングの間の空間に回転体の一部を構成するフランジ部が配置されるものがある。そして、フランジ部とスリーブの間、およびフランジ部とハウジングの間の空間に潤滑剤が充填され流体動圧軸受を構成することにより、回転体のスムーズな高速回転を実現している(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−198555号公報
ところで、モバイル機器は小型化が重要視されるため、それに伴い搭載されるバッテリーの小型化がなされることが多い。その結果、ディスク駆動装置をモバイル機器へ搭載する場合は駆動電流の低減が要求されることが多い。ディスク駆動装置の駆動電流を低減すると、結果として流体動圧軸受ユニットの発生する動圧が低減し、流体動圧軸受ユニットの剛性が低下する。流体動圧軸受ユニットの剛性が低下すると、ディスク駆動装置が振動した際に記録ディスクを含む回転体の軸方向の変位が大きくなる。記録ディスクの変位が大きくなると記録ディスクと磁気ヘッドとの相対距離が不安定となり、データのリードライトエラーの増大を招くおそれがあるという問題がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動電流を低減しても流体動圧軸受ユニットの剛性を維持して、振動の多い環境下でも安定してリード/ライトを実行し得るディスク駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のディスク駆動装置は、吸引プレートが固着されたベース部材と、マグネットが固着され、記録ディスクを載置する回転体と、ベース部材上に配設され、回転体を回転自在に支持する軸受ユニットと、回転体を回転させる駆動ユニットと、を備える。軸受ユニットは、回転体と一体的に回転するスラスト部材と、ベース部材の少なくとも一部と回転体の少なくとも一部との間において、外気と繋がる開放端部を一個所とした袋状の空間に潤滑剤を連続的に保持する潤滑剤保持部と、潤滑剤保持部の一部に形成され、回転体が回転することにより開放端部側から当該潤滑剤保持部の内部側に向かうポンプイン方向の第1動圧を発生させる動圧発生部であって、スラスト部材の下面に形成される第1スラスト動圧溝と当該第1スラスト動圧溝に対面する第1対向面とその間に充填される潤滑剤とで構成される第1スラスト動圧発生部と、潤滑剤保持部の第1スラスト動圧発生部の開放端部とは反対側に設けられ、回転体が回転することにより、ポンプイン方向とは逆方向のポンプアウト方向であって、第1動圧と合成した全体としては回転体にアキシャル方向の浮上力を作用させるポンプイン方向の合成動圧となる大きさの第2動圧を発生させる動圧発生部であって、スラスト部材の上面に形成される第2スラスト動圧溝と当該第2スラスト動圧溝に対面する第2対向面とその間に充填される潤滑剤とで構成される第2スラスト動圧発生部と、を有する。第1スラスト動圧溝は、深さ方向が回転体の軸方向に対して第1の軸方向を向く姿勢で形成され、第2スラスト動圧溝は、深さ方向が第1の軸方向とは逆方向の第2の軸方向を向く姿勢で形成され、第2スラスト動圧溝は、回転体の回転中心と同心状に配置されたポンプイン方向の動圧を発生させるポンプイン溝部と、当該ポンプイン溝部より外周側で回転中心と同心状に配置されポンプアウト方向の動圧を発生させるポンプアウト溝部とで構成され、ポンプアウト溝部と対向する第2対向面との隙間距離は回転体の半径方向外側に向かって縮小しており、第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部は、回転体が潤滑剤中で浮上している状態から回転軸方向に偏倚するときに、ポンプアウト方向の動圧の変化の総和がポンプイン方向の動圧の変化の総和より大きくなる動圧発生特性を有し、吸引プレートはマグネットとの間に磁気的吸引力を生じることによって回転体をベース部材側に引き寄せる方向の吸引力を発生し、回転体が回転しているときに、第1スラスト動圧発生部が発生する回転体を固定体から軸方向に離間させる浮上力と、第2スラスト動圧発生部が発生する回転体の浮上を抑制する力と、の合成力が、回転体に加わる重力と吸引力との合計と釣り合うように構成される。
回転体は、所定回転速度以上で回転することにより潤滑剤中でスラスト動圧を発生し浮上する。このとき、駆動電流の低減により軸受ユニットのスラスト方向の剛性が低下していると、回転体の回転軸方向の偏倚により第1スラスト動圧発生部または第2スラスト動圧発生部における潤滑剤が存在する空間が狭くなる。その結果、回転体の偏倚によりスラスト動圧が大きくなり、回転体の浮上力が増大して偏倚を促進させる現象を招く。言い換えれば、ポンプイン方向の動圧が過剰に増大し、バランスのとれた浮上姿勢の維持が妨げられ、実質的に軸受ユニットの剛性が低下した状態となる。また、回転体の過剰な偏倚により、第1スラスト動圧発生部または第2スラスト動圧発生部において、回転体とこれに対向する固定体との間の隙間が無くなり固定体側の面と回転体側の面が接触する場合がある。この場合、負荷の増大による駆動電流の増加、磨耗による寿命の低下を招くばかりでなく、接触による回転精度の悪化などが生じてデータのリードライトエラーの増大を招く場合がある。そこで、回転体が潤滑剤中で浮上している状態から回転軸方向に偏倚するときに、ポンプアウト方向の動圧の変化の総和がポンプイン方向の動圧の変化の総和より大きくなる動圧発生特性とすることで、軸受けユニット全体としてのポンプイン方向の動圧の増大を抑制する。その結果、回転体の浮上中に過剰に浮上力が高まることが抑制できる。つまり、回転体の偏倚を抑制することになり、結果的に回転体が偏倚し難い高剛性の軸受ユニットを形成できる。そして、記録ディスクと磁気ヘッドとの相対距離が安定化し振動の多い環境下でも安定したデータのリード/ライトが実行できる。
本発明によれば、駆動電流を低減しても流体動圧軸受ユニットの剛性を維持して、振動の多い環境下でも安定してデータのリード/ライトを実行し得るディスク駆動装置が提供できる。
本実施形態のディスク駆動装置の一例であるHDDの内部構成を説明する説明図である。 本実施形態のディスク駆動装置におけるブラシレスモータの概略断面図である。 本実施形態のディスク駆動装置の説明に参照する参考例に係る第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部の拡大図である。 図3に示すスラスト動圧発生部におけるスラスト動圧溝の平面図であり、(a)は第1スラスト動圧発生部の第1スラスト動圧溝であり、(b)は動圧がニュートラル状態となる第2スラスト動圧発生部の第2スラスト動圧溝である。 図3に示すスラスト動圧発生部に図4に示す動圧溝を適用した場合のディスク駆動装置のスラスト変位量とハブ浮上力の関係を説明する説明図である。 図3に示すスラスト動圧発生部に適用する動圧溝の構成を説明する説明図である。 図6に示す動圧溝を適用したディスク駆動装置のスラスト変位量とハブ浮上力の関係を説明する説明図である。 本実施形態のディスク駆動装置の第2スラスト動圧発生部の拡大図である。 参考例に係るディスク駆動装置において、他の構造の第2スラスト動圧溝を有する第2スラスト動圧発生部の拡大図である。 参考例に係るディスク駆動装置の第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部の他の例を説明する拡大図である。 参考例に係るディスク駆動装置の第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部の他の例を説明する拡大図である。 図6に示す第2スラスト動圧溝の変型例の構成を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態は、ハードディスクドライブ装置(単にHDD、ディスク駆動装置という場合もある)に搭載されて記録ディスクを駆動するブラシレスモータや、CD(Compact Disc)装置、DVD(Digital Versatile Disc)装置等の光学ディスク記録再生装置(単に、ディスク駆動装置ともいう)に搭載されるディスク駆動モータ等に用いられる。
図1は、本実施形態のディスク駆動装置の一例であるHDD100(以下、ディスク駆動装置100という)の内部構成を説明する説明図である。なお、図1は、内部構成を露出させるためにカバーを取り外した状態を示している。
ベース部材10の上面には、ブラシレスモータ114、アーム軸受部116、ボイスコイルモータ118等が載置される。ブラシレスモータ114は、記録ディスク120を搭載するためのハブ20を回転同軸上に支持し、例えば磁気的にデータを記録可能な記録ディスク120を回転駆動する。ブラシレスモータ114は、例えばスピンドルモータとすることができる。ブラシレスモータ114は、例えば磁気的にデータを記録可能な記録ディスク120を回転駆動する。ブラシレスモータ114はU相、V相、W相からなる3相の駆動電流により駆動される。アーム軸受部116は、スイングアーム122を可動範囲AB内でスイング自在に支持する。ボイスコイルモータ118は外部からの制御データにしたがってスイングアーム122をスイングさせる。スイングアーム122の先端には磁気ヘッド124が取り付けられている。ディスク駆動装置100が稼働状態にある場合、磁気ヘッド124はスイングアーム122のスイングに伴って記録ディスク120の表面を僅かな隙間を介して可動範囲AB内を移動し、データをリード/ライトする。なお、図1において、点Aは記録ディスク120の最外周の記録トラックの位置に対応する点であり、点Bは記録ディスク120の最内周の記録トラックの位置に対応する点である。スイングアーム122は、ディスク駆動装置100が停止状態にある場合には記録ディスク120の脇に設けられる待避位置に移動してもよい。
なお、本実施形態において、記録ディスク120、スイングアーム122、磁気ヘッド124、ボイスコイルモータ118等のデータをリード/ライトする構造を全て含むものをディスク駆動装置と表現する場合もあるし、HDDと表現する場合もある。また、記録ディスク120を回転駆動する部分のみをディスク駆動装置と表現する場合もある。
図2は、ディスク駆動装置100のシャフト22の軸方向に沿う断面図である。ディスク駆動装置100は、固定体S、回転体Rを含む。固定体Sは、ベース部材10、ステータコア12、ハウジング14、スリーブ16を含み。回転体Rは、ハブ20、シャフト22、スラスト部材26を含む。また、ベース部材10は、円筒部10aを含み、ハウジング14は、溝14a、底部14b、円筒部14c、ハウジング平坦部14dを含む。スリーブ16は、円筒部内周面16a、周状張出部16b、円筒部16cを含み、ステータコア12には、コイル18が巻きつけられている。また、ハブ20は、中心孔20a、第1円筒部20b、第2円筒部20c、ハブ外延部20d、台座部20fを含む。シャフト22は、段部22a、先端部22b、外周面22cを含み、スラスト部材26は、下垂部材26c、フランジ部26eを含む。なお、以下の説明では、全体として、便宜上説明図に示された下方を下と、上方を上と表現する。
ベース部材10は、中心部分の孔と、当該中心部分の孔を囲むように設けられた円筒部10aとを有する。また、ベース部材10は、中心部分の孔によってハウジング14を保持するとともに、ハウジング14を環囲する円筒部10aの外周側にステータコア12を固着する。なお、ハウジング14の外周側と、円筒部10aの内周側との間に環状の第2領域部42が形成されている。第2領域部42は、ベース部材10の中心部分の孔を囲むような形状を有する。ベース部材10は、アルミダイキャストを切削加工するか、アルミ板またはニッケルメッキを施した鉄板をプレス加工して形成される。
ステータコア12は、円筒部10aの外周面に固着される。ステータコア12は、ケイ素鋼板等の磁性材が積層された後、表面に電着塗装や粉体塗装等による絶縁コーディングが施されて形成される。また、ステータコア12は、外方向に突出する複数の突極(図示せず)を有するリング状であり、各突極にはコイル18が巻回されている。突極数は、例えばディスク駆動装置100が3相駆動であれば9極とされる。コイル18の巻き線端末は、ベース部材10の底面に配設されたFPC(フレキシブル基板)上に半田付けされている。引き出された線端末は解けないように接着剤で固定される。この固定は、超音波洗浄時等に線端末が共振し大きな振幅で振動し断線することを防止するためになされる。所定の駆動回路によりFPCを通じて3相の略正弦波状の電流がコイル18に通電されると、コイル18はステータコア12の突極に回転磁界を発生する。マグネット24の駆動用磁極と、当該回転磁界との相互作用により回転駆動力が生じ、回転体Rが回転する。
なお、リング状のマグネット24の軸方向下端面と隙間を介して対向するベース部材10上の位置に吸引プレート44が固定されている。吸引プレート44は、リング状の部材であり、軟磁性材料で例えば冷間圧延鋼板をプレスすることで形成される。吸引プレート44はマグネット24と間に軸方向の磁気的吸引力を生じる。つまり、吸引プレート44は回転体Rが回転時に受ける浮上力と逆方向のハブ吸引力を生じさせる。そして、回転体Rの回転時に浮上力とハブ吸引力と回転体に加わる重力とがバランスして周囲の部材と非接触で当該回転体Rが回転するようにする。
ハウジング14は、円筒部10aの内周面に接着または圧入により固着される。また、ハウジング14は、スリーブ16を環囲する円筒部14cと、ハブ20側端部に設けられアキシャル方向の面を有するハウジング平坦部14dと、円筒部14cのうちのハウジング平坦部14dとは反対側の端部を密閉する底部14bとを結合した略カップ状をなす。このような形状によって、ハウジング14は、スリーブ16の下端を塞ぎ、かつスリーブ16の上端を突出させるように配置される。なお、底部14bと円筒部14cとが一体に形成されてもよく、底部14bと円筒部14cとが別の部材として固着して形成されてもよい。ハウジング14は、銅系の合金、粉末冶金による焼結合金、ステンレスのほか、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドなどのプラスチック材料によっても形成されてもよい。ハウジング14にプラスチック材料を用いる場合は、ディスク駆動装置100の静電気除去性能を確保するため、固有抵抗が10の6乗(Ω・m)以下となるよう、プラスチック材料にカーボン繊維を含ませて構成することが望ましい。
ハウジング14の内周面には、アキシャル方向に延在する溝14aが形成されている。この溝14aは、円筒部14c内にスリーブ16を嵌合させた際、ハウジング14の両端面側を連結する連通孔となる。この連通孔は、潤滑剤28が充填されることによって連通路Iとなる。この連通路Iについては後述する。溝14aの断面形状は、凹んだ円弧状や凹部とすることができる。
スリーブ16は、ハウジング14の内周面に接着または圧入により固着され、ベース部材10の中心部分の孔と同軸に固定されている。また、スリーブ16は、シャフト22を収納することによって、シャフト22を支承する環状の円筒部16cと、円筒部16cのハブ20側端部において外径方向に延在された周状張出部16bとを結合した形状を有する。また、円筒部16cの内部に、円筒部内周面16aが形成されており、円筒部内周面16aがシャフト22を囲む。ここで、周状張出部16bと円筒部16cとが一体に形成されてもよく、周状張出部16bと円筒部16cとが別の部材として固着して形成されてもよい。なお、周状張出部16bと、円筒部14cとの間に環状の第1領域部40が形成されている。スリーブ16は、銅系の合金、粉末冶金による焼結合金、ステンレスのほか、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドなどのプラスチック材料によっても形成される。スリーブ16にプラスチック材料を用いる場合は、ディスク駆動装置100の静電気除去性能を確保するため、固有抵抗が10の6乗(Ω・m)以下となるよう、プラスチック材料にカーボン繊維を含ませて構成する。
ハブ20は、中心部分に設けられた中心孔20aと、中心孔20aを囲むように設けられた第1円筒部20bと、第1円筒部20bの外側に配設される第2円筒部20cと、第2円筒部20cの下端に外延するハブ外延部20dとを有して構成される。また、ハブ20は、略カップ状の形状を有する。ハブ20は、軟磁性を有する。例えばSUS430F等の鉄鋼材料が用いられる。ハブ20は、鉄鋼板をプレス加工や切削加工などにより加工されて、略カップ状の所定の形状を形成する。例えば、大同特殊鋼株式会社が供給する商品名DHS1のステンレスはアウトガスが少なく、加工容易である点で好ましい。また、同様に商品名DHS2のステンレスはさらに耐食性が良好な点でより好ましい。
ハブ20の第1円筒部20bの内周面にスラスト部材26が固着され、第2円筒部20cの内周面にマグネット24が固着される。ここで、マグネット24は、ベース部材10に固着されたステータコア12に対向するように、シャフト22と同心の環状部に固着される。このような構成によって、ハブ20は、シャフト22と一体的に回転して、図示しない記録ディスク120を駆動させる。また、ハブ20は、磁性を有するステンレス材で形成され、図示しない記録ディスク120はその中心孔が第2円筒部20cの外周面に係合してハブ外延部20dに載置される。
シャフト22は、中心孔20aに固着される。ここで、シャフト22の上端部には段部22aが設けてあり、組み立ての際、中心孔20aにシャフト22が圧入される。その結果、ハブ20は、段部22aによりアキシャル方向の移動を規制されるとともに、所定の直角度でシャフト22に一体化される。また、先端部22b側は、円筒部16cの内周に収納される。なお、シャフト22はステンレス材により形成されている。
スラスト部材26は、スリーブ16を環囲するフランジ部26eと、ハウジング14を環囲する下垂部材26cとを有する。ここで、フランジ部26eは、第1円筒部20bの内壁に接着剤で固着され、下垂部材26cは、フランジ部26eの外縁部分に結合されるとともに第1円筒部20bの内壁に接着剤で固着される。つまり、下垂部材26cの外周面は第1円筒部20bの内周面に接着により固着されている。このようにして、フランジ部26eは、円筒部16cの外周を、隙間を介して囲み、かつ周状張出部16bの下面に狭い隙間を介して配置される。さらに、スラスト部材26は、ハブ20と一体的に回転するが、その際、フランジ部26eは、第1領域部40内で回転し、下垂部材26cは、第2領域部42内で回転する。
フランジ部26eは、図3に示すように、スラスト上面26aとスラスト下面26bとを有するアキシャル方向に薄い形状を有する。また、下垂部材26cは、フランジ部26eの外周側下面にアキシャル方向に延びる。フランジ部26eのスラスト下面26bとハウジング14の上端部であるハウジング平坦部14dとで第1スラスト動圧発生部(第1スラスト動圧軸受SB1)を構成し、フランジ部26eのスラスト上面26aと周状張出部16bの下面とで第2スラスト動圧発生部(第2スラスト動圧軸受SB2)を構成する。スラスト部材26は、フランジ部26eと下垂部材26cとを結合しており、図2に示すように、アルファベットのLの大文字を上下逆にしたいわば逆L字形状の断面を有する。ここで、下垂部材26cのアキシャル方向の長さはフランジ部26eのアキシャル方向の長さよりも長い。また、下垂部材26cの内周面26dは、フランジ部26eの逆側に向かって半径が小さくなるテーパー状を有しており、後述するキャピラリーシール部TSを構成する。このような形状にすることによって、スラスト部材26の加工が、容易で安価になる。また、スラスト部材26が小型で薄くなっても、良好な寸法精度で作成される。その結果、ディスク駆動装置100の小型化や軽量化に効果がある。
スラスト部材26は、スラスト動圧発生部を構成する他に、回転体Rが固定体Sから抜けることを防止する機能を有する。衝撃によって、回転体Rと固定体Sとが相対的に移動すると、フランジ部26eは周状張出部16bの下面と接触する。その結果、スラスト部材26は、第1円筒部20bから外れる方向に応力を受ける。下垂部材26cと第1円筒部20bの接合距離が短いと、接合強度が弱くなるので、小さな衝撃でも、接合が破壊される可能性が高くなる。つまり、下垂部材26cと第1円筒部20bとの接合距離を長くするほど、衝撃に強くなる。
一方、フランジ部26eが厚くなると、キャピラリーシール部が短くなり、キャピラリーシール部において保持可能な潤滑剤28の容量が小さくなる。そのため、衝撃によって、潤滑剤28が飛散すると直ちに潤滑剤不足となる可能性がある。このような潤滑剤不足によって、流体動圧軸受は機能を低下させ焼き付きなどの機能不全を生じやすくなる。このような課題に対応するために、ディスク駆動装置100は、フランジ部26eを薄くすることによって、キャピラリーシール部を上下方向に長くしている。その結果、保持可能な潤滑剤28の量が大きくなり、衝撃によって、もし潤滑剤28が飛散しても容易には潤滑剤不足とならないように構成される。つまり、スラスト部材26のアキシャル方向の距離は、下垂部材26cに対して長く、フランジ部26eに対して短くなるように設計される。
下垂部材26cの外周面は第1円筒部20bの内周面に圧入により固着する方法があるが、下垂部材26cが圧入により応力を受けると、下垂部材26cの内周面に変形を生じ、この変形のためキャピラリーシール部の機能が損なわれるおそれがある。これに対応するために、前述のごとく、下垂部材26cの外周面は、第1円筒部20bの内周面より小径とし、両者を接着により固着する。その結果、下垂部材26cの変形が防止され、キャピラリーシール部の機能は十分に発揮される。
マグネット24は、第2円筒部20cの内周に固着されて、ステータコア12の外周に狭い隙間を介して対向するように設けられる。また、マグネット24は、Nd−Fe−B(ネオジウム−鉄−ボロン)系の材料で形成され、表面には電着塗装やスプレー塗装が施され、内周側は12極に着磁されている。
これまでの説明をまとめると、回転体Rのシャフト22が、固定体Sにおける円筒部内周面16aに挿入され、回転体Rは、ラジアル動圧軸受RB、スラスト動圧軸受SBを介して固定体Sに回転自在に支持される。ハブ20は、ステータコア12およびマグネット24と共に磁気回路を構成し、外部からの制御により各コイル18に順次通電がなされて、回転体Rは、回転駆動され浮上力を受け周囲の部材と非接触状態で浮上回転する。
次に、ディスク駆動装置100の構成における動圧軸受について説明する。ラジアル方向の動圧軸受は、シャフト22の外周面22cと、スリーブ16の円筒部内周面16aと、両者の間隙に充填されたオイル等の潤滑剤28とを含んで構成されるラジアル動圧発生部を含む。また、ラジアル動圧発生部として、アキシャル方向に離隔して、ハブ20から遠い方に第1ラジアル動圧軸受RB1が配置され、ハブ20から近い方に第2ラジアル動圧軸受RB2が配置される。第1ラジアル動圧軸受RB1と第2ラジアル動圧軸受RB2は、円筒部内周面16aと外周面22cとの隙間に設けられて、ラジアル方向の動圧を発生して回転体Rを支持する。第1ラジアル動圧軸受RB1と第2ラジアル動圧軸受RB2には、対向する外周面22cと円筒部内周面16aとの少なくとも一方に、動圧を発生させるための第1ラジアル動圧溝、第2ラジアル動圧溝が形成されている。この動圧溝は、例えばヘリングボーン状に形成される。
回転体Rが回転すると、ラジアル動圧溝がラジアル動圧を発生させ、当該ラジアル動圧によりシャフト22はスリーブ16に対してラジアル方向に所定の間隙を有して支持される。ここで、第1ラジアル動圧軸受RB1における第1ラジアル動圧溝のアキシャル方向の形成幅が、第2ラジアル動圧軸受RB2における第2ラジアル動圧溝のアキシャル方向の形成幅よりも狭く形成されている。これにより、シャフト22のアキシャル方向で異なる強さの側圧に対応したラジアル動圧が、第1ラジアル動圧軸受RB1と第2ラジアル動圧軸受RB2において発生するので、高いシャフト剛性と低いシャフトロスとの最適バランスが得られる。
一方、スラスト方向の動圧軸受は、図3に示すように、第1スラスト動圧軸受SB1、第2スラスト動圧軸受SB2を含む。ここで、第1スラスト動圧軸受SB1、すなわち第1スラスト動圧発生部は、フランジ部26eのスラスト下面26bとハウジング14の上端部と、それらのアキシャル方向の間隙に充填された潤滑剤28とによって形成される。また、第2スラスト動圧軸受SB2、すなわち第2スラスト動圧発生部は、フランジ部26eのスラスト上面26aと周状張出部16bの下面と、それらのアキシャル方向の間隙に充填された潤滑剤28によって形成される。
これらのアキシャル方向の間隙の少なくとも一方の対向面に、動圧を発生させるためのスラスト動圧溝(図示せず)が形成されている。このスラスト動圧溝は、例えばスパイラル状またはヘリングボーン状に形成される。スラスト動圧軸受SBは、回転体Rの回転にともなって、全体としてはポンプイン方向の動圧を発生し、この圧力によりアキシャル方向の力、つまり浮上力を回転体Rに作用させる。第1ラジアル動圧軸受RB1、第2ラジアル動圧軸受RB2、第1スラスト動圧軸受SB1,第2スラスト動圧軸受SB2における間隙に充填された潤滑剤28は、互いに共用されるとともに、キャピラリーシール部TSによりシールされて外部への漏出が防止されている。
キャピラリーシール部TSは、ハウジング14の外周面14eとスラスト部材26の内周面26dとによって構成されている。外周面14eは、上面側から下面側へ向かうにしたがって小径となるような傾斜面を有する。一方、これに対向する内周面26dも、上面側から下面側に向かうにしたがって小径となるような傾斜面を有する。
このような構成によって、外周面14eおよび内周面26dは、それらの隙間が上面側から下面側に向かうにしたがって拡がるような、キャピラリーシール部TSを形成する。ここで、キャピラリーシール部TSの途中に、潤滑剤28と外気との境界面(液面)が位置するように、潤滑剤28の充填量が設定されているので、毛細管現象により潤滑剤28は、このキャピラリーシール部TSによりシールされる。その結果、潤滑剤28の外部への漏出が防止されている。つまり、潤滑剤28は、第1ラジアル動圧軸受RB1、第2ラジアル動圧軸受RB2、第1スラスト動圧軸受SB1、第2スラスト動圧軸受SB2を含み、さらにハウジング14とスラスト部材26との間の空間、周状張出部16bとハブ20との間の空間等を含む潤滑剤保持部に充填されることになる。
また、前述のごとく、キャピラリーシール部TSは、外側の傾斜面である内周面26dが上面側から下面側に向かうにしたがって小径となるように設定されている。そのため、回転体Rの回転にともない、潤滑剤28には、それが充填された部分の内部方向に移動させる方向の遠心力が作用するので、外部への漏出がより確実に防止される。また、連通路Iは、ハウジング14の内周面にアキシャルに沿う方向に形成された溝14aにより確保される。連通路Iにより、第1ラジアル動圧軸受RB1および第2ラジアル動圧軸受RB2の両側が連通されているので、ラジアル動圧軸受の単独の圧力バランスが崩れても、全体の圧力バランスが良好に維持される。また、シャフト22や回転体Rに外部から力が加わるなどの外乱によって、第1ラジアル動圧軸受RB1、第2ラジアル動圧軸受RB2、スラスト動圧軸受SBにおける動圧のバランスが崩れても、即座に圧力が平均化してバランスが維持される。その結果、固定体Sに対する回転体Rの浮上量が安定し、信頼性の高いディスク駆動装置100が得られる。
図3を参照して第1スラスト動圧発生部および第2スラスト動圧発生部の詳細を説明する。
第1スラスト動圧発生部は、前述したようにフランジ部26eのスラスト下面26bとハウジング14のハウジング平坦部14dとその間に充填される潤滑剤28とで構成される。図3の例の場合、第1スラスト動圧発生部を構成する第1スラスト動圧溝46がフランジ部26eのスラスト下面26bに形成され、当該第1スラスト動圧溝46に対面するハウジング平坦部14dが第1対向面となる。図4(a)に示すように、第1スラスト動圧溝46は、深さ方向が回転体Rの軸方向に対して第1の軸方向を向く姿勢(図3中で上向き姿勢)で形成される。そして、回転体Rの回転に伴いフランジ部26eが図4(b)の矢印A方向に回転すると、潤滑剤28を保持する潤滑剤保持部の開放端部側であるキャピラリーシール部TSから潤滑剤保持部の内部側に向かうポンプイン方向の動圧を発生させる。つまり、第1スラスト動圧溝46は第1ポンプイン溝部として機能する。
一方、第2スラスト動圧発生部は、フランジ部26eのスラスト上面26aとスリーブ16の周状張出部16bの下面とその間に充填される潤滑剤28とで構成される。図3の例の場合、第2スラスト動圧発生部を構成する第2スラスト動圧溝48aと第2スラスト動圧溝48bがフランジ部26eのスラスト上面26aに形成され、当該第2スラスト動圧溝48a、48bに対面する周状張出部16bの下面が第2対向面となる。図4(b)に示すように、第2スラスト動圧溝48a、48bは、深さ方向が第1の軸方向とは逆方向の第2の軸方向を向く姿勢(図3中で下向き姿勢)で形成される。第2スラスト動圧溝48aは、ハブ20の回転中心と同心状に配置され、回転体Rの回転に伴いフランジ部26eが図4(b)の矢印B方向に回転するとポンプイン方向の動圧を発生させる第2ポンプイン溝部として機能する。また、第2スラスト動圧溝48bは、第2スラスト動圧溝48aより外周側で回転中心と同心状に配置され、ポンプイン方向とは逆方向であるポンプアウト方向の動圧を発生させるポンプアウト溝部として機能する。なお、第1スラスト動圧溝46、第2スラスト動圧溝48a、48bは例えばスパイラル形状に形成されてよい。
流体動圧軸受ユニットの場合、回転体Rが回転することにより生じるスラスト動圧および前述したラジアル動圧の合成動圧は、全体としてポンプイン方向に作用するように設定されている。このように、流体動圧軸受ユニットの潤滑剤28に対して全体として動圧がポンプイン方向に作用することで、ハブ20はシャフト22がスリーブ16から抜ける方向に力、つまり浮上力を受ける。ハブ20は、前述した吸引プレート44の作用によるハブ吸引力とハブ浮上力と回転体に加わる重力とがバランスする軸方向の位置で安定し、記録ディスク120の軸方向の位置を定める。言い換えれば、ハブ20が浮上方向に変位すると第1スラスト動圧軸受SB1の間隔が広がり、ポンプイン力は減少する。それに伴いハブ浮上力も減少する。一方、ハブ吸引力と回転体に加わる重力はハブ20の軸方向の変位に対して大きな変化はなく略一定である。したがって、ハブ吸引力とハブ浮上力と回転体に加わる重力とが等しくなる位置でハブ20の浮上姿勢は安定することになる。
ここで、ハブ20のハブ浮上力とスラスト方向の変位の関係について説明する。
まず、ハブ20のハブ浮上力とスラスト方向の変位の関係について発明者が認識している事項を説明する。図3の構造において、第2スラスト動圧溝48a、第2スラスト動圧溝48bは、図4(b)に示すように形成幅a、bが実質的に等しい場合を考える。この場合、図3に示すように、第2スラスト動圧溝48a、48bと対向する周状張出部16bの下面との隙間距離は等しいので、第2スラスト動圧溝48aのポンプイン方向の動圧と、第2スラスト動圧溝48bのポンプアウト方向の動圧は等しくニュートラル状態になる。この構造において、回転体Rの回転により第1スラスト動圧溝46の発生するポンプイン方向の動圧が高くなり、流体動圧軸受ユニット全体のポンプイン動圧が高くなると、ハブ浮上力が増大し、ハブ20はスリーブ16から抜ける出る方向に変位する。このとき、ハブ20が抜け出る方向に変位するとポンプイン動圧を発生している空間が広がり動圧が低下する。つまり、ハブ浮上力が低下する。そして、前述したハブ吸引力と回転体に加わる重力との三者がバランスする位置で安定する。
図5は、上述したようにバランスする流体動圧軸受ユニットのハブ20の浮上方向の変位(以下、スラスト変位という。)の大きさと、流体動圧軸受ユニットのポンプイン動圧によるハブ浮上力の関係を示した図である。この構成で、吸引プレート44とマグネット24との相互作用によるハブ吸引力と回転体に加わる重力との合計を例えば600mNに設定する。なお、図5に示すスラスト変位の範囲では、ハブ20が移動しても、回転体に加わる重力は一定でありハブ吸引力の変化は無視できる程度でありほぼ一定であるとする。この例では、回転体Rの回転時にハブ20はハブ浮上力=600mNのスラスト変位が安定点X1で釣り合って安定する。この安定点X1でのハブ20のスラスト方向の剛性(以下、単に剛性という。)はこの安定点での傾きで表すことができて、約56mN/μmである。すなわち、例えばディスク駆動装置100を搭載するモバイル機器やディスク駆動装置100自体に衝撃などのより振動加速度が与えられることによりハブ20に56mNの応力が生じた場合に、記録ディスク120は1μmのスラスト変位を生じることを意味する。
ところで、剛性が低いと振動加速度による応力に対する記録ディスク120のスラスト変位が大きくなる。そして、記録ディスク120のスラスト変位が大きくなると、磁気ヘッドと記録ディスク120との相対距離が不安定となり、データのリードライトエラーが増大する。一般に、振動の多い環境で使用される機会が多いモバイル機器では、剛性が40mN/μm以上あれば、振動に対するリード/ライトのエラーのレートは実用上許容される程度に収まるとされている。
一方で、モバイル機器へ搭載されるディスク駆動装置100は、前述したように駆動電流の低減が要求されている。このため、駆動電流を低減するためには、図2および図3の構成において、ハブ吸引力を低下させることで実現できる。この場合、例えば回転体に加わる重力との合計を400mNに設定できる。そして、図3の構成でハブ吸引力と回転体に加わる重力との合計を400mNに設定すると、安定点は図5のグラフのX2点に移動して釣り合う。この場合の剛性は約25mN/μmに低下する。このため前述したモバイル機器に必要な剛性を下回り、振動に対するリード/ライトのエラーレートが上昇してしまう不都合を生じる。
また、第2スラスト動圧溝48aのポンプイン方向の動圧と、第2スラスト動圧溝48bのポンプアウト方向の動圧は等しくニュートラルとなるように設定した場合も、動圧溝や対向する周状張出部16bの加工面のバラツキが生じることがある。この場合、第2スラスト動圧溝48aの発生するポンプイン方向の動圧が、第2スラスト動圧溝48bの発生するポンプアウト方向の動圧より大きい状態(以下、ポンプインリッチという)となることがある。例えば加工のバラツキにより12%ポンプインリッチになると図5の曲線Yで示される特性となる。この場合のハブ吸引力と回転体に加わる重力との合計が400mNの場合の剛性は15mN/μmに低下する。さらに加工のバラツキにより20%ポンプインリッチになると図5の曲線Zで示される特性となる。この場合のハブ吸引力と回転体に加わる重力との合計が400mNでの安定点は無くなる。安定点が無くなると第1動圧軸受SB1の隙間は反対側の第2スラスト動圧軸受SB2の隙間が無くなるまで広がる。動圧軸受の隙間が無くなるということは、ステータ側である周状張出部16bの下面と回転体側であるスラスト上面26aが接触することであり、その場合、接触負荷の増大による駆動電流の増加、磨耗による寿命の低下、接触による回転精度の悪化によるリード/ライトのエラーレートの大幅悪化などが発生する。
そこで、ポンプインリッチになることを積極的に抑制することにより、ハブ吸引力を低下させた場合でも必要な剛性を確保しハブ20のスラスト方向の位置を安定させるようにしてもよい
具体的には、第1スラスト動圧発生部を構成する第1スラスト動圧溝46と第2スラスト動圧発生部を構成する第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性を調整する。つまり、回転体Rが潤滑剤48中で浮上している状態から回転軸方向に偏倚するときに、ポンプアウト方向の動圧の変化の総和がポンプイン方向の動圧の変化の総和より大きくなる動圧発生特性を有するように構成する。
例えば、図6に示すように、ポンプアウト方向の動圧を発生する第2スラスト動圧溝48bのポンプアウト溝部の円周方向と直行する半径方向の形成幅cを第2スラスト動圧溝48aのポンプイン溝部の形成幅dより広くする。スラスト動圧溝で発生する動圧は、対向する周状張出部16bの下面との隙間距離が同じ場合、形成幅に概ね比例する。つまり、例えばハブ20が軸方向上側に偏移した場合に、第2スラスト動圧溝48a、48bと周状張出部16bの下面との隙間距離は共に狭くなる。しかし、第2スラスト動圧溝48bの形成幅が第2スラスト動圧溝48aの形成幅より大きいので、隙間距離の変化に対応するポンプアウト方向の動圧の変化は、ポンプイン方向の動圧の変化より大きくなる。つまり、第2スラスト動圧溝48a、48bにおいて、ポンプアウト方向の動圧がポンプイン方向の動圧より大きい、「ポンプアウトリッチ」になる。ポンプアウト溝部の形成幅cとポンプイン溝部の形成幅dの調整により例えば40%ポンプアウトリッチとすることができる。なお、ハブ20の浮上により第1スラスト動圧溝46とハウジング平坦部14dの隙間距離は広がり、ポンプイン方向の動圧は低下する。その結果、流体動圧軸受ユニット全体としての動圧は、ハブ20が偏倚しようとしたときのハブ浮上力が抑制され、結果的にスラスト変位が小さくなる。
図7は、上述したように、第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性を調整して「ポンプアウトリッチ」にした場合のハブ20のハブ浮上力とスラスト変位との関係を示す説明図である。なお、回転体Rが回転している場合は、第1スラスト動圧溝46によりポンプイン方向の動圧が発生し、第2スラスト動圧溝48a、48b側でポンプアウトリッチになっていても、流体動圧軸受ユニット全体としてはポンプイン方向の動圧が発生してハブ20が浮上する。図7において、第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性を調整してポンプアウトリッチにした場合、ハブ吸引力と回転体に加わる重力との合計を400mNに設定しても図7中曲線VのM1点で釣り合い安定点となる。この場合の剛性は約45mN/μmでありディスク駆動装置100をモバイル機器に搭載した場合に必要な剛性を上回り、振動に対するリード/ライトのエラーレートは実用上許容される。
なお、発明者らは、第2スラスト動圧溝48a、48b等の加工のバラツキを考慮した場合でも20%のポンプアウトリッチを確保可能であり、第2スラスト動圧溝48a、48b側でポンプインリッチになることはないという実験結果を得ている。20%のポンプアウトリッチの状態でも、図7の曲線Wで示される特性となり、400mNでの安定点がN1点となり安定点が無くなることはない。
このように構成される流体動圧軸受ユニットを含むディスク駆動装置100を搭載するモバイル機器が振動や衝撃を受けた場合について説明する。
例えば回転駆動中のディスク駆動装置100のベース部材10下面側から衝撃を受けた場合を考える。この場合、衝撃によりハブ20を含む回転体Rは上方に偏倚する。その結果、第2スラスト動圧溝48a、48bと周状張出部16bとの相対隙間が狭くなり発生する動圧は高くなる。この場合、第2スラスト動圧溝48bによるポンプアウト方向の動圧が第2スラスト動圧溝48aによるポンプイン方向の動圧より高くなるので、ハブ20の浮上を抑制する。そして、ハブ20が降下すると今度は、第1スラスト動圧溝46とハウジング平坦部14dとの隙間距離が狭くなり第1スラスト動圧溝46によるポンプイン方向の動圧が大きくなる。この動作が繰り返されることにより、外部より加えられた衝撃による偏倚量が減衰すると共に、早急に安定位置で静止させられる。つまり、偏倚し難い高剛性状態を第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性の調整により実現できる。言い換えれば、駆動電流の低減により低下した剛性を第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性の調整により補うことができる。
なお、回転駆動中のディスク駆動装置100のハブ20上面側から衝撃を受けた場合も同じであり、まず、衝撃によりハブ20を含む回転体Rは下方に偏倚する。その結果、第1スラスト動圧溝46とハウジング平坦部14dとの隙間距離が狭くなり第1スラスト動圧溝46におけるポンプイン方向の動圧が増加しハブ20が強い浮上力を受ける。その結果、第2スラスト動圧溝48a、48bと周状張出部16bとの相対隙間が狭くなり発生する動圧は高くなる。この場合、第2スラスト動圧溝48bによるポンプアウト方向の動圧が第2スラスト動圧溝48aによるポンプイン方向の動圧より高くなるので、ハブ20の浮上を抑制する。そして、ハブ20が降下する。以下は上述した例と同様に早急に安定位置に静止させるように動圧が作用する。
図8は、本実施形態のディスク駆動装置の第2スラスト動圧溝48a、48bの発生する動圧発生特性を調整する構造を説明する説明図である。この構造も第2スラスト動圧溝48a、48bと周状張出部16bと潤滑剤28で構成する第2スラスト動圧発生部で発生する動圧をポンプアウトリッチにしている。基本的な構造は図3の構造と同じであるが、第2スラスト動圧溝48bであるポンプアウト溝部と対向する周状張出部16bとの隙間距離をスリーブ16の半径方向外側に向かって縮小させている。図8の例では、テーパーを形成している。つまり、第2スラスト動圧溝48bと周状張出部16bの下面との隙間距離が第2スラスト動圧溝48aと周状張出部16bの下面との隙間距離より小さくなっている。前述したように動圧発生溝と相対する面との距離が小さいほど発生する動圧が大きくなる。その結果、第2スラスト動圧溝48bで発生するポンプアウト方向の動圧が、第2スラスト動圧溝48aで発生するポンプイン方向の動圧より大きくなる。つまり、回転体Rが回転したときに第2スラスト動圧発生部でポンプアウトリッチになる。なお、この場合、第2スラスト動圧溝48a、48bの形成幅は、図4(b)に示すように略同一でよい。別の例としては、第2スラスト動圧溝48bと対向する周状張出部16bとの隙間距離をスリーブ16の半径方向外側に向かって縮小させると共に、第2スラスト動圧溝48bの形成幅を第2スラスト動圧溝48aの形成幅より広げてポンプアウトリッチとなる割合を増やすように調整してもよい。
図9、図10及び図11は図3に示す参考例に係るスラスト動圧発生部の他の例を示す。
図9、第2スラスト動圧溝48a、48bの発生する動圧発生特性を調整する他の構造を説明する説明図である。図9も図8と類似するが、第2スラスト動圧溝48aであるポンプイン溝部と対向する周状張出部16bとの隙間距離がスリーブ16の半径方向内側に向かって拡大させている。図9の例では、テーパーを形成している。つまり、第2スラスト動圧溝48aと周状張出部16bの下面との隙間距離を第2スラスト動圧溝48bと周状張出部16bの下面との隙間距離より大きくなっている。その結果、第2スラスト動圧溝48aで発生するポンプイン方向の動圧が、第2スラスト動圧溝48bで発生するポンプアウト方向の動圧より小さくなる。つまり、第2スラスト動圧溝48bで発生するポンプアウト方向の動圧が、第2スラスト動圧溝48aで発生するポンプイン方向の動圧より大きくなる。その結果、回転体Rが回転したときに第2スラスト動圧発生部でポンプアウトリッチになる。なお、この場合も、第2スラスト動圧溝48a、48bの形成幅は、図4(b)に示すように略同一でよい。別の例としては、第2スラスト動圧溝48aと対向する周状張出部16bとの隙間距離をスリーブ16の半径方向内側に向かって拡大させると共に、第2スラスト動圧溝48bの形成幅を第2スラスト動圧溝48aの形成幅より広げてポンプアウトリッチとなる割合を増やすように調整してもよい。
なお、図9、図10において、隙間距離を調整するためにテーパー形状とする例を示したが、間隔距離の調整ができればよく、例えば、曲線形状としてもよし、階段状にしても同様な効果を得ることができる。
図10は、第2スラスト動圧溝48a、48bの発生する動圧発生特性を調整する他の構造を説明する説明図である。図10の構造の場合、図9等で示すハウジング14がスリーブ16に一体化された構造になっている。第1スラスト動圧発生部が、スリーブ16の上面とハブ20の下面と潤滑剤28とによって構成され、第1スラスト動圧溝46がハブ20の下面に設けられている。また、第2スラスト動圧発生部が、スリーブ16の下面とスラスト部材26のフランジ部26eの上面と潤滑剤28とによって構成され、第2スラスト動圧溝48a、48bがフランジ部26eの上面に設けられている。なお、図10の場合、第2スラスト動圧溝48bが第2スラスト動圧溝48aの外周側に同心状に形成されている。また、ポンプアウト方向の動圧を発生する第2スラスト動圧溝48bの形成幅は、第2スラスト動圧溝48aのポンプイン溝部の形成幅より広くなっている。なお、スラスト部材26の内筒面はスリーブ16の外筒面を環囲して、両者により形成される隙間は周状張出部16bから遠ざかるほど(図10では軸方向下側に向かうほど)隙間が拡大してキャピラリーシール部TSを形成している。
ハブ20が所定の方向に回転すると、第1スラスト動圧溝46と第2スラスト動圧溝48aはポンプイン方向の動圧を発生し、第2スラスト動圧溝48bポンプアウト方向の動圧を発生する。前述したように、第2スラスト動圧溝48b形成幅は、第2スラスト動圧溝48aの形成幅より広くなっているので、ハブ20が軸方向に偏倚した場合に、この偏倚に対応するポンプアウト方向の動圧の変化は、ポンプイン方向の動圧の変化より大きくなる。その結果、図3等で説明した構造と同様に、ハブ20の偏倚時に第2スラスト動圧発生部側がポンプアウトリッチになり、ハブ20の浮上力の増大を抑制する。つまり、外部より加えられた衝撃による偏倚量が減衰すると共に、早急に安定位置で静止させられる。つまり、偏倚し難い高剛性状態を第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性の調整により実現できる。言い換えれば、駆動電流の低減により低下した剛性を第2スラスト動圧溝48a、48bの動圧発生特性の調整により補うことができる。
なお、第1スラスト動圧溝46は周状張出部16bの上面側に形成してもよい。また、第2スラスト動圧溝48a、48bは、周状張出部16bの下面側に形成しても同様な効果を得ることができる。
図11は、図10の構造の変形例である。図11の例の場合、図10の例に対して、第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部の配置が逆になっている。すなわち、第1スラスト動圧発生部が、スリーブ16の下面とスラスト部材26のフランジ部26eの上面と潤滑剤28とによって構成され、第1スラスト動圧溝46がフランジ部26eの上面に設けられている。また、第2スラスト動圧発生部がスリーブ16の上面とハブ20の下面と潤滑剤28とによって構成され、第2スラスト動圧溝48a、48bがハブ20の下面に設けられている。なお、図11の場合、第2スラスト動圧溝48aが第2スラスト動圧溝48bの外周側に同心状に形成されている。また、ポンプアウト方向の動圧を発生する第2スラスト動圧溝48bの形成幅は、第2スラスト動圧溝48aのポンプイン溝部の形成幅より広くなっている。このような配置構成にしても図10と同様の効果を得ることができる。
なお、第1スラスト動圧溝46は周状張出部16bの下面側に形成してもよい。また、第2スラスト動圧溝48a、48bは、周状張出部16bの上面側に形成しても同様な効果を得ることができる。
図12は、図6に示す第2スラスト動圧溝48a、48bの変型例である。図6の場合は、第2スラスト動圧溝48aと第2スラスト動圧溝48bを分離して形成している。それに対して図12の例では、第2スラスト動圧溝48a、48bを連続させている。つまりポンプイン動圧溝の一端とポンプアウト動圧溝の一端とを接続している。第2スラスト動圧溝48a、48bを連続して形成する場合は、一工程で連続作業できる転造加工が適用可能となる。その結果、動圧溝加工の製造工程の簡略化や短縮化に寄与できる。一方、図6のように第2スラスト動圧溝48aと、第2スラスト動圧溝48bを分離する場合、個々の動圧溝の加工時間を短くできるので、加工時にフランジ部26eに付与される加工負荷の軽減が可能となり、薄いフランジ部26eの変形を効果的に防止できる。なお、図4(b)に示すように、第2スラスト動圧溝48a、48bの形成幅を同じにする場合も両者を接続してもよい。
スラスト部材26やフランジ部26eは、金属材料のプレス加工によって形成することが可能であり効率的に製造できる。また、フランジ部26eはプレス加工のときに併せて、第2スラスト動圧溝48a、48bを形成してもよい。この場合、製造効率をさらに向上できる。また、スラスト部材26やフランジ部26eは、プラスチック材料等の樹脂材料で成形してもよい。またフランジ部26eにおいては、樹脂成形時に第2スラスト動圧溝48a、48bを同時に成形してもよい。この場合、ディスク駆動装置の軽量化に寄与できると共に、製造効率の向上にも寄与できる。
上述した第1スラスト動圧発生部や第2スラスト動圧発生部の形成位置や各動圧溝の形状等は一例である。したがって、第1スラスト動圧発生部と第2スラスト動圧発生部は、回転体Rが潤滑剤28中で浮上している状態から回転軸方向に偏倚するときに、ポンプアウト方向の動圧の変化の総和がポンプイン方向の動圧の変化の総和より大きくなる動圧発生特性になれば、形成位置や形状を適宜変更してもよい。そして、その動圧発生特性にすれば、本実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、第2スラスト動圧発生部をポンプイン動圧溝である第2スラスト動圧溝48a、ポンプアウト動圧溝である第2スラスト動圧溝48bの2つで構成する場合を説明した。別の実施例では、第2スラスト動圧発生部をポンプアウト動圧溝のみで構成してもよく、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得られる。
TS キャピラリーシール部、 S 固定体、 R 回転体、 10 ベース部材、 14 ハウジング、 16 スリーブ、 16b 周状張出部、 20 ハブ、 26 スラスト部材、 26e フランジ部、 28 潤滑剤、 44 吸引プレート、 46 第1スラスト動圧溝、 48a 第2スラスト動圧溝、 48b 第2スラスト動圧溝、 100 ディスク駆動装置、 120 記録ディスク。

Claims (1)

  1. 吸引プレートが固着されたベース部材と、
    マグネットが固着され、記録ディスクを載置する回転体と、
    前記ベース部材上に配設され、前記回転体を回転自在に支持する軸受ユニットと、
    前記回転体を回転させる駆動ユニットと、を備え、
    前記軸受ユニットは、
    前記回転体と一体的に回転するスラスト部材と、
    前記ベース部材の少なくとも一部と前記回転体の少なくとも一部との間において、外気と繋がる開放端部を一個所とした袋状の空間に潤滑剤を連続的に保持する潤滑剤保持部と、
    前記潤滑剤保持部の一部に形成され、前記回転体が回転することにより前記開放端部側から当該潤滑剤保持部の内部側に向かうポンプイン方向の第1動圧を発生させる動圧発生部であって、前記スラスト部材の下面に形成される第1スラスト動圧溝と当該第1スラスト動圧溝に対面する第1対向面とその間に充填される前記潤滑剤とで構成される第1スラスト動圧発生部と、
    前記潤滑剤保持部の前記第1スラスト動圧発生部の前記開放端部とは反対側に設けられ、前記回転体が回転することにより、前記ポンプイン方向とは逆方向のポンプアウト方向であって、前記第1動圧と合成した全体としては前記回転体にアキシャル方向の浮上力を作用させる前記ポンプイン方向の合成動圧となる大きさの第2動圧を発生させる動圧発生部であって、前記スラスト部材の上面に形成される第2スラスト動圧溝と当該第2スラスト動圧溝に対面する第2対向面とその間に充填される前記潤滑剤とで構成される第2スラスト動圧発生部と、を有し
    記第1スラスト動圧溝は、深さ方向が前記回転体の軸方向に対して第1の軸方向を向く姿勢で形成され、前記第2スラスト動圧溝は、深さ方向が前記第1の軸方向とは逆方向の第2の軸方向を向く姿勢で形成され、
    前記第2スラスト動圧溝は、前記回転体の回転中心と同心状に配置された前記ポンプイン方向の動圧を発生させるポンプイン溝部と、当該ポンプイン溝部より外周側で前記回転中心と同心状に配置され前記ポンプアウト方向の動圧を発生させるポンプアウト溝部とで構成され、
    前記ポンプアウト溝部と対向する前記第2対向面との隙間距離は前記回転体の半径方向外側に向かって縮小しており、
    前記第1スラスト動圧発生部と前記第2スラスト動圧発生部は、前記回転体が前記潤滑剤中で浮上している状態から回転軸方向に偏倚するときに、前記ポンプアウト方向の動圧の変化の総和が前記ポンプイン方向の動圧の変化の総和より大きくなる動圧発生特性を有し、
    前記吸引プレートは前記マグネットとの間に磁気的吸引力を生じることによって前記回転体を前記ベース部材側に引き寄せる方向の吸引力を発生し、
    前記回転体が回転しているときに、前記第1スラスト動圧発生部が発生する前記回転体を前記固定体から軸方向に離間させる浮上力と、前記第2スラスト動圧発生部が発生する前記回転体の浮上を抑制する力と、の合成力が、前記回転体に加わる重力と前記吸引力との合計と釣り合うように構成されることを特徴とするディスク駆動装置。
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