JP5673919B2 - 媒体送り装置、記録装置 - Google Patents
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Description
本願において、記録装置には、インクジェットプリンター、ワイヤドットプリンター、レーザープリンター、ラインプリンター、複写機、ファクシミリ等の種類が含まれるものとする。
また、本発明の第1の態様の媒体送り装置は、被送り媒体と接触し該被送り媒体を送り方向下流側へ送る送り手段と、該送り手段によって送られる被送り媒体が接触し摩擦力によって最上位の被送り媒体と次位以降の被送り媒体とを分離する第1分離部材と、該第1分離部材より被送り媒体との間の摩擦係数が低い第2分離部材と、を備え、前記第1分離部材および前記第2分離部材は、リブ状に形成され、被送り媒体の送り方向に対する幅方向に配列されており、前記第1分離部材および前記第2分離部材における被送り媒体と接触する面は、同じ面上となる関係の位置に設けられていることを特徴とする。
例えば、被送り媒体が比較的剛性の低い媒体である場合は剛性が比較的低いので被送り媒体の先端がリブにくい込んで波形になる。これにより、前記先端と前記リブの角(幅方向の端)とが接触し、前記先端と前記リブの面とは僅かに離間した状態となる。即ち、前記先端は前記リブの面に対して傾いた状態であり略点接触した状態となる。従って、被送り媒体は、第1分離部材および第2分離部材と接触する面積が小さい状態で分離される。この際、後述する剛性の高い媒体の場合と比較して第1分離部材および第2分離部材から受ける負荷の大きさは小さいが、剛性の低い媒体を分離するための必要十分な大きさに前記負荷の大きさを設けることにより、確実に分離することができる。
特に、比較的剛性の高い媒体としての写真光沢紙の紙と紙とのくっつきを確実にはがすことができ有効である。即ち、比較的剛性が高く積層方向に隣り合う媒体同士が密着しやすい被送り媒体である場合に特に有効である。
また、本発明の第2の態様の媒体送り装置は、被送り媒体と接触し該被送り媒体を送り方向下流側へ送る送り手段と、該送り手段によって送られる被送り媒体が接触し摩擦力によって最上位の被送り媒体と次位以降の被送り媒体とを分離する第1分離部材と、該第1分離部材より被送り媒体との間の摩擦係数が低い第2分離部材と、を備え、前記送り手段が被送り媒体と接触する箇所が該被送り媒体における幅方向中心に対して偏倚した位置にあることにより前記送り手段によって送られる被送り媒体の姿勢が送り方向に対して傾く構成であり、前記第2分離部材は、被送り媒体の幅方向において前記第1分離部材を基準として被送り媒体の下流端である先端が先行する側に設けられていることを特徴とする。
例えば、被送り媒体が比較的剛性の低い媒体である場合は剛性が比較的低いので被送り媒体の先端が第2分離部材に当接した際、被送り媒体の先端近傍が撓む。これにより、送り方向に対する被送り媒体全体の姿勢はそのままで殆ど変化しない。従って、被送り媒体は、第2分離部材によって分離される。
特に、比較的剛性の高い媒体としての写真光沢紙の紙と紙とのくっつきを確実にはがすことができ有効である。
本発明の第3の態様によれば、第1または第2の態様と同様の作用効果に加え、被送り媒体が多数枚セットされた場合であっても、前記第1分離部材および前記第2分離部材が従来技術のように押し込まれて移動する虞がない。即ち、被送り媒体の先端との接触状態を安定させることができる。
本発明の第4の態様によれば、第1から第3のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、幅方向において複数の点で比較的剛性の高い被送り媒体と接触して送り方向に対する姿勢を安定させることができる。
例えば、剛性の高い被送り媒体の送り方向に対する姿勢が傾いていた場合、前記送り手段が被送り媒体と接触する箇所と、前記複数の点のうちの端の点との間の位置を中心として被送り媒体の姿勢を正す方向へ剛性の高い被送り媒体を変位させることが可能である。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、どちら側に被送り媒体がスキューした場合であっても対応することができる。被送り媒体のサイズが異なることにより被送り媒体における前記送り手段との接触箇所の幅方向における位置が被送り媒体の中心に対して偏倚する側が変わった場合でも対応することができる。
本発明の第6の態様によれば、前記媒体送り手段は、上記第1から第5のいずれか一の態様の前記媒体送り装置を備えている。従って、前記記録装置において、上記第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果を得ることができる。
図1に示すのは、本発明に係る記録装置の一例であるプリンターの概略を示す側面図である。
図1に示す如く、本発明に係るプリンター1は、媒体送り手段2と、送り経路と、記録部16と、排出部20と、を備えている。
また、記録部16は、媒体送り手段2によって送られた用紙Pに対して記録を実行することができるように構成されている。またさらに、排出部20は、記録された用紙Pを排出し、排出トレイ上(図示せず)に載置することができるように設けられている。
尚、モーターは、アーム部4とは別のプリンター1の基体部側の箇所に設けてもよいし、アーム部上に設けてもよい。前者の場合、揺動軸5を介してギア輪列等の動力伝達手段によってピックアップローラー3まで動力を伝達するように構成する。一方、後者の場合、揺動軸5を介さずにギア輪列等の動力伝達手段によってピックアップローラー3まで動力を伝達するように構成する。
ここで、「土手分離機構」とは、所定の角度で用紙Pが進入するように面を設け用紙Pの先端に負荷を与えることにより分離する機構をいう。
尚、第1従動ローラー14bに代えて回動に所定の負荷を伴う所謂、リタードローラーでもよい。係る場合、土手分離機構での分離が十分でない場合に、重送された用紙Pを確実に分離することができる。即ち、第1駆動ローラー14aと直接的に接触する用紙を、該用紙よりリタードローラー側の用紙から分離することができる。
尚、用紙Pの先端が第2ローラー対15に到達した際、送り方向Yに対する用紙Pの姿勢を正す所謂、スキュー取りが実行されるように構成されているのは言うまでもない。
尚、本実施形態では、インクを吐出するインクジェット式の記録部16を採用したが他の構成でもよい。例えば、トナーを用紙Pに付着させ、熱と圧力をかけて用紙Pに記録する所謂、レーザープリンターの構成でもよい。
尚、媒体送り手段2の載置部6は、プリンター本体に対して着脱可能な所謂、カセットタイプの構成でもよいし、プリンター本体と一体に形成されている構成でもよい。
続いて、本発明の要部である媒体送り手段2についてさらに詳しく説明する。
図2に示す如く、媒体送り手段2において、載置部上には、第1エッジガイド12および第2エッジガイド13が設けられている。このうち、第1エッジガイド12は、幅方向Xにおける用紙Pの一方の側端と接触して用紙Pを送り方向Yへ案内することができるように設けられている。また、第2エッジガイド13は、用紙のサイズに応じて幅方向Xへ摺動可能に設けられており、用紙Pの他方の側端と接触して用紙Pを送り方向Yへ案内することができるように設けられている。即ち、第1エッジガイド12および第2エッジガイド13は、幅方向Xにおける用紙Pの位置を決めることができるように設けられている。
ここで、しっかりと決めるのではなく「ある程度決める」のは、給送を開始した際に、第1エッジガイド12および第2エッジガイド13が図示しない移動機構によって用紙Pの側端から僅かに離間して搬送負荷である所謂、バックテンションを低減させるように構成されているからである。
また、第1分離部材9および第2分離部材10は、リブ状に形成されており、幅方向Xに間隔D1〜D4を空けて配設されている。
図3に示す如く、分離手段7の第1分離部材9における用紙Pが接触する正面箇所9a、および第2分離部材10における用紙Pが接触する正面箇所10aは、基準となる斜面11より送り方向上流側へ突出して設けられている。これは、用紙Pが給送される際、用紙Pの先端が第1分離部材9および第2分離部材10の少なくとも一方と接触することができるようにするためである。
また、第1分離部材9の幅方向両側に第2分離部材10が配設されている。これは、詳しくは後述するように送り方向Yに対して用紙Pが僅かに傾いた状態で用紙Pの先端が分離手段7と接触した場合、少なくとも第2分離部材10と接触させるためである。
続いて、用紙の剛性の高低の差による用紙Pの先端の分離手段7に対する接し方の差について「原理その一」と、「原理その二」とに分けて詳しく説明する。
図4(A)(B)に示すのは、厚紙を給送する際の用紙の先端の状態を示す概略図である。このうち、図4(A)は厚紙の先端が傾斜面と当接した状態を示す概略側面図である。一方、図4(B)は図4(A)における厚紙の先端の状態を示す要部拡大平面図である。
ここで、「厚紙」とは、用紙の種類で厚みが比較的厚く、コシが比較的強いものをいう。コシが比較的強い媒体である「第1の媒体」の下位概念である。
この際、図4(B)に示す如く、用紙のコシが強いので厚紙P1の先端は、変形せずに傾斜面8を構成する第1分離部材9における正面箇所9a、および第2分離部材10における正面箇所10aと線接触する。
図5(A)(B)に示すのは、普通紙を給送する際の用紙の先端の状態を示す概略図である。このうち、図5(A)は普通紙の先端が傾斜面と当接した状態を示す概略側面図である。一方、図5(B)は図5(A)における普通紙の先端の状態を示す要部拡大平面図である。
ここで、「普通紙」とは、用紙の種類で厚みが厚紙と比較して薄く、コシが厚紙と比較して弱いものをいう。コシが「第1の媒体」と比較して弱い媒体である「第2の媒体」の下位概念である。
ここで、前述した厚紙P1の場合と異なる点は、普通紙P2の場合の用紙のコシの強さが厚紙P1の場合と比較して弱いことである。
従って、普通紙P2の先端には、第1分離部材9および第2分離部材10による摩擦力が前述した厚紙P1の場合(原理その一)と比較して小さな摩擦力が作用する。その結果、普通紙P2の先端は確実に傾斜面8を上ることができる。即ち、傾斜面8を通過できずに不送りである所謂、ノンフィードとなる虞がない。また、確実に重送されようとする次位以降の普通紙P2を確実に最上位に普通紙P2から分離することができ、最上位の普通紙P2のみを送り方向下流側へ送ることができる。
図6(A)(B)に示すのは、厚紙を給送する際の用紙の姿勢を示す概略平面図である。このうち、図6(A)はスキューした厚紙の先端部分が傾斜面を構成する第2分離部材に衝突するときの状態である。一方、図6(B)は厚紙の先端部分が第2分離部材に衝突した後の状態である。
尚、図6(A)(B)に示す用紙のサイズは、A4サイズである。
また、本実施例において、第1分離部材9の両側に第2分離部材10、10を配設したのは、A4サイズ以外であるA3サイズ、B3サイズ、A2サイズの場合に、第1分離部材9を基準とした厚紙における右側の先端が先行するからである。即ち、A3サイズ、B3サイズ、A2サイズの場合、用紙の中心に対してピックアップローラーが偏倚する側が右側となり、A4サイズの場合と比較して用紙が傾く方向が逆になるからである。例えば、A4サイズ専用の構成である場合、第2分離部材を第1分離部材の両側に設ける必要はなく、先行する側である左側に設ければ足りる。
図7(A)(B)に示すのは、普通紙を給送する際の用紙の姿勢を示す概略平面図である。このうち、図7(A)はスキューした普通紙の先端部分が傾斜面を構成する第2分離部材に衝突するときの状態である。一方、図7(B)は普通紙の先端部分が第2分離部材に衝突した後の状態である。
図7(A)に示す如く、前述した厚紙P1の場合と同様、普通紙P2が給送される際、普通紙P2の左側の先端が右側の先端より先行するように、普通紙P2の姿勢が送り方向Yに対して傾く。そして、普通紙P2は先ず、第1分離部材9を基準とした普通紙P2の先端の先行する側(本実施例では左側)の第2分離部材10に衝突する。
ここで、前述した厚紙P1の場合と異なる点は、普通紙P2の場合の用紙のコシの強さが厚紙P1の場合と比較して弱いことである。
またさらに、本実施形態において、第1分離部材9は幅方向Xに間隔D1を空けて複数配設されていることを特徴とする。尚、上記実施例では二つ設けたが、三つ以上でもよいのは勿論である。同様の作用効果を得ることができるからである。
本実施形態の記録装置の一例であるプリンター1は、被記録媒体の一例である用紙Pを送り方向Yへ送る媒体送り手段2と、媒体送り手段2によって送られた用紙Pに対して記録ヘッド18により記録する記録部16と、を備えていることを特徴とする。
5 揺動軸、6 載置部、7 分離手段、8 傾斜面、9 第1分離部材、
9a 正面箇所、10 第2分離部材、10a 正面箇所、11 基準となる斜面、
12 第1エッジガイド、13 第2エッジガイド、14 第1ローラー対、
14a 第1駆動ローラー、14b 第1従動ローラー(リタードローラー)、
15 第2ローラー対、15a 第2駆動ローラー、15b 第2従動ローラー、
16 記録部、17 キャリッジ、18 記録ヘッド、19 媒体支持部、
20 排出部、21 第3ローラー対、
A ピックアップローラーが用紙と接触する箇所、B 用紙の幅方向中心、
D1〜D4 間隔、E1〜E8 用紙側端の位置、P 用紙、
P1 厚紙(第1の媒体)、P2 普通紙(第2の媒体)、X 幅方向、Y 送り方向、
Z 積層方向(鉛直方向)
Claims (6)
- 被送り媒体と接触し該被送り媒体を送り方向下流側へ送る送り手段と、
該送り手段によって送られる被送り媒体が接触し摩擦力によって最上位の被送り媒体と次位以降の被送り媒体とを分離する第1分離部材と、
該第1分離部材より被送り媒体との間の摩擦係数が低い第2分離部材と、を備え、
前記第1分離部材および前記第2分離部材は、リブ状に形成され、被送り媒体の送り方向に対する幅方向に配列されており、
前記第1分離部材および前記第2分離部材における被送り媒体と接触する面は、同じ面上となる関係の位置に設けられ、
前記第1分離部材は、1つの前記送り手段と対向する位置に、間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする媒体送り装置。 - 被送り媒体と接触し該被送り媒体を送り方向下流側へ送る送り手段と、
該送り手段によって送られる被送り媒体が接触し摩擦力によって最上位の被送り媒体と次位以降の被送り媒体とを分離する第1分離部材と、
該第1分離部材より被送り媒体との間の摩擦係数が低い第2分離部材と、を備え、
前記送り手段が被送り媒体と接触する箇所が該被送り媒体における幅方向中心に対して偏倚した位置にあることにより前記送り手段によって送られる被送り媒体の姿勢が送り方向に対して傾く構成であり、
前記第2分離部材は、被送り媒体の幅方向において前記第1分離部材を基準として被送り媒体の下流端である先端が先行する側に設けられ、
前記第1分離部材は、1つの前記送り手段と対向する位置に、間隔を空けて複数設けられていることを特徴とする媒体送り装置。 - 請求項1または2に記載の媒体送り装置において、前記第1分離部材および前記第2分離部材は固定されており、前記第1分離部材および前記第2分離部材における被送り媒体と接触する面は変位しない構成であることを特徴とする媒体送り装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の媒体送り装置において、複数の前記第1分離部材の間隔は、前記第1分離部材の幅方向の長さよりも長いことを特徴とする媒体送り装置。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の媒体送り装置において、前記第2分離部材は、幅方向における前記第1分離部材を基準とした外側に該第1分離部材と間隔を空けて配設されていることを特徴とする媒体送り装置。
- 被記録媒体を送り方向へ送る媒体送り手段と、
該媒体送り手段によって送られた被記録媒体に対して記録ヘッドにより記録する記録部と、を備えた記録装置であって、
前記媒体送り手段は、請求項1から5のいずれか1項に記載された前記媒体送り装置を
備え、前記被記録媒体は、前記被送り媒体である記録装置。
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