JP5673132B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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本発明は、地震等により発生するエレベータのガバナロープの昇降路内機器などへの引っ掛かりを検出する装置の改良に関するものである。
図4はエレベータの昇降路内の概略を示す図であり、1はかご2とカウンターウェイト3とを連結した主ロープであり、その中間部が昇降路頂部に設置された巻上機4の主シーブ5に巻き掛けられている。6は昇降路頂部に設置されたガバナ7のプーリ、8は昇降路下部に設置されたテンションプーリ、9はガバナプーリ6とテンションプーリ8とに無端状に巻き掛けられたガバナロープで、リンク10によってかご2と連結されている。
そして、かご2が所定速度以上で下降するとガバナ7が作動して、ガバナロープ9を拘束し、かご2に対してリンク10が相対的に引き上げられ、かご2を停止させる構成になっている。
前記テンションプーリ8は、従来は図5及び図6(a),(b),(c)のような構成になっていた(特許文献1参照)。
図において、20はかご2のガイドレール、21はバッファ台、22はテンションプーリ8をガイドレール20に保持する保持板、23は保持板22に設けられたスイッチである。24はテンションプーリ8に設けられたおもりであり、ガバナロープ9にテンションを掛けている。25はテンションプーリ8に設けられた検出板で前記スイッチ23を作動させるものである。
据付や調整を行った初期の状態では、図6(a)に示すように、スイッチ23は検出板25の中央に位置するようになっている。
そして、長年の使用によりガバナロープ9が伸びてくると、図6(b)に示すように、テンションプーリ8が下降し、スイッチ23は検出板25の上方に位置するようになる。
更に、ガバナロープ9が伸びると又はガバナロープ9が切断されると、図6(c)に示すように、テンションプーリ8が更に下降し、検出板25がスイッチ23から外れてしまい、スイッチ23が作動しテンションプーリ8の異常下降が検出される。
地震などによりガバナロープ9が昇降路内機器等に引っ掛かった場合には、テンションプーリ8が引き上げられ、検出板25は図6(c)の破線で示すように、上昇する。これにより、検出板25がスイッチ23から外れてしまい、スイッチ23が作動しテンションプーリ8の異常上昇が検出される。
これは、テンションプーリ8が図6(a)や図6(b)の状態にあるときでも同じである。
このように、この従来技術は、テンションプーリ8の異常上昇及び異常下降の両方を検出することができる。
特開2008−150202号公報
前記従来技術では、図6(c)の状態のときに地震が発生して、ガバナロープ9が昇降路内機器等に引っ掛かった場合、検出板25は図6(c)の実線位置から破線位置まで上昇しないとスイッチ23は作動しない。
そのため、ガバナロープ9の引っ掛かりの状態によりテンションプーリ8の上昇量が少ない場合には、これを検出することができないという問題がある。
また、テンションプーリ8の上昇を確実に検出するために、検出板25の長さを短くすると、テンションプーリ8が少し下降しただけでスイッチ23が作動してしまうことになる。
本発明は、エレベータのかごに連結されたガバナロープと、このガバナロープの動きに同期して駆動されるテンションプーリと、このテンションプーリと昇降路固定側との間に連結された連結装置とを備えたものにおいて、前記連結装置は、前記テンションプーリの下方への移動は許容するが上方への移動は制限する下降許容装置と、前記テンションプーリの上方への移動は許容するが下方への移動は制限する上昇許容装置とが直列に配置されるとともに、前記上昇許容装置には前記テンションプーリの上方への移動を検出する検出装置が設けられた構成である。
また本発明は、前記下降許容装置は、歯型部材と、この歯型部材に係合され前記テンションプーリの上方への移動を阻止する爪部材とを備えたものである。
また本発明は、前記上昇許容装置は、前記テンションプーリの下方への移動を阻止する装置と、前記テンションプーリの上方への移動を阻止する方向に付勢された弾性体とを備えたものである。
また本発明は、前記下降許容装置に前記テンションプーリの下方への移動を検出する検出装置を設けたものである。
本発明によれば、経年変化によるガバナロープの伸びにも対応できる上、テンションプーリの異常上昇を従来以上に精度良く検出することができる。
本発明の実施の形態を示す図であり、テンションプーリの設置状態を示す図である。 図1の要部説明図である。 本発明の他の実施の形態を示す図である。 エレベータの昇降路内の概略を示す図である。 従来のテンションプーリの設置状態を示す図である。 図5の動作を説明する図である。
本発明の実施の形態を図1,図2により説明する。図1は図5に相当する図、図2はその要部の説明図であり、図5と同一符号は同一のものを示している。
図において、30はテンションプーリ8をガイドレール20に保持する保持板、31は保持板30に設けられた半円状の歯型部材、32は軸32aによって歯型部材31の中心に枢着された腕部材、33は腕部材32に枢着された爪部材であり、ばね34によって時計方向に付勢されている。前記歯型部材31〜ばね34で、テンションプーリ8の下降を許容するラチェット機構35からなる下降許容装置36を構成している。
従って、爪部材33は常に歯型部材31に係合しており、腕部材32の軸32aを中心とした時計方向の回転は阻止し、反時計方向の回転は許容している。
40は一側が軸40aによって腕部材32に枢着され、他側がテンションプーリ8に枢着された第2腕部材、41は軸40aを中心として第2腕部材40を図1の反時計方向に付勢するばねであり、腕部材32や第2腕部材40の自重によって両腕部材32,40が折れ曲がらないようにするとともに、かご2内の乗客がいたずら等によりかご2を揺すったような場合に、テンションプーリ8及び第2腕部材40の上下振動を抑える機能も有する。
42は第2腕部材40の反時計方向の回転を阻止するストッパ、43は第2腕部材40が時計方向に一定量回転したときに作動するスイッチであり、第2腕部材40〜ストッパ42によって上昇許容装置44を構成している。
従って、ガイドレール20とテンションプーリ8との間に、下降許容装置36と上昇許容装置44とが直列に配置された構成になっている。
据付や調整を行った初期の状態では、図1に示すように、第2腕部材40はばね41によってストッパ42に接しており、スイッチ43は非作動の状態にある。
そして、長年の使用によりガバナロープ9が伸びてくると、テンションプーリ8が下降し、腕部材32は軸32aを中心にして反時計方向に回転するが、第2腕部材40はストッパ42に接したままであるため、スイッチ43は非作動のままである。
地震などによりガバナロープ9が昇降路内機器等に引っ掛かった場合には、テンションプーリ8が引き上げられるため、第2腕部材40は図2のようにばね41に抗して時計方向に回転し、スイッチ43が作動しテンションプーリ8の異常上昇が検出される。
このように、本実施の形態によれば、ガバナロープ9の伸びには影響されることなく、テンションプーリ8の異常上昇を検出することができる。またスイッチ43の設置位置を調節することにより、スイッチ43が作動するテンションプーリ8の上昇位置を調節することができる。
尚、下降許容装置36はラチェット機構35を使用しているため、構造上テンションプーリ8の上昇は完全に0ではないが、歯型部材31の歯の範囲内での若干の上昇にすぎない。つまり、下降許容装置36はテンションプーリ8の下方への移動は許容するが上方への移動は制限するものである。
また、上昇許容装置44はその構造上、第2腕部材40がストッパ42に接していた位置からテンションプーリ8が上昇した分だけ下降可能であるが、あくまでもテンションプーリ8の一時的な上昇分のみの下降にすぎない。つまり、上昇許容装置44はテンションプーリ8の上方への移動は許容するが下方への移動は制限するものである。
更に、保持板30の腕部材32の下方位置にスイッチを設置することにより、テンションプーリ8が所定以上下降したことを検出することもできる。
前記実施の形態では、ラチェット機構35は、ガイドレール20側に歯型部材31、腕部材32側に爪部材33を配置しているが、逆にガイドレール20側に爪部材、腕部材32側に歯型部材を配置することもできる。
次に本発明の、他の実施の形態について図3により説明する。この実施の形態は前記の実施の形態から、下降許容装置36と上昇許容装置44を入れ替えたものである。
図において、図1と同一符号は同一のものを示しており、50はテンションプーリ8をガイドレール20に保持する保持板、51は軸51aによって保持板50に枢着された腕部材であり、保持板50と腕部材51には前記実施の形態と同様に、ばね41,ストッパ42,スイッチ43が設置され、上昇許容装置44が構成されている。
60は一側が軸60aによって腕部材51に枢着され、他側がテンションプーリ8に枢着された第2腕部材で、この第2腕部材60には前記実施の形態と同様に歯型部材31が設けられ、腕部材51には爪部材33,ばね34が設けられて、ラチェット機構35からなる下降許容装置36が構成されている。
そして、長年の使用によりガバナロープ9が伸びてくると、テンションプーリ8が下降し、第2腕部材60は軸60aを中心にして反時計方向に回転するため歯型部材31も反時計方向に回転するが、腕部材51はストッパ42に接したままであるため、スイッチ43は非作動のままである。
地震などによりガバナロープ9が昇降路内機器等に引っ掛かった場合には、テンションプーリ8が引き上げられるため、第2腕部材60及び腕部材51は図3の状態を保って軸51aを中心としてばね41に抗して時計方向に回転し、スイッチ43が作動しテンションプーリ8の異常上昇が検出される。
このように、本実施の形態においても、ガバナロープ9の伸びには影響されることなく、テンションプーリ8の異常上昇を検出することができる。またスイッチ43の設置位置を調節することにより、スイッチ43が作動するテンションプーリ8の上昇位置を調節することができる。
更に、第2腕部材60と腕部材51との間にスイッチを設置して、歯型部材31の回転を検出するようにすれば、テンションプーリ8が所定以上下降したことを検出することもできる。
前記実施の形態では、ラチェット機構35は、第2腕部材60側に歯型部材31、腕部材51側に爪部材33を配置しているが、逆に第2腕部材60側に爪部材、腕部材51側に歯型部材を配置することもできる。
前記の各実施の形態では、歯型部材が半円状のものを使用しているが、上下方向の直線状のものを使用することもできる。この場合、ラチェット機構部分に使用される腕部材は回転ではなく、テンションプーリとともに上下動させる構成にしておく。
2 かご
8 テンションプーリ
9 ガバナロープ
24 おもり
31 歯型部材
32,51 腕部材
33 爪部材
34,41 ばね
35 ラチェット機構
36 下降許容装置
40,60 第2腕部材
42 ストッパ
43 スイッチ
44 上昇許容装置

Claims (4)

  1. エレベータのかごに連結されたガバナロープと、このガバナロープの動きに同期して駆動されるテンションプーリと、このテンションプーリと昇降路固定側との間に連結された連結装置とを備えたものにおいて、
    前記連結装置は、前記テンションプーリの下方への移動は許容するが上方への移動は制限する下降許容装置と、前記テンションプーリの上方への移動は許容するが下方への移動は制限する上昇許容装置とが直列に配置されるとともに、前記上昇許容装置には前記テンションプーリの上方への移動を検出する検出装置が設けられた構成であることを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記下降許容装置は、歯型部材と、この歯型部材に係合され前記テンションプーリの上方への移動を阻止する爪部材とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。
  3. 前記上昇許容装置は、前記テンションプーリの下方への移動を阻止する装置と、前記テンションプーリの上方への移動を阻止する方向に付勢された弾性体とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
  4. 前記下降許容装置に前記テンションプーリの下方への移動を検出する検出装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のエレベータ装置。
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