JPH0977409A - エレベータ用ガバナロープ異常検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータの走行速度をチェックする過速
スイッチのガバナロープの切断、引っ掛かりを切断する
装置がなく、これらの異常は目視によって発見してい
た。これを機械的に容易に発見できるようにしたい。 【解決手段】ガバナテンショナの振れ止めの腕に検出ア
ームを取付け、これに連動するリミットスイッチを設け
て、ロープの切断、引っ掛けによりガバナテンショナの
位置が変化すると、その変化をリミットスイッチが検出
し、その変化量が予め決めた範囲外である場合はこれを
異常として検出し表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータのガバナ
ロープに発生する引っ掛り、切断、シーブからの外れな
どの異常を検出するエレベータ用ガバナロープ異常検出
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のガバナテンショナを図１を参考に
参照して説明する。

【０００３】一般に、エレベータかごの走行の安全を計
るため、かごの走行速度が規定速度を超過していないか
どうかをチェックする過速スイッチを昇降路機械室に設
けている。この過速スイッチは、機械室に設けた過速ス
イッチを取付けた調速機のシーブと昇降路底部に設けた
張り車（ガバナテンショナ）との間に、両端をかご側に
連結したガバナロープをエンドレスに張り渡して、この
ロープを介してかごの速度を測定し、過速の場合に適切
な対応が出来るようにしているものである。

【０００４】従来、この過速スイッチ作動用のガバナロ
ープに、例えば地震発生後に引っ掛かりや切断などによ
る異常が発生していたとしても、これを自動的に検知す
る手段がなく、点検員の目視チェックによるしかなかっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ガバナロープの異常を
点検員の目視チェックによって調査する場合、乗場の戸
を開けて昇降路内を点検するが、戸の開閉に時間を要
し、エレベータの地震復旧時の点検作業時間が長時間化
し、エレベータのサービス性の低下が問題となってい
た。さらにこの時乗場から身を乗り出して点検を行うの
で、誤って昇降路に転落しそうになるという問題もあっ
た。

【０００６】又地震感知器を設置していない建物のエレ
ベータでは、ガバナロープが引っ掛かったまま走行する
こともあり、閉じ込め、機器破損などの二次災害を起こ
す恐れもあった。

【０００７】本発明はこのような問題を解決するため
に、既設のものにも対応出来るよう、最小限の器材の追
加でガバナロープ異常を機械的に検出し、点検時間の短
縮による地震復旧作業の効率化とエレベータのサービス
性向上、点検員の安全確保、又地震感知器を設置してい
ない建物のエレベータにおける二次災害の防止を目的と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、ガバナテンシ
ョナの振れ止めの腕に取付けて、この腕の動きと一体に
に動くように取付けた検出アームと、この検出アームの
位置の変化を検出する検出スイッチとを設けたものであ
る。

【０００９】又前記検出スイッチの動作を確認する表示
器、さらに又前記検出スイッチの動作によりエレベータ
の運転を停止させると共に、その再起動を禁止をする回
路に異常検出装置の信号を出力させるものである。

【００１０】ガバナロープがブラケットなどの突起物に
引っ掛かると、ガバナテンショナーは平常位置より上に
変位する（図２(a) ）。またガバナロープが切断または
ガバナシーブもしくはガバナテンションナーシーブより
外れると、ガバナテンショナーは平常位置より下に変位
する（図２(b) ）。

【００１１】ガバナテンショナの変位はガバナテンショ
ナの振れ止めの腕に伝わり、腕に一体に取付けた検出ア
ームを上または下に変位させる。検出アームの変位は検
出スイッチに伝わり検出スイッチを作動させる。

【００１２】また検出スイッチの動作による出力信号を
表示器に伝達させ、ガバナロープの異常の発生を表示す
る。

【００１３】さらにまた、検出スイッチの動作信号によ
り、エレベータ制御装置の安全回路を遮断し、エレベー
タが停止すると共に、その再起動を禁止させる。

【００１４】このように前記異常発生表示器によって任
意の場所でガバナロープの異常を確認できる。さらに、
エレベータを停止させると共に再起動を禁止するように
なるので、点検時間の短縮による地震復旧作業の効率化
とエレベータのサービス性向上、点検員の安全確保、地
震感知器を設置していない建物のエレベータにおける二
次災害の防止を実現することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１〜図３
を参照して説明する。

【００１６】エレベータ用ガバナロープ異常検出装置
は、ガバナテンションナー１の触れ止め用の腕２に取付
けた検出アーム３と検出アーム３の変位によって作動す
るガイドレール側に固定した検出スイッチ（リミットス
イッチ）４とにより構成する。触れ止め用の腕２は、ガ
バナテンショナが揺れ動かないようにガイドレールに取
付けた検出器の取付板５にその先端をピンで支持されて
いる（図示せず）。

【００１７】検出アーム３は図３のようにＬアングルの
一方の端をハの字に加工したものを、ガバナテンショナ
１の腕２に固定したものである。このためガバナテンシ
ョナ１の移動に連動して位置が変位する。

【００１８】検出スイッチ４はガイドレールに固定した
取付板５に取付けられ、腕の検出アームの先端とルーズ
に係合している。

【００１９】これは、図３に示すように検出スイッチ４
と係合する検出アーム３の先端部はハの字形に加工して
いるので、ガバナロープ７が接続されているかごの走行
による微小な振動や、エレベータ内で乗客が暴れるなど
により発生するガバナテンショナ１の瞬時の変位に対し
て、検出スイッチ４を連動させないように隙間Ｘmmを持
たせてある。またガバナロープ７が引っ掛かるなどの異
常が発生した場合は検出スイッチ４を動作させ続けるよ
うにする。

【００２０】検出スイッチ４は自己復帰型のリミットス
イッチである。自己復帰機能を有しているので、検出ス
イッチ４は検出アーム３がガバナテンショナ１の変位と
連動して変位している間のみ動作し、検出アーム３が平
常位置に復帰すると検出スイッチ４も平常位置に復帰す
る。

【００２１】図６はエレベータ用ガバナロープ異常表示
装置の構成を示すものである。この異常表示装置は、検
出スイッチ接点４ａと表示器８により構成されている。

【００２２】表示器８は図示しない制御盤内に設けられ
た赤色ＬＥＤである。検出スイッチ４が動作すると検出
スイッチ接点４ａがＯＮして表示器が動作する。

【００２３】図５はエレベータ用ガバナロープ異常検出
装置を有するエレベータ制御装置の安全回路の構成を示
す。

【００２４】この制御装置の安全回路は検出スイッチ接
点４ｂと安全回路９により構成される。

【００２５】安全回路９はエレベータ運転時の安全上重
要なスイッチやリレーにより構成される回路で、この回
路が遮断されると巻上機のブレーキが動作しエレベータ
のかごが停止するようになっている。検出スイッチ４が
動作すると検出スイッチ接点４ｂがＯＦＦし、安全回路
９は遮断される。

【００２６】このような構成と動作により、ガバナロー
プに異常が発生した場合は表示器８により容易に確認で
きる。またエレベータの運転を停止し、再起動を禁止す
る。なお、図４および図５の実施例について、タイマを
持たせた実施例を図６および図７を用いて説明する。

【００２７】図６は図４の異常表示装置の回路にタイマ
回路を加えたものである。

【００２８】タイマ１０はソリッドステート・タイマで
オンディレー動作するものである。検出スイッチ４ａが
オンするとタイマ１０が計時を開始し、設定時間ｙ秒後
にタイマ接点１０ａをオンして「検出スイッチ接点４ａ
−タイマ接点１０ａ−表示器８」の回路が成立し表示器
８は動作する。しかし検出スイッチ接点４ａの動作がエ
レベータ走行時の微小な振動や乗客の暴れなどによる瞬
時の変位による動作の場合は、タイマ設定時間ｙがエレ
ベータ走行時の微小な振動や乗客の暴れなどによる瞬時
の変位による検出スイッチ接点４ａのオンする時間に対
して十分長く設定されているので、「検出スイッチ接点
４ａ−タイマ接点１０ａ−表示器８」の回路は成立せず
表示器８は動作しない。

【００２９】このようにしてエレベータ走行時の微小な
振動や乗客の暴れなどによる瞬時の変位による表示器８
の誤動作が防止される。

【００３０】図７は図５の制御装置の安全回路にタイマ
回路を加えたものである。タイマ１１はソリッドステー
ト・タイマでオフディレー動作するものである。検出ス
イッチ４ｂがオフするとタイマ１１は計時を開始し、設
定時間ｙ秒後にタイマ接点１１ｂをオフさせ、「検出ス
イッチ接点４ｂ−安全回路９、およびタイマ接点１１ｂ
−安全回路９」の回路が成立しなくなり安全回路９は遮
断される。しかし検出スイッチ接点４ｂの動作がエレベ
ータ走行時の微小な振動や乗客の暴れなどによる動作の
場合は、タイマ設定時間ｙがエレベータ走行時の微小な
振動や乗客の暴れによる瞬時の変位による検出スイッチ
接点４ａのオンする時間に対して十分長く設定されてい
るので、検出スイッチ接点４ｂが動作した瞬間は「タイ
マ接点１１ｂ−安全回路９」の回路が成立し安全回路９
はオンしている。またタイマ接点１１ｂがオフしても検
出スイッチ接点４ｂがすでにオンしているので「検出ス
イッチ接点４ｂ−安全回路９」の回路が成立し安全回路
９はオンしている。

【００３１】このようにしてエレベータ走行時の微小な
振動や乗客の暴れなどによる瞬時の変位による安全回路
９の誤動作が防止される。

【００３２】図１のエレベータ用ガバナ異常検出装置の
他の実施例としては、検出スイッチ４で機械的に検出し
ている部分を光電センサなどを用いて電気的に検出する
方法でも良い。

【００３３】

【発明の効果】本発明によりガバナテンショナに取付け
た検出アームと、それに連動する検出検出スイッチによ
り容易にガバナロープの異常を検出でき、かつ、これを
表示器により異常を確認し、更に安全回路の遮断をする
ことによりエレベータの運転を停止して、エレベータ運
行の安全を容易に確保できることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるガバナロープ異常検出装置の正面
図、

【図２】（ａ）図１の上方向動作説明図、（ｂ）図１の
下方向動作説明図、

【図３】図１の部分詳細図、

【図４】本発明装置による検出出力の表示器回路図、

【図５】本発明装置による検出出力によるエレベータ安
全回路図、

【図６】図４の回路の他の実施例図、

【図７】図５の回路の他の実施例図。

【符号の説明】

１ ガバナテンショナ ２ 振れ止めの腕 ３ 検出アーム ４ 検出スイッチ ７ ガバナロープ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータのガバナロープに張力を与え
   るガバナテンションナの腕に取付け、前記の腕の動きと
   一体に動く検出アームと、前記検出アームの変位を検知
   する検出スイッチとからなるエレベータ用ガバナロープ
   異常検出装置。
2. 【請求項２】 前記エレベータ用ガバナロープ異常検出
   装置の出力信号を任意の場所に設けた表示器に出力する
   ことを特徴とする請求項１記載のエレベータ用ガバナー
   ロープ異常表示装置。
3. 【請求項３】 前記エレベータ用ガバナロープ異常検出
   装置の出力信号をエレベータ制御装置の安全回路に出力
   してエレベータを停止させると共に、エレベータ運転の
   再起動を禁止する回路にも出力することを特徴とする請
   求項１記載のエレベータ用ガバナロープ異常検出装置。