JP5672735B2 - 空洞含有ポリエステルフィルム - Google Patents
空洞含有ポリエステルフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5672735B2 JP5672735B2 JP2010071533A JP2010071533A JP5672735B2 JP 5672735 B2 JP5672735 B2 JP 5672735B2 JP 2010071533 A JP2010071533 A JP 2010071533A JP 2010071533 A JP2010071533 A JP 2010071533A JP 5672735 B2 JP5672735 B2 JP 5672735B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- polyester
- void
- specific gravity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
Umax≧T×2+600
本発明の空洞含有ポリエステルフィルムは、ポリエステルとポリエステルに非相溶な成分を含有する層(B層)と、該B層の両側に、ポリエステルを含有する層(A層)を有する積層フィルムである。A層とそれに隣接するB層を有する積層フィルムは、いくつの層から構成されてもよい。例えば、A層/B層/A層の3層構成、あるいは4層以上の構成であってもよいが、製膜上の容易さと製膜安定性を考慮するとA層/B層/A層の3層構成が好ましい。
本発明に用いるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いる。ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。ジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。本発明では、これらのポリエステルの中で、製膜安定性が高く安価なポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレン2,6−ナフタレートを基本構成とすることが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステルの含有量は、単層フィルムの場合は、フィルムに対して、65重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。積層フィルムの場合は、各層におけるポリエステルの含有量が、それぞれ、各層に対して65重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。ポリエステルの含有量を上記範囲内とすることにより、製膜安定性を向上させることができる。
本発明に用いるポリエステルに非相溶な成分としては、ポリエステルに非相溶な樹脂や無機粒子が挙げられる。該非相溶樹脂としては、ポリメチルペンテン(PMP)を用いる。また、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂などが好適に用いられる。これらは単独重合体であっても共重合体であってもよく、2種以上を併用してもよい。また、無機粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素、特に好ましくは、硫酸バリウムを用いるが、ポリエステルに非相溶な樹脂の方がフィルムの空洞部分が多く、見かけ比重が軽くなるため、好ましい。
以下、本発明のフィルムを製造する方法の一例を説明する。
本発明の空洞含有ポリエステルフィルム全体の見かけ比重は0.65g/cm 3 以下であり、好ましくは0.6g/cm 3 以下、より好ましくは0.55g/cm 3 以下である。フィルム全体の見かけ比重が0.75g/cm 3 を超えると、クッション性や絶縁性などが不十分となり、また、コストの観点からも好ましくない。見かけ比重の下限は特に限定されるものではないが、製膜安定性の観点から0.4g/cm 3 以上であることが好ましい。上記範囲の見かけ比重は、二軸延伸してフィルム内に空洞を発生せしめることにより達成できる。
フィルムサンプルを、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109−10)に直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて、10点厚みを測定し、平均値をフィルムの厚みとした。
フィルムを三角形に切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂にて包埋する。そして、包埋されたフィルムサンプルをミクロトーム(ULTRACUT−S)で縦方向に平行な断面を50nm厚の薄膜切片にした後、日立製作所製S−2100A形走査電子顕微鏡を用いて、倍率300倍、加速電圧3.0kvにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定し、平均厚みを求めた。
フィルムが、二軸延伸製膜工程において、安定して製膜できるか、下記基準で評価した。
○:1日以上破断が発生せず、安定して製膜できる。
△:1時間以上1日以内に破断が発生する。
×:1時間以内に破断が発生し、安定な製膜ができない。
フィルムを100mm×100mmの大きさにカットし、ダイアルゲージ(三豊製作所製No.2109−10)に直径10mmの測定子(No.7002)を取り付けたものにて10点の厚みを測定し、厚みの平均値d(μm)を計算した。また、このフィルムを直示天秤にて秤量し、重さw(g)を読みとり、下記の式で計算される値を、見かけ比重とした。
見かけ比重=w/d×100 (g/cm3)。
温度を150℃に設定したオーブン中でフィルムサンプルを無緊張状態で30分間保持し、加熱処理前後の標点間距離を測定し、長手方向と幅方向それぞれ下記式により熱収縮率を算出した(ASTM D1204 1984年版に準ずる)。この測定を5回繰り返し、平均値をフィルムの熱収縮率とした。
熱収縮率(%)=((L0−L)/L0)×100
L0:熱処理前の標点間距離
L :熱処理後の標点間距離
(6)部分放電電圧
サンプルを23℃、65%Rhの室内で一晩放置した後に、部分放電試験器KPD2050(菊水電子工業製)を用い、部分放電電圧を10回測定し、その平均値をフィルムの部分放電電圧とした。なお試験条件は下記のとおりとする。
・出力シートにおける出力電圧印加パターンは、1段階目が0Vから所定の試験電圧までの単純に電圧を上昇させるパターン、2段階目が所定の試験電圧を維持するパターン、3段階目が所定の試験電圧から0Vまでの単純に電圧を降下させるパターンの3段階からなるパターンのものを選択する。
・周波数は50Hzとする。
・試験電圧は1kVとするが、部分放電が観測されなかった場合には、1kVずつ試験電圧を上昇させて、部分放電が観測されるまで測定する。
・1段階目の時間T1は10sec、2段階目の時間T2は2sec、3段階目の時間T3は10secとする。
・パルスカウントシートにおけるカウント方法は「+」(プラス)、検出レベルは50%とする。
・レンジシートにおける電荷量はレンジ1000pCとする。
・プロテクションシートでは、電圧のチェックボックスにチェックを入れた上で5kVを入力する。また、パルスカウントは100000とする。
・計測モードにおける開始電圧は10pC、消滅電圧は10pCとする。
アルバック理工製TM−9300を使用し、サンプルサイズ幅10mm×長さ100mmのものを用い、45℃での初期荷重を30gに調整し、昇温速度10℃/分で45℃から250℃まで昇温しながら応力測定を行った。応力が最大となった点での最大熱収縮応力をフィルム断面積あたりの値に換算した。この測定を10回繰り返し、平均値をフィルムの最大熱収縮応力とした。
表1に示すA層用の原料と、B層用の原料を、280℃に加熱された2台の押出機にそれぞれ供給し、A層とB層がA層/B層/A層となるような3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化して得た未延伸フィルムを、85〜98℃に加熱したロール群に導き、長手方向(縦方向)に3.4倍延伸し、25℃のロール群で冷却した。続いて、縦延伸したフィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き120℃に加熱された雰囲気中で長手方向に垂直な方向(横方向)に3.7の倍率で延伸した。その後テンター内において190℃にて熱固定を行い、室温まで冷やして空洞含有二軸延伸フィルムを得た。このフィルムに表2に示す条件で据置処理を施した後、オーブンにて表2に示す条件で熱処理を加え、空洞含有ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの物性は表2のとおりであった。
フィルムの層構成を単層とし、条件を表1、2に記載したとおりとすること以外は実施例1と同様にして空洞含有ポリエステルフィルムを得た。層構成を単層のものにするために押出機は、1台のみ用いた。得られたフィルムの物性は表2のとおりであった。
表1、2に記載した条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有ポリエステルフィルムを作製した。二軸延伸後に、静置処理と熱処理を実施していないため、縦方向、横方向ともに熱収縮率が高かった。
表1、2に記載した条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。無機粒子の含有量が多量であったため、見かけ比重が大きくなった。
二軸延伸時の熱固定温度を230℃とし、表1、2に記載した条件をとる他は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを作製した。二軸延伸時の熱固定温度を高くすることにより熱収縮率を小さくすることができたが、空洞がつぶれてしまったため、見かけ比重が大きくなってしまった。
表1、2に記載した条件をとる他は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。非相溶成分を多量に添加して比重を小さくしようとしたが、製膜安定性が極めて悪く、製膜時の破断の多発により、フィルムを作製できなかった。
表1、2に記載した条件をとる他は実施例1と同様にして空洞含有フィルムを作製した。非相溶成分が少なく、空洞が少ないため、二軸延伸後の静置処理と熱処理を施しても、見かけ比重が大きかった。
Claims (3)
- ポリエステルとポリエステルに非相溶な成分としてポリメチルペンテンを含有する層(B層)と、B層の両面に、ポリエステルを含有する層(A層)を有するフィルムであって、B層に対してポリメチルペンテンを5重量%以上35重量%以下含有し、フィルム全体の見かけ比重が0.65g/cm3以下であり、150℃30分での熱収縮率が長手方向、幅方向ともに0.6%以下であり、部分放電電圧Umax(V)とフィルム厚みT(μm)が下記式を満足し、部分放電電圧Umax(V)が1040〜1300であること特徴とする空洞含有ポリエステルフィルム。
Umax≧T×2+600 - フィルム長手方向の最大熱収縮応力が180g/mm2以下である請求項1に記載の空洞含有ポリエステルフィルム。
- ポリエステルとポリエステルに非相溶な成分を含有するフィルムを、二軸延伸し、フィルム内に空洞を発生せしめた後、70℃以下の環境下に24時間以上据え置き、170〜230℃で5〜50秒間熱処理する請求項1または2に記載の空洞含有ポリエステルフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010071533A JP5672735B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | 空洞含有ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010071533A JP5672735B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | 空洞含有ポリエステルフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011202060A JP2011202060A (ja) | 2011-10-13 |
JP5672735B2 true JP5672735B2 (ja) | 2015-02-18 |
Family
ID=44879045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010071533A Active JP5672735B2 (ja) | 2010-03-26 | 2010-03-26 | 空洞含有ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5672735B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013137167A1 (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | 富士フイルム株式会社 | ポリエステルフィルムとその製造方法、太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール |
JP6295664B2 (ja) * | 2012-07-30 | 2018-03-20 | 東レ株式会社 | 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルム、その製造方法及び液晶ディスプレイ用バックライト |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07157581A (ja) * | 1993-12-03 | 1995-06-20 | Toray Ind Inc | 白色ポリエステルフィルム |
JP3575277B2 (ja) * | 1998-05-12 | 2004-10-13 | 東洋紡績株式会社 | 微細空洞含有積層ポリエステル系樹脂フィルムまたはシート |
-
2010
- 2010-03-26 JP JP2010071533A patent/JP5672735B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011202060A (ja) | 2011-10-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101110140B1 (ko) | 적층필름 및 이축배향 폴리에스테르 필름 | |
JP6624184B2 (ja) | 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルム、その製造方法及び液晶ディスプレイ用バックライト | |
JP4661073B2 (ja) | 積層フィルム | |
KR20160021754A (ko) | 이형용 이축 배향 적층 폴리에스테르 필름 | |
JP5156739B2 (ja) | 太陽電池基材用多層フィルム | |
KR102265664B1 (ko) | 공동 함유 폴리에스테르계 필름 및 그의 제조방법 | |
KR102544690B1 (ko) | 이축연신 폴리에스테르 필름 및 이의 제조방법 | |
JP5672735B2 (ja) | 空洞含有ポリエステルフィルム | |
JP2018021168A (ja) | 二軸配向ポリエステルフィルム | |
JP5739243B2 (ja) | フラットケーブル用積層ポリエステルフィルムおよびそれからなるフラットケーブル | |
JP4563822B2 (ja) | 二軸配向積層フィルム | |
US8431259B2 (en) | Copolymerized aromatic polyester, biaxially oriented polyester film, and magnetic recording medium | |
JP2012045760A (ja) | 二軸配向積層ポリエステルフィルム | |
JP6641999B2 (ja) | 折畳み保持性、低収縮性及び隠蔽性に優れたポリエステルフィルム | |
JP2013235219A (ja) | 積層ポリエステルフィルム | |
JP5607378B2 (ja) | 二軸延伸フィルム | |
JP2003236995A (ja) | ガラス保護フィルム | |
JP2016093947A (ja) | 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルムおよび、それを用いた液晶ディスプレイ用バックライト | |
TW202214415A (zh) | 聚酯膜以及其製備方法 | |
WO2016035536A1 (ja) | 液晶ディスプレイ用白色ポリエステルフィルム、およびそれを用いた液晶ディスプレイ用バックライト | |
JPWO2009096610A1 (ja) | 太陽電池用基材 | |
JP2008194945A (ja) | 二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JPH03169529A (ja) | 成形用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP2005187562A (ja) | インサート成形用ポリエステルフィルム | |
JP2016174073A (ja) | 太陽電池バックシート用ポリエステルフィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130318 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140128 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140407 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140902 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20141202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20141215 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5672735 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |