コンテナ貯蔵棚に、電動装置を具備するコンテナを収容しかつ取出すことができるコンテナ倉庫の一形態として、コンテナ貯蔵棚に収容されている電気消費型コンテナに電気を供給する電気供給機構を備えるものが知られている。この電気供給機構の代表例は、冷却用コンテナに着脱可能に設置されるプラグ(受電装置)に電気的に接続可能なレセプタクル(給電装置)をその冷却用コンテナが配置されるコンテナ貯蔵棚に備えており、その電気的な接続により、冷却用コンテナが備える電動装置の動作に必要な電気を供給する機構である(特許文献1から3参照)。
上記従来例の電気供給機構を備えるコンテナ倉庫、特にコンテナ搬送装置によりコンテナを搬送する自動コンテナ倉庫においては、冷却用コンテナをコンテナ搬送装置に搭載する前に、その冷却用コンテナにプラグを取り付け、その後、コンテナ搬送装置により、プラグが取り付けられた冷却用コンテナを所定のコンテナ貯蔵棚がある場所に搬送し、そのコンテナ貯蔵棚に収容する際、プラグとレセプタクルとを電気的に接続して電動装置の動作に必要な電気を供給している(特許文献1の段落0048、図1参照)。
上記従来例のレセプタクルが具備する給電端子は、プラグが具備する受電端子と接続する前は、水平方向にスライド可能な上カバーにより覆われている。そして、プラグが取り付けられたコンテナを水平方向に移動させることにより、プラグを上カバーに接近させ、接触させ、その接触により作用する水平方向の力により弾性による復元力に抗して上カバーをスライドさせて開き、給電端子を外部に露出させ、引き続きコンテナを下方に移動させることにより受電端子を降下させて給電端子と嵌合させている。また、給電端子を外部から遮蔽する際には、逆の動作、即ちコンテナを上方に移動させることにより受電端子と給電端子との嵌合を解いて、プラグと上カバーとの接触が維持される範囲で受電端子を上昇させ、コンテナを水平方向に移動させることにより、プラグと上カバーとの接触により作用する水平方向の力を弱め、上カバーを弾性による復元力によりスライドさせて閉じ、給電端子を外部から遮蔽している(特許文献1の図10、段落0054、段落0063参照)。
また、上記従来例の電気供給機構は、プラグが具備する受電端子とレセプタクルが具備する給電端子とを嵌合させることにより両装置を電気的に接続する機構である。この機構においては、プラグをレセプタクルに上方から連結し、受電端子は、上下方向下向きに開口した凹状をしており、給電端子は、上向きに凸状をしており、凹状の受電端子と凹状の給電端子とが互いに嵌合するように構成されている(特許文献2の図9から図11、段落0027、段落0052、段落0060参照)。そしてレセプタクルは、給電端子をX、Y、Zの三方向に移動可能に支持する調心機構を備えているので、凹状の受電端子と凸状の給電端子との位置合わせと嵌合を適切に行うことができる(特許文献2の図14、15、段落0059から段落0064参照)。具体的には、受電端子の凹状開口の前方に環状ガイド穴部を設けるとともに給電端子の近傍に角落部を設け、プラグをレセプタクルに向けて降下させる過程で、環状ガイド穴部を各部とを当接させ、その際の当接力により給電端子の偏心を解消することができる。
なお、受電端子と給電端子との嵌合によるプラグとレセプタクルとの連結状態は、レセプタクルの内部に設けた近接スイッチ等のセンサにより検出される(特許文献3の図11、段落0065参照)。
次に、従来知られているコンテナ自動倉庫およびコンテナについて、図面を参照しながら説明する。
図20(a)は、自動コンテナ倉庫の略全景の側面図、図20(b)は、スプレッダ本体の要部の断面図である。
自動コンテナ倉庫100は、複数個のコンテナ貯蔵棚103aを備えており、任意の又は少なくとも一部の区域にあるコンテナ貯蔵棚に、電動装置202(図21(a)参照)を具備するコンテナ(電気消費型コンテナ)200を収容しかつ取り出すことができるコンテナ倉庫であり、コンテナ入出部101と、コンテナ移載部102と、コンテナ貯蔵部103と、コンテナ入出部101とコンテナ移載部102との間でコンテナの移載を行う中間移載機構104と、コンテナ移載部102とコンテナ貯蔵部103との間でコンテナの移載を行うスタッカークレーン105とを備えている。
コンテナ入出部101は、コンテナ200を運搬することができるトレーラ101aが走行可能な路面101bを備えており、中間移載機構104は、天井クレーン104aと自走台車104bとを備えている。
天井クレーン104aは、自動コンテナ倉庫100の外部からトレーラ101aが搬入してきたコンテナ200を、所定位置101cにおいてコンテナ把持部104cにより受け取り、所定位置102aまで搬送し、その搬送途中に水平面上で90度回転させた後、所定位置102aにおいてコンテナ把持部104cから解放して自走台車104bに受け渡し、逆に自走台車104bが所定位置102aまで搬出してきたコンテナ200をコンテナ把持部104cにより受け取り、所定位置101cまで搬送し、その搬送途中に水平面上で90°回転させた後、所定位置101cにおいてコンテナ把持部104cから解放してトレーラ101aに受け渡す。コンテナ200を受け取ったトレーラ101aは、これをコンテナ入出部101から自動コンテナ倉庫100の外部に搬出する。
自走台車104bは、所定位置102aにおいて天井クレーン104aから受け取ったコンテナ200を載置して所定位置102bまで移動し、その所定位置102bにおいてスタッカークレーン105に受け渡し、逆にスタッカークレーン105が所定位置102bまで搬出してきたコンテナ200を受け取り、受け取ったコンテナ200を載置して所定位置102aまで移動する。
スタッカークレーン105は、所定位置102bにおいて自走台車104bからコンテナ200を受け取り、受け取ったコンテナ200を、任意のコンテナ貯蔵棚103aがある位置まで搬送し、当該コンテナ貯蔵棚103aに収容し、逆に任意のコンテナ貯蔵棚103aに収容されているコンテナ200を取り出して、所定位置102bまで搬送し、自走台車104bに受け渡す。
スタッカークレーン105は、コンテナ移載部102からコンテナ貯蔵部103にわたり敷設されたクレーン走行レールR1に沿って走行し、走行レールR1の両側に設置された複数列のコンテナ貯蔵棚103aとの間でコンテナ200の出し入れを行うものであり、コンテナ200を載置可能な走行台車105aと、走行台車105a上に走行方向に所定の間隔を離して設置された門型のマスト105bと、両マスト105b間を、コンテナ200を把持して昇降するスプレッダ本体105cと、スプレッダ本体105cをロープWで支持して昇降させる昇降装置105dと、スプレッダ本体105cに搭載されてスプレッダ本体105cとコンテナ貯蔵棚103aとの間を行き来して、当該コンテナ貯蔵棚103aとの間でコンテナ200の受け渡しをする自走式スプレッダ105eとを備えている。
図20(b)に示すように、自走式スプレッダ105eは、スプレッダ本体105cに設置されたレールR2上を走行する車輪105gを具備する本体部105fと、該本体部105fに設けられてコンテナ200を把持するコンテナ把持部105hを備えている。該コンテナ把持部105hは、コンテナ200の幅方向(または構成次第では長手方向)に移動可能に構成されている。
所定位置102bの上方には、スタッカークレーン105の自走式スプレッダ105eが走行するための走行レールR3が設けられており、各コンテナ貯蔵棚103aの上辺部にも、自走式スプレッダ105eが走行するための走行レールR4(一部のみ図示)が設けられている。このため、自走式スプレッダ105eは、走行レールR2とR3に沿ってスプレッダ本体105cと、所定位置102bにおいて待機する自走台車104bの上方との間を移動することができ、走行レールR2とR4に沿ってスプレッダ本体105cと各コンテナ貯蔵棚103a内の上部との間を移動することができる。
以上により、自動コンテナ倉庫100とその外部との間でコンテナ200の出し入れを行うことができる。後述の電気供給機構を構成するレセプタクルは、コンテナ貯蔵部103の特定位置または特定区域のコンテナ貯蔵棚にのみ設置してもよい。
図21(a)は、電気消費型コンテナの一例を示す外観斜視図、図21(b)は、すみ金具の開孔部を示す正面図である。
電気消費型コンテナ200は、収容部201と電動装置202とを備えている。電動装置202が冷却装置である場合、当該冷却装置は収容部201の内部を冷却するために設置される(図21(a)参照)。収容部201は、通常、直方体または六面体の内部空間を有している(図21(a)参照)。収容部201外部の8箇所の隅部には、通常、すみ金具203が固着されており、各すみ金具203は、収容部201の隅部を構成する三つ壁面に平行な三面を備えており、当該三面のそれぞれの面には開孔部204が設けられている(図21(b)参照)。
開孔部204は、例えば長径L約80mm、短径W約50mmの長円形状または略楕円形状(以下、総称して「楕円形状」という)で、深さD約20mm超の寸法であり、コンテナのラッシング作業の際フック等の固定のために使用され、コンテナの搬送や移載の際に天井クレーン104aのコンテナ把持部104cやスタッカークレーン105が備える自走式スプレッダ105eのコンテナ把持部105hとの係合のために使用されるので、非常に頑強に作られている。それ故、この開孔部204に、後述の電気供給機構を構成するレセプタクルを脱落しないように取付けている限り、当該レセプタクルがコンテナ200から脱落することはない。
なお、後述のとおり、この発明の実施形態において、当該レセプタクルは、コンテナ200の下側四隅にあるすみ金具203のうち一つに形成された開孔部204であって、コンテナ200の側面にあるものに取付けられる。
電気供給機構を備えるコンテナ倉庫の安全上、受電端子と給電端子との嵌合またはその解除の際に上カバーを開閉動作させることは重要である。
しかし、上記従来例においては、受電端子と給電端子との嵌合またはその解除の際に上カバーを開閉動作させるために、水平方向に移動するコンテナに取り付けられたプラグを上カバーのみに接触させる必要があり、それ故にコンテナの上下方向の位置決めを正確に行う必要に迫られる。位置決めの精度が低いと、コンテナに取り付けられたプラグが上カバーのみに接触せず、レセプタクルに衝突してこれを破損させるおそれがある。
そもそも、受電端子と給電端子との間の嵌合およびその解除のためには、プラグとレセプタクルとの上下方向の相対移動のみで足りるはずであるところ、給電端子を露出と遮蔽を行う蓋を動作させるために、わざわざプラグとレセプタクルとの水平方向の相対移動まで必要とするのは、電気供給機構を備えるコンテナ倉庫の構成としても、そのコンテナ倉庫にコンテナを収容する方法としても複雑である。
また、上記従来例では、凹状の受電端子と凸状の給電端子との嵌合によりプラグとレセプタクルとを電気的に接続している。そのため、両装置は、いずれも上下方向に長い構造になり、その分大型になりがちである。特にレセプタクルは、両端子の位置合わせのために、複雑な移動動作を行う調心機構を備えており、上カバーが水平方向にスライドするので、その分大型になる。プラグの大型化は、コンテナに対する着脱や不使用時のプラグの保管・管理に要する作業者の負担を増やすことになり、レセプタクルの大型化は、コンテナ貯蔵棚という空間的に限られた場所への設置を難しくするので、好ましくない。
さらに、受電端子と給電端子との嵌合によるプラグとレセプタクルとの連結状態を、レセプタクルの内部に設けた近接スイッチ等のセンサにより検出するとしても、その検知結果に基づきレセプタクルからプラグに電気を安全に供給することができなければ、電気供給機構を備えるコンテナ倉庫の安全な運営は難しい。
この発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、まず、比較的簡単な手法によりプラグとレセプタクルとの電気的な接続とその解除を安全に行うことができる電気供給機構を備えるコンテナ倉庫、併せて、比較的小型の電気供給機構を備えるコンテナ倉庫、更には、レセプタクルからプラグに電気を安全に供給することができる電気供給機構を備えるコンテナ倉庫に係る技術、並びに、そのようなコンテナ倉庫へのコンテナの収容方法に係る技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、この発明の第1の形態に係るコンテナ倉庫は、電動装置を具備するコンテナをコンテナ貯蔵棚に収容しかつ取出すことができるコンテナ倉庫であって、電動装置を具備するコンテナが下側四隅に備えるすみ金具と、前記コンテナ貯蔵棚が前記すみ金具に対応する位置に備える台座と、前記すみ金具が前記台座に配置されているとき、電源から前記電動装置に電気を供給する電気供給機構とを備えており、前記電気供給機構は、前記台座またはその近傍に配置する、前記電源から電気の供給を受けるレセプタクルと、前記すみ金具に着脱可能な、前記レセプタクルと電気的に接続して前記電動装置に電気を供給するプラグと、前記レセプタクルが具備する給電端子と、前記プラグが具備する受電端子とを備え、前記すみ金具が前記台座に配置されているとき、前記受電端子と前記給電端子との接触により前記プラグと前記レセプタクルとを電気的に接続する機構であり、前記レセプタクルは、前記プラグの上下方向の接近と離隔に対応した開閉動作に伴い前記給電端子の露出と遮蔽を行う蓋を備え、前記レセプタクルは、前記プラグとの接触により作用する下方の力により前記蓋を回動させるリンク機構を備え、前記リンク機構は、頂部にローラーが取り付けられた短尺レバーと、ガイド溝が形成された長尺レバーとを連結軸を介してくの字状に連結したものからなり、前記リンク機構は、前記レセプタクルの両側に前記連結軸を介して回動自在に取り付けられ、前記長尺レバー同士は、連結バーにより連結され、一体的に回動し、前記連結軸には、常時、閉蓋方向の力を付勢するスプリングが取り付けられ、前記蓋の両側面には、ピンが設けられ、前記ピンは、前記ガイド溝と係合し、前記リンク機構の回動に伴い前記ガイド溝に沿ってスライドする、ことを特徴とするものである。
この発明の第2の形態に係るコンテナ倉庫は、第1の形態に係るコンテナ倉庫であって、前記給電端子と前記受電端子とは互いに面接触可能であり、前記給電端子と面接触可能な前記受電端子の端子面は、前記受電端子と面接触可能な前記給電端子の端子面よりも面積が大きい平板である、ことを特徴とするものである。
この発明の第3の形態に係るコンテナ倉庫は、第1または第2の形態に係るコンテナ倉庫であって、前記プラグは、短絡用部材を備え、前記レセプタクルは、連結検知用端子を備えており、前記受電端子と前記給電端子とが接触した後、前記短絡用部材と前記連結検知用端子とが接触するように構成されており、前記短絡用部材と前記連結検知用端子との接触による電気的導通を検知したとき、前記レセプタクルから前記プラグに電気が供給されるように構成されている、ことを特徴するものである。
この発明の第4の形態に係るコンテナ倉庫は、第3の形態に係るコンテナ倉庫であって、前記連結検知用端子と接触可能な前記短絡用部材は、平板であり、前記蓋は、前記給電端子および前記連結検知用端子の露出と遮蔽とを行う蓋である、ことを特徴するものである。
この発明の第5の形態に係るコンテナ倉庫は、第1から第4の何れかの形態に係るコンテナ倉庫へのコンテナの収容方法であって、前記コンテナ倉庫は、前記コンテナ貯蔵棚に前記電動装置を具備するコンテナを収容しかつ取出すためのコンテナ搬送装置を備えており、前記電動装置を具備するコンテナに前記プラグを取り付ける第1の工程と、前記コンテナ搬送装置により、前記プラグが取り付けられたコンテナを前記コンテナ貯蔵棚がある場所に搬送する第2の工程と、前記コンテナ搬送装置により、前記プラグが取り付けられたコンテナを前記所定のコンテナ貯蔵棚に収容する際、前記プラグと前記レセプタクルとを電気的に接続させる第3の工程と、を有することを特徴とするものである。
この発明の第1の形態においては、レセプタクルが、プラグの上下方向の接近と離隔に対応する開閉動作に伴い給電端子の露出と遮蔽を行う蓋を備えているので、従来のようにレセプタクルが備える蓋の開閉動作のためにコンテナの上下方向の正確な位置決めを行う必要がなく、そのコンテナを水平方向に移動させる必要もない。そして、プラグが取り付けられたコンテナを上下方向に移動させるだけで、蓋の開閉、従って給電端子を露出と遮蔽と、給電端子と受電端子との接触とその解除とを行うことができる。従って、比較的簡単な手法、即ちコンテナを上下方向に移動させるだけでプラグとレセプタクルとの電気的な接続とその解除を安全に行うことができる電気供給機構を備えるコンテナ倉庫を実現することができる。
この発明の第1の形態においては、コンテナとともに上下方向に移動するプラグとリンク機構とが接触しているときに当該リンク機構が受ける下方の力により、レセプタクルの蓋が回動して開閉動作を行う(このような蓋の動作を可能にするリンク機構の典型例は、スライダ・クランク機構である)。そのため、レセプタクルの蓋が水平方向にスライドして開閉動作を行う場合に比べて、狭い空間内で開閉動作を行うことができる。従って、この発明の第2の形態によれば、レセプタクルの大型化を抑えることができ、コンテナ貯蔵棚という限られた空間へのレセプタクルの設置も比較的容易になる。
この発明の第2の形態においては、給電端子と面接触可能な受電端子の端子面が、受電端子の端子面と面接触可能な給電端子の端子面よりも面積が大きい平板なので、受電端子が下方に移動して給電端子に接触するとき、凹状の受電端子と凸状の給電端子とが嵌合する場合に比べて接触不良が起こり難く、受電端子と給電端子との相対的な位置合わせを行うための調心機構を設けるまでもない。従って、この発明の第3の形態によれば、プラグおよびレセプタクルは、いずれも従来に比して構造が簡単になり、小型になるので、プラグを取り扱う作業者の負担を軽減でき、コンテナ貯蔵棚という限られた空間へのレセプタクルの設置も比較的容易になる。そして、比較的小型の電力供給機構を備えるコンテナ倉庫を実現することができる。
この発明の第3の形態においては、受電端子と給電端子との接触によるプラグとレセプタクルとの電気的な接続状態を、プラグが備える短絡用部材とレセプタクルが備える連結検知用端子との接触による電気的導通の有無により検知している。そして、受電端子と給電端子とが接触し、これによりプラグとレセプタクルとの電気的接続が確立した後に、短絡用部材と連結検知用端子とが導通し、レセプタクルからプラグへと電気が供給される。従って、この発明の第4の形態によれば、レセプタクルからプラグに電気を安全に供給することができるコンテナ倉庫を実現することができる。
この発明の第4の形態においては、連結検知用端子と接触可能な短絡用部材の短絡面は、平板なので、連結検知用端子と短絡用部材との間で接触不良が起こり難く、そのため、受電端子と給電端子とが接触し、これによりプラグとレセプタクルとの電気的接続が確立されたにも拘らず、レセプタクルからプラグに電気が供給されないといった動作不良も起こり難い。
また、レセプタクルが備える蓋の開閉動作に伴い連結検知用端子の露出と遮蔽が起こるので、プラグとレセプタクルとの電気的な接続状態を検知する必要がないときに、連結検知用端子が短絡用部材以外の部材と接触して導通するような不測の事態(従って受電端子と給電端子との間に無用な電圧がかかるような事態)の発生を防止することができる。
それ故、この発明の第4の形態によれば、レセプタクルからプラグに電気を供給する安全に供給することができるコンテナ倉庫を実現することができる。
この発明の第5の形態によれば、上記の第1から第4の何れかの形態が奏する効果を伴うコンテナ倉庫へのコンテナの収容方法を実現することができる。
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。実施形態について必要に応じて図を参照しつつ説明するが、各図において同じ部分または相当若しくは共通する部分にはこれと同じ符号を付し、その説明を省略する。この発明は、図面に記載された実施の形態に限定されない。
図1は、コンテナが収容された、この発明のコンテナ倉庫におけるコンテナ貯蔵棚を示す正面図である。この発明のコンテナ倉庫は、電動装置を具備するコンテナをコンテナ貯蔵棚に収容しかつ取出すことができるコンテナ倉庫である。
図1において、200は、電動装置202を具備するコンテナである。コンテナ200の各面の四隅には、縦長の開孔部204が形成されたすみ金具203が取り付けられている(図21参照)。205は、コンテナ貯蔵棚103aの、すみ金具203に対応する床面206上に固定された台座であり、台座205上にコンテナ200が載置される。台座205の上面には、位置決め用の突起207(図16参照)が突設され、突起207は、コンテナ載置時にコンテナ200の下面に取り付けられたすみ金具203の開孔部204内に挿入される。
1は、電気供給機構である。電気供給機構1は、すみ金具203が台座205に配置されているとき、すなわち、コンテナ200が台座205上に載置されているとき、電源2から電動装置202に電気を電源ケーブル(図1中、一点鎖線で示す)を介して供給する。電気供給機構1は、すみ金具203に着脱可能なプラグ3と、プラグ3と電気的に接続して電源2からの電気を電動装置202に供給するレセプタクル4とからなっている。
(プラグ)
プラグ3を、図面を参照しながら説明する。
図2は、プラグを示す斜視図、図3は、プラグを示す底面図、図4は、錠部材とプラグ本体との取り付け構造を示す底面図、図5は、錠部材を固定位置に回転させたプラグを示す斜視図、図6は、すみ金具と相対して配したプラグを示す斜視図、図7は、錠部材をすみ金具の開孔部に挿入したプラグを示す部分切り欠き斜視図、図8は、ハンドルによるすみ金具へのプラグの固定方法を示す斜視図、図9は、錠部材によりすみ金具に固定されたプラグを示す部分切り欠き斜視図、図10は、図9のA−A線断面図である。
図2から図10に示すように、プラグ3は、起倒自在な取っ手5により持ち運び可能な箱状プラグ本体6と、プラグ本体6内の下部にプラグ本体6の下面側に露出して設けられた受電端子7および短絡用部材8(図3参照)と、プラグ本体6をコンテナ200のすみ金具203に固定する錠部材9と、プラグ本体6の下部両側面に、この側面から突出して固定された一対の当板10と、プラグ本体6の上面に設けられた、受電端子7と電気的に接続された、電動装置202のコンセント11とを備えている。
プラグ本体6は、その下面に、受電端子7および短絡用部材8の周囲を取り囲むように配置された受電側連結面6aを有している(図3参照)。受電側連結面6aは、ゴム板等からなりコンテナ200が台座205上に載置されているとき、レセプタクル4の後述する給電側連結面と面接触する。これによって、受電端子7、後述する給電端子、短絡用部材8および後述する連結検知用端子並びに受電端子7と給電端子との面接触部分および短絡用部材8と連結検知用端子との接触部分は、それぞれ同時に、レセプタクル4とプラグ3と間の閉じた空間内に閉じ込められて、これらが外部から遮蔽され、これにより併せて防塵や防水も実現される。
また、このとき、受電側連結面6aが給電側連結面の上方側に配置されるので、コンテナ200およびプラグ3の自重による付勢により受電側連結面6aが給電側連結面に強く押し付けられ、両連結面の面接触および受電端子7と給電端子との面接触が移動不能且つ強固に維持される。従って、従来のような複雑な端子接続構造、即ち凹状の受電端子と凸状の給電端子との嵌合構造を採用するまでもない。
従って、比較的簡単な手法によりレセプタクル4とプラグ3とを電気的に接続することができ、且つ、その電気的な接続を安全且つ確実に維持することができる電気供給機構1を備えるコンテナ倉庫を実現することができる。
すみ金具203と接する側のプラグ本体6の側面には、当接部材32が取り付けられている。当接部材32は、プラグ本体6をすみ金具203に固定する際、すみ金具203の表面と接触することによって、すみ金具203に対するプラグ本体6の姿勢の変動を抑え、後述する回転軸14がすみ金具203に対して直角に配されるようにする機能を有している。
受電端子7は、レセプタクル4の給電端子と互いに面接触可能である。受電端子7の端子面は、給電端子の端子面よりも面積が大きい平板からなっている。これによって、受電端子7が下方に移動して給電端子に接触するとき、凹状の受電端子と凸状の給電端子とが嵌合する場合に比べて接触不良が起こり難く、受電端子7と給電端子との相対的な位置合わせを行うための調心機構を設けるまでもない。従って、プラグ3およびレセプタクル4は、いずれも従来に比して構造が簡単になり、小型になるので、プラグ3を取り扱う作業者の負担を軽減でき、コンテナ貯蔵棚103aという限られた空間へのレセプタクル4の設置も比較的容易になる。そして、比較的小型の電力供給機構を備えるコンテナ倉庫を実現することができる。
短絡用部材8は、受電端子7と給電端子とが接触し、これによりプラグ3とレセプタクル4との電気的接続が確立した後に、短絡用部材8とレセプタクル4の連結検知用端子とを導通させて、レセプタクル4からプラグ3に電気を供給する機能を有している。従って、レセプタクル4からプラグ3に電気を安全に供給することができるコンテナ倉庫を実現することができる。連結検知用端子と接触可能な短絡用部材8の短絡面は、銅板等の導電性に優れた金属製平板からなるので、連結検知用端子と短絡用部材8との間で接触不良が起こり難く、そのため、受電端子7と給電端子とが接触し、これによりプラグ3とレセプタクル4との電気的接続が確立されたにも拘らず、レセプタクル4からプラグ3に電気が供給されないといった動作不良も起こり難い。これによって、レセプタクル4からプラグ3に電気を安全に供給することができるコンテナ倉庫を実現することができる。
錠部材9は、座金12と係合部材13とからなり、係合部材13には、後述する回転軸に配されたスプリング31(図4参照)により座金12側への押し込み力が付勢されている。座金12は、プラグ本体6の、プラグ3が固定されるすみ金具203と接する側の側面に、この側面から突出して設けられている。座金12は、すみ金具203に形成された縦長楕円形状の開孔部204とほぼ同寸の縦長楕円形状部材に凹部12aを形状したものからなり、プラグ本体6をすみ金具203に固定する際に開孔部204内に挿入される。係合部材13は、開孔部204とほぼ同寸の楕円形状部材の長軸側の周面にテーパー面13aを形成したものからなっている。テーパー面13aは、プラグ本体6側に向かって縮径するように形成されている。このように係合部材13にテーパー面13aを形成することによって、係合部材13は、その一部が座金12の凹部12a内に入り込んだ状態で凹部12a内において回転可能になっている。係合部材13には、回転軸14が取り付けられ、回転軸14の一端部は、係合部材13が取り付けられた側面と反対側の側面から水平に突出している。回転軸14は、プラグ本体6内に取り付けられたスリーブ管33内に挿通され、プラグ本体6内の配線等と干渉しないようになっている。プラグ本体6から突出した回転軸14の一端部にハンドル15を装着して、係合部材13を回転させることができる(図5参照)。
錠部材9によるプラグ3のすみ金具203への固定方法を説明する。
係合部材13を座金12と同じ向きに回転させた状態で(図2参照)、すみ金具203と錠部材9とが相対するようにプラグ3をセットし(図6参照)、座金12を係合部材13とともにすみ金具203の開孔部204内に挿入する(図7参照)。プラグ3の持ち運びは、取っ手5により容易に行える。この後、回転軸14にハンドル15を装着して係合部材13を回転させると(図8参照)、開孔部204の内側縁部とテーパー面13aとが接触する。さらに係合部材13を回転させると、係合部材13のテーパー面13aは、開孔部204の内側縁部に沿って摺動し、係合部材13は、スプリング31の弾性力に抗して凹部12aから突出方向にスライドする。かくして、係合部材13は、開孔部204の内側縁部にスプリング31の弾性力によって押し付けられる(図9、図10参照)。これによって、プラグ3は、錠部材9によってすみ金具203に緩むことなく係合し確実に固定される。プラグ3の取り外しに際しては、ハンドル15を逆方向に回転させれば良い。プラグ3の取り外しに際して、ハンドル15をスプリング31の弾性力に抗して押し込んで、係合部材13と開孔部204との係合を解除すれば、ハンドル15の逆方向の回転が容易に行える。ハンドル15の押し込み操作は、プラグ3の取り付け時に行っても良い。
当板10は、レセプタクル4の後述するリンク機構を回動させて、レセプタクル4の蓋を開くものである。当板10とリンク機構との関係については、後述するレセプタクル4のところで説明する。
(レセプタクル)
レセプタクル4を、図面を参照しながら説明する。
図11は、閉蓋後のレセプタクルを示す斜視図、図12は、開蓋途中のレセプタクルを示す正面図、図13は、開蓋後のレセプタクルを示す斜視図、図14は、開蓋後のレセプタクルを示す平面図である。
図11から図14に示すように、レセプタクル4は、基台16に取り付けられた箱状のレセプタクル本体17と、レセプタクル本体17内の上部に上向きに設けられた給電端子18および連結検知用端子19(図13、図14参照)と、給電端子18および連結検知用端子19の露出と遮蔽を行う蓋20とを備えている。レセプタクル4は、レセプタクル本体17の両側に配されたスプリング21を介して上下動可能に基台16に取り付けられている。基台16は、コンテナ貯蔵棚103aの床面206に固定される。
レセプタクル本体17をスプリング21を介して基台16に取り付ける理由は、以下の通りである。
コンテナ200が下降してプラグ3がレセプタクル4と接触する際、スプリング21の弾性力に抗してレセプタクル4全体が沈み込む。これによって、給電端子18および連結検知用端子19の周囲を取り囲むように配置された後述する給電側連結面とプラグ3の後述する受電側連結面との面接触が確実なものとなる。
レセプタクル本体17は、その上面に、給電端子18および連結検知用端子19の周囲を取り囲むように配置された給電側連結面17a(図13、図14参照)を有している。給電側連結面17aは、ゴム板等からなりコンテナ200が台座205上に載置されているとき、プラグ3の受電側連結面6aと面接触する。これによって、受電端子7、給電端子18、短絡用部材8および連結検知用端子19並びに受電端子7と給電端子18との面接触部分および短絡用部材8と連結検知用端子19との接触部分は、それぞれ同時に、レセプタクル4とプラグ3と間の閉じた空間内に閉じ込められ、外部から遮蔽され、これにより併せて防塵や防水も実現される。
給電端子18は、スプリング(図示せず)により上方に突出する力が付勢されており、コンテナ200が台座205上に載置されているとき、プラグ3の受電端子7と面接触する。給電端子18と受電端子7との接触は、前記スプリングによる弾性力により確実に行われる。連結検知用端子19は、プラグ3の短絡用部材8との接触による電気的導通を検知したとき、レセプタクル4からプラグ3に電気を供給する機能を有している。すなわち、受電端子7と接触していないときの連結検知用端子19の高さは、給電端子18の高さより低く構成され、給電端子18と受電端子7とが接触し、これによりレセプタクル4とプラグ3との電気的接続が確立した後に、連結検知用端子19と短絡用部材8とが電気的に導通し、電源2からの電気がレセプタクル4からプラグ3に供給され、そして、プラグ3から電動装置202に確実に供給されるようになっている。
蓋20は、レセプタクル本体17の両側に軸支された一対のアーム22に取り付けられている。アーム22は、蓋20とともに後述するリンク機構によって回動し、かくして、蓋20により給電端子18および連結検知用端子19の露出と遮蔽が行われる。
リンク機構23は、スライダ・クランク機構からなっている。すなわち、頂部にローラー24が取り付けられた短尺レバー25と、ガイド溝26aが形成された長尺レバー26とを連結軸27を介してくの字状に連結したものからなっている。このように構成されているリンク機構23がレセプタクル本体17の両側に連結軸27を介して回動自在に取り付けられている。長尺レバー26同士は、連結バー28により連結され、一体的に回動する。連結軸27には、リンク機構23に常時、閉蓋方向(図12中、矢印A方向)の力を付勢するスプリング29が取り付けられている。蓋20の両側面には、ピン30が設けられ、ピン30は、長尺レバー26のガイド溝26aと係合し、リンク機構23の回動に伴いガイド溝26aに沿ってスライドする。
リンク機構23によれば、コンテナ200とともに下降するプラグ3が短尺レバー25を押し下げると、長尺レバー26がスプリング29の弾性力に抗して開蓋方向(図12中、矢印B方向)に回動する。長尺レバー26が回動すると、ピン30が長尺レバー26のガイド溝26aの一端(図12中、左側)から他端(図12中、右側)に向かってスライドする結果、蓋20は、開き始め(図12参照)、さらにプラグ3が下降すると、蓋20は、完全に開いて、給電端子18および連結検知用端子19がレセプタクル本体17から露出する(図13、図14参照)。
一方、コンテナ200とともにプラグ3が上昇すると、スプリング29の弾性力によって短尺レバー25が長尺レバー26とともに開蓋方向に回動する。長尺レバー26が回動すると、ピン30が長尺レバー26のガイド溝26aの他端から一端にスライドする結果、蓋20は、完全に閉じる(図11参照)。
リンク機構23によれば、レセプタクル4の蓋20が水平方向にスライドして開閉動作を行う場合に比べて、狭い空間内で開閉動作を行うことができる。従って、レセプタクル4の大型化を抑えることができ、コンテナ貯蔵棚103aという限られた空間へのレセプタクル4の設置も比較的容易になる。上述したプラグ3の上下方向の移動に伴う短尺レバー25の回動は、ローラー24を介して円滑に行われる。
このように、レセプタクル4はプラグ3の上下方向の接近と離隔に対応する開閉動作に伴い給電端子の露出と遮蔽を行う蓋20を備えているので、従来のようにレセプタクルが備える蓋の開閉動作のためにコンテナの上下方向の位置決めを行う必要がなく、そのコンテナを水平方向に移動させる必要もない。そして、プラグ3が取り付けられたコンテナ200を上下方向に移動させるだけで、蓋20の開閉、従って給電端子を露出と遮蔽と、給電端子と受電端子との接触とその解除とを行うことができる。従って、比較的簡単な手法、即ちコンテナを上下方向に移動させるだけでプラグとレセプタクルとの電気的な接続とその解除を安全に行うことができる電気供給機構1を備えるコンテナ倉庫を実現することができる。
また、蓋20の開閉動作に伴い連結検知用端子19の露出と遮蔽が起こるので、プラグ3とレセプタクル4との電気的な接続状態を検知する必要がないときに、連結検知用端子19が短絡用部材8以外の部材と接触して導通するような不測の事態(従って、受電端子7と給電端子18との間に無用な電圧がかかるような事態)の発生を防止することができる。
次に、電動装置を具備するコンテナのコンテナ倉庫への収容方法を、図面を参照しながら説明する。
図15は、レセプタクルの真上に、プラグを取り付けたコンテナを搬送した状態を示す斜視図、図16は、図15のA矢視図、図17は、コンテナの下降に伴うレセプタクルの開蓋状態を示す斜視図、図18は、レセプタクルの開蓋が完了した状態を示す斜視図、図19は、図18のB矢視図である。
先ず、所定のコンテナ貯蔵棚103aの床面206上に固定された台座205の外側にレセプタクル4を固定するとともに、コンテナ200のすみ金具203にプラグ3を取り付ける(図1参照)。このとき、電動装置202の電源プラグ(図示せず)をプラグ3のコンセント11に差し込んでおく。なお、電源プラグは、コンテナ200が台座205上に載置された後にコンセント11に差し込んでも良い。
次いで、プラグ3が取り付けたコンテナ200を、上述したコンテナ搬送装置(図20参照)により、プラグ3の直下にレセプタクル4が位置するようにコンテナ貯蔵棚103a内に搬送する(図15、図16参照)。次いで、コンテナ200を下降させる。コンテナ200に伴い、プラグ3の当板10によりレセプタクル4の短尺レバー25が押し下げられ、これにより蓋20がリンク機構23により開き始める(図17参照)。
このようにして、コンテナ200が台座205上に完全に載置されると、レセプタクル4の蓋20が完全に開き、レセプタクル4の給電端子18とプラグ3の受電端子7とが接触する(図18、図19参照)。従って、電動装置202の電源をオンすれば、電源2からの電気がレセプタクル4とプラグ3を介して電動装置202に供給される(図1参照)。
この際、受電端子7給電端子18とが接触し、これによりプラグ3とレセプタクル4との電気的接続が確立した後に、短絡用部材8と連結検知用端子19とが導通し、レセプタクル4からプラグ3へと電気が供給されるので、レセプタクル4からプラグ3に電気を安全に供給することができる。
このようにして、電動装置を具備するコンテナのコンテナ倉庫への収容が完了する。