JP5670795B2 - 金属調熱可塑性樹脂組成物及び金属調成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、良好な金属調外観を有する金属調熱可塑性樹脂組成物ならびに、当該樹脂組成物を成形することで得られた金属調成形品に関する。
ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂などのスチレン系樹脂は、金属に比べ、軽量であり、かつ加工性に優れることからより、自動車部品、家電部品など広範囲にわたって使用されている。一般的には、これらの樹脂を染料、顔料などの着色剤を用いて任意の色に着色した後に、成形加工を行うことで各種成形品を得ている。また、家電部品、自動車部品などにおいては、それら成形品の表面に金属調の塗装を施して、金属調の成形品として使用されている場合もある。
金属調の塗装を行う際に、アルミニウム粉などを有機溶剤に分散した塗料を塗布した後、乾燥を行うが、塗装ブース等の特別な設備が必要となるだけでなく、熱や紫外線等を利用した塗膜の乾燥工程が必須であるため、塗装を実施する手間やコストが必要となると言った問題、さらには有機溶剤による環境の悪化という問題がある。そのため、アルミニウム粉を主体とする金属顔料を樹脂に混入させ、成形することで、塗装を行わずに金属調成形品を得る方法が知られている。
アルミフレーク(アルミニウム粉)等の光輝性材料を配合した樹脂組成物から得られた成形品は、塗装により成形品の表面にメタリック膜やメッキ膜を付与する時の問題が生じることがないため、いろいろな金属調熱可塑性樹脂組成物が開発・提案されている。
例えば、光輝性材料を配合した成形品表面に発生するウエルドラインを目立たなくするために、粒子径と形状比を限定したアルミニウム粒子を配合する方法が提案されている(特開昭61−159453号)。同様に、特定形状の鱗片状アルミニウムを配合する方法が提案されている(特開平7−330997号)。それらは一般にABS樹脂やポリスチレンに代表されるスチレン系樹脂単独での使用に関する内容であった。
一方、耐熱性と耐衝撃性を有する樹脂として、ゴム強化スチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂とが混合されたアロイ樹脂が知られているが、当該アロイ樹脂に特定の難燃剤と金属粒子を配合した金属調の難燃性材料も提案されている(特表2002−521547号)。
しかしながら、当該アロイ樹脂に光輝性材料を配合して、金属調成形品を得ようと試みたところ、いずれの光輝性材料を使用しても、外観不良(ウエルドラインの発生、輝度の低下)が発生した。その原因を究明したところ、アルミフレーク等の光輝性材料がゴム強化スチレン系樹脂相に偏析し、光輝性材料が多量に存在する箇所と少量存在する箇所とで、明度(輝度)が異なり、スジ状の色ムラが生じていることが判明した。
このため、ゴム強化スチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂の混練強化、いずれかの樹脂に光輝性材料を配合した後に、残りの樹脂を混練する方法などの手法により、アロイ樹脂中の各樹脂相を細分化し、光輝性材料の偏析を抑制できたが、金属調熱可塑性樹脂組成物(ペレット)から自動車部品や家電部品を成形すると、成形時に光輝性材料がゴム強化スチレン系樹脂相へ偏析したため、外観不良の解決には至らなかった。
特開昭61−159453号公報
特開平7−330997号公報
特表2002−521547号公報
本発明の目的は、ゴム強化スチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂とが混合されたアロイ樹脂における光輝性材料の偏析といった問題を解決し、良好な金属調外観を有する金属調熱可塑性樹脂組成物、及びその金属調成形品を提供することにある。
本発明者らは、上述の問題点を解決するために鋭意検討を行った結果、アロイ樹脂に光輝性材料であるアルミフレークと共に、有機微粒子拡散剤を用いることで成形品とした時の金属調外観が良好であり、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明はゴム強化スチレン系樹脂(A)10〜90重量部とポリカーボネート樹脂(B)10〜90重量部から構成されるアロイ樹脂100重量部に対して、有機微粒子拡散剤(C)0.1〜5重量部、及び平均粒子径が5〜30μmのアルミフレーク(D)0.1〜10重量部配合することを特徴とする金属調熱可塑性樹脂組成物、及び該樹脂組成物を成形して得られた金属調成形品に関する。
本発明により、ゴム強化スチレン系樹脂とポリカーボネート樹脂とが混合されたアロイ樹脂の特長である耐熱性、耐衝撃性を犠牲にすることなく、成形品外観にウエルドマークが発生せず、かつ高い輝度を有する金属調成形品を提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の金属調熱可塑性樹脂組成物は、ゴム強化スチレン系樹脂(A)10〜90重量部とポリカーボネート樹脂(B)10〜90重量部から構成されるアロイ樹脂100重量部に対して、有機微粒子拡散剤(C)0.1〜5重量部、及び平均粒子径が5〜30μmのアルミフレーク(D)0.1〜10重量部配合することを特徴とする。
本発明にて用いられるゴム強化スチレン系樹脂(A)とは、ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル化合物又は芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物を重合して得られるグラフト共重合体、又は該グラフト共重合体と上記化合物を(共)重合して得られる(共)重合体から構成される樹脂組成物である。
本発明に使用されるゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられるゴム状重合体としては、特に制限はないが、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)ゴム等のエチレン−プロピレン系ゴム、ポリブチルアクリレート等のアクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、更にはこれらのゴムから選ばれた一種以上の複合ゴムなどが挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特に、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリル酸ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーン系ゴムが好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられるゴム状重合体の重量平均粒子径は、物性バランスの観点から、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.1〜1.0μmである。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロムスチレンなどが挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)で用いられる芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物などの不飽和カルボン酸又は不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、O−クロル−N−フェニルマレイミドなどのマレミド化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物等が挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にアクリロニトリル、マレイン酸無水物、メチルメタクリレート、N−フェニルマレイミドが好ましい。
ゴム状重合体と共重合する、上記の芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物の組成比率に、特に制限はないが、芳香族ビニル化合物30〜100重量%、他のビニル化合物0〜70重量%の組成比率であることが好ましく、スチレン60〜90重量%とアクリロニトリル10〜40重量%の組成比率、スチレン30〜80重量%とメチルメタクリレート20〜70重量%の組成比率、スチレン20〜70重量%とメチルメタクリレート20〜70重量%とアクリロニトリル10〜60重量%の組成比率であることがより好ましい。
グラフト共重合体と共に用いられる、(共)重合体の芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル化合物の組成比率に、特に制限はないが、芳香族ビニル化合物30〜100重量%、他のビニル化合物0〜70重量%の組成比率であることが好ましく、(α−メチル)スチレン60〜90重量%と10〜40重量%のアクリロニトリルとの共重合体、(α−メチル)スチレン30〜80重量%とN−フェニルマレイミド20〜70重量%の共重合体、(α−メチル)スチレン30〜80重量%とメチルメタクリレート20〜70重量%の共重合体、(α−メチル)スチレン20〜70重量%、N−フェニルマレイミド20〜70重量%とアクリロニトリル10〜60重量%の共重合体、(α−メチル)スチレン20〜70重量%、メチルメタクリレート20〜70重量%とアクリロニトリル10〜60重量%の共重合体などであることがより好ましい。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)中に占めるゴム状重合体成分と、単量体成分(芳香族ビニル化合物及び共重合可能な他のビニル化合物の合計)との構成比率には特に制限はないが、好ましくはゴム状重合体成分3〜80重量%及び単量体成分97〜20重量%である。ゴム強化スチレン系樹脂(A)中に占めるゴム状重合体の含有量は、グラフト共重合体製造時のゴム状重合体と単量体との比率、又はグラフト重合体と(共)重合体の配合比率を適宜変更することにより可能である。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)を構成するグラフト共重合体及び(共)重合体は、従来より公知の重合方法、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法並びにそれらの組合せによって製造することができる。
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(B)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン;”ビスフェノールA“から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(B)で用いられるジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、のようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは単独又は2種類以上混合して使用されるが、これらの他に、ピペラジン、ジペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のヒドロキシジアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログリシン、4,6−ジマチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−〔4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル〕−プロパンなどがあげられる。
また、ポリカーボネート樹脂(B)の重量平均分子量は、通常10000〜80000であり、好ましくは15000〜60000である。さらに、ポリカーボネート樹脂(B)を製造する際には、分子量調整剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明の金属調熱可塑性樹脂組成物における、ゴム強化スチレン系樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)から構成されるアロイ樹脂は、アロイ樹脂100重量部中に、ゴム強化スチレン系樹脂(A)10〜90重量部及びポリカーボネート樹脂(B)10〜90重量部であることが必要である。ゴム強化スチレン系樹脂(A)が10重量部未満では流動性、耐衝撃性に劣り、90重量部超えると耐熱性に劣り好ましくない。好ましくはゴム強化スチレン系樹脂(A)30〜70重量部及びポリカーボネート樹脂(B)70〜30重量部である。また、金属調熱可塑性樹脂組成物中に含まれるゴム成分の含有量は、物性バランスの観点から、金属調熱可塑性樹脂組成物100重量部中に3〜30重量部含まれていることが好ましい。
本発明に使用される有機微粒子拡散剤(C)とは、(メタ)アクリル酸エステルやスチレンを中心としたモノマーを(共)重合して得られた微粒子であり、例えば一般的な乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法などを用いて得る事ができる。具体例としては、ポリスチレン微粒子、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。また、その他、1以上の有機基を有するオルガノクロロシラン類の加水分解と縮合によって得られた球状微粒子、例えばシロキサン系ポリマー微粒子が挙げられる。それらの有機微粒子は、一般的に化粧品原料や光拡散剤、塗料及びフィルム添加剤として幅広く使用されている。
有機微粒子拡散剤(C)としては、ゴム強化スチレン系樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)から構成されるアロイ樹脂の成形温度まで加熱を行っても、樹脂中に溶融しない、架橋した有機微粒子が好ましいため、架橋した(メタ)アクリル樹脂、架橋したシリコーン樹脂などが好ましい。より具体的には、部分架橋したポリメタクリル酸メチルのポリマー微粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴムをシリコーンレジンで架橋したシリコーンゴムパウダー等が挙げられる。
有機微粒子拡散剤(C)の使用量はアロイ樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部である。有機微粒子拡散剤(C)が0.1重量部未満では、成形品に色ムラが発生し、色別れのある表面外観となってしまい、5重量部を超えると、光沢が大幅に低下し、輝度感のある金属調の成形品を得ることができない。好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明で使用される光輝性材料であるアルミフレーク(D)は、アルミニウムの金属粉であり、その形状は、特に限定されるものではなく、例えば球状や正多面体形状、扁平形状、何れの形状であっても良い。しかしながら、アルミフレークはレーザー回折・錯乱法などにより測定される平均粒子径が5〜30μmである必要がある。
アルミフレークの偏在によって生ずる色ムラは、アルミフレークの平均粒子径が小さい程、より目立つようになる傾向がある。そのため、金属調熱可塑性樹脂組成物中に含まれるアルミフレークの平均粒子径が5μm未満では、アルミフレークの偏在による色ムラがより顕著なものとなり、有機微粒子拡散剤にて発揮される拡散作用を持ってしても、上述の色ムラを目立たせなくすることが困難になる。また、アルミフレークの平均粒子径が30μmを超える場合には、アルミフレークが余りに大きいために、アルミフレークの1つ1つの粒子が光って見えるような、見た目のつぶつぶ感が生じるようになり、均一で単調な単一色とする事が難しくなる。
本発明に使用されるアルミフレーク(D)の使用量はアロイ樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部である。0.1重量部未満では、光輝性が十分ではなく、金属調の成形品を得ることができない。また、10重量部を超えると、樹脂組成物の物性、特に耐衝撃性などが低下し、好ましい物性を得ることができない。好ましくは0.3〜5重量部であり、より好ましくは。0.5〜3重量部である。
ゴム強化スチレン系樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)及び有機微粒子拡散剤(C)、アルミフレーク(D)の混合順序、方法には何ら制限はなく、これら4成分のうち、予め任意の2成分を混合・混錬後、残る1成分を混合・混錬することもできる。なお、溶融混錬に際しては各種公知の押出機により、200〜300℃で溶融混錬することができる。
本発明の金属調熱可塑性樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲内において、他の熱可塑性樹脂と混合して使用することもできる。このような他の熱可塑性樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂等を使用することができる。
また、本発明の金属調熱可塑性樹脂組成物には、その目的を損なわない範囲内においてヒンダードフェノール系、含硫黄有機化合物系、含リン有機化合物系等の酸化防止剤、フェノール系、アクリレート系等の熱安定剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系の紫外線吸収剤、有機ニッケル系、高級脂肪酸アミド類等の滑剤、リン酸エステル類等の可塑剤、ポリブロモフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノール−A、臭素化エポキシオリゴマー、臭素化、カポリカーボネートオリゴマー等の含ハロゲン系化合物、リン系化合物、三酸化アンチモン等の難燃剤・難燃助剤、臭気マスキング剤、カーボンブラック、酸化チタン、顔料、及び染料等を添加することもできる。更に、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、炭素繊維、金属繊維等の補強剤や充填剤を添加することもできる。
本発明の金属調成形品は、上述の樹脂組成物を用いて公知の成形方法、例えば射出成形、押出成形、プレス成形等により、自動車部品、家電部品などとして成形することが可能である。
以下に本発明について詳細に説明する。尚、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。また、部及び%は何れも重量基準で示した。
−ゴム強化スチレン樹脂(A−1)−
ポリブタジエンゴムラテックス(粒子径0.35μm、ゲル含有量85重量%)50部(固形分)、スチレン35部、アクリルニトリル15部を公知の乳化重合法により重合し、硫酸で塩析し、脱水、乾燥の処理を行ない、グラフト共重合体を得た。別途、スチレン70部とアクリルニトリル30部とを公知の乳化重合法に基づき重合し、脱水、乾燥の処理を行い共重合体を得た。グラフト共重合体80部と共重合体20部の比率でパウダー混合し、溶融混練することでゴム強化スチレン樹脂(A−1)のペレットを得た。
−ゴム強化スチレン樹脂(A−2)−
ポリブタジエンゴムラテックスをブチルアクリレートゴムラテックス(粒子径0.30μm、ゲル含有量90重量%)に変更した以外は、上述の方法にてグラフト共重合体を得た後、グラフト共重合体80部と上述の共重合体20部の比率で混合し、溶融混練することでゴム強化スチレン樹脂(A−2)のペレットを得た。
−ポリカーボネート樹脂(B)−
ポリカーボネート:住友ダウ製 カリバー 300−15
−拡散剤(C)−
C−1:アクリル微粒子 ローム&ハース製 EXL−5136
C−2:ポリメチルシルセスオキサン系拡散剤 日興リカ製 MSP−S020
C−3:架橋ポリメタアクリル酸メチルポリマー ガンツパール製 GSM−0858S
C−4:硫酸バリウム 堺化学工業製 BMH
C−5:タルク 林化成製 ミクロンホワイト#5000S
C−6:酸化マグネシウム タテホ化学工業製 #500
−アルミフレーク−(D)−
アルミフレーク:東洋アルミニウム製 メタックスネオNME005N1
上述のゴム強化スチレン樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)及び拡散剤(C)、アルミフレーク(D)を表1に示す割合にて混合した後、2軸押出機を用い、シリンダー温度250℃で溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットより射出成形機を用い、シリンダー設定温度270℃、金型温度50℃の条件で射出成形することで、光沢測定用の成形品(90mm×550mm×2mm)ならびにパネルラジオカセットの前面(中央部に樹脂流体が接合する構造=ウエルド部を有する)を得た。
得られた成形品の光沢を次の方法で測定するとともに、ラジオカセットの前面パネル(ウエルド部)の外観評価を目視にて行った。評価結果を表1に示す。
外観評価
・鏡面光沢度(60°)
5ショット後の成形品をISO 2813に準拠して光沢を測定した。単位;%
・ウエルド部の目視評価
◎;アルミフレークの色別れ無し(筋状の模様がない)
○;アルミフレークの色別れ無し(筋状の模様はないが、光沢が若干低下)
×;アルミフレークの色別れ有り(筋状の模様が有り、光沢が大幅に低下)
表1に示すように、本願発明の金属調樹脂組成物を用いた金属調成形品は、成形品外観の色別れがなく、かつ光沢も良好な結果であった。
有機微粒子拡散剤の使用量が多かった比較例1では成形品外観の色別れは生じなかったが、光沢が大幅に低下してしまった。有機微粒子拡散剤の変わりに無機拡散剤を用いていない比較例2〜4、及び拡散剤を用いていない比較例5は、光沢は良い結果であったが、成形品外観の色別れが改善されなかった。
以上のとおり、本発明の金属調熱可塑性樹脂組成物を使用することにより、アルミフレークの偏析を防止し、外観の良好な(ウエルドマークが発生せず、輝度感に優れた)金属調成形品を提供することができる。

Claims (2)

  1. ゴム強化スチレン系樹脂(A)10〜90重量部とポリカーボネート樹脂(B)10〜90重量部から構成されるアロイ樹脂100重量部に対して、有機微粒子拡散剤(C)0.1〜5重量部、及び平均粒子径が5〜30μmのアルミフレーク(D)0.1〜10重量部配合することを特徴とする金属調熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の金属調熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた金属調成形品。
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