以下、本発明の電子部品割振方法および電子部品実装方法の実施の形態について説明する。
<<第一実施形態>>
<電子部品実装機の機械的構成>
まず、本実施形態の電子部品割振方法および電子部品実装方法に用いられる電子部品実装機(以下、「本実施形態の電子部品実装機」と略称する。第二実施形態以降についても同様に略称する。)の機械的構成について説明する。以降の図において、左側は、基板の搬送方向上流側に相当する。右側は、基板の搬送方向下流側に相当する。図1に、本実施形態の電子部品実装機を備える生産ラインの斜視図を示す。図1に示すように、生産ラインLは、左右方向に連なる四台の電子部品実装機1a〜1dを備えている。生産対象となる基板には、四台の電子部品実装機1a〜1dにより、段階的に電子部品が装着される。
図2に、同電子部品実装機の斜視図を示す。図3に、同電子部品実装機の上面図を示す。図4に、同電子部品実装機の右側面図を示す。図2においては、モジュール3のハウジングを透過して示す。図3においては、モジュール3のハウジングを省略して示す。また、Y方向スライダ310、Y方向ガイドレール312、X方向ガイドレール313を一点鎖線で、吸着ノズル37、マークカメラ33を点線で、それぞれ示す。また、基板Bf、Br、部品供給位置B1にハッチングを施す。
図2〜図4に示すように、電子部品実装機1bは、ベース2と、モジュール3と、部品供給装置4と、を備えている。図1に示すように、電子部品実装機1bは、生産ラインLにおける、上流側から二台目の電子部品実装機1bである。
[ベース2、部品供給装置4]
図2に示すように、ベース2は、直方体箱状を呈している。ベース2は、工場のフロアFに配置されている。部品供給装置4は、ベース2の前部上方に配置されている。部品供給装置4は、基板に装着される電子部品を供給する。部品供給装置4は、複数のカセット式フィーダ45を備えている。カセット式フィーダ45には、多数の電子部品が装着されている。図3に示すように、カセット式フィーダ45の後端部分には、部品供給位置B1が設定されている。後述するように、図4に示す部品供給位置B1の高度は、基板マークMf0がマークカメラ33のピント範囲D2内に入るときの基板Bfの高度と、ほぼ同じである(図10参照)。カセット式フィーダ45は、装着対象となる電子部品を部品供給位置B1に供給する。
[モジュール3]
図2に示すように、モジュール3は、ベース2に対して、交換可能に配置されている。モジュール3は、XYロボット31と、装着ヘッド32と、マークカメラ33と、パーツカメラ34と、基板搬送装置36と、吸着ノズル37と、高度変更装置38と、ノズルストッカ39と、制御装置7と、画像処理装置8(後述する図8参照)と、を備えている。マークカメラ33は、本発明の「撮像装置」の概念に含まれる。
(基板搬送装置36)
基板搬送装置36は、基板Bf、Brを搬送している。基板搬送装置36は、第一基板搬送部360fと、第二基板搬送部360rと、を備えている。図3に示すように、第一基板搬送部360fには第一レーンLfが、第二基板搬送部360rには第二レーンLrが、各々、区画されている。
図4に示すように、第一基板搬送部360f、第二基板搬送部360rは、各々、前後一対のコンベアベルトを備えている。コンベアベルトは、基板の搬送体としての機能を有している。第一基板搬送部360fの前方のコンベアベルトは後述する固定壁300の後面に、後方のコンベアベルトは後述する可動壁301fの前面に、各々、配置されている。前後一対のコンベアベルトの間には、基板Bfが架設されている。第二基板搬送部360rの前方のコンベアベルトは可動壁301fの後面に、後方のコンベアベルトは後述する可動壁301rの前面に、各々、配置されている。前後一対のコンベアベルトの間には、基板Brが架設されている。
(XYロボット31)
X方向は左右方向に、Y方向は前後方向に、Z方向は上下方向に、各々、対応している。XYロボット31は、Y方向スライダ310と、X方向スライダ311と、左右一対のY方向ガイドレール312と、上下一対のX方向ガイドレール313と、を備えている。
左右一対のY方向ガイドレール312は、モジュール3のハウジング内部空間の上面に配置されている。Y方向スライダ310は、左右方向に長いブロック状を呈している。Y方向スライダ310は、左右一対のY方向ガイドレール312に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。Y方向ガイドレール312は、Y方向ガイド部材しての機能を有している。Y方向スライダ310は、Y方向ガイド部材にY方向に案内されるY方向被ガイド部材としての機能を有している。上下一対のX方向ガイドレール313は、Y方向スライダ310の前面に配置されている。X方向スライダ311は、長方形板状を呈している。X方向スライダ311は、上下一対のX方向ガイドレール313に、左右方向に摺動可能に取り付けられている。X方向ガイドレール313は、X方向ガイド部材としての機能を有している。X方向スライダ311は、X方向ガイド部材にX方向に案内されるX方向被ガイド部材としての機能を有している。
(装着ヘッド32、マークカメラ33、パーツカメラ34、ノズルストッカ39)
装着ヘッド32は、X方向スライダ311に取り付けられている。このため、装着ヘッド32は、XYロボット31により、前後左右方向に移動可能である。図5に、本実施形態の電子部品実装機の装着ヘッドの拡大斜視図を示す。なお、ボールねじ部320、Z軸モータ321、昇降ロッド322は、細線で示す。
図5に示すように、装着ヘッド32は、ボールねじ部320と、Z軸モータ321と、昇降ロッド322と、ホルダ323と、を備えている。ボールねじ部320は、シャフト320aと、ナット320bと、を備えている。ボールねじ部320は、後述する吸着ノズル37を上下方向に移動させるノズル昇降機構としての機能を有している。シャフト320aは、上下方向に延在している。シャフト320aは、Z軸モータ321の回転軸に連結されている。ナット320bは、シャフト320aに螺合されている。ナット320bは、上下一対の挟持片320cを備えている。昇降ロッド322は、上下方向に延在している。昇降ロッド322の上端には、被挟持片322aが配置されている。被挟持片322aは、一対の挟持片320cにより、上下方向から挟持されている。ホルダ323は、昇降ロッド322の下端に配置されている。
Z軸モータ321の回転軸が回転すると、シャフト320aが軸回りに回転し、ナット320bが上下方向に移動する。被挟持片322aは、一対の挟持片320cにより、上下方向から挟持されている。このため、昇降ロッド322つまりホルダ323は、ナット320bと共に、上下方向に移動する。また、ホルダ323は、モータ(図略)により、軸回りに回転可能である。
吸着ノズル37は、ホルダ323に、交換可能に取り付けられている。吸着ノズル37には、配管(図略)を介して、負圧、または正圧が供給される。吸着ノズル37は、電子部品の搬送体としての機能を有している。
マークカメラ33は、装着ヘッド32の後方に配置されている。マークカメラ33は、基板の水平方向位置を確認する基板確認装置としての機能を有している。マークカメラ33の撮像範囲は下方である。マークカメラ33のピント範囲(ピントが合う上下方向範囲)は、固定されている。すなわち、マークカメラ33は、フォーカス機能を有していない。
図3に示すように、パーツカメラ34は、固定壁300の前方に配置されている。パーツカメラ34は、電子部品の状態を確認する部品状態確認装置としての機能を有している。パーツカメラ34の撮像範囲は、パーツカメラ34の上方である。電子部品を吸着した吸着ノズル37(つまり装着ヘッド32)は、パーツカメラ34の上方を通過する。この際、吸着ノズル37に対する電子部品の吸着状態が撮像される。ノズルストッカ39は、パーツカメラ34の左方に配置されている。ノズルストッカ39には、交換用の吸着ノズル37が多数配置されている。
(高度変更装置38)
基板生産時において、基板Bf、Brは、上下方向から、挟持、固定されている。高度変更装置38は、複数段階の部品装着高度で、基板Bf、Brを、挟持、固定する機能を有している。高度変更装置38は、基板クランプ装置30と、基板昇降装置35と、を備えている。
図2、図3に示すように、基板クランプ装置30は、固定壁300と、前後一対の可動壁301f、301rと、左右一対のガイドレール303L、303Rと、前後一対の第一クランプ部材304fと、前後一対の第二クランプ部材304rと、基部305と、を備えている。
基部305は、長方形板状を呈している。基部305は、ベース2の上面に配置されている。左右一対のガイドレール303L、303Rは、各々、前後方向に延在している。左右一対のガイドレール303L、303Rは、基部305の上面の左縁および右縁に、離間して配置されている。
固定壁300は、基部305の上面前縁に立設されている。固定壁300は、下方に開口するC字板状を呈している。固定壁300のC字両端は、左右一対のガイドレール303L、303Rの前端に連なっている。
可動壁301fは、固定壁300の後方に配置されている。可動壁301rは、可動壁301fの後方に配置されている。可動壁301f、301rは、下方に開口するC字板状を呈している。可動壁301f、301rのC字両端は、左右一対のガイドレール303L、303Rに、前後方向に摺動可能に取り付けられている。このため、固定壁300と可動壁301fとの間の第一レーンLfのレーン幅、可動壁301fと可動壁301rとの間の第二レーンLrのレーン幅は、各々、基板Bf、Brの前後方向幅に応じて変更可能である。
このように、ガイドレール303L、303Rは、Y方向ガイド部材としての機能を有している。可動壁301f、301rは、Y方向ガイド部材にY方向に案内されるY方向被ガイド部材としての機能を有している。固定壁300と可動壁301f、固定壁300と可動壁301rは、Y方向幅を拡縮可能なY方向幅変更部材としての機能を有している。
図6に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の拡大斜視図を示す。図7に、図4の枠VII内の拡大図を示す。図6、図7に示すように、前後一対の第一クランプ部材304fは、各々、左右方向に長い角柱状を呈している。前後一対の第一クランプ部材304fは、各々、下方に突出する六本のガイドロッド304faを備えている。
一方、固定壁300の上面には、六つのガイド孔300aが凹設されている。ガイド孔300aには、配管(図略)を介して、負圧、または正圧が供給される。前方の第一クランプ部材304fは、ガイドロッド304faがガイド孔300aに収容された状態で、固定壁300の上縁に取り付けられている。ガイド孔300aに、負圧、または正圧が供給されることにより、前方の第一クランプ部材304fは、固定壁300に対して、図7に示す移動量D1だけ、上下方向に移動可能である。このように、ガイド孔300aは、Z方向ガイド部材としての機能を有している。ガイドロッド304faは、Z方向被ガイド部材としての機能を有している。配管は、第一クランプ部材304fを上下方向に移動させるクランプ部材昇降機構としての機能を有している。
また、可動壁301fの上面には、六つのガイド孔301faが凹設されている。ガイド孔301faには、配管を介して、負圧、または正圧が供給される。後方の第一クランプ部材304fは、ガイドロッド304faがガイド孔301faに収容された状態で、可動壁301fの上縁に取り付けられている。ガイド孔301faに、負圧、または正圧が供給されることにより、後方の第一クランプ部材304fは、可動壁301fに対して、図7に示す移動量D1だけ、上下方向に移動可能である。このように、ガイド孔301faは、Z方向ガイド部材としての機能を有している。ガイドロッド304faは、Z方向被ガイド部材としての機能を有している。配管は、第一クランプ部材304fを上下方向に移動させるクランプ部材昇降機構としての機能を有している。
図4に示すように、前後一対の第二クランプ部材304rは、各々、左右方向に長い角柱状を呈している。前方の第二クランプ部材304rは可動壁301fの上縁後方に、後方の第二クランプ部材304rは可動壁301rの上縁に、各々、配置されている。第二クランプ部材304rは、第一クランプ部材304f同様に、可動壁301f、301rに対して、上下方向に移動可能である。
基板昇降装置35は、第一基板昇降部350fと、第二基板昇降部350rと、を備えている。図6、図7に示すように、第一基板昇降部350fは、前後一対の第一クランプ部材304fの間に配置されている。第一基板昇降部350fは、第一ボールねじ部351fと、第一バックアップテーブル352fと、多数の第一バックアップピン353fと、を備えている。第一バックアップテーブル352fは、長方形板状を呈している。第一バックアップテーブル352fは、第一ボールねじ部351fにより、上下方向に移動可能である。第一ボールねじ部351fは、基板Bfを上下方向に移動させる基板昇降機構としての機能を有している。多数の第一バックアップピン353fは、第一バックアップテーブル352fの上面に配置されている。多数の第一バックアップピン353fは、基板Bfの下面を支持可能である。基板生産時において、基板Bfは、一対の第一クランプ部材304fと、多数の第一バックアップピン353fと、により、上下方向から挟持、固定されている。第一バックアップピン353fは、基板Bfを直接支持する基板支持具としての機能を有している。また、第一バックアップピン353f、第一クランプ部材304fは、基板生産時に基板Bfを固定する基板固定具としての機能を有している。
図4に示すように、第二基板昇降部350rは、前後一対の第二クランプ部材304rの間に配置されている。第二基板昇降部350rの構成は、第一基板昇降部350fの構成と同様である。
<電子部品実装機の電気的構成>
次に、本実施形態の電子部品実装機の電気的構成について説明する。図8に、本実施形態の電子部品実装機のブロック図を示す。図8に示すように、制御装置7は、コンピュータ70と複数の駆動回路とを備えている。コンピュータ70は、入出力インターフェイス700と、演算部701と、記憶部702と、を備えている。
入出力インターフェイス700には、各々、駆動回路を介して、基板クランプ装置30の正圧源309a、負圧源309b、第一搬送幅変更モータ309f、第二搬送幅変更モータ309r、基板昇降装置35の第一昇降モータ359f、第二昇降モータ359r、基板搬送装置36の第一搬送モータ369f、第二搬送モータ369r、XYロボット31のX軸モータ319a、Y軸モータ319b、装着ヘッド32のZ軸モータ321、θ軸モータ325が電気的に接続されている。入出力インターフェイス700には、画像処理装置8が電気的に接続されている。画像処理装置8には、マークカメラ33、パーツカメラ34が電気的に接続されている。
正圧源309aは、図6に示すように、配管を介してガイド孔300a、301faに正圧を供給する。負圧源309bは、図6に示すように、配管を介してガイド孔300a、301faに負圧を供給する。第一搬送幅変更モータ309fは、図4に示すように、可動壁301fを前後方向に駆動する。第二搬送幅変更モータ309rは、図4に示すように、可動壁301rを前後方向に駆動する。第一昇降モータ359fは、図4に示すように、第一ボールねじ部351fを駆動する。第二昇降モータ359rは、図4に示すように、第二ボールねじ部351rを駆動する。第一搬送モータ369fは、図4に示すように、第一基板搬送部360fを駆動する。第二搬送モータ369rは、図4に示すように、第二基板搬送部360rを駆動する。X軸モータ319aは、図2に示すように、X方向スライダ311を駆動する。Y軸モータ319bは、図2に示すように、Y方向スライダ310を駆動する。Z軸モータ321は、図5に示すように、Z軸モータ321を駆動する。θ軸モータ325は、θ軸モータ325を駆動し、装着ヘッド32に対して、吸着ノズル37を水平面内で回転させる。
図8に示すように、コンピュータ70には、電子部品実装機1bの各装置からの信号が、集中的に伝送される。記憶部702には、電子部品の装着に必要な、実装プログラムなどの各種プログラムが格納されている。また、記憶部702には、基板搬送高度、部品装着高度、基板生産時間、生産枚数、電子部品の種類、点数、座標などが格納されている。演算部701は、実装プログラムを基に、電子部品を基板Bf、Brに実装する。
基板Bfの部品装着高度を変更する場合、制御装置は、変更後の部品装着高度を達成するのに必要な距離の上昇または下降を、第一昇降モータ359fに指示する。第一昇降モータ359fは、制御装置の指示に従って、第一ボールねじ部351fを介して、第一バックアップテーブル352fを上昇または下降することにより、設定された部品装着高度を実現する。
制御装置7は、正圧源309aまたは負圧源309bに対して、変更後の部品装着高度の基板を適切にクランプするのに必要な距離だけ第一クランプ部材304fを上昇または下降させるのに必要な、負圧または正圧の供給を指示する。制御装置7の指示に従って負圧または正圧を供給することにより、ガイドロッド304faが上昇または下降して、第一クランプ部材304fの高度が変更されることにより、部品装着高度が変更された基板Bfを適切にクランプすることができる。第二クランプ部材304rおよび第二基板昇降部350rの構成も同様である。
<電子部品割振方法>
次に、本実施形態の電子部品割振方法について説明する。図9に、本実施形態の電子部品実装機を備える生産ラインの第一レーンにより生産された基板の斜視図を示す。図9に示すように、生産後の基板Bfの上面には、合計二十個の下層電子部品Pf1と、合計四十個の上層電子部品Pf2と、が実装されている。下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2は、各々、本発明の「電子部品」の概念に含まれる。
下層電子部品Pf1は、基板Bfの上面に装着されている。上層電子部品Pf2は、下層電子部品Pf1の上面に装着されている。すなわち、基板Bfに対して、二層の電子部品が積み重ねられている。
基板Bfには、複数の基板マークMf0が配置されている。基板マークMf0は、本発明の「位置決め用撮像部分」の概念に含まれる。基板マークMf0は、基板Bfの水平方向位置確認用、下層電子部品Pf1の装着位置決め用として用いられる。すなわち、下層電子部品Pf1を基板Bfの所定の装着座標に装着する場合、装着前に図4に示すマークカメラ33により基板マークMf0を撮像し、基板Bfの位置ずれを加味して下層電子部品Pf1を基板Bfに装着することにより、装着精度を向上させている。
下層電子部品Pf1には、複数の部品マークMf1が配置されている。部品マークMf1は、本発明の「位置決め用撮像部分」の概念に含まれる。部品マークMf1は、上層電子部品Pf2の装着位置決め用として用いられる。すなわち、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1の所定の装着座標に装着する場合、装着前に図4に示すマークカメラ33により部品マークMf1を撮像し、下層電子部品Pf1の位置ずれを加味して上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着することにより、装着精度を向上させている。
本実施形態の電子部品割振方法においては、生産ラインL全体の基板生産時間が最も短くなるように、図1に示す四台の電子部品実装機1a〜1dに、下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2の装着が割り振られる。電子部品割振方法は、基板生産前の生産ラインLのオプチマイズの際に行われる。すなわち、四台の電子部品実装機1a〜1dは、ネットワークNを介して、コンピュータ90に接続されている。コンピュータ90により、各電子部品実装機1a〜1dの制御装置に格納されたプログラムを書き換える。
本実施形態の電子部品割振方法は、割振工程と作業選択工程とを有している。
[割振工程]
割振工程においては、電子部品実装機1a〜1dに均等に下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2が割り振られる。すなわち、電子部品実装機1a〜1dに、十五個(=60個/4台)ずつ電子部品が割り振られる。具体的には、電子部品実装機1aに、十五個の下層電子部品Pf1が割り当てられる。また、電子部品実装機1bに、五個の下層電子部品Pf1と、十個の上層電子部品Pf2と、が割り当てられる。また、電子部品実装機1cに、十五個の上層電子部品Pf2が割り当てられる。また、電子部品実装機1dに、十五個の上層電子部品Pf2が割り当てられる。
なお、均等に電子部品を割り振るのは、電子部品実装機1a〜1dのうち、いずれか一つの電子部品実装機1a〜1dの割り当て電子部品数が多い場合、当該電子部品実装機1a〜1dがボトルネックになってしまい、生産ラインL全体の基板生産時間が長くなるからである。
[作業選択工程]
作業選択工程においては、上流側から二台目の電子部品実装機1bの取り扱いが検討される。
すなわち、図4に示すマークカメラ33のピント範囲は固定されている。一方、図9に示す基板マークMf0と部品マークMf1との間には、高度差がある。基板マークMf0と部品マークMf1とは、一度にピント範囲に入らない。
図1に示す電子部品実装機1aの場合、割り当てられる電子部品は全て下層電子部品Pf1である。このため、ピント範囲に基板マークMf0が入るように、高度変更装置38の高度(図9に示す基板Bf上面の高度)を設定すればよい。また、当該高度に高度変更装置38を固定すればよい。
また、電子部品実装機1c、1dの場合、割り当てられる電子部品は全て上層電子部品Pf2である。このため、ピント範囲に部品マークMf1が入るように、高度変更装置38の高度(図9に示す下層電子部品Pf1上面の高度)を設定すればよい。また、当該高度に高度変更装置38を固定すればよい。
ところが、電子部品実装機1bの場合、割り当てられる電子部品に、下層電子部品Pf1と上層電子部品Pf2とが混在している。この場合、下層電子部品Pf1の装着完了後に、ピント範囲に部品マークMf1が入るように、高度変更装置38の高度を変更する必要がある。ここで、電子部品実装機1bの取り扱いの選択肢としては、以下の(I)、(II)がある。
(I)電子部品実装機1b単独で、割り当てられた下層電子部品Pf1と上層電子部品Pf2とを基板Bfに装着する。
(II)上層電子部品Pf2を他の電子部品実装機1c、1dに割り振る。
選択肢(I)の場合、下層電子部品Pf1の装着完了後に、ピント範囲に部品マークMf1が入るように、高度変更装置38の高度を変更する必要がある。そして、高度変更後に図4に示すマークカメラ33で部品マークMf1を撮像し、下層電子部品Pf1の位置ずれを加味して、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する必要がある。高度変更→撮像→装着という一連の作業を、高度変更後装着作業という。
選択肢(II)の場合、電子部品実装機1c、1dのうち少なくとも一方により、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する必要がある。すなわち、図7に示す第一基板搬送部360fから部品装着高度まで基板Bfを上昇させる必要がある。言い換えると、ピント範囲に部品マークMf1が入るように、高度変更装置38の高度を変更する必要がある。そして、高度変更後に図4に示すマークカメラ33で部品マークMf1を撮像し、下層電子部品Pf1の位置ずれを加味して、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する必要がある。搬送→高度変更→撮像→装着という一連の作業を、別実装機装着作業という。
本工程においては、選択肢(I)の高度変更後装着作業に要する時間と、選択肢(II)の別実装機装着作業に要する時間と、が比較される。比較の結果、生産ラインL全体の基板生産時間が短くなるように、高度変更後装着作業または別実装機装着作業が選択される。
このようにして、四台の電子部品実装機1a〜1dに、下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2の装着が割り振られる。割振結果により、各電子部品実装機1a〜1dの制御装置のプログラムのデータが更新される。
<電子部品実装方法>
次に、本実施形態の電子部品割振方法が反映された電子部品実装方法について説明する。なお、電子部品割振方法の作業選択工程において、高度変更後装着作業が選択された場合について説明する。
第一に、図1に示す最上流側の電子部品実装機1aにより下層電子部品Pf1を基板Bfに装着する。図10に、最上流側の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の基板マーク撮像時の右側面図を示す。図11に、同部分の下層電子部品装着時の右側面図を示す。なお、図10、図11は、図7(図4の枠VII内)に対応している。
本実施形態において、電子部品実装機1aは、十五個の下層電子部品Pf1を基板Bf上に装着するように割り振られた。このため、撮像に必要なマークは基板Bfに設けられた基板マークMf0だけである。したがって、電子部品実装機1aの制御装置において、基板Bfの部品装着高度は、基板マークMf0が電子部品実装機1aのマークカメラ33のピント範囲D2に入る高度に設定され、十五個の下層電子部品Pf1全ての装着時において常に一定とされている。
図10に示すように、電子部品実装機1aに基板Bfが搬入されると、第一基板昇降部350fは、制御装置の指示に基づいて、基板マークMf0がマークカメラ33のピント範囲D2に入る高度まで、基板Bfを上昇させる。
具体的には、第一ボールねじ部351fにより、第一バックアップテーブル352fを上下方向に移動させる。基板Bfは、第一バックアップテーブル352f上面の多数の第一バックアップピン353fにより、下方から支持されている。このため、第一バックアップテーブル352fが上下方向に移動すると、基板Bfの高度が変更される。次に、制御装置7の指示に基づいて、図7に示すガイド孔300a、301faの内圧を変化させることにより、一対の第一クランプ部材304fを、上下方向に移動させる。そして、一対の第一クランプ部材304fを、基板Bfの上面に当接させる。このように、制御装置7の記憶部702に格納された所定の部品装着高度において、基板Bfは、下方の多数の第一バックアップピン353fと、上方の一対の第一クランプ部材304fと、により、挟持、固定される。
それから、マークカメラ33を基板マークMf0の真上まで移動させる。続いて、マークカメラ33で基板マークMf0を撮像する。その後、画像処理装置により、マークカメラ33の撮像データを解析し、基板Bfの水平方向位置を確認する。
続いて、図11に示すように、図3の部品供給位置B1で吸着した下層電子部品Pf1を有する吸着ノズル37を、基板Bfにおける下層電子部品Pf1の装着座標の真上まで移動させる。なお、装着座標は、画像処理装置の解析結果に応じて、すなわち基板Bfの位置ずれ量に応じて、適宜、補正される。その後、吸着ノズル37を下降させ、下層電子部品Pf1を基板Bfの所定の装着座標に装着する。
図12に、最上流側の電子部品実装機から搬出された基板の斜視図を示す。図12に示すように、図1の電子部品実装機1aにおいては、図10の作業を行い、図11の作業を繰り返すことにより、合計十五個の下層電子部品Pf1が基板Bfに装着される。
第二に、図1に示す上流側から二台目の電子部品実装機1bにより下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2を基板Bfに装着する。図13に、上流側から二台目の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の部品マーク撮像時の右側面図を示す。図14に、同部分の上層電子部品装着時の右側面図を示す。なお、図13、図14は、図7(図4の枠VII内)に対応している。
本実施形態において、電子部品実装機1bは、五個の下層電子部品Pf1を基板Bf上に装着し、一つの下層電子部品Pf1上に二つの上層電子部品Pf2を、すなわち合計で十個の上層電子部品Pf2を合計で五個の下層電子部品Pf1上に装着するように割り振られた。
よって、下層電子部品Pf1の装着のため、基板Bfに設けられた基板マークMf0の撮像が必要である。また、上層電子部品Pf2の装着のため、五個の下層電子部品Pf1上に設けられた部品マークMf1の撮像が必要である。
したがって、電子部品実装機1bの制御装置7において、基板Bfの部品装着高度は、五個の下層電子部品Pf1を基板Bf上に装着するときには、基板マークMf0が電子部品実装機1bのマークカメラ33のピント範囲D2に入る部品装着高度に設定されている。また、十個の上層電子部品Pf2を五個の下層電子部品Pf1上に装着するときには、五個の下層電子部品Pf1の部品マークMf1が電子部品実装機1bのマークカメラ33のピント範囲D2に入る部品装着高度に設定されている。
なお、五個の下層電子部品Pf1は同じ種類の電子部品である。このため、五個の下層電子部品Pf1の背丈は等しい。したがって、マークカメラ33から部品マークMf1までの上下方向の距離は等しい。この点、背丈が異なる複数の下層電子部品Pf1の部品マークMf1を撮像する場合には、各部品マークMf1がピント範囲D2に入るように、各下層電子部品Pf1の背丈に適した部品装着高度を設定すればよい。
電子部品実装機1bに基板Bfが搬入されると、基板Bfは、制御装置7の指示により、基板搬送高度から、基板マークMf0がマークカメラ33のピント範囲D2に入る部品装着高度まで、上昇させられる。そして図10の作業を行い、図11の作業を繰り返すことによって、合計五個の下層電子部品Pf1を基板Bfに装着する。
綾いて、第一基板昇降部350fは、制御装置の指示に基づいて、下層電子部品Pf1の部品マークMf1がマークカメラ33のピント範囲D2に入るように、基板Bfを下降させる。
すなわち、まず第一バックアップテーブル352f、多数の第一バックアップピン353fを下降させ、基板Bfを下降させる。次に、制御装置7の指示に基づいて、一対の第一クランプ部材304fを、下降させる。そして、高度変更後の基板Bfを、下方の多数の第一バックアップピン353fと、上方の一対の第一クランプ部材304fと、により、挟持、固定する。
それから、図13に示すように、マークカメラ33を所定の下層電子部品Pf1の部品マークMf1の真上まで移動させる。続いて、マークカメラ33で部品マークMf1を撮像する。その後、画像処理装置により、マークカメラ33の撮像データを解析し、下層電子部品Pf1の水平方向位置を確認する。
続いて、図14に示すように、図3の部品供給位置B1で吸着した上層電子部品Pf2を有する吸着ノズル37を、下層電子部品Pf1における上層電子部品Pf2の装着座標の真上まで移動させる。なお、装着座標は、画像処理装置の解析結果に応じて、すなわち下層電子部品Pf1の位置ずれ量に応じて、適宜、補正される。その後、吸着ノズル37を下降させ、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1の所定の装着座標に装着する。
図15に、上流側から二台目の電子部品実装機から搬出された基板の斜視図を示す。図15に示すように、図1の電子部品実装機1bにおいては、図10の作業を行い、図11の作業を繰り返すことにより、合計五個の下層電子部品Pf1が基板Bfに装着される。また、図13、図14の作業を繰り返すことにより、合計十個の上層電子部品Pf2が下層電子部品Pf1に装着される。
第三に、図1に示す上流側から三台目の電子部品実装機1cにより上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する。なお、装着作業の手順は、電子部品実装機1bにより上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する場合と同様である。
本実施形態において、電子部品実装機1cは、一つの下層電子部品Pf1上に二つの上層電子部品Pf2を、すなわち合計で十五個の上層電子部品Pf2を合計で八個の下層電子部品Pf1上に装着するように割り振られた。このため、撮像の必要なマークは上層電子部品Pf2が装着されるべき八個の下層電子部品Pf1に設けられた八個の部品マークMf1である。
八個の下層電子部品Pf1は同じ種類の電子部品である。このため、マークカメラ33から部品マークMf1までの上下方向の距離は全て等しい。したがって、電子部品実装機1cの制御装置において、基板Bfの部品装着高度は、部品マークMf1が電子部品実装機1cのマークカメラ33のピント範囲D2に入る部品装着高度に設定され、十五個の上層電子部品Pf2全ての装着時において常に一定とされている。
すなわち、図13に示すように、電子部品実装機1cに基板Bfが搬入されると、第一基板昇降部350fは、制御装置の指示に基づいて、部品マークMf1がマークカメラ33のピント範囲D2に入る高度まで、基板Bfを上昇させる。
基板Bfの高度を変更後、マークカメラ33で所定の下層電子部品Pf1の部品マークMf1を撮像する。それから、画像処理装置により、マークカメラ33の撮像データを解析し、下層電子部品Pf1の水平方向位置を確認する。続いて、図14に示すように、上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1の所定の装着座標に装着する。
図16に、上流側から三台目の電子部品実装機から搬出された基板の斜視図を示す。図16に示すように、図1の電子部品実装機1cにおいては、図13、図14の作業を繰り返すことにより、合計十五個の上層電子部品Pf2が下層電子部品Pf1に装着される。
第四に、図1に示す最下流側の電子部品実装機1dにより上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する。装着作業の手順は、電子部品実装機1cにより上層電子部品Pf2を下層電子部品Pf1に装着する場合と同様である。このため、説明を割愛する。このようにして、基板Bfに下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2が装着される。そして、図9に示す基板Bfが完成する。
<作用効果>
次に、本実施形態の電子部品実装機および電子部品割振方法の作用効果について説明する。本実施形態の電子部品実装機1bによると、図14に示すように、高度変更装置38で基板Bfの部品装着高度を変更することにより、上層電子部品Pf2の搬送経路内の障害物(例えば、下層電子部品Pf1)を、上下方向に回避することができる。
また、本実施形態の電子部品実装機1bによると、図9に示すように、基板Bfには基板マークMf0が、下層電子部品Pf1には部品マークMf1が、各々配置されている。また、図5に示すように、電子部品実装機1bは、マークカメラ33を備えている。このため、マークカメラ33で基板マークMf0を撮像し、基板Bfの高度変更後に、マークカメラ33で部品マークMf1を撮像することにより、基板Bf、下層電子部品Pf1の水平方向位置の確認を行うことができる。
また、本実施形態の電子部品実装機1bによると、図10、図13に示すように、基板マークMf0、部品マークMf1が、ピント範囲D2に入るように、高度変更装置38は基板Bfの部品装着高度を変更することができる。このため、マークカメラ33がフォーカス機能を有しないにもかかわらず、基板マークMf0、部品マークMf1をピント範囲D2に入れることができる。したがって、装着すべき電子部品(下層電子部品Pf1、上層電子部品Pf2)を、各電子部品実装機1a〜1dに割り振る際の自由度が高くなる。
また、本実施形態の電子部品実装機1bによると、吸着ノズル37は装着ヘッド32に交換可能に取り付けられている。また、図1、図3に示すように、電子部品実装機1bには、ノズルストッカ39が配置されている。ノズルストッカ39には、交換用の吸着ノズル37が待機している。
このため、背丈が低い電子部品に背丈が高い吸着ノズル37を対応させることにより、吸着ノズル37の上下動ストロークが短い場合であっても、当該電子部品を基板Bfの装着座標まで確実に降ろすことができる。また、背丈が高い電子部品に背丈が低い吸着ノズル37を対応させることにより、電子部品の搬送経路内の障害物を、確実に、上下方向に回避することができる。
また、本実施形態の電子部品割振方法によると、割振工程において全電子部品実装機1a〜1dに対して一旦均等に割り当てられた電子部品装着数を、作業選択工程において生産ラインL全体の基板生産時間短縮化の見地から見直すことができる。すなわち、作業選択工程において、高度変更後装着作業に要する時間と、別実装機装着作業に要する時間と、を比較し、生産ラインL全体の基板生産時間が短くなるように、高度変更後装着作業または別実装機装着作業を選択することができる。このため、生産ラインL全体の基板生産時間を短くすることができる。
<<第二実施形態>>
第二実施形態の電子部品実装機の構成は、第一実施形態の電子部品実装機の構成と同様である。図17に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の電子部品装着時の右側面図を示す。なお、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図17に示すように、部品供給位置B1(図3参照)と装着座標D7との間の電子部品Pf4の搬送経路G内に、既に装着された電子部品Pf3がある場合、電子部品Pf4と電子部品Pf3との干渉を回避する必要がある。
この場合、高度変更装置38により、基板Bfの部品装着高度を下げれば、干渉を回避することができる。しかしながら、基板の部品装着高度を下げると、その分ダウンタイムが発生する。そこで、本実施形態の場合、基板Bfの部品装着高度D8、および吸着ノズル37の背丈D3が、電子部品Pf3、Pf4が前後方向に行き違えるように、設定されている。また、基板Bfの部品装着高度D8、および吸着ノズル37の背丈D3が、背丈の低い電子部品Pf4を基板Bfの装着座標D7に装着できるように、設定されている。
具体的には、(基板Bfと搬送中の吸着ノズル37の下端面との間の距離D9≧電子部品Pf3の背丈D5+電子部品Pf4の背丈D4)となるように、基板Bfの部品装着高度D8、吸着ノズル37の背丈D3は設定されている。
また、図17に細線で示すように、(基板Bfと搬送中の吸着ノズル37の下端面との間の距離D9≦電子部品Pf4の背丈D4+吸着ノズル37の背丈D3+ホルダ323の背丈D5+吸着ノズル37の上下方向ストロークD6)となるように、基板Bfの部品装着高度D8、吸着ノズル37の背丈D3は設定されている。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、本実施形態の電子部品実装機によると、電子部品Pf4の搬送経路G内に障害物(電子部品Pf3)がある場合であっても、基板Bfの部品装着高度を変更せずに、生産を続行することができる。このため、基板生産時間を短くすることができる。
<<第三実施形態>>
第三実施形態の電子部品実装機の構成は、第一実施形態の電子部品実装機の構成と同様である。図18(a)に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の低グループの電子部品装着時の右側面図を示す。図18(b)に、同部分の中グループの電子部品装着時の右側面図を示す。図18(c)に、同部分の高グループの電子部品装着時の右側面図を示す。なお、図18(a)〜図18(c)において、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図18(a)〜図18(c)に示すように、合計九種類の電子部品Pf5〜Pf13は、各々、背丈が異なっている。これらの電子部品Pf5〜Pf13を基板Bf上に装着する際、各電子部品Pf5〜Pf13の背丈に対応して、部品装着高度を電子部品Pf5〜Pf13ごとに変更するようにした場合、吸着ノズル37の上下方向の移動時間を削減することができる。
しかし、組付誤差などにより、高度変更装置38が上下方向に対して傾斜していることがある(後述する第八実施形態、図23参照)。このため、高精度な装着が必要な場合には、部品装着高度を変更するたびに、マークカメラ33により基板マークMf0を撮像し、基板Bfの水平方向位置を検出する必要があり、撮像に要する時間が増加する。他にも、高度変更装置38の移動に要する時間など、高度変更のために必要な作業時間が増加する。
このため、背丈の似た電子部品Pf5〜Pf13をグループ分けし、グループごとに部品装着高度を変更するように設定するとよい。いくつのグループに分けるか、すなわち、部品装着高度を何回変更するか、を決定するのは、部品装着高度の変更回数増加による、吸着ノズル37の上下方向移動時間の削減量と、高度変更に関する作業時間の増加量と、の比較に基づいてもよい。
本実施形態においては、部品装着高度を高高度DH、中高度DM、低高度DLの三段階に変更する。また、実装プログラム作成の際、低い方から三種類の電子部品Pf5〜Pf7を低グループPLに、高い方から三種類の電子部品Pf11〜Pf13を高グループPHに、中程の三種類の電子部品Pf8〜Pf10を、中グループPMに所属させる。
電子部品Pf5〜Pf13の実装順序としては、まず低グループPLの電子部品Pf5〜Pf7、次に中グループPMの電子部品Pf8〜Pf10、最後に高グループPHの電子部品Pf11〜Pf13とする。同じグループ内の電子部品Pf5〜Pf13の実装順序に関しても、背丈が低い順にすると、さらに効率よく装着できる。
そして、部品装着高度を、低グループPLの電子部品Pf5〜Pf7が高高度DHに、中グループPMの電子部品Pf8〜Pf10が中高度DMに、高グループPHの電子部品Pf11〜Pf13が低高度DLに、各々対応するように、設定する。
まず、図18(a)に示すように、制御装置の指示により、基板Bfの部品装着高度が高高度DHに設定され、マークカメラ33が基板マークMf0を撮像する。撮像により取得された基板Bfの高高度DHにおける水平方向位置に基づいて、低グループPLに属する三種類の電子部品Pf5〜Pf7が基板Bfに装着される。
次に、図18(b)に示すように、制御装置の指示により、基板Bfの部品装着高度が中高度DMへ変更され、マークカメラ33が基板マークMf0を撮像する。撮像により取得された基板Bfの中高度DMにおける水平方向位置に基づいて、中グループPMに属する三種類の電子部品Pf8〜Pf10が基板Bfに装着される。
最後に、図18(c)に示すように、制御装置の指示により、基板Bfの部品装着高度が低高度DLへ変更され、マークカメラ33が基板マークMf0を撮像する。撮像により取得された基板Bfの低高度DLにおける水平方向位置に基づいて、高グループPHに属する三種類の電子部品Pf11〜Pf13が基板Bfに装着される。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、仮に、低グループPLに属する三種類の電子部品Pf5〜Pf7に低高度DLが対応している場合、搬送中の電子部品Pf5〜Pf7と基板Bfとの高度差が大きいため、電子部品Pf5〜Pf7を基板Bfに装着する際、電子部品Pf5〜Pf7を大きく下降させる必要がある。このため、吸着ノズル37の上下方向の移動量が大きくなる。
これに対して、本実施形態の電子部品実装機によると、低グループPLに属する三種類の電子部品Pf5〜Pf7に高高度DHが対応している。このため、電子部品Pf5〜Pf7を基板Bfに装着する際、電子部品Pf5〜Pf7を大きく下降させる必要がない。したがって、吸着ノズル37の上下方向の移動量が小さくなる。
また、仮に、高グループPHに属する三種類の電子部品Pf11〜Pf13に高高度DHが対応している場合、搬送中の電子部品Pf11〜Pf13が基板Bfに装着済みの電子部品に干渉するおそれが大きいため、電子部品Pf11〜Pf13を基板Bfに装着する際、電子部品Pf11〜Pf13を大きく上昇させる必要がある。このため、吸着ノズル37の上下方向の移動量が大きくなる。
これに対して、本実施形態の電子部品実装機によると、高グループPHに属する三種類の電子部品Pf11〜Pf13に低高度DLが対応している。このため、電子部品Pf11〜Pf13を基板Bfに装着する際、電子部品Pf11〜Pf13を大きく上昇させる必要がない。したがって、吸着ノズル37の上下方向の移動量が小さくなる。
また、本実施形態の電子部品実装機によると、九種類の電子部品Pf5〜Pf13は、背丈が低い順に、部品装着高度が段階的に下げられる基板Bfに、装着される。このため、背丈が異なる九種類の電子部品Pf5〜Pf13を、効率よく、基板Bfに装着することができる。したがって、基板生産時間を短くすることができる。
また、本実施形態の電子部品実装機によると、九種類の電子部品Pf5〜Pf13は、背丈ごとに低グループPL、中グループPM、高グループPHに分類されている。九種類の電子部品Pf5〜Pf13は、グループごとに基板Bfに装着される。基板Bfの部品装着高度は、高高度DH、中高度DM、低高度DLの三段階に切り替え可能である。
仮に、電子部品Pf5〜Pf13ごとに基板Bfの部品装着高度を切り替えると、基板Bfの部品装着高度を九段階に切り替えることになる。このため、基板Bfの部品装着高度を変更するのに、多大なダウンタイムが発生する。
この点、本実施形態の電子部品実装機によると、九種類の電子部品Pf5〜Pf13が三つのグループに分類されている。このため、基板Bfの部品装着高度の切替も三段階で済む。したがって、基板Bfの部品装着高度の変更に要するダウンタイムを短くすることができる。
<<第四実施形態>>
第四実施形態の電子部品実装機の構成は、第一実施形態の電子部品実装機の構成と同様である。図19に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の基板マーク撮像時の右側面図を示す。なお、図10と対応する部位については、同じ符号で示す。
図19に示すように、基板Bfの上面には、基板マークMf0が配置されている。電子部品Pf14の上面には、部品マークMf3が配置されている。部品マークMf3は、本発明の「位置決め用撮像部分」の概念に含まれる。搬送中の電子部品Pf15の装着には、部品マークMf3が用いられる。しかしながら、部品マークMf3は、マークカメラ33のピント範囲D2に入っていない。
この場合、高度変更装置38により、基板Bfの部品装着高度を下げれば、部品マークMf3をピント範囲D2に入れることができる。しかしながら、基板Bfの部品装着高度を下げると、その分ダウンタイムが発生する。一方、基板マークMf0は、マークカメラ33のピント範囲D2に入っている。
そこで、本実施形態の場合、制御装置により、基板マークMf0の水平方向位置から、電子部品Pf15の装着座標を算出している。基板マークMf0と電子部品Pf15との間の相対的な位置関係が既知である場合、本実施形態のように、基板マークMf0で部品マークMf3を代用することができる。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、本実施形態の電子部品実装機によると、部品マークMf3撮像のために基板Bfの部品装着高度を変更する必要がない。このため、基板Bfの高度変更に伴うダウンタイムが発生しない。
<<第五実施形態>>
第五実施形態の電子部品実装機の構成は、第一実施形態の電子部品実装機の構成と同様である。図20に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の部品マーク撮像時の右側面図を示す。なお、図13と対応する部位については、同じ符号で示す。
基板Bfには、上流側の別の電子部品実装機により、既に電子部品Pf1aが装着されている。電子部品Pf1bは、本実施形態の電子部品実装機(下流側の電子部品実装機)により基板Bfに装着される。
電子部品Pf1aの部品マークMf1aが、下流側の電子部品実装機のマークカメラのピント範囲D2に入っているのであれば、電子部品Pf1a上に設けられた部品マークMf1aの座標と、基板Bf上に実装された電子部品Pf1aの装着座標の相対的な位置関係に基づいて、電子部品Pf1a上に設けられた部品マークMf1aの座標から、基板Bf上に設けられた基板マークMf0の座標を算出する。算出された座標に基づいて、下流側の電子部品実装機は、電子部品Pf1bを基板Bf上に実装する。
基板Bf上に実装された電子部品Pf1aの装着座標に関するデータとしては、実装プログラムにおける電子部品Pf1aの装着座標データを利用することができる。ただし、電子部品Pf1aが上流側の電子部品実装機で基板Bf上に実装されてから、電子部品Pf1bが下流側の電子部品実装機で基板Bf上に実装されるまでの間に、基板Bfの基板マークMf0に対する電子部品Pf1aの実際の装着座標の相対位置関係を検出する工程がある場合には、当該工程のデータを利用すると、基板Bfに対する電子部品Pf1aの微細な位置ずれを加味できるため、基板マークMf0の座標をより正確に算出することができる。さらに正確さを求める場合には、後述する第八実施形態に示すように、高度変更装置の組付誤差による上下方向の傾斜も考慮するとよい。この場合、マーク撮像のために基板Bfの高度を変更する必要がないため、基板Bfの高度変更に伴うダウンタイムが発生しない。
また、基板マークMf0がマークカメラ33のピント範囲D2内に入るように基板Bfの高度を上昇させると、電子部品Pf1a、またはその他の実装済みの電子部品がマークカメラ等に干渉してしまう場合がある。この場合、基板マークMf0を撮像することができない。このように基板マークMf0を撮像できない場合であっても、電子部品Pf1aの部品マークMf1aで基板マークMf0を代用することができる。
次に、本実施形態の電子部品実装機の制御装置に格納される、実装プログラムの作成方法について説明する。実装プログラム作成の際には、本実施形態の電子部品実装機で実装するように割り振られた電子部品Pf1bの部品装着高度を設定する必要がある。本実施形態においては、マークカメラが撮像するマーク(基板マークMf0、部品マークMf1a)を鑑みて、部品装着高度を設定する。
基板マークMf0がマークカメラのピント範囲D2内に入るように基板Bfの部品装着高度を上昇させると、電子部品Pf1aや、他の実装済みの電子部品がマークカメラ等に干渉してしまう場合がある。この場合は、電子部品Pf1aの部品マークMf1aを撮像するものとする。したがって、電子部品Pf1aの部品マークMf1aがマークカメラ33のピント範囲D2内に入る高度を、電子部品Pf1bの部品装着高度に設定する。
マークカメラ等が実装済みの電子部品と干渉することなく、基板マークMf0を撮像可能な場合であっても、電子部品Pf1aが上流側の電子部品実装機で基板Bf上に実装されてから、電子部品Pf1bが下流側の電子部品実装機で基板Bf上に実装されるまでの間に、基板Bfの基板マークMf0に対する電子部品Pf1aの実際の装着座標の相対位置関係を検出する工程がある場合には、マークカメラのピント範囲D2内に、電子部品Pf1aの部品マークMf1aが入る高度を部品装着高度に設定した場合と、基板マークMf0が入る高度を設定した場合とで、吸着ノズルの上下方向の移動量を比較して、移動量が小さくなる場合の部品装着高度を設定する。
この場合、基板マークMf0に対する電子部品Pf1aの実際の装着座標の相対位置関係が判明しているため、電子部品Pf1aの部品マークMf1aに基づいて基板Bf上にある電子部品Pf1bの装着座標に実装しても、基板マークMf0に基づいた場合と同等の精度が保証される。
マークカメラ等が実装済みの電子部品と干渉することなく基板マークMf0を撮像可能な場合であって、電子部品Pf1aが上流の電子部品実装機で基板Bf上に実装されてから、電子部品Pf1bが下流の電子部品実装機で基板計上に実装されるまでの間に、基板Bfの基板マークMf0に対する電子部品Pf1aの実際の装着座標の相対位置関係を検出する工程がない場合は、基板Bfの装着に必要とされる精度を鑑みる。
高精度な装着が必要な場合には、基板マークMf0の水平位置に基づいた電子部品Pf1bの位置決めが必要であるため、基板マークMf0がマークカメラ33のピント範囲D2内に入る高度を電子部品Pf1bの部品装着高度に設定する。それほど高い精度が必要でない場合は、例えば吸着ノズルの上下方向の移動量を比較することによって、撮像すベきマークを定め、その撮像高度を電子部品Pf1bの部品装着高度に設定すればよい。
なお、電子部品Pf1aの他にも実装済みの電子部品が存在する場合、電子部品Pf1aの上に設けられた部品マークMf1aの代わりに、他の実装済みの電子部品の上に設けられた部品マークを利用してもよい。実装済みの電子部品の部品マークのどれを利用するかについては、各部品マークがピント範囲D2に入る部品装着高度における吸着ノズルの上下力向の移動量を比較して決定してもよい。
なお、生産ライン内の電子部品実装機ごとに実装プログラムを作成する際、ある電子部品実装機で、何らかの理由のため、例えばマークカメラ33等と装着済みの電子部品との干渉のため、基板マークMf0を撮像することが不可能であることが判明した場合、その電子部品実装機で基板マークMf0の代用とする代用マーク(例えば任意の装着済みの電子部品に設けられた部品マーク)を定め、この電子部品実装機よりも上流側の電子部品実装機であって、基板マークMf0と代用マークの両方を撮像できる電子部品実装機において、基板マークMf0に対する代用マ一クの相対的な位置関係を求めるように設定するとよい。
こうすると、生産時には、上流側の電子部品実装機が求めた両マークの相対的な位置関係のデータを下流側の電子部品実装機に伝送することにより、下流側の電子部品実装機は基板マークMf0の代用マークを利用して、基板マークMf0を利用するのと同等の精度で、電子部品を実装することができる。
<<第六実施形態>>
第六実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、高度変更装置の構成だけである。ここでは相違点についてのみ説明する。図21に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の右側面図を示す。なお、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図21に示すように、高度変更装置38は、一対の配管355と一対の吸着部356とを備えている。吸着部356には、配管355を介して、負圧が供給される。このため、吸着部356で基板Bfを吸い付けることにより、基板Bfを固定することができる。また、固定された状態のまま、移動量D10だけ、基板Bfを上下方向に移動させることができる。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、本実施形態の電子部品実装機によると、上下方向から基板Bfを挟持しないで、基板Bfを固定することができる。また、固定状態のまま、基板Bfを上下方向に移動させることができる。
また、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置38には、図7に示す前後一対の第一クランプ部材304fが配置されていない。このため、高度変更装置38の背丈が低くなる。したがって、高度変更装置38が電子部品の搬送の障害になりにくい。
<<第七実施形態>>
第七実施形態の電子部品実装機と第一実施形態の電子部品実装機との相違点は、高度変更装置の構成だけである。ここでは相違点についてのみ説明する。図22に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の右側面図を示す。なお、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図22に示すように、高度変更装置38は、一対の固定片357と一対の可動片358と一対のコイルスプリング359とを備えている。固定片357の下面には、ボス部357aが突設されている。可動片358の上面には、ボス部358aが突設されている。ボス部357aとボス部358aとは、上下方向に対向している。一対のボス部357a、358a間には、コイルスプリング359が介装されている。コイルスプリング359により、可動片358は、下方つまり基板Bf方向に付勢されている。
多数の第一バックアップピン353fを上下方向に移動させると、基板Bfも上下方向に移動する。基板Bfが上方に移動すると、コイルスプリング359の付勢力を蓄積しながら、可動片358も上方に移動する。基板Bfが下方に移動すると、コイルスプリング359の付勢力を消費しながら、可動片358も下方に移動する。このように、可動片358は、基板Bfの動きに追従して動く。このため、可動片358は、常時、基板Bfの上面を上方から押圧している。すなわち、基板Bfは、上方の一対の可動片358と、下方の多数の第一バックアップピン353fと、の間で、常時、挟持、固定されている。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第一実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、本実施形態の電子部品実装機によると、固定状態のまま、基板Bfを上下方向に移動させることができる。
<<第八実施形態>>
第八実施形態の電子部品実装機の構成は、第六実施形態の電子部品実装機の構成と同様である。図23に、本実施形態の電子部品実装機の高度変更装置の第一レーン側の部分の右側面図を示す。なお、図21と対応する部位については、同じ符号で示す。
組付誤差などにより、高度変更装置の移動方向が上下方向に対して傾斜している場合がある。図23に示すように、基板Bfの高度を変更する際の基板Bfの移動方向E1は、上下方向E2に対して、角度φで傾斜している。基板Bfの水平方向移動量E3は、基板Bfの移動方向E1に沿った移動量E4、角度φから、E3=E4・sinφとなる。このように、本実施形態の電子部品実装機によると、高度変更後に基板Bfの水平方向位置を確認する必要がない。
本実施形態の電子部品実装機は、構成が共通する部分に関しては、第六実施形態の電子部品実装機と同様の作用効果を有している。また、本実施形態の電子部品実装機によると、高度変更後に基板Bfの水平方向位置を確認する必要がない。このため、確認作業に要する時間が不要になる。したがって、基板生産時間を短くすることができる。
<その他>
以上、本発明の電子部品割振方法および電子部品実装方法の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
上記実施形態においては、図7、図21、図22に示すように、基板Bfの部品装着高度を変更することにより、電子部品の搬送経路内の障害物を回避した。しかしながら、図4に示すマークカメラ33やXYロボット31を上下方向に移動させることにより、電子部品の搬送経路内の障害物を回避してもよい。マークカメラ33やXYロボット31の昇降機構としては、例えば、図5に示すボールねじ部320を適用すればよい。
基板Bfの部品装着高度の設定は、図8に示すように、例えば制御装置7に格納された実装プログラムにおいて設定されていてもよい。実装プログラムにおいては、実装すベき各電子部品の装着座標、実装順序等が設定されているが、それに加えて各電子部品を実装するときの基板Bfの部品装着高度も設定されている。部品装着高度の設定は、電子部品ごとに設定されていてもよく、同じ部品装着高度で複数の電子部品が実装されるのであれば、部品装着高度を変更するタイミングの部分にだけ設定されていてもよい。高度変更装置38は制御装置7の指示に基づいて部品装着高度を変更する。
上記実施形態においては、本発明の位置決め用撮像部分として、基板マークMf0、部品マークMf1、Mf1a、Mf3を用いたが、エッジ部分などの形状特徴部を位置決め用撮像部分として用いてもよい。
第一実施形態の電子部品割振方法の作業選択工程においては、電子部品実装機1bの十個の上層電子部品Pf2の取り扱いを検討したが、五個の下層電子部品Pf1の取り扱いを検討してもよい。すなわち、生産ライン全体の基板生産時間が短くなる方を優先すればよい。また、生産ライン全体の基板生産時間ではなく、消費電力が少なくなる方を優先してもよい。こうすると、エネルギー消費量が少なくなる。
第一実施形態においては、図9に示すように、基板Bfに対する電子部品の積層数を二層としたが、積層数は特に限定しない。三層以上としてもよい。第一実施形態においては、図1に示すように、四台の電子部品実装機1a〜1dに対して、上流側の電子部品実装機1a、1bに、優先して、下層電子部品Pf1を割り当てた。しかしながら、上流側の電子部品実装機1a〜1dから下流側の電子部品実装機1a〜1dに向かう方向に、下層側から順番に、電子部品を装着しなくてもよい。第一実施形態においては、全ての電子部品実装機1a〜1dを、基板生産時に基板Bfの部品装着高度が変更できるタイプのものにした。しかしながら、電子部品実装機1bだけを当該タイプのものにしてもよい。すなわち、基板生産時に基板Bfの部品装着高度の変更が不要な電子部品実装機1a、1c、1dについては、基板生産時に基板Bfの部品装着高度が変更できないタイプの電子部品実装機を用いてもよい。つまり、複数層の電子部品を装着する必要がある電子部品実装機を、本発明の電子部品実装機とすればよい。
第四実施形態においては、図19に示すように、基板マークMf0の水平方向位置から電子部品Pf15の装着座標を算出したが、基板マークMf0の水平方向位置から部品マークMf3の水平方向位置を算出してもよい。また、ピント範囲D2内のマークの水平方向位置からピント範囲D2外のマークの水平方向位置を算出する場合、全てのマークの水平方向位置を算出する必要はない。電子部品の装着に必要なマークだけでよい。
第七実施形態においては、図22に示すように、コイルスプリング359により可動片358を付勢したが、流体シリンダ(エアシリンダ、オイルシリンダなど)により可動片358を付勢してもよい。第八実施形態においては、図23に示すように、基板Bfが前後方向に傾動する場合について説明したが、基板Bfの傾動方向は特に限定しない。例えば、左右方向でもよい。