JP5668452B2 - 新規多核錯体およびそれを用いる担持触媒の製造方法 - Google Patents
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Description
この金属クラスターの特異な性質を利用するために、サイズを制御したクラスターを簡便に且つ大量に合成する方法が必要とされている。
一方、サイズを制御したクラスターを得るために現在知られている方法としては、真空中において金属ターゲットを蒸散させて様々なサイズのクラスターを生成させ、このようにして得たクラスターから、マススペクトルの原理を用いてクラスターサイズを分離する方法がある。しかしながらこの方法ではサイズを制御した金属クラスターを簡便に且つ大量に合成することはできない。
こうした排ガス浄化触媒においても、貴金属資源枯渇の問題への対応と環境改善に対する要求から排ガス浄化性能のさらなら向上への期待は強く、貴金属をクラスターの状態で担持させることの必要性が指摘されている。
このため、金属錯体について、また金属化合物を基材に分散させる技術の改良について種々検討されている。
しかし、前記各公報に記載されている錯体では、錯体のサイズを制御することが困難であり、また触媒調製に一般的に用いられているAl2O3などの担体を用いて貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな担持触媒などの機能材を得ることが困難である。
従って、本発明の目的は、錯体のサイズを制御し得て且つ貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな機能材を与え得る、貴金属を含む多核錯体およびそのような多核錯体を使用する排ガス浄化用担持触媒の製造方法を提供することである。
で示される多核錯体に関する。
さらに、本発明は、前記の多核錯体を含有する溶液を触媒担体に含浸させた後、乾燥および焼成することを特徴とする排ガス浄化用担持触媒の製造方法に関する。
また、本発明によれば、貴金属が高分散に担持されていて貴金属担持量の大きな排ガス浄化用担持触媒を容易に得ることができる。
このクラスターの特異的な性質を利用するために、サイズを制御したクラスターを簡便に且つ大量に合成する方法が望まれているが、現在試みられているサイズを制御したクラスターを生成する方法としては真空中で金属ターゲットを蒸発させて様々なサイズのクラスターを生成させた後、MASS(MSと略記する場合もある)スペクトルの原理を用いてクラスターサイズを分離する方法であり大量に作ることは不可能である。また、触媒の調製法として利用されている錯体を用いる方法では、簡便に大量の触媒を調製することはできるが、錯体の担体との親和性と錯体のサイズ制御を両立させることが困難であり、触媒調製に一般的に用いられているAl2O3などの担体に高分散且つ高担持量でクラスターを担持し得ない。
本発明の実施態様である多核錯体の一例としては、下記の化学式:
で示される多核錯体が挙げられる。
本発明の実施態様の前記多核錯体は、1分子中に4個のPt原子と8個の酢酸配位子を有するオクタアセタト4白金錯体の4個のPtを含む面に存在する4個の酢酸配位子がこの面に存在しない他の4個の酢酸配位子に比べて反応性が高く、アセトフェノール配位子によって置き換えられている。
これに対して、後述の実施例の欄に比較例として示されるアミノフェノール配位子によって置き換えられた多核錯体は、担体との親和性が低い結果が得られているが、これはNH2基がδ+の性質を有しており、触媒担体中の酸点にアタックして付着し難いことによると考えられる。
前記のカルボキシフェノールの量は、アセタト貴金属錯体のアセタト基の何個をアセトフェノール配位子で置き換えるかによって異なり、例えば4個のアセタト基をアセトフェノール配位しで置き換える場合は、アセタト貴金属錯体のアセタト基に対して4倍モル以上、例えば8倍モル量のカルボキシフェノールを反応させ得る。
で示されるオクタアセタト4白金錯体が挙げられる。
また、前記の反応は、溶媒の凝固点以上で200℃以下の温度、例えば0〜100℃の範囲の温度で、0.1〜24時間攪拌下に行うことができる。
反応終了後、溶媒に不溶な固体を除去し、溶媒を留去することにより又は再結晶することによって結晶として得ることができる。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、この発明を限定するものではない。
[Pt4(CH3COO)4(p−HOC6H4COO)4](2)の合成
下記の反応式:
[Pt4(CH3COO)8](化合物1:87mg、69μmol)のジクロロメタン溶液(6mL)に対して、p−HOC6H4COOH(76mg、550μmol、8.0eq)のメタノール溶液(6mL)を加えた。25℃で2時間攪拌後に溶媒を留去し、ジクロロメタン(6mL)とメタノール(6mL)を加えた後に再び溶媒を留去する過程を10回繰り返した。最終的に得られた黄白色粉末をジエチルエーテルで洗浄し(8mLx3)、減圧乾固することによりオレンジ色の粉末(前記反応式の化合物2)110mgを得た。
[Pt4(CH3COO)4(p−H2NC6H4COO)4](3)の合成
下記の反応式:
[Pt4(CH3COO)8](化合物1:84mg、67μmol)のジクロロメタン溶液(6mL)に対して、p−H2NC6H4COOH(74mg、540μmol、8.0eq)のメタノール溶液(6mL)を加えた。25℃で2時間攪拌後に溶媒を留去し、ジクロロメタン(6mL)とメタノール(6mL)を加えた後に再び溶媒を留去する過程を10回繰り返した。最終的に得られた黄白色粉末をジエチルエーテルで洗浄し(8mLx3)、減圧乾固することによりオレンジ色の粉末(前記反応式の化合物3)104mgを得た。
Pt担持量が0.5wt%となるように仕込むために、30mLのアセトニトリルに実施例1で得られた多核錯体15mgを室温で完全に溶解させ、この溶液を室温で攪拌し、アルミナ担体(nanotek−Al2O3、シーアイ化成社製)を1.5g加えて攪拌を1時間継続した。次いで、減圧ろ過により担体をろ別し、120℃で乾燥後、500℃で2時間焼成して、排ガス浄化用担持触媒を得た。
得られた触媒について、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)(島津製作所社製)を用いてPt量を定量した。得られた結果を比較例2の結果とまとめて表1に示す。
さらに、得られた触媒について、EDX(Energy Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer、エネルギー分散型蛍光X線分析装置)により組成分析を行ったところ、何れの測定点にもPtが存在していることが確認された。
さらに、得られた触媒上のPt粒径をCOパルス法により大倉理研社製の測定装置(R6015)を用いて測定したところ、Pt平均粒径が0.72nmと算出された。このことは、Pt原子の直径が0.28nmであることから、この測定によって算出された粒径は約Pt4原子分に相当し、目的としたサイズでPtが担持されたことを示している。
Pt担持量が0.5wt%となるように仕込むために、比較例1で得られた多核錯体を用いた他は実施例1と同様にして、排ガス浄化用担持触媒を得た。
得られた触媒について、実施例2と同様にICP−MSを用いてPt質量を定量した。結果を表1に示す。
また、図1から、本発明の多核錯体である[Pt4(CH3COO)4(p−HOC6H4COO)4](2)を排ガス浄化用触媒担体に担持させた触媒は、アルミナ担体上に1nm以下のPt粒子が高分散に担持されていることが理解される。
Claims (3)
- 下記の化学式:
で示される多核錯体。 - 請求項1に記載の多核錯体を含有する溶液を触媒担体に含浸させた後、乾燥および焼成することを特徴とする排ガス浄化用担持触媒の製造方法。
- 前記触媒担体が、Al2O3、SiO2、ZrO2、ZrO2−CeO2から選ばれる請求項2に記載の方法。
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