JP5760677B2 - 新規多核錯体およびそれを用いる担持触媒の製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規多核錯体およびそれを用いる担持触媒の製造方法に関し、さらに詳しくは特定の配位子を有する新規多核錯体およびそれを用いる担持触媒の製造方法に関するものである。
近年の研究によれば、制御されたサイズを有する金属クラスターは、触媒活性等の化学的性質及び磁性等の物理的性質に関して、バルクの金属とは異なる性質を有することが明らかになっている。
この金属クラスターの特異な性質を利用するために、サイズを制御したクラスターを簡便に且つ大量に合成する方法が必要とされている。
一方、サイズを制御したクラスターを得るために現在知られている方法としては、真空中において金属ターゲットを蒸散させて様々なサイズのクラスターを生成させ、このようにして得たクラスターから、マススペクトルの原理を用いてクラスターサイズを分離する方法がある。しかしながらこの方法ではサイズを制御した金属クラスターを簡便に且つ大量に合成することはできない。
貴金属による触媒性能を用いる例としては、自動車用エンジン等の内燃機関から排出される排ガスの浄化を挙げることができる。この排ガスの浄化では、排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)等を、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属を主成分とする触媒成分によって、二酸化炭素、窒素、水、酸素に転化させている。この排ガス浄化の用途では一般に、貴金属である触媒成分をアルミナ等の酸化物製多孔質担体に担持して、排ガスと触媒成分との大きい接触面積を与えるようにしている。
触媒成分である貴金属の酸化物製多孔質担体への担持は、一般に貴金属の硝酸塩又は単一の貴金属原子を有する貴金属錯体の溶液を担体に含浸させて、担体の表面に貴金属化合物を分散させ、次いで溶液を含浸させた担体を乾燥及び焼成することによって行われている。このような方法では、簡便に大量の触媒を調製することは出来るが、金属は単原子分散状態もしくは、適当な加熱・雰囲気制御により粒子成長させた状態であり、任意の構成原子数を有する貴金属クラスターを担持させることはできない。
こうした排ガス浄化触媒においても、貴金属資源枯渇の問題への対応と環境改善に対する要求から排ガス浄化性能のさらなら向上への期待は強く、貴金属をクラスターの状態で担持させることの必要性が指摘されている。
このため、金属錯体について、また金属化合物を基材に分散させる技術の改良について種々検討されている。
例えば、特許文献1には、1個の金属原子又は複数個の同じ種類の金属原子に配位子が配位してなる金属錯体であって、前記配位子の少なくとも1つが、前記金属原子に配位していない、−COOH、−COOR、−CR−OH、−NR{C(=O)R}、−NR、−CR−CR=N−R、−CO−R、−PR、−P(=O)R、−P(OR)(OR)、−S(=O)、−S(−O)R、−SR、−CR−SH、−CR−SR10、および−CR=R10(R〜R10はそれぞれ独立に、水素、又は一価の有機基。)の群から選択される非配位官能基を有する金属錯体、および前記金属錯体を含有する溶液を触媒担体に含浸させて乾燥および焼成する排ガス浄化触媒の製造方法が記載されている。そして、具体例としては化学式:[Pt(CHCOO)]で示されるアセタト4白金錯体の酢酸(アセタト)配位子の一部をジカルボン酸で置換した金属錯体:[Pt(CHCOO){o−C(COO)(COOH)}]を用いて酸化マグネシウム(MgO)に担持させた場合のPt担持量が0.1wt%であり、[Pt(CHCOO)]を用いた場合のPt担持量0.1wt%と変わらないことが示されている。
また、特許文献2には、カルボン酸配位子および複数個の金属原子を有する錯体であって、金属原子が存在する主たる面において1つのカルボン酸配位子を除く全てがアミジン配位子又はアミジン配位子とハロゲン配位子とで置換され、前記カルボン酸配位子に電子供与性の配位子が結合したアミジン−カルボン酸錯体に、該アミジン−カルボン酸錯体の金属原子とは異なる金属原子を有する錯体を結合させた異核錯体が記載されている。
特開2007−230924号公報 特開2010−59112号公報
これら各公報に記載されている金属錯体によれば、この錯体の配位子を焼成等によって除去することによって、この錯体に含有される金属原子又は金属酸化物クラスターを得ることができる。
しかし、前記各公報に記載されている錯体では、錯体のサイズを制御することが困難であり、また触媒調製に一般的に用いられているAlなどの担体を用いて貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな担持触媒などの機能材を得ることが困難である。
このため、本発明者らは、複数個の貴金属原子を有するアセタト貴金属錯体の少なくとも1つの酢酸配位子がアセトフェノール配位子で置き換えられている多核錯体および該錯体を用いる担持触媒の製造方法について検討を行った。
しかし、前記の多核錯体は、水溶性でなく担持触媒を製造する際の担体に担持させる際に有機溶媒を用いる必要があり、乾燥・焼成時に環境上の配慮が必要である。
従って、本発明の目的は、錯体のサイズを制御し得て且つ貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな機能材を与え得て、且つ担持触媒を製造する際に水溶液を用いることが出来る貴金属を含む多核錯体およびこの多核錯体を使用する排ガス浄化用担持触媒の製造方法を提供することである。
本発明は、下記の化学式:
で示される多核錯体に関する。
さらに、本発明は、前記の多核錯体を含有する水溶液を触媒担体に含浸させた後、乾燥および焼成することを特徴とする排ガス浄化用担持触媒の製造方法に関する。
本発明によれば、錯体のサイズを制御し得て且つ貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな機能材を与え得て、水溶性である貴金属を含む多核錯体を得ることができる。
また、本発明によれば、乾燥・焼成時に特別な配慮を必要とせずに貴金属が高分散に担持されていて貴金属担持量の大きな排ガス浄化用担持触媒を容易に得ることができる。
図1は、実施例で得られた担持触媒のSTEM観察像である。 図2は、本発明によって担持触媒を得る工程を示す模式図である。
本発明の実施態様によれば、複数個の貴金属を有するアセタト貴金属錯体の少なくとも1つの酢酸配位子が水溶性アニオン配位子であるグルコン酸配位子[CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO、グルコネート]で置き換えられている多核錯体によって、特定の個数の貴金属の配列制御およびグルコン酸配位子による置き換えにより錯体のサイズが制御され得て、錯体の水溶液を用いてAlなどの排ガス浄化用触媒調製に一般的に用いられる担体との親和性が高められ担体への担持が容易である。
また、本発明の実施態様によれば、複数個の貴金属を有するアセタト貴金属錯体の少なくとも1つの酢酸配位子がグルコン酸配位子で置き換えられている多核錯体の水溶液を用いて、前記担体との親和性が良好であるため錯体の配位子を焼成によって除去することによって貴金属が高分散に担持されていて貴金属担持量の大きな担持触媒を得ることが可能である。
従来の技術によれば、ある金属元素に着目した場合、クラスター(原子の集合体)のサイズにより触媒活性などの化学的特性や磁性などの物理的特性が変化し得る。
このクラスターの特異的な性質を利用するために、サイズを制御したクラスターを簡便に且つ大量に合成する方法が望まれているが、現在試みられているサイズを制御したクラスターを生成する方法としては真空中で金属ターゲットを蒸発させて様々なサイズのクラスターを生成させた後、MASS(MSと略記する場合もある)スペクトルの原理を用いてクラスターサイズを分離する方法であり大量に作ることは不可能である。また、触媒の調製法として利用されている錯体を用いる方法では、簡便に大量の触媒を調製することはできるが、錯体の担体との親和性と錯体のサイズ制御を両立させることが困難であり、触媒調製に一般的に用いられているAlなどの担体に高分散且つ高担持量でクラスターを担持し得ない。
このように、従来技術によるクラスター調製では、装置の制約上、安価且つ大量にクラスターを合成することは不可能である。例えば、従来公知の錯体、例えばテトラアンミンPd、硝酸Pdを担持する方法では、錯体中に含まれる金属原子数が1原子であるためクラスターとはなり得ない。また、従来公知の複数個の貴金属原子を有する錯体を用いても、貴金属原子が高分散したクラスターを作製することが困難である。
これに対して、本発明の多角錯体は、複数個の貴金属原子を有し且つ少なくとも1つの酢酸配位子がグルコン酸配位子で置き換えられており、錯体のサイズが制御され得て、担体との親和性が高く、Alなどの担体への担持が容易な化合物であり得る。
また、本発明の多角錯体によれば錯体のサイズが制御され且つ担体基材との親和性が高められ且つ水溶液を与え得る貴金属クラスターを化学的に作製し得るため、従来技術により得られる材料の特性を大幅に上回る、従来の材料にはない特性を有する材料の創製を可能とし得る。
以下、本発明について、図1および図2、さらに本発明の実施態様である下記の化学式で表される多角核体を用いて説明する。
本発明の実施態様である多角核体の一例としては、下記の化学式:
で示される多核錯体が挙げられる。
本発明の実施態様の前記多核錯体は、1分子中に4個のPt原子と8個の酢酸配位子を有するオクタアセタト4白金錯体の4個のPtを含む面に存在する4個の酢酸配位子がこの面に存在しない他の4個の酢酸配位子に比べて反応性が高く、グルコン酸配位子によって置き換えられている。
本発明の多核錯体が、図1に示すように、貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな担持触媒を与え得る担体との高い親和性を有する理論的根拠は解明されていないが、多核錯体のグルコン酸配位子のOH基がδの性質を有しており、触媒担体中の酸点にアタックして付着しやすいことによると考えられる。
これに対して、後述の実施例の欄に比較例として示されるアミノフェノール配位子によって置き換えられた多核錯体は、担体との親和性が低い結果が得られているが、これはNH基がδの性質を有しており、触媒担体中の酸点にアタックして付着し難いことによると考えられる。
本発明の多核錯体は、分子中に2個以上、例えば2〜4個の貴金属原子を有するアセタト貴金属錯体の少なくとも1つの酢酸配位子がグルコン酸配位子で置き換えられていて、且つOH基を1分子中に複数個、例えば前記化学式で示される多核錯体の場合は1分子中に20個有する水溶性の化合物であり、図2に示すように、多核錯体の水溶液を用いて、排ガス浄化用触媒調製に一般的に用いられているAlなどの担体である多孔質担体表面によって吸着可能で担体表面に特別な処理をすることなく担体表面に前記多核錯体を吸着させて、加熱のみによって配位子を除去して貴金属が高分散に且つ高担持量で担持された金属クラスターを形成可能であり、触媒活性向上の観点から好適である。しかしながら、多孔質担体表面を予め前処理することによってこの発明の多核錯体との接着性を改良しても構わないことは当然である。
本発明の多核錯体は、例えば、有機溶媒中、分子中に2個以上、例えば2〜4個の貴金属原子を有するアセタト貴金属錯体のアセタト基に対して等モル以上の量のグルコン酸を反応させた後、必要であれば未反応のグルコン酸および有機溶媒を除去することにより、得ることができる。
前記のグルコン酸の量は、アセタト貴金属錯体のアセタト基の何個をグルコン酸配位子で置き換えるかによって異なり、例えば4個のアセタト基をグルコン酸配位子で置き換える場合は、アセタト貴金属錯体のアセタト基に対して4倍モル以上のグルコン酸を反応させ得る。
本発明におけるアセタト貴金属錯体中の貴金属としては、Au、Pt、Ag、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Osが挙げられ、好適には白金族金属、その中でもPt、Rh又はAgが挙げられる。
そして、前記の分子中に2個以上の貴金属原子を有するアセタト貴金属錯体としては、特に制限はなく、アセタト配位子に2個以上、例えば2〜4個の貴金属、好適には、Pt、Rh又はAgが結合した貴金属錯体が挙げられ、具体例として、例えば下記の化学式:
で示されるオクタアセタト4白金錯体が挙げられる。
あるいは、2個以上の貴金属原子を有するアセタト貴金属錯体の具体例として、下記の化学式:
で示されるテトラアセタト2ロジウム錯体が挙げられる。
前記のアセタト貴金属錯体、例えばオクタアセタト4白金錯体は公知の化合物であり、例えば特開2007−230924号公報に記載の合成法により、例えばKPtClと氷酢酸と酢酸銀とから合成し得る。
本発明の多核錯体を製造するために用い得る前記有機溶媒としては、特に制限はなく例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、ブチロニトリル等の炭素数2〜4のアルキルニトリル及びベンゾニトリルなどのニトリル、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテルなどのエーテル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンセン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、N−メチル2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミドなどを挙げることができる。
また、前記の反応は、溶媒の凝固点以上で200℃以下の温度、好適には0〜100℃の範囲の温度で、0.1〜24時間攪拌下に行うことができる。
反応終了後、溶媒に不溶な固体を除去し、溶媒を留去することにより又は再結晶することによって結晶として得ることができる。
本発明による排ガス浄化用担持触媒の製造方法としては、本発明の多核錯体を含有する水溶液を排ガス浄化触媒調製に、一般的に用いられる酸化物担体に含浸させた後、乾燥・焼成して、多孔質担体上に金属クラスターを担持させる方法を挙げることができる。前記の溶媒としては前記の有機溶媒が挙げられる。
前記の多孔質担体としては、特に制限はなく、例えばAl、SiO、ZrO、ZrO−CeOから選ばれる担体、例えば基材内に多数の微細な気孔を有するハニカム基材を用いることが好ましい。このハニカム基材は、両端が開口した多数のセルを有するものが好ましい。また、ハニカム基材のセル壁に存在する気孔は実質的に非貫通孔であることが好ましく、セル壁が40〜75%の気孔率と10〜50μmの気孔径を有するものを用いることが好ましい。
前記の担体は表面に多数の活性点、例えば酸点や突起などの欠陥部を有しており、この発明の多核錯体を含む溶液で処理することにより、活性点に多核錯体のOHのδが化学的に吸着され、後処理の乾燥・焼成工程によって担体と貴金属との相互作用があり量子サイズ効果を期待し得る金属クラスターを形成することができる。
以下、本発明の実施例を示す。
以下の実施例は単に説明するためのものであり、この発明を限定するものではない。
以下の各例において、生成化合物の分析は1H NMR分析を行って同定を行った。
実施例1
[Pt(CHCOO)(CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO)](1)の合成
下記の反応式:
に従って、反応させた。
207mg(165μmol)の[Pt(CHCOO)]のアセトニトリル溶液(15mL)溶液を調製した。別のビーカーに9.41mmolのグルコン酸水溶液(50%、3mL)を入れ、17mLの水で希釈した。この希釈水溶液に、前記の溶液を加え、室温(25℃)で24時間攪拌した。溶媒を減圧下に留去し、メタノールで洗浄(30mLx1回、10mLx1回)することによりオレンジ色の固体68.5mg(収率23%)を得た。
得られた粉末について1H NMR分析[400MH、DO、30δ/ppm]を行った結果は次の通りであり、目的の錯体が得られたことが確認された。
2.18(s、12H、axCHCOO)、3.7−4.3(m、24H、gluconate−H)
参考例1
[Pt(CHCOO)(p−HOCCOO)]の合成
下記の反応式:
に従って、反応させた。
87mgの[Pt(CHCOO)](69μmol)のジクロロメタン溶液(6mL)に対して、74mgのp−HOCCOOH(550μmol、8.0eq)のメタノール溶液(6mL)を加えた。2時間攪拌後に溶媒を留去し、ジクロロメタン(6mL)とメタノール(6mL)を加えた後に再び溶媒を留去する過程を10回繰り返した。最終的に得られた黄白色粉末をジエチルエーテルで洗浄し(8mLx3)、減圧乾固することにより110mgのオレンジ色の粉末を得た。
実施例2
Pt担持量が0.5質量%となるように仕込むために、5mLの水に実施例1で得られた多核錯体17mgを室温で完全に溶解させた。この溶液にアルミナ担体(nanotek−Al、シーアイ化成社製)を1.5g加えて120℃で加熱・攪拌した。得られた粉末を500℃で2時間焼成して、粉末触媒からなる排ガス浄化用担持触媒を得た。
得られた触媒について、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)(島津製作所社製)を用いてPt量を定量したところ、仕込み量0.50質量%に対して担持Pt量が0.50質量%であった。
また、得られた触媒について、STEM(走査型透過電子顕微鏡)(日立製作所社製、HD−2000、加速電圧:200kV)により観察を行った。200万倍で撮影したSTEM観察像を図1に示す。
さらに、得られた触媒について、EDX(Energy Dispersive X-ray Fluorescence Spectrometer、エネルギー分散型蛍光X線分析装置)により組成分析を行ったところ、何れの測定点にもPtが存在していることが確認された。
さらに、得られた触媒上のPt粒径をCOパルス法により大倉理研社製の測定装置(R6015)を用いて測定したところ、Pt平均粒径が0.76nmと算出された。このことは、Pt原子の直径が0.28nmであることから、この測定によって算出された粒径は約Pt4原子分に相当し、目的としたサイズでPtが担持されたことを示している。
参考例2
Pt担持量が0.5質量%となるように仕込むために、比較例1で得られた多核錯体を用いた他は実施例1と同様にして、排ガス浄化用担持触媒を得ようとしたが、多核錯体が水に溶解しなかった。
比較例1
[Pt(CHCOO)(p−HNCCOO)]の合成
84mgの[Pt(CHCOO)](67μmol)のジクロロメタン溶液(6mL)に対して、74mgのp−HNCCOOH(540μmol、8.0eq)のメタノール溶液(6mL)を加えた。25℃で2時間攪拌後に溶媒を留去し、ジクロロメタン(6mL)とメタノール(6mL)を加えた後に再び溶媒を留去する過程を10回繰り返した。最終的に得られた黄白色粉末をジエチルエーテルで洗浄し(8mLx3)、減圧乾固することにより104mgのオレンジ色の粉末を得た。
Pt担持量が0.5質量%となるように仕込むために、30mLのアセトニトリルに比較例1で得られた多核錯体15mgを室温で完全に溶解させ、この溶液を室温で攪拌し、アルミナ担体(nanotek−Al、シーアイ化成社製)を1.5g加えて攪拌を1時間継続した。次いで、減圧ろ過により担体をろ別し、120℃で乾燥後、500℃で2時間焼成して、排ガス浄化用担持触媒を得た。
得られた触媒について、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer)(島津製作所社製)を用いてPt量を定量したところ、仕込み量0.5質量%に対して担持Pt量が0.1質量%以下であった。
以上の結果から、実施例1で得られた多核錯体[Pt(CHCOO)(CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)CH(OH)COO)]を排ガス浄化用触媒担体に担持させた後、乾燥および焼成して得られた触媒は、Ptが目的量担持されているのに対して、本発明の範囲外の多核錯体[Pt(CHCOO)(p−HNCCOO)]はPtの担持量が少ないことが理解される。
また、図1から、実施例1で得られた多核錯体を排ガス浄化用触媒担体に担持させた後、乾燥および焼成して得られた触媒は、アルミナ担体上に1nm以下のPt粒子が高分散に担持されていることが理解される。
本発明によれば、錯体のサイズを制御し得て且つ貴金属が高分散に担持されていて担持量の大きな機能材を与え得る複数個の貴金属を有する多核錯体を得ることができ、また、貴金属が高分散に担持されていて貴金属担持量の大きい高性能の排ガス浄化用担持触媒を多核錯体の水溶液を用いて得ることが可能となる。

Claims (3)

  1. 下記の化学式:
    で示される多核錯体。
  2. 請求項1に記載の多核錯体を含有する水溶液を触媒担体に含浸させた後、乾燥および焼成することを特徴とする排ガス浄化用担持触媒の製造方法。
  3. 前記触媒担体が、Al、SiO、ZrO、ZrO−CeOから選ばれる請求項2に記載の方法。
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