JP5668118B2 - 感光性樹脂組成物及び硬化膜 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性アルカリ水溶液現像型の樹脂組成物、及びこれを用いて形成した硬化膜に関し、特に基板上に微細な隔壁を形成するのに好適なブラックレジスト用の感光性樹脂組成物、及びこれにより形成された隔壁に関するものである。
カラーフィルターは、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に黒色のマトリックス(ブラックマトリックス)を形成し、続いて、赤、緑、青等の3種以上の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成される。パターンサイズはカラーフィルターの用途並びにそれぞれの色により異なるが、一般には5〜700μm程度である。また、重ね合わせの位置精度は数μm〜数十μmであり、寸法精度の高い微細加工技術により製造されている。
カラーフィルターの代表的な製造方法としては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。これらのうち、特に、色材料を含有する光重合性組成物を、透明基板上に塗布し、画像露光、現像、必要により硬化を繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔料分散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精度が高く、耐光性・耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホール等の欠陥が少ないものを得ることができるため、広く採用されている。
このうち、ブラックマトリックスは赤、緑、青の色パターンの間に格子状、ストライプ状又はモザイク状に配置するのが一般的であり、各色間の混色抑制によるコントラスト向上あるいは光漏れによるTFTの誤動作を防ぐ役割を果たしている。このため、ブラックマトリックスには高い遮光性が要求される。従来、ブラックマトリクスはクロム等の金属膜で形成する方法が一般的であった。この手法は透明基板上にクロム等の金属を蒸着しフォトリソ工程を経てクロム層をエッチング処理するものであるため、薄い膜厚で高遮光性が高精度で得られる。その反面、製造工程が長く、且つ生産性の低い手法であり、高コスト、エッチング処理の廃液などによる環境問題が生じる等の問題を抱えている。
そこで、これらの問題を解決するものとして、特許文献1では感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法を提案している。しかしながら、この方法で得た樹脂遮光膜については、クロム等の金属膜によるブラックマトリックスと同等の遮光性(光学濃度)を発現させるために、遮光性の顔料等の含有量を多くする必要があるが、樹脂ブラックマトリックスのように光全波長領域において遮光能力が要求される場合では、紫外線を照射させて光硬化する過程で、遮光性の顔料が紫外線を吸収するため、1)露光された部分でも膜厚方向に対する架橋密度の差が発生し、塗膜表面で十分光硬化しても、基底面では光硬化しにくいこと、2)露光部分と未露光部分における架橋密度の差をつけるのが著しく困難なこと、3)現像液に不溶な多量な遮光性の顔料を配合するため現像性の低下が著しいこと等、ブラックレジストの光感度、解像性、密着性、現像性、エッジ形状のシャープ性等という点で課題がある。
また、特許文献2では、特定の芳香族エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた不飽和基含有化合物を樹脂主成分として含むブラックレジストが、高遮光率を有し、フォトリソグラフィー法によるファインパターンの形成が容易であって、しかも、絶縁性、耐熱性、密着性、及び室温保存安定性にも優れた遮光性薄膜形成用組成物となることを報告している。しかしながら、この特許文献2はブラックマトリックスの標準的な膜厚である1μm付近の薄膜用のブラックレジストに適したものであって、1.5μmを超えるような膜厚に関する光硬化性、現像特性等については触れられていない。
高明彩化・高精細化を達成するために、カラーフィルター関連材料の一つである樹脂ブラックマトリックスは、膜厚1μm程度の薄膜での使用範囲が主流であったが、近年、これまで以上に高遮光化が要求されており、膜厚1.5μmを超える樹脂ブラックマトリックスも新たに登場している。また、最近ではカラーフィルター・オン・アレイ技術を導入したパネルが注目を浴びている。この技術はカラーフィルター基板とTFTアレイ基板を一体化させたものであり、二つの基板の精密な位置合わせが不要で、カラーフィルターの赤、青、緑の各画素を限界にまで微細化することができるため、パネルの高精細化に繋がる。ところが、このようなカラーフィルター・オン・アレイ用の樹脂ブラックマトリックスは、高い遮光性を必要とすることから、一般には膜厚2μm以上が必要になる。
しかし、樹脂ブラックマトリックスの膜厚が増大するにつれて、露光された部分での膜厚方向に対する架橋密度の差が拡大するため、高感度化を達成し良好な形状のブラックパターンを得ることは一層難しくなる。更に、その後の熱焼成過程において、露光された部分での膜厚方向に対する架橋密度の差があるため、塗膜表面と基板付近での熱硬化収縮に差が生じ、塗膜表面粗度が増大して表面平滑性が悪化し、表面に皺が発生したり、その後の赤、青、緑の各画素の形成に悪影響を及ぼすことがある。
そこで、厚膜に適したカラーフィルター関連材料の例示が、特許文献3〜6などにみられる。ところが、特許文献3は、印刷法による薄膜印刷を繰り返して1.5〜1.8μm程度に成膜する方法であるため製膜に長い時間を要する方法であり、しかも、樹脂ブラックマトリックスではなく、レッド、ブルー、グリーンなどのカラーマトリックスの形成法に関する内容であることから、遮光膜として利用するには遮光能力が不足である。また、特許文献4は、背面光によって厚膜を形成する方法であるが、これもブラックではなく、ブルーを遮光膜として利用しており遮光性の点で十分でなく、更に、通常プロセスとは異なる背面露光を行うため、生産性や歩留まりの点で課題が残る。更には、特許文献5は、無機酸化物ゾルを配合した平坦化性能に優れたカラーフィルター用保護膜に関する内容であり、該文献記載の組成物を用いて遮光膜を形成した場合、遮光能力が大いに不足である。
更には、特許文献6では、粒状シリカを含有した樹脂ブラックマトリックス用感光性樹脂組成物が例示されている。透明基板上に塗布した感光性樹脂組成物(塗膜)を硬化させて隔壁(ブラックマトリックス)を形成する場合、通常、塗膜を光硬化させ、所定パターンの隔壁が形成されるように現像した後、熱処理(ポストベーク)を行う。上述したように、光硬化のみでは、塗膜の厚み方向の基底面側の硬化が不十分になるおそれがあり、ポストベークによって最終的に隔壁を形成する。ところが、図2に示すように、現像後の塗膜2(図2(a)に示した状態であり、2aは光硬化した部分)をポストベークすると、基板側に裾を持った隔壁になってしまう(図2(b)に示した状態)。これは、熱により一部の樹脂が軟化してしまうためであり、いわゆるダレと呼ばれる現象である。そこで、特許文献6に記載の発明は、樹脂組成物中に粒状シリカを含有させることで、ポストベーク後の形状安定性を確保し、究極的には図2(b)の符号3で表すように、現像後の塗膜の形状をできるだけ保った隔壁の形成を目指す。
しかしながら、粒状シリカは凝集力が高いため、分散安定性の面で改善の余地がある。また、該粒状シリカを含む感光性樹脂組成物を基板に塗布後、乾燥させる際やポストベークの際、シリカ粒子は高い凝集力のため粒子同士で凝集するため、遮光性成分として使用しているカーボンブラック粒子間の距離が接近してしまうことにより体積抵抗率が低下するおそれもある。更には、粒状シリカは有機溶媒に対する親和性が低いため、ポストベーク後の形状安定性を確保するためには一定量以上配合する必要があるが、粒状シリカの含有量が増すと、パターン直線性等の現像特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
ところで、高遮光化の手段として、遮光性成分を大量に使用することも試みられているが、顔料としてカーボン等の導電性材料を使用した場合、ブラックマトリックスの体積抵抗が低下し、表示装置等の信頼性を低下させるおそれがある。
特開平4−177202号公報 特開平8−278629号公報 特開平5−045513号公報 特開平5−181009号公報 特開平5−288926号公報 特開2008−304583号公報
そこで、本発明者等は、感光性樹脂組成物を塗布した塗膜を硬化させた際の形状安定性に優れ、特に遮光性成分を含んで厚膜にする場合にも現像特性に優れた硬化膜を得ることができ、尚且つ、分散安定性に優れた感光性樹脂組成物について鋭意検討した結果、所定のアクリル樹脂粒子を配合することで、従来の問題点を全て解決できることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決することができ、例えば1.5μmを超えるような厚膜の硬化膜を得る場合でも、パターン寸法安定性に優れると共に、現像マージン、パターンのエッジ形状のシャープ性等が良好なパターンを得ることができ、尚且つ、遮光性成分としてカーボン等の導電性材料を用いた場合でも体積抵抗の低下のない感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、この感光性樹脂組成物を用いて形成した硬化膜を提供することにある。
すなわち、本発明は、(イ)光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体と、(ロ)アクリル樹脂粒子とを必須成分とし、更に(ハ)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材から選ばれる少なくとも1種の遮光性成分とを含有してなる感光性樹脂組成物であって、(ロ)成分のアクリル樹脂粒子が表面酸処理されたアクリル樹脂粒子であると共に、一次粒子径の平均値が50〜200nmであり、前記組成物中のアクリル樹脂粒子(ロ)、及び遮光性成分(ハ)の総重量と光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体(イ)との重量比((ロ)+(ハ)/(イ))が0.1〜2.0の範囲であることを特徴とする感光性樹脂組成物である。
更に本発明は、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、(a)紫外線露光装置による露光、(b)アルカリ水溶液による現像、及び(c)熱処理の各工程を必須として得られる硬化膜である。
更にまた、本発明は、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、(a)紫外線露光装置による露光、(b)アルカリ水溶液による現像、及び(c)熱処理の各工程を必須として得られ、基板上で複数の画素領域を区画する隔壁であって、高さが1.5〜4μmであり、かつ、テーパ角が60°以上であることを特徴とする隔壁である。
本発明の感光性樹脂組成物は分散安定性に優れ、尚且つ、硬化させた際の形状安定性に優れると共に、現像特性にも優れることから、カラーフィルターをはじめ、EL素子等の表示素子材料として有用である。特に、遮光性成分を含んで厚膜の硬化膜を得る際に好適であり、例えば1.5μm程度又はそれを超えるような厚膜のブラックマトリックスを得る場合でも、パターン寸法安定性に優れ、現像マージン、パターンのエッジ形状のシャープ性等が良好なパターンを得ることができる。更には、本発明の感光性樹脂組成物は、遮光性成分としてカーボン等の導電性材料を用いた場合でも体積抵抗の低下を可及的に低減できる。
図1は、基板上に形成された硬化膜(隔壁)の様子を示す断面説明図である。 図2は、従来例における感光性樹脂組成物(塗膜)の硬化の様子を示す断面説明図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の組成物は、(イ)及び(ロ)成分を必須成分として含有し、遮光性の硬化膜を得る場合には更に(ハ)成分を含めて必須成分とする。ここで、(イ)成分である光硬化性樹脂は、例えば、次のような不飽和基含有化合物であることが好ましい。すなわちビスフェノール類から誘導される2個のグリシジルエーテル基を有するエポキシ化合物に、(メタ)アクリル酸(これは「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」の意味である)を反応させ、得られたヒドロキシ基を有する化合物に多塩基酸カルボン酸又はその無水物を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート酸付加物である。ここで、ビスフェノール類から誘導されるエポキシ化合物とは、ビスフェノール類とエピハロヒドリンを反応させて得られるエポキシ化合物を意味する。かかるエポキシ化合物及び該エポキシ化合物より誘導される不飽和基含有化合物(エポキシ(メタ)アクリレート酸付加物)は、前記特許文献2等により公知であり、かかる化合物が広く使用できる。
上記の場合、(イ)成分である光硬化性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基とを併せ持つため、感光性樹脂組成物に優れた光硬化性、良現像性、パターニング特性を与え硬化膜の物性向上をもたらす。
すなわち、(イ)成分である光硬化性樹脂は、好ましくは、下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物から誘導される。このエポキシ化合物はビスフェノール類から誘導される。したがって、ビスフェノール類を説明することによって、不飽和基含有化合物が理解されるので、好ましい具体例をビスフェノール類により説明する。
Figure 0005668118
(但し、式中、R1及びR2は、独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はハロゲン原子のいずれかであり、Xは独立に単結合、−CO−、−SO2−、−C(CF32−、−Si(CH32−、−CH2−、−C(CH32−、−O−又は下記式(2)で表される9,9−フルオレニル基を示し、nは0〜10の数である)
Figure 0005668118
好ましい不飽和基含有化合物を与えるビスフェノール類としては、次のようなものが挙げられる。ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル等を含む化合物や、Xが前記の9,9−フルオレニル基である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等や、更には4,4'−ビフェノール、3,3'−ビフェノール等の化合物が挙げられる。
(イ)成分である光硬化性樹脂は、上記のようなビスフェノール類から誘導されるエポキシ化合物から得ることにより、透明性、耐熱性、現像特性などに優れる点から好ましい。かかるエポキシ化合物の他にフェノールノボラック型エポキシ化合物や、クレゾールノボラック型エポキシ化合物等も2個のグリシジルエーテル基を有する化合物を有意に含むものであれば使用することができる。また、ビスフェノール類をグリシジルエーテル化する際に、オリゴマー単位が混入することになるが、式(1)におけるnの平均値が0〜10、好ましくは0〜2の範囲であれば、本樹脂組成物の性能には問題はない。
また、このようなエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られたエポキシ(メタ)アクリレート分子中のヒドロキシ基と反応し得る多塩基酸カルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等やその酸無水物、更には、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸等の芳香族多価カルボン酸やその酸二無水物等が挙げられる。そして、酸無水物と酸二無水物の使用割合については、露光、アルカリ現像操作によって微細なパターンを形成するのに適した割合を選択することができる。
(イ)成分の光硬化性樹脂については、その1種のみを使用してもよく、2種以上の混合物を使用することもできる。また、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応、この反応で得られたエポキシ(メタ)アクリレートと多塩基酸又はその酸無水物との反応は、上記特許文献2等で公知の方法を採用することができるが、特に制限されるものではない。
また、本発明における(イ)成分は、光により硬化(重合)するものであればよいため、感光性樹脂組成物が未硬化の状態では樹脂化していない成分(単量体)のみが含まれる場合を含む。すなわち、(イ)成分として用いられる光硬化性単量体としては、少なくとも1個以上のエチレン性不飽和結合を有する光重合性モノマーであり、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーや、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類を挙げることができ、これらの化合物は、その1種のみを単独で使用できるほか、2種以上を併用して使用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(イ)成分の光重合性の化合物を含むものであるが、これを光硬化させるために光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は紫外線光照射によりラジカル種を発生し、光重合性の化合物に付加してラジカル重合を開始させ、樹脂組成物を硬化させる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、N,N'テトラメチル-4,4'-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4'-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン、2-エチルアントラキノン、フェナントレン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル類、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、2-(o-クロロフェニル)-4,5-フェニルイミダゾール2量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5-トリアリールイミダゾール2量体、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)−ブタノン、2-トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル-5-(p-シアノスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-トリクロロメチル-5-(p-メトキシスチリル)-1,3,4-オキサジアゾール等のハロメチルチアゾール化合物、2,4,6-トリス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-メチル−4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-フェニル-4、6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロRメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(3,4,5-トリメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-メチルチオスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のハロメチル−S−トリアジン系化合物、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-[4-モルフォリノフェニル]-ブタノン-1,1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン等の光重合開始剤、特表2004−534794号公報に記載されているようなオキシムエステル系開始剤が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。また、それ自体では光重合開始剤や増感剤として作用しないが、上記の化合物と組み合わせて用いることにより、光重合開始剤や増感剤の能力を増大させ得るような化合物を添加することもできる。そのような化合物としては、例えば、ベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果のあるトリエタノールアミン等の第3級アミンを挙げることができる。
光重合開始剤の使用量は、(イ)成分の合計100重量部を基準として7〜50重量部が適している。光重合開始剤の配合割合が7重量部未満の場合には、光重合の速度が遅くなって、感度が低下し、一方、50重量部を超える場合には、感度が強すぎて、パターン線幅がパターンマスクに対して太った状態になり、マスクに対して忠実な線幅が再現できない、又は、パターンエッジがぎざつきシャープにならないといった問題が生じるおそれがある。
(ロ)成分のアクリル樹脂粒子としては、製造法や形状(球状、非球状、単核構造、コアシェル構造など)に制限されることはないが、凝集性が少なく分散性に優れ、該感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、熱処理の各工程を経て得られる硬化膜のテーパ角を60°以上とするために、球状、単核構造であることが好ましい。ここで、硬化膜のテーパ角とは、図1の断面説明図に示すように、所定の形状に現像し、熱処理して得られた硬化膜(カラーフィルター等の場合には隔壁)の基板側でのなす角θを言う。テーパ角が60°以上であると言うことは、得られる硬化膜の形状安定性が優れることを意味する。なお、テーパ角の上限は、逆テーパ形状にするような場合を除き、理論上は90°である。
また、アクリル樹脂粒子の一次粒子径の平均値は、50〜200nmの範囲であることが必要であり、好ましくは70〜150nmの範囲である。ここで、粒子の一次粒子径の平均値は、透過型電子顕微鏡により粒径観察を行ない、無作為に100個の粒子を選定して粒子の長軸長と短軸長を計測し、これらの相加平均により求めるようにする。その際、凝集塊やアグリゲイトを構成している場合には、一次粒子とはこれらを構成する粒子を指す。アクリル樹脂粒子の一次粒子径の平均値が50nm未満であると、分散性の点で好ましくない。反対に、200nmを超える場合は表面粗度が悪化し、体積抵抗値維持の点で好ましくない。また、形状安定性を向上させる上で、粒子径が大きくなり過ぎると粒子重量に対する粒子体積比が低下することから大量のアクリル樹脂粒子を添加する必要があり、アルカリ水溶液に対する良好な現像性を維持する事は難しい。粒子径が200nmを超えるアクリル樹脂粒子を良好な現像性が維持できる範囲で添加した該感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、紫外線露光装置による露光、アルカリ水溶液による現像、熱処理の各工程を経て得られる硬化膜は、いわゆるダレ現象のようにつぶれた形状になり、その側面が円弧状となってしまう。なお、アクリル樹脂粒子の粒度分布は特に制限されることはないが、粒子分散性を保つために上記方法で求めた一次粒子径の平均値に対して±3σの範囲に80%以上であることが好ましい。
アクリル樹脂粒子の配合割合については、組成物中のアクリル樹脂粒子(ロ)と光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体(イ)との重量比((ロ)/(イ))が0.1〜2.0の範囲、好ましくは0.5〜1.5の範囲となるようにする。重量比が0.1未満であると硬化膜の形状安定性の向上効果が乏しくなり、反対に2.0を超えると、現像性能が低下し、もしくは体積抵抗値が低下するおそれがある。また、本発明では、樹脂組成物が(ハ)の遮光性成分を含むことがあるが、その場合にはアクリル微粒子の一部を遮光性成分で置き換えると考えることができることから、アクリル樹脂粒子(ロ)、及び遮光性成分(ハ)の総重量と光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体(イ)との重量比((ロ)+(ハ)/(イ))は0.1〜2.0の範囲、好ましくは0.5〜1.5の範囲となるようにする。この場合の重量比の下限と上限のそれぞれの意味は、先に述べたものと同様である。
アクリル樹脂粒子(ロ)については、その表面が酸処理されていることが好ましい。表面酸処理を施すことにより粒子分散性を高め、且つ感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、紫外線露光装置による露光の後に行うアルカリ水溶液による現像性をより一層向上させ、直線性良好なパターンを得ることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、遮光性成分(ハ)を配合して、遮光性の硬化膜を得る態様にすることもできる。遮光性成分(ハ)としては、黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材から選ばれる少なくとも1種であり、(ハ)成分の遮光性成分は、耐熱性、耐光性及び耐溶剤性に優れたものであることが好ましい。ここで、黒色有機顔料としては、例えばペリレンブラック、シアニンブラック等が挙げられる。混色有機顔料としては、赤、青、緑、紫、黄色、シアニン、マゼンタ等から選ばれる少なくとも2種の顔料を混合して擬似黒色化されたものが挙げられる。遮光材としては、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラックを挙げることができ、2種以上を適宜選択して用いることもできるが、特にカーボンブラックが、遮光性、表面平滑性、分散安定性、樹脂との相溶性が良好な点で好ましい。
(ハ)成分の配合割合については、上記の(イ)成分の合計100重量部(光重合開始剤成分を含有する場合にはこれを含めた合計100重量部)に対して、50〜150重量部であるのがよい。50重量部より少ないと、遮光性が十分でなくなる。150重量部を越えると、本来のバインダーとなる感光性樹脂の含有量が減少するため、現像特性を損なうと共に膜形成能が損なわれるという好ましくない問題が生じる。
本発明の感光性樹脂組成物においては、上記(イ)〜(ハ)成分の他に溶剤を使用することが好ましい。溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられ、これらを用いて溶解、混合させることにより、均一な溶液状の組成物とすることができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑剤、充填材、溶剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を配合することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、tert-ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等を挙げることができ、また、消泡剤やレベリング剤としては、例えば、シリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、溶剤を除いた固形分(固形分には硬化後に固形分となるモノマーを含む)中に、(イ)〜(ハ)成分が合計で70wt%以上、好ましくは80wt%、より好ましくは90wt%以上含まれることが望ましい。樹脂組成物における溶剤の含有割合は、塗工に用いる塗工機によって最適とされる粘度範囲は変化するが、50〜90wt%の範囲が望ましい。
また、本発明の硬化膜については、上述した本発明の感光性樹脂組成物を用いてフォトリソグラフィー法により形成することができる。その製造工程としては、先ず、感光性樹脂組成物を溶液にして基板表面に塗布し、次いで溶媒を乾燥させた(プリベーク)後、このようにして得られた被膜の上にフォトマスクをあて、紫外線を照射して露光部を硬化させ、更にアルカリ水溶液を用いて未露光部を溶出させる現像を行ってパターンを形成し、更に後乾燥としてポストベークを行う方法が挙げられる。
感光性樹脂組成物の溶液を塗布する基板としては、ガラス、透明フィルム(例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルフォン等)上にITO、金等の透明電極が蒸着あるいはパターニングされたもの等が用いられる。
この感光性樹脂組成物の溶液を基板に塗布する方法としては、公知の手段を適用でき、例えば溶液浸漬法、スプレー法の他、ローラーコーター機、ランドコーター機やスピナー機を用いる方法等の何れの方法をも採用することができる。これらの方法によって、所望の厚さに塗布した後、溶剤を除去する(プリベーク)ことにより、被膜が形成される。プリベークはオーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。プリベークにおける加熱温度及び加熱時間は使用する溶剤に応じて適宜選択され、例えば80〜120℃の温度で1〜10分間行われる。
プリベーク後に行われる露光は、露光機によって行なうことができ、フォトマスクを介して露光することによりパターンに対応した部分のレジストのみを感光させる。露光機及びその露光照射条件は適宜選択され、超高圧水銀灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、遠紫外線灯等の光源を用いて露光を行い、塗膜中の樹脂組成物を光硬化させる。
露光後のアルカリ現像は、露光されない部分のレジストを除去する目的で行われ、この現像によって所望のパターンが形成される。このアルカリ現像に適した現像液としては、例えば、アルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液等を挙げることができるが、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩を0.05〜3重量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて20〜30℃の温度で現像するのがよく、市販の現像機や超音波洗浄機等を用いて微細な画像を精密に形成することができる。
このようにして現像した後、例えば180〜250℃の温度、及び20〜100分の条件で熱処理(ポストベーク)が行われる。このポストベークは、パターニングされた遮光膜と基板との密着性を高めるため等の目的で行われる。これはプリベークと同様に、オーブン、ホットプレート等により加熱することによって行われる。本発明のパターニングされた硬化膜は、以上のフォトリソグラフィー法による各工程を経て形成される。そして、本発明の樹脂組成物により得られた硬化膜は、体積抵抗値が1010Ωcm以上、好ましくは1012Ωcm以上である。特に隔壁を形成する場合には高さが1.5〜4μmであって、かつ、テーパ角が60°以上のものを得ることができる。また、OD値(光学濃度)についても2.0〜4.5/μmを達成できることから、高遮光性、高抵抗値を有するカラーフィルター向けカラーフィルター用ブラックマトリックスとして好適である。また、インクジェットプロセスに対応したカラーフィルター用ブラックマトリックスとしても好適に使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、前述の通り、露光、アルカリ現像等の操作によって微細なパターンを形成するのに適しているが、従来のスクリーン印刷によりパターンを形成しても、同様な硬化膜を得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化膜を形成するようなコ−ティング材として好適に用いることができ、特に液晶の表示装置又は撮影素子に使われるR、G、B等の各色カラーフィルター用インキやブラックマトリックス(隔壁)のような遮光膜の形成のほか、液晶プロジェクション用のブラックマトリックス等として有用である。更には、本発明の感光性樹脂組成物は、上記のようにカラー液晶ディスプレーのカラーフィルターインクの他に、カラー液晶表示装置、カラーファクシミリ、イメージセンサー等の各種の多色表示体インク材料や、EL素子等における表示素子材料にも適用可能である。
<アクリル樹脂粒子含有分散液の製造例A-1〜A-7、及びa-1〜a-2>
アクリル樹脂粒子(日本ペイント社製ファインスフェア)、高分子分散剤及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表1に示す割合に混合し、ビーズミルにて分散を行い、アクリル樹脂粒子を含有する分散液A-1〜A-4、及びa-1を調製した。また、アクリル樹脂粒子(日本ペイント社製ファインスフェア)、遮光性顔料(遮光性成分)として樹脂被覆カーボンブラック(三菱化学社製MS18E、粒径25nm)、高分子分散剤及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表1に示す割合に混合し、ビーズミルにて分散を行い、アクリル樹脂粒子/遮光性顔料を双方とも含有する分散液A-5とした。同様に、遮光性顔料としてカーボンブラックにかえて、チタンブラック(三菱マテリアル製、粒径30nm)もしくは混色有機顔料ブラック(御国色素製、粒径30nm)を用いてアクリル樹脂粒子/遮光性顔料を双方とも含有する分散液A-6〜A-7を調製した。製造番号9の分散液a-2はアクリル樹脂粒子を配合せず、遮光性顔料として樹脂被服カーボンブラック(三菱化学社製MS18E、粒径25nm)のみを含有した分散液とした。なお、製造番号1〜8で使用したアクリル樹脂粒子は、いずれも単一組成のアクリル樹脂(単核組成)を球状となるように制御して製造されたものであり、一次粒子径の平均値は表1に示したとおりである。また、製造番号1、4〜8のものは粒子表面に酸性官能基が存在するように表面を処理したものであり、製造番号3のものは粒子表面に塩基性官能基が存在するように表面を処理したものであり、製造番号2は、表面無処理のものである。なお、粒子の一次粒子径の平均値は、透過型電子顕微鏡により粒径観察を行ない、無作為に100個の粒子を選定して粒子の長軸長と短軸長を計測し、これらの相加平均により求めた。その際、凝集塊やアグリゲイトを構成している場合には、一次粒子とはこれらを構成する粒子を指すものとした。
Figure 0005668118
上記で調製された分散液の粘度についてはE型粘度計を用い、20rpm、25.0±0.5℃にて測定を行った。さらに室温にて1ヶ月放置後、および40℃にて1週間保管後の粘度を測定し、その粘度変化率をもって粘度安定性を評価した。その結果、酸処理および単核構造のアクリル樹脂粒子を含む分散液A-1、A-4〜A-7、及びa-1、並びにアクリル樹脂粒子を含まない分散液a-2を室温にて1ヶ月放置後、および40℃にて1週間保管後の粘度を測定したところ、その粘度変化率が10%未満であった(表1中には○で標記)。無処理のアクリル樹脂粒子分散液A-2、及び塩基処理のアクリル樹脂粒子分散液a-2の粘度変化率は10%以上であった(表中には×で標記)。
[実施例〜11、比較例1〜4、参考例1〜5
<隔壁用感光性樹脂組成物の調製>
上記で得た分散液と表2記載の各成分とをそれぞれ表中に示した割合で混合した上で、シランカップリング剤S-510(信越化学製)0.30部とともにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて全量100重量部、固形分濃度20重量%とした。さらにシリコン系界面活性剤SH3775M(東レ・ダウコーニング製)0.005重量部を加えて、2μmのポリプロピレン製メンブレンフィルターを用いて0.2kg/cm2加圧にてろ過し、感光性樹脂組成物を調製した。なお、表2中に記載した各成分の略号はそれぞれ以下のものを表す。
a-3:ナノシリカ分散液、NANO BYK-3650(ビックケミー・ジャパン製、粒径20〜25nm)
B-1:フルオレン骨格を有するエポキシアクリレートの酸無水物重縮合物のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分濃度=56.1重量%、新日鐵化学社製 商品名V259ME)
C-1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートとの混合物(日本化薬社製 商品名 DPHA)
C-2:トリメチロールプロパントリアクリレート(巴工業製 商品名 SARTOMER SR-351S)
D-1:光重合開始剤、IRGACURE OXE01(チバ・ジャパン製)
D-2:光重合開始剤、IRGACURE OXE02(チバ・ジャパン製)
Figure 0005668118
上記で得られた各感光性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて125mm×125mmのガラス基板上にポストベーク後の膜厚が2.1μmとなるように塗布し、80℃で1分間プリベークした。その後、露光ギャップを80μmに調整し乾燥塗膜の上に、ライン/スペース=20μm/20μmのネガ型フォトマスクを被せ、I線照度30mW/cm2の超高圧水銀ランプで100mj/cm2の紫外線を照射し感光部分の光硬化反応を行った。
次に、この露光済み塗板を0.05%水酸化カリウム水溶液中、23℃にて1kgf/cm2圧シャワー現像を行い、パターンが観察された時間を現像抜け時間(BT秒)とし、さらに20秒の現像を行った後、5kgf/cm2圧のスプレー水洗を行い、塗膜の未露光部を除去しガラス基板上に画素パターンを形成し、その後、熱風乾燥機を用いて230℃にて30分間熱ポストベークした。各実施例、及び比較例における得られた硬化膜の評価項目と方法は以下の通りである。
[塗布異物]
スピンコート後の塗膜に放射状スジが観察された場合を×<不良>、観察されなかった場合を○<良好>とした。
[感度]
ステップマスクを用いて、BT(ブレイクタイム)+20秒にて残膜が観測される露光量(mj/cm2)を測定した。
[現像密着性]
BT(ブレイクタイム)+40秒において20μmパターンが残っている場合を○、剥離したものを×とした。
[パターン直線性]
ポストベーク後の20μmラインを顕微鏡で観察し、ギザツキが観測された場合を×、ない場合を○とした。また、局所的にギザツキが観測される場合を△とした。
[膜厚ならびに表面粗度(表面粗さRa:JIS B0601-1994)]
触針式膜厚計(テンコール(株)製)を用いて測定した。表面粗度はブラックマトリックス表面上2mm幅に置けるRa(Å)とし、150Å未満を○、150Åを超える場合を×とした。
[テーパ形状]
現像時間が抜け時間+10〜30秒において、ポストベーク後の20μmライン断面を操作型電子顕微鏡で観察し、基板と構造物(硬化膜)テーパ部のなす角度が常に60°以上を○、60°未満を△、円弧形状(図2、(b))の場合を×とした。
[体積抵抗値]
全面にクロム蒸着したガラス基板上に前述と同様にしてポストベーク後2.1μm膜厚の塗膜を形成した。塗膜上に10mmφのAl蒸着膜を形成し、Cr−Al間に1〜10Vの電圧を印加し、電流値を測定して、抵抗を求めた。
[OD測定]
ポストベーク後2.1μmの塗膜を用いて、大塚電子製OD計を用いて測定、1μmあたりのOD値として記載した。
実施例6〜11、及び参考例1、3〜4においてはいずれもテーパ角は60°以上であり、体積抵抗値も良好な値を示した。しかし、粒径の大きなアクリル樹脂粒子を用いた比較例1、及びアクリル樹脂粒子の存在しない比較例2ではテーパ形状は常に円弧状であり、特に比較例2では体積抵抗にも低下が見られた。また、シリカ粒子を含む比較例3、及びアクリル樹脂粒子の添加量の多い比較例4は現像特性が不良であった。
[実施例12]
実施例6〜11で用いた感光性樹脂組成物を用い、開口部(画素領域)が300μm×100μmであり、尚且つ、ライン幅が30μm、膜厚(高さ)2.1μmの遮光性隔壁を有するマトリックスを形成した。その後、酸素大気圧プラズマで3秒間処理した後に、CF4大気圧プラズマにて3秒間処理を行った。この遮光性隔壁(遮光膜)上に水またはブチルカルビトールアセテート(BCA)を用いて、静的接触角を測定したところ、それぞれ100°、50°を示した。このブラックマトリックス中にむかって、東芝テック製インクジェットヘッドを用い、粘度9mPa・sec、固形分濃度20%のレッド、ブルー、グリーンのインキを打ち込み、230℃にてポストベークを行い、カラーフィルターを形成した。その結果、良好なカラーフィルターを得ることができた。
1:基板
2:塗膜
2a:塗膜の硬化部分
3:硬化後の塗膜の理想形状

Claims (5)

  1. (イ)光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体と、(ロ)アクリル樹脂粒子とを必須成分とし、更に(ハ)黒色有機顔料、混色有機顔料及び遮光材から選ばれる少なくとも1種の遮光性成分とを含有してなる感光性樹脂組成物であって、(ロ)成分のアクリル樹脂粒子が表面酸処理されたアクリル樹脂粒子であると共に、一次粒子径の平均値が50〜200nmであり、前記組成物中のアクリル樹脂粒子(ロ)、及び遮光性成分(ハ)の総重量と光硬化性樹脂及び/又は光硬化性単量体(イ)との重量比((ロ)+(ハ)/(イ))が0.1〜2.0の範囲であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. (イ)成分が、下記一般式(1)
    Figure 0005668118
    〔但し、式中、R1及びR2は、独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はハロゲン原子のいずれかであり、Xは独立に単結合、−CO−、−SO2−、−C(CF32−、−Si(CH32−、−CH2−、−C(CH32−、−O−又は下記式(2)で表される9,9−フルオレニル基を示し、nは0〜10の数である〕で表されるエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応物を、更に多塩基酸カルボン酸又はその無水物と反応させて得られた不飽和基含有化合物からなることを特徴とする請求項に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0005668118
  3. (ハ)成分の遮光性成分がカーボンブラックである請求項に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布、乾燥した後、(a)紫外線露光装置による露光、(b)アルカリ水溶液による現像、及び(c)熱処理の各工程を必須として得られる硬化膜。
  5. 体積抵抗値が1010Ωcm以上である請求項に記載の硬化膜。
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