JP2005271576A - 平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐刷性、機上現像性に優れた平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法を提供する。
【解決手段】支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像形成層を有する平版印刷版原版であって、粒子が画像形成性粒子であり、且つバインダーが画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダーである平版印刷版原版、支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版であって、粒子が、壁材として重合性官能基を有するマイクロカプセルであり、且つバインダーが、ポリマーバインダーであることを特徴とする平版印刷版原版、及びそれを用いた平版印刷方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法に関する。詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザーを走査することにより直接製版することができる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程で印刷インキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性の印刷インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面に印刷インキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみに印刷インキを着肉させた後、紙等の被印刷体に印刷インキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部の画像記録層を残存させ、非画像部の画像記録層をアルカリ性現像液または有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させる方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、非画像部を画像記録層に応じた現像液等によって現像処理して溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を不要化しまたは簡易化することが課題の一つとして挙げられている。
特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
これに対して、簡易的な製版方法の一つとして、平版印刷版原版の非画像部の除去を通常の印刷工程の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機上で非画像部を除去し、平版印刷版を得る、機上現像(あるいは無処理型)と呼ばれる方法が提案されている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤または湿し水と印刷インキとの乳化物に溶解しまたは分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機のローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤等の浸透によって画像記録層の凝集力または画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、ローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像記録層の未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキ及び/又は湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の画像記録層の未露光部分を除去し、親水性支持体表面を露出させる方法および工程を指す。
一方、近年、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査
露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注目されてきている。したがって、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述したように、近年、製版作業の簡素化、乾式化および無処理化は、地球環境への配慮とデジタル化への適合化との両面から、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
しかしながら、従来の紫外から可視領域の光を利用する画像記録方式を機上現像などの製版作業の簡易化に用いた場合、露光後も画像記録層が定着しないため、室内光に対する感光性を有し、平版印刷版原版を包装から出した後、機上現像が完了するまでの間、完全に遮光状態に保つ必要があった。
最近、波長760〜1200nmの赤外線を放射する半導体レーザー、YAGレーザー等の高出力レーザーが安価に入手できるようになってきたことから、デジタル化技術に組み込みやすい走査露光による平版印刷版の製造方法として、これらの高出力レーザーを画像記録光源として用いる方法が有望視されるようになっている。
従来の紫外から可視領域の光を利用する製版方法では、感光性の平版印刷版原版に対して、低照度から中照度で像様露光を行い、画像記録層における光化学反応による像様の物性変化によって画像記録を行う。これに対して、上述した高出力レーザーを用いる方法では、露光領域に極短時間に大量の光エネルギーを照射して、光エネルギーを効率的に熱エネルギーに変換させ、その熱により、画像記録層において化学変化、相変化、形態または構造の変化等の熱変化を起こさせ、その変化を画像記録に利用する。したがって、画像情報はレーザー光等の光エネルギーによって入力されるが、画像記録は光エネルギーに加えて熱エネルギーによる反応も加味された状態で行われる。通常、このような高パワー密度露光による発熱を利用した記録方式はヒートモード記録と呼ばれ、光エネルギーを熱エネルギーに変えることは光熱変換と呼ばれる。
ヒートモード記録を用いる製版方法の大きな長所は、室内照明のような通常の照度レベルの光では画像記録層が感光しないこと、および、高照度露光によって記録された画像の定着が必須ではないことにある。つまり、ヒートモード記録に用いられる平版印刷版原版は、露光前には室内光により感光してしまう恐れがなく、露光後には画像の定着が必須ではない。したがって、例えば、高出力レーザーを用いた露光により不溶化しまたは可溶化する画像記録層を用い、露光した画像記録層を像様にして平版印刷版とする製版工程を機上現像で行えば、露光後、たとえ室内の環境光に暴露されても、画像が影響を受けないような印刷システムが可能となることが期待され、その実現が望まれている。
このような平版印刷版原版として、例えば、親水性結合剤中に疎水性熱可塑性重合体粒子を分散させた像形成層を親水性支持体上に設けた平版印刷版原版が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この平版印刷版原版は、赤外線レーザーにより露光して、疎水性熱可塑性重合体粒子を熱により融着合体させて画像を形成させた後、印刷機のシリンダー上に取り付け、湿し水および/または印刷インキを供給することによって、機上現像することが可能である。
しかし、このように重合体微粒子の単なる熱融着による合体で画像を形成させる方法は、良好な機上現像性を示すものの、画像強度が極めて弱く、耐刷性が不十分であった。
このような機上現像可能な平版印刷版原版の耐刷性を改良するものとして、親水性支持体上に、熱により反応する官能基を有する化合物を含有しているマイクロカプセルを含む感熱層を設け、赤外線吸収剤を感熱層かその隣接する層に含有していることを特徴とする平版印刷版用原版が提案されている(特許文献2及び特許文献3参照。)。
また、耐刷性を改良する別の技術として、支持体上に、赤外線吸収剤とラジカル重合開始剤と重合性化合物とを含有する感光層を設けた機上現像可能な平版印刷版原版が知られている(特許文献4参照。)。
しかしながら、従来の平版印刷版原版は、耐刷性、機上現像性について、更なる改良が望まれていた。
特許第2938397号公報 特開2001−277740号公報 特開2001−277742号公報 特開2002−287334号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、赤外線を放射するレーザーにより画像記録が可能であり、コンピュータ等のデジタルデータから直接、画像を記録させ、現像処理工程を行うことなく、機上現像することができ、且つ実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚得ることができる平版印刷版原版、即ち、機上現像性および耐刷性に優れた平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1) 支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版であって、粒子が、画像形成性粒子であり、且つバインダーが、画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダーであることを特徴とする平版印刷版原版。
(2) 画像形成性粒子が、表面に粒子分散剤を有し、該粒子分散剤が、非水溶性バインダーと相互作用することを特徴とする(1)に記載の平版印刷版原版。
(3) 画像形成性粒子が、マイクロカプセルであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の平版印刷版原版。
(4) マイクロカプセルが、熱反応性基を有する化合物及び赤外線吸収剤を内包することを特徴とする(3)に記載の平版印刷版原版。
(5) 非水溶性バインダーが、有機ポリマーであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
(6) 有機ポリマーが、極性置換基を有することを特徴とする(5)に記載の平版印刷版原版。
(7) 粒子分散剤のI/O値と、有機ポリマーのI/O値との差が、1.6以下であることを特徴とする(2)〜(6)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
(8) 印刷機上で、印刷インキ及び/又は湿し水により現像可能であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
(9) 支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版であって、粒子が、壁材として重合性官能基を有するマイクロカプセルであ
り、且つバインダーが、ポリマーバインダーであることを特徴とする平版印刷版原版。
(10) 支持体上に、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性性化合物、ポリマーバインダーおよびマイクロカプセルを含有する、赤外線レーザー照射により画像様に記録可能な画像記録層を有し、赤外線照射により画像様に露光した後、油性インキと水性成分とを供給することで未露光部分を除去し印刷する平版印刷版原版であって、該マイクロカプセルが、壁材として重合性官能基を有することを特徴とする(9)に記載の平版印刷版原版。
(11) 上記ポリマーバインダーが、重合性官能基を有することを特徴とする(9)又は(10)に記載の平版印刷版原版。
(12) (1)〜(11)のいずれかに記載の平版印刷版原版を、印刷機に装着し、赤外線レーザーで画像様に露光した後、又は、赤外線レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該平版印刷版原版に、印刷インキ及び/又は水性成分を供給して平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分を除去した後に、印刷を開始することを特徴とする平版印刷方法。
以下、更に、本発明の好ましい態様を挙げる。
(13) 非水溶性バインダーが、無機ポリマーであることを特徴とする(1)〜(4)及び(8)のいずれかに記載の平版印刷版原版。
(14) 非水溶性バインダーが、表面疎水化処理された粒子状無機ポリマーであることを特徴とする(13)に記載の平版印刷版原版。
本発明により、実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚得ることができるとともに、機上現像性に優れた平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[平版印刷版原版]
本発明を実施するための形態として、画像記録層が、少なくともバインダー及び粒子を含有し、粒子が画像形成性粒子であり、且つバインダーが画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダーである形態(画像記録層(1)の形態)と、画像記録層が、少なくともバインダー及び粒子を含有し、粒子が壁材として重合性官能基を有するマイクロカプセルであり、且つバインダーがポリマーバインダーである形態(画像記録層(2)の形態)とを挙げることができる。
≪画像記録層(1)≫
画像記録層(1)は、少なくともバインダー及び粒子を含有し、粒子が画像形成性粒子(B)であり、且つバインダーが画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダー(A)である。
画像記録層(1)は、更に、赤外線吸収剤(C)、重合開始剤(D)、重合性化合物(E)等を含有することが好ましい。
以下、画像記録層(1)の各構成成分について説明する。
<(A)非水溶性バインダー>
画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダーとしては、皮膜性を有する、非水溶性の有機ポリマー及び無機ポリマーが好ましい。このような有機ポリマーの例とし
ては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムを挙げることができ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂がより好ましい。
有機ポリマーは、I/O値を制御するために、極性置換基を有する繰り返し単位を有することが好ましく、極性置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、エステル基、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、アミノ基、アンモニウム基、アミド基、スルホン酸基、リン酸基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアルキルカルボニルオキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルアミノアルキルオキシカルボニルアミノ基、アルキルカルボニルアミノアルキルアミノカルボニルアミノ基、シアノ基、ラクトン基、エーテル基、ウレタン基、ウレア基、カーボネート基等の親水性基が好適に挙げられる。
有機ポリマーは、極性置換基を有するモノマーを重合して得られたホモポリマーや、2種以上のモノマーを組み合わせた共重合ポリマーを用いることができ、極性置換基の種類や共重合の比率によって、I/O値を制御できる。有機ポリマーは、共重合ポリマーがより好ましい。共重合ポリマーとしては、例えば、2種類以上のアクリル酸若しくはメタクリル酸エステル系モノマーを共重合させた共重合ポリマーであって少なくとも1種類のモノマーに上記の極性置換基を有するもの、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸若しくはメタクリル酸アミド系モノマーとを共重合させた共重合ポリマーであって少なくとも1種類のモノマーに上記の極性置換基を有するもの、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル系モノマーとアクリロニトリル系モノマーとを共重合させた共重合ポリマーであって少なくとも1種類のモノマーに上記の極性置換基を有するもの、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル系モノマーとスチレン系モノマーとを共重合させた共重合ポリマーであって少なくとも1種類のモノマーに上記の極性置換基を有するもの等を挙げることができる。
有機ポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが好ましい。有機ポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
主鎖中にエチレン性不飽和結合を有する有機ポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
側鎖中にエチレン性不飽和結合を有する有機ポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CH2n −CR1 =CR23 、−(CH2 O)n −CH2 −CR1 =CR23 、−(CH2 −CH2 −O)n −CH2 −CR1 =CR23 、−(CH2n −NH−CO−O−CH2 −CR1 =CR23 、−(CH2n −O−CO−CR1 =CR23 および−(CH2 −CH2 −O)2 −X(式中、R1 〜R3 はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1 とR2 またはR3 とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 −CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH=CH2 、−CH2 −C(CH3 )=CH2 、−CH2 −CH=CH−C65、−CH2 −CH2 −OCO−CH=CH−C65 、−CH2 −CH2 −NH−COO−CH2 −CH=CH2 および−
CH2 −CH2 −O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 −CH=CH2 、−CH2 −CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 −CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
架橋性を有する有機ポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
有機ポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、有機ポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、特に好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、画像記録層の未露光部の機上現像性向上の観点から、有機ポリマーは、印刷インキ及び/又湿し水に対する溶解性又は分散性が高いことが好ましい。印刷インキに対する溶解性又は分散性を向上させるためには、有機ポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性又は分散性を向上させるためには、有機ポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的な有機ポリマーと親水的な有機ポリマーを併用することも有効である。
有機ポリマーは、重量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
有機ポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
有機ポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
有機ポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
以下に有機ポリマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005271576
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無機ポリマーの具体例としては、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどが好ましく、コロイド状の微粒子が好ましい。粒子サイズは10μm〜0.001μmが好ましく、5μm〜0.002μmがより好ましく、1μm〜0.005μmが特に好ましい。さらに、耐水性の観点から、粒子表面が疎水化処理されていることが好ましく、疎水性シランカップリング剤などを使用して表面処理するか、カップリング剤によりコロイド粒子を作成したものなどを用いることができる。
例えば、日本アエロジル社製AREOSIL-R972(メチル基修飾シリカ、平均粒子径16nm)、同R974(メチル基修飾シリカ、平均粒子径12nm)、同R805(オクチル基修飾シリカ、平均粒子径12nm)、同R812(トリメチルシリル基修飾シリカ、平均粒子径7nm)、同T805(オクチル基修飾二酸化チタン、平均粒子径21nm)や、東芝シリコーン社製トスパール105(メチル基修飾シリカ、平均粒子径0.5μm)、トスパール120(メチル基修飾シリカ、平均粒子径2.0μm)、トスパール145(メチル基修飾シリ
カ、平均粒子径4.5μm)、などが挙げられる。
非水溶性バインダーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
非水溶性バインダーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であるのがより好ましく、30〜70質量%であるのが特に好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、重合性化合物(E)と非水溶性バインダー(A)は、質量比で1/9〜7/3となる量で用いるのが好ましい。
<(B)画像形成性粒子>
本発明に使用される画像形成性粒子としては、熱可塑性ポリマー粒子、熱反応性ポリマー粒子、疎水性化合物を内包するマイクロカプセル、転相乳化法による自己水分散性樹脂粒子、自己水分散性コアシェル樹脂粒子等を挙げることができる。
本発明の画像記録層(1)に用いられる熱可塑性ポリマー粒子としては、1992年1月のResearch Disclosure No.33303、特開平9−123387号公報、同9−131850号公報、同9−171249号公報、同9−171250号公報及びEP931647号公報などに記載の熱可塑性ポリマー粒子を好適なものとして挙げることができる。かかるポリマー粒子を構成するポリマーの具体例としては、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルカルバゾールなどのモノマーのホモポリマーもしくはコポリマー又はそれらの混合物を挙げることができる。その中で、より好適なものとして、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルを挙げることができる。
本発明に用いられる熱可塑性ポリマー粒子の平均粒径は0.01〜2.0μmが好ましい。このような熱可塑性ポリマー粒子の合成方法としては、乳化重合法、懸濁重合法の他に、これら化合物を非水溶性の有機溶剤に溶解し、これを分散剤が入った水溶液と混合乳化し、さらに熱をかけて、有機溶剤を飛ばしながら粒子状に固化させる方法(溶解分散法)がある。
本発明に用いられる熱反応性ポリマー粒子としては、熱硬化性ポリマー粒子及び熱反応性基を有するポリマー粒子が挙げられる。
上記熱硬化性ポリマーとしては、フェノール骨格を有する樹脂、尿素系樹脂(例えば、尿素又はメトキシメチル化尿素など尿素誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、メラミン系樹脂(例えば、メラミン又はその誘導体をホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したもの)、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、特に好ましいのは、フェノール骨格を有する樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂及びエポキシ樹脂である。
好適なフェノール骨格を有する樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾールなどをホルムアルデヒドなどのアルデヒド類により樹脂化したフェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、及びN−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、p−ヒドロキシフェニルメタクリレートなどのフェノール骨格を有するメタクリルアミドもしくはアクリルアミド又はメタクリレートもしくはアクリレートの重合体又は共重合体を挙げることができる。
本発明に用いられる熱硬化性ポリマー粒子の平均粒径は0.01〜2.0μmが好ましい。このような熱硬化性ポリマー粒子は、溶解分散法で容易に得られるが、熱硬化性ポリ
マーを合成する際に粒子化してもよい。しかし、これらの方法に限らない。
本発明に用いる熱反応性基を有するポリマー粒子の熱反応性基としては、化学結合が形成されるならば、どのような反応を行う官能基でも良いが、ラジカル重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、カチオン重合性基(例えば、ビニル基、ビニルオキシ基など)、付加反応を行うイソシアナート基又はそのブロック体、エポキシ基、ビニルオキシ基及びこれらの反応相手である活性水素原子を有する官能基(例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基など)、縮合反応を行うカルボキシル基及び反応相手であるヒドロキシル基又はアミノ基、開環付加反応を行う酸無水物及び反応相手であるアミノ基又はヒドロキシル基などを好適なものとして挙げることができる。
これらの官能基のポリマー粒子への導入は、重合時に行ってもよいし、重合後に高分子反応を利用して行ってもよい。
重合時に導入する場合は、上記の官能基を有するモノマーを乳化重合又は懸濁重合することが好ましい。上記の官能基を有するモノマーの具体例として、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、2−(ビニルオキシ)エチルメタクリレート、p−ビニルオキシスチレン、p−{2−(ビニルオキシ)エチル}スチレン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、2−イソシアナートエチルメタクリレート又はそのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−イソシアナートエチルアクリレート又はそのアルコールなどによるブロックイソシアナート、2−アミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2官能アクリレート、2官能メタクリレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明では、これらのモノマーと、これらのモノマーと共重合可能な、熱反応性基をもたないモノマーとの共重合体も用いることができる。熱反応性基をもたない共重合モノマーとしては、例えば、スチレン、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができるが、熱反応性基をもたないモノマーであれば、これらに限定されない。
熱反応性基の導入を重合後に行う場合に用いる高分子反応としては、例えば、国際公開第96/34316号パンフレットに記載されている高分子反応を挙げることができる。
上記熱反応性基を有するポリマー粒子の中で、ポリマー粒子同志が熱により合体するものが好ましく、その表面は親水性で水に分散するものが特に好ましい。ポリマー粒子のみを塗布し、凝固温度よりも低い温度で乾燥して作製した皮膜の接触角(空中水滴)が、凝固温度より高い温度で乾燥して作製した皮膜の接触角(空中水滴)よりも低くなることが好ましい。このようにポリマー粒子表面を親水性にするには、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマーもしくはオリゴマー又は親水性低分子化合物をポリマー粒子表面に吸着させてやればよい。しかし、表面親水化の方法は、これに限定されない。
これらの熱反応性基を有するポリマー粒子の凝固温度は、70℃以上が好ましいが、経時安定性を考えると100℃以上がさらに好ましい。ポリマー粒子の平均粒径は、0.01〜2.0μmが好ましいが、その中でも0.05〜2.0μmがさらに好ましく、特に0.1〜1.0μmが最適である。この範囲内で良好な解像度及び経時安定性が得られる。
本発明に用いられるマイクロカプセルは、疎水性化合物を内包する。この疎水性化合物は、好ましくは熱反応性基を有する化合物である。熱反応性基としては、前記の熱反応性基を有するポリマー粒子に用いられるものと同じ熱反応性基を好適なものとして挙げることができる。また、マイクロカプセルは、熱反応性基を有する化合物とともに後記の赤外線吸収剤を内包することが好ましい。以下、熱反応性基を有する化合物についてより詳しく説明する。
ラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、エチレン性不飽和結合、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などを少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物を好適なものとして挙げられる。このような化合物群は当該産業分野において、重合性組成物用のモノマー又は架橋剤として広く知られるものであり、本発明においては、これらを特に限定することなく用いることができる。化学的形態としては、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体、オリゴマー、重合体もしくは共重合体、又はそれらの混合物である。
具体例としては、特開2001−277740号公報に重合性不飽和基を有する化合物として記載されている化合物が挙げられる。代表的な化合物例として、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレートとキシリレンジイソシアナートとの付加体などが挙げられる。しかし、これらに限定されない。
エチレン性重合性不飽和基を有する重合体又は共重合体形態のものとして、アリルメタクリレートの共重合体を挙げることができる。例えば、アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、アリルメタクリレート/エチルメタクリレート共重合体、アリルメタクリレート/ブチルメタクリレート共重合体などを挙げることができる。
本発明に好適なビニルオキシ基を有する化合物としては、特開2002−29162号公報に記載の化合物が挙げられる。具体例として、テトラメチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、1,4−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ベンゼン、1,2−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ベンゼン、1,3−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ベンゼン、1,3,5−トリス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ベンゼン、4,4´−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ビフェニル、4,4´−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ジフェニルエーテル、4,4´−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ジフェニルメタン、1,4−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}ナフタレン、2,5−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}フラン、2,5−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}チオフェン、2,5−ビス{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}イミダゾール、2,2−ビス[4−{2−(ビニルオキシ)エチルオキシ}フェニル]プロパン{ビスフェノールAのビス(ビニルオキシエチル)エーテル}、2,2−ビス{4−(ビニルオキシメチルオキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(ビニルオキシ)フェニル}プロパンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明に好適なエポキシ基を有する化合物としては、2個以上エポキシ基を有する化合
物が好ましく、多価アルコールや多価フェノールなどとエピクロロヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル化合物又はそのプレポリマー、更に、アクリル酸グリシジル又はメタクリ酸グリシジルの重合体もしくは共重合体等を挙げることができる。
具体例としては、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル又はエピクロロヒドリン重付加物、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル又はエピクロロヒドリン重付加物、ハロゲン化ビスフェノールAのジグリシジルエーテル又はエピクロロヒドリン重付加物、ビフェニル型ビスフェノールのジグリシジルエーテル又はエピクロロヒドリン重付加物、ノボラック樹脂のグリシジルエーテル化物等、更に、メタクリ酸メチル/メタクリ酸グリシジル共重合体、メタクリ酸エチル/メタクリ酸グリシジル共重合体等が挙げられる。
上記化合物の市販品としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート1001(分子量約900、エポキシ当量450〜500)、エピコート1002(分子量約1600、エポキシ当量600〜700)、エピコート1004(約1060、エポキシ当量875〜975)、エピコート1007(分子量約2900、エポキシ当量2000)、エピコート1009(分子量約3750、エポキシ当量3000)、エピコート1010(分子量約5500、エポキシ当量4000)、エピコート1100L(エポキシ当量4000)、エピコートYX31575(エポキシ当量1200)、住友化学(株)製のスミエポキシESCN−195XHN、ESCN−195XL、ESCN−195XF等を挙げることができる。
本発明に好適なイソシアナート化合物としては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキシルジイソシアナート、又は、これらをアルコールもしくはアミンでブロックした化合物を挙げることができる。
本発明に好適なアミン化合物としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
本発明に好適なヒドロキシル基を有する化合物としては、末端メチロール基を有する化合物、ペンタエリスリトールなどの多価アルコール、ビスフェノール・ポリフェノール類などを挙げることができる。
本発明に好適なカルボキシル基を有する化合物としては、ピロメリット酸、トリメリット酸、フタル酸などの芳香族多価カルボン酸、アジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸などが挙げられる。
本発明に好適な酸無水物としては、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物などが挙げられる。
上記の熱反応性基を有する化合物をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457
号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、英国特許第990443号、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号、同42−711号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。マイクロカプセル壁に熱反応性基を有する化合物を導入しても良い。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましいが、0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
このようなマイクロカプセルは、カプセル同志が熱により合体してもよいし、合体しなくとも良い。要は、マイクロカプセル内包物のうち、塗布時にカプセル表面もしくはマイクロカプセル外に滲み出したもの、又は、マイクロカプセル壁に浸入したものが、熱により化学反応を起こせば良い。添加された親水性樹脂又は添加された低分子化合物と反応してもよい。また2種類以上のマイクロカプセルに、それぞれ異なる官能基で互いに熱反応するような官能基をもたせることによって、マイクロカプセル同士を反応させてもよい。
従って、熱によってマイクロカプセル同士が、熱で溶融合体することは画像形成上好ましいことであるが、必須ではない。
上記ポリマー粒子及びマイクロカプセルの画像記録層への添加量は、いずれの微粒子の場合も、固形分換算で、画像記録層固形分の50質量%以上が好ましく、70〜98質量%がより好ましい。この範囲内で、良好な画像形成ができ、良好な耐刷性が得られる。
本発明の画像記録層にマイクロカプセルを含有させる場合には、内包物が溶解し、かつ壁材が膨潤する溶剤をマイクロカプセル分散媒中に添加することができる。このような溶剤によって、内包された熱反応性基を有する化合物の、マイクロカプセル外への拡散が促進される。このような溶剤としては、マイクロカプセル分散媒、マイクロカプセル壁の材質、壁厚及び内包物に依存するが、多くの市販されている溶剤から容易に選択することができる。例えば架橋ポリウレア、ポリウレタン壁からなる水分散性マイクロカプセルの場合、アルコール類、エーテル類、アセタール類、エステル類、ケトン類、多価アルコール類、アミド類、アミン類、脂肪酸類などが好ましい。
具体的化合物としては、メタノール、エタノール、第3ブタノール、n−プロパノール、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコール
モノメチルエーテル、γ−ブチルラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどがあるが、これらに限られない。またこれらの溶剤を2種以上用いても良い。マイクロカプセル分散液には溶解しないが、前記溶剤を混合すれば溶解する溶剤も用いることができる。
このような溶剤の添加量は、素材の組み合わせにより決まるものであるが、通常、塗布液の5〜95質量%が有効であり好ましい範囲は、10〜90質量%、より好ましい範囲は15〜85質量%である。
本発明で使用される粒子としては、画像形成性粒子を形成する樹脂の分子構造中に親水性基を導入することによって、自己水分散可能なコア部を親油性樹脂、シェル部を親水性成分とするコア/シェル構造を有する疎水性化樹脂微粒子があげられる。また、自己分散性を示さない樹脂粒子についても、分散安定性を強化するために、各種界面活性剤、水溶性樹脂、無機粒子を粒子分散剤として用いることができる。
好適な自己水分散性の画像形成性粒子としては、(1)分子内に親油性樹脂部分と親水性基を有する原料樹脂を、特開平3−221137号や特開平5−66600号に記載されているような転相乳化法によって乳化剤や保護コロイドなしに水に分散した樹脂微粒子、および(2)コア/シェル構造を有し、コア部は親油性樹脂、シェル部は親水性の成分からなる樹脂微粒子を挙げることができる。
転相乳化法に用いる原料樹脂分子内の親水性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミド基、スルホンアミド基およびアミノ基を挙げることができる。親水基を有する単量体の具体例として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、ヒドロキシエチルアクリレートなどを挙げることができる。
転相乳化法に用いる原料樹脂分子内の親油性樹脂部分の例として、下記(A)〜(J)の重合性単量体を重合または共重合させて得られる重合体部分を挙げることができる。
(A)アクリル酸エステル類。この単量体群の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルアクリレート、グリシジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどが挙げられる。
(B)メタクリル酸エステル類。この単量体群の例には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル、o−、m−およびp−ヒドロキシフェニルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどが挙げられる。
(C)置換アクリルアミド及び置換メタクリルアミド類。この単量体群の例には、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミ
ド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよびN−エチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドなどが挙げられる。
(D)ビニルエーテル類。この単量体群の例には、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
(E)ビニルエステル類。この単量体群の例には、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
(F)スチレン類。この単量体群の例には、スチレン、メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロメチルスチレン、o−、m−およびp−ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。
(G)ビニルケトン類。この単量体群の例には、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
(H)オレフィン類。この単量体群の例には、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
(I)N−含有単量体。この単量体群の例には、N−ビニルカルバゾール、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
(J)不飽和スルホンアミド。この単量体群の例には、N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルアミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなどのアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどが挙げられる。
転相乳化法に用いる原料樹脂分子内の親油性樹脂部分としては、場合によっては、上記の重合性単量体類と重合性不飽和基含有オリゴマーとの共重合体であってもよい。このような重合性不飽和基含有オリゴマーとしては、例えば、ビニル変性ポリエステル、ビニル変性ポリウレタン、ビニル変性エポキシ樹脂、ビニル変性フェノール樹脂等を挙げることができる。具体例としては、無水マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水マレイン酸、α−テルピネン無水マレイン酸付加物、トリオールのモノアリルエーテル、ペンタエリスリットジアリルエーテルもしくはアリルグリシジルエーテル等の各種化合物の重縮合ないしは付加により重合性不飽和結合(ビニル基)が導入される。
さらに、ポリエステル中に酸基を導入せしめるには、例えば、フタル酸の如き二塩基酸を過剰に用いることによればよく、それによって末端にカルボキシル基を有するものが得られる。あるいは、無水トリメリット酸の使用によって、主鎖中に酸基を有するものが得られる。
ビニル変性ポリウレタンとしては、例えば、グリセリンモノアリルエーテル又は1,2−結合を含むブタジエンポリオールの如き、各種のポリオールとジイソシアネートとの付加重合などにより得られる。あるいは、末端にイソシアネート基を有するウレタンと水酸基含有重合性単量体類との付加反応等によっても、ビニル結合が導入される。また、ジメチロールプロピオン酸等を、ポリオール成分として加えることによっても、ポリウレタン中に酸成分を導入せしめることができる。
ビニル変性エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂の末端エポキシ基とアクリル酸又はメタクリル酸のカルボキシル基とを反応せしめたもの等を挙げることができる。
ビニル変性フェノール樹脂としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基と(メタ)アクリル酸ハロゲン化物もしくはグリシジル(メタ)アクリレートとを反応させたものなどを挙げることができる。
さらに、カルボキシル基含有ビニル共重合体に、グリシジル基含有重合性単量体を付加せしめた重合性ビニル基を有する重合性単量体類のオリゴマーが得られる。ここで用いられる重合性単量体類は、前掲したものの中から選ばれる。しかし、重合性ビニル基を有するオリゴマーであれば、上述した種類や方法に限定されるものではない。
これらの単量体および重合性不飽和基含有オリゴマーから選ばれた少なくとも一つと前記の親水基有する単量体とを共重合することにより転相乳化法による自己水分散性樹脂微粒子の原料樹脂が得られる。この原料樹脂は、重量平均子量が500〜500,000、数平均分子量が200〜60000であることが好ましい。
さらに、自己水分散性樹脂微粒子の原料樹脂は、熱反応性官能基を有することもできる。熱反応性官能基としては、重合反応を行うエチレン性不飽和基(例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基など)、付加反応を行うエポキシ基、イソシアナート基あるいはそのブロック体など挙げることができる。熱反応性官能基の導入は、露光後の画像部の強度を高め、耐刷性の向上に効果がある。熱反応性官能基の導入は、例えば、WO96−34316号公報に記載されている高分子反応で行うことができる。
上記の他にも、本発明で用いられる自己分散性樹脂微粒子としては、ウレタン樹脂、例えば、特開平1−287183号公報に示されたウレタン樹脂ディスパージョン等、エポキシ樹脂、例えば、特開昭53−1228号、同55−3481号又は同55−9433号に記述されるような各種のエポキシ化合物等を挙げることができる。
本発明の樹脂微粒子は、光照射による発熱で融解、拡散、浸出して近傍を疎水化する作用を高めるため、微粒子中に疎水性有機低分子化合物を内包することができる。
このような有機低分子化合物としては、印刷インキ用成分、可塑剤類、その他、高沸点の脂肪族および芳香族の炭化水素、カルボン酸、アルコール、エステル、エーテル、アミンおよびそれらの誘導体などを挙げることができる。
具体例としては、アマニ油、大豆油、けし油、サフラワー油などの油脂類、燐酸トリブ
チル、燐酸トリクレシル、フタール酸ジブチル、ラウリン酸ブチル、フタール酸ジオクチルなどの可塑剤、カルナバワックス、カスターワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、セラックろう、パームろう、蜜ろうなどのワックス類や低分子量ポリエチレン、ベヘン酸銀、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウムなどの長鎖脂肪酸の金属塩などの微粒子分散物、n−ノナン、n−デカン、n−ヘキサデカン、オクタデカン、エイコサン、カプロン酸、カプリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ドデシルアルコール、オクチルアルコール、n−オクタデシルアルコール、2−オクタノール、ラウリルアルコール、ラウリルメチルエーテル、ステアリルメチルエーテル、ステアリルアミドなどを挙げられる。
上記の疎水性有機化合物の画像形成性粒子への内包は、樹脂微粒子の合成の際に疎水性化樹脂を溶かした有機溶剤中に添加して転相乳化することによって行うことができる。
上記の自己水分散性の画像形成性粒子の凝固温度は、70℃以上が好ましいが、経時安定性を考えると100℃以上がさらに好ましい。
本発明に用いられるコアシェル構造の自己水分散性樹脂微粒子は、乳化(転相乳化法も含む)又は分散重合で得た熱の作用で軟化もしくは融解する疎水性重合体の微粒子を芯部として、その周囲に親水性ポリマーの重合層を形成させたコアシェル型の複合微粒子あるいは簡単にコアシェル型微粒子と呼ぶ異相構造微粒子である。親水性ポリマーの重合層を形成は、コア粒子(シード)の分散液に親水性モノマーを添加して、コア粒子の表面に親水性モノマーを重合させて行う。
コア相を構成する重合体は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂及びその誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの親油性樹脂である。具体的には、前記の転相乳化法に用いる原料樹脂として記載した樹脂類および前記の転相乳化法で得た樹脂微粒子から選ぶことができる。
シェル相を形成する親水性樹脂は、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、アミド基、スルホンアミド基およびアミノ基から選ばれた少なくとも一つの親水性基を有する樹脂である。かかる樹脂としては、これらの親水基を有する単量体と前記の(A)〜(J)の重合性単量体もしくは重合性不飽和基含有オリゴマーとの共重合体など、転相乳化法に用いる原料樹脂分子の合成法で述べた樹脂を挙げることができる。その他に、例えば、特開平5−9431号に記述されるようなコアシェル構造の各種エポキシ樹脂も本発明の自己水分散性画像形成性粒子として好適である。
上記のコアシェル構造の自己水分散性画像形成性粒子の場合も、前述の転相乳化による樹脂微粒子の場合と同様に、樹脂表面に親水性化合物を吸着させたり、樹脂内に疎水性有機化合物を内包させることができる。吸着または内包に適した化合物としては、転相乳化による樹脂微粒子で述べたのと同じ化合物を挙げられる。
本発明の画像形成性粒子には、分散安定性を強化するため、粒子分散剤として、水溶性樹脂、界面活性剤、無機酸化物若しくは無機水酸化物粒子を用いることができる。水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシ変性PVA等の変性PVA、ポリアクリルアミド及びその共重合体、ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリルアセトアミド、ポリオキサゾリン、アクリル酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、ポリアクリル酸、水溶性ウレタン樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、N−ビニルカルボン酸アミドポリマー、ポリエチレンイミン等が挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、
ポリジメチルアクリルアミド、ポリアクリルアセトアミド、ポリオキサゾリン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミンの使用が好ましく、特に高親水性の樹脂が好ましい。ポリビニルアルコールでは、ケン化度が95%以上が好ましい。さらに、上記の水溶性樹脂を2種以上混合使用してもよい。
ポリマー微粒子における上記水溶性樹脂の含有量は、1〜25質量%が適当であり、好ましい範囲は2〜15質量%である。
本発明の画像形成性粒子に用いられる界面活性剤としては、ノニオン系及びアニオン系界面活性剤のほか、特開平2−195356号公報に記載されているようなカチオン界面活性剤、含フッ素界面活性剤、及び特開昭59−121044号及び特開平4−13149号公報に記載されている両性界面活性剤を挙げることができる。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、さらにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの端末のヒドロキシル基に炭素数5〜24の脂肪族基がエーテル結合した複合ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、同じくアルキル置換アリール基がエーテル結合した複合ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などが挙げられる。
アニオン系活性剤の具体例としては、アルキルスルホン酸類、アリールスルホン酸類、脂肪族カルボン酸類、アルキルナフタレンスルホン酸類、アルキルナフタレンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合型のもの、炭素数9〜26の脂肪族スルホン酸類、アルキルベンゼンスルホン酸類、ラウリルポリオキシエチレン硫酸、セチルポリオキシエチレンスルホン酸、オレイルポリオキシエチレンホスホン酸などのポリオキシエチレン含有硫酸やポリオキシエチレン含有燐酸などが挙げられる。
カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。フッ素系界面活性剤の具体例としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンキシド、パーフルオロアルキルEO付加物などが挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルカルボキシベタイン類、アルキルアミノカルボン酸類、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
ポリマー微粒子における上記界面活性剤の含有量は、1〜25質量%が適当であり、好ましい範囲は2〜15質量%である。
本発明の画像形成性粒子には、周期表2族〜15族の元素から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物または水酸化物の微粒子を用いてもよい。好適な元素の具体例として、マグネシウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、クロム、亜鉛、アルミニウム、珪素、錫、鉄などを挙げることができる。中でも好ましい元素として、珪素、チタン、アルミニウム、錫を挙げることができる。上記元素の酸化物または水酸化物の微粒子は、酸化物または水酸化物のコロイドとして用いることができ、微粒子の粒径は、一般に約0.001〜1μm、好ましくは5〜40nm、最も好ましくは10〜30nmである。これらのコロイドの分散液は、日産化学工業(株)などの市販品を購入することもできる。
上記の原料を用いた画像形成性粒子の樹脂としては、特開2002−226597号、特開2002−226597号記載の、有機珪素基を含有する樹脂を好ましく用いることができる。また、チタネート系カップリング基、アルミニウム系カップリング基など、各種無機粒子と化学結合可能な官能基を構造単位に有する樹脂を用いてもよい。
上記の原料を用いた画像形成性粒子の製造は、良く知られた操作で行うことができる。すなわち、疎水性ポリマーを水と非混和性の溶剤に溶かした油相溶液と、シリカなどの酸化物または水酸化物微粒子および界面活性剤を含んだ水相溶液を調製した後、両者を混合し、ホモジナイザーなどの乳化分散機を用いて、例えば、12,000rpmで10〜15分間激しく攪拌混合して水相中に油滴を乳化分散する。次いで、得られた乳化分散物を加熱攪拌して溶剤を蒸発させることにより、目的とするポリマー粒子の水分散物が得られる。
ポリマー微粒子における上記無機酸化物微粒子若しくは無機水酸化物微粒子の含有量は、1〜25質量%が適当であり、好ましい範囲は2〜15質量%である。
<相互作用>
非水溶性バインダーと画像形成性粒子の表面の相互作用は、具体的には、水素結合による相互作用、静電的な親和力による相互作用、ファンデルワールス力による相互作用、イオン的な相互作用、キレート相互作用などがあげられる。
非水溶性バインダーと画像形成性粒子の表面の相互作用の程度を定量的に表す指標として、画像形成性粒子の表面の粒子分散剤のI/O値と非水溶性バインダーのI/O値を比較することが有効である。I/O値とは、「有機概念図基礎と応用、甲田善生著、三共出版(1984年)」に記載の有機概念図論で定義される、化合物の無機性Iと有機性Oの比を表す。化合物の物理化学的物性について、主にVanDerWaals力による物性の程度を「有機性」、主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」と呼び、化合物の物性を「有機性」と「無機性」の組み合わせでとらえる概念である。I/O値が高いほど無機性が大きく、I/O値が小さいほど有機性が大きいと解釈され、2つの化合物のI/O値を比較した際、その差が小さいほど、すなわち、I/O値が近いほど、同様の性状を有し、相互作用が大きいと判断できる。
本発明では、画像形成性粒子の表面のI/O値と非水溶性バインダーのI/O値の差が1.6以下であることが好ましく、さらに、1.2以下であることが好ましい。最も好ましい範囲は、1.0以下である。
<(C)赤外線吸収剤>
本発明の平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有している。この際発生した熱により、後述
する重合開始剤(ラジカル発生剤)が熱分解し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料である。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号各公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号公報記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収剤の好ましい他の例としては、特開2002−278057号公報記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 2005271576
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2005271576
一般式(i)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。Phはフェニル基である。ここで、X2は酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。Xa-は後述するZa-と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 2005271576
1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、更に、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭
化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZa-は必要ない。好ましいZa-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、
キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像記録層塗布液中での良好な安定性と画像記録層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤は、他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよいが、ネガ型平版印刷版原版を作成した際に、画像記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。
画像記録層の吸光度は、画像記録層に添加する赤外線吸収剤の量と画像記録層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像記録層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
<(D)重合開始剤>
本発明に用いられる重合発生剤としては、光、熱或いはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物を示す。本発明に使用できる重合発生剤としては、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などを使用することができる。本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。本発明に係る熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることとができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独又は2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt"Journal of Heterocyclic Chemistry"1(No3),(1970)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチルー(4'−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
上記アゾ化合物としては例えば、特開平8-108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3',4,4'−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号各明細書等に記載の種々の化合物、具体的には、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ブロモフェニル))4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2'−ビス(o,o'−ジクロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−メチルフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール、2,2'−ビス(o−トリフルオロフェニル
)−4,4',5,5'−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、及び、Kunz,Martin"Rad Tech'98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago"等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2002−328465号公報等に記載される化合物が挙げられる。
上記オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979 )1653-1660)、J.C.S.
Perkin II (1979)156-162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202-232、特開2000-66385号公報記載の化合物、特開2000-80068号公報記載の化合物等が挙げられ、具体的には下記化合物である。
Figure 2005271576
また上記オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号各公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に反応性、安定性の面から上記オキシムエステル化合物或いはジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI-I)〜(RI-III)で表されるオニウム塩である。
Figure 2005271576
式(RI-I)中、Ar11は置換基を1〜6個有していても良い炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素
数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z11 -は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオンが好ましい。
式(RI-II)中、Ar21、Ar22は各々独立に置換基を1〜6有していても良い炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z21 -は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンであり、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
式(RI-III)中、R31、R32、R33は各々独立に置換基を1〜6有していても良い炭素数20以下のアリール基又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。Z31 -は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオン、カルボン酸イオンであり、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましく、特に、特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、更に好ましくは特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが好ましい。
本発明に適用し得る重合開始剤の具体例を以下に挙げるがこれらに限定されない。
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
これらの重合開始剤は、画像記録層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の割合で添加することができる。この範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。これらの重合開始剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
<(E)重合性化合物>
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重
結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、
エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(II)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (II)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の
詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばポリマーバインダー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
重合性化合物は、画像記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、更に場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
本発明においては、上記の画像記録層構成成分(A)〜(E)及び後述のその他構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。もう一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに。マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型画像記録層であることが好ましい。
上記の画像記録層構成成分(A)〜(E)をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポ
リウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、上記(A)非水溶性バインダーの有機ポリマーに導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入しても良い。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
≪画像記録層(2)≫
画像記録層(2)は、少なくともバインダー及び粒子を含有し、粒子が壁材として重合性官能基を有するマイクロカプセルであり、且つバインダーがポリマーバインダーである。
画像記録層(2)は、更に、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物等を含有することが好ましい。
画像記録層(2)に於ける赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物としては、画像記録層(1)に於ける赤外線吸収剤(C)、重合開始剤(D)、重合性化合物(E)と同様のものを挙げることができる。
<(F)ポリマーバインダー>
画像記録層(2)に用いることができるポリマーバインダーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有するポリマーが好ましい。このようなポリマーバインダーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
ポリマーバインダーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していてもよい。ポリマーバインダーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合などの架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレンなどが挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸またはメタクリル酸のエステルまたはアミドのポリマーであって、エステルまたはアミドの残基(−COORまたは−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CH2n CR1 =CR23 、−(CH2 O)n CH2 CR1 =CR23 、−(CH2 CH2 O)n CH2 CR1 =CR23 、−(CH2n NH−CO−O−CH2 CR1 =CR23 、−(CH2n −O−CO−CR1 =CR23 および−(CH2 CH2 O)2 −X(式中、R1 〜R3 はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1 とR2 またはR3 とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 (特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CH2 CH2 O−CH2 CH=CH2 、−CH2 C(CH3 )=CH2 、−CH2 CH=CH−C65 、−CH2 CH2 OCOCH=CH−C65 、−CH2 CH2 −NHCOO−CH2 CH=CH2 および−CH2 CH2 O−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CH2 CH=CH2 、−CH2 CH2 −Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CH2 CH2 −OCO−CH=CH2 が挙げられる。
架橋性を有するポリマーバインダーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカルまたは重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接にまたは重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。または、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
ポリマーバインダー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、ポリマーバインダー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、画像記録層未露光部の機上現像性の観点から、ポリマーバインダーは、インキおよび/又湿し水に対する溶解性または分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性または分散性を向上させるためには、ポリマーバインダーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性または分散性を向上させるためには、ポリマーバインダーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なポリマーバインダーと親水的なポリマーバインダーを併用することも有効である。
親水的なポリマーバインダーとしては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基、リン酸基などの親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテルなどが挙げられる。
(F)ポリマーバインダーは、重量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
(F)ポリマーバインダーは、従来公知の方法により合成することができる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混合して用いられる。
(F)ポリマーバインダーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤などの公知の化合物を用いることができる。
(F)ポリマーバインダーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、5〜90質量%であるのが好ましく、5〜80質量%であるのがより好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、(E)重合性化合物と(F)ポリマーバインダーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
<(G)壁材に重合性官能基を有するマイクロカプセル>
画像記録層(2)では、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、上記の画像記録層構成成分(C)〜(F)および後述のその他構成成分の一部をマイクロカプセルに内包させたマイクロカプセルを画像記録層に添加する。該マイクロカプセル型画像記録層において各構成成分は、マイクロカプセル内および外に、任意の比率で含有させることが可能である。
上記の画像記録層構成成分(C)〜(F)をマイクロカプセル化する方法としては、公知の方法が適用できる。例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号の各明細書、特公昭38−19574号、同42−446号の各公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号、同第4087376号、同第4089802号の各明細書にみられる尿素―ホルムアルデヒド系または尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号、同51−9079号の各公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号、同第967074号の各明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、およびこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレアおよびポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、下記のようなエチレン性不飽和結合を有する官能基を導入する必要がある。
エチレン性不飽和結合を有する官能基を有する部分構造の例としては、−(CH2n
CR1=CR23、−(CH2O)nCH2CR1=CR23、−(CH2CH2O)nCH2CR1=CR23、−(CH2nNH−CO−O−CH2CR1=CR23、−(CH2n −O−CO−CR1=CR23および−(CH2CH2O)2−X(式中、R1〜R3はそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、R1とR2またはR3とは互いに結合して環を形成してもよい。nは、0〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
エチレン性不飽和結合はマイクロカプセルの表面部分に存在することが望ましい。従ってエチレン性不飽和結合は壁を形成するシェルポリマーの主鎖部分に含まれるよりは側鎖部分に含まれるほうが良い。
シェルポリマーの主鎖は、付加重合型のポリマーよりも縮合重合型のポリマーの方が好ましく、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステルまたはポリアミド、あるいはそれらのコポリマーまたは混合物が好ましく、ポリウレタンまたはポリウレア、あるいはそれらのコポリマーまたは混合物がさらに好ましい。
ポリウレタンはウレタン結合(−NH−CO−O−)を主鎖に含むポリマーであり、ポリウレアはウレア結合(−NH−CO−NH−)を主鎖に含むポリマーであり、ポリエステルはエステル結合(−CO−O−)を主鎖に含むポリマーであり、ポリアミドはアミド結合(−CO−NH−)を主鎖に含むポリマーであり、コポリマーは2種類以上の結合を主鎖に含むポリマーである。
ポリウレタン、ポリウレアおよびそれらのコポリマーは、ポリオールまたはポリアミンと多価イソシアナートとの反応により合成することができる。また、多価イソシアナートの加水分解により生成した多価アミンと、多価イソシアナートとの縮合反応により合成することもできる。マイクロカプセルのシェルポリマーとしての合成反応においては、まず、ポリオールに対して、多価イソシアナートを反応させた付加物(adduct)を中間体として合成し、次に付加物を反応させてシェルポリマーを合成することが好ましい。なお、実際の反応においては、ポリオールに対して、過剰量の多価イソシアナートを反応系に加える場合が多い。ポリオールに加えて、求核性基(例、ヒドロキシル、メルカプト、アミノ)を有する求核性化合物(例、アルコール、フェノール、チオール、アミン)を多価イソシアナートと反応させる場合もある。また、ポリオールと多価イソシアナートとの付加物に、求核性化合物を反応させて一部を変性させてから、シェルポリマーを合成する場合もある。アルコールは、末端にヒドロキシル基を有するポリマー(エチレン性二重結合を導入する場合は、ラクトン環とヒドロキシル基とを有する高分子化合物)であってもよい。
本発明において、エチレン性二重結合は、多価イソシアナートよりもポリオールまたはポリオールと共に用いる求核性化合物に導入し、それを多価イソシアナートと反応させてイソシアナート付加物を合成し、その付加物を反応させてシェルポリマーを合成することが最も好ましい。
シェルポリマーの合成に用いるエチレン性二重結合を含む化合物は、下記式(III)で定義されるものが好ましい。
(III) L1 Lcmn
式(III)において、L1 は、m+n価の連結基であり;mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至100の整数であり;Lcは、エチレン性二重結合からなる一価の基であり;そして、Zは求核性基である。
1 は、二価以上の脂肪族基、二価以上の芳香族基、二価以上の複素環基、−O−、−S−、−NH−、−N<、−CO−、−SO−、−SO2 −またはそれらの組み合わせで
あることが好ましい。
mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至50の整数であることが好ましく、1乃至20の整数であることがより好ましく、1乃至10の整数であることがさらに好ましく、1乃至5の整数であることが最も好ましい。
Zは、OH、SHまたはNH2 であることが好ましく、OHまたはNH2 であることがさらに好ましく、OHであることが最も好ましい。
以下にエチレン性二重結合を含む化合物の例を示すが、この構造に限定されるものではない。
Figure 2005271576
エチレン性二重結合を含む化合物を、2種類以上併用してもよい。
エチレン性二重結合を含む化合物と他のポリオールとを併用して、多価イソシアナートとの付加物を形成することもできる。エチレン性二重結合を含む化合物と多価イソシアナートとの付加物および他のポリオールと多価イソシアナートとの付加物を併用することも
できる。また、他のポリオールと多価イソシアナートとの付加物とエチレン性二重結合を含む化合物とを反応させて、エチレン性二重結合を含む付加物を合成(付加物を変性)してもよい。
エチレン性二重結合を含む化合物またはポリオールに加えて、多価アミンをシェルポリマーの形成に使用してもよい。多価アミンは、水溶性であることが好ましい。多価アミンの例には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンおよびテトラエチレンペンタミンが含まれる。
多価イソシアナートは、下記式(IV)で定義されるジイソシアナートであることが好ましい。
(IV) OCN−L4 −NCO
式(IV)において、L4 は、二価の連結基である。L4 は、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の基であることが好ましい。アルキレン基とアリーレン基との組み合わせからなる二価の連結基が特に好ましい。
アルキレン基は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至8であることが最も好ましい。
置換アルキレン基および置換アルキル基の置換基の例には、ハロゲン原子、オキソ(=O)、チオ(=S)、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
アリーレン基は、フェニレンであることが好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。
置換アリーレン基および置換アリール基の置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基およびアルコキシ基が含まれる。
ジイソシアナートの例には、キシリレンジイソシアナート(例、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリレンジイソシアナート)、4−クロロ−m−キシリレンジイソシアナート、2−メチル−m−キシリレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート(例、m−フェニレンイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート)、トルイレンジイソシアナート(例、2,6−トルイレンジイソシアナート、2,4−トルイレンジイソシアナート)、ナフタレンジイソシアナート(例、ナフタレン−1,4−ジイソシアナート)、イソホロンジイソシアナート、アルキレンジイソシアナート(例、トリメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、プロピレン−1,2−ジイソシアナート、ブチレン−1,2−ジイソシアナート、シクロへキシレン−1,2−ジイソシアナート、シクロへキシレン−1,3−ジイソシアナート、シクロへキシレン−1,4−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−1,4−ジイソシアナート、1,4−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアナート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシアナートおよびリジンジイソシアナートが含まれる。
キシリレンジイソシアナートおよびトルイレンジイソシアナートが好ましく、キシリレンジイソシアナートがさらに好ましく、m−キシリレンジイソシアナートが特に好ましい。
2種類以上のジイソシアナートを併用してもよい。
前述したように、ポリオールと多価イソシアナートとを反応させた付加物(adduct)を
中間体(またはプレポリマー)として合成し、次に付加物を反応させてシェルポリマーを合成することが好ましい。
付加物の合成反応におけるポリオール/多価イソシアナートの質量比は、1/100乃至80/100であることが好ましく、5/100乃至50/100であることがさらに好ましい。
ポリオールと多価イソシアナートとは、有機溶媒中で加熱することにより反応させることができる。触媒を使用しない場合、加熱温度は50乃至100℃が好ましい。触媒を使用する場合は、比較的低い温度(40乃至70℃)でも反応が進行する。触媒の例には、オクチル酸第1錫およびジブチル錫ジアセテートが含まれる。
有機溶媒は、活性水素を含まない液体である(すなわち、アルコール、フェノールやアミンではない)ことが好ましい。有機溶媒の例には、エステル(例、酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素(例、クロロホルム)、エーテル(例、テトラヒドロフラン)、ケトン(例、アセトン)、ニトリル(例、アセトニトリル)および炭化水素(例、トルエン)が含まれる。
上記のマイクロカプセルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
≪画像記録層(1)及び(2)に於ける、その他の成分≫
<界面活性剤>
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、および、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸
塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
更に好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号および同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、更に必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、および特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の
割合が好ましい。
<焼き出し剤>
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸又はラジカルによって変色する化合物を添加することができる。このような化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p',p"−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−フタリド、3−(4−ジエチルアミノ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸又はラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜10質量%の割合が好ましい。
<重合禁止剤>
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中または保存中において(E)重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<親水性化合物>
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性化合物を含有しても良い。親水性化合物としては、例えば、親水性低分子化合物及び親水性高分子化合物を挙げることができる。
親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳
酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩等が挙げられる。
親水性高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロースおよびそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類およびそれらの塩、ポリメタクリル酸類およびそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60質量%以上、好ましくは80質量%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマーおよびポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
<画像記録層の形成>
本発明の画像記録層は、必要な上記各成分を溶剤に分散、又は溶かして塗布液を調製し、塗布される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一又は異なる上記各成分を同一又は異なる溶剤に分散、又は溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/m2が好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
<支持体>
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされまたは蒸着された紙またはプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルムおよびア
ルミニウム板が挙げられる。中でも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、または、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのが更に好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上および画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流または直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、更に、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸またはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/d m2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/m2 であるのが好ましく、1.5〜4.0g/m2 であるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
本発明で用いられる支持体としては、上記のような表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する基板そのままでも良いが、上層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性などの一層改良のため、必要に応じて、特開2001−253181号公報や特開2001−322365号公報に記載されている陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択して行うことができる。
親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸せき処理し、または電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号および同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
本発明の支持体としてポリエステルフィルムなど表面の親水性が不十分な支持体を用いる場合は、親水層を塗布して表面を親水性にすることが望ましい。親水層としては、特開2001−199175号公報に記載の、ベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、硼素、ゲルマニウム、スズ、ジルコニウム、鉄、バナジウム、アンチモン及び遷移金属から選択される少なくとも一つの元素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層や、特開2002−79772号公報に記載の、有機親水性ポリマーを架橋あるいは疑似架橋することにより得られる有機親水性マトリックスを有する親水層や、ポリアルコキシシラン、チタネート、ジルコネート又はアルミネートの加水分解、縮合反応からなるゾル−ゲル変換により得られる無機親水性マトリックスを有する親水層、あるいは、金属酸化物を含有する表面を有する無機薄膜からなる親水層が好ましい。中でも、珪素の酸化物又は水酸化物のコロイドを含有する塗布液を塗布してなる親水層が好ましい。
また、本発明の支持体としてポリエステルフィルム等を用いる場合には、支持体の親水性層側または反対側、あるいは両側に、帯電防止層を設けるのが好ましい。帯電防止層を支持体と親水性層との間に設けた場合には、親水性層との密着性向上にも寄与する。帯電防止層としては、特開2002−79772号公報に記載の、金属酸化物微粒子やマット剤を分散したポリマー層等が使用できる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
<バックコート層>
支持体に表面処理を施した後または下塗層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコートを設けることができる。
バックコートとしては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH3 4 、Si(OC254 、Si(OC374 、Si(OC4 94 等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
<下塗層>
本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗層を設けることができる。下塗層が断熱層として機能することにより、赤外線レーザによる露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。また、未露光部においては、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。
下塗層としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、エチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
下塗層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/m2 であるのが好ましく、3〜30mg/m2 であるのがより好ましい。
<保護層>
本発明の平版印刷版原版においては、画像記録層における傷等の発生防止、酸素遮断、高照度レーザー露光時のアブレーション防止のため、必要に応じて、画像記録層の上に保護層を設けることができる。
本発明においては、通常、露光を大気中で行うが、保護層は、画像記録層中で露光により生じる画像形成反応を阻害する大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物の画像記録層への混入を防止し、大気中での露光による画像形成反応の阻害を防止する。したがって、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性が低いことであり、更に、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものであるのが好ましい。このような特性を有する保護層については、以前より種々検討がなされており、例えば、米国特許第3、458、311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、例えば、比較的、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸等の水溶性ポリマーが挙げられる。中でも、ポリビニルアルコール(PVA)を主成分として用いると、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。ポリビニルアルコールは、保護層に必要な酸素遮断性と水溶性を与えるための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテルまたはアセタールで置換されていてもよく、一部が他の共重合成分を有していてもよい。
ポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解された重合度300〜2400の範囲のものが好適に挙げられる。具体的には、例えば、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8が挙げられる。
保護層の成分(PVAの選択、添加剤の使用等)、塗布量等は、酸素遮断性および現像除去性のほか、カブリ性、密着性、耐傷性等を考慮して適宜選択される。一般には、PVAの加水分解率が高いほど(即ち、保護層中の未置換ビニルアルコール単位含有率が高いほど)、また、膜厚が厚いほど、酸素遮断性が高くなり、感度の点で好ましい。また、製造時および保存時に不要な重合反応が生じたり、画像露光時に不要なカブリ、画線の太り等を防止するためには、酸素透過性が高くなりすぎないことが好ましい。従って、25℃、1気圧下における酸素透過性Aが0.2≦A≦20(cc/m2・day)であることが好ましい。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を(共)重合体に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を(共)重合体に対して数質量%添加することができる。
保護層の膜厚は、0.1〜5μmが適当であり、特に0.2〜2μmが好適である。
また、画像部との密着性、耐傷性等も平版印刷版原版の取り扱い上、極めて重要である。即ち、水溶性高分子化合物を含有するため親水性である保護層を、親油性である画像記録層に積層すると、接着力不足による保護層のはく離が生じやすく、はく離部分において、酸素による重合阻害に起因する膜硬化不良等の欠陥を引き起こすことがある。
これに対して、画像記録層と保護層との間の接着性を改良すべく、種々の提案がなされている。例えば、特開昭49−70702号公報および英国特許出願公開第1303578号明細書には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、画像記録層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。保護層の塗布方法については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書および特開昭55−49729号公報に詳細に記載されている。
更に、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
[露光]
本発明の平版印刷方法においては、上述した本発明の平版印刷版原版を、赤外線レーザーで画像様に露光する。
本発明に用いられる赤外線レーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーが好適に挙げられる。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。
1画素あたりの露光時間は、20μ秒以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2 であるのが好ましい。
[印刷]
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光した後、なんらの現像処理工程を経ることなく油性インキと水性成分とを供給して印刷する。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機の版胴(シリンダー)に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機の版胴に装着した後、印刷機上において赤外線レーザーで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光した後、湿式現像処理工程等の現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷すると、画像記録層の露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する油性インキ受容部を形成する。一方、未露光部においては、その少なくとも一部が脱膜的に除去され、その部分に親水性の表面が露出する。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分および油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
以下、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<画像形成性粒子の合成>
画像形成性粒子(マイクロカプセル粒子)(1)の合成
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N)10g、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、SR444)3.15g、下記の赤外線吸収剤(1)0.35g、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン(山本化成製ODB)1g、及びパイオニンA−41C(竹本油脂(株)製) 0.1gを酢酸エチル17gに溶解した。水相成分としてPVA−205(クラレ(株)製、ケン化度88%、I/O値2.1)の4質量%水溶液40gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で3時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液(1)の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.27μmであった。
Figure 2005271576
画像形成性粒子(マイクロカプセル粒子)(2)の合成
水相成分として、マイクロカプセル(1)の合成で使用したPVA−205に変えてMP−103(アルキル末端PVA、クラレ(株)製、ケン化度98.5%、I/O値2.4)を使用した以外は、同様にしてマイクロカプセル(2)を合成した。平均粒径は0.22μmであった。
画像形成性粒子(マイクロカプセル粒子)(3)の合成
水相成分として、マイクロカプセル(1)の合成で使用したPVA−205に変えてダックロイドLF(紀文フードケミファ(株)製、I/O値2.2)を使用した以外は、同様にしてマイクロカプセル(3)を合成した。平均粒径は0.35μmであった。
画像形成性粒子(自己水分散性アクリルポリマー粒子)(4)の合成
攪拌装置、還流装置、窒素導入管、滴下装置及び温度計を備えた1Lの四つ口フラスコにメチルエチルケトンの300gを仕込み、75℃に昇温した。スチレンの60g、メタクリル酸メチルの320g、メタクリル酸の30g、2,2´−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル(V−601和光純薬工業(株)製の重合開始剤)6gをよく混合した溶液を3時間か
けて滴下した。10時間攪拌後、V−601の0.8gを加え、さらに、10時間撹拌することによって、乾燥固形分比が35%、酸価29.6、重量平均分子量が45000のアクリルポリマーが得られた。上記のアクリルポリマーの溶液200gをトリエチルアミン6gで中和し、攪拌しながら水を滴下した。溶液は徐々に増粘し、約250gの水を滴下した辺りから著しく粘度が低下して転相が完了した。さらに200gの水を加えた後、得られた分散液を45℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去することによって、乾燥固形分比29.5%、平均粒径0.10μmのアクリルポリマー微粒子の水分散体が得られた。
画像形成性粒子(自己水分散性ポリウレタン粒子)(5)の合成
攪拌装置、還流装置、乾燥窒素導入管及び温度計を備えた1Lの四つ口フラスコに「バーノックDN−980」[大日本インキ化学工業(株)製のポリイソシアネートの商品名]の200g、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の10g、ジブチル錫ジラウレートの0.03g及び酢酸エチルの200gを加え、65℃で5時間撹拌することによって乾燥固形分比が45.0%、イソシアナート基含有率6.20%なるポリウレタンプレポリマーの溶液が得られた。上記のポリウレタンプレポリマー溶液150gにメチルエチルケトンの50gを加え、トリエチルアミンの5gで中和し、攪拌しながら水を滴下した。プレポリマー溶液は徐々に増粘し、約400gの水を加えた後、ジエチレントリアミンの3gを70gの水に溶解した水溶液を攪拌しながらゆっくりと加えた。次いで、得られた分散液を45℃に加熱して、有機溶剤ならびに余剰の水を減圧除去することによって、乾燥固形分比29%、平均粒径0.09μmのウレタン微粒子の水分散体が得られた。酸価は、28.4であった。
画像形成性粒子(自己水分散性コアシェル粒子)(6)の合成
コンデンサー、機械式撹拌器、温度計、窒素導入口/排出口および2つのモノマー供給管を備えた500mlフラスコ内に、アクリル酸15g、スチレン5g、メチルアクリレート1g、過酸化ベンゾイル(BPO)2g、n−ブタノール50gなる各原料を均一に混合したもの30mlを入れ100℃に保ちながら攪拌しつつ3時間加熱した。室温に降温後、蒸留水150mlおよび25%アンモニア水5mlを加え、この混合物を透明になるまで撹拌した。その後、アスコルビン酸0.7gおよび過硫酸カリウム1gを加えた。スチレン40g、グリシジルメタクリレート2gおよびブロモトリクロロメタン1.5gを添加し、窒素雰囲気下で温度を38℃に上げた後、そのまま温度で8時間維持した。固形分含有率は18%であった。コアはスチレン/グリシジルメタクリレートコポリマーであり、シェル材としてコアと会合するカルボキシル化アクリレートコポリマーである。
画像形成性粒子(自己水分散性コアシェル粒子)(7)の合成
反応容器に液状エポキシ樹脂DER333(ダウケミカル社製触媒添加エポキシ樹脂、エポキシ当量約200)70gにビスフエノールA30gを加え撹拌しながら約1時間かけて170℃に加熱し、さらにこの温度で3時間保持した。この反応生成物はエポキシ当量約2000のエポキシ樹脂となった。ついで反応容器に還流冷却器をセットし、系内を密閉した後、n―ブタノール100gを、ポンプを用いて在入し、これにより上記エポキシ樹脂の溶液を得、これを100℃に保持した。別の容器にメタクリル酸10g、スチレン10g、メチルアクリレート10g及び過酸化ベンゾイル2.5gを入れて混合した。
このモノマー混合物を、上記エポキシ樹脂を収容した反応容器に150分間にわたり一定速度で添加した。反応温度は110〜112℃に維持し、上記モノマー混合物の添加が終わってから、さらに4時間そのまま撹拌を続けた。反応生成物はn―ブタノールに分散され半濁状になっていた。
このような樹脂分散液を60℃に加熱した300gの脱イオン水及び20gのジメチルエタノールアミン混合液に徐々に加え、約1時間撹拌した後脱イオン水200g加えた。
この状態では上記反応生成物の樹脂は微分散し、乳白色になっていた。ついで上記水中分散液を40〜50℃で減圧蒸留し、150gを留去した。 その水分散液を限外濾過モジュール(ACP−1050旭化成工業(株)製)を用い洗浄を行った。得られた水分散液は樹脂が微分散しており、乳白色になっていた。この水分散液は6カ月放置しても樹脂の凝集あるいは沈澱はなく分散系は安定であった。この分散液の不揮分17%、この分散液中のn―ブタノールはガスクロマトグラフイーによる分析の結果検出されなかった。
画像形成性粒子(自己水分散性コアシェル粒子)(8)の合成
窒素ガス置換した4つ口フラスコに、n−ブタノール100gとビスフェノールF型エポキシ樹脂120gとを仕込み加熱溶解した。この溶液に、メタクリル酸20g、スチレン8g、メチルアクリレート1g、過酸化ベンゾイル(BPO)2g、n−ブタノール12gなる各原料を均一に混合したものを、フラスコ内を100℃に保ちながら攪拌しつつ、1時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後も、さらに、同温度で3時間のあいだ攪拌し、固形分が52%なるカルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂の溶液を得た。窒素ガスを封入した4つ口フラスコに、上記で得た自己乳化性エポキシ樹脂70gを仕込み、これを110℃まで加熱し、ジメチルエタノールアミン2gとイオン交換水150gとの混合液を、攪拌しながら、5分かけて滴下し、カルボキシル基を有し、かつ、自己乳化性を有するエポキシ樹脂の水性分散体を得た。さらに、減圧下にて、n−ブタノールと水を共沸蒸留により、60g留去せしめて、不揮発分が21%の、溶剤を含まないカルボキシル基含有自己乳化性エポキシ樹脂(A)の水性分散体を得た。上記水性分散体50g、ブタジエン2.5g、スチレン2g、BPO 0.2gを、窒素ガス置換した攪拌装置付きのオートクレーブに仕込み、攪拌しながら、この混合物を55℃に加熱し、内圧が2Kg/cm2になるまで攪拌を続けた処、固型分が22.5%なる目的とする水性樹脂組成物が得られた。この水性樹脂組成物は、3ヶ月後においても、粘度の変化が認められなかった。
画像形成性粒子(シリカ分散アクリルポリマー粒子)(9)の合成
油相成分として、ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量120,000)15.0g、MEK25.0g、界面活性剤パイオニンA41C(竹本油脂(株)製)0.3gの溶液を調製し、水相成分として、スノーテックスC(日産化学工業(株)製、コロイダルシリカ20%水溶液)20g、水180gの溶液を調製し、両者を混合した後、ホモジナイザーにて11,000rpm、15分間激しく攪拌混合して、水相中に油滴を分散した乳化分散物を得た。次に、ステンレス製ポットに乳化分散物を投入し、60℃3時間攪拌して溶剤成分を除去することによって、粒径0.26μmの疎水性ポリマー微粒子を得た。
画像形成性粒子(水溶性樹脂分散アクリルポリマー粒子)(10)の合成
油相成分として、ポリメチルメタクリレート(重量平均分子量120,000)5.0g、グリシジルメタクリレート10g、MEK25.0g、界面活性剤パイオニンA41C(竹本油脂(株)製)0.3gの溶液を調製し、水相成分として、PVA−405(クラレ(株)製、ケン化度81.5%、I/O値2.0)20g、水150gの溶液を調製し、両者を混合した後、ホモジナイザーにて12,000rpm、10分間激しく攪拌混合して、水相中に油滴を分散した乳化分散物を得た。次に、ステンレス製ポットに乳化分散物を投入し、60℃3時間攪拌して溶剤成分を除去することによって、粒径0.32μmの疎水性ポリマー微粒子を得た。
〔実施例1〕
1.平版印刷版原版の作成
(1)支持体の作成
<アルミニウム板>
Al:99.5質量%以上、Fe:0.30質量%、Si:0.10質量%、Ti:0
.02質量%、Cu:0.013質量%を含有し、残部は不可避不純物のJIS A1050アルミニウム合金の溶湯に清浄化処理を施し、鋳造した。清浄化処理としては、溶湯中の水素等の不要なガスを除去するために脱ガス処理し、更に、セラミックチューブフィルタ処理を行った。鋳造法はDC鋳造法で行った。凝固した板厚500mmの鋳塊の表面を10mm面削し、金属間化合物が粗大化してしまわないように550℃で10時間均質化処理を行った。ついで、400℃で熱間圧延し、連続焼鈍炉中、500℃で60秒間、中間焼鈍した後、冷間圧延を行って、厚さ0.30mmのアルミニウム圧延板とした。圧延ロールの粗さを制御することにより、冷間圧延後の中心線平均粗さRa を0.2μmに制御した。その後、平面性を向上させるためにテンションレベラーにかけた。得られたアルミニウム板を、以下に示す表面処理に供した。
まず、アルミニウム板の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施し、その後、30質量%硫酸水溶液を用いて50℃で30秒間、中和およびスマット除去処理を施した。
ついで、画像記録層と支持体との密着性を良好にし、かつ、非画像部に保水性を与えるため、粗面化処理を施した。具体的には、間接給電セルに供給された、硝酸1質量%および硝酸アルミニウム0.5質量%を含有する水溶液(液温45℃)中を、アルミニウム板のウェブを通過させながら、電流密度20A/dm2 、duty比1:1の交番波形で、アルミニウム板が陽極時の電気量が240C/dm2 となるように電解して、電気化学的粗面化処理を施した。
更に、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、エッチング処理を施し、その後、30質量%硫酸水溶液を用いて50℃で30秒間、中和およびスマット除去処理を施した。
その後、耐摩耗性、耐薬品性および保水性を向上させるために、陽極酸化処理を施した。具体的には、間接給電セルに供給された、20質量%硫酸水溶液(液温35℃)中を、アルミニウム板のウェブを通過させながら、電流密度14A/dm2 の直流で電解して、2.5g/m2 の陽極酸化皮膜を作成した。
その後、非画像部の親水性を確保するため、1.5質量%3号ケイ酸ソーダ水溶液を用いて70℃で15秒間、シリケート処理を施した。Siの付着量は10mg/m2 であった。その後、水洗して、支持体を得た。得られた支持体の中心線平均粗さRa は0.25μmであった。
(2)画像記録層の形成
上記支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液をバー塗布した後、70℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.8g/m2の画像記録層を形成して平版印刷版用原版を得た。
画像記録層塗布液(1)
・下記の赤外線吸収剤(2) 2.0g
・下記の重合開始剤(1) 10.0g
・非水溶性バインダー(B−1) 16.2g
・重合性化合物 38.5g
イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
(新中村化学工業(株)製、NKエステルM−315)
・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 2.0g
・下記のフッ素系界面活性剤(1) 1.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 100.0g
・上記の画像形成性粒子(1)(固形分換算で) 40.0g
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
2.露光および印刷
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザ搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、湿し水とインクを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
画像記録層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、100枚以内で非画像部の汚れのない印刷物が得られた。
3.評価
得られたネガ型平版印刷版原版について、以下に示すように、耐刷性および機上現像ランニング性を評価した。耐刷性が高いほど高感度であり、また、機上現像ランニングについては、繰り返し、機上現像、印刷を行うことによる、現像除去物の析出の有無を評価し、インキローラーなどに、析出物が無いほど、良好であると言える。
(1)耐刷性
上述したように、細線再現性の評価において印刷を行った後、更に印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。結果を第1表に示す。
(2)現像ランニング性
上述したように露光した平版印刷版原版を、機上現像した後、5000千枚まで印刷操作を行い、これを1ラウンドとして、連続10ラウンドの機上現像、印刷を繰り返した後、水着けロールおよび、インキ着けロール上の現像除去物の残さ(現像カス)を評価した。結果を表1に示す。
〔実施例2〜17〕
実施例1で用いた非水溶性バインダー及び画像形成性粒子を下記表1に記載のものに変えた以外は、実施例1と同様に平版印刷版原版を得た。
得られた平版印刷版原版について、実施例1と同様に、露光、印刷、評価を行った。評価結果を、表1に示す。
また、実施例1と同様に、画像記録層の未露光部の印刷機上での機上現像が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、いずれの平版印刷版原版を用いた場合も、100枚以内で非画像部の汚れのない印刷物が得られた。
〔比較例1〕
非水溶性バインダーとして、ポリスチレン(I/O値0.09)を用いた以外は実施例1と同様に平版印刷版用原版を得た。
得られた平版印刷版原版について、実施例1と同様に、露光、印刷、評価を行った。評価結果を、表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1の画像形成性粒子を除いた以外は、実施例1と同様に平版印刷版用原版を得た。
得られた平版印刷版原版について、実施例1と同様に、露光、印刷、評価を行った。評価結果を、表1に示す。
Figure 2005271576
表1から明らかなように、本発明の平版印刷版原版(実施例1〜17)を用いた平版印刷方法によれば、従来の平版印刷版原版を用いた場合(比較例1、2)に比べて、耐刷性および現像ランニング性が極めて優れていることが分かる。
〔実施例18〜23、比較例3〕
(1)支持体の作製
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm3)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2であった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
次に、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dm2の条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dm2で2.5g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた後、フッ化ジルコン酸ナトリウム0.1質量%、リン酸2水素ナトリウム1質量%を含むpH3.7、75℃に加熱した溶液に10秒間浸漬し、封孔処理を行った。さらに、珪酸ナトリウム2.5質量%水溶液にて30℃で10秒処理した。この支持体の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。
(2)下塗り層の形成
さらに、上記支持体上に、下記の下塗り液(1)を乾燥塗布量が10mg/m2になるよう塗布し、以下の実験に用いる下塗り層を有する支持体を作製した。
<下塗り液(1)>
・下塗り化合物(1) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
Figure 2005271576
(3)画像記録層の形成
上記の下塗り層を有する支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液をバー塗布した後、100℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/m2の画像記録層を形成して平版印刷版原版を得た。
画像記録層塗布液は下記感光液およびマイクロカプセル液を塗布直前に混合し攪拌することにより得た。
<感光液>
・表2記載のポリマーバインダー 表2記載の添加量
・下記の重合開始剤(1) 0.100g
・下記の赤外線吸収剤(1) 0.020g
・重合性モノマー・アロニックスM-215(東亜合成(株)製) 表2記載の添加量
・下記のフッ素系界面活性剤(1) 0.044g
・MEK 1.091g
・MFG 8.609g
<マイクロカプセル液>
・下記の通り合成したマイクロカプセル(11) 2.640g
・水 2.425g
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
Figure 2005271576
マイクロカプセル(11)の合成
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10.0g、重合性モノマー・アロニックスM−215(東亜合成(株)製)6.00g、表2に示したエチレン性二重結合含有化合物0.75g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分および水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、15質量%になるように蒸留水を用いて希釈した。平均粒径は0.2μmであった。
(4)露光および印刷
得られた平版印刷版原版を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力9W、外面ドラム回転数210rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。露光画像には細線チャートを含むようにした。得られた露光済み原版を現像処理することなく、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mのシリンダーに取り付けた。湿し水(EU−3(富士写真フイルム(株)製エッチ液)/水/イ
ソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業社製)とを用い、湿し水とインキとを供給した後、毎時6000枚の印刷速度で印刷を100枚行った。
画像記録層未露光部の印刷機上での除去が完了し、印刷用紙にインキが転写しない状態になるまでに要した印刷用紙の枚数を機上現像性として計測したところ、いずれの平版印刷版原版を用いた場合も、100枚以内で非画像部の汚れのない印刷物が得られた。
(5)評価
一般に、ネガ型平版印刷版原版の場合、露光量が少ないと画像記録層(感光層)の硬化度が低くなり、露光量が多いと硬化度が高くなる。画像記録層の硬化度が低すぎる場合には、平版印刷版の耐刷性が低くなり、また、小点や細線の再現性が不良となる。一方、画像記録層の硬化度が高い場合には、耐刷性が高くなり、また、小点や細線の再現性が良好となる。
本実施例では、以下に示すように、上記で得られた平版印刷版原版を、上述した同一の露光量条件で耐刷性および細線再現性を評価することにより、平版印刷版原版の感度の指標とした。即ち、耐刷性における印刷枚数が高いほど、また、細線再現性における細線幅が細いほど、平版印刷版原版の感度が高いと言える。
(i)細線再現性
上述したように、100枚印刷して非画像部にインキ汚れがない印刷物が得られたことを確認した後、続けて500枚の印刷を行った。合計600枚目の印刷物の細線チャート(10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、60、80、100および200μmの細線を露光したチャート)を25倍のルーペで観察し、途切れることなくインキで再現された細線幅により、細線再現性を評価した。10μまで再現できるレベルを○、16μまで再現できるレベルを△とした。結果を表2に示す。
(ii)耐刷性
上述したように細線再現性の評価のための印刷を行った後、更に印刷を続けた。印刷枚数を増やしていくと徐々に画像記録層が磨耗しインキ受容性が低下するため、印刷用紙におけるインキ濃度が低下した。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005271576
表2から明らかなように、本発明の平版印刷版原版(実施例18〜23)は、従来の平版印刷版原版(比較例3)に比べて、細線再現性および耐刷性が極めて優れたものになることが分かる。すなわち、この結果は、本発明の平版印刷版原版が、良好な感度を有し、実用的なエネルギー量で良好な印刷物を多数枚印刷できることを示している。

Claims (12)

  1. 支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版に於いて、粒子が画像形成性粒子であり、且つバインダーが画像形成性粒子の表面と相互作用する非水溶性バインダーであることを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 画像形成性粒子が、表面に粒子分散剤を有し、該粒子分散剤が、非水溶性バインダーと相互作用することを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 画像形成性粒子が、マイクロカプセルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の平版印刷版原版。
  4. マイクロカプセルが、熱反応性基を有する化合物及び赤外線吸収剤を内包することを特徴とする請求項3に記載の平版印刷版原版。
  5. 非水溶性バインダーが、有機ポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  6. 有機ポリマーが、極性置換基を有することを特徴とする請求項5に記載の平版印刷版原版。
  7. 粒子分散剤のI/O値と、有機ポリマーのI/O値との差が、1.6以下であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  8. 印刷機上で、印刷インキ及び/又は湿し水により現像可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  9. 支持体上に、少なくともバインダー及び粒子を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版に於いて、粒子が、壁材として重合性官能基を有するマイクロカプセルであり、且つバインダーが、ポリマーバインダーであることを特徴とする平版印刷版原版。
  10. 支持体上に、赤外線吸収剤、重合開始剤、重合性化合物、ポリマーバインダーおよびマイクロカプセルを含有する、赤外線レーザー照射により画像様に記録可能な画像記録層を有し、赤外線照射により画像様に露光した後、油性インキと水性成分とを供給することで未露光部分を除去し印刷する平版印刷版原版であって、該マイクロカプセルが、壁材として重合性官能基を有することを特徴とする請求項9に記載の平版印刷版原版。
  11. 上記ポリマーバインダーが、重合性官能基を有することを特徴とする請求項9又は10に記載の平版印刷版原版。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の平版印刷版原版を、印刷機に装着し、赤外線レーザーで画像様に露光した後、又は、赤外線レーザーで画像様に露光した後、印刷機に装着し、該平版印刷版原版に、印刷インキ及び/又は水性成分を供給して平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分を除去した後に、印刷を開始することを特徴とする平版印刷方法。
JP2004380235A 2004-01-09 2004-12-28 平版印刷版原版及びそれを用いた平版印刷方法 Pending JP2005271576A (ja)

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