JP5664624B2 - 圧電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子に関する。
圧電素子として、互いに対向する一対の主面と、一対の主面を連結するように一対の主面の対向方向に延びる側面と、を有すると共に、圧電セラミック材料からなる圧電体と、該圧電体の一対の主面上にそれぞれ配置された一対の電極と、を備えているものが一般的に知られている。
そして、上述した圧電素子をスライダ駆動用のアクチュエータとして利用するハードディスク装置(HDD)ヘッドサスペンションが知られている。
下記特許文献1には、このようなHDDヘッドサスペンションにおいて、圧電素子の圧電体側面に樹脂をコーティングすることにより、側面からセラミックの粒子が離脱(パーティクルが発生)することを抑制する技術が開示されている。
国際公開第2011/16994号
しかしながら、上述した、圧電体の側面を樹脂でコーティングした圧電素子であっても、樹脂と圧電体とでは熱膨張係数が大きく異なるため、その熱膨張係数の差に起因して、樹脂と圧電体との密着性が低下し、パーティクルが発生するおそれがある。このような密着性の低下に起因するパーティクルの発生は、圧電素子をHDDヘッドサスペンションに適用したときの熱サイクル時に、特に問題となる。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、圧電体の側面にコーティングされた樹脂の密着性の低下を抑制できる圧電素子を提供することを目的とする。
本発明に係る圧電素子は、互いに対向する一対の主面と、一対の主面間を連結するように延びる側面と、を有する圧電体と、圧電体の側面を覆うエポキシ系樹脂と、を備える圧電素子であって、エポキシ系樹脂は、イミダゾール系硬化剤により硬化されている。
この圧電素子においては、圧電体側面にコーティングされたエポキシ系樹脂がイミダゾール系硬化剤により硬化されている。エポキシ系樹脂は圧電体と比べて熱膨張係数が大きいところ、イミダゾール系硬化剤により硬化することにより、エポキシ系樹脂の熱膨張係数を小さくすることができる。すなわち、エポキシ系樹脂と圧電体との熱膨張率の差を小さくすることができる。このことで、熱膨張率の差を起因とした、樹脂の密着性の低下を抑制することができ、熱サイクル時においても、パーティクルが発生することを防止できる。
また、本発明に係る圧電素子において、側面は、第1の変位方向で互いに対向する第1の側面対と、第2の変位方向で互いに対向する第2の側面対とからなり、第1の側面対を覆うエポキシ系樹脂と、第2の側面対を覆うエポキシ系樹脂とは、ヤング率が異なることが好ましい。側面にコーティングされた樹脂のヤング率を、側面の役割に応じた適切なものとすることで、圧電素子を効率的に変位させることができる。
また、本発明に係る圧電素子において、側面は、表面粗さRaが0.02〜1.0μであることが好ましい。側面の表面粗さを所定の値として側面をなめらかにすることで、圧電体と樹脂との密着性をさらに向上させることができる。
本発明によれば、圧電体の側面にコーティングされた樹脂の密着性の低下を抑制できる圧電素子を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係るサスペンションを示す概略平面図である。 図2は、図1に示すベースプレートの平面図である。 図3は、図1に示すヒンジ部品の平面図である。 図4は、図1のサスペンションに搭載される圧電素子の分解斜視図である。 図5は、図1のサスペンションに搭載される圧電素子のV−V線断面図である。 図6は、図4の圧電素子を作製する際の一工程を示した図である。 図7は、図4の圧電素子を作製する際の一工程を示した図である。 図8は、図4の圧電素子を作製する際の一工程を示した図である。 図9は、図4の圧電素子を作製する際の一工程を示した図である。 図10は、図4の圧電素子を作製する際の一工程を示した図である。 図11は、(a)、(b)ともに本実施形態に係る圧電素子の圧電体側面のSEM写真であり、(b)は(a)の部分拡大写真である。 図12は、(a)、(b)ともに従来技術に係る圧電素子の圧電体側面のSEM写真であり、(b)は(a)の部分拡大写真である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
以下に本発明の実施形態に係るディスク装置用サスペンション10について、図1〜5を参照して説明する。
図1に示されたデュアル・アクチュエータ方式のサスペンション10は、ロードビーム11と、マイクロアクチュエータ部12と、ベースプレート13、ヒンジ部材14を備えている。
ロードビーム11は、厚さが例えば100μm前後のばね性を有する金属板からなり、その先端部にロードビーム11にフレキシャ15が取付けられている。フレキシャ15はロードビーム11よりもさらに薄い金属製の薄板ばねからなる。フレキシャ15の前端部に、磁気ヘッドを構成するスライダ16が設けられている。
図2に示すようにベースプレート13の基部20に円形のボス孔21が形成されている。ベースプレート13の基部20と前端部22との間に、後述する圧電素子40を収容可能な大きさの一対の開口部23が形成されている。一対の開口部23の間に、ベースプレート13の前後方向(サスペンション10の軸線方向)に延びる帯状の連結部24が設けられている。連結部24は、ベースプレート13の幅方向(図1中に矢印Sで示すスウェイ方向)にある程度撓むことができる。
ベースプレート13の基部20は、図示しないボイスコイルモータによって駆動されるアクチュエータアームの先端部に固定され、ボイスコイルモータによって旋回駆動されるようになっている。ベースプレート13は板厚が例えば200μm前後のステンレス鋼などの金属板からなる。本実施形態の場合、ベースプレート13とヒンジ部材14とによって、アクチュエータベース25が構成されている。
図3に示すようにヒンジ部材14は、ベースプレート13の基部20に重ねて固定される基部30と、ベースプレート13の連結部24と対応した位置に形成された帯状のブリッジ部31と、ベースプレート13の前端部22と対応した位置に形成された中間部32と、板厚方向に弾性変形可能な可撓性を有する一対のヒンジ部33と、ロードビーム11に固定される先端部34などを有している。このヒンジ部材14は、板厚が例えば50μm前後のばね性を有する金属板からなる。
マイクロアクチュエータ部12には、圧電アクチュエータとして、一対の圧電素子40が搭載されている。圧電素子40はいずれも長方形平板状であり、その長手方向がベースプレート13の前後方向(サスペンション10の軸線方向)に沿って互いにほぼ平行となるように、アクチュエータベース25の開口部23に収容されている。
ここで、圧電素子40の構成について、図4を参照しつつ説明する。なお、説明の便宜上、適宜、圧電素子40の長手方向をX方向、短手方向をY方向、厚さ方向をZ方向として説明する。
圧電素子40は、素子本体41と、素子本体41をその厚さ方向(Z方向)から覆う一対の電極42A、42Bとで構成されている。
素子本体41は、圧電体43と樹脂44とからなっている。
圧電体43は、長方形平板状であり、たとえばPZT等の圧電材料で構成されている。すなわち、圧電体43は、Z方向において互いに対向する上面43aおよび下面43b(一対の主面)と、上面43aおよび下面43bを連結するようにZ方向に延びる4つの側面(端面)43c、43d、43e、43fとを有する。なお、4つの側面43c、43d、43e、43fは、Y方向で互いに対向する第1の側面対43c、43dと、X方向で互いに対向する第2の側面対43e、43fとに区別することができる。なお、各側面43c、43d、43e、43fは、それぞれ算術平均粗さ(Ra)で0.02〜1.0μmの滑らかな面であり、かつ、後述するように一対の主面の対向方向(図のZ方向)の軸線に対して湾曲している。
樹脂44は、圧電体43の4つの側面43c、43d、43e、43fを囲むようにして全体的に覆っている。樹脂44は、圧電体43の短手方向(Y方向)に直交する端面43c、43dを覆う樹脂45Aと、圧電体43の長手方向(X方向)に直交する端面43e、43fを覆う樹脂45Bとで構成されている。樹脂45Aと樹脂45Bとは、後述する製造方法において説明するとおり、異なるタイミングで形成される。樹脂45Aおよび樹脂45Bはエポキシ系樹脂で構成されており、樹脂45Aの材料と樹脂45Bの材料とは同一であってもよく異なっていてもよい。
本発明に用いられるエポキシ系樹脂は、1分子に2個以上のエポキシ基を有する、硬化することができるエポキシ系樹脂であれば特に制限されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、ビスフェノールF型エポキシ系樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ系樹脂、脂環式エポキシ系樹脂、フェノールノボラック型エポキシ系樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ系樹脂、含複素環エポキシ系樹脂、水添型ビスフェノールA型エポキシ系樹脂、脂肪族エポキシ系樹脂、ノボラック型エポキシ系樹脂、グリシジルエステル型エポキシ系樹脂、多官能グリシジルアミン型エポキシ系樹脂、芳香族、脂肪族もしくは脂環式のカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ系樹脂、スピロ環含有エポキシ系樹脂等である。
樹脂45A及び樹脂45Bのエポキシ系樹脂は、イミダゾール系硬化剤により硬化されている。
本発明に用いられるイミダゾール系硬化剤は、例えば、2エチル4メチルイミダゾール、2メチルイミダゾール、1,2ジメチルイミダゾール、1ベンジル2メチルイミダゾール、1ベンジル2フェニルイミダゾール等であり、好ましくは、2エチル4メチルイミダゾールである。また、トリメット酸との造塩や、カプセル化などによって潜在化して使用することも可能である。
イミダゾール系硬化剤は、アミンや酸無水物などの重付加型と異なり触媒型の硬化剤であるため、エポキシ系樹脂に対して、1〜20PHRと少ない配合量でよい。配合量は、硬化物性、作業性を考慮して決める。
第1の側面対43c、43dを覆う樹脂45Aのエポキシ系樹脂と、第2の側面対43e、43fを覆う樹脂45Bのエポキシ系樹脂の、ヤング率を異ならせてもよい。例えば、電圧印加時の変位が大きい第1の側面対43c、43dを覆う樹脂45Aとしてヤング率が比較的小さいエポキシ系樹脂を採用し、電圧印加時の変位が小さい第2の側面対43e、43fを覆う樹脂45Bとしてヤング率が比較的高いエポキシ系樹脂を採用してもよい。
なお、樹脂45Aと樹脂45Bのヤング率を異ならせるためには、樹脂45Aと樹脂45Bの成分(エポキシ系樹脂の種類、及び、イミダゾール系硬化剤の種類)を異ならせればよい。また、樹脂45Aと樹脂45Bの成分は同様として、例えば硬化時の温度を異ならせることで、樹脂45Aと樹脂45Bのヤング率を異ならせてもよい。
一対の電極42A、42Bは、金属等の導電材料からなる。各電極42A、42Bは、たとえば素子本体41の上下面(すなわち、圧電体43の上下面および樹脂44の上下面)を覆うように形成されている。電極材料としては、Au、Ag、Cu、Pt、Cr、Ni、Wなどの金属を使うことができる。
このような圧電素子40によれば、一対の電極42A、42B間に電圧を印加することで、圧電体43が長手方向(X方向)および短手方向(Y方向)に伸縮し、それに伴い、圧電素子40全体が長手方向(X方向)および短手方向(Y方向)に伸縮する。
続いて、圧電素子40のサスペンション10への搭載態様について、図5を参照しつつ説明する。
圧電素子40をサスペンション1に搭載するときには、圧電素子40の長手方向(X方向)が、ベースプレート13の前後方向(サスペンション10の軸線方向)に沿うようにして、ベースプレート13の開口部23に収容する。このとき、圧電素子40の前端部はヒンジ部材14の中間部32に支持されるようにして接着剤50で接着固定され、同様に、圧電素子40の後端部はヒンジ部材14の基部30に支持されるようにして接着剤50で固定される。
なお、圧電素子40の電極42A、42B間に電圧を印加するために、電極42A、42Bにはそれぞれ図示しない電気配線が設けられる。なお、上述した接着剤50として導電性接着剤を用い、接着剤50を電気配線の一部として利用してもよい。
一対の圧電素子40をサスペンション10に搭載したときに、一対の圧電素子40に印加する電圧を制御することにより、一方の圧電素子40を長手方向に所定長さだけ伸張させるとともに、他方の圧電素子40を長手方向に所定長さだけ収縮させることができる。このように、サスペンション10においては、一対の圧電素子40の各々の伸縮を制御することで、ロードビーム11側を幅方向(スウェイ方向S)に所望量だけ変位させることができる。
次に、圧電素子40を作製する手順について、図6〜10を参照しつつ説明する。
圧電素子40を作製する際には、まず、板状またはテープ状の基体60上に圧電体43となるべき圧電基板62を保持した状態で、図6に示すように、圧電基板62の上面に、同一間隔G1で並列する複数の溝62aを形成する。複数の溝62aの延在方向が、作製される圧電素子40の長手方向(X方向)に相当し、溝62aの間隔G1が圧電体43の短手方向長さ(Y方向長さ)に相当する。溝62aの形成には、一般に利用される切削工具(ダイシングソー等)を用いることができ、圧電基板62の下面に達しない深さまで切削される。切削工具として、1000番手やそれより細かい番手(たとえば、1500番手)のブレードを用い、溝62aの内側面をRa0.02〜1.0μmの滑らかな面にする。なお、圧電基板62は、0.05〜3mmの厚みの基板を使い、当該基板は、シート工法、あるいは焼結体から切り出すなどによって用意する。
次に、図7に示すように、圧電基板62の上面を、印刷工法等により樹脂45Aとなるべき熱硬化性の樹脂64で覆う。それにより、圧電基板62の上面に形成された複数の溝62aそれぞれに樹脂64が充填される。当該樹脂64の充填の際に、エポキシ系樹脂とイミダゾール系硬化剤との混合物を充填する。なお、充填過程は、樹脂中の気泡を無くすため、減圧下で行うことも可能である。充填後、所定の熱硬化温度(たとえば、80℃)で加熱して、樹脂64を硬化させる。硬化条件は樹脂物性が最適となる条件で行えばよい。また、樹脂64中の気泡を無くすために、加圧下で加熱硬化処理を実施してもよい。また、樹脂硬化後は、残されていた圧電基板62の厚みの一部を研磨して、樹脂64を露出させる。なお、樹脂64を充填する側の上側の面も研磨し平坦化してもよい。
続いて、図8に示すように、樹脂64で覆われた圧電基板62の上面に、溝62aの延在方向に対して直交する方向(Y方向)に沿って、同一間隔G2で並列する複数の溝62bを形成する。複数の溝62bの延在方向が、作製される圧電素子40の短手方向(Y方向)に相当し、溝62bの間隔G2が圧電体43の長手方向長さ(X方向長さ)に相当する。溝62bの形成も、溝62aの形成同様、一般に利用される切削工具を用いることができ、溝62aと略同じ深さまで切削される。その際、図8に示すように、圧電基板62と樹脂64とが一体的に切削される。また、溝62bの形成も、溝62aの形成同様、切削工具として、1000番手やそれより細かい番手(たとえば、1500番手)のブレードを用い、溝62bの内側面をRa0.02〜1.0μmの滑らかな面にする。
そして、図9に示すように、樹脂64で覆われた圧電基板62の上面を、印刷工法等により樹脂45Bとなるべき熱硬化性の樹脂66で覆う。それにより、上述した複数の溝62bそれぞれに樹脂66が充填される。当該樹脂66の充填の際に、エポキシ系樹脂とイミダゾール系硬化剤との混合物を充填する。なお、充填過程は、樹脂中の気泡を無くすため、減圧下で行うことも可能である。充填後、所定の熱硬化温度(たとえば、80℃)で加熱して、樹脂66を硬化させる。硬化条件は樹脂物性が最適となる条件で行えばよい。また、樹脂66中の気泡を無くすために、加圧下で加熱硬化処理を実施してもよい。また、樹脂硬化後は、残されていた圧電基板62の厚みの一部を研磨して、樹脂66を露出させる。なお、樹脂66を充填する側の上側の面も研磨し平坦化してもよい。
さらに、圧電基板62を、たとえば研磨加工により、厚さ方向に直交する面(X−Y面)に沿って薄板化し、図10に示す厚さDの薄板68を取り出す。このときに得られる薄板68の厚さDが、作製される圧電素子40の圧電体43の厚さに相当する。薄板68は、圧電基板62に形成された溝62aおよび溝62bよりも浅い位置において取り出されるため、薄板68では、圧電基板62が樹脂64および樹脂66によって格子状に区切られる。
その後、薄膜68の上下面を、スパッタリングあるいはメッキ等により、電極42A、42Bとなるべき電極膜(図示せず)を形成するとともに、樹脂64の中間線L1および樹脂66の中間線L2に沿って格子状に切断してチップ化する。それにより、図4に示した圧電素子40が得られる。電極を形成後は、分極する。電極形成はスパッタ、メッキ、焼付けなどの方法を適宜選択する。用途によっては、圧電素子アレイとすることもできる。
以上、詳細に説明したとおり、本実施形態に係る圧電素子40は、互いに対向する一対の主面(上面43aおよび下面43b)と、一対の主面間を連結するように延びる側面(43c、43d、43e、43f)と、を有する圧電体43と、圧電体43の側面(43c、43d、43e、43f)を覆うエポキシ系樹脂と、を備える圧電素子40であって、エポキシ系樹脂は、イミダゾール系硬化剤により硬化されている。
この圧電素子40においては、圧電体43の側面(43c、43d、43e、43f)にコーティングされたエポキシ系樹脂がイミダゾール系硬化剤により硬化されている。エポキシ系樹脂は圧電体43と比べて熱膨張係数が大きいところ、イミダゾール系硬化剤により硬化することにより、エポキシ系樹脂の熱膨張係数を小さくすることができる。すなわち、エポキシ系樹脂と圧電体43との熱膨張率の差を小さくすることができる。このことで、熱膨張率の差を起因とした樹脂の密着性の低下を抑制することができ、熱サイクル時においても、パーティクルが発生することを防止できる。
加えて、圧電素子40においては、圧電特性の向上も図られている。すなわち、従来、圧電体43と樹脂44との熱膨張率が大きく異なることに起因して、熱硬化後の冷却時に樹脂内部の残留応力が大きい状態となり、圧電特性に影響を与える可能性があった。本実施形態に係る圧電素子40では、イミダゾール系硬化剤により硬化されたエポキシ樹脂と圧電体43との熱膨張係数の差が小さいため、冷却後の樹脂内部の残留応力を小さくすることができる。このことで、従来に比べて、圧電素子40は、樹脂内部の残留応力による圧電特性への影響が小さくなっており、圧電特性が向上している。
なお、他の硬化剤(例えばアミン系硬化剤等)と比較して、イミダゾール硬化材の熱膨張係数は小さいため、イミダゾール系硬化剤を用いることで、硬化後のエポキシ系樹脂と圧電体の熱膨張率の差をより小さくすることができる。
また、本発明に係る圧電素子40において、圧電体43の側面(43c、43d、43e、43f)は、第1の変位方向で互いに対向する第1の側面対43c、43dと、第2の変位方向で互いに対向する第2の側面対43e、43fとからなり、第1の側面対43c、43dを覆う樹脂45Aとしてのエポキシ系樹脂と、第2の側面対43e、43fを覆う樹脂45Bとしてのエポキシ系樹脂とは、ヤング率が異なることが好ましい。側面(43c、43d、43e、43f)にコーティングされた樹脂44のヤング率を、側面(43c、43d、43e、43f)の役割に応じた適切なものとすることで、圧電素子40を効率的に変位させることができる。
また、本発明に係る圧電素子40において、側面(43c、43d、43e、43f)は、表面粗さRaが0.02〜1.0μであることが好ましい。側面(43c、43d、43e、43f)の表面粗さを所定の値として側面(43c、43d、43e、43f)をなめらかにすることで、圧電体43と樹脂44との密着性をさらに向上させることができる。
さらに、樹脂44で覆われた圧電体43の側面が、算術平均粗さ(Ra)で0.02〜1.0μmの滑らかな面となっている。
図11に、算術平均粗さ(Ra)が0.5μmである圧電体の側面のSEM写真を示し、図12に、算術平均粗さ(Ra)が2.0μmである従来技術に係る圧電体側面のSEM写真を示す。図11に示すように、算術平均粗さ(Ra)で0.02〜1.0μmの範囲である滑らかな面では、図12に示す従来技術に係る圧電体側面に比べ、圧電体側面における微細な凹形状の数が極めて少ない。
そのため、圧電素子40においては、たとえ樹脂44が凹形状部分に入り込まない場合であっても、そもそも微細な凹形状の数が少ないため、樹脂44と圧電体側面43c、43d、43e、43fとが接触しない非接触領域が生じにくい。また、図11から、圧電体側面43c、43d、43e、43fはレーザ照射等で粗面化されていないため、図12に示す従来技術に係る圧電体側面に比べ、側面に存在する残渣が極めて少ないことも明らかである。
したがって、圧電素子40においては、凹形状部分における非接触領域や残渣に起因する樹脂の密着性低下が生じにくく、期待値どおりの樹脂密着力が得られる。その結果、圧電素子40では、素子間における密着力バラツキが効果的に抑制される。
なお、本発明は上述した実施形態に限らず、様々な変形が可能である。
例えば、イミダゾール系化合物は、上述したような硬化剤を、2種以上混合して用いてもよい。
また、圧電体43は、PZT等の圧電材料で構成されている、としたが、これに限定されるものではなく、PLZT、チタン酸バリウムなどから選択することができる。
10…サスペンション、40…圧電素子、42A、42B…電極、43…圧電体、43a…上面、43b…下面、43c、43d、43e、43f…側面、44、45A、45B…樹脂。

Claims (2)

  1. 互いに対向する一対の主面と、前記一対の主面間を連結するように延びる側面と、を有する圧電体と、
    前記圧電体の一対の主面上にそれぞれ配置された一対の電極と、
    前記圧電体の前記側面を覆うエポキシ系樹脂と、
    を備える圧電素子であって、
    前記一対の電極間に電圧を印加することで、前記主面の対向方向に直交する方向に伸縮し、
    前記エポキシ系樹脂は、イミダゾール系硬化剤により硬化されており、
    前記側面は、第1の変位方向で互いに対向する第1の側面対と、第2の変位方向で互いに対向する第2の側面対とからなり、
    前記エポキシ系樹脂が、前記第1の側面対および前記第2の側面対の両方を覆っており、
    前記第1の側面対を覆うエポキシ系樹脂と、前記第2の側面対を覆うエポキシ系樹脂とは、ヤング率が異なる、圧電素子。
  2. 前記側面は、表面粗さRaが0.02〜1.0μである、請求項1に記載の圧電素子。
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