JP2006332777A - 複合材料振動装置 - Google Patents

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Shinsuke Uchida
晋介 内田
Yukitsugu Matsushita
幸嗣 松下
Akihiko Kawakami
章彦 川上
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Abstract

【課題】 音響インピーダンス差により伝搬してきた振動を保持部材との間の界面で反射させる反射層を有する複合材料振動装置であって、反射層の厚みを薄くすることができ、高周波化が容易であり、かつコストを低減し得る複合材料振動装置を提供する。
【解決手段】 振動部材としての圧電共振子2に、反射層3,4を介して保持部材5,6が連結されており、反射層3,4の音響インピーダンス値Z2が、圧電共振子2及び保持部材5,6の音響インピーダンス値Z1,Z3よりも小さくされており、反射層3,4が、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、液状ゴムポリマーとを含む樹脂組成物の硬化物により構成されている、複合材料振動装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響インピーダンスが異なる複数の材料が結合された複合材料振動装置に関し、より詳細には、相対的に低い音響インピーダンスを有する部分の材料が改良された複合材料振動装置に関する。
圧電素子などの振動素子を用いた部品では、振動素子の振動部の振動を妨げない構造が必要であった。そのため、圧電素子の上下にケース基板を積層した構造では、圧電素子の振動部の振動を妨げないための空洞を備えた構造が採用されていた。しかしながら、このような構造では、空洞を形成するための工程が必要であったり、小型化が困難であった。従って、コストを削減することが困難であった。
他方、下記の特許文献1には、上記のような問題を解決するものとして、音響インピーダンスが異なる複数の材料層を積層した複合材料振動装置が開示されている。ここでは、第1の音響インピーダンス値Z1を有する材料からなる板状の振動子の両面に、第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなる反射層が積層されている。反射層の外側面に、第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなる板状の保持部材が積層されている。
板状の振動素子から反射層に伝搬してきた振動が、上記音響インピーダンス差により反射層と保持部材との界面において反射され、該界面より内側の領域に振動が閉じ込められている。従って、保持部材を利用して、振動素子の振動を妨げることなく保持することができる。
特許文献1の実施形態の説明では、反射層の構成材料として、エポキシ樹脂、あるいはエポキシ樹脂にエポキシ樹脂とは異なる音響インピーダンス値を有する有機粉末もしくは無機粉末を配合した材料が示されている。
他方、下記の特許文献2にも、同様に、第1の音響インピーダンス値Z1を有する材料からなり、振動発生源となる振動部材と、第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有する材料からなり、該振動部材に連結された反射層と、反射層の振動部材が連結されている側とは反対側に連結されており、第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなる保持部材とを備えた複合材料振動装置が開示されている。特許文献2では、反射層の音響インピーダンス値Z2を小さくすることにより比帯域幅の拡大を図ることができる旨が示されている。
また、特許文献2に記載の複合材料振動装置の具体的な実施形態では、反射層構成材料としてエポキシ系接着剤が示されている。
また、エポキシ系接着剤に、ガラスバルーンあるいは樹脂バルーンを配合することにより音響インピーダンス値Z2を低めることができ、かつこのような添加剤の添加により共振周波数温度特性などの特性を調整し得ることが示されている。
特開2003−332875号公報 特開2004−48708号公報
特許文献1,2に記載のように、音響インピーダンス値を低めるために、従来、エポキシ樹脂もしくはエポキシ系接着剤に、無機粉末、ガラスバルーンなどの無機材料や、有機粉末もしくは樹脂バルーンなどの有機材料が添加されていた。
他方、特許文献1に記載のように、反射層の厚みは、振動部材から反射層側に伝搬してくる振動の波長λとしたとき、n×(λ/4)の値とすることが好ましい。なお、nは1以上の整数である。
また、反射層の厚みは周波数に反比例する。従って、使用周波数が高くなると、反射層の厚みを薄くしなければならない。
上記のように、粉末状あるいはバルーン状の有機材料や無機材料は固体であり保形性を有する。従って、その粒径もしくはバルーン径(以下、粒径等と総称する)は反射層の厚みよりも薄くなければならない。従って、使用周波数が高周波化し、反射層の厚みが薄くなってきた場合でも、反射層の厚みよりも粒径等が小さい有機もしくは無機材料を選択しなければならない。ところが、一般的に粉末やバルーンなどの有機もしくは無機材料などの粒径等は均一ではない。例えば粉砕法により得られた無機粉末では、粒径は正規分布を示す。よって、使用する粉末やバルーンの平均粒径などを反射層の厚みよりも小さく設定したとしても、使用した粉末もしくはバルーンの中には、反射層の厚みよりも大きなものが存在することがあった。そのような場合には、反射層表面から突出する粉末やバルーンが表れ、所望通りの反射層を構成することが困難であった。
このような問題を解決するには、粉末もしくはバルーンを選別し、粒径が十分に小さな粉末もしくはバルーンを用いればよい。しかしながら、このような選別方法を実施した場合、コスト及び労力が非常に高くつかざるを得なかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、音響インピーダンス値が十分に低い反射層を有し、高周波化に容易に対応でき、しかも容易にかつ安価に製造することが可能な複合材料振動装置を提供することにある。
本発明の広い局面によれば、第1の音響インピーダンス値Z1を有する材料からなり、振動発生源となる振動部材と、熱硬化性樹脂、硬化剤及び液状ゴムポリマーを含む接着剤組成物の硬化物からなり、第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有し、かつ前記振動部材に連結された反射層と、前記第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなり、前記反射層の前記振動部材が連結されている側とは反対側に連結された保持部材とを備え、前記反射層と前記保持部材との界面において振動部材から反射層に伝搬してきた振動が反射されるように構成されている、複合材料振動装置が提供される。
本発明に係る複合材料振動装置では、好ましくは、液状ゴムポリマーとして、ブタジエン系ゴムポリマーが用いられる。
本発明に係る複合材料振動装置において、上記熱硬化性樹脂は特に限定されないが、好ましくはエポキシ樹脂が用いられる。
本発明に係る複合材料振動装置では、より好ましくは、上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が用いられる場合、上記液状ゴムポリマーとしてエポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーが用いられる。
本発明に係る複合材料振動装置では、音響インピーダンス値Z2が音響インピーダンス値Z1,Z3よりも小さくされているので、振動部材により生じた振動は、反射層と保持部材との界面で反射される。従って、保持部材において機械的に保持されたとしても、振動部材における振動に影響を与え難い。
しかも、音響インピーダンス値Z2を有する反射層を構成する材料が、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、液状ゴムポリマーとを含む接着剤組成物の硬化物からなり、熱硬化性樹脂が硬化するものの、ゴムポリマーのゴム弾性により音響インピーダンス値Z2が充分に低められている。そして、上記ゴムポリマーは、ゴム弾性により音響インピーダンスを低めるが、ゴムポリマーが液状の状態で上記接着剤組成物に均一に分散され得るため、反射層の厚みを薄くした場合であっても、反射層の厚みを超えて突出することがない。
すなわち、従来の無機粉末等を配合した反射層では、無機粉末が固形で保形性を有するため、粒径の大きな無機粉末が反射層を超えて突出するおそれがあった。これに対して、本発明では、上記液状ゴムポリマーが音響インピーダンスを低める材料として添加されているが、液状であり、保形性を有しないため、反射層の厚みを十分に薄くすることが可能となり、高周波化に容易に対応することが可能となる。
上記液状ゴムポリマーがブタジエン系ゴムポリマーである場合には、柔軟性に優れたポリブタジエン骨格を有し、音響インピーダンスを効果的に低めることができ、しかも入手が容易であり、比較的安価である。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合には、加熱により硬化し、優れた接着強度を発現する。従って、反射層構成材料自体が振動部材と保持部材を強固に接合するので、他の接着剤を用いる必要がない。
熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、液状ゴムポリマーがエポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーである場合には、ブタジエン系ゴムポリマーがエポキシ変性されているため、エポキシ系樹脂との相溶性に優れている。従って、エポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーが反射層中に高い分散性で均一に分散されるので、音響インピーダンス値が全領域に渡って均一な反射層を容易に形成することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る複合材料振動装置の分解斜視図であり、図2は外観を示す斜視図である。
本実施形態の複合材料振動装置1では、振動部材としての圧電共振子2が用いられている。圧電共振子2は、矩形板状の形状を有するチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスからなるセラミック板を用いて構成されている。該セラミック板は、厚み方向に分極処理されている。また、セラミック板の上面中央には、励振電極11が形成されている。図1では図示されていないが、下面中央にも、励振電極が形成されている。励振電極11は、セラミック板の一方の端面に至るように形成された引出電極11aに電気的に接続されている。セラミック板の下面においても、励振電極が、セラミック板の他方端面に至る引出電極に接続されている。
励振電極11と下面の励振電極との間に交流電圧を印加することにより、圧電共振子2は厚み縦振動モードで励振される。なお、セラミック板の音響インピーダンス値Z1は、18.8×106kg・m-2・s-1である。
圧電共振子2の上面及び下面には、第1,第2の反射層3,4が積層されている。反射層3,4の外側面には、すなわち圧電共振子2が連結されている面とは反対側の面には、第1,第2の保持部材5,6が積層されている。反射層3,4を構成している材料は、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、液状ゴムポリマーとを含む接着剤組成物の硬化物である。より具体的には、本実施形態では、反射層3,4は、上記熱硬化性樹脂として、特に限定されるわけではないが、エポキシ樹脂が用いられており、硬化剤としてエポキシ樹脂の硬化剤と汎用されているアミン系硬化剤などの適宜の硬化剤と、液状ゴムポリマーとを含む液状の接着剤組成物の硬化物である。すなわち、使用前は、接着剤組成物は液状であり、加熱により硬化し、圧電共振子2と、保持部材5,6とを強固に接合している、接着性材料である。
本実施形態では、反射層3,4は、上記硬化物で構成されているが、硬化物の音響インピーダンス値Z2は、2.4×106〜2.6×106kg・m-2・s-1程度である。また、反射層3,4の硬化後の常温における引っ張り剪断接着力は1N/mm2以上である。従って、反射層3,4自体の接着力を利用して、保持部材5,6が圧電共振子2に強固に接合されている。
保持部材5,6は、本実施形態では、セラミックスにより構成されており、その音響インピーダンス値Z3は、18.8×106kg・m-2・s-1である。
なお、保持部材5,6は矩形板状の形状を有するセラミック板により構成されている。下方の保持部材6の上面には、一対の容量電極12,13が形成されている。容量電極12,13と保持部材6を介して対向するように、保持部材6の下面中央に容量電極(図示せず)が形成されている。容量電極12,13及び下面の容量電極により、保持部材6にコンデンサが構成されている。
図1に示されている各部材を積層してなる積層体の一方の端面に、図2に示されている外部電極14が形成されている。また、積層体の他方端面にも外部電極15が形成されている。外部電極14,15は、それぞれ、圧電共振子2の励振電極11及び下面の励振電極に電気的に接続されている。
また、外部電極14,15は、それぞれ、容量電極12,13に電気的に接続されている。
従って、外部電極14,15と保持部材6の下面に形成された容量電極と外部と電気的に接続することにより、3端子型の容量内蔵型圧電発振子として複合材料振動装置1が動作する。
本実施形態の複合材料振動装置1では、振動部材としての圧電共振子2の上面及び下面に第1,第2の反射層3,4が連結されており、各反射層3,4の圧電共振子2に連結されている側とは反対側の面に保持部材5,6が連結されている。従って、圧電共振子2の振動を妨げないための空洞は形成されていない。よって、空洞を形成する必要がないため、小型化及びコストの低減を果たし得る。
空洞を省略し得るのは、反射層3,4の音響インピーダンス値Z2が、圧電共振子2及び保持部材5,6を構成する材料の音響インピーダンス値Z1,Z3よりも小さいためである。
すなわち、音響インピーダンス値Z2が、音響インピーダンス値Z1,Z3よりも小さいため、圧電共振子2から反射層3,4に振動が伝搬する。そして、伝搬してきた振動は、反射層3,4と保持部材5,6の界面で反射されることになる。従って、振動は上記反射層3と保持部材5との界面と、反射層4と保持部材6との界面との間に閉じ込められることになるため、保持部材5,6の外側面で機械的に支持したとしても、上記振動に影響を与え難い。よって、保持部材5,6を機械的に支持したとしても、音響インピーダンス値Z2が音響インピーダンス値Z1,Z3よりも小さい場合、圧電共振子2の単体の共振周波数とほとんど変わらない複合材料振動装置1が得られる。
ところで、本実施形態の特徴は、前述したように、反射層3,4を構成する材料にあり、上記のように、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂と、硬化剤と、液状ゴムポリマーを含む接着剤組成物の硬化物により構成されているので、反射層3,4の厚みを薄くすることができる。従来の無機粉末等を用いた場合には、反射層の厚みを薄くした場合、粒径の大きな無機粉末が反射層よりも突出するおそれがあった。これに対して、液状のゴムポリマーは接着剤組成物中に均一に分散されるので、反射層3,4の厚みを十分に薄くすることができる。よって、高周波化に容易に対応することができる。
しかも、液状のゴムポリマーは液状の接着剤組成物中において、混練等により均一に容易に分散され得る。従って、均一な音響インピーダンス特性を有する反射層3,4を容易に構成することができる。
さらに、液状ゴムポリマーの配合割合を変更することにより、第2の音響インピーダンス値Z2やその他の特性を連続的に容易に変更することができ、それによって複合材料振動装置1の特性を連続的に調整することも可能である。
なお、上記実施形態では、反射層3,4を構成するために用いられる熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂が用いられていたが、エポキシ樹脂以外のフェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等のさまざまな熱硬化性樹脂を用いることができる。また、本発明では、熱硬化性樹脂含有接着剤組成物の硬化物により反射層を構成しているため、硬化に際し、振動部材と保持部材とが強固に接合され得る。従って、他の接着性材料を要することなく、振動部材と保持部材とを反射層を介して接合することができる。もっとも、使用する熱硬化性樹脂の硬化物による接合強度が十分でない場合には、反射層以外に接着性材料をさらに追加して、振動部材及び/または保持部材を反射層に接合してもよい。
好ましくは、上記実施形態のように、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂が用いられ、その場合には、加熱により十分な接合強度が得られ、反射層3,4に、圧電共振子2及び保持部材5,6が強固に接合される。
上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂に応じて適宜の硬化剤が用いられる。すなわち、エポキシ樹脂であれば前述したように公知のアミン系硬化剤やイミダゾール塩系硬化剤等が用いられる。また、硬化剤は熱硬化性樹脂を硬化させるのに公知の適宜の量で配合すればよい。
液状ゴムポリマーは、上記接着剤組成物の硬化物において、音響インピーダンス値を低減するために用いられているが、このような液状ゴムポリマーとしては、上述したように、ブタジエン系ゴムポリマーが好適に用いられる。ブタジエン系ゴムポリマーは、ポリブタジエン骨格を有し、柔軟性に優れているためその柔軟性により音響インピーダンス値を効果的に低め得る。しかも、ブタジエン系ゴムポリマーは入手容易であり、安価である。従って、複合材料振動装置1のコストを低減することができる。もっとも、液状のゴムポリマーとしては、ブタジエン系ゴムポリマーに限らず、シリコーン系ゴムポリマー、ポリイソブチレン系ゴムポリマーなどの液状ゴムポリマーを用いてもよい。
好ましくは、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂に対して相溶性に優れているエポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーが液状ゴムポリマーとして用いられる。この場合には、相溶性に優れているので、エポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーが上記接着剤組成物中において均一に高分散される。従って、音響インピーダンス特性が均一な反射層を容易に形成することができ、反射層の厚みを薄くした場合であっても反射層の音響特性を容易に均一化し得る。
本発明に係る複合材料振動装置において、反射層を構成する上記接着剤組成物は、熱硬化性樹脂、硬化剤、及び液状ゴムポリマーから本質的に構成されるが、該接着剤組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で他の添加剤が配合されてもよい。
また、上記接着剤組成物の硬化物により反射層3,4が構成されているが、この硬化は、熱硬化性樹脂を用いているので、加熱により行われる。硬化方法は熱硬化性樹脂、硬化剤、液状ゴムポリマーを含む接着剤組成物の組成に応じて、適宜の加熱条件で硬化させればよい。より具体的には、例えば、圧電共振子2及び/または保持部材5,6に上記接着剤組成物を塗布し、これらを積層した後、加熱により硬化させればよい。
次に、具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明の硬化を明らかにする。
(実施例1)
下記の表1に示すように、エポキシ樹脂A(トリグリシジル−p−アミノフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量98g/eq)65重量部と、エポキシ樹脂B(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量120g/eq)35重量部と、硬化剤としてエポキシアダクトイミダゾール20重量部と、液状ゴムポリマーとしてのエポキシ変性ブタジエンゴム(重量平均分子量:3500)35重量部とをプラネタリーミキサーに投入し、混練し、反射層構成用液状接着剤組成物を調製した。
(実施例2)
エポキシ変性ブタジエンゴムの配合割合を35重量部から45重量部に変更したことを除いては、実施例1と同様にして接着剤組成物を調製した。
(実施例3)
実施例1において、エポキシ変性されたブタジエンゴムに代えて、エポキシ変性されていないブタジエンゴム(重量平均分子量3800)を用いたことを除いては、実施例1と同様にして液状接着剤組成物を調製した。
(実施例4)
実施例2において、エポキシ変性ブタジエンゴムに代えて、エポキシ変性されていないブタジエンゴム(重量平均分子量3800)を用いたことを除いては、実施例2と同様にして液状接着剤組成物を調製した。
(比較例1)
エポキシ変性ブタジエンゴムを添加しなかったことを除いては、実施例1と同様にして液状接着剤組成物を調製した。
(比較例2)
エポキシ変性ブタジエンゴムを添加せず、代わりにガラスバルーン(平均粒径40μmの中空のガラスバルーン)59重量部を配合したことを除いては実施例1と同様にして組成物を調製した。
(実施例及び比較例の評価)
実施例1〜4及び比較例1,2で用意した接着剤組成物を用い、硬化物を以下の要領で作製し、音速、固有音響インピーダンス及び電気特性を以下の要領で評価した。結果を下記の表1に示す。
1)硬化物の作製
フッ化エチレン樹脂からなる板状の成形型上に、液状の接着剤組成物を流し込み、真空脱泡し、オーブン内に配置し、150℃及び1時間の加熱硬化条件で硬化し、厚みL=2.0×10-3mの板状の硬化物を得た。
2)音速測定
図3に示すように、板状の硬化物21上に、超音波粘弾性測定装置(RITEC社製、品番:RAM−10000)の圧電探触子22を当接させ、硬化物の5MHzにおける伝搬時間を測定し、以下の式(1)により音速を求めた。すなわち、圧電探触子22を硬化物21上に当接させた状態で、圧電探触子22に高電圧を印加し、硬化物21内に超音波の縦波を発生させた。この縦波は硬化物21の圧電探触子22が接続されている上面とは反対側の下面で反射した後、上面に戻ってくる。この縦波の振幅に比例する過渡変位が生じ、硬化物21が振動する。この硬化物21の振動を圧電探触子22で受信し、硬化物21における5MHzの振動の伝搬時間を測定した。
音速(m/秒)=L/t………式(1)
ただし、Lは硬化物の厚み(単位はm)であり、tは伝搬時間(秒)である。
上記板状の硬化物の密度を重量と体積から求めた。そして、下記の式(2)により板状の硬化物の5MHzにおける固有音響インピーダンス(縦波)を求めた。
音響インピーダンス(kg・m-2・s-1)=密度(kg・m-3)×音速(m・s-1)………式(2)
4)電気特性の評価
1.8×0.5×厚み0.06mmの寸法を有し、音響インピーダンス値が18.8×10-6kg・m-2・s-1であるチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスを用いた圧電共振子2に上記各液状接着剤組成物を塗布し、18.8×10-6kg・m-2・s-1の音響インピーダンス値を有する保持部材5,6と貼り合わせ、150℃及び1時間の条件で硬化させた。しかる後、外部電極14,15を形成し、複合材料振動装置1を作製した。なお、圧電共振子と保持部材の音響インピーダンスは本実施例では異なっているが、本発明では必ずしも等しくする必要はない。
なお、反射層は、硬化後に厚みがおよそλ/4となるように塗布した。λは、圧電共振子2の共振周波数における波長である。
得られた各複合材料振動装置の電気特性として位相の最大値を測定した。ここで、位相とは電気インピーダンスを複素表示した場合の位相であり、発振子では位相の最大値が90°に近い程発振しやすくなり、省電力化を果たすことができる。位相の最大値は、上記複合材料振動装置1では、反射層の厚みの精度及び反射率に影響され、反射率を高くするには、反射層と保持部材との音響インピーダンス差を大きくすればよいことになる。
そして、表1では、接着剤組成物に液状ゴムポリマーが添加されていない比較例1の位相の最大値=78°を基準とし、これよりも位相の最大値が高い場合に〇を付し、低くなり、悪化したものに×を付した。
Figure 2006332777
表1から明らかなように、液状ゴムポリマーを含有していない比較例1に比べて、実施例1,2では音速が2100〜2350m/秒となり、固有音響インピーダンスが2.4〜2.6×106kg・m-2・s-1と小さくなるため、位相の最大値が高まり、電気的特性が高められていることがわかる。
同様に、実施例3,4においても、音速が2150〜2250m/秒となり、硬化物の固有音響インピーダンスが2.6×10-6kg・m-2・s-1または2.4×106kg・m-2・s-1と小さくなるため、位相の最大値が高まり、電気的特性が高められている。
また、比較例2では、反射層の音響インピーダンス値が低められるものの、反射層の厚みを狙い通りの厚みに形成することができないため、電気的特性が低下していた。
本発明の一実施形態に係る複合材料振動装置を説明するための分解斜視図。 本発明の一実施形態の複合材料振動装置の外観斜視図。 実施例及び比較例の評価において、反射層を構成する材料からなる板状の硬化物の音速を測定する工程を説明するための模式的正面図。
符号の説明
1…複合材料振動装置
2…圧電共振子
3,4…反射層
5,6…保持部材
11…励振電極
11a…引出し電極
12,13…容量電極
14,15…外部電極

Claims (4)

  1. 第1の音響インピーダンス値Z1を有する材料からなり、振動発生源となる振動部材と、
    熱硬化性樹脂、硬化剤及び液状ゴムポリマーを含む接着剤組成物の硬化物からなり、第1の音響インピーダンス値Z1よりも低い第2の音響インピーダンス値Z2を有し、かつ前記振動部材に連結された反射層と
    前記第2の音響インピーダンス値Z2よりも大きな第3の音響インピーダンス値Z3を有する材料からなり、前記反射層の前記振動部材が連結されている側とは反対側に連結された保持部材とを備え、
    前記反射層と前記保持部材との界面において振動部材から反射層に伝搬してきた振動が反射されるように構成されている、複合材料振動装置。
  2. 前記液状ゴムポリマーがブタジエン系ゴムポリマーである、請求項1に記載の複合材料振動装置。
  3. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1または2に記載の複合材料振動装置。
  4. 前記液状ゴムポリマーが、エポキシ変性ブタジエン系ゴムポリマーである、請求項3に記載の複合材料振動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014075434A (ja) * 2012-10-03 2014-04-24 Tdk Corp 圧電素子

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