JP5664069B2 - 曲げ強化ガラス板の支持具 - Google Patents

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Description

本発明は、曲げ強化ガラス板の隅部に設けられた取付孔に挿通されて曲げ強化ガラス板を支持する支持具に関するものである。
ガラス板やパネル材等の板状体を建物の外壁用として取り付ける工法としては各種の工法が知られている。その中でも、フレームレスでガラススクリーンを構成する工法として、ガラス板の四隅に設けた取付穴を金属金具で支持することによりガラス板を支持するDPG(Dot Point Glazing)工法が知られている。
このDPG工法は、躯体に固着されたX字状やH字状のアームの先端に支持金具を設け、該支持金具をガラス板やパネル等の四隅に穿設した取付孔に挿通し、ガラス板を支持する工法である。DPG工法に関する文献は各種開示されている。
通常、DPG工法では、ガラス板の四隅に支持金具を取り付けるための取付孔を設ける必要があり、ガラス板としてフラットなガラス板が用いられる。
例えば、本出願人は、特許文献1において、板状体の四隅部に設けた取付孔の端面に介装部材を内接させ、該取付孔の端面形状に合わせた締付部材を該取付孔に挿通し、他端側より締付ナットで締付挟持する板状体の支持構造において、前記取付孔の端面形状に合わせ、かつ蓋部を有する略円筒状の締付部材と、一端に截頭球状でかつ蓋側中心部近傍に凹部を設けた頭部を有し、他端を躯体に直接または支持金具に螺着させて支持する支持ボルトと、該締付部材の開口側先端内面側と螺合し前記頭部の球状面部に当接させて頭部を支持し支持ボルトを着脱自在とする略筒状の押えナットと、締付部材の開口側先端外周側と螺合かつ板状体を締付挟持する締付ナットと、前記凹部と蓋部間に設けた回転摺動自在な球部とからなり、該球部の中心と板状体の重心が同一垂直線上となるようにして、前記押えナットによって支持ボルトを傾動自在に支持したことを特徴とする板状体の支持構造を開示している。
また、特許文献2には、隣接するパネル同士を任意の折れ角をもった状態で支持し、パネルを支持する支持ボルトをナット締結部において首降り自在とすることによって、曲面状の壁面を形成することを可能としたパネルの支持構造が開示されている。
特開2003−176591号公報 特開平08−338096号公報
DPG工法では、ガラス板の四隅に支持金具を取り付けるための取付孔を設ける必要がある。ここで、ガラス板が強化ガラス板である場合には、強化されたガラス板はその表面に応力を有するため、強化処理後に取付孔を設けることができない。そのため、ガラス板に取付孔を設けた後に、強化処理する必要がある。この場合、取付孔の形状変化はない。
しかしながら、ガラス板が曲げ強化ガラスの場合には、ガラス板に取付孔を設けた後、曲げ加工処理される。その場合、取付孔は、曲げ形状に沿って引き伸ばされるため、大きく変形する部分から殆ど変形しない部分へと徐々に変化する形状となる。そのため、フラットな強化ガラス板に取付孔を設ける場合と比較して、取付孔は複雑に変形した形状(図1参照)となる。したがって、変形した取付孔に支持金具を挿入してガラス板を締め付けると、変形した取付孔の形状に起因してガラス板の破損が発生し易いという問題点があった。
例えば、特許文献1に記載の支持構造は、板状体の四隅に設けた取付孔内に介装される介装部材として、アルミニウム材や錫合金等の硬質材料が用いられ、フラットなガラス板を支持するのに適している。一方、当該支持構造を用いて、変形した取付孔を有する曲げ強化ガラス板を支持する場合には、取付孔に対する介装部材の追従性が悪く、取付孔の一部に局所的な集中荷重が掛かり、ガラス板が破損してしまうという問題点があった。
また、特許文献2に記載の支持構造は、隣接するパネル同士を任意の折れ角をもった状態で支持し、パネルを支持する支持ボルトをナット締結部において首降り自在とすることによって、曲面状の壁面を形成することを可能とした支持構造である。しかし、フラットなパネルを用いているため、全体的に美しいなめらかな湾曲面の壁体とすることができず、意匠性の面で問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、曲げ強化ガラス板をDPG工法にて施工する場合において、曲げ加工によって変形した取付孔に局所的に集中荷重が掛かることを防ぎ、ガラス板の破損を防止することができる曲げ強化ガラス板の支持具を提供することを目的とする。
本発明は、曲げ強化ガラス板の隅部に設けられた取付孔を介して曲げ強化ガラス板を支持する曲げ強化ガラスの支持具であって、前記取付孔を挿通する締付部材と、前記締付部材に締結され当該締付部材との間で曲げ強化ガラス板を狭持する締付ナットと、前記締付部材と前記取付孔との間に介装される介装部材と、を備え、前記取付孔は、曲げ強化ガラス板の凸面に開口する大拡径部と、曲げ強化ガラス板の凹面に開口し、前記大拡径部に比して小径な小拡径部と、を有し、前記介装部材は、少なくとも一部が前記大拡径部と前記締付部材との間に介装される第1介装部材と、前記小拡径部と前記締付部材との間に介装される第2介装部材と、を有し、前記第1介装部材は、少なくとも前記取付孔との接触面が弾性材料にて形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1介装部材は、前記取付孔に当接する弾性材料層と、前記締付部材に当接する金属材料層とからなる二層構造であることを特徴とする。
また、本発明は、前記金属材料層の最小外径部となる端部に鍔状の突起部が設けられることを特徴とする。
また、本発明は、前記取付孔の開口部に臨む前記第1介装部材の端面の全面が前記弾性材料層で構成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記第1介装部材と前記第2介装部材との間に、前記取付孔の前記小拡径部と前記締付部材とに当接して設けられ、弾性材料からなる止水用Оリングをさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記支持具にて支持される曲げ強化ガラス板にて構成されることを特徴とする手摺り構造である。
本発明の支持具によれば、曲げ強化ガラス板の取付孔と締付部材とは、弾性材料である第1介装部材介して面接触するため曲げ加工によって変形した取付孔に局所的に集中荷重が掛かることが防止され、曲げ強化ガラス板の破損を防止することができる。
曲げ強化ガラス板の取付孔の断面図(A)および正面図(B)。 本発明の第1の実施の形態に係る支持具の縦断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る支持具の縦断面図。 本発明の第3の実施の形態に係る支持具の縦断面図。 本発明の第4の実施の形態に係る支持具の縦断面図。 本発明の支持具を支持金具に取り付ける状態を示す斜視図。 本発明の支持具による曲げ強化ガラス板の施工例。
本発明は、ガラス板1の四隅部に設けられた取付孔2の一端側より介装部材3,14を介して挿通した締付部材4と他端側の締付ナット9とによって、ガラス板1を締付挟持する支持具100である。特に、取付孔2の大拡径部2aと締付部材4との間に介装される第1介装部材3の構造に改良を施したものである。本発明の支持具100によって支持されるガラス板1は、取付孔2を加工した後、曲げ加工、さらに強化処理を施して製造されるものである。以下では、曲げ加工後に強化処理が施されたガラス板を、「曲げ強化ガラス」と称する。
本発明は、図7に示すように、複数枚の矩形状の曲げ強化ガラス板1を一列にあるいは縦横に碁盤目のように並設する際に用いられる曲げ強化ガラス板1の支持具100である。曲げ強化ガラス板1は、例えば、建物の湾曲外壁や、螺旋階段のガラス板手摺りとして用いられる。
まず、曲げ強化ガラス板1の四隅部に設けられる取付孔2の形状について説明する。取付孔2は、曲げ強化ガラス板1の外面である凸面に開口する大拡径部2aと、曲げ強化ガラス板1の内面である凹面に開口し、大拡径部2aに比して小径な小拡径部2bとを有する。大拡径部2aは、開口端から小拡径部2bに向かって序々に縮径したテーパー状に形成される。取付孔2は、曲げ強化ガラス板1の製造工程の一つである曲げ加工に伴って変形する。その変形した取付孔2の形状について、図1を参照して、従来、一般的にDPG工法に適用されてきたフラットなガラス板に設けられる取付孔と比較しながら説明する。
図1はガラス板に取付孔2を孔明け加工した後、曲げ加工、さらに、強化処理を施した曲げ強化ガラス板1の取付孔2の形状を説明するものであり、図1(A)は、取付孔2の断面図を示すものであり、図1(B)は取付孔2の大拡径部2aの最大径側からみた正面図である。また、フラットなガラス板1´に設けられる取付孔2´を破線で示した。
図1に示すように、ガラス板に取付孔2を孔明け加工した後、曲げ加工を施すと、取付孔2の形状はフラットなガラス板1´に設けられる取付孔2´とは異なり変形した形状となる。具体的には、図1(A)に示すように、曲げ強化ガラス板1の取付孔2の大拡径部2a及び小拡径部2bは曲げ加工方向に引き伸ばされ、伸張変形した形状となる。
また、図1(B)に示すように、曲げ強化ガラス板1の取付孔2は、大拡径部2aの最大径側からみると略楕円状であり、この一端側から小拡径部2bにかけて取付孔2の形状は略楕円状から略円形状に変化する。
図1(A)および(B)からわかるように、曲げ強化ガラス板1の小拡径部2bの内周面形状は、フラットなガラス板1´の取付孔2´のストレート状の小拡径部2b’と比較して僅かではあるがテーパー状になる。そのため、曲げ強化ガラス板1の大拡径部2aと小拡径部2bとの交部2cの位置は、曲げ強化ガラス板1の曲率半径の大きさによって変化する。
そのため、取付孔2と締付部材4の間に介装される第1介装部材3として、アルミニウム材や錫合金などの金属製のものを使用する場合、第1介装部材3の形状を、種々の曲率半径を有する曲げ強化ガラス板1の取付孔2の形状に正確に合わせることは困難である。
従って、曲げ強化ガラス板1の取付孔2に設けられる第1介装部材3として、取付孔2の変形に対して追従性が十分でないアルミニウム材などの金属製を用いると、取付孔2、特に、交部2cに無理な集中荷重が掛かりやすく、小さな外力でも曲げ強化ガラス板1が破損してしまう恐れがある。
また、このような複雑な形状を有する取付孔2の大拡径部2aに設けられる第1介装部材3として、アルミニウムなどの硬質材料を用いると、取付孔2への納まりが悪くなり、外見上の見栄えが悪くなるという問題点もある。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る曲げ強化ガラス板1の支持具100について、図面を参照して詳細に説明する。しかし本発明は、下記の実施の形態に限定されずに、その技術思想の範囲内において種々の変更がなされることは明白である。例えば、本発明の実施の形態では、本出願人による、特開2003−176591号公報にて開示された支持構造を採用したが、例えば、特開2000−110283号公報、特開平9−291629号公報など、他の公知のDPG工法を適用することも可能である。
<第1の実施の形態>
図2に示すように、第1の実施に形態に係る支持具100は、曲げ強化ガラス板1の四隅部に設けられた取付孔2内に介装部材3,14を内接させ、取付孔2の内周形状に合わせた締付部材4を取付孔2の一端側より挿通し、他端側より締付ナット9を締付部材4に締結することによって、曲げ強化ガラス板1を締付挟持するものである。
支持具100は、取付孔2を挿通する筒状部4bと筒状部4bに比して大径の頭部4aとを有する略有底円筒状の締付部材4と、筒状部4bの端部に螺合して曲げ強化ガラス板1を締付挟持する締付ナット9と、筒状部4b内に連結された頭部5aと筒状部4b外に延在して躯体に直接または支持金具を介して螺着させるボルト部5cとを有する支持ボルト5と、筒状部4bの底部と支持ボルト5の頭部5aとの間に回転摺動自在に設けられる球7と、筒状部4bの内周に螺合され締付部材4と支持ボルト5の頭部5aとを球7を介して回転自在に連結するための押えナット6とを備える。
締付部材4の頭部4aは、取付孔2の大拡径部2aの形状に対応するテーパー形状に形成される。具体的には、曲げ強化ガラス板1の凸面と面一となる端面が最大外径であり、筒状部4bに向かって外径が小さく形成される。頭部4aの最大外径は、取付孔2の小拡径部2bの内径よりも大きな径に設定される。これにより、頭部4aにて曲げ強化ガラス板1を係止することができる。また、頭部4aによって筒状部4bの一端が閉塞され、筒状部4bの底部が形成される。 筒状部4bは、内側に円柱状の空洞部を有し、外径及び内径が略一様に形成される。筒状部4bの端部は取付孔2の外部へと延在する。筒状部4bの端部外周にはおねじが形成され、そのおねじに締付ナット9が螺合して締結される。また、筒状部4bの端部内周にはめねじが形成され、そのめねじに押えナット6が螺合して締結される。筒状部4bの端面には、締付用の凹溝部4dが設けられる。
締付部材4の頭部4aと取付孔2の大拡径部2aとの間には、頭部4aの外周面形状及び大拡径部2aの内周面形状に合わせたテーパー形状を有する第1介装部材3が介装される。一方、締付部材4の筒状部4bと取付孔2の小拡径部2bとの間には、環状の第2介装部材14が介装させる。
また、第1介装部材3と第2介装部材14との間に、弾性ゴム等の弾性材料からなる止水用Оリング10を締付部材4の筒状部4bと取付孔2の小拡径部2bとに当接させて設けるようにしてもよい。止水用Оリング10の外周部を、小拡径部2bの内周面と筒状部4bの外周面とのそれぞれに線接触させると効果的に止水することができる。
第1介装部材3と第2介装部材14を介して、それらの内面面に接するように、皿ボルト状の締付部材4を取付孔2に一端側の大拡径部2a側から挿通し、他端側より、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM) 等の樹脂からなる円板状の緩衝材11を介して締付部材4の筒状部4bの端部外周に締付ナット9を螺合させる。これにより、曲げ強化ガラス板1は、締付部材4の頭部4aと締付ナット9との間にて締付挟持される。
支持ボルト5の頭部5aは截頭球状に形成され、筒状部4bの空洞部内に配置される。頭部5aには、筒状部4bの底面に向けて開口し、球7の一部が収容される凹部5eが設けられる。凹部5eは、内部で球7が回転可能な形状に形成される。筒状部4bの底面には、球7の外周面が嵌まる曲面状に窪んだ窪み部4cが形成される。このように、球7は、凹部5eと窪み部4cとの間に、回転摺動自在に設けられる。これにより、曲げ強化ガラス板1に外部から風圧等の荷重が作用した場合でも、締付部材4は球7を介して支持ボルト5に対して傾動回転するため、強化ガラス板1を良好に支持することが可能となる。
押えナット6は、略円筒形状であり、外周に形成された螺刻部が筒状部4bの内周のめねじに螺合され、筒状部4bの空洞部内に締結される。これにより、押えナット6の内周端部に形成された球面部6aが支持ボルト5の頭部5aの外周面に当接する。このようにして、押えナット6は、支持ボルト5を締付部材4に対して押圧する。押えナット6が支持ボルト5に付与する押圧力は、球7が凹部5eと窪み部4cとの間で回転摺動可能な程度の大きさに設定される。
押えナット6の内周には、球面部6aに連接してテーパー部6bが形成される。テーパー部6bは、開口部に向かって内径が大きくなるように形成される。また、テーパー部6bの端部には凹溝部6cが形成される。
支持ボルト5には、頭部5aとボルト部5cとの間に他の部位と比較して小径なくびれ部5bが形成される。押えナット6の内周と支持ボルト5の外周との間には、テーパー部6b及びくびれ部5bによって隙間が存在する。この隙間によって、締付部材4が支持ボルト5に対して首振り動作可能となる。
押えナット6のテーパー部6bと支持ボルト5のくびれ部5bとの間には、シールリング22が設けられる。シールリング22によって、筒状部4b内への塵埃の浸入が阻止される。シールリング22は弾性材であるため、支持ボルト5に対する締付部材4の傾動は妨げられない。また、シールリング22として、チューブ状の弾性ゴムを用いれば、支持ボルト5に対する締付部材4の傾動の自由度が増す。
曲げ強化ガラス板1は、重心を含む鉛直面が球7の中心を含む鉛直面と一致するように配設される。そのため、曲げ強化ガラス板1が外部から風圧等の荷重を受けて傾動した場合でも、外部からの荷重が解除されれば、曲げ強化ガラス板1は自重により元の位置に復帰する。したがって、曲げ強化ガラス板の位置管理に手間がかからない。
締付部材4と締付ナット9の螺合作業は、締付部材4の室内側先端部に設けられた凹溝部4dに工具を挿入して固定した状態で、締付ナット9を回転させて締付けられる。同様に、締付部材4と押えナット6の螺合作業は、締付部材4の凹溝部4dに工具を挿入して固定した状態で、押えナット6の凹溝部6cに工具を挿入して回転させて締付けられる。こように、締付作業は室内側だけで行うことができる。
第1介装部材3は、材質として弾性材料であるEPDMが使用され、頭部4a及び大拡径部2aに合わせた形状である。その他の使用可能な弾性材料としては、ネオプレンゴム、シリコンゴム、バイトンゴム、ウレタンゴム等の耐候の良い弾性材料を使用することができる。
第1介装部材3をEPDM等の弾性材料とすることによって、曲げ強化ガラス板1の取付孔2と締付部材4との接触を点接触ではなく面接触にすることができるため、曲げ強化ガラス板1の傾動によって取付孔2へ作用する力が分散する。したがって、取付孔2に掛かる応力を低減させ、曲げ強化ガラス板1の破損を防ぐことができる。
なお、第1介装部材3は、図2に示すように、締付部材4の頭部4aと取付孔2の大拡径部2aとの間、及び締付部材4の筒状部4bと取付孔2の小拡径部2bとの間の双方に跨って介装してもよく、また、締付部材4の頭部4aと取付孔2の大拡径部2aとの間のみに介装してもよい。つまり、第1介装部材3は、少なくとも一部が締付部材4の頭部4aと取付孔2の大拡径部2aとの間に介装されればよい。
また、取付孔2の小拡径部2bと締付部材4の筒状部4bとの間に第2介装部材14が介装されることによって、曲げ強化ガラス板1にせん断および曲げ方向の外力が作用して第1介装部材3が変形した場合でも、小拡径部2bと筒状部4bとの接触を防ぐことができる。第2介装部材14の材質としては、アルミニウム等の金属製あるいはポリカーボネート等の樹脂製のものが用いられる。しかし、ポリカーボネートは過度に荷重が掛かった場合には、破損する恐れがあるため、ある程度の硬度を有し破損の恐れが少ないアルミニウム等の金属製のものを用いることが好ましい。さらに、アルミニウム材は、ポリカーボネートと比較してガラス板と熱膨張係数が近いことから、熱膨張係数の違いによって生じる取付孔2に掛かる負荷が極めて少ないため特に好ましい。
緩衝材11は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の合成樹脂製である。
止水用Оリング10はEPDM製である。それに代えて、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、バイトンゴム、ウレタンゴム等の耐候性の良い弾性体を使用しても良い。
また、締付部材4、締付ナット9、押えナット6、支持ボルト5、および球7等はSUS等の錆びない金属製である。それに代えて、防錆塗装処理やメッキ処理等を施したSS材を用いても良い。
曲げ強化ガラス板1を図7に示すように、上下左右に複数枚配設し、互いに隣接する四枚の曲げ強化ガラス板1をコーナー部に設けられた取付孔2を介して締付支持する支持具100の支持ボルト5を、例えば、図6に示すような支持金具30の支持アーム32の先端に設けられた四つの締結穴31に挿通させて締結する。そして、支持金具30の中心より延設されたロッド33を図示しない構造躯体に固設すれば、図7に示すガラススクリーン40を形成することができる。なお、図6では、支持金具30として、支持アーム32がX字状に延び四点支持するものを示した。しかし、これに代わり、H字状の4点支持、V字状、I字の2点支持、またはI字状の1点支持の支持アーム32を用いるようにしてもよい。
また、曲げ強化ガラス板1を左右に複数枚配設し、螺旋階段等に設けられるガラス板手摺りとして使用することも可能である。
締付部材4の凸面側には、足場、照明、看板、装飾物等の付属設備の取付用のネジ孔15が少なくとも1カ所設けられる。必要時には、このネジ孔15を利用してこれらの付属設備を取り付け、必要の無いときはボルト等でネジ孔15を塞いでおけばよい。
尚、締付ナット9の外周側面に、緩み止めとして、図示しない固定ビスを締付固定するようにしてもよい。
取付孔2の大拡径部2aはテーパー形状であるため、曲げ強化ガラス板1の自重等により取付孔2にかかる垂直方向の荷重の一部を大拡径部2aによって斜め方向に分散でき、曲げ強化ガラス板1の取付孔2の強度を向上させることができる。
図6に示すような支持金具30を用いて吊り下げられた曲げ強化ガラス板1からなる図7に示すガラススクリーン40に風圧等の荷重が作用して曲げ強化ガラス板1が撓んだ場合には、支持具100の締付部材4は、支持ボルト5に対して球7を中心として回動する。これは、支持ボルト5が、頭部5aの外周面に当接する押えナット6によって締付部材4に向けて押圧されているためである。
曲げ強化ガラス板1の取付孔2には、ガラス板に加えられる曲げ加工によって発生するモーメントは作用せず、曲げ強化ガラス板1の自重による垂直方向の荷重のみが作用する。
曲げ強化ガラス板1の板厚が変更になったときには、締付部材4の頭部4aの厚みを変更するだけでよい。
また、曲げ強化ガラス板1の曲率半径が大きい場合には、第1介装部材3の厚みを厚くすることによって、交部2cに集中荷重が掛からないようにすることができる。曲率半径変化に適宜対応して第1介装部材3の厚みを変更すればよい。
以上の第1の実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
取付孔2の大拡径部2aと締付部材4の頭部4aとの間に介装される第1介装部材3が弾性材料にて形成されるため、取付孔2に局所的に発生する応力を防ぐことができ、曲げ強化ガラス板1の破損を防止することができる。
また、第1介装部材3は、弾性材料にて形成されるため、ガラス板の曲げ加工に伴って複雑な略楕円形に変形した取付孔2に対しての追従性がよく、取付孔2からはみ出ることがない。したがって外見上の見栄えがよい曲げ強化ガラス板1の支持具100を提供することが可能となる。
また、曲げ強化ガラス板1を外壁として施工する場合には、雨水などの浸入の恐れがあるため、第1介装部材3と第2介装部材14の間に止水用Оリング10を設けると雨水などの浸入を防ぐことができる。
<第2の実施の形態>
図3を参照して、第2の実施の形態に係る支持具200について説明する。支持具200は、第1介装部材3がゴムなどの弾性材料にて形成された部分とアルミニウムなどの金属材料にて形成された部分との二層構造である点で第1の実施の形態と異なっている。以下では、上記第1の実施の形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施の形態と一致する構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
第1介装部材3は、取付孔2の大拡径部2aに当接するゴムなどの弾性材料層3aと、締付部材4の頭部4aに当接するアルミニウム材などの金属材料層3bとからなる二層構造である。このように、第1介装部材3は、少なくとも大拡径部2aとの接触面が弾性材料にて形成されるものである。
金属材料層3bは、第1介装部材3と第2介装部材14の間に設けられる止水用Оリング10を十分に固定するためのものである。この点から、金属材料層3bの厚みd1は、止水用Оリング10の線径(太さ)d3の1/2以上にすることが特に好ましい。なお、ここで言う止水用Оリング10の線径d3とは、図3に示すように、取付孔2の小拡径部2bと締付部材4の筒状部4bとの間隔である。
第1介装部材3は、アルミニウム材などの金属材料層3bにゴムなどの弾性材料を焼き付け接着処理することによって製造される。
以上の第2の実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
第1介装部材3は、取付孔2の大拡径部2aに当接する弾性材料層3aと、締付部材4の頭部4aに当接する金属材料層3bとの二層構造であるため、第1介装部材3と第2介装部材14との間に設けられる止水用Оリング10を取付孔2及び締付部材4に対して十分に密着させることができ、雨水などの浸入を防ぐことができる。
<第3の実施の形態>
図4を参照して、第3の実施の形態に係る支持具300について説明する。第3の実施の形態は、第2の実施の形態の変形であり、第1介装部材3を構成する金属材料層3bの最小外径部となる端部に鍔状の突起部3cが設けられる。また、弾性材料層3aの端部には、金属材料層3bの突起部3cが係合する段部が形成される。なお、弾性材料層3aに段部を設ける代わりに、突起部3cと小拡径部2bの内周との間にゴムなどの弾性材料を充填するようにしてもよい。
金属材料層3bに突起部3cを設けることによって、第1介装部材3と第2介装部材14の間に設けられる止水用Оリング10を十分に固定することができると共に、弾性材料層3aと金属材料層3bがずれることを防止することができる。
止水用Оリング10を十分に固定するために、突起部3cの高さd2は、止水用Оリング10の線径(太さ)d3の1/2以上にすることが特に好ましい。なお、ここで言う止水用Оリング10の線径d3とは、取付孔2の小拡径部2bと締付部材4の筒状部4bとの間隔である。
以上の第3の実施の形態によれば、単に第1介装部材3を二層構造とする場合と比較して、止水用Оリング10を取付孔2及び締付部材4に対してより十分に密着させることができる。
<第4の実施の形態>
図5を参照して、第4の実施の形態に係る支持具400について説明する。第4の実施の形態は、第2の実施の形態の変形であり、取付孔2の大拡径部2aの開口部に臨む第1介装部材3の端面2dの全面が弾性材料層3aで構成される。
以上の第4の実施の形態によれば、曲げ強化ガラス板1を正面(凸面側)から見た場合、取付孔2が金属材料層3b、弾性材料層3a、締付部材4の3重構造ではなく、弾性材料層3a、締付部材4の2層となるため、正面からの外観の見栄えが良い。つまり、意匠性を向上させることができる。
本発明は、曲げ強化ガラス板の支持具として利用することができる。
100,200,300,400 支持具
1 曲げ強化ガラス板
2 取付孔
2a 大拡径部
2b 小拡径部
2c 交部
3 第1介装部材
3a 弾性材料層
3b 金属材料層
3c 突起部
4 締付部材
4 a 頭部
4 b 筒状部
4 c 窪み部
4 d 凹溝部
5 支持ボルト
5 a 頭部
5 b 胴部
5 c ボルト部
5 e 凹部
6 押えナット
6 b テーパー部
6 c 凹溝部
7 球部
9 締付ナット
1 0 止水用Оリング
1 1 緩衝材
1 4 第2介装部材
1 5 ネジ孔
2 2 シールリング
3 0 支持金具
3 1 締結穴
3 2 アーム
4 0 ガラススクリーン

Claims (5)

  1. 曲げ強化ガラス板の隅部に設けられた取付孔を介して曲げ強化ガラス板を支持する曲げ強化ガラスの支持具であって、
    前記取付孔を挿通する締付部材と、
    前記締付部材に締結され当該締付部材との間で曲げ強化ガラス板を狭持する締付ナットと、
    前記締付部材と前記取付孔との間に介装される介装部材と、を備え、
    前記取付孔は、
    曲げ強化ガラス板の凸面に開口する大拡径部と、
    曲げ強化ガラス板の凹面に開口し、前記大拡径部に比して小径な小拡径部と、を有し、
    前記介装部材は、
    少なくとも一部が前記大拡径部と前記締付部材との間に介装される第1介装部材と、
    前記小拡径部と前記締付部材との間に介装される第2介装部材と、を有し、
    前記第1介装部材は、前記取付孔に当接する弾性材料層と、前記締付部材に当接する金属材料層とからなる二層構造であることを特徴とする曲げ強化ガラス板の支持具。
  2. 前記金属材料層の最小外径部となる端部に鍔状の突起部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の支持具。
  3. 前記取付孔の開口部に臨む前記第1介装部材の端面の全面が前記弾性材料層で構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の支持具。
  4. 前記第1介装部材と前記第2介装部材との間に、前記取付孔の前記小拡径部と前記締付部材とに当接して設けられ、弾性材料からなる止水用Оリングをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の支持具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の支持具にて支持される曲げ強化ガラス板にて構成されることを特徴とする手摺り構造。
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