JP3904889B2 - ガラス板の支持構造および施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
室内側に十分な施工スペースが確保できなくても、室外側から施工可能なDPG工法(Dot Point Glazing)によるガラス板の支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板やパネル材等の取付工法として各種あるが、フレ−ムレスでガラススクリ−ンを構成する工法として金属金具による点支持工法が、近年注目されている。
【0003】
この点支持工法は構造体に固着する中心部を設け、該中心部よりX字状やH字状のアーム先端に支持部材を設け、該支持部材にガラス板の四隅に穿設する取付孔を挿通し支持するガラス板の点支持工法が各種開示されている。
【0004】
このガラス板の隅部に設けた取付孔に挿通しガラス板の取付孔を締付支持する支持部材として、例えば、特開平5−179739号公報、特開平5−248018号公報、および欧州公開特許201,212号に示されるように、支持部材とガラス板とを回動自在とする構成を備え、面外方向の変位については支持部材とガラス板との取り付けにおいて、ガラス板の外面側を皿状に穿設し、残りの厚みをストレートに穿設する取付孔にアルミ製のガスケット部材を介して挿入のソケット部材と、該ソケット部材と螺合してガラス板を締付固定するナットと、前記ソケット部材の内部にあって躯体に固着する支持部材の先端に設けた球部を、傾動自在に挟持する支持金具が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−179739号公報、特開平5−248018号公報、および欧州公開特許201,212号で示されるものは、ガラス板に穿設した皿孔部にガスケット部材を介して挿入したソケット部材が、その内部に傾動可能な球部を設け、ソケット部材の内面を球部の傾動によって摺動させるものであるが、ソケット部材が球部を包むような一体的な構造であり、球部に不具合が発生した場合に球部のみの着脱交換ができず、支持金具全体を取り替えなければならないという問題があった。
【0006】
また、これらを始めとして、多くの支持金具はガラススクリーンの施工時にガラススクリーンの内面側からしか、I字状やV字状の2点支持金具や、X字状やH字状の4点支持金具のアームの先端に締付金具を取り付けることができない構造であり、室内側に施工スペースが確保できない場合は施工が困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点の解決を図る、すなわちシンプルな構成で安価にガラス板やパネル材等を確実に支持し、室内側に施工スペースが確保できない場合であっても、室外側から施工が容易にでき、また、地震等による層間変位や上下左右方向へのガラス板の移動に対応でき、雨水、塵埃の室内への進入を防止し、かつガラス板を傾動自在とする支持ボルトの頭部の着脱も可能であり、施工も極めて容易で、かつ見栄えも良くすることを目的とするものである。
【0008】
すなわち、本発明は、ガラス板の四隅部に設けた穿孔部に介装部材を内接させ穿孔部の端面形状に合わせた締付部材と締付ナットでスペーサーを介してガラス板の両面より締付支持するガラス板の支持構造において、
外形がガラス板の穿孔部の端面形状に沿った形状を有した円筒状で、円筒状の内部には小径のくびれ部を有する締付部材と、該締付部材の円筒状内に室外側開口部より内接させた太鼓状の球面部材と、中央部に鍔部を有し両端にボルトを有した支持ボルトとからなり、
前記支持ボルトの片端を締付部材の室内側開口部よりくびれ部内を挿通させて鍔部をくびれ部に当接させると共に前記球面部材と螺合させ、支持ボルトの他端を構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状等の金具の先端の取付孔に両面より取付ナットで支持させるようにし、支持ボルトの片端の球面部材によりガラス板とその支持構造とを相対的に傾動自在としたことを特徴とするガラス板の支持構造である。
【0009】
あるいは、本発明は、前記球面部材の球面の中心を含む鉛直面とガラス板の重心を含む鉛直面とを一致するように配置し、該球面の中心を回転中心としてガラス板とその支持構造とを相対的に傾動自在としたことを特徴とする上述のガラス板の支持構造である。
【0010】
あるいはまた、本発明は、前記ガラス板に設けた穿孔部の室外側を皿孔とし、該穿孔部の端面に内接させる介装部材と締付部材の外形形状を前記穿孔部の端面形状に合わせた形状としたことを特徴とする上述のガラス板の支持構造である。
【0011】
あるいはまた、本発明は、前記締付部材のくびれ部と太鼓状の球面部材間にリング状のゴムシートを設け、かつ該くびれ部と両端ボルトの鍔部との当接部にOリングを設け、締付部材と球面部材間に侵入した雨水を室内側に侵入させないようにしたことを特徴とする上述のガラス板の支持構造である。
【0012】
あるいはまた、本発明は、前記締付部材の室外側に設けた固定ビス用の螺孔の一部を、足場取付用または照明、看板、装飾物等の付属設備の取付用の螺孔としたことを特徴とする上述のガラス板の支持構造である。
【0013】
あるいはまた、本発明は、前記穿孔部の端面と締付部材間に介在させる介装部材の先端部には弾性ゴムからなる止水用Oリングを設けたことを特徴とする上述のガラス板の支持構造である。
【0014】
あるいはまた、本発明は、前記請求項1乃至6のガラス板の支持構造において、構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状等の金具の先端部に設けた取付孔にボルト部を有した支持ボルトの片端を挿入してナットにより螺合挟持すると共に、ガラス板の穿孔部に介装部材を介在させて前面より挿入した締付部材と裏面よりスペーサーを介して締付ナットとで螺合させて、該締付部材内に前記支持ボルトの他端を遊挿させて、支持ボルトの他端を、締付部材の外側開口部内に遊挿した球面部材とを螺合させた後、球面部材の室外側面より固定ビスによって球面部材と支持ボルトを固定させることによって、室内側に施工スペースが確保できなくても、室外側から施工可能としたことを特徴とするガラス板の施工方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のガラス板の支持構造は、図6に示すような縦横に並設した複数枚のガラス板からなるガラススクリーンの形成にあたり、図3に示すように、各ガラス板1、1、・・の四隅部に設けた各穿孔部2に介装部材3を内接させ穿孔部2の端面形状に合わせた締付部材4と締付ナット9でスペーサー11を介してガラス板1の両面より締付支持する。
【0016】
図1、図3、図4に示すように、前記締付部材4は、頭部4aと外形がガラス板1の穿孔部2の端面形状に沿った形状を有した筒状部4bからなる円筒状で、円筒状の内側面には孔径が小径のくびれ部4cを有している。該締付部材4の円筒状内に室外側の開口部より内接させる太鼓状の球面部材6と、中央部に鍔部5aを有し両端にボルト部5b、5cを有した支持ボルト5との片端側のボルト部5bを締付部材4の室内側開口部よりくびれ部4c内を挿通させて鍔部5aをくびれ部4cに当接させると共に前記球面部材6と螺合させる。支持ボルト5の他端は、構造体(図示せず)に直接、或いは構造体によって支持された図2に示すようなX字状、H字状等の金具30の先端の取付孔31に両面より取付ナット33、34で支持させるようにしたものである。
【0017】
前記球面部材6は、前記球面部材の球面の中心を含む鉛直面とガラス板の重心を含む鉛直面とを一致するように支持ボルトとの螺合長さを調整して配置するのが好ましく、該球面の中心を回転中心として支持ボルトを傾動自在とした。
【0018】
前記球面部材6は、円柱状の外周面を円弧面とした太鼓状であり、その前後両面共にフラット面を有し、前面側は球面部材6と支持ボルト5の螺合を固定ビス7によって固定させるための固定ビス孔6bが2カ所設けられており、後部面側はフラット面の中央部に前記支持ボルト5のボルト部5bと螺合する雌ネジ部6aが設けられている。
【0019】
前記ガラス板1に設けた穿孔部2としてはストレートな貫通孔、又はストレート孔の室外側部分を皿孔2aとしたもののいずれでも良い。皿孔2aとする場合は、該穿孔部2の端面に内接させる介装部材3、および締付部材4の外形形状を前記穿孔部2の端面形状に合わせた形状とすれば良い。
【0020】
前記締付部材4のくびれ部4cと太鼓状の球面部材6間にリング状のゴムシート12を設け、かつ該くびれ部4cと支持ボルト5の鍔部5aとの当接部にOリング13を設け、締付部材4と球面部材6間に侵入した雨水を室内側に侵入させないようにする。
【0021】
ガラス板1の穿孔部2の裏面側と締付ナット9間に設けるスペーサー11としては、硬質の樹脂製のリングとする。
【0022】
図1、図2に示すように、前記球面部材4の室外側に設けた球面部材6の固定ビス7用の螺孔6bには、その一部を足場取付用または照明、看板、装飾物等の付属設備の取付用の螺孔として用いることもできる。
【0023】
前記穿孔部2の端面と締付部材4間に介在させる介装部材3の室内側の先端部には弾性ゴムからなる止水用Oリング10を設けたので、雨水等の侵入を防止できる。
【0024】
また、本発明の施工方法によれば、ガラス板1の穿孔部2に取付けた締付金具20によりガラス板1を支持する構造において、室内側に施工スペースが確保できなくても、室外側から施工可能な構造である。
【0025】
本発明のガラス板の施工方法は、支持柱やトラス等の構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状、I字状等の4点用や2点用の支持金具30の先端部に設けた取付孔31に、両端部にボルト部5b、5cを有した支持ボルト5の片端側のボルト部5cを挿入して取付ナット33、34により螺合させ、取付孔31部の両面より締付挟持させると共に、別途、ガラス板1の穿孔部2に介装部材3を介在させてガラス板1の室外面側より挿入した締付部材4と室内側面である裏面よりスペーサー11を介して締付ナット9とで螺合させたものを用意しておく。
【0026】
前記締付部材4と締付ナット9でガラス板1の穿孔部2を締付挟持したガラス板1の該締付部材4内に、前記支持ボルト5のボルト部5bを遊挿させるようにガラス板位置を調節し、締付部材4内に遊挿された該ボルト部5bと室外側より嵌め込んだ球面部材6とを螺合させて、球面部材6が緩まないように固定ビス等で固定させる。
【0027】
このようにして、室内側に施工スペースが確保できない場合であっても、室外側からガラス板1の取付や締付金具20の施工が可能な構造である。
[実施の形態1]
本発明の好ましい実施の形態としては、図1〜図3に示すように、ガラス板1の四隅部に穿孔した穿孔部2の室外側を皿孔加工し、該皿孔部2aの皿状端面に皿孔2aの形状、およびストレート孔部2bの形状に合わせた形状のアルミニウム材等の介装部材3を内接させ、さらに、前記介装部材の室内側の先端部と前記穿孔部2のストレート孔部2bに当接する位置には弾性ゴム等からなる止水用Oリング10を設けた。
【0028】
続いて、ガラス板1の穿孔部2の端面に当接した前記テーパー状の介装部材3、止水用Oリング10を介してそれらに内接するように皿ボルト状の締付部材4を室外側の皿孔2a側から挿通し、室内側より硬質樹脂からなるリング状のスペーサー11を介して前記締付部材4の室内側先端外周の螺刻部と締付ナット9とを螺合させ、ガラス板1の穿孔部2を締付挟持させた。
【0029】
前記締付部材4は、皿ボルト状であってさらに略円筒状であり、前記穿孔部2の内側端面形状に合わせた形状で、頭部4aの外周側がテーパー状であり、筒状部4bと、室内側の先端外周側には締付ナット9と螺合する螺刻部を有し、また、前記締付部材4の筒状の内面側には内径が他部分よりも小径であるくびれ部4cを有している。
【0030】
前記締付部材4の室内側先端部には凹溝部4dを設け、ガラス板1を締付部材4と締付ナット9との螺合により締め付ける際に、凹溝部4dを固定しながら締付ナット9を回転させて締付させる。
【0031】
前記支持ボルト5は、その両端に螺刻部を有したボルト部5b、5cである両端ボルトであり、また、途中部分にはボルト部の外径より大径の鍔部5aを有している。該鍔部5aの外径は前記締付部材4の筒状部4bの内径より小径でありくびれ部4cの内径より大径である。さらに、支持ボルト5のボルト部5bの外径は前記締付部材4のくびれ部4cの内径より小径である。
【0032】
締付部材4の前面部側の筒状のストレートな開口部よりリング状のゴムシート12をくびれ部4cの側壁に当接するまで挿入し、前記球面部材6の球面部が筒状部材の内周部に略一致するように該開口部内に内接している。
【0033】
一方、締付部材4の後部側の開口部より支持ボルト5のボルト部5bをゴム製のOリング13を介し、さらにくびれ部4c内を遊挿させ、前記球面部材6の雌ネジ部6aと螺合させる。
【0034】
図1、図2に示したように、球面部材6と支持ボルト5のボルト部5bとの螺合が緩まないように、球面部材6の前部側の面に設けた固定ビス孔6b、6bに固定ビス7、7を螺合させ、2本の固定ビス7、7の先端部が支持ボルト5のボルト部5bの先端に当接して、支持ボルト5を挟み込むようにした。
【0035】
支持ボルト5の他端側のボルト部5cは、図示しない構造体によって支持された図2に示すようなX字状やH字状の支持金具30の取付アーム32の先端に設けた取付孔に遊挿し、図1に示すように取付孔の両面より取付ナット33、34と支持ボルト5のボルト部5cとを螺合させて固定し、さらにボルト部5cの先端に袋ナット35を設けた。
【0036】
次いで、本発明の施工方法について以下に述べる。
【0037】
支持柱やトラス等の構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状、I字状等の4点用や2点用の支持金具30の先端部に設けた取付孔31に支持ボルト5のボルト部5cを挿入して取付ナット33、34により螺合させ、取付孔31の両面より締付挟持させる。
【0038】
また、別途、ガラス板1の穿孔部2に介装部材3を介在させてガラス板1の室外面側より挿入した締付部材4と室内側面である裏面よりスペーサー11を介して締付ナット9とで螺合させたものを用意しておく。
【0039】
前記締付部材4と締付ナット9でガラス板1の穿孔部2を締付挟持したガラス板1の該締付部材4内に、前記支持ボルト5のボルト部5bを遊挿させるようにガラス板1の位置を上下左右に調節する。
【0040】
締付部材4内に遊挿された該ボルト部5bに対し、室外側より球面部材6をボルト部5bに螺合させ、さらに球面部材6が緩まないように固定ビス等で固定させる。
【0041】
このように、球面部材6を室外側から挿入し、室内側から挿入した支持ボルトと螺合させるようにしたので、ガラス板1の室内側に施工スペースが確保できない場合であっても、ガラス板1の室外側からガラス板1の取付や締付金具20の取付、施工が可能となった。
【0042】
該支持ボルト5に連結した球面部材6は、その球面部材6の断面の上端に円弧を備えた形状で該円弧が頂部となっており、締付部材4の筒状部内を摺動および傾動自在であり、支持ボルト5に連結した球面部材6が傾動自在となったことによって、風荷重等によりガラス板1が傾動したときに、支持ボルト5に連結した球面部材6は、傾動が復帰したときにガラス板1の自重により復帰できる。
【0043】
また、球面部材の円弧部は締付部材4の筒状部内の上端部位置と当接するが、この当接する位置はガラス板1の板厚中心線上にあって、ガラス板1と取付孔周辺の金具類を含めた荷重をバランス良く支持できる位置となるように前記球面部材の球面の中心を含む鉛直面とガラス板の重心を含む鉛直面とを一致させる。
【0044】
前記締付部材4と締付ナット9の緊締螺合は、締付部材4の室内側先端部に設けた凹溝部4dを固定しながらナット9を回転させて締付させれば良い。
【0045】
ガラス板1の取付孔2の皿孔部2aの皿面に内接させる介装部材3としては、硬質樹脂やアルミニウムや錫合金等の金属製として、皿孔2aに合わせた形状とした。
【0046】
また、前記ゴムシート12、止水用のOリング10、13としてはEPDM製、ネオプレンゴム、シリコンゴム、バイトンゴム、ウレタンゴム等の耐候性の良い弾性体とした。
【0047】
さらに、スペーサー11としては、図1に示すようなガラス板の穿孔部を皿孔とした場合には、該皿孔部2aにアルミニウム等の介装部材を密着させるため、穿孔部からの雨水の侵入の恐れが少ないので硬質樹脂製が好ましい。
【0048】
さらにまた、締付部材4、締付ナット9、球面部材6および支持ボルト5等はSUS等の錆びない金属としたが、防錆塗装処理やメッキ等の処理をしたSS材でも良い。
【0049】
また、締付部材4の頭部4aの室外側面はフラット面とし、ガラス板1の室外面が面一となるように設け、締付部材4と締付ナット9との緊締螺合用として凹溝部4dを締付部材4の室内側先端に設けたので、締付部材4と締付ナット9との螺合は同一方向から作業ができる。
【0050】
そして、前記ガラス板1を図6に示すように、上下、左右に複数枚配設し、互いに隣接する四枚のガラス板1のコーナー部に設けた取付孔2を締付支持する各締付金具20を、例えば図2に示すような支持アーム32の形状がX字状、H字状の4点または、I字状の1点や、2点の支持金具30の各支持アーム32の先端の取付孔31に挿通および取付支持し、該支持金具30の中心より垂設のロッドを図示しない構造体に固設すれば、図6に示すガラススクリーン40を形成することができる。
【0051】
さらに、前記球面部材6に設けた固定ビス孔6bを、足場取付用または照明、看板、装飾物等の付属設備の取付用とすることも可能である。
【0052】
尚、ガラス板1とは強化されたガラス板や、複数枚の強化ガラス相互、あるいは強化ガラスと生板ガラスを組み合わせてPVBやEVA等の中間膜または樹脂注入で接着した合わせガラス、および前記のガラスに飛散防止樹脂膜を貼着したガラス板や、パネル材等が対象となる。
【0053】
さらに、ガラス板1の面外方向の外力等の荷重による変形は、締付金具4と球面部材6との相対的な傾動により吸収できる。
【0054】
尚、締付部材4と締付ナット9との螺合部の緩み止めとして、締付ナット9の外周側面より図示しない固定ビスにて締付固定すればよい。
【0055】
締付ナット9とガラス板1間には硬質樹脂製からなるスペーサー11を設け、さらに前記皿孔形状に合わせた形状の介装部材3の先端には、止水用Oリング10を設け、締付部材4と締付ナット9の緊締螺合時にスペーサー11、および止水用Oリング10の圧縮変形により、ガラス板1の取付孔2と締付部材4間に侵入した雨水が室内への侵入を阻止することができる。
【0056】
また、締付部材4と球面部材6間に侵入した雨水は、球面部材6と締付部材のくびれ部4c間に設けたリング状のゴムシート12、および該くびれ部4cと支持ボルト5の鍔部5a間に設けた弾性ゴムからなるOリング13の圧縮変形によって室内側への侵入を阻止できる。
【0057】
また、ガラス板1の自重等により取付孔2にかかる荷重をガラス板1の穿孔部2を皿孔2aとしたことにより垂直方向にかかる荷重の一部を皿孔の斜め方向に分散でき、ガラス板1の穿孔部2の強度を向上させることができる。
【0058】
以上好適な実施例について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられるものである。
[実施の形態2]
図4に示すものは、図1に示す実施の形態1の変形例である。
【0059】
ガラス板1の穿孔部2の一端を皿孔とせずにストレート孔2bだけとしたものである。また、締付部材4’も穿孔部2の孔径よりも大径の鍔部を備えたものであり、ガラス板の室外側には弾性ゴムからなるスペーサー8を緩衝材として介して、該締付部材4の鍔部でガラス板1の穿孔部を押圧し、室内側より同じく弾性ゴムからなるスペーサー11を介して締付ナット9とで緊締螺合させる。
【0060】
この場合、締付部材4の頭部側の内側開口部に溝部を設け、該溝部に嵌合するようなリップ部21aを外周に有した円板状の樹脂製またはゴム製の蓋部材21を嵌め込むようにしても良い。
【0061】
あるいは、図5に示すように、樹脂製又はゴム製の着脱自在なキャップ22を締付部材4に被せるようにしても良い。
【0062】
さらに、スペーサー8、11としては、図4、図5に示すように穿孔部をストレート孔とした場合には、EPDM製、ネオプレンゴム、シリコンゴム、バイトンゴム、ウレタンゴム等の耐候性の良い弾性体とした。
【0063】
このように本発明によれば、ガラス板1を四点で支持する点支持工法(DPG工法、Dot Point Glazing)により、フレームレスで開放的な空間を形成でき、またフラットなガラススクリーンが構成でき、穿孔部からの雨水の侵入をより確実に防止できるものである。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、球面を有する支持金具のガラス自重支持部を分割可能としたので、ガラス施工時に室内側に施工スペースが確保できない場合でも、室外側からガラス支持金具の取付施工が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2のA−A視による本発明の支持構造の縦断面図。
【図2】 本発明の支持構造と、支持構造を取り付けた四点支持金具との関連を示す正面図。
【図3】 本発明の支持構造の分解斜視図。
【図4】 本発明の変形例の支持構造の縦断面図。
【図5】 本発明の変形例の支持構造の縦断面図。
【図6】 本発明によるガラススクリーンの正面図。
【符号の説明】
1 ガラス板
2 穿孔部
2a 皿孔部
2b ストレート孔部
3 介装部材
4 締付部材
4a 頭部
4b 筒状部
4c くびれ部
4d 凹溝部
5 支持ボルト
5a 鍔部
5b、5c ボルト部
6 球面部材
6a 雌ネジ部
6b 固定ビス孔
7 固定ビス
8 スペーサー
9 締付ナット
10 止水用Oリング
11 スペーサー
12 ゴムシート
13 Oリング
20 締付金具
21 蓋部材
30 支持金具
31 取付孔
32 取付アーム
33、34 取付ナット
40 ガラススクリーン
Claims (7)
- ガラス板の四隅部に設けた穿孔部に介装部材を内接させ穿孔部の端面形状に合わせた締付部材と締付ナットでスペーサーを介してガラス板の両面より締付支持するガラス板の支持構造において、
外形がガラス板の穿孔部の端面形状に沿った形状を有した円筒状で、円筒状の内部には小径のくびれ部を有する締付部材と、該締付部材の円筒状内に室外側開口部より内接させた太鼓状の球面部材と、中央部に鍔部を有し両端にボルトを有した支持ボルトとからなり、
前記支持ボルトの片端を締付部材の室内側開口部よりくびれ部内を挿通させて鍔部をくびれ部に当接させると共に前記球面部材と螺合させ、支持ボルトの他端を構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状等の金具の先端の取付孔に両面より取付ナットで支持させるようにし、支持ボルトの片端の球面部材によりガラス板とその支持構造とを相対的に傾動自在としたことを特徴とするガラス板の支持構造。 - 前記球面部材の球面の中心を含む鉛直面とガラス板の重心を含む鉛直面とを一致するように配置し、該球面の中心を回転中心としてガラス板とその支持構造とを相対的に傾動自在としたことを特徴とする請求項1記載のガラス板の支持構造。
- 前記ガラス板に設けた穿孔部の室外側を皿孔とし、該穿孔部の端面に内接させる介装部材と締付部材の外形形状を前記穿孔部の端面形状に合わせた形状としたことを特徴とする請求項1または2記載のガラス板の支持構造。
- 前記締付部材のくびれ部と太鼓状の球面部材間にリング状のゴムシートを設け、かつ該くびれ部と両端ボルトの鍔部との当接部にOリングを設け、締付部材と球面部材間に侵入した雨水を室内側に侵入させないようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス板の支持構造。
- 前記球面部材の室外側に設けた固定ビス用の螺孔の一部を、足場取付用または照明、看板、装飾物等の付属設備の取付用の螺孔としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のガラス板の支持構造。
- 前記穿孔部の端面と締付部材間に介在させる介装部材の室内側の先端部には弾性ゴムからなる止水用Oリングを設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のガラス板の支持構造。
- 前記請求項1乃至6のガラス板の支持構造の施工方法において、構造体に直接、或いは構造体によって支持されたX字状、H字状等の金具の先端部に設けた取付孔にボルト部を有した支持ボルトの片端を挿入してナットにより螺合挟持すると共に、ガラス板の穿孔部に介装部材を介在させて前面より挿入した締付部材と裏面よりスペーサーを介して締付ナットとで螺合させて、該締付部材内に前記支持ボルトの他端を遊挿させて、支持ボルトの他端を、締付部材の外側開口部内に遊挿した球面部材とを螺合させた後、球面部材の室外側面より固定ビスによって球面部材と支持ボルトを固定させることによって、室内側に施工スペースが確保できなくても、室外側から施工可能としたことを特徴とするガラス板の施工方法。
Priority Applications (1)
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