JP5663911B2 - フィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるフィルム - Google Patents

フィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれからなるフィルム Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミド樹脂とビニルアミド系重合体、ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体よりなるフィルム用ポリアミド組成物とそれよりなるフィルムに関する。更に詳しくは、マット調の風合いを有し、黄色味が少なくフィルム外観が良好であると共に、水蒸気透過度が大きく燻製処理効果に優れ、フィルター詰まり等のトラブルを低減することが可能な連続生産性に優れたフィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなるフィルムに関する。
ハム、ソーセージのような食肉加工品及びチーズの燻製処理及び熱処理による調理を行うために、動物の腸等の天然ケーシングや紙にビスコースを塗布含浸させたファイブラスケーシングが使用されている。しかしながら、動物の腸は形状及び強度が不揃いであり、一定の需要供給に難点がある。またファイブラスケーシングは、外観が高級感をイメージさせるため好まれるが、水蒸気の透過性が大きいために内容物の質量減少量が大きいこと、酸素の透過性が大きく、長期保存した際に内容物の腐敗やカビの発生といった問題があること、不快な臭いがあり、触感が硬いため使用に際して水に浸す等の前処理が必要であること等の難点がある。
一方、合成プラスチックケーシングとして用いられているポリアミド6やポリアミド66等のポリアミドフィルムは、高湿度下では多少の燻製処理効果が得られること、機械的強度、衝撃強度、寸法安定性、酸素遮断性が良好であり、内容物の長期保存を可能にする等の利点を有する。しかしながら、燻製効果はファイブラスケーシングに比べると非常に小さく、燻製ケーシング用としては不十分である。
これらポリアミドフィルムの燻製効果を改良する技術として、ポリアミドと親水性化合物を特定量混合し、かつポリアミドマトリックス中に該親水性化合物が特定長にて分散されたフィルムが提案されている(特許文献1参照)。親水性化合物として、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアルキルオキサゾリン、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコールエーテル、ポリビニルエーテル、セルロースエーテルが開示されている。同フィルムの水蒸気透過度は優れているものの、親水性化合物が高度にポリアミドマトリックス中に微分散しているため、該フィルムはマット調の風合いを呈せず高級感をイメージさせるには物足りない。さらに、親水性化合物としてポリビニルピロリドンを配合したポリアミドフィルムを開示しているが、該親水性化合物は20℃の水に可溶であることが記載されている。我々の検討によると、このような性状のポリビニルピロリドンが配合されたポリアミドフィルムの黄色度は極端に劣り、商品価値を著しく損なう場合があることが判明した。
また、ポリビニルピロリドンとポリアミド樹脂との混合物からなる食品用ケーシングフィルムが開示されている(特許文献2参照)。同文献の実施例によれば、架橋ポリビニルピロリドンをポリアミドに配合したフィルムを提案している。同フィルムはマット調の風合いを有し、高級感のイメージを付与したものであるが、水蒸気透過度に関しては更なる改良の余地があり、さらに、水蒸気透過度の向上や高級感を付与するために架橋ポリビニルピロリドンの配合量が大きくなると、フィルターへの詰まりが頻繁に発生し連続生産性に問題がある。
米国特許7361392号明細書 特開2002−306059号公報
本発明の目的は、マット調の風合いを有し、黄色味が少なくフィルム外観が良好であると共に、水蒸気透過度が大きく燻製処理効果に優れ、フィルター詰まり等のトラブルを低減することが可能な連続生産性に優れたフィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなるフィルムを提供することにある。
本発明者らはこれらの実状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂とビニルアミド系重合体、特定の平均径を有するポリ(N−ビニルラクタム)架橋体が特定割合にて配合されてなるフィルム用ポリアミド組成物及びそれよりなるフィルムが上記課題を解決することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(A)ポリアミド樹脂と、(B)ビニルアミド系重合体、平均粒径が10〜70μmである(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体よりなり、その配合割合は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ビニルアミド系重合体及び(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の合計量の配合割合が、(A):((B)+(C))=70:30〜98:2質量%であって、(B)ビニルアミド系重合体と(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合割合が、(B)/(C)=80/20〜20/80(質量比)であることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物及びそれよりなるフィルムの好ましい態様を以下に示す。好ましい態様は複数組み合わせることができる。
[1](B)ビニルアミド系重合体が、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)であり、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体がポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体であることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
[2](A)ポリアミド樹脂が、カプロラクタム単位、ヘキサメチレンアジパミド単位、ドデカンラクタム単位の群より選ばれる少なくとも1種を構成単位とする単独重合体あるいは共重合体であることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
[3](A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド6重合体、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体の群より選ばれるいずれかであることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
[4]前記フィルム用ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミドフィルム。
[5]前記フィルム用ポリアミド樹脂組成物からなる二軸延伸ポリアミドフィルム。
[6]前記フィルム用ポリアミド樹脂組成物からなる燻製ケーシングフィルム。
[7]40℃、90%RHで測定した水蒸気透過度は、1000g/m・day以上であり、黄色度(YI)が20以下でかつ光沢度(グロス値)が70%以下であることを特徴とするフィルム。
[8]上記のフィルムで燻製食品が包装されていることを特徴とする燻製食品。
本発明のフィルム用ポリアミド樹脂組成物は、ビニルアミド系重合体、特定の平均粒径を有するポリ(N−ビニルラクタム)架橋体を特定の配合量、比率にて含有していることから、マット調の風合いを有し、黄色味が少なくフィルム外観が良好であると共に、水蒸気透過度が大きく燻製処理効果に優れ、フィルター詰まり等のトラブルを低減することが可能であり、連続生産性に優れるという特性を有している。
同フィルムは、燻製香及び風味成分を含む水分が浸透しやすく、燻製処理に適しており、他方ガスに対しては適度に不透過性で、更にクリップ加工、シアリング加工、内容物充填等のケーシング加工を施しても十分に耐えうる強度を有していることから燻製ケーシングフィルムとして適している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)ポリアミド樹脂と、(B)ビニルアミド系重合体、平均粒径が10〜70μmである(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体よりなり、その配合割合は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ビニルアミド系重合体及び(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の合計量の配合割合が、(A):((B)+(C))=70:30〜98:2質量%であって、(B)ビニルアミド系重合体と(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合割合が、(B)/(C)=80/20〜20/80(質量比)である。
(A)ポリアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−CONH−)を有し、ラクタム、アミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩を原料として、溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法で縮合重合、又は共縮合重合することにより得られる。
ラクタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等、アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
また、ナイロン塩を構成するジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナデカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミン、2−/3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン、1,3−/1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−/1,4−シクロヘキサンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン、m−/p−キシリレンジアミン等の芳香族ジアミンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
一方、ナイロン塩を構成するジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
(A)ポリアミド樹脂において、これらラクタム、アミノカルボン酸、又はジアミンとジカルボン酸とからなるナイロン塩から誘導される単一重合体又は共重合体を各々単独又は混合物の形で用いる事ができる。
使用される(A)ポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリウンデカンラクタム(ポリアミド11)、ポリドデカンラクタム(ポリアミド12)、ポリエチレンアジパミド(ポリアミド26)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンウンデカミド(ポリアミド611)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド6T(H))、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリノナメチレンテレフタラミド(ポリアミド9T)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタラミド(ポリアミドTMHT)、ポリノナメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド9T(H))、ポリノナメチレンナフタラミド(ポリアミド9N)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンデカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド10T)、ポリデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド10T(H))、ポリデカメチレンナフタラミド(ポリアミド10N)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)、ポリドデカメチレンテレフタラミド(ポリアミド12T)、ポリドデカメチレンヘキサヒドロテレフタラミド(ポリアミド12T(H))、ポリドデカメチレンナフタラミド(ポリアミド12N)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンスベラミド(ポリアミドMXD8)、ポリメタキシリレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド(ポリアミドMXD12)、ポリメタキシリレンテレフタラミド(ポリアミドMXDT)、ポリメタキシリレンイソフタラミド(ポリアミドMXDI)、ポリメタキシリレンナフタラミド(ポリアミドMXDN)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテレフタラミド(ポリアミドPACMT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンイソフタラミド(ポリアミドPACMI)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリイソホロンアジパミド(ポリアミドIPD6)、ポリイソホロンテレフタラミド(ポリアミドIPDT)やこれらの原料モノマーを用いたポリアミド共重合体が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。得られるフィルムの耐熱性、機械的強度、透明性、経済性、入手の容易さ等を考慮して、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド6/66共重合体(ポリアミド6とポリアミド66の共重合体、以下、共重合体は同様に記載)、ポリアミド6/69共重合体、ポリアミド6/610共重合体、ポリアミド6/611共重合体、ポリアミド6/612共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体、ポリアミド6/6T共重合体、ポリアミド6/6I共重合体、ポリアミド6/IPD6共重合体、ポリアミド6/IPDT共重合体、ポリアミド66/6T共重合体、ポリアミド66/6I共重合体、ポリアミド6T/6I共重合体、ポリアミド66/6T/6I共重合体、ポリアミドMXD6であることが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/IPD6共重合体、ポリアミド6/IPDT共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体であることがより好ましい。ポリアミド6、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体であることがさらに好ましい。
(A)ポリアミド樹脂は、JIS K−6920に準じて測定した相対粘度が、2.0〜5.0であることが好ましく、2.5〜4.5であることがより好ましい。(A)ポリアミド樹脂の相対粘度が前記の値未満であると、得られるポリアミドフィルムの機械的性質が低くなることがある。一方、前記の値を超えると、溶融時の粘度が高くなり、フィルムの成形が困難となることがある。
なお、(A)ポリアミド樹脂の末端基の種類及びその濃度や分子量分布に特別の制約は無い。分子量調節や成形加工時の溶融安定化のため、モノアミン、ジアミン、モノカルボン酸、ジカルボン酸のうちの1種あるいは2種以上を適宜組合せて添加することができる。例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン、m−/p−フェニレンジアミン、m−/p−メタキシリレンジアミン等の芳香族ジアミンや酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−/β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸、アジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−/2,6−/2,7−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これら分子量調節剤の使用量は分子量調節剤の反応性や重合条件により異なるが、最終的に得ようとするポリアミド樹脂の相対粘度が前記の範囲になるように適宜決められる。
(A)ポリアミド樹脂については、更に、JIS K−6920に規定する低分子量物の含有量の測定方法に準じて測定した水抽出量は1.0%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。水抽出量が多いと、ダイ付近へのオリゴマー成分の付着が著しく、これら付着物によるダイラインやフィッシュアイの発生により外観不良が生じ易い。さらに、(A)ポリアミド樹脂は、オレフィン樹脂と比較して吸湿性が大きく、吸湿したものを使用すると、原料を溶融押出しする際、加水分解が起こるためオリゴマーが発生し、フィルム製造が困難となるので事前に乾燥し、水分含有率が0.1質量%以下とすることが好ましい。
本発明における(B)ビニルアミド系重合体とは、下記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体である。
Figure 0005663911
(式中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。但し、XとYが結合して窒素を含めたヘテロ環構造を形成しているものも含む。)
前記一般式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R、R、Rの例であるアルキル基の具体例としては、特に限定はされないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基等が好ましい。上記アルキル基は、必要に応じ、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。上記一般式(1)中、XおよびYはそれぞれ独立に水素原子または有機残基を表す。XとYの例である有機残基の具体例としては、特に限定はされないが、例えば、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。また、XとYが結合して窒素原子を含めたヘテロ環構造を形成しているものであってもよい。このようなヘテロ環構造としては、特に限定はされないが、例えば、環状のN−ビニルアミド類が持つヘテロ環構造が挙げられる。有機残基は、必要に応じ、ハロゲン基、水酸基、エステル基、カルボン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。XおよびYが表す水素原子および上記有機残基の中でも、水素原子およびメチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表される構造単位は、N−ビニルアミド系単量体に由来する。N−ビニルアミド系単量体の具体例としては、N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルフタルアミド、N−ビニルコハク酸アミド、N−ビニル尿素等が挙げられる。また、XとYが結合して窒素原子を含めたヘテロ環構造を形成しているものの例としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニル−7−メチル−ε−カプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−ビニル−4−メチルイミダゾール等の環状のN−ビニルアミド類が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの単量体の中でも、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルオキサゾリドンが、入手の容易さ、良好な重合反応性を有する点で好ましい。
(B)ビニルアミド系重合体は、一般式(1)で表されるN−ビニルアミド系構造単位とその他の単量体に由来する構造単位を共重合しても構わない。その他の単量体としては、一般式(1)で表されるN−ビニルアミド系単量体と共重合可能であれば特に限定はされないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等のモノエチレン系不飽和カルボン酸系単量体、およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩)を含有する単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸(イソ)プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸(イソ)プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2―ヒドロキシエチル,メタクリル酸−2―ヒドロキシエチル,アクリル酸−2―ヒドロキシプロピル,メタクリル酸−2―ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸−2―ヒドロキシエトキシエチル、メタクリル酸−2―ヒドロキシエトキシエチル等のカルボン酸エステル系単量体、およびそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩)を含有する単量体、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル等のジカルボン酸エステル系単量体、アクリル酸−2−スルホン酸エチル、メタクリル酸−2−スルホン酸エチル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリル酸−(3−スルホプロピル)エステル、メタクリル酸(3−スルホプロピル)エステル、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のスルホキシル基含有不飽和単量体およびその塩、アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチルメタクリルアミド、N―エチルアクリルアミド、N―エチルメタクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N―メチロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミド、N,N’―ジメチルアクリルアミド、N,N’―ジエチルアクリルアミド、N,N’―ジメチルメタクリルアミド、N,N’―ジエチルメタクリルアミド、N,N’―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキシメチルアクリルアミド,N―メトキシメチルメタクリルアミド,N―フェニルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のカルボン酸アミド系単量体、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピリジン等の塩基性不飽和単量体、およびその塩または第四級化物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2,2,1][2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、デカン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ヘキサン酸ビニル、オクタン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル系単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ビニルベンジルエーテル等のビニルエーテル系単量体、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、アリルフェニルーテル、アリルアセテート等のアリル系単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン類、スチレン、o−/p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−クロロスチレン等のスチレン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシ系単量体、ビニルエチレンカーボネー等のビニルカーボネート系単量体等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
N−ビニルアミド系構造単位の含有率は、特に限定はされないが、(B)ビニルアミド系重合体の全構造単位に対し、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。N−ビニルアミド系構造単位の含有率が前記の値未満であると疎水性に偏りすぎるため本発明の効果が発現しない場合がある。
重合方法としては、公知の重合方法、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等を用いることができ、特に限定はされない。重合温度は、特に限定はされないが、0〜300℃であることが好ましく、10〜200℃であることがより好ましく、25〜150℃であることがさらに好ましい。重合温度が前記の値未満であると、重合反応性が低下して重合反応が非常に遅くなる場合があり、一方、前記の値を超えると、副反応が多くなり、反応制御が困難になる場合がある。
重合反応の溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン等の脂環式飽和炭化水素類、シクロヘキセン等の脂環式不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−/3−ヘキサノン、2−/3−/4−ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキサクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールのエーテル類、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等のラクトン類、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−/s−/t−ブタノール、1−/2−/3−ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルのアルコール類、メトキシメタノール、2−メトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、3−メトキシプロパノール、2−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、4−メトキシブタノール、2−エトキシエタノール、2−エトキシプロパノール、3−エトキシプロパノール、2−エトキシブタノール、3−エトキシブタノール、4−エトキシブタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−イソプロポキシプロパノール、3−イソプロポキシプロパノール、2−イソプロポキシブタノール、3−イソプロポキシブタノール、4−イソプロポキシブタノール、2−(n−プロポキシ)エタノール、2−(n−プロポキシ)プロパノール、3−(n−プロポキシ)プロパノール、2−(n−プロポキシ)ブタノール、3−(n−プロポキシ)ブタノール、4−(n−プロポキシ)ブタノール、2−(n−ブトキシ)エタノール、2−(n−ブトキシ)プロパノール、3−(n−ブトキシ)プロパノール、2−(n−ブトキシ)ブタノール、3−(n−ブトキシ)ブタノール、4−(n−ブトキシ)ブタノール、2−(s−ブトキシ)エタノール、2−(s−ブトキシ)プロパノール、3−(s−ブトキシ)プロパノール、2−(s−ブトキシ)ブタノール、3−(s−ブトキシ)ブタノール、4−(s−ブトキシ)ブタノール、2−(t−ブトキシ)エタノール、2−(t−ブトキシ)プロパノール、3−(t−ブトキシ)プロパノール、2−(t−ブトキシ)ブタノール、3−(t−ブトキシ)ブタノール、4−(t−ブトキシ)ブタノール等のモノアルコキシアルコール類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、モルホリン、2−アミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド等のスルホン酸エステル類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の炭酸エステル類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の脂環式炭酸エステル類、水等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
これらの溶媒の中でも、生成共重合体の精製、回収の容易さ等の点から、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アルキレングリコールのエーテル類、アルコール類、アミド類、スルホン酸エステル類、炭酸エステル類、脂環式炭酸エステル類、水の中から選ばれたものが好ましく、ケトン類、エステル類、アルキレングリコールのエーテル類、アルコール類、アミド類、スルホン酸エステル類、炭酸エステル類、脂環式炭酸エステル類、水の極性溶媒群の中から選ばれたものがより好ましく、ケトン類、エステル類、アルキレングリコールのエーテル類、アルコール類、アミド類、脂環式炭酸エステル類、水の中から選ばれたものがさらに好ましく、アルコール類およびの水からなる群の中から選ばれたものが特に好ましい。
重合反応を行う際、原料混合物中の(B)ビニルアミド系重合体の全単量体成分の濃度は、特に限定はされないが、(B)ビニルアミド系重合体の全単量体成分の濃度は、1〜99質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、20〜80質量%であることがさらに好ましい。単量体の濃度が前記の値未満であると、生産性が悪い場合がある。
重合反応は、通常、重合開始剤を用いて行われる。重合開始剤としては、特に限定はされないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシジエチルアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−パーオシキイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−アミルパーオキシネオデカンノエート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、t−アミルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシオクトエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジアセチルパーオキシカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等その他の有機過酸化物類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1,1'−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−2−プロペニルプロパンアミド)、1−[(1−シアノ−1−メチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン) 二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(N−N′−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
重合開始剤の使用量については、その種類や重合方法によって異なるものの、重合反応が速やかに進行し、適切な重合度が得られるように適宜決定すればよく、特に限定はされないが、重合開始剤の配合量は、(B)ビニルアミド系重合体の全単量体成分100質量部に対し、0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることがさらに好ましい。重合開始剤の配合量が前記の値未満であると、重合反応が非常に遅くなる場合があり、一方、前記の値を超えると、副反応が多くなる等の場合がある。
また、重合反応の際、重合体の質量平均分子量を調整するために分子調整剤を使用してもよい。分子調整剤としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ギ酸、ギ酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシルアンモニウム、リン酸ヒドロキシルアンモニウム、ジブチルスルフィド、ジオクチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジブチルジスルフィド、ジヘキシルジスルフィド、ジアセチルジスルフィド、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩、チオグリコール酸エチル、2−アミノ−3−(t−ブチルジチオ)プロピオン酸、3,3’−ジチオビス(2−アミノプロピオン酸)(シスチン)、2,2’−ジチオ安息香酸、4,4’−ジチオ安息香酸、3,3’−ジチオジプロピオン酸、4,4’−ジチオビス酪酸(3−カルボキシプロピルジスルフィド)、4,4’−ジチオビス(2−アミノ酪酸)、4,4’−ジチオビスフェニル酢酸、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパン−1,2−ジオール、1,4−メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、エチル−2−メルカプトアセテート、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオグリセロール、ジエタノールスルフィド、チオジグリコール、エチルチオエタノール、チオ尿素、ジメチルスルホキシド、アリルアルコール、臭化アリル、塩化ベンジル、クロロホルム、テトラクロルメタン等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
分子量調整剤の使用量は、重合体の質量平均分子量が後記の範囲となるように適宜選択されるが、一般的に(B)ビニルアミド系重合体の全単量体成分100質量部に対し、0〜10質量部であることが好ましい。分子量調整剤の使用量が前記の値を超えると、重合反応が充分に進行せずに残留単量体が多くなり、質量平均分子量が1,000に達しないものが生成され易くなる場合がある。
また、pH調整剤を添加し、重合中の反応液pHを適宜調整することも可能である。pH調整剤としては、アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム溶液等の塩基性物質や塩酸、乳酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸等の酸性物質が挙げられる。
さらには、緩衝性キレート剤の使用も可能である。その具体例としては、ピロリン酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、リン酸三ナトリウム、水酸化カルシウム、ホウ砂、リン酸水素二ナトリウム無水物−リン酸一ナトリウム、炭酸ナトリウム−重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。緩衝性キレート剤の使用量については、特に限定はされないが、(B)ビニルアミド系重合体の全単量体成分100質量部に対し、0.001〜1.0質量部であることが好ましく、0.01〜0.5質量部であることがより好ましく、0.04〜0.3質量部であることがさらに好ましい。重合反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。重合反応により生成したN−ビニルアミド系重合体を精製する方法としては、例えば、再沈殿、透析、遠心分離、減圧乾燥等により溶媒を除去する方法等が挙げられるが、特に限定はされない。
(B)ビニルアミド系重合体の質量平均分子量は、1,0000〜5,000,000であることが好ましく、50,000〜4,000,000であることがより好ましく、100,000〜3,000,000であることがさらに好ましい。(B)ビニルアミド系重合体の質量分子量が前記の値未満であると、黄色度が高く、フィルム外観にマット調に艶消された風合いや高級感を付与することができない場合がある。一方、前記の値を超えると、フィルムの水蒸気透過や燻製効果が不十分となる場合がある。
(B)ビニルアミド系重合体は、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)重合体であることが好ましく、同重合体のK値が20〜120であることが好ましく、30〜100であることがより好ましい。K値はポリビニルピロリドンの分子量と相関し、従来からポリビニルピロリドンの分子量を測定するのに使用されている。ポリビニルピロリドンを濃度1%の水溶液とし、その相対粘度を測定し、フィッケンチャーの式により、kの値を求める。
logZ=C[75k2/(1+1.5kC)+k]
ここで、Zは濃度Cの水溶液の相対粘度、Cは水溶液の濃度を溶液濃度で示したものである。求めたkの値を1000倍することでK値が求められる。測定は3回行い、その平均値を用いる。また(B)ビニルアミド系重合体は架橋体ではない。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体とは、平均粒径が10〜70μmであり、N−ビニルラクタム単量体に由来する構造単位よりなる重合体をさらに架橋したものである。同架橋体に用いられるN−ビニルラクタム単量体としては、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニル−7−メチル−ε−カプロラクタムが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でもポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体であることが好ましい。ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体は、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)と区別するため、ポリ(N−ビニル)ポリ(2−ピロリドン)重合体(PVPP)、架橋体ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、不溶性ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)と呼ばれることがある。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体は、上記N−ビニルラクタム単量体とその他の単量体に由来する構造単位を共重合しても構わない。その他の単量体としては、酢酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアルキルエステル、メタクリルアルキルエステル、ヒドロシキシアクリレート、ヒドロキシメタクリレート、1−ブテン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセン、1−トリアコンテン等のα−オレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロロプレン、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニルモノマーが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体は架橋剤によって架橋されたものである。架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド、N,N’−エチレン−ビスアクリルアミド、N,N’−ジビニルエチレン尿素、N,N’−ジビニルプロピレン尿素、エチリデン−ビス−3−(N−ビニルピロリドン)、N,N’−ジビニルジイミダゾリル−(2,2’)ブタン、1,1’−ビス−(3,3’−ビニルベンズイミダゾリド−2−オン)−1,4−ブタン等のアルキレンビスアクリルアミド類、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の芳香族ジビニル化合物類、シアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパン等のトリアクリルエステル類、1−ビニル−3−エチリデンピロリドン、ブタンジオールジアクリレート、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ジビニルジオキサン、ペンタエリトリトールトリアリルエーテルが挙げられる。これらの中でも、N,N’−ジビニルエチレン尿素およびジビニルベンゼンが好ましい。これらは、1種又は2種以上を用いることができる。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の製造時に使用される架橋剤の量は、ポリ(N−ビニルラクタム)の全単量体成分100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜20質量部であることがより好ましい。架橋剤の使用量が前記の値未満であると架橋体としての強度が低下する場合があり、一方、前記の値を超えると重合時の取扱いが困難となる場合がある。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体を得る方法としては、例えばアゾ系や過酸化物系のラジカル開始剤を用いたラジカル重合、UVや電子線や放射線を用いた重合、イオン重合法、ポップコーン重合(増殖重合)法等が挙げられるが、中でもポップコーン重合法(増殖重合)が好ましい。ポップコーン重合(増殖重合)法とは特許公報昭54−30027号、同平3−39087号、公開特許公報昭61−78808号及び同昭61−78809号に記載のビニルラクタムモノマーを架橋剤及び溶剤と共に架橋させ架橋体を得る方法や、米国特許第2,938,017号、3,277,066号、3,759,880号及び特許公報昭58−42201号に記載のビニルラクタムモノマーをアルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ化合物によって架橋体を得る方法であり、両重合方法の概略についてはPolymer Journal,vol17,No.1,pp143−152(1985)に記載されている。
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体はポップコーン重合法によって得られたポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体であることが好ましい。ポップコーン重合は、公知の方法、例えば沈殿重合または塊状重合により実施することができる。(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体は、平均粒径が5μmから5mmでの粉末形態として得られるが、本発明において使用される(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体は、平均粒径が10〜70μmの範囲であり、10〜50μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が前記の値を超えると、フッシュアイゲルが発生しフィルム外観を損ねると共に、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の凝集物によるフィルターへの詰まりが顕著となり連続生産性に劣る。一方、前記の値未満であると、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体が凝集し易くなり、逆にフッシュアイゲルを発生させることになる。また、凝集を防止できたとしても、高級感のある艶消し状外観を呈するフィルム表面形状を得ることができない。(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の粒径が前記の範囲に適合しない場合、予め粉砕処理や分級を行うことが望ましい。一般に物理的な手段で微粒子を得る方法として、粒径の大きな既存の架橋体粒子を機械的に乾式及び湿式粉砕することで得られる。粉砕に用いる装置としては、ウルトラビスコミル、ビーズミル、アジテーターミル、ローラーミル、ハンマーミル、ボールミル、振動ミル、オートフォールミル、ジェットミル、アトマイザー等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、(A)ポリアミド樹脂、(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合割合は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ビニルアミド系重合体及び(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の合計量の割合が、(A):((B)+(C))=70:30〜98:2質量%の範囲内であり、75:25〜97:3質量%の範囲内であることが好ましく、80:20〜95:5質量%の範囲内であることがより好ましい。(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合量が前記の値未満であると、フィルム外観にマット調に艶消された風合いや高級感を付与することができないばかりか、親水性が失われ、本発明の効果が現われない。一方、前記の値を超えると、(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体が水、油処理等の操作により脱落し易くなる傾向となる。
さらに、得られるフィルムのマット観や水蒸気透過度等フィルム全体のバランス性能を勘案すると、(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合割合は、(B)/(C)=80/20〜20/80(質量比)であり、70/30〜30/70(質量比)であることが好ましく、60/40〜40/60(質量比)であることがより好ましい。(B)ビニルアミド系重合体の配合比が前記の値を超えると、マット調に艶消された風合いが付与できず、黄色度(YI)が高くなり、フィルム外観に劣り、一方、前記の値未満であると、フィルムの水蒸気透過度が小さくなる場合があるとともに、フィルム製膜時の連続生産性に劣る。
(B)ビニルアミド系重合体や(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の(A)ポリアミド樹脂への配合方法は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体に、必要に応じて各種添加剤を配合し、公知の方法で混合することによって製造される。例えば、タンブラーやミキサーを用いて、成形時に原料を直接添加するドライブレンド法、成形時に使用する濃度で予め原料を一軸又は二軸の押出機バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール等を用いて溶融混練する練り込み法、あるいは予め高濃度で原料を一軸又は二軸の押出機を用いて練り込み、これを成形時に希釈して使用するマスターバッチ法等が挙げられる。(B)ビニルアミド系重合体や(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の(A)ポリアミド樹脂への配合は、同時に行なっても、別々に行なってもどちらでも構わない。さらに、(B)ビニルアミド系重合体や、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体の配合方法が異なっていても構わない。本発明においては、予め溶融混練する練り込み法、あるいはマスターバッチ法による製造法が(B)ビニルアミド系重合体や(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋と(A)ポリアミド樹脂の絡み合いを強くすることができ望ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、得られるフィルムの特性を損なわない範囲内で、通常樹脂組成物に配合される各種の添加剤および改質剤、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、フィラー、粘着性付与剤、シール性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、可塑剤、架橋剤、発泡剤、着色剤(顔料、染料等)、耐屈曲疲労性改良材等を添加することができる。
さらに、ポリアミド樹脂組成物には、ビスアミド化合物を配合することが透明性、滑り性を改良する観点から好ましい。ビスアミド化合物としては、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ジオクタデシルアジピン酸アミド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
ビスアミド化合物の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、0.01〜0.5質量部であることが好ましく、0.02〜0.3質量部であることがより好ましく、0.03〜0.2質量部であることがさらに好ましい。配合量が前記の値未満であると、得られるフィルムの透明性、滑り性改良効果が小さい場合があり、一方、前記の値を超えると、フィルムの印刷性やラミネート加工時の密着性が低下する場合がある。
また、ポリアミド樹脂組成物には、フィルム製造時の延伸性やバリア性を改良するため、結晶化温度を有しない非晶性ポリアミドやm−キシリレンジアミン及びp−キシリレンジアミンから選ばれるキシリレンジアミンと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有する半芳香族ポリアミドを配合することが好ましい。
非晶性ポリアミドとは、示差走査型熱量計を用いて測定される吸熱曲線がベースの変化と区別がつかず、明確な融点を示さないポリアミドを指す。
非晶性ポリアミドとしては、例えばパラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル安息香酸、メタアミノメチル安息香酸等の芳香族アミノカルボン酸を主構成単位とするポリアミドまたはテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンを主構成単位とする半芳香族ポリアミドがあり、脂肪族ジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸をポリアミド構成単位とする半芳香族ポリアミドを配合することが好ましい。ここで使用される脂肪族ジアミン単位としては、1,6−ヘキサンジアミン単位が好ましく選択される。脂肪族ジアミンとテレフタル酸及び/又はイソフタル酸をポリアミド構成単位とするポリアミドは、上記ポリアミド構成単位が100質量%である重合体であってもよいが、他の構成単位、例えば、ラクタム、アミノカルボン酸、テレフタル酸及びイソフタル酸以外のジカルボン酸とジアミンにより導入されるポリアミド構成単位からなる共重合体であってもよい。他の共重合可能な構成単位としては、特に、ヘキサメチレンアジパミド単位、カプロラクタム単位、ドデカンラクタム単位であることが好ましい。
非晶性ポリアミドの具体例としては、ポリアミド6T/6I共重合体、ポリアミド6T/6I/66共重合体、ポリアミド6T/6I/6共重合体、ポリアミド6T/6共重合体、ポリアミド6I/6共重合体、ポリアミド6T/66共重合体、ポリアミド6I/66共重合体、ポリアミド6T/12共重合体、ポリアミド6I/12共重合体、ポリアミド6T/6I/12共重合体が挙げられる。
m−キシリレンジアミン及びp−キシリレンジアミンから選ばれるキシリレンジアミンと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有する半芳香族ポリアミドとは、m−キシリレンジアミン及びp−キシリレンジアミンから選ばれるキシリレンジアミンと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリアミド構成単位よりなり、ポリアミド構成単位内に芳香族環骨格を有する。該半芳香族ポリアミドにおいては、前記ポリアミド構成単位を除く他のポリアミド構成単位を共重合することも可能である。
他のポリアミド構成単位としては、キシリレンジアミンから誘導される単位以外のジアミン単位、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位以外のジカルボン酸単位及びその他の単位が挙げられる。
キシリレンジアミンから誘導される単位以外のジアミン単位としては、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−/3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン(イソホロンジアミン)、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン、p−ビス−(2−アミノエチル)ベンゼン等の芳香族ジアミンからなる単位が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導される単位以外のジカルボン酸単位としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、トリデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、エイコサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸からなる単位が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
その他の単位としては、カプロラクタム、ドデカンラクタム等のラクタム、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸、p−アミノメチル安息香酸等の芳香族アミノカルボン酸等のアミノカルボン酸からなる単位が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
半芳香族ポリアミドの具体例としては、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリメタキシリレンピメラミド(ポリアミドMXD7)、ポリメタキシリレンスベラミド(ポリアミドMXD8)、ポリメタキシリレンアゼラミド(ポリアミドMXD9)、ポリメタキシリレンセパカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカミド(ポリアミドMXD12)、ポリパラキシリレンアジパミド(ポリアミドPXD6)、ポリパラキシリレンアゼラミド(ポリアミドPXD9)等の単独重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンスペラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセパカミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンドデカミド共重合体等の共重合体が挙げられる。
結晶化温度を有しない非晶性ポリアミドやm−キシリレンジアミン及びp−キシリレンジアミンから選ばれるキシリレンジアミンと、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸から誘導されるポリアミド構成単位を分子鎖中に70モル%以上含有する半芳香族ポリアミドの配合量は、(A)ポリアミド樹脂100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、3〜25質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。配合量が前記の値未満であると、延伸性やバリア性の改良効果が小さい場合があり、一方、前記の値を超えると、溶融粘度が高く、フィルムの製造が困難となる場合がある。
本発明においては、(A)ポリアミド樹脂、(B)ビニルアミド系重合体、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体からなるポリアミド樹脂組成物(以下、原料ポリアミド樹脂組成物と呼ぶ場合がある。)を使用して、公知のフィルム製造方法を適用し、製膜することによりポリアミドフィルムが得られる。例えば、原料ポリアミド樹脂組成物を押出機で溶融混練し、T−ダイあるいはコートハンガーダイによりフラットフィルム状に押出し、キャスティングロール面上にキャスティング、冷却してフィルムを製造するキャスティング法、リング状ダイにより筒状に溶融押出したチューブ状物を空冷あるいは水冷してフィルムを製造するチューブラー法等がある。製造されたフィルムは実質的に無配向の未延伸フィルムとして使用できるが、得られるフィルムの強度及びガスバリア性の観点から二軸延伸フィルムであることが好ましい。
得られた未延伸フィルムを延伸するには、従来から知られている工業的方法により行うことができる。例えば、キャスティング法によって製造するフィルムは、未延伸シートをテンター式同時二軸延伸機で縦横同時に延伸する同時二軸延伸法、Tダイより溶融押出しした未延伸シートをロール式延伸機で縦方向に延伸した後、テンター式延伸機で横方向に延伸する逐次二軸延伸法、環状ダイより成形したチューブ状シートを気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法が挙げられる。延伸工程はポリアミドフィルムの製造に引続き、連続して実施しても良いし、ポリアミドフィルムを一旦巻き取り、別工程として延伸を実施しても良い。
延伸フィルムの延伸倍率は使用用途によって異なるが、テンター式二軸延伸法、チューブラー法において、通常、縦方向、横方向ともに1.5〜4.5倍であることが好ましく、2.5〜4.0倍であることがより好ましい。延伸温度は、30〜210℃であることが好ましく、50〜200℃であることがより好ましい。
上記方法により延伸されたフィルムは、引続き熱処理をすることもできる。熱処理することにより常温における寸法安定性を付与することができる。この場合の熱処理温度は、110℃を下限として該樹脂組成物の融点より5℃低い温度を上限とする範囲を選択するのがよく、これにより常温寸法安定性のよい、任意の熱収縮率をもった延伸フィルムを得ることができる。
熱処理操作により、充分に熱固定された延伸フィルムは、常法に従い、冷却して巻き取ることができる。
さらに、得られたポリアミドフィルムは、印刷性、ラミネート、粘着剤付与性を高めるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等の表面処理を行うことができる。また、必要に応じて、このような処理がなされた後、印刷、ラミネート、粘着剤塗布、ヒートシール等の二次加工工程を経てそれぞれの目的とする用途に使用することができる。
得られたポリアミドフィルムは、マット調の風合いを有し、黄色味が少なくフィルム外観が良好であると共に、水蒸気透過度が大きく燻製処理効果に優れ、単独での利用価値が高いが、これに他の熱可塑性樹脂を積層することにより、さらに多くの特性を付加させることが可能である。具体的にはポリアミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂層を積層して、積層フィルムとして使用することもできる。
該積層フィルムを製造するに当たっては、該原料ポリアミド樹脂組成物よりなる層の片面又は両面に他の基材を積層するが、その積層方法としては、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。共押出法は、該原料ポリアミド樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法であり、共押出シート成形、共押出キャスティングフィルム成形、共押出インフレーションフィルム成形等が挙げられる。押出ラミネート法は、ポリアミドフィルムと熱可塑性樹脂等の基材に、それぞれアンカーコート剤を塗布し、乾燥後、その間に熱可塑性樹脂等を溶融押出しながらロール間で冷却し圧力をかけて圧着することによりラミネートフィルムを得る方法である。ドライラミネート法は、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤をポリアミドフィルムに塗布し、乾燥後、熱可塑性樹脂等の基材と張り合わせることによりラミネートフィルムを得る方法である。ラミネート後のフィルムは、エージングすることで、接着強度を上げることができる。ラミネートする際には、ポリアミドフィルムの片面又は両面をコロナ処理して使用することが好ましい。
積層される熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂及び、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のカルボキシル基及びその金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物等の酸無水物基、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等のエポキシ基等の官能基が含有された化合物により変性された、上記ポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル(LCP)等のポリエステル系樹脂、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PPO)等のポリエーテル系樹脂、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)等のポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリチオエーテルスルホン(PTES)等のポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリルエーテルケトン(PAEK)等のポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)等のポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)等のポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル(PVAc)等のポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート(PC)等のポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)等のフッ素系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等を挙げられる。また、本発明において規定した前記ポリアミド樹脂を積層することも可能であり、フィルム強度のバランス、ガスバリア性の観点からポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)やエチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)を積層することが好ましい。
さらに、無延伸、一軸又は二軸延伸熱可塑性樹脂フィルム又はシートや熱可塑性樹脂以外の任意の基材、例えば、紙、金属系材料、織布、不織布、金属綿、木材等を積層することも可能である。金属系材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、金、銀、チタン、モリブデン、マグネシウム、マンガン、鉛、錫、クロム、ベリリウム、タングステン、コバルト等の金属や金属化合物及びこれら2種類以上からなるステンレス鋼等の合金鋼、アルミニウム合金、黄銅、青銅等の銅合金、ニッケル合金等の合金類等が挙げられる。
ポリアミドフィルムの厚みは用途により適宜決定すればよく、特に制限されないが、ポリアミドフィルムの厚さは、大きすぎればポリアミドフィルムの強度は向上するが、透明性や耐屈曲疲労性は低下し、小さすぎれば、酸素ガスバリア性及び水蒸気バリア性が低下するので、これらを勘案すれば、ポリアミド単層フィルムの場合、5〜100μmであることが好ましく、10〜80μmであることがより好ましく、15〜60μmであることがさらに好ましい。また、積層フィルムの場合、該原料ポリアミド樹脂組成物層の厚さとして、2〜100μmであることが好ましく、3〜80μmであることがより好ましく、5〜60μmであることがさらに好ましい。
ポリアミドフィルムが延伸フィルムである場合、80℃の熱水中に浸漬時の収縮率(熱水収縮率)は、縦横各々5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。そのため、燻製品を冷却した後でもケーシングは内容物にぴったり密着して、しわのないピンと張った最終包装製品を提供することができる。
ポリアミドフィルムは、40℃、90%RH(相対湿度)で測定した水蒸気透過度は、1000g/m・day以上であることが好ましく、1200g/m・day以上であることがより好ましい。水蒸気透過度が前記の値以上であることにより、包装した食品の長期保存の際、内容物の酸素による腐敗や水分の目減りを抑え、また、内容物の香味を保持することができる。
さらに、ポリアミドフィルムにおける黄色度(YI)が20以下であることが好ましく、食品包装用として好適な色調のくすみのないフィルムが得られる。
また、ポリアミドフィルムにおける光沢度(グロス値)は70%以下であることが好ましく、光沢度が小さいことにより、マット調の風合いを呈する高級感のあるフィルムが得られる。
本発明のポリアミドフィルムは、フィルム製造時の製膜性及び延伸性が良好であり、しかも適度の熱水収縮率、クリープ性、強靭性、ガスバリア性、寸法安定性等の特性を有する。また、優れた燻煙性と保存時における高度な酸素ガスバリア性を示すものであり、燻煙処理された食品包装体の長期間の保存に有用である。特に、酸素に敏感な食品、ハム、ソーセージ、ベーコン、肉類等の畜産加工品、チーズ等の乳製品、魚肉ソーセージ等の水産加工品、こんにゃく、ういろう等の農産加工品や卵製品、調理食品等の流動体・半流動体状の食品等を充填し包装するケーシングフィルムとして好適である。
以下において実施例及び比較例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例において使用した材料、及びフィルムの評価方法を示す。
[実施例及び比較例において使用した材料]
(A)ポリアミド樹脂
(A−1)ポリアミド6/66共重合体:宇部興産(株)製 UBE NYLON5033B,相対粘度4.0,融点198℃
(A−2)ポリアミド6重合体:宇部興産(株)製 UBE NYLON1022B,相対粘度3.35,融点220℃
(B)ビニルアミド系重合体
(B−1)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)重合体:BASFジャパン(株)製 ルビテック K90 (質量平均分子量: 1,500,000)
(B−2)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)重合体:BASFジャパン(株)製 ルビテックK30 (質量平均分子量: 50,000)
(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体
(C−1)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体:ISPジャパン(株)製 ポリプラスドン XL−10(平均粒径: 30 μm)
(C−2)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体:BASFジャパン(株)製 ルビクロス (平均粒径: 100 μm)
[光沢度(グロス)]
ASTM D−523に準じ、スガ試験機(株)製カラーコンピューターSM−5−IS−2Bを使用して光沢度(グロス値)を測定した。グロス値が70%以下の場合、十分なマット調が得られたと判断した。
[黄色度(YI)]
評価用フィルムからそれぞれ縦5.0cm、横5.0cmのサンプルを切出し、同サンプルを4枚重ね、スガ試験機(株)製カラーコンピューターSM−5−IS−2Bを使用して、黄色度(YI)を測定した。YI値が20%以下の場合、黄色味が小さいフィルムが得られたと判断した。
[酸素透過度]
ASTM D−3985に準じて、モダンコントロール(株)製MOCON−OX−TRAN2/20を使用して、23℃、0%RH(相対湿度)の条件下で測定した。
[水蒸気透過度]
ASTM F−1770に準じて、MAS社製透湿度測定器MAS1000を使用して、40℃、90%RH(相対湿度)の条件の下で測定した。水蒸気透過度が、1000g/m・day以上の場合、水蒸気透過度に優れていると判断した。
[燻製評価試験]
豚肉70質量%、水20質量%、澱粉7質量%及び食塩3質量%からなる豚肉ソーセージ原料約300gをチューブ状フィルムに充填し、両端をクリップで封じてそれぞれの包装体を得た。得られた各包装体をスモークチャンバー中で温度60℃、湿度10〜30%RH(相対湿度)の条件下で15分間乾燥後、温度60℃、湿度40〜60%RH(相対湿度)の条件下で90分間燻煙処理をし、即座に5〜10℃の冷却水中で10分間冷却した。燻煙効果確認の官能試験(パネルテスト)により、得られた包装体の燻煙効果を判定した。
官能試験(パネルテスト)の評価は下記のようにして行った。
0:燻煙性が認められない(燻煙効果なし)。
1:燻煙性が僅かに認められる。
2:燻煙性が明瞭に認められる。
3:燻煙性が強く認められる。
4:燻煙性が非常に強く認められる。
[連続生産性]
該原料樹脂組成物を使用して、円形ダイを備えた40mmφの押出機にて、押出温度260℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、未延伸フィルムを連続して製造した。成形中のフィルター差圧の経時測定を実施し、その上昇が顕著に認められる時点をフィルターが閉塞したと判定した。8時間の試験時間内に差圧の上昇が見られない場合を連続生産性良好と判断した。尚、サイズ80/125/125/80/80/125/125/80のフィルターメッシュを使用した。
実施例1
(A)ポリアミド樹脂(A−1)、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)を表1に示す割合にて配合したものを二軸押出機((株)日本製鋼所製 TEX30型)に供給し、押出機設定温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件で、溶融混練して、造粒、乾燥し、ポリアミド樹脂組成物を得た。
次に、円筒型混合機を用いて、該ポリアミド樹脂組成物のペレット100質量部に対して、エチレンビスステアリルアミド0.08質量部を配合した組成物を使用して、円形ダイを備えた40mmφ一軸フルフライトスクリューの押出機にて、押出温度260℃にて溶融させ、20℃の水により冷却しながら、引き取りを行い、実質的に無定形で配向していないチューブラー状のポリアミド未延伸フィルムを得た。引き続き、気体の圧力でインフレーション式に縦横同時に延伸するチューブラー延伸法にて、延伸温度160℃、延伸倍率(縦、横ともに)3.0倍にて延伸を行い、折り幅70mm、厚み25μの円筒状二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例2〜5
実施例1において、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例6
実施例2において、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)を(B−2)に変更した以外は、実施例2と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、(A)ポリアミド樹脂(A−1)を(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)を使用しない以外は、実施例1と同様の方法にて、二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例2〜3
実施例1において、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて、二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの物性測定結果を表1に示す。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例4〜5
実施例6において、(B)ビニルアミド系重合体(B−2)、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例6と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例6
実施例6において、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)を(C−2)に変えた以外は、実施例6と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例7
実施例1において、(B)ビニルアミド系重合体(B−1)を使用せず、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)を(C−2)に変え、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−2)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例1と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
比較例8
実施例6において、(C)ポリ(N−ビニルラクタム)架橋体(C−1)を使用せず、(B)ビニルアミド系重合体(B−2)の配合量を表1に示す量に変更した以外は、実施例6と同様の方法にて二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。また、上記の方法にて、連続生産性について調査した結果を表1に示す。
Figure 0005663911
表1から明らかなように、(B)、(C)成分を使用しない比較例1はマット調ではなくフィルム外観に劣り、水蒸気透過度や燻製効果は十分でなかった。また、(B)及び(C)成分を併用しても、その比率が本発明の規定以外であり、(B)及び(C)成分の配合量が規定範囲未満である比較例2は、マット調ではなくフィルム外観に劣り、水蒸気透過度や燻製効果は十分でなかった。一方、(B)及び(C)成分の配合量が規定範囲を超える比較例3は、黄色度が高く、かつ連続生産性に劣っていた。(B)及び(C)成分の配合比が本発明の規定範囲未満である比較例4は、水蒸気透過度や燻製効果に劣り、(B)及び(C)成分の配合比が本発明の規定範囲を超える比較例5は、黄色度が高く、またマット調フィルムが得られなかった。さらに本発明の規定以外の平均粒径を有する(C)成分を使用した比較例6は、水蒸気透過度や燻製効果に劣るとともに、連続生産性にも劣っていた。また、(C)成分のみを使用した比較例7は水蒸気透過度が小さく、燻製効果に劣るとともに、連続生産性にも劣っていた。さらに、(B)成分のみを使用した比較例8は黄色度が高く、マット調の風合いを有するフィルムが得られなかった。
一方、本発明に規定されているポリアミド樹脂組成物よリ得られる実施例1から7のフィルムは、マット調の風合いを有し、黄色味が少なくフィルム外観が良好であると共に、水蒸気透過度が大きく燻製処理効果に優れ、フィルター詰まりのトラブルが少なく連続生産性に優れることは明らかである。

Claims (8)

  1. (A)ポリアミド樹脂と、(B)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)と、平均粒径が10〜70μmである(C)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体よりなり、その配合割合は、(A)ポリアミド樹脂と(B)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)及び(C)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体の合計量の配合割合が、(A):((B)+(C))=70:30〜98:2質量%であって、(B)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)と(C)ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)架橋体の配合割合が、(B)/(C)=80/20〜20/80(質量比)であることを特徴とするフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
  2. (A)ポリアミド樹脂が、カプロラクタム単位、ヘキサメチレンアジパミド単位、ドデカンラクタム単位の群より選ばれる少なくとも1種を構成単位とする単独重合体あるいは共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記(A)ポリアミド樹脂が、ポリアミド6重合体、ポリアミド6/66共重合体、ポリアミド6/12共重合体、ポリアミド6/66/12共重合体の群より選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物からなるポリアミドフィルム。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物からなる二軸延伸ポリアミドフィルム。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載のフィルム用ポリアミド樹脂組成物からなる燻製ケーシングフィルム。
  7. 40℃、90%RH(相対湿度)で測定した水蒸気透過度が1000g/m・day以上であり、黄色度(YI)が20以下でかつ光沢度(グロス値)が70%以下であることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のフィルム。
  8. 請求項のいずれか1項に記載のフィルムで燻製食品が包装されていることを特徴とする燻製食品。
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