JP5663860B2 - 製造履歴情報管理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、部材の成形、加工、または組立を行う複数の作業工程を順次経て製品を製造する製造ラインにおいて、各作業工程から収集した製造に関する情報を蓄積し、提示する製造履歴情報管理装置および方法に関するものである。
本発明が対象とする加工・組立型製造工場(部材の成形、加工、または組立を行う複数の作業工程を順次経て製品を製造)の工程構成は、購入部材を加工または成形して中間部品を製造する工程、それらの中間部品と購入部材を組み合わせて新たな中間部品を製造する工程、およびそれらの中間部品と購入部材を組み合わせて製品に仕上げる工程が階層的に連携された構成になっている。
一般的に、各工程では製造管理番号(どの製品をいくつ製造するかの指示の管理番号のため製造指示番号とも呼ばれる。また、同じ条件で製造される単位でもあるので製造ロット番号にも代用される)を付与して、製造が行われる。製造管理番号は、製品や中間部品毎に1製造単位の数量などが異なることから製品や中間部品毎に異なる番号が付与されるのが一般的である。
このような製造形態の中で、製品出荷後の製品不具合によるクレーム(苦情)や工場内の検査工程で発生した不良に対する原因の特定や原因特定後の製品への影響範囲の特定を行うためには、製品および製品を構成している中間部品の各製造工程において、以下のような製造にかかわる情報を何らかの手段により蓄積しておき、使用された部品構成に従って蓄積した情報を辿っていく必要がある。
(1)作業者に関する情報:
当該製品(および製品を構成する部材)の製造にかかわった作業者の氏名、識別 番号など
(2)設備(機械、冶工具、作業台など)に関する情報:
当該製品(および製品を構成する部材)の製造に使用した設備の名称、識別番号 、動作設定値、動作状態値など
(3)部材(部品、材料、原料など)に関する情報:
当該製品(および製品を構成する部材)の製造に使用した部材の型式、製造ロッ ト番号など
(4)作業方法(手順、条件、環境など)に関する情報:
当該製品の製造時の作業順番、作業工程付近の温湿度、パーティクルカウンタ値 など
(5)検査結果に関する情報:
当該製品(および製品を構成する部材)の検査良否、不良内容、特性試験値、不 良修正内容など
従来は、各製造工程において上述した情報の中で経験上重要と思われる主要な情報項目のみを日報や専用記録票に手書きで記載することで蓄積・管理していた。
しかし、このような方法では、多くの部品数、作業工程数がある製造ラインの場合、膨大な時間と手間がかかり、限られた時間で対応しようとすると、情報の抽出間違えや不足などが発生し、不良の原因や不良原因の製品への影響範囲の特定精度も悪くなるという問題があった。
このような問題を解決するために、下記特許文献1では、機種(製品種類)や品質特性(不具合現象など)を指定することにより、品質特性に関係のある生産工程、部品を部品構成に従って階層的に並べた品質特性系統図を提示する方法が提案されている。
しかしながら、これはあくまで不良現象を発生させる可能性のある生産工程や部品の候補を提示するものであり、実際の原因を特定するには、現場の詳細情報を収集して、さらなる候補の絞込みのための調査・分析が必要となる。また、製品の不良となった原因の部品が複数の製品に共通で利用される場合の原因特定が難しいという問題もある。
これらの問題を解決するために、特許文献2では、部材情報や中間部品情報、さらに、製品の情報をデータベースに蓄積・管理し、これらの情報を製造ロット番号をキーにして順次辿ることで指定した製品ロットに使用された中間部品ロット、購入部材ロットの情報一覧、および指定した購入部材ロットを使用した中間部品ロット、製品ロットの情報一覧を提示する方法が提案されている。
特開2003−162311号公報 特開2006−172014号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載された従来技術では、中間部品データベースがどの中間部品も共通に蓄積・管理する構造になっているため、中間部品毎に製造情報項目が異なるような場合には、ここで提案されている中間部品データベースとは別に中間部品名称や中間部品ロット番号を主キーとして蓄積・管理することになり、データの蓄積・管理、および検索の処理が煩雑になるという問題がある。
さらに、一般的な加工・組立型製品の部品構成は、特許文献2に示されているような製品、中間部品、購入部材のきれいな3階層構成にはならず、製品は中間部品だけではなく購入部材が直接使われたり、中間部品も購入部材だけではなく別の中間部品が使われたりするなど、階層構成は製品や製造方法によって異なる。
そのため、提案されているデータベース構造で実現すると、製品データベースの使用中間部品名称、使用中間部品ロット番号の項目に使用購入部材名称、使用購入部材ロット番号を混在して格納したり、中間部品情報の使用購入部材名称、使用購入部材ロット番号の項目に使用中間部品名称、使用中間部品ロット番号」を混在して格納したりすることになるため、製造ロット番号の種類を判別しながら階層を追うことになり、検索する処理が複雑になるという問題がある。
また、検索・表示される製造履歴情報は、指定した製品ロットで使用された中間部品ロット、購入部材ロットの情報一覧、または指定した購入部材ロットを使用した中間部品ロット、製品ロットの情報一覧を順を追ってすべて提示する方法であるため、部品構成の階層が深くなったり、上述したように製品に中間部品だけではなく購入部材が直接使われたり、中間部品に購入部材だけではなく別の中間部品が使われたりするような場合は、表示列が増えたり、歯抜けになったりして見難い表示になってしまうという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製品の部品構成の階層が多い場合、または部品構成が製品、中間部品、購入部材のきれいな3階層構成でない場合においても、不良原因の特定および不良原因の製品への影響範囲の特定が迅速かつ精度良くできることを支援する製造履歴情報管理装置および方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の製造履歴情報管理装置は、製品の製造ラインを構成する複数工程の製造に関する情報を管理する製造履歴情報管理装置において、前記情報を収集する工程情報収集手段と、前記工程情報収集手段が工程単位に収集した情報と、製品の製造ロット番号または個体識別番号、中間部品の製造ロット番号、および購入部材の製造ロット番号(以下、製造ロット番号、固体識別番号をすべてロット番号という)と、を紐付けて蓄積するとともに、前記工程情報収集手段で収集する情報項目と対応付けて、購入部材や中間部品と、前記購入部材や前記中間部品を構成要素とする中間部品や製品との親子関係を予め定義した親子関係テーブルを持つ製造履歴情報蓄積手段と、前記情報を管理・制御する製造履歴情報管理制御手段と、前記情報を表示する製造履歴情報表示手段と、を備え、前記製造履歴情報管理制御手段は、前記工程情報収集手段が工程単位に収集した情報とロット番号とを紐付けて製造履歴情報蓄積手段に格納する情報管理手段と、前記親子関係テーブルを利用者の指示に従って定義・編集し、製造履歴情報蓄積手段に格納する親子関係テーブル定義手段と、指定されたロット番号を検索キーとして、前記親子関係テーブルに基づいて前記製造履歴情報蓄積手段に蓄積された情報と親子関係テーブルから中間部品と購入部材に関する情報を順次検索し、さらに指定された工程の表示要求項目のみに編集する情報検索手段と、を備え、前記親子関係テーブル定義手段は、前記親子関係テーブルに、中間部品を製造する工程および購入部材を受入れる工程の工程名称と該工程で管理するロット番号が工程単位で前記製造履歴情報蓄積手段に格納されている情報項目の名称または識別番号を子情報項目に定義し、前記子情報項目に対応する親情報項目には前記子情報項目に定義されている工程名称の工程で製造された中間部品または受入られた購入部材を構成要素として使用している工程の工程名称と前記構成要素とする中間部品名称または購入部材名称と前記構成要素とする中間部品または購入部材のロット番号が工程単位で前記製造履歴情報蓄積手段に格納されている情報項目の名称または識別番号を定義することを特徴とする。
また、本発明の製造履歴情報管理方法は、製品の製造ラインを構成する複数工程の製造に関する情報を管理する製造履歴情報管理装置の方法において、工程単位に収集する製造に関する情報の情報項目と対応付けて、購入部材や中間部品と、前記購入部材や前記中間部品を構成要素とする中間部品や製品との親子関係を親子関係テーブルに予め定義・編集して、データベースに格納し、工程単位に製造に関する情報を収集する過程と、収集した情報と製品の製造ロット番号または個体識別番号、中間部品の製造ロット番号、および購入部材の製造ロット番号(以下、製造ロット番号、固体識別番号をすべてロット番号という)とを紐付けてデータベースに蓄積する過程と、指定されたロット番号を検索キーとして、親子関係テーブルに基づいて前記製造履歴情報蓄積手段に蓄積された製造履歴情報から中間部品と購入部材に関する情報を順次検索し、さらに指定された工程の表示要求項目のみに編集する過程と、編集された結果を表示する過程と、前記親子関係テーブルは、子情報項目に中間部品を製造する工程および購入部材を受入れる工程の工程名称と該工程で管理するロット番号が工程単位で前記データベースに格納されている情報項目の名称または識別番号を定義し、前記子情報項目に対応する親情報項目には前記子情報項目に定義されている工程名称の工程で製造された中間部品または受入られた購入部材を構成要素として使用している工程の工程名称と前記構成要素とする中間部品名称または購入部材名称と前記構成要素とする中間部品または購入部材のロット番号が工程単位で前記データベースに格納されている情報項目の名称または識別番号が定義されていることを特徴とする。

本発明の製造履歴情報管理方法および装置によれば、製品出荷後の製品不具合によるクレーム(苦情)や工場内の検査工程で発生した不良に対する原因の特定、不良原因の製品への影響範囲の特定が迅速かつ精度良くできるという効果がある。
本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の製造履歴情報蓄積手段の製造履歴情報のデータ管理形態の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の製造履歴情報蓄積手段の親子関係テーブルのデータ管理形態の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の製造履歴情報管理制御手段による製品ロットから部材情報を検索する場合の流れと結果の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る製品ロットから部材情報を検索した場合の表示例を示す図である。 本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の製造履歴情報管理制御手段による部材情報から製品ロットを検索する場合の流れと結果の例を示す図である。 本発明の実施形態に係る部材情報から製品ロットを検索した場合の表示例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置の構成を示すブロック図である。図1において本発明の実施形態に係る製造履歴情報管理装置は、バス100を介して製造履歴情報管理制御手段200、製造履歴情報蓄積手段300、製造履歴情報表示手段400、および、第1の情報取得手段110〜第4の情報取得手段140が接続される構成である。そして製造履歴情報管理制御手段200は、一般の情報処理装置にあてはめれば、プログラムによって制御される中央制御装置ユニットに相当し、また製造履歴情報蓄積手段300はRAM(Random Access Memory)に相当し、製造履歴情報表示手段400はディスプレイ(出力装置)に相当し、さらに第1の情報取得手段110〜第4の情報取得手段140は入力装置に相当する。なお、製造履歴情報管理制御手段200を制御するためのプログラムを格納するプログラム格納部は図1には示していないが、製造履歴情報管理制御手段200内に備えられているものとする。
ここで第1の情報取得手段110〜第4の情報取得手段140の構成について説明すると、たとえば第1の情報取得手段110は、製造にかかわる作業工程1に配置されており、工程情報収集手段112および製品、作業者、設備、部材、製造方法などの製造にかかわる情報の記憶部(以下、単に、"記憶部"と称する)114を備えている。記憶部114は、図示していないが作業工程1に配置された工程端末(パソコン)を使って工程作業従事者(図示せず)が作業に従事する過程で作業工程における製品、部品、設備、作業者などの製造にかかわる情報を入力するようにし、入力された上記製造にかかわる情報は工程端末(パソコン)と情報取得手段110とのインタフェース(図示せず)を経て記憶部114に記憶される。
まず、製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201が、プログラムに基づいて第1の情報取得手段110から情報を取得するための制御を実行すると、第1の情報取得手段110に係る工程情報収集手段112は、記憶部114に記憶されている作業工程1における製品、作業者、設備、部材、製造方法などの製造にかかわる情報を収集し、収集した上記製造にかかわる情報を製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201にバス100を経由して伝送する。製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201は、上記製造にかかわる情報を製造履歴情報として管理するために製品の製造ロット番号や個体識別番号などに紐付けて製造履歴情報蓄積手段300に格納して管理する。
同様に、製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201が、プログラムに基づいて第3の情報取得手段130から情報を取得するための制御を実行すると、第3の情報取得手段130に係る工程情報収集手段132は、記憶部134に記憶されている検査工程1における製品、作業者、設備、部材、製造(検査)方法などの検査にかかわる情報および製品の検査良否、不良現象などの検査結果情報を収集し、収集した上記検査にかかわる情報等を製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201にバス100を経由して伝送する。製造履歴情報管理制御手段200における情報管理手段201は、上記検査にかかわる情報等を製造履歴情報として管理するために製品の製造ロット番号や個体識別番号などに紐付けて製造履歴情報蓄積手段300に格納して管理する。
なお、上記においては第2の情報取得手段120は図1では作業工程nと表示し、第4の情報取得手段140は図1では検査工程kと表示して、作業工程2,・・,(n−1)および検査工程2,・・,(k−1)に係る中間の工程についての表示をそれぞれ省略している。なお検査工程は作業工程の合間に挿入される場合が多いことから一般的にはn≧kに設定される。これ以降、作業工程1,・・,(n−1)および検査工程1,・・,(k−1)の各工程を単に工程と呼ぶ。
上記において紐付け管理は、リレーショナルデータベースを使用して製品の製造ロット番号や個体識別番号などを主キーとして管理するような方法でも良い。また製品の製造ロット番号や個体識別番号などと各種製造(検査含む)情報を紐付けられれば、リスト構造などの独自のデータベース構成で管理することも可能である。
一例として、製品の管理No.(製造ロットNo.)に各種製造(検査含む)情報を紐付けるデータ管理形態の例を図2に示す。ここでは、製造工程として製品組立工程、中間部品A組立工程、中間部品B組立工程、および購入部材受入工程があり、それぞれの製造工程は複数の工程で構成されている例を示している。製造工程は、同一の管理No.で作業が行われる一連の工程のグループとしている。
製品組立工程、中間部品A組立工程、中間部品B組立工程の製造工程においては、それぞれ複数ある工程のうち、組立No.1工程、検査No.1工程の2つを示し、それらの一部のデータを示している。また、購入部材受入工程の製造工程においては、複数ある工程のうち、部材受入No.1工程を示し、その一部のデータを示している。
例えば、製品組立工程では、製造ロットNo.がINV0001の製品は、組立No.1工程で製造ロットNo.がML0001の中間部品Aが使用され、検査No.1工程は作業者Aさんが行い、不良数は5であることを示している。中間部品A組立工程、中間部品B組立工程の製造工程も同様な内容を示している。
また、製造履歴情報管理制御手段200における親子関係テーブル定義手段202は、プログラムに基づいて、製造履歴情報蓄積手段300に蓄積されている製造履歴情報の項目を対応付けすることで購入部材や中間部品とそれらを使用する中間部品や製品の親子関係を定義する親子関係テーブルを本装置利用者の指示に従って定義・編集することができる。
この親子関係テーブルの定義例を前記図2に示した製造履歴情報のデータ管理形態の例を使って図3に示す。親子関係テーブルでは、製品、中間部品、購入部材を製造する工程の管理No.の情報項目の名称(または識別番号)を子情報項目に定義し、それらを使用している工程における部材の製造ロットNo.の情報項目の名称(または識別番号)を親情報項目に定義する。
図3の例では、まず、製品には中間部品Aが使われていることを親子関係テーブルで具体的に示すために、1行目の親情報項目に「製品組立工程の組立No.1工程の中間部品AロットNo.」、子情報項目に「中間部品A組立工程の組立No.1工程の管理No.」を定義し、2行目の親情報項目に「製品組立工程の組立No.1工程の中間部品AロットNo.」、子情報項目に「中間部品A組立工程の検査No.1工程の管理No.」を定義している。
この例では、子情報項目として同一製造工程内の異なる工程の管理No.を定義しているため2行となっているが、製造工程に含まれる工程は同一管理No.で一連に作業される工程としていることから子情報項目を1つにまとめて「中間部品A組立工程の管理No.」のように同一製造工程内の異なる工程の管理No.を集約した定義も可能とする。
次に、中間部品Aには中間部品Bと購入部材1が使われいることを親子関係テーブルで具体的に示すために、3行目の親情報項目に「中間部品A組立工程の組立No.1工程の中間部品BロットNo.」、子情報項目に「中間部品B組立工程の組立No.1工程の管理No.」を定義し、4行目の親情報項目に「中間部品A組立工程の組立No.1工程の中間部品BロットNo.」、子情報項目に「中間部品B組立工程の検査No.1工程の管理No.」を定義し、5行目の親情報項目に「中間部品A組立工程の組立No.1工程の購入部材1ロットNo.」、子情報項目に「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.」を定義している。
この例も子情報項目として同一製造工程内の異なる工程の管理No.を3行と4行に分けてを定義しているが、上述したように子情報項目を1つにまとめて「中間部品B組立工程の管理No.」のように同一製造工程内の異なる工程の管理No.を集約した定義も可能とする。
次に、中間部品Bには購入部材2が使われいることを親子関係テーブルで具体的に示すために、6行目の親情報項目に「中間部品B組立工程の組立No.1工程の購入部材2ロットNo.」、子情報項目に「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.」を定義している。
次に、製造履歴情報管理制御手段200における情報検索手段203は、本装置利用者が製造履歴情報表示手段400などを利用して指示される製品の製造ロット番号または個体識別番号、または中間部品の製造ロット番号を出発点として、親子関係テーブルに基づいて、使用されている中間部品ロットと購入部材ロットに関する製造履歴情報を順次検索していく。そして、その検索結果を製造履歴情報表示手段400に表示する。
このとき、検索したすべての製造履歴情報を表示するのではなく、本装置利用者が製造履歴情報表示手段400などを利用して指示する表示したい工程の情報項目のみ表示するように項目を編集する。
製造履歴情報蓄積手段300は、製造工程が複数の工程で構成され、各工程の情報項目は、その工程に関係する製品や部品の種類ごとに異なる情報項目が蓄積されている。また、製品とその製品を構成する中間部品、部材との関係は親子関係テーブルで予め定義することにより、検索が迅速かつ精度良くできる。
従来の製造履歴情報蓄積手段(図示せず)では、製品、中間部品、部材、設備、検査結果などの製造情報がそれぞれ蓄積されたデータベースと製造ロット番号や工程情報とを紐付けて蓄積することになる。所望する製造情報を検索する場合、製品や部品の種類ごとに情報項目が異なるため、検索条件が複雑となるという問題がある。
図4で、製品の管理No.を指定して構成する部材に関する製造履歴情報を検索・表示する例について説明する。ここでは、製造ロットNo.INV0001の製品が使用している購入部品のロットNo.と部材名およびメーカを知りたい場合に、製品の管理No.にINV0001、表示要求項目に「製品組立工程の組立No.1工程の管理No.と検査No.1工程の作業者」、「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.と部材名およびメーカ」が指定された例で説明する。
このとき、まず、製造履歴情報管理制御手段200における情報検索手段203は、製品組立工程内の工程において管理No.INV0001に該当する製造履歴情報をすべて検索する。
次に、製品組立工程の組立No.1工程の中間部品AロットNo.が、親子関係テーブルに親情報項目として定義されており、その子情報項目が中間部品A組立工程の組立No.1工程および検査No.1工程の管理No.であり、製品の管理No.INV0001の中間部品AロットNo.がML0001なので、中間部品A組立工程内の工程において管理No.ML0001に該当する製造履歴情報をすべて検索する。
次に、中間部品A組立工程の組立No.1工程の中間部品BロットNo.が、親子関係テーブルに親情報項目として定義されており、その子情報項目が中間部品B組立工程の組立No.1工程および検査No.1工程の管理No.であり、中間部品Aの管理N
o.ML0001の中間部品BロットNo.がBL0001なので、中間部品B組立工程内の工程において管理No.BL0001に該当する製造履歴情報をすべて検索する。
次に、中間部品A組立工程の組立No.1工程の購入部材1ロットNo.が、親子関係テーブルに親情報項目として定義されており、その子情報項目が購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.であり、中間部品Aの管理No.ML0001の購入部材1ロットNo.がWL0001なので、購入部材受入工程内の工程において管理No.WL0001に該当する製造履歴情報をすべて検索する。
次に、中間部品B組立工程の組立No.1工程の購入部材2ロットNo.が、親子関係テーブルに親情報項目として定義されており、その子情報項目が購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.であり、中間部品Bの管理No.BL0001の購入部材2ロットNo.がDL0001なので、購入部材受入工程内の工程において管理No.DL0001に該当する製造履歴情報をすべて検索する。この検索の結果、本装置内部では図4に示すようにそれぞれの工程の製造履歴情報が抽出される。
次に、先に表示要求項目に指定された「製品組立工程の組立No.1工程の管理No.と検査No.1工程の作業者」、「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.と部材名およびメーカ」の項目のみ表示するように編集して、製造履歴情報表示手段400に表示する。その表示形態の例を図5に示す。
図5の例では、管理No.INV0001の製品は、ロットNo.WL0001(購入部材1、A社製)とロットNo.DL1001(購入部材2、B社製)の購入部材が使用されていることが容易にわかる。
このようにして、製品または中間部品の管理No.を指定し、それに該当する製造履歴情報項目の中から任意に指定した項目を表示できるようにしたことで、着眼したい項目だけ表示されるため視認性がよくなり迅速な製造履歴情報の把握が可能となる。
例えば、クレームが発生している複数の製品管理No.を指定して、購入部材ロットNo.や中間部品ロットNo.を表示要求項目として指定すると他の余分な示情報項目が除
かれ、共通に使用している購入部材ロットNo.や中間部品のロットNo.などが容易にわかるため、部材のロット不良等が迅速に判断可能となる。
図6で、上述の例とは逆に、部材の製造情報の条件を指定してそれを使用している中間部品、製品に関する製造履歴情報を検索・表示する例について説明する。
ここでは、ロットNo.WL0001の購入部材を使用している製品の管理No.と製品組立工程の検査No.1工程の製造履歴情報を知りたい場合に、購入部材のロットNo.にWL0001、表示要求項目に「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.と部材名およびメーカ」、「製品組立工程の組立No.1工程の管理No.と検査No.1工程の作業者、不良数」が指定された例で説明する。
このとき、まず、製造履歴情報管理制御手段200における情報検索手段203は、製造ロットNo.WL0001に該当する購入部材の購入部材受入工程内の工程の製造履歴情報をすべて検索する。
次に、購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.が、親子関係テーブルに子
情報項目として定義されており、その親情報項目が中間部品B組立工程の組立No.1工程の購入部材2ロットNo.であり、購入部材の管理No.がWL0001なので、中間部品B組立工程の組立No.1工程の購入部材1ロットNo.がWL0001となっている中間部品B組立工程における作業工程の製造履歴情報をすべて検索する。この例では、該当なしとなる。
さらに、購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.が、親子関係テーブルに子情報項目として定義されてており、その親情報項目が中間部品A組立工程の組立No.1工程の購入部材1ロットNo.であり、購入部材の管理No.がWL0001なので、中間部品A組立工程の組立No.1工程の購入部材1ロットNo.がWL0001となっている中間部品A組立工程内における工程の製造履歴情報をすべて検索する。この例では、中間部品A組立工程の管理No.ML0001の中間部品の製造履歴情報が検索できる。
次に、中間部品A組立工程の組立No.1工程の管理No.が、親子関係テーブルに子情報項目として定義されており、その親情報項目が製品組立工程の組立No.1工程の中間部品AロットNo.であり、中間部品A組立工程の管理No.がML0001なので、製品組立工程の組立No.1工程の中間部品AロットNo.管理No.がML0001となっている製品組立工程内における工程の製造履歴情報をすべて検索する。この例では、製品組立工程の管理No.INV0001とINV0002の製品の製造履歴情報が検索できる。この検索の結果、本装置内部では図6に示すようにそれぞれの工程の製造履歴情報が抽出される。
次に、表示要求項目に指定された「購入部材受入工程の部材受入No.1工程の管理No.と部材名およびメーカ」、「製品組立工程の組立No.1工程の管理No.と検査No.1工程の作業者、不良数」の項目のみ表示するように編集して、製造履歴情報表示手段400に表示する。その表示形態の例を図7に示す。
図7の例では、ロットNo.WL0001の購入部材は、製品管理No.がINV0001(検査作業者:Aさん、不良数:5)とINV0002(検査作業者:Bさん、不良数:3)に使用されていることが容易にわかる。
このようにして、中間部品または購入部材の情報項目値を指定し、それに該当する製造履歴情報項目の中から任意に指定した項目を表示できるようにしたことで、着眼したい項目だけ表示されるため視認性がよくなり迅速な製造履歴情報の把握が可能となる。
例えば、ロット不良の購入部材のロットNo.を指定して、中間部品の管理No.や製品の管理No.を表示要求項目として指定すると他の余分な情報項目が除かれ、不良の購入部材ロットNo.を使用している中間部品のロットNo.や製品のロットNo.などがダイレクトにわかるため、不良原因の製品への影響範囲が迅速に判断可能となる。
100 バス
110 第1の情報取得手段
112 工程情報収集手段
114 記憶部
120 第2の情報取得手段
122 工程情報収集手段
124 記憶部
130 第3の情報取得手段
132 工程情報収集手段
134 記憶部
140 第4の情報取得手段
142 工程情報収集手段
144 記憶部
200 製造履歴情報管理制御手段
201 情報管理手段
202 親子関係テーブル定義手段
203 情報検索手段
300 製造履歴情報蓄積手段
400 製造履歴情報表示手段



Claims (2)

  1. 製品の製造ラインを構成する複数工程の製造に関する情報を管理する製造履歴情報管理
    装置において、
    前記情報を収集する工程情報収集手段と、
    前記工程情報収集手段が工程単位に収集した情報と、製品の製造ロット番号または個体識別番号、中間部品の製造ロット番号、および購入部材の製造ロット番号(以下、ロット番号という)と、を紐付けて蓄積するとともに、前記工程情報収集手段で収集する情報項目と対応付けて、購入部材や中間部品と、前記購入部材や前記中間部品を構成要素とする中間部品や製品との親子関係を予め定義した親子関係テーブルを持つ製造履歴情報蓄積手段と、
    前記情報を管理・制御する製造履歴情報管理制御手段と、
    前記情報を表示する製造履歴情報表示手段と、
    を備え、
    前記製造履歴情報管理制御手段は、
    前記工程情報収集手段が工程単位に収集した情報とロット番号とを紐付けて製造履歴情報蓄積手段に格納する情報管理手段と、
    前記親子関係テーブルを利用者の指示に従って定義・編集し、製造履歴情報蓄積手段に
    格納する親子関係テーブル定義手段と、
    指定されたロット番号を検索キーとして、前記親子関係テーブルに基づいて前記製造履歴情報蓄積手段に蓄積された情報と親子関係テーブルから中間部品と購入部材に関する情報を順次検索し、さらに指定された工程の表示要求項目のみに編集する情報検索手段と、
    を備え、
    前記親子関係テーブル定義手段は、前記親子関係テーブルに、中間部品を製造する工程および購入部材を受入れる工程の工程名称と該工程で管理するロット番号が工程単位で前記製造履歴情報蓄積手段に格納されている情報項目の名称または識別番号を子情報項目に定義し、前記子情報項目に対応する親情報項目には前記子情報項目に定義されている工程名称の工程で製造された中間部品または受入られた購入部材を構成要素として使用している工程の工程名称と前記構成要素とする中間部品名称または購入部材名称と前記構成要素とする中間部品または購入部材のロット番号が工程単位で前記製造履歴情報蓄積手段に格納されている情報項目の名称または識別番号を定義することを特徴とする製造履歴情報管理装置。
  2. 製品の製造ラインを構成する複数工程の製造に関する情報を管理する製造履歴情報管理装置の方法において、
    工程単位に収集する製造に関する情報の情報項目と対応付けて、購入部材や中間部品と、前記購入部材や前記中間部品を構成要素とする中間部品や製品との親子関係を親子関係テーブルに予め定義・編集して、データベースに格納し、
    工程単位に製造に関する情報を収集する過程と、
    収集した情報と製品の製造ロット番号または個体識別番号、中間部品の製造ロット番
    号、および購入部材の製造ロット番号(以下、ロット番号という)とを紐付けてデータベースに蓄積する過程と、
    指定されたロット番号を検索キーとして、親子関係テーブルに基づいて前記製造履歴情報蓄積手段に蓄積された製造履歴情報から中間部品と購入部材に関する情報を順次検索し、さらに指定された工程の表示要求項目のみに編集する過程と、
    編集された結果を表示する過程と、
    前記親子関係テーブルは、子情報項目に中間部品を製造する工程および購入部材を受入れる工程の工程名称と該工程で管理するロット番号が工程単位で前記データベースに格納されている情報項目の名称または識別番号を定義し、前記子情報項目に対応する親情報項目には前記子情報項目に定義されている工程名称の工程で製造された中間部品または受入られた購入部材を構成要素として使用している工程の工程名称と前記構成要素とする中間部品名称または購入部材名称と前記構成要素とする中間部品または購入部材のロット番号が工程単位で前記データベースに格納されている情報項目の名称または識別番号が定義されていることを特徴とする製造履歴情報管理方法。
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