JP5663721B2 - 直接感光性ポリマー組成物およびその方法 - Google Patents

直接感光性ポリマー組成物およびその方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2006年12月6日に出願された米国仮特許出願第60/873,201号に基づく利益を主張し、そのすべての内容は参照により本明細書に組み入れられる。
本発明は、一般的には、直接感光性ポリマー、このようなポリマーを含有する組成物、このようなポリマーおよびポリマー組成物を製造するための方法、フィルム、層および/または構造物を形成するためのこのような組成物の使用、ならびにこのような組成物の使用によって形成されるフィルム、層もしくは構造物を含むマイクロエレクトロニクスデバイスおよび/またはオプトエレクトロニクスデバイスに関する。より具体的には、本発明は、ノルボルネン型反復単位を有するポリマー骨格を含む感光性ポリマーおよびその組成物、このようなポリマーおよび組成物を製造するための方法、ならびにこのようなポリマー組成物のマイクロエレクトロニクス用途およびオプトエレクトロニクス用途における使用を対象とする。
マイクロエレクトロニクス産業およびオプトエレクトロニクス産業は、材料の耐用年数ならびにマイクロエレクトロニクスデバイスおよびオプトエレクトロニクスデバイスの製造に必要とされる方法の拡大に成功している。しかし、このようなデバイスの複雑さおよび求められる性能が高まったため、このような成熟した材料および方法はますます多くの課題を有するようになっている。従って、次世代のこのようなデバイスの要求を満たす新規の材料および方法を取得すること、ならびに現在のデバイスの生産量を向上させコストを削減することは有利であろう。
本発明の実施形態は、下記の添付図面を参照して以下に記載される。
図1は、下記の実施例P2に記載されるポリマーについての波長に対するパーセント透過率のグラフである。 図2は、ノルボルネン型ポリマー内のヒンダード芳香族ペンダント官能基の機能の1つの態様について考えられる機構を図示する。 図3は、実施例P12のポリマーのダイナミックTGAである。 図4は、下記の実施例P7のポリマーについての酸化誘導時間のグラフである。 図5は、下記の実施例P8のポリマーについての酸化誘導時間のグラフである。 図6は、ポリマー組成物の4つのサンプルについての酸化誘導時間の差異を説明するグラフであり、各サンプルは示されているような異なる硬化温度を有する。
詳細な説明
本発明の典型的な実施形態は下記に記載される。このような実施形態が開示される場合、このような典型的な実施形態の様々な改良、適合または変形は、当業者にとって明白になりうる。例えば、有利なポリマー組成物を形成するために、本明細書において開示される2つ以上の多環式ポリマーまたはポリマー組成物が互いに適切な比率で混合され得ることを、当業者は認識しうる。本発明の教示に依存し、これらの教示が当技術分野を発展させる、すべてのこのような改良、適合または変形は、本発明の範囲および趣旨内であると考えられることが理解されるであろう。
様々な数値域および数値が本明細書において下記に開示される。このような数値域は連続的であるため、それらはそれぞれの数値域の最小値および最大値ならびにその間のすべての値を含む。更に、その数値域が整数を指す場合、それらは最大および最小の整数値ならびにその間のすべての整数を含む。他に明示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲において特定される様々な数値域および数値は、特に、このような値の獲得において見られる測定の様々な不確実性を反映した近似値であり、従って、すべての場合において「約」という用語によって修飾されることが理解されるべきである。
本明細書において用いられる場合、「ポリマー」という用語は、より小さい分子(モノマー)から構成される高分子を意味する。更に、ポリマーは、(上述のモノマーに由来する)化学的に関連した多数の反復単位からなる特徴的な鎖状構造(すなわち骨格)を有することが理解される。更にまた、「ポリマー」という用語は、このようなポリマーの合成に伴う開始剤、触媒および他の成分由来の残留物をも含むことが理解され、このような残留物は、ポリマーに共有結合的には取り込まれてはいないと理解される。更にまた、このような残留物および他の成分は、重合後の精製過程の間に通常は除去されるが、容器間または溶媒もしくは分散媒間を移される際に、それらは通常ポリマーに残留するため、一般的にポリマーに混合または混入される。
本明細書において用いられる場合、「ポリマー組成物」という用語は、ポリマー、およびポリマー組成物の特定の特性を提供するために、または改変するためにポリマーに添加される1つ以上の他の物質を意味する。典型的な物質は、溶媒、抗酸化剤、光開始剤、光増感剤、架橋部分、反応性希釈剤、酸捕捉剤、接着促進剤、平滑剤などを含むが、それらに限定されない。
本明細書において定義される場合、「ポリシクロオレフィン」、「ポリ環状オレフィン」、および「ノルボルネン型」という用語は互換的に使用され、下記の構造A1もしくはA2のいずれかによって示されるような少なくとも1つのノルボルネン部分を含む付加重合性モノマー、またはその結果生じる反復単位を指す。
Figure 0005663721
本発明の実施形態に包含される最も単純なノルボルネン型すなわちポリ環状オレフィンモノマーは、二環式モノマー、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-エンであり、一般的にノルボルネンと呼ばれる。しかし、ノルボルネン型モノマーまたは反復単位という用語は、本明細書において用いられる場合、ノルボルネン自体だけでなく、任意の置換ノルボルネン、または、例えば下記に示す構造Bのmがゼロよりも大きい、置換型および非置換型の、分子量がより大きいそれらの環状誘導体をも指すことが理解されるであろう。
Figure 0005663721
本明細書において用いられる場合、「ヒドロカルビル」は、それぞれの炭素が1つ以上の水素原子によって適切に置換された炭素骨格を含むラジカルまたは基を指す。「ハロヒドロカルビル」という用語は、すべてではないが1つ以上の水素原子がハロゲン(F、Cl、Br、I)によって置換されたヒドロカルビル基を指す。「ペルハロカルビル」という用語は、それぞれの水素がハロゲンによって置換されたヒドロカルビル基を指す。ヒドロカルビルの非限定的な例は、直鎖状もしくは分岐鎖状(C1-C25)アルキル、直鎖状もしくは分岐鎖状(C2-C24)アルケニル、直鎖状もしくは分岐鎖状(C2-C24)アルキニル、置換型もしくは非置換型(C3-C25)シクロアルキル、置換型もしくは非置換型(C6-C24)アリール、または(C7-C24)アラルキルを含むが、それらに限定されない。代表的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルおよびドデシルを含むが、それらに限定されない。代表的なアルケニル基は、ビニル、アリルおよびプロペニルを含むが、それらに限定されない。代表的なアルキニル基は、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、および2-ブチニルを含むが、それらに限定されない。代表的なシクロアルキル基は、置換型ならびに非置換型のシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロオクチルを含むが、それらに限定されない。代表的なアリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、およびアントラセニルを含むが、それらに限定されない。代表的なアラルキル基は、ベンジル、およびフェネチルを含むが、それらに限定されない。
ハロヒドロカルビルという用語は、本明細書を通じて用いられる場合、上記のヒドロカルビル部分であって、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子によって置換されているもの(例えばフルオロメチル基)から、ヒドロカルビル基上のすべての水素原子がハロゲン原子によって置換された完全なハロゲン化(ペルハロゲン化)(例えば、トリフルオロメチルまたはペルフルオロメチル)に及び得る特定の程度のハロゲン化が存在するヒドロカルビル部分を含む。例えば、本発明の実施形態において有用なハロゲン化アルキル基は、部分的にハロゲン化された、化学式CzX2z+1の直鎖状または分岐鎖状アルキル基であり、式中、Xは独立にハロゲンもしくは水素であり、zは1〜20の整数より選択される。ある実施形態では、それぞれのXは独立に水素、塩素、フッ素、臭素および/またはヨウ素より選択される。他の実施形態では、それぞれのXは独立に水素またはフッ素のいずれかである。
ペルハロカルビルという用語は、本明細書において用いられる場合、ハロゲン化の程度が完全である(すべての水素原子がハロゲン原子によって置換されている)上述のヒドロカルビルおよびハロヒドロカルビル部分を含み、従って、ペルハロゲン化されたフェニル基およびアルキル基を含む。典型的な実施形態は、ペルフルオロフェニル、ペルフルオロメチル、ペルフルオロエチル、ペルフルオロプロピル、ペルフルオロブチルおよびペルフルオロヘキシルペンダント基(pendent group)を含むが、それらに限定されない。
加えて、本明細書では、O、N、P、SおよびSiより選択される1つ以上のヘテロ原子を含むヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルならびにペルハロカルビルに言及されうる。このようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルおよびペルハロカルビルは、このような非炭素原子によって置換された1つ以上の炭素を有することが理解されるであろう。例えば、1つ以上のヘテロ原子を含むヒドロカルビルは、エーテル、エポキシ、グリシジルエーテル、アルコール、カルボン酸、エステル、マレイミド、アミン、イミン、アミド、フェノール、アミドフェノール、シラン、シロキサン、ホスフィナートなどの基を含む。ここで、および本明細書を通じて用いられる場合、アミドフェノールは下記を指し:
Figure 0005663721
式中、R5、R6、R7、R8、およびR9は上記に定義したとおりであるが、ただしR5〜R9の少なくとも1つは-OHである。
更に、ヘテロ原子を含む典型的なヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルおよびペルハロカルビルは、-(CH2)n-CH(CF3)2-O-CH2-O-CH3、-(CH2)n-CH(CF3)2-O-C(O)-O-C(CH3)3、-(CH2)n-C(CF3)2-OH、(CH2)n-C(O)NHR*、(CH2)n-C(O)Cl、-(CH2)n-C(O)OR*、(CH2)n-OR*、-(CH2)n-OC(O)R*、および-(CH2)n-C(O)R*を含むが、それらに限定されない(式中、nは独立に0〜10の整数を表し、R*は独立にハロゲン、直鎖状または分岐鎖状(C1-C11)アルキル、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C11のハロゲン化またはペルハロゲン化アルキル、直鎖状または分岐鎖状(C2-C10)アルケニル、直鎖状または分岐鎖状(C2-C10)アルキニル、(C5-C12)シクロアルキル、(C6-C14)ハロゲン化またはペルハロゲン化アリール、および(C7-C24)アラルキルを表す)。R*の定義に基づいて示される代表的なヒドロカルビル基は、上記に示されたものと同じであり、上記のようにハロゲン化またはペルハロゲン化され得るが、ただしこのような基は酸に不安定ではない。例えば、R*がC1-C11のハロゲン化またはペルハロゲン化アルキルである場合、R*は化学式CzX2z+1で表すことができ、式中、zは1〜11の整数であり、アルキル基上の少なくとも1つのXはハロゲンであり、残りは独立に水素またはハロゲンである。ペルハロゲン化アルキル基の例は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、-C7F15、および-C11F23を含むが、それらに限定されない。ペルハロゲン化アリール基の例は、ペンタクロロフェニルおよびペンタフルオロフェニルを含むが、それらに限定されない。
ポリマー
本発明のポリマー実施形態は、有利には2つ以上の異なる型の反復単位を含み、少なくとも1つのこのような型の反復単位は、ペンダント架橋基、すなわちある程度の潜在性を有する部分を含む。潜在性とは、このような基が周囲条件または初めのポリマー形成の間には架橋しないが、例えば化学線によって、このような反応が特異的に開始される際に架橋することを意味する。このような潜在的架橋基は、例えば、マレイミド含有ペンダント基などのペンダント架橋基を含む1つ以上のノルボルネン型モノマーを重合反応混合物に加え、このようなノルボルネン型モノマーの2,3-エンチェーンメント(enchainment)を引き起こすことにより、ポリマー骨格に組み込まれる。一般的に言えば、第二型の反復単位は、ペンダントヒンダード芳香族基、C8以上のアルキル基、C4以上のハロヒドロカルビル基もしくはペルハロカルビル基、C7以上のアラルキル基、またはヘテロ原子ヒドロカルビル基もしくはハロヒドロカルビル基(エポキシ基を除く)を含むものでありうる。第三、第四、第五、および/または第六型(など)の反復単位もまた、本発明のポリマー実施形態に包含されうる。
これらの異なる型の反復単位は、独立に化学式Aで表され:
Figure 0005663721
式中、Xは-CH2-、-CH2-CH2-、または-O-より選択され;mは0〜5の整数であり;第一型の反復単位について、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つは、下記の化学式Bで表されるマレイミド含有ペンダント基であり、他のR1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立にH、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ペルハロカルビル、または上述のように1つ以上のヘテロ原子を有するこのような部分より選択される。
Figure 0005663721
式中、Aはメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビル、あるいはC7以上のアルキルまたはアラルキルより選択される連結基であり、R10およびR11はそれぞれ独立にH、メチル、エチル、またはn-プロピルより選択される。
ある実施形態では、第二型のノルボルネン型反復単位のペンダント基は、ヒンダード芳香族官能基(hindered functional aromatic group)である。ある場合には、ヒンダード芳香族ペンダント官能基を有するノルボルネン型モノマーの存在は、これらの反復単位を含有するポリマーの熱酸化安定性を改善/向上させる。ヒンダード芳香族ペンダント官能基を有するノルボルネン型反復単位は、添加される抗酸化化合物の不都合な熱揮発性(thermal volatility)に関連する課題の克服に寄与する。ヒンダードフェノール基のようなヒンダード芳香族官能基のポリマー骨格への化学結合は、添加される非結合性(discrete)抗酸化化合物の揮発の結果として保護が低下する問題を解消する。特定の理論に拘束されることなく、ヒンダード芳香族ペンダント官能基は脂肪族化合物およびポリマーの酸化サイクルを妨げると考えられている。図2は、本発明のポリマー実施形態の安定化機構であると考えられるものを表す。すなわち、このような図は、このようなポリマー内に含まれるヒンダード芳香族ペンダント官能基がどのように作用して、このような基が存在しなかった場合に見られる以上の熱酸化安定性をもたらすかを図示する。従って図2に示されるように、ヒンダード芳香族ペンダント官能基は、酸化の初期段階中に形成される任意のヒドロペルオキシルラジカルと反応することによって抗酸化効果をもたらす。
ヒンダード芳香族ペンダント官能基を含む反復単位もまた、上記の化学式Aで表されるが、式中、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つは、下記に示される化学式Dで表されるヒンダード芳香族ペンダント官能基であり、他のR1、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立にH、ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビル、または上述のように1つ以上のヘテロ原子を有するこのような部分より選択される。
Figure 0005663721
式中、A2はメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビル、C1〜C12エステル、C1〜C12アミド、C1〜C12スルフィド、C1〜C12エーテル、あるいはそれらの組み合わせより選択される連結基であり;それぞれのYは独立にOHおよびSHなどの官能基であり;yは1〜約3の整数であり;それぞれのR20は独立にC1〜C12の(直鎖状もしくは分岐鎖状)アルキル基または(置換型もしくは非置換型)シクロアルキル基であり;xは1〜約4の整数である。別の実施形態では、yは1であり、xは2である。
一般的に言えば、ヒンダード芳香族系抗酸化剤は、芳香環上で少なくとも1つの置換基によって立体的に遮蔽されるフェノール性-OH官能基を有する。例えば、アルファ炭素原子からフェノール性Cへのような炭素原子の1つまたは両方の置換は、立体遮蔽をもたらす。置換基の立体的な容積が実質的に酸素ラジカルの反応性を低下させ、この反応性ラジカル種によるポリマーの更なる劣化を妨げる。
R20基の具体例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、アミルペンチル、シクロペンチル、置換シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、置換シクロヘキシルなどを含み、それらのいくつかは下記の構造によって示される。
Figure 0005663721
ヒンダード芳香族官能基を有するノルボルネン型モノマーの例は、化学式Eで表され、
Figure 0005663721
式中、Xは-CH2-、-CH2-CH2-、または-O-より選択され;mは0〜3の整数であり;A2はメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、C2〜C12エステル、C1〜C12アミド、C1〜C12スルフィド、あるいはそれらの組み合わせより選択される連結基であり;nは0〜約5の整数であり;それぞれのR16およびR17は独立にC1〜C10の(直鎖状もしくは分岐鎖状)アルキル基または(置換型もしくは非置換型)シクロアルキル基である。
ヒンダード芳香族官能基を有するノルボルネン型モノマーの更に別の例は、化学式Fで表される。
Figure 0005663721
都合の良いことに、このようなヒンダード芳香族ペンダント官能基を有する反復単位を含むいくつかのポリマー組成物実施形態には、抗酸化添加剤が加えられない。すなわち、このような組成物はポリマーに結合していない抗酸化剤を含有せず、上述のように、このような添加剤の損失が避けられる。
上述のように、本発明の実施形態は、上記の第一型の反復単位に加えて、複数の型の反復単位を組み込むことができる。例えば、上記のヒンダード芳香族ペンダント官能基を有する第二型の反復単位に加えて、他の第二型の反復単位が本発明のポリマーに組み込まれ得るが、それもまた上記の構造Aで表され、式中、R1〜R4のいずれもがマレイミド基またはヒンダード芳香族官能基ではなく、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル(ここでこのようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビルは、O、N、S、PおよびSiより選択される1つ以上のヘテロ原子を含む)、あるいは直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され、他のR1〜R4はHである。ある実施形態では、Xは-CH2-であり;mは0であり;R1〜R4の少なくとも1つは、C7以上のアラルキル基、またはC8以上のアルキル基、またはC4以上のハロヒドロカルビル基もしくはペルハロカルビル基、またはヘテロ原子ヒドロカルビル基もしくはハロヒドロカルビル基より選択されるが、ただしそのヘテロ原子ヒドロカルビル基もしくはハロヒドロカルビル基はエポキシ基ではない。更に他の実施形態では、R1〜R4の少なくとも1つは、-(CH2)p-C(CF3)2OHまたは-(CH2)p-O-CH2-C(CF3)2OHのようにヒドロキシル基を含み、pは0〜約5の整数である、C1〜C25のハロヒドロカルビル化合物である。有利なことには、このようなペンダント基は、ある場合には、結果として得られるポリマーに抗酸化特性を付与し得る。
本発明の更なるポリマー実施形態では、構造Aに基づく1つ以上の他の反復単位がポリマー中に含まれ得、式中R1〜R4の少なくとも1つは、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル(ここでこのようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビルは、O、N、S、PおよびSiより選択される1つ以上のヘテロ原子を含む)、あるいは直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され、他のR1〜R4はHであるが、ただし前記の他の型の反復単位はいずれの他の型の反復単位とも異なる。
本発明のある実施形態については、ノルボルネン型ポリマーの屈折率(RI)を制御することが有利である。このような制御は、ポリマーの反復単位に付加される1つ以上のペンダント基の性質または種類を変えることによって得ることができる。従って、芳香族、BrまたはCl部分を有するペンダント基を含む反復単位は、通常、アルキル、Si、Fおよび/またはエーテル部分を有するペンダント基を含む反復単位を有するポリマーより、高いRIを有するポリマーを提供する。加えて、ポリマーを形成するために2つ以上の種類のモノマーが使用される場合、モノマーの供給率が重合中に変更されるならば、結果として生じるポリマー中に取り込まれる特定のモノマーの相対量は変化し得る。同一のモノマーから形成されるが結果として生じるポリマー中への取り込み量が異なるポリマーについて、モノマーの相対量のこのような変化は、そのポリマーのRIを変化させ得ることが理解されるであろう。
化学式Aで表される更に他の典型的なノルボルネン機能性モノマーは、R1〜R4の1つがAA、BB、CC、DD、EEまたはFF基の1つであり、その他がそれぞれ通常は水素であるものを含み:
Figure 0005663721
式中、mおよびQ‡は上記に定義されたとおりであり、Q*は直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜5のアルキルスペーサーであり、Aは上記の化学式Bに定義されたとおりである。AAまたはCC基を含むある実施形態では、Q‡は存在しないか、または炭素数1〜3の直鎖状アルキルスペーサーである。加えて、CC基については、Q*は炭素数3または4の直鎖状または分岐鎖状スペーサーであり得る。他のこのような実施形態では、Q‡は存在しないか、または炭素原子1つである。BB基を含む他の実施形態では、mは1または2のいずれかである。本発明のいくつかの典型的な実施形態では、Xは-CH2-であり、R1〜R4の1つはBB基であるが、その他はそれぞれ水素であり、nは0であり、mは1であり、
Figure 0005663721
式中、それぞれのXは独立にフッ素または水素のいずれかであり、それぞれのqは独立に1〜3の整数であり、pは1〜5の整数であり、Q*は上記に定義されたとおりであり、Zは直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数2〜10のハロもしくはペルハロスペーサーである。DD基を含むある実施形態では、Q*は単一炭素スペーサーであり、Xはフッ素であり、qは2または3であり、pは2である。EE基を含むある実施形態では、Q*は単一炭素スペーサーであり、Zは最大9炭素単位の分岐鎖状フッ化アルキル鎖である。FF基を含むある実施形態では、Q*は単一炭素スペーサーであり、qは1または2である。
ヒンダード芳香族官能基を有する反復単位を含む本発明の実施形態では、ペンダント抗酸化安定剤基(pendent antioxidant stabilizer group)を有する任意選択のノルボルネン型反復単位が提供され得る。ある場合には、このような任意選択の反復単位は、このようなヒンダード芳香族官能基を有する反復単位のヒンダード芳香族官能基の活性を増強し得る。抗酸化安定剤ペンダント基を有するこのような任意選択のノルボルネン型反復単位の例は、下記の構造Hで表されるホスフィナートであり:
Figure 0005663721
式中、nは1〜約5の整数であり;それぞれのR18およびR19は独立にC1〜C25ヒドロカルビル基より選択される。別の実施形態では、それぞれのR18およびR19は、独立にC6〜C20の任意選択で置換された芳香族基より選択される。更に別の実施形態では、それぞれのR18およびR19は、独立に下記の構造Iで表され:
Figure 0005663721
式中、それぞれのR18およびR19は独立にC1〜C12の(直鎖状もしくは分岐鎖状)アルキル基または(置換型もしくは非置換型)シクロアルキル基である。R18およびR19基の具体例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、アミルペンチル、シクロペンチル、置換シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、置換シクロヘキシルなどを含む。
本発明の更なる他のポリマー実施形態では、反復単位は、ケイ素含有ペンダント基を有するノルボルネン型モノマーに由来する。化学式Aに関して、このような反復単位のR1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つは、ケイ素含有基である。本発明のこのようないくつかの実施形態では、ノルボルネン型反復単位のペンダント基は、複数のケイ素原子を含有でき、それは、それぞれ下記に示される1020NB、1021NB、1022NB、1034NB、1035NBおよび1038NBと表される、典型的な多面体オリゴシルセスキオキサンすなわちPOSS基ノルボルネンモノマー(Hattiesburg, MSのHybrid Plasticsより入手可能)の1つに由来し得るが、それらに限定されない。このようなPOSSノルボルネンモノマーは、Siヘテロ原子を含有するヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルなどの他のシリル含有反復単位より高いケイ素含量を有する。
Figure 0005663721
式中、Cpはシクロペンチル、i-Buはイソブチル、Etはエチル、Cyはシクロヘキシル、Meはメチルである。
POSSモノマーおよびPOSSモノマーに由来する反復単位を含むポリマーは、比較的堅いで熱に安定なケイ素・酸素骨格を有すると考えられる。ある場合には、本発明のポリマーの形成におけるこのようなPOSSモノマーの使用は、有利な特性を有するポリマーを生じる。例えば、このような高いケイ素含量の反復単位を含まない類似のポリマーと比較して、相対的に低い屈折率および誘電率、ならびに相対的に高いガラス転移温度(Tg)、吸湿率の減少および(例えばマイクロエレクトロニクスデバイスの製造において見られるような)プラズマエッチング条件に対する耐性の向上である。
本発明のポリマー実施形態は、適切な溶媒中で行われる単一成分または多成分の第VIII族遷移金属触媒存在下でのモノマーの付加重合によって調製され得る。典型的な重合過程は、公開された米国特許出願公開番号20060020068 A1の[0053]項および[0057]項に記載され、このような項ならびにそこに参照される文献は参照により本明細書に組み入れられる。他の典型的な重合過程は、米国特許第5,468,819号および米国特許出願公開番号20070066775に記載され、これらもまた参照により本明細書に組み入れられる。通常、本発明のポリマー組成物は、開環メタセシス重合によっては調製されない。
本発明のポリマー実施形態は、第一に、ポリマーを溶媒と混合して溶液にすることによって調製されたポリマー組成物の塗膜として、所望の基板に被着され得る。従って、ポリマーは、スピンコーティング、浸漬コーティング、ブラシコーティング、ローラーコーティング、スプレーコーティング、溶液キャスト法、カーテンコーティング、メニスカスコーティング、インクジェット印刷法(ここではポリマー組成物が「インク」である)などの、当業者にとって既知の方法を用いて、または周知となるであろう方法によって、このような組成物からフィルムとして成形され得る。通常、その容易さおよび得られるフィルムの高い均一性のため、スピンコーティングが用いられる。
スピンコーティングが採用される場合、通常ポリマーは第一に、前述の残留物を除去するために精製される。次に、精製されたポリマーおよび任意の所望の添加剤に、適切なキャスト溶媒が加えられる。適切な溶媒は、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、脂環式環状エーテル、環状エーテル、アセタート、エステル、ラクトン、ケトン、アミド、環状炭酸エステル、またはそれらの混合物を含む。溶媒の例は、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、トルエン、キシレン、メシチレン、およびデカリン、シクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、またはテルペノイドなどの有機溶媒を含む。本発明のある実施形態では、ポリマー溶液は、溶媒中2〜65重量%の固形物含量を有する。他の実施形態では、固形物含量は15〜45重量%に及ぶ。溶液粘度は通常、100〜50,000センチポアズ(cp)に及び、通常は、使用されるポリマーについて所望の被着厚を提供するように選択される。光開始剤、および光増感剤、保存安定剤、接着促進剤などの添加剤は、通常、この時点でポリマー溶液に添加され、ポリマー組成物の形成が完了する。
ポリマーはその後、適切な回転速度で、上記の組成物から基板上にスピンコーティングまたは成形され得る。1つの実施形態では、回転速度は200〜5,000毎分回転数(rpm)に及び、時間は20〜200秒に及ぶ。スピンコーティングは通常二段階の過程で実施され、10秒間のより遅い500 rpmの回転速度が最初に用いられ、続いて20〜60秒間のより速い800 rpm〜3500 rpmの回転速度が用いられる。他のコーティング技術を用いる場合には最大500ミクロンまでのより厚いフィルムが可能であるが、通常、フィルムは0.1〜50ミクロンの厚さを有する。スピンコーティング過程が完了した後、通常、スピンコーティングされたフィルムは高温に加熱され、原則的にすべての任意の残留溶媒または他の揮発物をフィルムから除去する。例えば、本発明のある実施形態では、スピンコーティングされたフィルムは7O℃〜13O℃で1〜30分間加熱され得る。
その結果得られたポリマー層は、その後、電子線、またはX線、紫外線もしくは可視線などの電磁放射線(化学線)によって像様露光され得る。例えば、200〜700 nmのような、11 nm〜700 nmの波長を用いてポリマーを撮像するために、化学線が使用されうる。露光のための化学線の線量は、通常25〜3,000 mJ/cm2である。適切な線源は、水銀ランプ、水銀/キセノンランプ、水銀/ハロゲンランプ、およびキセノンランプ、アルゴンもしくはキセノンレーザー光源、X線または電子ビームを含む。このような化学線への露光は、露光領域における架橋を引き起こすためである。他の反復単位ペンダント基も架橋を提供し得るが、通常このような架橋は、多くの部分において、マレイミドペンダント基を含む反復単位によって提供される。マレイミド基の光吸収帯を外れた波長を有する光源の使用が望ましい場合、放射線感受性光増感剤が添加され得る。
必要に応じて、フィルムは、任意選択で露光後に、70℃〜130℃の温度で1〜10分間焼成され得る。露光後の焼成は、感光性ポリマーの露光部内の他の架橋可能な部分の架橋を更に促進するために使用でき、このような焼成の温度上昇は、このような露光領域内の更なる架橋度をもたらす。
ポリマー層またはフィルムのパターンは、その後、所望のパターンを得るために十分な時間、適切な溶媒を用いて層上への浸漬、パドリング(puddling)または噴霧を行うことにより、フィルムの非露光領域を除去することによって現像される。通常、このような時間は短時間であり、1〜5分間である。適切な現像液は、トルエン、キシレン、メシチレン、デカリン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、およびリモネンを含むが、それらに限定されない。
通常、パターンが現像された後、存在し得るあらゆる残留溶媒を除去するために、パターン層は適切な期間(通常3時間未満)9O℃〜25O℃の温度に加熱される。代替的にまたは付加的に、現像後、任意選択で現像後の焼成およびそれに続く硬化が採用されてよく、このような硬化はコーティングされた基板を別の基板に結合させるために採用される。1つの実施形態では、硬化は、現像されたポリマーを15O℃〜29O℃の温度で約30〜約180分間加熱することを含む。
本発明に従って製造されたポリマーは、少なくとも、マレイミドペンダント基を有するノルボルネン型モノマーに由来する第一型の反復単位、およびヒンダード芳香族ペンダント官能基、C7以上のアラルキル基、またはC8以上のアルキル基、またはC4以上のハロヒドロカルビル基もしくはペルハロカルビル基、またはヘテロ原子ヒドロカルビル基もしくはハロヒドロカルビル基(ただし、そのヘテロ原子ヒドロカルビル基もしくはハロヒドロカルビル基はエポキシ基ではない)の1つを有するノルボルネン型モノマーに由来する第二型の反復単位を有する。本発明に従って製造されたポリマーは、任意選択で、使用される第一型または第二型の反復単位とは異なる、1つ以上の他の型の反復単位を有し得る。
ある実施形態では、本明細書に記載されるように製造されたポリマーは、1〜70モルパーセントの第一型の反復単位、0〜80モルパーセントの第二型の反復単位、および0〜60モルパーセントの第三型の反復単位を含む。他の実施形態では、本明細書に記載されるように製造されたポリマーは、10〜50モルパーセントの第一型の反復単位、5〜60モルパーセントの第二型の反復単位、および10〜50モルパーセントの第三型の反復単位を含む。更に別の実施形態では、本明細書に記載されるように製造されたポリマーは、15〜45モルパーセントの第一型の反復単位、10〜50モルパーセントの第二型の反復単位、および20〜40モルパーセントの第三型の反復単位を含む。他の実施形態では、本明細書に記載されるように製造されたポリマーは、5〜50モルパーセントの第一型の反復単位;または25〜35モルパーセントの第一型の反復単位、65〜75モルパーセントの第二型の反復単位;または25〜35モルパーセントの第一型の反復単位、35〜45モルパーセントの第二型の反復単位を含む。
別の実施形態では、第一型の反復単位はマレイミド含有ペンダント基を有するノルボルネン型モノマーに由来し、第二型の反復単位はアラルキルペンダント基を有するノルボルネン型モノマーに由来し、第三型の反復単位は直鎖状アルキルペンダント基を有するノルボルネン型モノマーに由来する。このような実施形態では、第一型の反復単位および第三型の反復単位は、それぞれポリマー中の全反復単位数の25〜35パーセントであり、第二型の反復単位は全反復単位数の35〜45パーセントである。
本明細書に記載されるポリマーは、感光性ポリマーまたは誘電体の1つとして機能するために適切な重量平均分子量(Mw)を有する。1つの実施形態では、ポリマーは10,000〜500,000のMwを有する。ある実施形態については、ポリマーは少なくとも30,000のMwを有することが有利であるが、他の実施形態では、少なくとも60,000が有利である。ある実施形態では、ポリマーのMwの上限は最大400,000までであるが、他の実施形態では、最大250,000までである。Mwは、ポリ(スチレン)標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。ポリマーの所望のMwおよび/または選択されるMwは、硬化されたポリマー、フィルム、層、またはそれらに由来する構造物において、目的とする物理的特性を十分に提供できるように選択される。
本発明のポリマー実施形態から形成される層および構造物は、このような層および構造物の特定の最終用途に適する、任意の適切な厚さを有するように製造され得る。ある実施形態では、0.01〜1,000ミクロンの厚さが適切である。他の実施形態では、0.1〜100ミクロンの厚さが適切である。
本発明のポリマー実施形態から形成される層および構造物は、有利には、比較的低い係数(modulus)を有する。ある実施形態では、このような層および構造物は、0.05 GPa〜4 GPaの係数を有する。他の実施形態では、0.1 GPa〜3 GPaの係数が与えられ得る。
有利には、本発明のポリマー実施形態から形成される層および構造物は、比較的低い吸湿率および/または低い誘電率を有する。ある実施形態では、2重量パーセント未満の吸湿率および/または3.9未満の誘電率が見られる。他の実施形態では、1重量パーセント未満の吸湿率および/または2.5未満の誘電率が見られる。吸湿率は、ASTM D570-98に従ってサンプルの重量増加を測定することによって測定される。
本発明のポリマー実施形態から形成される硬化された層または構造物は、通常、比較的高いガラス転移温度(Tg)を有する。ある実施形態では、このような層または構造物は、少なくとも200℃のTgを有する。他の実施形態では、少なくとも25O℃であり、更に他の実施形態では、少なくとも300℃である。比較的高いTgは、多様なマイクロエレクトロニクスまたはオプトエレクトロニクスの用途およびデバイスにおけるこのような層または構造物の使用を可能にする。Tgは、ASTM D5026-95に従って、New Castle, Del.のTA Instrumentsより入手可能なRheometric Scientific Dynamic Analyzer Model RDAIIによる動的機械分析(DMA)を用いて測定される(温度:周囲温度から400℃まで、毎分5℃の速度で)。
マレイミドペンダント基を有するノルボルネン型反復単位、および少なくとも、前述されたような第二型の反復単位を含む本発明のポリマー実施形態は、感光性ポリマー組成物を製造するために使用され得る。感光性ポリマー組成物は、通常、1つ以上の溶媒、増感剤成分、触媒捕捉剤、接着促進剤、抗酸化剤、難燃剤、安定剤、反応性希釈剤、または可塑剤を含有する。典型的な増感剤成分は、特に、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンゾピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン-9-オン、またはそれらの混合物を含む。典型的な触媒捕捉剤は、特に、フェノチアジン、9H-カルバゾール、およびN,N-ジメチルアニリンを含む。典型的な抗酸化剤は、Irganox 1076、Irganox 1010(ともにCiba Chemicalsより)、Lowinox WSP、Lowinox 1790、Anox 330、Anox 20およびLowinox CA22(すべてGreat Lakes Chemical Co.より)を含むが、それらに限定されない。典型的な難燃剤は、特に、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ポリハロゲン化ビフェニル、および有機リン剤である。典型的な接着促進剤は、3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および3-(グリシジルメチルオキシ)プロピルトリメトキシシランを含むが、それらに限定されない。典型的な反応性希釈剤は、特に、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1-(エテニルオキシ)-4-(2-プロピニルオキシ)-ブタン、および1,6-ビス(エテニルオキシ)-ヘキサンを含む。典型的な可塑剤は、特に、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、ポリ(アルキルノルボルネン)単独重合体および共重合体である。
本発明の感光性ポリマー組成物実施形態は、電気装置および/または電子デバイス、ならびにそのオプトエレクトロニクスデバイス中のポリマーの高温安定性および/または他の特性の恩恵を受け得る様々なオプトエレクトロニクスデバイスを製造するための、電気装置および/または電子デバイスの構成部品として有用である。電気装置および/またマイクロエレクトロニクスデバイスの例は、半導体デバイス、マイクロプロセッサチップのような論理チップ、パッシブデバイス、メモリーチップ、微小電気機械システム(MEMS)チップ、マイクロオプトエレクトロメカニカルシステム(MOEMS)チップ、特定用途向け集積回路(ASIC)チップ、表示装置のようなオプトエレクトロニクスデバイス、発光ダイオード、およびプラズマ装置を含む。
実質的にヒドロカルビルから形成されるポリマーは通常、特に高温で、空気に曝される場合、酸化を受けやすい。明らかに、このような酸化は、特に破断伸度(ETB)のような望ましい機械的特性の低下を引き起こすであろう。このような欠陥を克服するために、通常、抗酸化添加剤はポリマー組成物に含まれている。しかし、このようなポリマーから形成される層および構造物において行われた「酸化誘導時間」(OIT)の測定は、わずかな熱酸化耐性を得るために相当量の(非ポリマー結合性)抗酸化添加剤が必要とされることを示した。更に、用いられる硬化温度の上昇は測定されるOITの開始時間を早めることが観察されたため、架橋反応を完了させるために用いられる熱硬化の温度が高い場合には、このような添加剤の著しい損失が起こりうることが見出された(図6参照)。
しかし、本発明の実施形態のポリマーが1つのヒンダード芳香族官能基のペンダント基を有するノルボルネン型反復単位を含む場合、優れた熱酸化安定性が観察され、このような結果はこのようなペンダント基の抗酸化特性に起因した。更に、ヒンダード芳香族官能基はポリマー骨格に結合するため、従来の抗酸化添加剤の負の特性に左右されない。1つの実施形態では、ヒンダード芳香族官能基のペンダント基を有するノルボルネン型モノマーを用いて製造されたポリマーは、165℃の空気に50時間暴露した後、機械的特性の有意な変化が検出されない熱酸化安定性を有する。別の実施形態では、ヒンダード芳香族官能基のペンダント基を有するノルボルネン型モノマーを用いて製造されたポリマーは、165℃の空気に100時間暴露した後、機械的特性の有意な変化が検出されない熱酸化安定性を有する。言い換えると、本発明は、ポリノルボルネンポリマーに熱酸化安定性の改善を提供する方法を記載する。
モノマー合成の実施例
下記の合成の実施例は、直接感光性材料として有用であり得る本発明のポリマーの調製に有用な、ノルボルネン型モノマーの形成を示す。下記の実施例ならびに本明細書および特許請求の範囲のいずれかの部分において他に示されない限り、すべての部(parts)およびパーセントは重量によるものであり、すべての温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
実施例M1(ジメチルマレイミド-メチレン(C1)スペーサーを有する)
Figure 0005663721
Exo/Endo-N-NBCH 2 -2,3-ジメチルマレイミド。機械的撹拌器、ディーンスタークトラップ、冷却器、熱電対を備えた12-Lフラスコに、6000 mlのトルエン中のジメチルマレイン酸無水物(679.6 g、5.39 mol)溶液を調製した。ジメチルマレイン酸無水物をトルエンに溶解する際、混合物を16.2℃に冷却した。機械的に撹拌される混合物に、663.4 gの99%アミノメチルノルボルネン(75PAL36、5.4 mol)および600 mlのトルエン洗浄液を加えた。混合物は直ちに準備され、発熱して33.8℃を示した。混合物を(過度の発泡を避けるため)慎重に加熱して還流させた。109℃、加熱開始から約1.5時間で、溶液は透明になり、98 mlの水(理論値の100%より多い)がトラップに回収された。GC分析は反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、ろ過し、回転蒸発させて、純度98.9%(GC)の1655.5g(>100%)の淡褐色液体を得た。これに、前回のバッチの粗物質由来の残留物128.2 gを加え、混合物を真空蒸留して、146.3〜148.9℃(0.8〜1.2 Torr)で純度99.4%の281.3 gを、149℃(1.2〜1.6 Torr)で純度99.8%の920.1 gを得た。純度96.8%の生成物を与える132.1 gの前留分が回収されたが、未反応のジメチルマレイン酸無水物を含有していた。純度>99%の生成物の全収量は、1201.4 g、収率87%であった。
実施例M2(非置換マレイミド;エチレン-C2スペーサーを有する)
Figure 0005663721
Endo-/exo-N-NBCH 2 CH 2 マレイミド(endo/exo-MIENB)。無水マレイン酸(388.62 g、3.96 mol)を乳鉢で粉砕し、その後6300 mlのキシレンと混合したところ、温度が19℃に下がり、濁った溶液を生じた。撹拌された混合物に20分間に渡ってアミノエチルノルボルネン(純度90.1%、600 g、3.9 mol)を滴下したところ、それは温度を49.3℃に上昇させ、濃褐色の溶液を生じた。混合物を5時間40分間ディーンスタークトラップに還流させた時、水の分離は48.2 ml(理論値の68%)を示し、NMRは6.3〜6.5 ppmで非常に弱いアミド-酸シグナルを示した。GC分析は86.8%の生成物を示した。反応物を室温に冷却し、ろ過して、71.8 gの白色固体を除去した。溶液の半分、約3500 mlを直接1277 gのシリカゲル上に重層した。初めの1000 mlの溶出液は生成物を含まなかったが、第二の1000 ml(主にキシレン)はTLC(2.5%メタノール/ジクロロメタン)上に1つのスポットを示し、回転蒸発させて、60.7 gの生成物(A2)を得た。シリカゲルをジクロロメタンで洗浄し、150.2 gの純粋でない生成物を含有する3つの連続的な1000 mlの画分(それぞれA3、A4、およびA5)を得た。残りの反応溶液、キシレン中の約3500 mlを1273 gのシリカ上に重層し、リサイクルされたキシレンで洗浄した。最初の3つの1000 mlのキシレン画分(B1〜B3)はそれぞれTLC上に1つのスポットを示した。次の1000 mlの画分(B4)は、溶出液としてトルエンを用いて得られ、TLC上に1つのスポットを与えたが、次の2つの1000 mlのトルエン画分(B5およびB6)は、他の副生成物の存在下で弱いレベルの生成物を示した。画分A2、B1、B2、B3、およびB4を混合し、回転蒸発させて、静置すると結晶化する223.6 gの油状物質を得た。これはGCによれば純度97.4%であった。これを150 mlの温ヘプタンから再結晶し、純度99.9%で124.4 gを得た。2回目の収量は純度99.7%で22.2 gであった。
実施例M3(非置換マレイミド;メチレン-C1スペーサーを有する)
Figure 0005663721
Endo-/exo-N-NBCH 2 マレイミド(endo/exo-MINB)。無水マレイン酸(117.O g, 1.2 mol)を860 mlのo-キシレンと混合したところ、温度が16.5℃に下がり、濁った溶液を生じた。アミノメチルノルボルネン(純度98%、1.2 mol)を144 mlのo-キシレンに溶解し、撹拌される混合物に15分間に渡って滴下したところ、温度は64.6℃に上昇した。その結果、白色スラリーが生じた。o-キシレンを5時間ディーンスタークトラップに還流させながら、混合物を機械的に撹拌した。水の分離は、4.5時間後に13.5 ml(理論値の64%)で停止した。TLC(2.5%メタノール/ジクロロメタン)およびNMRによって、生成物の存在および環化されていないアミド酸の不在が確認された。反応物を室温に冷却し、ろ過して、沈殿した白色固体を除去し、600 mlずつ2つの部分に分割した。各部分を独立に1000〜1100 gのシリカ上に重層し、6000 mlのジクロロメタンで洗浄した。混合した溶出液を回転蒸発させて、89.1 gの結晶性生成物を得た。これを40 mlの温ヘプタンから再結晶し、純度99.4%で80.5 gの生成物を得た。NMR分析は、生成物が5.7 mol%程度のo-キシレンを含むことを示した。結晶を高真空下45℃で回転蒸発させてo-キシレンを除去したが、その後のNMR分析は1.8%の無水マレイン酸の存在を示した(これは前の分析ではo-キシレンによって隠されていた)。結晶を再度高真空下65〜75℃で回転蒸発させて、NMRによって<0.6 wt%の無水マレイン酸を示す生成物を得た。GC分析は純度99.4%を示し、無水マレイン酸は検出されなかった。収量は、77.2 g(収率32.5%)であり、mp 69.1〜71.3℃(66.1〜68.6℃でガラス状になる(glasses))であった。
実施例M4(exo-N-NBCH 2 CH 2 -2,3-ジメチルマレイミド(exo-DMIENB))
Figure 0005663721
ジメチルマレイン酸無水物(18.8 g、0.15 mol)を120 mlのトルエンに溶解し、溶液を18℃に冷却した。混合物は冷却時には残留するゲルおよび固体を含有するが、固体のexo-(アミノエチル)ノルボルネン(20.4 g、0.15 mol)は温トルエンにほぼ溶解された。これをジメチルマレイン酸無水物溶液に添加した。直ちに白色固体の沈殿が生じた。反応物を加熱して還流させながら、反応混合物を機械的に撹拌した。102℃で、還流が開始され、溶液は透明になった。17分後、理論量の水がディーンスタークトラップに回収された。反応物を更に2時間加熱還流し、その後、9℃に冷却した。混合物をろ過して固体を除去し、その後、回転蒸発させて43.7 gを得た。これをクーゲルロール蒸留器(Kugelrohr oven)で蒸留して、175〜185℃(<1 mbar)で17.9 g(収率46%)を回収した。GC分析は純度99.0%を示した。
実施例M5(NBCH 2 CH 2 CH 2 -2,3-ジメチルマレイミド)
Figure 0005663721
500 mLの丸底フラスコ中で、ジメチルマレイン酸無水物(42.6g、0.34m)を周囲温度でトルエン(300 mL)に溶解した。酸素を除去するために、溶液を窒素ガス雰囲気下に置いた。反応フラスコを氷浴中に置き、発熱反応に由来する過剰な加熱を防いだ。ジメチルマレイン酸無水物が溶解した時点で、5-ノルボルネン-2-プロピルアミン(5Og、0.3m)を含む添加漏斗を装着し、ノルボルネン化合物を反応フラスコに3時間に渡って滴下した。添加漏斗を取り外し、ディーンスタークトラップおよび還流冷却器をフラスコに装着した。溶液を加熱して125℃に設定した油浴中で還流させ、反応物を18時間その温度で(at temperature)撹拌した。この間に約6 mLの水がディーンスタークトラップに回収された。フラスコを油浴から取り出し、周囲温度に冷却した。回転蒸発器(rotovap)を用いてトルエン溶媒を除去し、黄色油状物質を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーカラム(25Ogのシリカゲル)に重層し、1.7リットルのシクロヘキサン/酢酸エチル(95/5重量)溶媒混合物を用いて溶出した。回転蒸発器を用いて溶出溶媒を除去し、その後、真空下45℃で18時間乾燥させて、79.5g(収率92.7%)の目的とする生成物を得た。
実施例A1(化学式(F))
500mlの丸底フラスコに、5-ヒドロキシメチルノルボルネン(13.6g、0.11mol)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル(29.2g、0.1 mol)、および250 mLのキシレンを加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、有機溶液を窒素ガスによる15分間のバブリングによって脱気した。酸化ジオクチルスズ(0.58g、0.0016 mol)を丸底フラスコに添加した。ディーンスタークトラップおよび還流冷却器を装着し、その装置をラバーセプタムで密封した。フラスコを窒素雰囲気下に置いた。反応フラスコを145℃に加熱した油浴中に置き、溶液を加熱して穏やかに還流させた。反応溶液を18時間還流させながら撹拌し、その間、約2.9 mLのメタノールがディーンスタークトラップに回収された。反応フラスコを油浴から取り出し、周囲温度に冷却した。回転蒸発器を用いてキシレンが減圧下で除去され、周囲温度に冷却した際には固化する粘性の橙色油状物質が残った。固体塊をシクロヘキサンに溶解し、その結果生じた液体をシリカカラム(20Ogのシリカゲル)に通すことによって、粗生成物を精製した。シクロヘキサン溶出液の除去後、30.Og(収率78%)の粘性の無色油状物質がカラムから単離された。
実施例A2(化学式(F))
500mlの丸底フラスコに、5-ヒドロキシメチルノルボルネン(52.2g、0.4mol)、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル(117g、0.4 mol)、および250 mLのキシレンを加えた。フラスコをラバーセプタムで密封し、有機溶液を窒素ガスによる15分間のバブリングによって脱気した。酸化ジオクチルスズ(2.3g、0.006 mol)を丸底フラスコに添加した。ディーンスタークトラップおよび還流冷却器を装着し、その装置をラバーセプタムで密封した。フラスコを窒素雰囲気下に置いた。反応フラスコを145℃に加熱した油浴中に置き、溶液を加熱して穏やかに還流させた。反応溶液を18時間還流させながら撹拌し、その間、メタノールをディーンスタークトラップに回収した。反応フラスコを油浴から取り出し、周囲温度に冷却した。回転蒸発器を用いてキシレンが減圧下で除去され、周囲温度に冷却した際には固化する粘性の橙色油状物質が残った。固体塊をシクロヘキサンに溶解し、その結果生じた液体をシリカカラム(20Ogのシリカゲル)に通すことによって、粗生成物を精製した。シクロヘキサン溶出液の除去後、収率68%の粘性の無色油状物質がカラムから単離された。
ポリマー実施例
実施例P1(Pd触媒を用いたNBMIモノマーとデシルNBとの共重合)
これらの実施例の目的は、異なる触媒比、異なる溶媒(溶媒としてDCEを用いて)異なる温度で、NBMI-C-1、NBMI-C-2とデシルNBとの共重合を検討するためであった。
反応スキーム:
Figure 0005663721
反応条件:
モノマー:ノルボルネンマレイミド(NBMI-C-1およびNBMI-C-2)……50 mol%
デシルノルボルネン(デシルNB)……50 mol%
触媒:アリルPdクロリド二量体……(0.001m、1 eqv)
AgSbF6……(0.001m、3 eqv)
DCE(ジクロロエタン)……(10gms、8ml)
触媒比:200/1および500/1
温度:25℃および50℃
時間:48時間
Figure 0005663721
Figure 0005663721
手順
スターラーバーを備えた50mlのセプタムバイアルにおいて、その容器にNBMI-C-1(2.0 g、0.001 mol)およびデシルNB(2.4g, 0.001 mol)モノマーおよびDCEを加えた。そのバイアルにふたをしてグローブボックスから取り出した。
スターラーバーを備えた25mlのセプタムバイアルにおいて、まず溶媒を秤量し、その後、両触媒を秤量してバイアル中に移した。固形物の添加の順序による影響はないように思われた。触媒溶液をグローブボックス中で1時間、適温で撹拌した。撹拌の1時間後、DCE溶液中に微細な固体が生じた。これは沈殿したAgClであり、決して溶解しないものである。0.2ミクロンのシリンジフィルターを用いてグローブボックス中でその固体を溶液からろ過し、別の25mlのセプタムバイアルに移した。触媒溶液はその後、グローブボックスから取り出され、使用可能になる。
確実に密封された反応瓶および触媒瓶をドライボックスから取り出し、撹拌しながら触媒を室温で注入した。触媒添加後、反応混合物は黄色に変化した。バイアルは48時間撹拌させておいた。
重合反応物は徐々に粘性のある黄色になり、その後、Pdが分解し始めるにつれて48時間までに黒色になる。反応終了後、ポリマー混合物を45 mlのTHFで希釈し、1時間撹拌した。その後、ポリマー溶液を過剰量のメタノール(50Oml)中に滴下してポリマーを沈殿させた。灰色固体のポリマーをろ過によって回収し、真空下25℃で24時間乾燥させた。2.7Ogの乾燥ポリマー(収率60.64%)が回収され、GPC分析を受けた。ポリマーは、Mn = 8400;Mw = 66,224;PDI = 7.9を有することが見いだされた。
Figure 0005663721
実施例P2
本実施例は、抗酸化剤を含有するおよび含有しない本発明のポリマーについて、熱酸化安定性を説明するためであった。
本実施例において用いられるポリマーは、(mol/mol)50%デシルNB、20%フェニルエチルNB、および30%NBジメチルマレイミド(メチルスペーサーを有する)で構成された。ポリマーはMw = 110545およびMn = 45319のGPC分子量を有した。ポリマーを2-ヘプタノン溶媒に溶解し(全ポリマーは33%)、2つの製剤を調製するために用いた。各製剤は、5 gのポリマー、10 gの2-ヘプタノン、0.3グラムの1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン(ポリマー固形物に基づいて5重量部)および0.3 gの3-アミノプロピルシラン(ポリマー固形物に基づいて5重量部)を有した。しかし、製剤2はまた、0.1 gの抗酸化剤(Irganox 1076)をも含有した。
製剤を円形の石英盤上に11.5μmの厚さでスピンコーティングし、120℃で5分間焼成した。初期UV-VIS透過スキャンを行った。その後、コーティングサンプルを150℃で7日間、空気雰囲気対流式オーブン中に置いた。その後、最終UV-VIS透過スキャンを行った。本実験の結果は、図1に示される。更なる結果は図3に示され、これは窒素下でのポリマーのダイナミックTGAを示す。
実施例P3〜P9
7つのポリマー(P3〜P9)を製造する一般的方法は下記のとおりであり、下記の表で異なる量を用いる。500 mLのセプタムバイアルおよびマグネティックスターラーバーを115℃で24時間エアオーブン中で乾燥させた。バイアルをオーブンから取り出し、セプタムで蓋をし、窒素雰囲気下に置いて、周囲温度に冷却した。カニューレを用いて、無水トルエン(221 mL)、無水酢酸エチル(39 mL)、デシルノルボルネン(36.1 g、0.2m)、および化学式Fのノルボルネン(A NB)(20.Og、0.08m)をバイアルに加えた。その後、溶液を15分間窒素ガスによって脱気した。グローブボックス中で、25 mLのセプタムバイアルをNiArF触媒(2.8g、0.006m)およびトルエン(28.3g)で満たした。トルエン溶液を60分間撹拌し、触媒を完全に溶解させた。その後、バイアルをグローブボックスから取り出し、カニューレを用い、3分間に渡って触媒を反応バイアルに移した。重合反応溶液を周囲温度で3時間撹拌し、その後、250 mLのTHFを含有する1 Lビーカーに粘性溶液を注ぎ込むことによって反応を停止させた。氷酢酸(54g)、過酸化水素水(105mL)および脱イオン水(20Og)の混合物をビーカーに加え、二相溶液を6時間激しく撹拌した。撹拌を停止し、二相を分離した。水相を捨て、有機相を300 mLの脱イオン水で3回洗浄した。その後、過剰量のメタノール(4L)中に沈殿させることによってポリマーを回収した。回収された固形ポリマーを真空下65℃で18時間乾燥させて、82.3g(収率95%)のポリマーが得られた。ポリマー組成物分子量はGPCによって測定された。
Figure 0005663721
実施例P7の酸化誘導時間(OIT)は図4に示されるが、実施例P8のOITは図5に示される。
ポリマーP7、P8、およびP9の熱酸化安定性は、酸化誘導時間と呼ばれる試験を用いて評価された。これは酸化誘導時間という名称の示差走査熱量測定(DSC)法である。ミリグラム規模のポリマーフィルムのサンプルを、高温の純酸素(99.999%)雰囲気に暴露した。ポリマーの試験のために190℃が用いられた。酸化の開始は、DSCによって発熱(熱放射)反応が観察される時であると考えられる。
Figure 0005663721
実施例P10
マグネティックスターラーバーを備えた250mlのガラス製ビュッヒ反応器において、その容器にNBMI-C-2(2.2g、0.01 mol)およびデシルNB(21.1g、0.09 mol)モノマー、ジメチルアニリニウム[テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート] (0.048g、0.06 mmol)ならびにトルエン溶媒(60 mL)を加えた。反応器に蓋をして、モノマー溶液に窒素ガスを30分間注入した。スターラーバーを備えた10mlセプタムバイアル中に、まずトルエン溶媒(2.8g)を秤量し、その後、両触媒を秤量して[Pd 708(0.01g;0.02 mmol)]、バイアル中に移した。触媒溶液をグローブボックスにおいて1時間適温で撹拌し、触媒を完全に溶解させた。
セプタムバイアルをドライボックスから取り出し、溶液を混合しながら80℃で、触媒をビュッヒ反応器に注入した。触媒添加後、反応混合物は黄色に変化し、撹拌は17時間続けられたが、その間に反応混合物は徐々により粘性を増し、触媒に由来するPdが分解し始めるにつれて、17時間までに黒色になった。その後、反応混合物を45 mlのTHFで希釈し、更に1時間撹拌した。その後、過剰量のメタノール(50Oml)に反応混合物を滴下することによって、ポリマーを沈殿させた。灰色固体のポリマーをろ過によって回収し、真空下25℃で24時間乾燥させた。21.4gの乾燥ポリマー(収率92%)が回収され、GPC分析を受けた。ポリマーは、Mn = 17,519;Mw = 76,559;PDI = 4.37を有することが見いだされた。1H NMRによる組成は、91モル%のデシルNBおよび9モル%のMI-C-2 NBであった。
実施例P11
マグネティックスターラーバーを備えた500mlのガラス製ウィトンボトル(Wheaton bottle)に、DMMI NB(34.7g、0.2 mol)およびデシルNB(35.1 g、0.2 mol)モノマー、ならびにトルエン溶媒(200 mL)を加えた。ボトルに蓋をして、モノマー溶液に窒素を30分間注入した。スターラーバーを備えた10mlセプタムバイアル中に、トルエン溶媒(6.7g)、NiArF触媒(0.7g;1.4 mmol)]を秤量し、バイアル中に移した。触媒およびトルエンをグローブボックスにおいて1時間適温で撹拌し、触媒を完全に溶解させた。
触媒瓶をドライボックスから取り出し、溶液を混合しながら45℃で、触媒をウィトンボトルに注入した。触媒添加後、反応混合物は赤色に変化し、撹拌は更に2時間続けられたが、その間に反応混合物は徐々に粘性を増し、その後、触媒が分解し始めるにつれて黒色になった。その後、反応混合物を45 mlのTHFで希釈し、更に1時間撹拌した。ポリマー溶液を、氷酢酸(25g)、過酸化水素水[37重量%](5Og)および脱イオン水(10Og)の混合物と50℃で5時間十分に混合することによって、すべての残留触媒を除去した。その後、反応混合物を脱イオン水(DI)(100g)で3回洗浄し、その後、過剰量のメタノール(50Oml)中に滴下してポリマーを沈殿させた。白色の固体ポリマーをろ過によって回収し、真空下25℃で24時間乾燥させた。58.6gの乾燥ポリマー(収率84%)が回収され、GPC分析を受けた。ポリマーは、Mn = 56,217;Mw = 100,067;PDI = 1.78を有することが見いだされた。1H NMRによる組成は、52モル%のデシルNBおよび48モル%のDMMI NBであった。
実施例P12
マグネティックスターラーバーを備えた500mlのガラス製ウィトンボトルに、PENB(フェニルエチルNB)(18.1g, 0.091 mol)、DMMI NB(15.8g、0.068 mol)およびデシルNB(16.06g、0.068 mol)モノマー、ならびにトルエン溶媒(150 mL)を加えた。ボトルに蓋をして、モノマー溶液に窒素ガスを30分間注入した。トルエン溶媒(6.2g)およびNiArF触媒(0.9g;1.6 mmol)を秤量し、スターラーバーを備えた10mlセプタムバイアル中に移した。触媒溶液を1時間撹拌し、触媒を完全に溶解させた。
触媒瓶をドライボックスから取り出し、溶液を混合しながら30℃で、触媒を反応瓶に注入した。触媒添加後、反応混合物は赤色に変化した。反応の最初の30分の間に反応温度は50℃に上昇し、撹拌を継続しながら更に4時間温度を維持したが、その間に反応混合物は徐々に粘性を増し、触媒が分解し始めるにつれて、4時間までに黒色になった。その後、反応混合物を45 mlのTHFで希釈し、更に1時間撹拌した。反応混合物を、氷酢酸(20.Og)、過酸化水素水[37重量%](37.6g)および脱イオン水(2Og)の混合物と50℃で5.5時間十分に混合することによって、すべての残留触媒を除去した。それをD.I水(100g)で3回洗浄した後、過剰量のメタノール(50Oml)中に滴下してポリマーを沈殿させた。白色の固体ポリマーをろ過によって回収し、真空下25℃で24時間乾燥させた。58.6gの乾燥ポリマー(収率84%)が回収され、GPC分析を受けた。ポリマーは、Mn = 35,535;Mw = 59,361;PDI = 1.67を有することが見いだされた。1H NMRによる組成は、41モル%のPENB、29モル%のデシルNBおよび30モル%のDMMI NBであった。
実施例P13
Figure 0005663721
DMMINB(8.51 g、37.0 mmol)、5-ノナフルオロブチルノルボルネン(NBC4F9、11.49 g、37.0 mmol)およびトルエン(60.0 g)のモノマー混合物を250 mLのクリンプキャップバイアルに加え、混合した。混合物に窒素を注入し、密封した。トルエン(3.6 g)および酢酸エチル(0.4 g)と混合されたNiArF触媒(0.36 g、0.74 mmol)をドライボックス内で10 mLのクリンプキャップバイアルに加え、密封した。周囲温度で急速に撹拌しながら触媒溶液をモノマー混合物に添加し、撹拌を3時間継続し、その後、反応瓶を外気中に開き1〜2 mLのDI水を加えた。DI水(17.0 g)、30%過酸化水素水(11.0 g)および氷酢酸(6.0 g)の混合物を反応混合物に添加してすべての残留触媒を除去し、バイアルを密封し、周囲温度で更に15時間撹拌した。その後、反応混合物を水相から除去し、DI水(75 g)と2-プロパノール(25 g)との混合物で5回洗浄した。これらの洗浄の間、水性の洗浄液のpHを測定して、最終洗浄液が5を超えるpH値を有することを確実にした。得られたポリマー溶液をテトラヒドロフラン(50 g)で希釈し、急速に撹拌しているメタノール(1.0〜1.5 L)中に沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過によって取り出した後、それを真空オーブンにおいて70〜80℃で一晩乾燥させて13.0 g(65.0%)の無色固体を得た。1H NMRによって、ポリマー組成は、50モル%のDMMI NBおよび50モル%の5-ノナフルオロブチルノルボルネンであることが見いだされた。GPCによって測定された分子量は、Mn = 38,433、Mw = 84,937、PDI = 2.21であった。
実施例P14
Figure 0005663721
DMMINB(9.2g、40.0 mmol)、5-ペンタフルオロベンジルノルボルネン(NBCH2C6F5、10.8 g、40.0 mmol)およびトルエン(60.0 g)のモノマー混合物を250 mLのクリンプキャップバイアルに加え、混合した。混合物に窒素を注入し、密封した。トルエン(3.6 g)および酢酸エチル(0.4 g)と混合されたNiArF触媒(0.4 g、0.8 mmol)をドライボックス内で10 mLのクリンプキャップバイアルに加え、密封した。周囲温度で急速に撹拌しながら触媒溶液をモノマー混合物に添加し、撹拌を2時間継続し、その後、反応瓶を外気中に開き1〜2 mLのDI水を加えた。DI水(17.0 g)、30%過酸化水素水(11.0 g)および氷酢酸(6.0 g)の混合物を反応混合物に添加してすべての残留触媒を除去し、バイアルを密封し、周囲温度で更に15時間撹拌した。その後、反応混合物を水相から除去し、DI水(75 g)と2-プロパノール(25 g)との混合物で5回洗浄した。これらの洗浄の間、水性の洗浄液のpHを測定して、最終洗浄液が5を超えるpH値を有することを確実にした。得られたポリマー溶液をテトラヒドロフラン(50 g)で希釈し、急速に撹拌しているメタノール(1.0〜1.5 L)中に沈殿させた。沈殿したポリマーをろ過によって取り出した後、それを真空オーブンにおいて70〜80℃で一晩乾燥させて16.0 g(収率80%)の無色固体を得た。1H NMRによって、ポリマー組成は、50モル%のDMMI NBおよび50モル%の5-ペンタフルオロベンジルノルボルネンであることが見いだされた。GPCによって測定された分子量は、Mn = 33,100、Mw = 108,240、PDI = 3.27であった。
製剤および製造過程の実施例F1
褐色広口瓶に100.Ogのポリマー材料P7および100gの2-ヘプタノンを加えた。固体ポリマーが完全に溶解するまで溶液を混合し、その後、1.0ミクロンのフィルターによってろ過して粒子を除去した。溶液に5.Og(0.02 mol)のSpeedcure(登録商標)CTPX(Lambson Group Ltd.)および1.5OgのIrganox 1076(3.0 mmol)を添加した。光活性化合物を完全に分散させるために、溶液を18時間混合する。
5インチの二酸化ケイ素(625の厚さの熱酸化コーティング)ウエハーを、4.0gのポリマー溶液を用いてスピンコーティングする。120℃の加熱板上で5分間加熱することにより、得られたコーティングを穏やかに焼成する。クロムメッキしたガラスマスクを通して800 mJ/cm2の365 nm放射線(I線)に像様露光することにより、フィルムにパターンを描画する。90℃の加熱板上で4分間ウエハーを加熱することにより、ポリマーフィルムに得られたパターンを強化する。フィルムに2-ヘプタノンを25秒間スプレーして、フィルムの露光されていない部分を溶解することにより、パターンを現像する。その後、乾いていないフィルムをPGMEAで15秒間洗浄する。90℃の加熱板上に5分間置くことにより、フィルムを乾燥させる。
製剤および製造過程の実施例F2
製剤:褐色広口瓶に100.Ogのポリマー材料P7および100.0gの2-ヘプタノンを加えた。固体ポリマーが完全に溶解するまで溶液を混合し、その後、0.4ミクロンのフィルターによってろ過して粒子を除去した。溶液に5.02g(0.02 mol)のSpeedcure(登録商標)CTPX(Lambson Group Ltd.)、5.02g(0.02 mol)のSi 75(Gelest Inc.)および1.5g(3.0 mmol)のIrganox 1076(Ciba)を添加した。光活性化合物を完全に分散させるために、溶液を18時間混合した。
処理:5インチの二酸化ケイ素ウエハーを、4.0gのポリマー溶液を用いてスピンコーティングする。120℃の加熱板上で5分間加熱することにより、得られたコーティングを穏やかに焼成する。クロムメッキしたガラスマスクを通して900 mJ/cm2の365 nm放射線(I線)に像様露光することにより、フィルムにパターンを描画する。90℃の窒素オーブン中で4分間ウエハーを加熱することにより、ポリマーフィルムに得られたパターンを強化する。フィルムに2-ヘプタノンを20秒間スプレーして、フィルムの露光されていない部分を溶解することにより、パターンを現像する。その後、乾いていないフィルムをPGMEAで15秒間洗浄する。90℃の加熱板上に5分間置くことにより、フィルムを乾燥させる。
所定の特性についての任意の図面または数値域に関して、図面またはある範囲からのパラメーターは、同一の特性についての別の図面または異なる範囲からのパラメーターと組み合わされ、数値域を生成しうる。
本発明は、特定の実施形態との関連で説明されているが、その様々な改良は本明細書を読んだ当業者にとって明白になるであろうことが理解される。従って、本明細書において開示される本発明は、このような改良を添付の特許請求の範囲内のものとして含むことを意図することが理解される。

Claims (29)

  1. 化学式Iで表される第一型および第二型の反復単位を含むポリマーであって、
    Figure 0005663721
    式中、Xは-CH2-、-CH2-CH2-、または-O-より選択され;mは0〜5の整数であり;
    ここで第一型の反復単位について、R1、R2、R3、およびR4の1つは、化学式IIで表されるマレイミド含有基であり:
    Figure 0005663721
    [式中、Aはメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビルより選択される連結基であり、R5およびR6はそれぞれ独立にH、メチル、エチル、またはn-プロピルより選択される]、他のR1、R2、R3、およびR4はH、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され;
    ここで第二型の反復単位について、R1、R2、R3、およびR4の1つは、
    化学式(D)で表されるヒンダード芳香族基;
    Figure 0005663721
    [式中、A2はメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビル、C2〜C12エステル、C1〜C12アミド、C1〜C12スルフィド、あるいはそれらの組み合わせより選択される連結基であり;それぞれのYは独立にOHおよびSHから選択される官能基であり;yは1〜3の整数であり;それぞれのR20は独立にC1〜C12の(直鎖状もしくは分岐鎖状)アルキル基または(置換型もしくは非置換型)シクロアルキル基であり;xは1〜4の整数である];
    C8以上のアルキル基;
    C4以上のハロヒドロカルビル基またはペルハロカルビル基;
    C7以上のアラルキル基;あるいは、
    エポキシ基を含まない、ヘテロ原子ヒドロカルビル基またはハロヒドロカルビル基であることを特徴とするポリマー。
  2. R5およびR6の少なくとも1つがメチル基である、請求項1に記載のポリマー。
  3. 化学式Iで表される第一型および第二型の反復単位を含むポリマーであって、
    Figure 0005663721
    式中、Xは-CH2-、-CH2-CH2-、または-O-より選択され;mは0〜5の整数であり;
    ここで第一型の反復単位について、R1、R2、R3、およびR4の1つは、化学式IIで表されるマレイミド含有基であり:
    Figure 0005663721
    [式中、Aはメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビルより選択される連結基であり、R5およびR6はそれぞれ独立にH、メチル、エチル、またはn-プロピルより選択される]、他のR1、R2、R3、およびR4はH、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され;
    第二型の反復単位について、R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが、C 以上のアラルキルペンダント基、あるいは直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され、他のR1、R2、R3およびR4がHである、ポリマー。
  4. 第二型の反復単位について、Xが-CH2-であり;mが0であり;R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが、C 以上のアラルキルペンダント基、または直鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ペルハロカルビルより選択され、他のR1、R2、R3およびR4がHである、請求項3に記載のポリマー。
  5. 化学式Iで表される第三型の反復単位を更に含み、
    Figure 0005663721
    式中、Xが-CH2-、-CH2-CH2-、または-O-より選択され;mが0〜5の整数であり;R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが、C 以上のアラルキルペンダント基、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル(ここでこのようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルは、O、N、およびSiより選択される1つ以上のヘテロ原子を含む)、あるいは直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択され、他のR1、R2、R3およびR4がHであるが、ただし前記第三型の反復単位は前記第二型の反復単位とは異なる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー。
  6. 前記第三型の反復単位について、Xが-CH2-であり;mが0であり;R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つが、C 以上のアラルキルペンダント基、または直鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、ペルハロカルビルより選択され、他のR1、R2、R3およびR4がHである、請求項5に記載のポリマー。
  7. ポリマーの反復単位を形成するモノマーの全モルパーセントに基づき、第一型の反復単位の量が5〜50モルパーセントの範囲である、請求項1に記載のポリマー。
  8. 前記第一型および第二型の反復単位が由来するモノマーの全モルパーセントに基づき、第一型の反復単位の量が25〜35モルパーセント、第二型の反復単位の量が65〜75モルパーセントである、請求項3または4に記載のポリマー。
  9. 前記第一型、第二型および第三型の反復単位が由来するモノマーの全モルパーセントに基づき、第一型の反復単位の量が10〜50モルパーセントの範囲であり、第二型の反復単位の量が5〜60モルパーセントの範囲であり、第三型の反復単位の量が10〜50モルパーセントの範囲である、請求項5または6に記載のポリマー。
  10. 第一型の反復単位の量が25〜35モルパーセント、第二型の反復単位の量が35〜45モルパーセントである、請求項9に記載のポリマー。
  11. ポリ(スチレン)標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されるポリマーの重量平均分子量(Mw)が10,000〜500,000である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリマー。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリマーを含み、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、脂環式環状エーテル、環状エーテル、アセタート、エステル、ラクトン、ケトン、アミド、環状炭酸エステル、またはそれらの混合物より選択される溶媒を更に含む、ポリマー組成物。
  13. 溶媒が、シクロヘキサン、2-ヘプタノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、アニソール、またはテルペノイドより選択される、請求項12に記載のポリマー組成物。
  14. A2がC2〜C12のエステルからなる、請求項1または2に記載のポリマー。
  15. yが1であり、xが2であり、Yがヒドロキシ基であり、それぞれのR20が独立にC1〜C12のアルキルである、請求項1または2に記載のポリマー。
  16. それぞれのR20がt-ブチルである、請求項15に記載のポリマー。
  17. ヒンダード芳香族基を有する反復単位が化学式(F)で表される、請求項1または2に記載のポリマー。
    Figure 0005663721
  18. R1、R2、R3、およびR4の1つが、1)化学式IIで表されるマレイミド含有基:
    Figure 0005663721
    [式中、Aはメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビルより選択される連結基であり、R5およびR6はそれぞれ独立にH、メチル、エチル、またはn-プロピルより選択される]であり、他のR1、R2、R3、およびR4はH、直鎖状または分岐鎖状のC1〜C25のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビルより選択される、第一型の反復単位と、
    R1、R2、R3、およびR4の1つが化学式(D)で表されるヒンダード芳香族基である第二の反復単位:
    Figure 0005663721
    [式中、A2はメチレン、直鎖状または分岐鎖状のC2〜C6のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルまたはペルハロカルビル、あるいは置換型または非置換型のC5〜C12の環式または多環式のヒドロカルビル、ハロヒドロカルビルもしくはペルハロカルビル、C2〜C12エステル、C1〜C12アミド、C1〜C12スルフィド、あるいはそれらの組み合わせより選択される連結基であり;それぞれのYは独立にOHおよびSHから選択される官能基であり;yは1〜3の整数であり;それぞれのR20は独立にC1〜C12の(直鎖状もしくは分岐鎖状)アルキル基または(置換型もしくは非置換型)シクロアルキル基であり;xは1〜4の整数である]
    とを含む、請求項1に記載のポリマー。
  19. 請求項1〜11および14〜18のいずれか1項に記載のポリマーと、
    1つ以上の増感剤成分、1つ以上の溶媒、1つ以上の触媒捕捉剤、1つ以上の接着促進剤、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上の難燃剤、1つ以上の安定剤、1つ以上の反応性希釈剤、または1つ以上の可塑剤より選択される成分
    とを含む、感光性ポリマー組成物。
  20. 前記の1つ以上の増感剤成分が、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ベンゾピレン、フルオランテン、ルブレン、ピレン、キサントン、インダンスレン、チオキサンテン-9-オン、またはそれらの混合物より選択される、請求項19に記載の感光性ポリマー組成物。
  21. 感光層を基板上に形成する方法であって、前記方法が、基板の一側面の少なくとも一部を請求項1〜11および14〜18のいずれか1項に記載のポリマーでコーティングすることと;コーティングされたポリマーを化学線に露光することと;放射露光されたコーティングポリマーを硬化させることとを含む方法。
  22. 硬化されるポリマーにパターンを描画することを更に含む、請求項21に記載の方法。
  23. 硬化されるポリマーにパターンを描画することが、硬化層から複数の構造を形成することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記化学線が200 nm〜700 nmの波長を有する紫外線または可視線である、請求項21に記載の方法。
  25. 露光のための化学線の線量が50〜3,000 mJ/cm2である、請求項21に記載の方法。
  26. 露光が像様露光を含む、請求項21に記載の方法。
  27. 硬化が150℃〜290℃の温度に30〜1800分間加熱することを含む、請求項21に記載の方法。
  28. 感光層が0.1〜100ミクロンの厚さを有する、請求項21に記載の方法。
  29. 露光されたポリマーを硬化の前に現像することを更に含む、請求項21に記載の方法。
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