JP4872735B2 - マレイミド基含有ポリノルボルネンを用いた新規光導波路 - Google Patents

マレイミド基含有ポリノルボルネンを用いた新規光導波路 Download PDF

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本発明は、マレイミド基含有ポリノルボルネンを用いた新規光導波路およびその製造方法に関する。
レーザーまたは発光ダイオードのような光源から発生した光周波搬送波を使用するデータ移送がますます重要になっている。そのような光周波搬送波を一地点から他地点に導くための一つの手段が光導波路である。光導波路は、光周波搬送波の光に対して実質的に透明な第一の媒体と、第一の媒体よりも低屈折率の第二の媒体とを含んでいる。この第一の媒体は、第二の媒体によって取り囲まれているか、もしくは第二の媒体の内側に封入されている。第一の媒体の端部から導入された光は、第二の媒体との境界で内部全反射を起こし、これによって、第一の媒体の軸に沿って導かれる。恐らく、最も頻繁に使用されている光輸送媒体は細長く繊維状に形成されたガラスである。しかしながら、ガラス光ファイバーは、長距離のデータ輸送には便利であるが、回路の高密度化によって使用上の問題を引き起こしたり、高コストになったりするので、煩雑な高密度回路には好ましくない。一方で、ポリマー材料は、合理的コストで、信頼性があり、受動的で実用的なコンポーネントを作成することができ、しかも集積光学に必要な機能が実行できる点で、有望視されている。
したがって、近年、光硬化法を利用してポリマー材料から、光導波路を形成するための研究が活発に行なわれている。光導波路には、特に、光配線で使用される波長領域(850nm付近)における良好な光学物性、さらに、電気・電子部品の実装工程を必要とする製品向けには高温のはんだ耐熱性などが要求される。特に、近年、環境保全への配慮からはんだ鉛フリー化が求められており、はんだリフロー温度が高くなることから、高温でも賦形形状を維持できる耐熱性が必要となってきている。
例えば、光学物性・耐吸水性等に優れるポリノルボルネン(PNB)を用いた光導波路が研究されている(特許文献1、特許文献2)。また、光学材料として、耐熱性、エッチング耐性、接着性等に優れるマレイミドとノルボルネンの共重合体が研究されている(特許文献3、特許文献4、特許文献5)。しかしながら、ポリマー材料の透明性が不十分で吸収損失が高くなる場合や、形成されるコア形状の均一性に問題があって散乱損失が高くなる場合があるなど、要求特性を十分に満たすポリマー材料の開発は、いまだ達成されていない。
特表2004−505129号公報 特表2004−505308号公報 特開2001−200018号公報 特開平11−228536号公報 特開平11−322855号公報
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、従来の技術における課題を少なくとも部分的に解消することを目的とする。特に、本発明は、低い光伝播損失と高い信頼性を有する光導波路およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光を伝搬するためのコア部と、上記コア部と接し、上記コア部より屈折率の小さいクラッド部を備えた光導波路であって、上記コア部が、式(I)で示される第一の反復単位:
Figure 0004872735
[式中、Xは、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;mは0〜5の整数を表し;R、R、R及びRの一つが式(II);
Figure 0004872735
{式中、Aは、メチレン、直鎖状又は分岐状のC-Cヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカロビル、あるいは置換又は非置換のC-C12環状又は多環式ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカルビルから選択される結合基であり;R及びRは互いに独立して、H、C-Cヒドロカルビルから選択されるものであり、かつR及びRは互いに結合して、3〜8の炭素原子を含む環を形成していてもよい}で表されるマレイミド基]であり、R、R、R及びRの残りは、H、直鎖状又は分岐状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものである]を有するポリマーを含むポリマーマトリックスに、光を照射して上記マレイミド基同士を架橋させて得られることを特徴とする光導波路を提供する。
この構成によれば、コア部が、光反応性架橋基であるマレイミド基を側鎖に有するノルボルネン系ポリマーに、光を照射して上記マレイミド基同士を架橋させて得られるため、架橋密度が高く優れた耐熱性を有しており、光導波路を電子機器等の内部部品に実装するに際して、はんだ処理等の熱処理が施された場合でも、コア部の歪みや劣化などが発生しないので、光伝播損失の増大を防ぐことができる。
さらに、本発明は、光を伝搬するためのコア部と、上記コア部と接し、上記コア部より屈折率の小さいクラッド部を備えた光導波路の製造方法であって、式(I)で示される第一の反復単位:
Figure 0004872735
[式中、Xは、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;mは0〜5の整数を表し;R、R、R及びRの一つが式(II);
Figure 0004872735
{式中、Aは、メチレン、直鎖状又は分岐状のC-Cヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカロビル、あるいは置換又は非置換のC-C12環状又は多環式ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカルビルから選択される結合基であり;R及びRは互いに独立して、H、C-Cヒドロカルビルから選択されるものであり、かつR及びRは互いに結合して、3〜8の炭素原子を含む環を形成していてもよい}で表されるマレイミド基];であり、R、R、R及びRの残りは、H、直鎖状又は分岐状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものである]を有するポリマーを含むポリマーマトリックスに、光を照射して上記マレイミド基同士の二量体化により架橋させてコア部を形成することを特徴とする光導波路の製造方法を提供する。
この方法によれば、上述したような露光処理、及び、その後現像処理を施すことにより、高耐熱性と高透明性を有する所望の形状の導波路素子が容易に形成されるので、低い光伝播損失と高い信頼性を有する光導波路を簡易に製造することができる。
本発明によれば、コア部が、光架橋反応性架橋基を側鎖に有するノルボルネン系ポリマーを含むポリマーマトリックスに、光を照射することにより光架橋を促進させて形成される構成とされているため、優れた透明性、かつ、耐熱性及び信頼性を有しており、光導波路を電子機器等の内部部品に実装するに際して、はんだ処理等の熱処理の影響による光伝播損失の増大を抑えることができる。
また、本発明によれば、コア部の形成において、ラジカル発生剤等の光開始剤を添加しなくても十分に架橋反応が促進されるので、コア部に着色が生じることなく、光伝播損失の増大を防ぐことができる。
まず、光導波路の一般的な構造を、図1を参照して説明する。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」又は「上部」とし、下側を「下」又は「下部」とする。図中、1は下部クラッド部、2はコア部、3は上部クラッド部である。コア部2は、それに接するクラッド部の屈折率より高い屈折率を有している。その、屈折率の差は、特に限定されないが、0.3〜4.0%程度が好ましく、特に、0.5〜2.5%程度が好ましい。
本発明の一実施形態において、光導波路はフィルムの形態であることが好ましい。フィルム形態とすることで、取扱いが容易であり、加工性にも優れるという効果を奏する。コア部2は、約5μm〜約100μmの寸法の正方形もしくは矩形の断面を有するポリマーフィルムの一部を意味する。特に限定されないが、コア部2の、厚み(縦方向)は約30μm〜約70μm、幅(横方向)は約30μm〜約70μmであるのが好ましい。コア部2は、途中で湾曲、分岐等してもよく、その形状は任意である。
特に限定されないが、下部クラッド1の厚み(縦方向)は、約5〜約50μmであるのが好ましく、上部クラッド3の厚み(縦方向)はコア部2よりも約5〜約50μm厚いことが好ましい。
クラッド部の材料は、従来から用いられているものでよく、重合可能な部位を有する化合物であってコア部より屈折率の低い材料であれば特に限定されないが、透明性が高く、耐熱性、耐吸水性特性を有し、更には機械的強度及びコア材との密着性等にも優れるものが好ましい。上部クラッド部1と下部クラッド部3の構成材料は、同一(同種)のものでも異なるものでもよいが、これらは屈折率が同じか近似しているものが好ましい。
上記条件を満たすクラッド部の主材料としては、特に限定されないが、例えば、ノルボルネン系樹脂、アクリル酸(メタクリル酸)系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。とくに透明性に優れるという点から脂環式エポキシ系樹脂が好ましい。
また、上記クラッド材は、光架橋反応を促進させるために、ラジカル発生剤や光酸発生剤等の光反応促進剤が含まれていてもよい。
特に限定されないが、そのようなラジカル発生剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
また、特に限定されないが、そのような光酸発生剤としては、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられ、例えば、トリフェノルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモン等が挙げられる。
特に限定されないが、本発明の一実施形態では、クラッド材は、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、及び任意の光酸発生剤を含むものである。上記樹脂を併用することで、硬化速度を促進させることができる。
また、上記クラッド材は、光架橋反応の感光波長領域を拡大させるために、適宜光増感剤を更に含んでいてもよい。さらに他の添加物、例えば、密着助剤、界面活性剤、溶解促進剤、難燃剤等の付加的な化合物を適宜配合してもよい。
本発明に係る光導波路は、従来から公知の方法で製造されうるものである。例えば、図1に示す光導波路は、まず任意の基板(例えば、ガラス基板、Siウェハー等)上に、クラッド材を塗布し、紫外線を照射して塗膜を硬化させて下部クラッド部1を形成する。次いで、コア材を塗布後、任意形状のフォトマスク越しに紫外線照射し、上述した光架橋反応をさせて硬化させ、その後現像工程を経てコア部2を形成する。次いで、下部クラッド部と同様の手順で上部クラッド部3を形成する工程により製造される。
上記光導波路において、本発明は、コア部2の主材料とされるポリマーを、式(I)で示される第一の反復単位:
Figure 0004872735
[式中、Xは、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;mは0〜5の整数を表し;R、R、R及びRの一つが式(II);
Figure 0004872735
{式中、Aは、メチレン、直鎖状又は分岐状のC-Cヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカロビル、あるいは置換又は非置換のC-C12環状又は多環式ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカルビルから選択される結合基であり;R及びRは互いに独立して、H、C-Cヒドロカルビルから選択されるものであり、かつR及びRは互いに結合して、3〜8の炭素原子を含む環を形成していてもよい}で表されるマレイミド基]であり、R、R、R及びRの残りは、H、直鎖状又は分岐状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものである]を有するマレイミド基含有ポリノルボルネンとしたことに特徴がある。
本明細書において、「ヒドロカルビル」という用語は、各炭素原子が少なくとも1つの水素原子で適宜置換された炭素骨格を含む基を意味する。「ハロヒドロカルビル」という用語は、ヒドロカルビル基の少なくとも1つの水素原子(ただし全ての水素原子ではない)が、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン原子で置換されていることを意味する。「パーハロヒドロカルビル」という用語は、各水素原子がハロゲン原子で置換されたヒドロカルビル基を意味する。
特に限定されないが、ヒドロカルビルの例として、直鎖状又は分岐状の(C−C25)アルキル、直鎖状又は分岐状(C−C24)アルケニル、直鎖状又は分岐状(C−C24)アルキニル、直鎖上又は分岐状(C−C25)シクロアルキル、(C−C24)アリール、(C7-C24)アラルキルが挙げられる。
代表的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル及びドデシルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルケニル基としては、ビニル、アリル及びプロぺニルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアルキニル基としては、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、及び2-ブチニルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。代表的なシクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロオクチル基が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアリール基としては、フェニル、ビフェニル、ナフチル、及びアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。代表的なアラルキル基としては、ベンジル、およびフェネチルが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。ハロヒドロカルビル及びパーハロヒドロカルビルに関して、適切な数の水素原子がハロゲン原子で置換された上述の例示的なヒドロカルビルが挙げられる。
本明細書において、「ヒドロカルビル」という用語は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基等のヒドロカルビル基の水素原子の少なくとも1つが、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素およびこれらの組み合わせ(例えば、ハロアルキル、ハロアルキニル、ハロシクロアルキル、ハロアリールおよびハロアラルキル)から選択されるハロゲン原子で置換されていることを意味する。
ある例では、パーハロヒドロカルビル基としては、パーハロゲン化されたフェニル基およびアルキル基が挙げられる。本発明の例で有用なハロゲン化アルキル基は、部分的または完全にハロゲン化され、直鎖か分岐しており、一般式C2Z+1を有している。ここで、「X」は、独立して、ハロゲンあるいは水素であり、「z」は1〜20の整数から選択される。別の例では、各「X」は、独立して、水素、塩素、フッ素および/または臭素から選ばれる。さらに別の例では、各「X」は、独立して、水素あるいはフッ素のいずれかである。
別の例では、パーフルオロ化置換基としては、パーフルオロフェニル基、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基およびパーフルオロヘキシル基から選ばれる。ハロゲン置換基に加えて、本発明のシクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基は、直鎖状または分岐状のC-Cのアルキルまたはハロアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基で更に置換されていてもよい。
さらに、O、N、S及びSiから選択される一又は複数のハロゲン原子を有するヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、及びパーハロヒドロカルビルであってもよい。そのようなヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル、及びパーハロヒドロカルビルは、上述した一又は複数の非炭素原子によって置換された炭素原子を有すると解される。例えば、一又は複数のヘテロ原子を含むヒドロカルビルは、エーテル、グリシジルエーテル、アルコール、カルボン酸、エステル、アクリル、トリアルコキシシリル、シリルまたはシロキシ等の基を含むものである。本発明の一実施形態において、一又は複数のヘテロ原子を含むヒドロカルビルは、ジフェニルメチルシリルメチルを含む基である。
本発明の一実施形態では、上記ポリマーを含むポリマーマトリックスに光、すなわち活性放射線を照射する。活性放射線は、光反応を生じさせ得るものであればよく、例えば、可視光線、紫外線、赤外線、レーザー光線、電子線、X線等が挙げられる。これにより、マレイミド基の環化付加反応による光架橋が促進されて二量体が形成されるので、架橋密度が高く耐熱性・耐湿性等に優れるコア部が得られる。本発明の好ましい一実施形態では、光は紫外線である。
上記光架橋を促進させるための光照射が紫外線の照射である場合、紫外線の種類は特に制限されないが、通常、光あるいは紫外線照射は、光反応に必要な波長である、200〜450nmを含む光源(例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀灯またはメタルハライドランプ等)を使用して、数秒間から数分間の照射で行うことができる。照射条件や方法は特に限定されないが、目的に応じて種々の方法が採用される。
本発明の一実施形態では任意形状のフォトマスクを介して光照射を行うことにより、任意形状の架橋されたコア部を得ることができる。光照射されていない部分(未露光部分)のポリマーマトリックスを取り除く方法としては、現像、ドライエッチングなど種々の方法が可能であるが、作業性の観点から現像液による現像が好ましい方法である。本発明の一実施形態では、コア部の材料そのものが架橋されるため、フォトレジストなどの余計な材料を用いることなく簡便に現像を行うことができる。現像処理は、従来から公知の方法で行なうことができる。現像液の例として、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン、リモネン、デカリンなどの溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒を、1種又は2種以上混合して使用してもよい。さらに現像液の溶解性をコントロールするために任意の貧溶媒を添加することができる。そのような貧溶媒の例として水やエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類等を挙げることができる。
また、上記ポリマーマトリックスは、光架橋反応を促進させるために、光伝播損失の増大しない範囲で、光ラジカル発生剤等の光反応促進剤を含んでいてもよい。
特に限定されないが、光ラジカル発生剤の例としては2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
また、上記ポリマーマトリックスは、光架橋反応の感光波長領域を拡大するために、光伝播損失の増大しない範囲で、適宜光増感剤を更に含んでいてもよい。
特に限定されないが光増感剤の例としては2−クロルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロプロポキシチオキサントンなどのチオキサントン類や2,3−ジクロロ−5,6ジシアノベンゾキノン、アントラキノンなどのキノン類などが挙げられる。
本発明の好ましい一実施形態では、ポリマーマトリックスはラジカル発生剤等の光反応促進剤を含まない。このような構成により、着色が生じることなく、より透明性の高いコア部を形成することができる。
また、上記ポリマーマトリックスは、さらに他の添加剤、例えば、密着助剤、酸化防止剤、溶解促進剤等を更に含んでいてもよい。当業者であれば、考慮される添加により、本発明の光導波路に有利な特性が悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の付加的な化合物および/またはその量を選択することができる。
特に限定されないが、密着助剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルノルボルネン、トリエトキシシリルノルボルネン、トリメトキシシリルエチルノルボルネンなどのシランカップリング剤が挙げられる。密着助剤の添加は、特に密着性が必要とされる用途に用いる場合や、現像液に浸漬する製造方法を選択する場合などに効果的である。
上記ポリマーマトリックスはR、R、R及びRの少なくとも一つが式(II)のマレイミド基であることを特徴としている。特に限定はされないが、マレイミド基の構造の例として以下のものを例示できる。
Figure 0004872735
本発明の好ましい一実施形態では、上記式(I)において、Rおよび/またはRがメチル基である。特に限定されないが、上記マレイミド基の例として、メチルマレイミド、ジメチルマレイミドが挙げられる。
特に限定されないが、上記第一の反復単位を構成するモノマーの例として、N−ノルボルネン-(CH)n-(ジ)メチルマレイミド(nは1〜6)が挙げられる。
上記実施形態では、好ましくは、上記ポリマーの反復単位を形成するモノマーの総モルパーセントに対して、上記第一の反復単位の量は5〜100モルパーセントの範囲である。
本発明の第2の実施形態において、上記ポリマーは、式(III):
Figure 0004872735
[式中、X’及びm’の定義は、それぞれ上述したX、mについての定義と同じであり;R’、R’、R’及びR’の少なくとも一つが、H、直鎖状、分岐状、又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルであって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状、分岐状又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものであり、R’、R’、R’及びR’の残りがHである]で表される第二の反復単位を更に含むものである。
好ましくは、上記第二の反復単位は、X’が-CH-であり;m’が0であり;及びR’、R’、R’及びR’の少なくとも一つが、直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基であって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基から選択されるものであり、R’、R’、R’及びR’残りがHである。
また、本発明の第3の実施形態において、上記ポリマーは、上記式(IV):
Figure 0004872735
[式中、X”、m”、R”、R”、R”及びR”の定義は、それぞれ上述したX、m、R1’、R2’、R3’及びR4’の定義と同じである]であり、但し上記第三の反復単位は前記第二の反復単位と異なるものである。
好ましくは、上記第三の反復単位は、X”が-CH-であり;m”が0であり;及びR”、R ”、R ”及びR”の少なくとも一つが、直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基であって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基から選択されるものであり、R”、R”、R”及びR”の残りがHであり、但し上記第三の反復単位は前記第二の反復単位と異なるものである。
特にコア材の屈折率を調整したい場合には第二、第三の反復単位にベンゼン環を有する高屈折率の基を導入することが効果的である。特に限定されないが、アラルキルペンダント基、ジフェニルメチルシロキシメチル基などが好ましい例である。
上記ポリマーが、上記第一及び第二の反復単位から構成されるコポリマーである場合、特に限定されないが、第二の反復単位は、上記ポリマーの反復単位を形成するモノマーの総モルパーセントに対して、5〜95モルパーセント、好ましくは20〜95モルパーセント、更に好ましくは40〜80モルパーセントの割合で配合することができる。さらに、上記ポリマーが、第一、第二及び第三の反復単位から構成されるターポリマーである場合、特に限定されないが、第二及び第三の反復単位の合計は、上記ポリマーの反復単位を形成するモノマーの総モルパーセントに対して、5〜95モルパーセント、好ましくは20〜95モルパーセント、更に好ましくは40〜80モルパーセントの割合で配合することができる。上記範囲外でも使用できるが、これより少ないと屈折率の調整効果が不十分となることがあり、これより多いとマレイミド基による光架橋反応が不十分になることがある。特に限定されないが、これらの基を有するモノマーの例としてフェネチルノルボルネン、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランなどが挙げられる。
また特にコア材の柔軟性を向上させたい場合には第ニ、第三の反復単位にフレキシブルな構造の基を導入することが効果的である。アルキル基などが好ましい例である。
上記ポリマーが、第一及び第二の反復単位から構成されるコポリマーである場合、特に限定されないが、第二の反復単位は、上記ポリマーの反復単位を形成するモノマーの総モルパーセントに対して、5〜95モルパーセント、好ましくは20〜95モルパーセント、更に好ましくは40〜80モルパーセントの割合で配合することができる。さらに、上記ポリマーが第一、第二及び第三の反復単位から構成されるターポリマーである場合、特に限定されないが、第二及び第三の反復単位の合計は、上記ポリマーの反復単位を形成するモノマーの総モルパーセントに対して、5〜95モルパーセント、好ましくは20〜95モルパーセント、更に好ましくは40〜80モルパーセントの割合で配合することができる。上記範囲外でも使用できるが、これより少ないと柔軟性の向上効果が不十分となることがあり、これより多いとマレイミド基による光架橋反応が不十分になることがある。特に限定されないが、これらの基を有するモノマーの例としてデシルノルボルネン、ヘキシルノルボルネン、ブチルノルボルネンなどが挙げられる。
上記の一実施形態では、好ましくは、上記第一の反復単位と、上記第二の反復単位およびまたは第三の反復単位の総モルパーセントに対して、上記第一の反復単位の量が5〜95モルパーセントの範囲であり、上記第二の反復単位の量および/または第三の反復単位の量が5〜95モルパーセントの範囲である。
上記一実施形態において、上記ポリマーが、第一及び第二の反復単位から構成されるコポリマーである場合、上記ポリマーの反復単位の総モルパーセントに対して、第一の反復単位の量は5〜95モルパーセント、好ましくは20〜60モルパーセントであり、第二の反復単位の量は5〜95モルパーセント、好ましくは40〜80モルパーセントの範囲である。
上記一実施形態において、上記ポリマーが、第一、第二及び第三の反復単位から構成されるターポリマーである場合、上記ポリマーの反復単位の総モルパーセントに対して、第一の反復単位の量は5〜95モルパーセント、好ましくは20〜60モルパーセントであり、第二及び第三の反復単位の量の合計は5〜95モルパーセント、好ましくは40〜80モルパーセントの範囲である。
上記第一の反復単位と、第二の反復単位および/または第三の反復単位との組み合わせの種類、および/または共重合比率を変化させることより、ポリマーの柔軟性や溶解性、屈折率、線膨張係数、架橋密度、そして密着力などの物性を制御することができる。
本発明の一実施形態において、好ましくは、上記ポリマーのゲルパーミッションクロマトグラフィ法(ポリスチレン換算)により測定される重量平均分子量(Mw)が、10000〜500000の範囲である。更に好ましくは、50000〜200000の範囲である。分子量の測定は有機溶媒系のゲルパーミッションクロマトグラフィーを用いて、一般的な方法により行うことができる。本発明の一実施形態おける測定条件は、特に限定されないが、カラム:東ソー社製TSKgelHタイプXLシリーズより選択されたもの(TSKgelGMHXLなど)、溶媒:THF、カラム温度:40℃、標準試料:東ソー社製TSK標準ポリスチレンである。
本発明の一実施形態において、コア部2は、光、すなわち、紫外線照射による架橋反応は、上記ノルボルネンポリマーの側鎖に含まれる光架橋性マレイミド基同士の二量体化反応により形成されるものである。
本発明の一実施形態において、上記架橋反応により形成されたコア部2のガラス転移点(Tg)は250℃以上である。
また、本発明の一実施形態において、上記コア部から構成される上記光導波路の光伝播損失は、0.1dB/cm(850nm)以下であり、更に好ましくは、0.05dB/cm以下である。
また、特に限定されないが、Tgが250℃以上であるときは、例えば、半導体回路基板等への実装工程において近年主流になりつつあるような鉛フリーはんだリフロー条件下においても、十分な耐熱性・耐湿性を有し、光伝播損失の増加を抑えることができる。
本発明の一実施形態では、上記ポリマーは、適切な溶媒を用いて希釈される。特に限定されないが、溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン、リモネン、デカリンなどが挙げられる。これらの溶媒を、1種又は2種以上混合して使用してもよい。
本発明の一実施形態では、上記ポリマーの含有量は、溶媒に対して約5〜65重量%、好ましくは約15〜45重量%である。特に限定されないが、上記ポリマー溶液(ワニス)の粘度は、約500〜50000センチポアズ(CP)である。このようなワニスの粘度は、所望されるポリマー塗膜の厚みによって適宜調整することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。光導波路を形成するための下記の実施例において使用した各ワニス溶液は感光性材料を含んでいるので、イエローライトの下で調整した。
実施例1〜22
1.コア用ワニスの調製
(1)コア用ベースポリマー
表1に示す(共)重合比のホモポリマー、コポリマー及びターポリマーを使用してコア用ワニス溶液を調製した。
Figure 0004872735
上記各コア用ベースポリマーを構成する反復単位の式を以下に示す。
Figure 0004872735
(2)ワニス溶液の調製
調製に当たっては、先ず、表2に示す組成の割合(重量比)で、各コア用ベースポリマーをメシチレン中で攪拌、混合した。次いで、シランカップリング剤(エポキシシラン:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランあるいはメタクリルシラン:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)を添加、攪拌し、溶解した。得られた溶液を0.2μmの細孔のフィルターでろ過し異物を取り除いた。
Figure 0004872735
2.クラッド用ワニス溶液の調製
調製に当たっては、先ず、液状脂環式エポキシ化合物(ダイセル化学工業株式会社製CEL−2021P)/液状オキセタン化合物(東亜合成株式会社製OX−SQ)/酸発生剤(株式会社アデカ製SP−170)(80wt/20wt/3wt)を攪拌して混合した。得られた液を0.2μmの細孔のフィルターでろ過し異物を取り除いた。クラッド材は実施例1〜22において全て同一のものを使用した。
3.光導波路の作製
(1)下部クラッド形成
基板(Siウェハ)上に、クラッド用ワニス溶液を、塗布(スピンコータで1000rpm/30sec)し、露光機で全面に紫外線を照射(700mJ/cm)して硬化させた。さらに、ホットプレート(150℃/10分)に置いて加熱した。
(2)コア形成
上記コア用ワニス溶液を、それぞれ上記クラッド上に塗布(アプリケータで乾燥後に35μm厚となるように)し、その後ホットプレート(50℃/10分)に置いて溶剤を乾燥させた。
(3)UV露光パターニング
導波路パターンのフォトマスク(明部/暗部=35μm/90μmのライン/スペース)越しに紫外線を照射して、パターニングを行なった。パターニング時の紫外線露光量を以下の表3に示す。
Figure 0004872735
(4)露光後ベーキング
パターニング処理後のサンプルを、ホットプレート(45℃/20分)に置いて加熱した。
(5)現像
加熱処理後のサンプルを、下記表4に示す組成の現像液に2分間浸漬し、未露光部分を溶解させた。
Figure 0004872735
(6)乾燥
現像処理後のサンプルをオーブン(150℃/30分)で加熱乾燥させた。
(7)上部クラッド形成
上記下部クラッドと同条件及び方法により、上部クラッドを形成した。
4.伝搬損失の測定
得られた光導波路サンプルの伝搬損失を「カットバック法」を使用して測定した。レーザーダイオードから発生させた光(850nm)を、光ファイバーを通して、各ワニス溶液から形成した導波路のコアの第一の端部に入力した。導波路はある長さを有している。反対側の第二の端部からの出力を測定した。導波路は少なくとも2つの長さに短く「カットバック」され、各長さの導波路に対して第二の端部での光出力を測定した。
各測定での総光損失は下記である。
総光損失(dB) = -10log(Pn/Po)
ここで、「Pn」はP1、P2、…Pnの各長さの導波路の第二の端部での測定された出力であり、「Po」は、光ファイバーを導波路のコアの第一の端部に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。次に、総光損失は、図2のグラフのようにプロットされる。このデータの最も真っ直ぐな線が下記式によって表わされる。
y=mx+b
ここで、「m」は伝搬損失であり、「b」は結合損失(coupling loss)である。
各ワニス溶液1〜22から得られた導波路に対する「カットバック法」による伝搬損失の結果を以下の表5に示す。
Figure 0004872735
実施例23
Decyl/DMMI(70/30)コポリマー及びPhenetyl/Decyl/DMMI(40/30/30)ターポリマーについて、紫外線照射による屈折率の変化及びガラス転移点(Tg)の変化を測定した。
1.屈折率測定
各ポリマーを、ガラスプレート上に均一な厚みとなるようにドクターブレードを用いて塗布した。次いで、紫外線を照射し、150℃で30分間加熱した。屈折率計(Metricon社製)を用いて、紫外線照射線量を変化させた場合の屈折率を測定した。測定結果を以下の表6に示す。
Figure 0004872735
紫外線照射線量の変化による屈折率の変動は確認されなかった。
2.ガラス転移点測定
各フィルムサンプルについて、紫外線照射線量を変化させた場合のTg及び線膨張係数を、熱機械測定装置(引っ張り法:荷重30mN、昇温速度5℃/分、空気中)を用いて測定した。測定結果を以下の表7に示す。
Figure 0004872735
上記の結果から分かるように、紫外線照射線量の増加に伴い、Tgの上昇が確認された。Decyl/DMMI(70/30)コポリマーの場合は3J/cm以上、Phenetyl/Decyl/DMMI(40/30/30)ターポリマーの場合は5J/cm以上の紫外線照射により、顕著にTgが250℃以上に上昇している。これは、マレイミド基の二量体化による架橋反応が促進され、架橋密度が上昇したためである。
本発明に係る光導波路は、低い光伝搬損失と高い信頼性有し、特に、電子機器等の内部部品に実装される回路基板等の光配線用途に有用である。
本発明の一実施形態に係る光導波路を模式的に示す縦断面図である。 カットバック法による光損失と導波路長の関係を示す一般的なプロット図である。
符号の説明
1 下部クラッド
2 コア部
3 上部クラッド

Claims (17)

  1. 光を伝搬するためのコア部と、前記コア部と接し、前記コア部より屈折率の小さいクラッド部を備えた光導波路であって、前記コア部が、式(I)で示される第一の反復単位:
    Figure 0004872735
    [式中、Xは、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;mは0〜5の整数を表し;R、R、R及びRの一つが式(II);
    Figure 0004872735
    {式中、Aは、メチレン、直鎖状又は分岐状のC-Cヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカロビル、あるいは置換又は非置換のC-C12環状又は多環式ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカルビルから選択される結合基であり;R及びRは互いに独立して、H、C-Cヒドロカルビルから選択されるものであり、かつR及びRは互いに結合して、3〜8の炭素原子を含む環を形成していてもよい}で表されるマレイミド基]であり、R、R、R及びRの残りは、互いに独立して、H、直鎖状又は分岐状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものである]を有するポリマーを含むポリマーマトリックスに、光を照射して、前記マレイミド基の光二量体化反応を伴う架橋反応により前記マレイミド基同士を架橋させて得られるものであることを特徴とする光導波路。
  2. および/またはRがメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記ポリマーが、式(III):
    Figure 0004872735
    [式中、X’は、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;m’は0〜5の整数を表し;R’、R’、R’及びR’の少なくとも一つが、直鎖状、分岐状又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルであって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状、分岐状又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものであり、R’、R’、R’及びR’の残りがHである]で表される第二の反復単位を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路。
  4. 前記第二の反復単位が、X’が-CH-であり;m’が0であり;及びR’、R’、R’及びR’の少なくとも一つが、直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基であって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基から選択されるものであり、R’、R’、R’及びR’の残りがHであることを特徴とする請求項3に記載の光導波路。
  5. 前記ポリマーが、上記式(IV):
    Figure 0004872735
    [式中、X”は-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;m”は0〜5の整数を表し;R”、R”、R”及びR”の少なくとも一つが、H、直鎖状、分岐状、又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルであって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状、分岐状又は環状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものであり; 、R”、R”及びR”の残りがHである]で表される第三の反復単位を更に含み、但し前記第三の反復単位は前記第二の反復単位と異なるものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の光導波路。
  6. 前記第三の反復単位が、X”が-CH-であり;m”が0であり;及びR”、R”、R”及びR”の少なくとも一つが、直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基であって、一又は複数のO、N、S及びSiから選択されるヘテロ原子を含むもの、又は直鎖状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビル、アリール又はアラルキルペンダント基であり、R”、R”、R”及びR”の残りがHであることを特徴とする請求項5に記載の光導波路。
  7. 前記第二の反復単位が、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランである請求項3ないし6のいずれか1項に記載の光導波路。
  8. 前記第三の反復単位が、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランである請求項5又は6に記載の光導波路。
  9. 前記ポリマーを構成する反復単位の総モルパーセントに対して、前記第一の反復単位の量が5〜100モルパーセントの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路。
  10. 前記ポリマーが、第一及び第二の反復単位から構成されるコポリマーであり、ポリマーを構成する反復単位の総モルパーセントに対して、前記第一の反復単位の量が5〜95モルパーセントの範囲であり、前記第二の反復単位の量が5〜95モルパーセントの範囲であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光導波路。
  11. 前記ポリマーが、第一及、第二及び第三の反復単位から構成されるターポリマーであり、ポリマーを構成する反復単位の総モルパーセントに対して、前記第一の反復単位の量が5〜95モルパーセントの範囲であり、前記第二及び第三の反復単位の量の合計が5〜95モルパーセントの範囲であることを特徴とする請求項5又は6に記載の光導波路。
  12. 前記ポリマーの重量平均分子量(Mw)が、10000〜500000の範囲であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光導波路。
  13. 前記ポリマーマトリックスが、光開始剤を含有しないことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の光導波路。
  14. 前記ポリマーマトリックスが、密着助剤を更に含有することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の光導波路。
  15. 前記コア部のガラス転移点が250℃以上であることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の光導波路。
  16. 光を伝搬するためのコア部と、前記コア部と接し、前記コア部より屈折率の小さいクラッド部を備えた光導波路の製造方法であって、式(I)で示される第一の反復単位:
    Figure 0004872735
    [式中、Xは、-CH-、-CH-CH-又は-O-を表し;mは0〜5の整数を表し;R、R、R及びRの一つが式(II);
    Figure 0004872735
    {式中、Aは、メチレン、直鎖状又は分岐状のC-Cヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカロビル、あるいは置換又は非置換のC-C12環状又は多環式ヒドロカルビル、ハロヒドロカルビル又はパーハロカルビルから選択される結合基であり;R及びRは互いに独立して、H、C-Cヒドロカルビルから選択されるものであり、かつR及びRは互いに結合して、3〜8の炭素原子を含む環を形成していてもよい}で表されるマレイミド基]であり、R、R、R及びRの残りは、互いに独立して、H、直鎖状又は分岐状のC-C25ヒドロカルビル、ハロヒロドカルビル又はパーハロカルビルから選択されるものである]を有するポリマーを含むポリマーマトリックスに、光を照射して前記マレイミド基同士の光二量体化反応を伴う架橋反応により架橋させてコア部を形成することを特徴とする光導波路の製造方法。
  17. 光照射により架橋された部分以外のポリマーマトリックスを現像液に溶解除去することによりコア部の形状を形成することを特徴とする請求項16に記載の光導波路の製造方法。
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