JP5663624B2 - 燃料供給装置 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料供給装置に関するものである。
一般に、自動二輪車や四輪車の車両用の燃料供給装置として、燃料タンク内に燃料ポンプを配設し、燃料タンク内の燃料に燃料供給装置を浸漬する、いわゆるインタンク式を採用する場合が多い。この種の燃料供給装置の燃料ポンプは、下方に燃料を汲み上げて内燃機関(エンジン)へと圧送するポンプ部を備えている。また、このポンプ部の上方には、ポンプ部を駆動するモータ部が設けられている。
例えば、特許文献1には、ハウジングに設けられたモータと、ハウジングに設けられ、モータにより回転部材を回転させることにより燃料を昇圧するポンプ部と、ハウジングに設けられ、ポンプ部に燃料を吸入するための吸入口と、ハウジングに設けられ、ポンプ部にて昇圧された燃料を外部へ吐出するための吐出口と、ハウジングに設けられ、ポンプ部にて発生するベーパを外へ排出するためのベーパ排出孔と、ポンプ部に吸引される燃料を濾過するサクションフィルタと、を備えた燃料ポンプが記載されている。ハウジングの外側には、ベーパ排出孔に対応して設けられ、ベーパ排出孔からのベーパの排出を許容し、ベーパ排出孔への異物の侵入を規制する入出流調整手段が設けられている。この入出流調整手段は、ベーパ排出孔から排出されるベーパの通過を許容し、かつ、ベーパ排出孔へ侵入しようとする異物の通過を規制する多孔材を含む濾過部材により形成されている。
特開2008−274820号公報
しかし、従来技術においては、以下のような問題がある。
サクションフィルタに目詰まりが発生した場合には、燃料タンク内の燃料は、脱気孔を介して燃料ポンプ内に吸入される。しかし、脱気孔を介して燃料ポンプ内に吸入された燃料は、サクションフィルタにより濾過されていないため異物を含んでいるおそれがある。異物が燃料ポンプ内に吸引されると、燃料ポンプのインペラの回転抵抗が増大するなどして燃料供給装置にダメージを与えるおそれがある。
そこで、特許文献1に記載の従来技術のように、例えば脱気孔に濾過部材(フィルタ)を設け、脱気孔を介して吸入される燃料を濾過することにより、燃料ポンプ内への異物の吸入を防止することも考えられる。しかし、脱気孔にフィルタを設けると、通常動作時にベーパを排出する際の抵抗となるため、ベーパを良好に排出することができず燃料ポンプの動作に支障をきたすおそれがある。
そこで本発明は、通常動作時には、燃料ポンプの動作に影響を与えることがなく、サクションフィルタが目詰まりを起こした際には、脱気孔から異物の侵入を抑制することができる燃料供給装置の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の燃料供給装置は、燃料タンク内に配置され、サクションフィルタを介して前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、を備えた燃料供給装置であって、一方端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させて他方端部の排出口から排出可能な排出管を備え、前記排出管の前記排出口は、前記脱気孔よりも上方に配置され、前記排出管の前記他方端部には、前記排出口および前記他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段が設けられ、前記排出管の前記他方端部の前記外周面と、前記異物侵入抑制手段との間には、前記排出口を介して前記排出管の内部と連通する脱気排出路が設けられ、前記燃料ポンプを支持するとともに前記燃料タンクに固定されるフランジユニットを備え、前記フランジユニットは、前記燃料タンクの上壁に取り付けられるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記燃料ポンプを覆うアッパーカップと、前記アッパーカップの径方向外側に設けられ、前記フランジ部から立設された壁部と、を有し、前記異物侵入抑制手段は、前記フランジユニットであり、前記排出管の前記他方端部は、前記アッパーカップと前記壁部との間に配置されて、前記フランジ部と前記アッパーカップと前記壁部とにより覆われ、前記他方端部の前記外周面と、前記アッパーカップおよび前記壁部との間には、前記脱気排出路が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、排出管の排出口が脱気孔よりも上方に配置されているので、排出管の排出口が燃料タンク内の燃料に浸漬されるのを抑制できる。
また、排出管の他方端部の排出口および他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段を設けているので、サクションフィルタの目詰まりに起因して仮に燃料が排出管の排出口から吸引しようとしても、燃料は異物侵入抑制手段を迂回しつつ吸引される。これにより、燃料が排出管の排出口から吸引される際の経路が長くなるので、燃料中の異物の侵入を抑制できる。しかも、燃料タンク内の燃料中の異物は下方に沈殿しやすく、排出管の排出口近傍には比較的異物が少ない。したがって、サクションフィルタの目詰まりに起因して、燃料ポンプが排出管の排出口から燃料を吸引しようとしても、さらに燃料中の異物の侵入を抑制できる。
また、排出管の他方端部の外周面と異物侵入抑制手段との間に排出管の内部と連通する脱気排出路を設けているので、サクションフィルタに目詰まりが発生していないとき、例えば燃料ポンプの始動時等に、異物侵入抑制手段が抵抗となることなく良好にベーパを排出でき、かつ燃料ポンプの始動に支障をきたさない。
したがって、本発明の燃料供給装置は、脱気孔から異物が混入した燃料を吸入するのを抑制できるとともに、脱気孔からベーパを確実に排出できる。
この構成によれば、燃料タンクの上壁に取り付けられる、いわゆる上付けタイプの燃料供給装置のフランジユニットを異物侵入抑制手段としているので、別部品として異物侵入抑制手段をもうける必要がない。したがって、特に上付けタイプの燃料供給装置において、異物侵入抑制手段を簡単かつ低コストに形成できる。
また、燃料タンク内に配置され、サクションフィルタを介して前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、を備えた燃料供給装置であって、一方端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させて他方端部の排出口から排出可能な排出管を備え、前記排出管の前記排出口は、前記脱気孔よりも上方に配置され、前記排出管の前記他方端部には、前記排出口および前記他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段が設けられ、前記排出管の前記他方端部の前記外周面と、前記異物侵入抑制手段との間には、前記排出口を介して前記排出管の内部と連通する脱気排出路が設けられ、前記燃料ポンプを支持するとともに前記燃料タンクに固定されるフランジユニットを備え、前記フランジユニットは、前記燃料タンクの下壁に取り付けられるフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記燃料ポンプを覆うアッパーカップと、を有し、前記異物侵入抑制手段は、前記アッパーカップの外側および内側のいずれかに形成されていてもよい。
また、前記排出管の前記他方端部の前記外周面には、前記燃料を濾過可能な多孔部材が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、排出管の他方端部の外周面には、燃料を濾過可能な多孔部材が設けられているので、サクションフィルタの目詰まりに起因して排出管の内部に吸引されようとする燃料を濾過できる。したがって、異物が侵入するのをさらに抑制できる。しかも、排出管の排出口は、脱気排出路によりベーパの排出機能が阻害されることもない。したがって、本発明の燃料供給装置は、脱気孔から異物が混入した燃料を吸引するのを確実に抑制できるとともに、脱気孔からベーパを確実に排出できる。
また、前記排出管の開口面積は、前記脱気孔の開口面積よりも大きく形成されていることを特徴としている。
この構成によれば、排出管の開口面積が脱気孔の開口面積よりも大きく形成されているので、排出管の内部が燃料で充たされている状態であっても、脱気孔から排出されたベーパが排出管の内部を容易に流通できる。したがって、排出管を介して、脱気孔から排出されたベーパを確実に外部に排出できる。
また、前記異物侵入抑制手段は、前記他方端部の前記排出口と対向する底部と、前記他方端部の前記外周面を囲繞する周壁部と、を有し、前記他方端部に装着された筒部材であり、前記他方端部の前記外周面と、前記筒部材の前記周壁部との間には、前記脱気排出路が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、筒部材により異物侵入抑制手段を形成し、排出管とは別部材としているので、異物侵入抑制手段を簡単に形成できる。
また、筒部材の周壁部の高さを調整することにより、排出管の他方端部の外周面と筒部材の周壁部との重なり量を調整できる。これにより、排出管の他方端部の外周面と筒部材の周壁部との間の脱気排出路の長さを簡単に調整できるので、サクションフィルタの目詰まりに起因して燃料が排出管の排出口から吸引される際の経路(すなわち脱気排出路)を所望の長さに設定できる。したがって、脱気排出路によるベーパの排出機能および異物の侵入抑制機能を、所望のバランスに設定できる。
また、前記筒部材の前記底部および前記周壁部の少なくともいずれかの一部には、前記燃料を濾過可能な多孔部材が設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、筒部材の底部および周壁部の少なくともいずれかの一部に多孔部材が設けられることにより、サクションフィルタの目詰まりに起因して排出管の排出口から吸引される燃料を濾過できる。したがって、異物が侵入するのを確実に抑制できる。しかも、筒部材の一部を多孔部材で形成しつつ、排出管の他方端部の外周面と筒部材の周壁部との間に脱気排出路を設けているので、ベーパの排出を阻害することもない。したがって、本発明の燃料供給装置は、脱気孔から燃料が燃料ポンプ内に吸入されたときであっても異物が侵入するのを確実に抑制できるとともに、脱気孔からベーパを確実に排出できる。
本発明によれば、排出管の排出口が脱気孔よりも上方に配置されているので、排出管の排出口が燃料タンク内の燃料に浸漬されるのを抑制できる。
また、排出管の他方端部の排出口および他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段を設けているので、サクションフィルタの目詰まりに起因して仮に燃料が排出管の排出口から吸引しようとしても、燃料は異物侵入抑制手段を迂回しつつ吸引される。これにより、燃料が排出管の排出口から吸引される際の経路が長くなるので、燃料中の異物の侵入を抑制できる。しかも、燃料タンク内の燃料中の異物は下方に沈殿しやすく、排出管の排出口近傍には比較的異物が少ない。したがって、サクションフィルタの目詰まりに起因して、燃料ポンプが排出管の排出口から燃料を吸引しようとしても、さらに燃料中の異物の侵入を抑制できる。
また、排出管の他方端部の外周面と異物侵入抑制手段との間に排出管の内部と連通する脱気排出路を設けているので、サクションフィルタに目詰まりが発生していないとき、例えば燃料ポンプの始動時等に、異物侵入抑制手段が抵抗となることなく良好にベーパを排出でき、かつ燃料ポンプの始動に支障をきたさない。
したがって、本発明の燃料供給装置は、脱気孔から異物が混入した燃料を吸入するのを抑制できるとともに、脱気孔からベーパを確実に排出できる。
第一実施形態の燃料供給装置の斜視図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 図1のB−B線に沿った断面図である。 図1のC−C線に沿った断面図である。 キャップフィルターの斜視図である。 脱気排出路の説明図である。 第一実施形態の変形例に係る排出管の斜視図である。 図7のD−D線に沿った断面図である。 第二実施形態の燃料供給装置の斜視図である。 図9のE−E線に沿った断面図である。 筒部材の斜視図である。 図9のF−F線に沿った断面図である。 第二実施形態の変形例に係る燃料供給装置の斜視図である。 図13のG−G線に沿った断面図である。
(第一実施形態の燃料供給装置)
以下に、第一実施形態の燃料供給装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、上方および下方は、鉛直方向の上方および下方に相当し、燃料ポンプの軸方向の相対位置についても上方および下方ということがある。
図1は、第一実施形態の燃料供給装置1の斜視図である。
図2は、図1のA−A線に沿った断面図である。
図3は、図1のB−B線に沿った断面図である。
図1に示すように、第一実施形態の燃料供給装置1はいわゆる上付けタイプの燃料供給装置1であり、図2に示すように、燃料タンク2の上壁2bに形成されている開口2aから挿入され、燃料タンク2の上壁2bに取り付けられて燃料に浸漬される。
燃料供給装置1は、燃料タンク2内に配置される燃料ポンプ3と、燃料タンク2の上壁2bに取り付けられて燃料ポンプ3を支持するホルダ部4と、燃料ポンプ3の吸入側、すなわち下側に配設されたサクションフィルタ90と、燃料ポンプ3内のベーパを排出するための脱気孔27(図3参照)と連通する排出管60(図3参照)と、を備えている。以下に、燃料供給装置1の各構成部品について説明する。
(燃料ポンプ)
燃料ポンプ3は、略円柱形状に形成されており、燃料ポンプ3の上側に配設されたモータ部30と、燃料ポンプ3の下側に配設されたポンプ部40とを有している。なお、以下では、燃料ポンプ3の中心の軸線を中心軸Oとして説明する。また、以下では、燃料ポンプ3の中心軸Oに沿う方向を単に軸方向といい、燃料ポンプ3の周方向を単に周方向ということがある。
(モータ部)
モータ部30には、例えば、ブラシ(不図示)付きの直流モータ30aが使用される。モータ部30の中央には出力軸30bが配置されており、モータ部30の上側と、ポンプ部40の下側とにより回動自在に軸支されている。
モータ部30の上側には、ブラシと電気的に接合している一対のモータ端子(不図示)が設けられている。一対のモータ端子には、ハーネス6が接続されており、ハーネス6により外部電源とモータ部30とが電気的に接続されて、外部電源から直流モータ30aを駆動するための電力が供給される。
また、モータ部30の上側には、アウトレットカバー8が設けられている。アウトレットカバー8には、燃料を排出する吐出ポート31と、この吐出ポート31と連通するチェックバルブ74とが設けられている。吐出ポート31は、燃料ポンプ3によって汲み上げられた燃料が吐出される部位である。チェックバルブ74は、吐出ポート31から吐出された燃料の逆流を防止するためのものである。また、アウトレットカバー8の下部外周には、後述のハウジングケース20をカシメるための段部30cが形成されている。
(ポンプ部)
ポンプ部40は、インペラ47を有する非容積型のポンプが用いられており、インペラ47と、インペラ47の全体を覆うように形成されたポンプケース45とにより構成されている。
インペラ47は、例えば樹脂からなる略円板状に形成された部材であって、モータ部30の出力軸30bに相対回転不能に連結されている。インペラ47の上面および下面には、外周側に複数の羽根部(不図示)が形成されている。これら複数の羽根部の間は、インペラ47の肉厚方向に貫通形成されている。また、インペラ47には、肉厚方向に貫通する燃料流路孔(不図示)が形成されており、直流モータ30aの駆動によりインペラ47が回転すると、燃料が不図示の燃料流路孔を通ってインペラ47の下側から上側に向かって圧送されるようになっている。
インペラ47の全体を覆うポンプケース45は、ロワーケース42と、アッパーケース43と、ロワーケース42およびアッパーケース43に挟持されるミドルケース44とにより構成されている。ロワーケース42、アッパーケース43およびミドルケース44は、いずれも耐油性を有する樹脂からなり、例えば金型を用いたインジェクション成型等により形成される。
ロワーケース42は、インペラ47の下部を覆うように略円板状に形成されている。ロワーケース42のインペラ47側の面には、軸方向平面視略C字状の溝部(不図示)が形成されている。この溝部の径方向外側の一端には、ロワーケース42の肉厚方向に貫通する燃料流路孔(不図示)が形成されている。また、ロワーケース42の下部には燃料吸入管41が設けられている。
燃料吸入管41は、ロワーケース42に形成されている不図示の燃料流路孔に連通しており、これによって燃料吸入管41からポンプ部40内に燃料が汲み上げられるようになっている。
燃料吸入管41は、インペラ47に形成されているC字上の溝部(不図示)の一端に対応する部位に形成された不図示の燃料流路孔に連通するように形成されているので、ロワーケース42の外周部寄りに配置された状態になっている。
ロワーケース42の下部外周には、ゴム製の角リング46が装着可能な段差部42aが形成されている。
また、ロワーケース42には、ロワーケース42の厚さ方向(上下方向)に貫通する不図示の貫通孔が形成されている。この貫通孔は、後述するロワーカップ25の底壁25bを貫通する脱気孔27と連通している。これにより、ポンプ部40内で発生したベーパは、ロワーケース42の貫通孔およびロワーカップ25の脱気孔27を介して、ポンプ部40の外部に排出可能となっている。
アッパーケース43は、モータ部30と略同一の外径を有した略円板状の部材である。アッパーケース43の略中央には挿通孔43aが形成されており、直流モータ30aの出力軸30bが挿通される。また、挿通孔43aの外周側には、アッパーケース43の下面と上面とを貫通する燃料流路孔(不図示)が形成されている。燃料流路孔はモータ部30と連通しており、インペラ47から圧送された燃料が通過する。
ミドルケース44は、モータ部30と略同一の外径を有した略リング状の部材である。
ミドルケース44の内側には、ミドルケース44の中心軸とインペラ47の中心軸とが一致するように、インペラ47が配置される。ミドルケース44の内径は、インペラ47の外径よりも若干大きくなるように形成されており、ミドルケース44の内面44a(すなわちポンプケース45の内面44a)とインペラ47の外周面との間にクリアランスが形成される。
また、ミドルケース44は、アッパーケース43とロワーケース42との間に配置される。ここで、ミドルケース44の軸方向の厚さは、上述のインペラ47と略同一か、インペラ47よりも若干厚くなるように形成されている。すなわち、ミドルケース44は、インペラ47の上面とアッパーケース43の下面、およびインペラ47の下面とロワーケース42の上面との接触を防止するスペーサの役割をしている。そして、インペラ47の上面とアッパーケース43の下面との間、およびインペラ47の下面とロワーケース42の上面との間に、クリアランスが形成される。
燃料ポンプ3の効率は、ポンプケース45とインペラ47との間に形成された各クリアランスに依存する。各クリアランスは、要求される燃料ポンプ3の効率に応じて所定値に設定される。
モータ部30およびポンプ部40は、ハウジングケース20により覆われている。ハウジングケース20は、鉄等からなる略円筒状の部材であり、例えばシームレス管を切断することにより形成される。ハウジングケース20の上側端部はカシメ部22となっており、モータ部30に形成された段部30cに対してカシメられている。
また、ハウジングケース20の下側端部には、鍔部21が径方向内側に向かって屈曲延出されている。鍔部21の内周縁の直径は、ロワーケース42に形成されている段差部42aの外周よりもやや大きくなるように設定されている。そして、段差部42aの底面とハウジングケース20の鍔部21とにより、角リング46を若干押し潰して挟持した状態になっている。これにより、ハウジングケース20とポンプ部40との間のシール性が確保される。
(ホルダ部)
上述のように構成された燃料ポンプ3は、ホルダ部4により支持される。ホルダ部4は、燃料タンク2の上壁2bに固定されるフランジユニット9と、フランジユニット9の燃料タンク2の内側に設けられ燃料ポンプ3を内包するアッパーカップ10と、このアッパーカップ10に取り付けられ、燃料ポンプ3の下部を覆いつつ、燃料ポンプ3を支持する有底筒状のロワーカップ25とにより構成されている。
(フランジユニット)
フランジユニット9は、樹脂製の略円板状のフランジ部11を有している。フランジ部11には、燃料タンク2の開口2aに対応する部位に、下方に向かって環状壁部13(請求項の「壁部」に相当。)が立設されている。フランジ部11は、燃料タンク2の上壁2bに形成された開口2aに外側(上側)から環状壁部13が挿入され、環状壁部13の外周面と燃料タンク2の開口2aとの位置を合わせた状態で上壁2bに取り付けられている。これにより、フランジユニット9の上面は、燃料タンク2の外部に露出した状態となっている。
フランジユニット9には、燃料ポンプ3の吐出ポート31と連通する燃料取出管12が設けられている。すなわち、燃料は吐出ポート31から燃料取出管12を介して内燃機関へと圧送される。また、フランジユニット9には、燃料取出管12に連通するプレッシャレギュレータ76が設けられており、内燃機関へと圧送される燃料に対して所定の燃圧を確保できるようになっている。
フランジユニット9の上面には、コネクタ9aが設けられている。このコネクタ9aには、外部電源に接続された外部コネクタが嵌着されるようになっている。また、コネクタ9aは、燃料ポンプ3のモータ部30と電気的に接続されるようになっており、これによってモータ部30が駆動する。さらに、フランジ部11の内面側には、環状壁部13の内側に凹部14が形成されており、凹部14にアッパーカップ10が固定されている。なお、環状壁部13とアッパーカップ10との間の凹部14内には、後述する排出管60の他方端部60b(いずれも図3参照)が配置されている。
(アッパーカップ)
アッパーカップ10は、例えば樹脂等により形成された筒状の部材であり、燃料ポンプ3の外周面を覆うように設けられている。アッパーカップ10の下端には、開口部10aを有しており、下側から開口部10aに燃料ポンプ3を挿入できるようになっている。アッパーカップ10の周壁10bは、フランジユニット9から燃料ポンプ3の軸方向略中央に至るまで延出している。
図1に示すように、アッパーカップ10には、開口部10aの周縁から軸方向下方に向かって延出する係合片17が4箇所周方向に等間隔で形成されている。この係合片17は、先端が拡径する方向に向かって弾性変形可能に形成されている。係合片17は、燃料ポンプ3のポンプ部40(いずれも図2参照)よりもやや下方まで延出している。係合片17には、ロワーカップ25に形成されている係合凸部18に係合する係合孔19が形成されている。そして、後述のロワーカップ25に係合片17がスナップフィットすることにより、ロワーカップ25の軸方向、および周方向の位置決めが行われる。
(ロワーカップ)
燃料ポンプ3の吸入側に配設されたロワーカップ25は、略有底筒状に形成されたものである。ロワーカップ25の周壁25aは、内径が燃料ポンプ3を嵌合可能、かつ外径がアッパーカップ10の周壁10bの内径よりもやや小さくなる程度に設定されている。
ロワーカップ25の周壁25aには、アッパーカップ10に形成された係合片17の係合孔19に対応する位置に、この係合孔19に係合可能な係合凸部18が形成されている。係合凸部18にアッパーカップ10の係合片17がスナップフィットすることによって、アッパーカップ10、およびロワーカップ25が一体化される。そして、これらアッパーカップ10とロワーカップ25とによって、燃料ポンプ3(図2参照)を支持することができるようになっている。
ロワーカップ25の下側であって径方向外側には、不図示の液面検出器の取付部26が形成されている。取付部26は、径方向外側に向かって延出形成された板状に形成されており、ロワーカップ25を形成する際、同時にインジェクションにより成型される。
また、図2に示すように、ロワーカップ25の下側には、サクションフィルタ90が取り付けられている。サクションフィルタ90の材質は、燃料を必要な清浄さまで濾過できればどのようなものであってもよい。例えば、軸受の摩耗粉等、燃料噴射弁などの動作に悪影響を与える大きさの塵埃を濾過できるような網状、繊維状、多孔質状、粒状等のフィルタが採用できる。具体的にサクションフィルタ90の材料としては、例えば、メッシュ状のナイロン布が好適である。
サクションフィルタ90は、フィルタ排出管38を介して、燃料吸入管41と連通している。燃料タンク2内の燃料は、サクションフィルタ90およびフィルタ排出管38を介して、ポンプ部40の燃料吸入管41に導入される。そして、燃料は、ポンプケース45内を通過してモータ部30の上側に圧送され、燃料取出管12を通って内燃機関(不図示)に搬送される。
(脱気孔)
図3に示すように、ロワーカップ25の底壁25bには、ロワーカップ25の底壁25bを厚さ方向に貫通する脱気孔27が形成されている。この脱気孔27は、燃料ポンプ3内で発生したベーパを、ポンプ部40の外部に排出するためのものである。脱気孔27は、中心軸Oに直交する断面形状(すなわち脱気孔27の開口形状)が略円形状に形成されている。
(排出管)
燃料供給装置1は、排出管60を備えている。排出管60は、下方に配置された一方端部60aが脱気孔27と接続され、脱気孔27から排出されたベーパを通流させて上方に配置された他方端部60bの排出口61から排出可能に構成されている。排出管60は、排出管本体部62とキャップフィルター63とにより形成されている。
排出管本体部62は、ロワーカップ25の底壁25bおよび周壁25aにわたって、中心軸Oを含む断面視で略L字形状に形成されている。
排出管本体部62はロワーカップ25と一体形成されている。排出管本体部62のうち、アッパーカップ10の周壁10bの下端よりも下方側の領域は、ロワーカップ25の底壁25bおよび周壁25aに密着して設けられている。
また、排出管本体部62のうち、アッパーカップ10の周壁10bに対応する領域は、燃料ポンプ3の外周面から、アッパーカップ10の周壁10bの厚さ以上の距離だけ離間して設けられている。これにより、アッパーカップ10とロワーカップ25とを係合したとき、燃料ポンプ3の外周面と排出管本体部62との間に、アッパーカップ10の周壁10bが配置される。したがって、アッパーカップ10の周壁10bと排出管本体部62とが干渉することなく、アッパーカップ10とロワーカップ25とを確実に係合して燃料ポンプ3を保持できる。
図4は、図1のC−C線に沿った断面図である。図4に示すように、排出管本体部62は、周方向に幅広に形成されている。排出管本体部62の中心軸Oに直交する断面形状(すなわち排出管本体部62の開口形状)は、略扇形状に形成されている。排出管本体部62の開口面積は、略円形状の開口形状を有する脱気孔27の開口面積よりも、十分に大きくなるように設定される。これにより、排出管60の内部が燃料で充たされている状態であっても、脱気孔27から排出されたベーパが排出管60の内部を容易に流通できる。
図3に示すように、排出管本体部62の上方には円筒部62aが設けられており、この円筒部62aにキャップフィルター63が外嵌されている。
図5は、キャップフィルター63の斜視図である。キャップフィルター63は、例えば樹脂等により形成された円筒体の外周面63cの一部を径方向に抜いて窓部63dを設け、この窓部63dに、例えばメッシュ状のナイロン布等、燃料を濾過可能な多孔部材63eを設けることで形成されている。キャップフィルター63を軸方向から見たときの開口面積は、脱気孔27の開口面積よりも十分に大きくなるように設定される。
図3に示すように、キャップフィルター63の上端部63aは、排出管60の他方端部60bに相当する。また、キャップフィルター63の上端部63aの開口は、排出管60の排出口61に相当する。
キャップフィルター63の内径は、排出管本体部62の円筒部62aの外径よりも若干小さくなるように設定されている。これにより、キャップフィルター63の下端部63bを排出管本体部62の円筒部62aに外嵌して、排出管本体部62の円筒部62aにキャップフィルター63を固定できる。
排出管60の他方端部60b(本実施形態では、キャップフィルター63の上端部63a)は、アッパーカップ10と環状壁部13との間の凹部14内に配置される。そして、排出管60の他方端部60bは、フランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とにより覆われるとともに、排出口61が脱気孔27よりも上方であってフランジ部11近傍に配置される。このように、フランジユニット9は、フランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とにより排出管60の排出口61を覆うことで、燃料内の異物が燃料ポンプ3内に進入するのを抑制する異物侵入抑制手段65を形成している。異物侵入抑制手段65の作用については後述する。
また、排出管60の他方端部60bの外周面と、アッパーカップ10および環状壁部13との間には間隙が形成されており、この隙間は、排出管60の排出口61を介して排出管60の内部と連通する脱気排出路64となっている。したがって、脱気孔27から排出されたベーパは、排出管60、排出口61および脱気排出路64を介して、燃料供給装置1の外部に排出可能となっている。
(第一実施形態の燃料供給装置の作用)
続いて、第一実施形態の燃料供給装置1の作用について説明する。
図2に示すように、燃料ポンプ3のモータ部30を駆動させると、出力軸30bが回転し、これに相対回転不能に連結されているインペラ47が回転する。インペラ47が回転することにより、インペラ47とポンプケース45との間で旋回流が発生する。
ポンプ部40は、この旋回流により燃料を昇圧する。そして、ポンプ部40は、燃料タンク2内の燃料がサクションフィルタ90を介して濾過された状態で、フィルタ排出管38を介して燃料吸入管41から燃料を吸入する。
図6は、脱気排出路64の説明図である。なお、図6中の一点鎖線は、燃料が十分に満たされたいわゆる満タン状態時(またはこれに近い状態)における燃料の液面S1を示し、図6中の二点鎖線は、燃料が所定量消費されて環状壁部13の下端縁部よりも下方になったときの燃料の液面S2を示している。また、図6中の矢印Vはベーパの流通を示し、矢印Fは燃料の液面S1時における燃料の流通を示しいている。
ポンプ部40(図3参照)内のベーパは、昇圧された燃料とともに脱気孔27から排出される。そして、図6に示すように、脱気孔27(図3参照)から排出されたベーパは、排出管60の他方端部60bの外周面と、アッパーカップ10および環状壁部13との間の脱気排出路64を介して、燃料供給装置1の外部に排出される。このとき、脱気排出路64は、排出管60の内部と排出口61を介して連通しているので、異物侵入抑制手段65やキャップフィルター63等が抵抗となることなく良好にベーパが排出される。
また、図3に示すように、燃料供給装置1の動作時において、仮にサクションフィルタ90に目詰まりが発生した場合、燃料供給装置1は、排出管60の他方端部60bの排出口61から脱気孔27を介し、燃料ポンプ3内に向かって吸引力が作用する。
ところで、従来技術の燃料供給装置にあっては、脱気孔が燃料ポンプの下方の面に設けられていた。したがって、従来技術の燃料供給装置の脱気孔は、燃料タンク内の燃料に浸漬された状態が長くなっていた。このため、燃料内の異物は、サクションフィルタにより濾過されることなく、脱気孔を介して燃料ポンプ内に燃料とともに吸引されるおそれがあった。
これに対して、本実施形態の燃料供給装置1は、排出管60の排出口61が脱気孔27よりも上方であって、フランジ部11の近傍に配置されている。したがって、本実施形態の燃料供給装置1の排出口61は、燃料タンク2内の燃料に浸漬されるのが抑制される。また、燃料内の異物は、重力により燃料タンク2の下方に沈殿しやすく、排出管60の排出口61近傍には比較的異物が少ない。したがって、燃料内の異物は、上方に配置された排出管60の排出口61を介して燃料ポンプ3内に吸引されるのが抑制される。
ここで、例えば、燃料タンク2内の燃料が満タン状態(図6における液面S1の状態)であって、サクションフィルタ90に目詰まりが発生している場合には、燃料が吸引されることとなる。しかし、排出管60の排出口61は、フランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とにより覆われているので、燃料はフランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とを迂回しつつ、キャップフィルター63に設けられた多孔部材63eを介して吸引される(図6における矢印F参照)。これにより、燃料が排出管60の排出口61から吸引される際の経路が長くなるとともに、多孔部材63eにより燃料が濾過されるので、燃料中の異物の侵入が抑制される。すなわち、フランジユニット9は、フランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とにより排出管60の排出口61を覆うことで、燃料内の異物が燃料ポンプ3内に進入するのを抑制する異物侵入抑制手段65を形成している。
さらに、例えば、燃料タンク2内の燃料が所定量消費され、燃料の液面が環状壁部13の下端縁部よりも下方に位置する状態(図6における液面S2の状態)では、脱気排出路64は、燃料の液面S2(図6参照)によって閉塞されておらず、燃料タンク2内の空気が通流し易い状態となっている。したがって、燃料の液面が環状壁部13の下端縁部よりも下方に位置する状態(図6における液面S2の状態)であって、サクションフィルタ90に目詰まりが発生している場合には、燃料タンク2内の空気が吸引される。これにより、エンジン始動時に供給される燃料には空気が混入するので、使用者は、始動時のエンジンの挙動に基づき早期にサクションフィルタ90の目詰まりを検知することができる。
(第一実施形態の効果)
本実施形態によれば、排出管60の排出口61が脱気孔よりも上方に配置されているので、排出管60の排出口61が燃料タンク2内の燃料に浸漬されるのを抑制できる。
また、排出管60の他方端部60bの排出口61および他方端部60bの外周面を覆うように異物侵入抑制手段65を設けているので、サクションフィルタ90の目詰まりに起因して仮に燃料が排出管60の排出口61から吸引しようとしても、燃料は異物侵入抑制手段65を迂回しつつ多孔部材63eを介して吸引される。これにより、燃料が排出管60の排出口61から吸引される際の経路が長くなるとともに、多孔部材63eにより燃料が濾過されるので、燃料中の異物の侵入を抑制できる。しかも、燃料タンク2内の燃料中の異物は下方に沈殿しやすく、排出管60の排出口61近傍には比較的異物が少ない。したがって、サクションフィルタ90の目詰まりに起因して、燃料ポンプ3が排出管60の排出口61から燃料を吸引しようとしても、さらに燃料中の異物の侵入を抑制できる。
また、排出管60の他方端部60bの外周面と異物侵入抑制手段65との間に、排出管60の内部と連通する脱気排出路64を設けているので、サクションフィルタ90に目詰まりが発生していないとき、例えば燃料ポンプ3の始動時等に、異物侵入抑制手段65が抵抗となることなく良好にベーパを排出でき、かつ燃料ポンプ3の始動に支障をきたさない。
したがって、本実施形態の燃料供給装置1は、脱気孔27から異物が混入した燃料を吸入するのを抑制できるとともに、脱気孔27からベーパを確実に排出できる。
また、燃料タンク2の上壁2bに取り付けられる、いわゆる上付けタイプの燃料供給装置1のフランジユニット9を異物侵入抑制手段65としているので、別部品として異物侵入抑制手段65をもうける必要がない。したがって、特に上付けタイプの燃料供給装置1において、異物侵入抑制手段65を簡単かつ低コストに形成できる。
また、排出管60の他方端部60bの外周面の一部に多孔部材63eを設けているので、サクションフィルタ90の目詰まりに起因して排出管60内に吸引される燃料の一部を濾過できる。したがって、異物が侵入するのをさらに抑制できる。しかも、排出管60の排出口61は、多孔部材63eによりベーパの排出機能が阻害されることもない。したがって、本実施形態の燃料供給装置1は、脱気孔27から燃料が燃料ポンプ3内に吸入されたときであっても異物が侵入するのを確実に抑制できるとともに、脱気孔27からベーパを確実に排出できる。
また、排出管60の開口面積は、脱気孔27の開口面積よりも大きく形成されているので、排出管60の内部が燃料で充たされている状態であっても、脱気孔27から排出されたベーパが排出管60の内部を容易に流通できる。したがって、排出管60を介して、脱気孔27から排出されたベーパを確実に外部に排出できる。
(第一実施形態の変形例)
図7は、第一実施形態の変形例に係る排出管60の斜視図であり、図8は、図7のD−D線に沿った断面図である。なお、図7および図8においては、分かり易くするために排出管60のみを図示しており、他の部品については適宜図示を省略している。また、図8においては、脱気孔27を二点鎖線で図示している。
第一実施形態に係る排出管60は、排出管本体部62が周方向に幅広に形成されていた(図4参照)。
これに対して、図7に示すように、第一実施形態の変形例に係る排出管60は、排出管本体部62が円筒状に形成されている点で、第一実施形態とは異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成部分については詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、第一実施形態の変形例に係る排出管60は、外観が略L字形状に形成されている。図8に示すように、排出管60の一方端部60aの開口面積は、脱気孔27の開口面積よりも大きくなるように設定される。また、排出管本体部62の開口面積は、排出管60の一方端部60aの開口面積よりも十分に大きくなるように設定される。これにより、排出管60の内部が燃料で充たされている状態であっても、脱気孔27から排出されたベーパが排出管60の内部を容易に流通できる。
排出管60の形状は、第一実施形態および第一実施形態の変形例に限定されることは無く、種々変更が可能である。
(第二実施形態)
図9は、第二実施形態の燃料供給装置100の斜視図である。
続いて、第二実施形態の燃料供給装置100について説明する。
第一実施形態の燃料供給装置1は、燃料タンク2の上壁2bに取り付けられる、いわゆる上付けタイプの燃料供給装置1であり、フランジユニット9により異物侵入抑制手段65を形成していた。
これに対して、第二実施形態の燃料供給装置100は、燃料タンクの下壁(不図示)に取り付けられる、いわゆる下付けタイプの燃料供給装置100であり、かつ筒部材163により異物侵入抑制手段165を形成している点で、第一実施形態とは異なっている。なお、第一実施形態と同様の構成部分については詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図9に示す燃料供給装置100は、燃料タンク内に配置される燃料ポンプ3と、燃料タンクの下壁に取り付けられて燃料ポンプ3を支持するホルダ部4と、燃料ポンプ3内のベーパを排出するための脱気孔27と連通する排出管160と、を備えている。以下に、燃料供給装置100の各構成部品について説明する。
燃料ポンプ3は、略円柱形状に形成されており、燃料ポンプ3の上側に配設されたモータ部30と、燃料ポンプ3の下側に配設されたポンプ部40とを有している。
燃料ポンプ3は、ホルダ部4により支持される。ホルダ部4は、燃料タンクの下壁に固定されるフランジユニット9と、フランジユニット9の燃料タンクの内側に設けられ燃料ポンプ3の下部を支持するロワーカップ125と、このロワーカップ125に取り付けられ、燃料ポンプ3を上部から覆うアッパーカップ110とにより構成されている。
(フランジユニット)
フランジユニット9のフランジ部11には、燃料タンクの下壁の開口(不図示)に対応する部位に、上方に向かって環状壁部13が立設されている。フランジ部11は、燃料タンクの下壁に形成された開口部に外側(下側)から環状壁部13を挿入し、環状壁部13の外周面と燃料タンクの開口との位置を合わせた状態で燃料タンクの下壁に取り付けられている。したがって、フランジユニット9の下面は、燃料タンクの外部に露出した状態になる。
フランジユニット9には、燃料ポンプ3の上側に設けられた吐出ポート31と連通する燃料取出管12が設けられており、燃料取出管12を介して内燃機関へと圧送される。また、燃料ポンプ3の吐出ポート31の上側には、燃料取出管12に連通するプレッシャレギュレータ76が設けられており、内燃機関へと圧送される燃料に対して所定の燃圧を確保できるようになっている。
フランジユニット9の下面には、コネクタ9aが設けられており、燃料ポンプ3のモータ部30と電気的に接続されて、モータ部30が駆動する。
フランジユニット9の内部には、サクションフィルタ90が収納されている。サクションフィルタ90には、ポンプ部40の燃料吸入管41が接続されている。燃料タンク内の燃料は、サクションフィルタ90を通って濾過された後、ポンプ部40に汲み上げられるようになっている。
(ロワーカップ)
ロワーカップ125は、例えば樹脂等により形成された筒状の部材であり、燃料ポンプ3の下部の外周面を覆うように設けられている。ロワーカップ125の上端には、開口部125aを有しており、上側から開口部125aに燃料ポンプ3を挿入できるようになっている。
(アッパーカップ)
アッパーカップ110は、燃料ポンプ3を上側から覆うように配設されており、略有底筒状に形成されたものである。アッパーカップ110の上側であって径方向外側には、不図示の液面検出器の取付部26が形成されている。
アッパーカップ110の下部には、段差111aにより拡径した拡径部111が形成されている。拡径部111の外周面には、例えば不図示の係合爪が設けられており、ロワーカップ125に係合可能となっている。
また、拡径部111の段差111aには上下方向に貫通する貫通孔111bが設けられている。貫通孔111bには、後述する排出管160が挿通されている。
また、アッパーカップ110の拡径部111の外周側には、リング状の規制部材135が外嵌されている。規制部材135は、アッパーカップ110とロワーカップ125との係合部分の径方向外側への変位を規制するためのものである。これにより、アッパーカップ110とロワーカップ125との係合が解除されるのを抑制している。
(排出管)
燃料供給装置100は、排出管160を備えている。排出管160は、例えば鉄等の金属により形成されたパイプ状の部材であり、側面視で例えば略L字状に屈曲形成されている。排出管160は、アッパーカップ110と別体形成されている。
排出管160は、下方に配置された一方端部160aがポンプ部40の下方の脱気孔27と接続されており、脱気孔27から排出されたベーパを通流させて上方に配置された他方端部160bの排出口161(図10参照)から排出可能に構成されている。
排出管本体部162は、中心軸Oに沿うように上方に延びている。排出管本体部162の中心軸Oに直交する断面形状は、例えば略円形状に形成されている。排出管本体部162の開口面積は、第一実施形態と同様に、脱気孔27の開口面積よりも十分に大きくなるように設定される。
(異物侵入抑制手段)
図10は、図9のE−E線に沿った断面図である。なお、図10中の矢印Vはベーパの流通を示し、矢印Fは燃料の流通を示しいている。
図10に示すように、排出管160の他方端部160bには、異物侵入抑制手段165である筒部材163が排出口161を覆うように設けられている。筒部材163は、例えば金属等により形成された側面断面視略ハット形状の部材であり、排出管160の他方端部160bの排出口161と対向する底部163aと、排出管160の他方端部160bの外周面を囲繞する周壁部163cと、を有している。
図11は、筒部材163の斜視図である。
図11に示すように、筒部材163は、周壁部163cの一部を径方向に抜いて窓部163dを設けるとともに、この窓部163dを閉塞する例えばメッシュ状のナイロン布等の多孔部材163eを設けている。
図10に示すように、筒部材163の内径は、排出管160の外径よりも十分大きくなるように設定されている。これにより、排出管160の他方端部160bの外周面と、筒部材163の周壁部163cとの間には、間隙が形成されて脱気排出路164が設けられている。
図12は、図9のF−F線に沿った断面図である。
図12に示すように、筒部材163の下端部163bの開口には、径方向内側に突出した嵌合部163fが形成されている。嵌合部163fは、例えば筒部材163の周方向に略120°ピッチで3箇所形成されている。筒部材163の中心から各嵌合部163fまでの寸法は、排出管160の外周面の半径よりも小さくなるように設定されている。これにより、筒部材163の下端部163bは、各嵌合部163fにより排出管160の他方端部160bの外周面に外嵌される。各嵌合部163fの間には、脱気排出路164が形成される。各脱気排出路164は、排出口161(図10参照)を介して排出管160の内部と直接連通している。
ここで、図10に示すように、筒部材163の周壁部163cの高さ(すなわち図10における周壁部163cの上下方向の長さ)は、要求される異物の侵入抑制度合いに応じて適宜設定される。具体的には、周壁部163cの高さを調整することにより、排出管160の他方端部160bの外周面と、筒部材163の周壁部163cとの重なり量αを調整して、排出管160の他方端部160bの外周面と筒部材163の周壁部163cとの間の脱気排出路164の長さを調整できる。そして、周壁部163cの高さを高くし、排出管160の他方端部160bの外周面と筒部材163の周壁部163cとの重なり量αを大きくすることにより、脱気排出路164の長さを長くして異物の侵入を抑制できる。この重なり量αは、脱気排出路164によるベーパの排出機能および異物の侵入抑制機能のバランスに応じて適宜設定される。
(第二実施形態の燃料供給装置の作用)
続いて、第二実施形態の燃料供給装置100の作用について説明する。
図9に示すように、ポンプ部40内のベーパは、昇圧された燃料とともに脱気孔27から排出される。そして、図10に示すように、脱気孔27(図9参照)から排出されたベーパは、排出管160の他方端部160bの外周面と、筒部材163の周壁部163cとの間の各脱気排出路164を介して、燃料供給装置100(図9参照)の外部に排出される。このとき、各脱気排出路164は、排出管160の内部と排出口161を介して直接連通しているので、異物侵入抑制手段165である筒部材163や、筒部材163の周壁部163cに設けられた多孔部材163e等が抵抗となることがない。したがって、ベーパは、燃料供給装置100(図9参照)の外部に良好に排出される。
また、図9に示すように、燃料供給装置100の動作時において、仮にサクションフィルタ90に目詰まりが発生した場合、燃料供給装置100は、排出管160の他方端部160bの排出口161(図10参照)から、脱気孔27を介して燃料ポンプ3内に吸入しようとする。ここで、第二実施形態の燃料供給装置100は、排出管160の排出口161が脱気孔27よりも上方であって、アッパーカップ110の底部のプレッシャレギュレータ76よりも上方に配置されている。したがって、第二実施形態の燃料供給装置100の排出口161は、第一実施形態と同様に、燃料タンク内の燃料に浸漬されるのが抑制される。また、燃料内の異物は、重力により燃料タンクの下方に沈殿する傾向にある。したがって、燃料内の異物は、排出管160の排出口161を介して燃料ポンプ3内に吸引されるのが抑制される。
さらに、極めてまれな状況ではあるが、例えば、燃料タンク内の燃料が十分に満たされた状態で排出管160の他方端部160bが燃料内に浸漬しており、かつサクションフィルタ90に目詰まりが発生している場合には、燃料が排出管160の排出口161から吸引されることとなる。
しかし、図10に示すように、排出管160の排出口161は、異物侵入抑制手段165である筒部材163の底部163aと周壁部163cとにより覆われているので、燃料は筒部材163の底部163aと周壁部163cとを迂回しつつ、各脱気排出路164を介して吸引される。これにより、燃料が排出管160の排出口161から吸引される際の経路が長くなるので、燃料中の異物の侵入が抑制される。
また、図11に示すように、筒部材163の周壁部163cの一部には、多孔部材163eを設けている。したがって、排出管160内に吸引される燃料の一部は、多孔部材163eにより濾過される。
(第二実施形態の効果)
第二実施形態の燃料供給装置100によれば、筒部材163により異物侵入抑制手段165を形成し、排出管160とは別部材としているので、異物侵入抑制手段165を簡単に形成できる。
また、筒部材163の周壁部163cの高さを調整することにより、排出管160の他方端部160bの外周面と筒部材163の周壁部163cとの重なり量αを調整できる。これにより、排出管160の他方端部160bの外周面と筒部材163の周壁部163cとの間の脱気排出路164の長さを簡単に調整できるので、サクションフィルタ90の目詰まりに起因して燃料が排出管160の排出口161から吸引される際の経路(すなわち脱気排出路164)を所望の長さに設定できる。したがって、脱気排出路164によるベーパの排出機能および異物の侵入抑制機能を、所望のバランスに設定できる。
また、筒部材163の周壁部163cの一部に多孔部材163eを設けることにより、サクションフィルタ90の目詰まりに起因して排出管160の排出口161から吸引される燃料を濾過できる。したがって、異物が侵入するのを確実に抑制できる。しかも、筒部材163の一部に多孔部材163eを設け、排出管160の他方端部160bの外周面と筒部材163の周壁部163cとの間に脱気排出路164を設けているので、多孔部材163eによりベーパの排出機能が阻害されることもない。したがって、第二実施形態の燃料供給装置100は、脱気孔27から燃料が燃料ポンプ3内に吸入されたときであっても異物が侵入するのを確実に抑制できるとともに、脱気孔27からベーパを確実に排出できる。
(第二実施形態の変形例に係る燃料供給装置)
図13は、第二実施形態の変形例に係る燃料供給装置100の斜視図である。
第一実施形態に係る燃料供給装置1は、いわゆる上付けタイプの燃料供給装置1であり、フランジユニット9により形成された異物侵入抑制手段65がアッパーカップ10の外側に形成されていた(図6参照。)
第二実施形態に係る燃料供給装置100は、いわゆる下付けタイプの燃料供給装置100であり、異物侵入抑制手段165である筒部材163がアッパーカップ110の外側に形成されていた(図9参照。)
これに対して、図13に示すように、第二実施形態の変形例に係る燃料供給装置200は、アッパーカップ210内に排出管260およびキャップフィルター263が設けられており、異物侵入抑制手段265がアッパーカップ210の内側に形成されている点で、第一実施形態および第二実施形態とは異なっている。なお、第一実施形態および第二実施形態と同様の構成部分については詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
排出管260は、ポンプ部40の下方の脱気孔27と接続されており、中心軸Oに沿うように上方に延びている。排出管260の先端には、キャップフィルター263が外嵌されている。なお、キャップフィルター263は、第一実施形態に係るキャップフィルター63(図5参照)と同一のため、説明を省略する。
図14は、図13のG−G線に沿った断面図である。なお、図14中の一点鎖線は、燃料が十分に満たされたいわゆる満タン状態時(またはこれに近い状態)における燃料の液面S1を示し、図14中の二点鎖線は、燃料が所定量消費されたときの燃料の液面S2を示している。また、図14中の矢印Vはベーパの流通を示し、矢印Fは満タン時における燃料の流通を示しいている。
図14に示すように、アッパーカップ210は、排出管260の先端およびキャップフィルター263を外側から覆う筒状部212を備えている。筒状部212の内部には、段差部215が設けられている。段差部215の下端面215aは、例えばキャップフィルター263の多孔部材263eよりも下方に配設されている。筒状部212の内径は、排出管260およびキャップフィルター263の外径よりも十分大きくなるように設定されている。これにより、排出管260およびキャップフィルター263の外周面と、筒状部212の内周面との間には、間隙が形成されて脱気排出路264が設けられている。アッパーカップ210の筒状部212は、排出管260の排出口261を覆うことで、燃料内の異物が燃料ポンプ3(図13参照)内に進入するのを抑制する異物侵入抑制手段265を形成している。
(第二実施形態の変形例に係る燃料供給装置の作用)
ポンプ部40(図13参照)内のベーパは、昇圧された燃料とともに脱気孔27(図13参照)から排出される。そして、脱気孔27から排出されたベーパは、排出管260の上端部の外周面およびキャップフィルター263の外周面と、筒状部212の内周面との間の脱気排出路264を通じ、アッパーカップ210を介して、燃料供給装置200の外部に排出される。
また、図13に示すように、燃料供給装置200の動作時において、仮にサクションフィルタ90に目詰まりが発生した場合、燃料供給装置200は、排出管260の他方端部の排出口261(図14参照)から脱気孔27を介し、燃料ポンプ3内に向かって吸引力が作用する。ここで、図14に示すように、例えば、燃料タンク内の燃料が満タン状態(図14における液面S1の状態)であって、サクションフィルタ90(図13参照)に目詰まりが発生している場合には、燃料が吸引されることとなる。しかし、排出管260の排出口261は、筒状部212により覆われている。したがって、燃料は、排出管260の上端部の外周面およびキャップフィルター263の外周面と、筒状部212の内周面との間を迂回しつつ、キャップフィルター263に設けられた多孔部材263eを介して吸引される(図14における矢印F参照)。これにより、燃料が排出管260から吸引される際の経路が長くなるとともに、多孔部材263eにより燃料が濾過されるので、燃料中の異物の侵入が抑制される。すなわち、アッパーカップ210の筒状部212は、排出管260の排出口261を覆うことで、燃料内の異物が燃料ポンプ3(図3参照)内に進入するのを抑制する異物侵入抑制手段265を形成している。
さらに、例えば、燃料タンク内の燃料が所定量消費され、燃料の液面が段差部215の下端面215aよりも下方に位置する状態(図14における液面S2の状態)では、筒状部212内の空気が通流し易い状態となっている。したがって、燃料の液面が段差部215の下端面215aよりも下方に位置する状態(図14における液面S2の状態)であって、サクションフィルタ90(図13参照)に目詰まりが発生している場合には、筒状部212内の空気が吸引される。これにより、エンジン始動時に供給される燃料には空気が混入するので、使用者は、始動時のエンジンの挙動に基づき早期にサクションフィルタ90の目詰まりを検知することができる。
なお、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
第一実施形態の異物侵入抑制手段65は、フランジユニット9であり、第二実施形態の異物侵入抑制手段165は、筒部材163であったが、異物侵入抑制手段65,165の形状は、第一実施形態および第二実施形態に限定されることはなく、種々変更が可能である。
第一実施形態の異物侵入抑制手段65と、第二実施形態の異物侵入抑制手段165とを組み合わせてもよい。すなわち、上付けタイプの燃料供給装置1において、フランジユニット9のフランジ部11とアッパーカップ10と環状壁部13とにより排出管60の排出口61を覆って第一の異物侵入抑制手段65を設けるととともに、排出管本体部62の上方の円筒部62aに筒部材163を外嵌して、第二の異物侵入抑制手段165を設けてもよい。
第一実施形態の燃料供給装置1は、排出管60の上端に、多孔部材63eを設けたキャップフィルター63を備えていたが、キャップフィルター63はなくてもよい。ただし、キャップフィルター63を備えることで、仮に燃料タンク2内の燃料が脱気排出路64および排出管60を介して吸入された場合でも、多孔部材63eにより吸入された燃料の一部が濾過される。したがって、燃料内の異物の吸入をさらに抑制できる点で、本実施形態に優位性がある。
第一実施形態の燃料供給装置1は、サクションフィルタ90がロワーカップ25の下側に配設されていた。また、第二実施形態の燃料供給装置100は、サクションフィルタ90がフランジユニット9の内部に配設されていた。これに対して、例えばサクションフィルタを備えたフィルタユニットが燃料タンクの外部に設けられた、いわゆる外付けフィルタタイプの燃料供給装置に、各実施形態の異物侵入抑制手段65,165を適用してもよい。
第二実施形態では、筒部材163の周壁部163cの一部に多孔部材163eを設けていた。これに対して、例えば筒部材163の底部163aの一部のみに多孔部材163eを設けていてもよいし、筒部材163の周壁部163cの一部および底部163aの一部に多孔部材163eを設けていてもよい。また、筒部材163の一部に多孔部材163eを設けることなく、筒部材163により排出管160の排出口161を覆いつつ、脱気排出路164を形成する構成としてもよい。
1,100,200 燃料供給装置
2 燃料タンク
3 燃料ポンプ
9 フランジユニット
10,110,210 アッパーカップ
11 フランジ部
13 環状壁部(壁部)
27 脱気孔
60,160 排出管
60a,160a 一方端部
60b,160b 他方端部
61,161,261 排出口
63e,163e,263e 多孔部材
64,164,264 脱気排出路
65,165,265 異物侵入抑制手段
90 サクションフィルタ
163 筒部材
163a 底部
163c 周壁部

Claims (6)

  1. 燃料タンク内に配置され、サクションフィルタを介して前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、
    を備えた燃料供給装置であって、
    一方端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させて他方端部の排出口から排出可能な排出管を備え、
    前記排出管の前記排出口は、前記脱気孔よりも上方に配置され、
    前記排出管の前記他方端部には、前記排出口および前記他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段が設けられ、
    前記排出管の前記他方端部の前記外周面と、前記異物侵入抑制手段との間には、前記排出口を介して前記排出管の内部と連通する脱気排出路が設けられ
    前記燃料ポンプを支持するとともに前記燃料タンクに固定されるフランジユニットを備え、
    前記フランジユニットは、
    前記燃料タンクの上壁に取り付けられるフランジ部と、
    前記フランジ部に設けられ、前記燃料ポンプを覆うアッパーカップと、
    前記アッパーカップの径方向外側に設けられ、前記フランジ部から立設された壁部と、
    を有し、
    前記異物侵入抑制手段は、前記フランジユニットであり、
    前記排出管の前記他方端部は、前記アッパーカップと前記壁部との間に配置されて、前記フランジ部と前記アッパーカップと前記壁部とにより覆われ、
    前記他方端部の前記外周面と、前記アッパーカップおよび前記壁部との間には、前記脱気排出路が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 燃料タンク内に配置され、サクションフィルタを介して前記燃料タンク内の燃料を吸入し、内燃機関へ圧送する燃料ポンプと、
    前記燃料ポンプ内で発生したベーパを排出する脱気孔と、
    を備えた燃料供給装置であって、
    一方端部が前記脱気孔と接続され、前記脱気孔から排出された前記ベーパを通流させて他方端部の排出口から排出可能な排出管を備え、
    前記排出管の前記排出口は、前記脱気孔よりも上方に配置され、
    前記排出管の前記他方端部には、前記排出口および前記他方端部の外周面を覆うように異物侵入抑制手段が設けられ、
    前記排出管の前記他方端部の前記外周面と、前記異物侵入抑制手段との間には、前記排出口を介して前記排出管の内部と連通する脱気排出路が設けられ、
    前記燃料ポンプを支持するとともに前記燃料タンクに固定されるフランジユニットを備え、
    前記フランジユニットは、
    前記燃料タンクの下壁に取り付けられるフランジ部と、
    前記フランジ部に設けられ、前記燃料ポンプを覆うアッパーカップと、
    を有し、
    前記異物侵入抑制手段は、前記アッパーカップの外側および内側のいずれかに形成されていることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項に記載の燃料供給装置であって、
    前記異物侵入抑制手段は、前記他方端部の前記排出口と対向する底部と、前記他方端部の前記外周面を囲繞する周壁部と、を有し、前記他方端部に装着された筒部材であり、
    前記他方端部の前記外周面と、前記筒部材の前記周壁部との間には、前記脱気排出路が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  4. 請求項に記載の燃料供給装置であって、
    前記筒部材の前記底部および前記周壁部の少なくともいずれかの一部には、前記燃料を濾過可能な多孔部材が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料供給装置であって、
    前記排出管の前記他方端部の前記外周面には、前記燃料を濾過可能な多孔部材が設けられていることを特徴とする燃料供給装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の燃料供給装置であって、
    前記排出管の開口面積は、前記脱気孔の開口面積よりも大きく形成されていることを特徴とする燃料供給装置。
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