JP5663605B2 - アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法及びその合成中間体 - Google Patents

アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法及びその合成中間体 Download PDF

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Description

本発明は、特殊な反応装置を用いることなく、簡便な操作で且つ穏やかな条件下で実施可能なアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法及びその合成中間体に関するものである。
アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体である(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール
Figure 0005663605

は、除草剤の合成中間体であることが知られている(特許文献1、2及び3参照)。
この(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを得る方法としては、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトンのニトロ基を、触媒としての酢酸の存在下、鉄粉により還元して(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンとした後、続いて金属水素化錯化合物類によりカルボニル基を還元する方法が知られている(特許文献1及び3参照)。
しかし、この方法は、例えば特許文献3の実施例によれば、鉄粉を大量に使用しているために経済的ではなく、廃棄物も多くなり、更には酢酸を使用するために酸性の廃水を生じることから、経済面、環境面や操作面等からも改善が望まれている。
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを得る別法として、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの塩素原子、ニトロ基、カルボニル基の3箇所を、接触水素添加法により同一系内にて1工程で還元する方法も知られている(特許文献2参照)。しかし、この方法は、約2MPaもの高い水素圧を要するために好ましくない。
一方、特許文献3、41ページの反応スキーム(化9)に、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(2−ニトロフェニル)ケトンに代表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Va]から、(2−アミノフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールに代表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体である中間体[VIIb]を製造する方法として、
(1)ニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Va]のニトロ基を先に還元することにより、(2−アミノフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンに代表されるアミノフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Vb]を経由する2工程のルートと、
(2)ニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Va]のカルボニル基を先に還元することにより、(2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールに代表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体である中間体[VIIa]を経由する2工程のルートとが一般式で記載されている。
ここで、(2−アミノ−3−アルコキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの製造方法について、中間体[Va]のニトロ基を先に還元してアミノフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Vb]を経由する上記ルート(1)は、特許文献3、参考例3にばかりでなく、特許文献1、参考例2、(4)及び(5)に具体的に記載されている。しかしながら、中間体[Va]のカルボニル基を先に還元してニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体である中間体[VIIa]を経由する上記ルート(2)は、具体的に記載されていない。更に、(3−アルコキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールについての具体的な記載はなく、当該中間体[VIIa]を経由するルートの工業的な利点は示唆さえもされていない。
WO 00/06553 特開2003−212861 特開平11−60562
本発明の目的は、上記した従来技術における難点を解決することが可能な、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン又は(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンに代表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体から、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールに代表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、効率が良く、簡便な操作による工業的規模での実施が可能であり、しかも高収率であるために工業的に好ましく、更には環境負荷を低減した当該アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、入手容易である鉄粉に代表される還元剤としての金属の適切な量又はパラジウム触媒の適切な量を用いて、特殊な反応装置を用いることなく、穏やかな条件下で実施が可能な、工業的に好ましい当該アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造する方法を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、上記アミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造する方法において有用な中間体を提供することにある。
上記のような状況に鑑み、本発明者が(2−アミノ−3−アルコキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを製造する方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、下記一般式(2)
Figure 0005663605

で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を経由する、つまり、特許文献1及び特許文献3に参考例で具体的に記載されている製造方法における、カルボニル基及びニトロ基の還元の順番を変えることにより、同時に、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を提供することにより、上記課題の解決が可能であることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記〔1〕乃至〔67〕項に記載の発明を提供することにより前記課題を解決したものである。
〔1〕 一般式(1)
Figure 0005663605

(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体のカルボニル基を還元することにより、一般式(2)
Figure 0005663605

(式中、X、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、このアルコール誘導体を還元することを特徴とする、一般式(3)
Figure 0005663605

(式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔2〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体を、金属水素化物を用いて還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔3〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体を、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔4〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXが水素原子である〔2〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔5〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXが水素原子である〔3〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔6〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXがハロゲン原子である〔2〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔7〕 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXがハロゲン原子である〔3〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔8〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、金属を用いて還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔9〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、金属を用いて還元する〔4〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔10〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、金属を用いて還元する〔5〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔11〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、鉄粉を用いて還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔12〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、鉄粉を用いて還元する〔4〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔13〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、鉄粉を用いて還元する〔5〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔14〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、塩の存在下に還元する〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔15〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、アンモニウム塩又はアルカリ土類金属塩の存在下に還元する〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔16〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ハロゲン化アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩又は炭酸アルカリ土類金属塩の存在下に還元する〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔17〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ハロゲン化アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩の存在下に還元する〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔18〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酸を仕込むことなく行う〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔19〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離のカルボン酸を仕込むことなく行う〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔20〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酢酸を仕込むことなく行う〔13〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔21〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酸を仕込むことなく行う〔14〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔22〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離のカルボン酸を仕込むことなく行う〔14〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔23〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酢酸を仕込むことなく行う〔14〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔24〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酸を仕込むことなく行う〔15〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔25〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離のカルボン酸を仕込むことなく行う〔15〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔26〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酢酸を仕込むことなく行う〔15〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔27〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酸を仕込むことなく行う〔16〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔28〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離のカルボン酸を仕込むことなく行う〔16〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔29〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酢酸を仕込むことなく行う〔16〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔30〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酸を仕込むことなく行う〔17〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔31〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離のカルボン酸を仕込むことなく行う〔17〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔32〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の還元を、遊離の酢酸を仕込むことなく行う〔17〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔33〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウム又は塩化バリウムの存在下に還元する〔20〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔34〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、塩化アンモニウム又は酢酸アンモニウムの存在下に還元する〔20〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔35〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、塩化アンモニウムの存在下に還元する〔20〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔36〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、酢酸アンモニウムの存在下に還元する〔20〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔37〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体1モルに対して、鉄粉2.0〜3.0モルを使用して還元する〔11〕から〔36〕のいずれか1項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔38〕 Rがメトキシメチル基である〔1〕から〔37〕のいずれか1項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔39〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、パラジウム触媒の存在下に還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔40〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、パラジウム触媒の存在下に還元する〔3〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔41〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、パラジウム触媒の存在下に還元する〔5〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔42〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、パラジウム触媒の存在下に還元する〔7〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔43〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸化合物の存在下に還元する〔39〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔44〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸化合物の存在下に還元する〔40〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔45〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸化合物の存在下に還元する〔41〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔46〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸化合物の存在下に還元する〔42〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔47〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸アンモニウム又はギ酸カリウムの存在下に還元する〔39〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔48〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸アンモニウム又はギ酸カリウムの存在下に還元する〔40〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔49〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸アンモニウム又はギ酸カリウムの存在下に還元する〔41〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔50〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ギ酸アンモニウム又はギ酸カリウムの存在下に還元する〔42〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔51〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、水素の存在下に還元する〔39〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔52〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、水素の存在下に還元する〔40〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔53〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、水素の存在下に還元する〔41〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔54〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、水素の存在下に還元する〔42〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔55〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、常圧の水素の存在下に還元する〔39〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔56〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、常圧の水素の存在下に還元する〔40〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔57〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、常圧の水素の存在下に還元する〔41〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔58〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、常圧の水素の存在下に還元する〔42〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔59〕 Rがメトキシメチル基である〔41〕、〔45〕、〔49〕、〔53〕又は〔57〕のいずれか1項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔60〕 Rがメトキシメチル基である〔42〕、〔46〕、〔50〕、〔54〕又は〔58〕のいずれか1項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔61〕 Xが塩素原子である〔60〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔62〕 一般式(2)
Figure 0005663605

(式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
で表されることを特徴とするニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
〔63〕 Xが水素原子である〔62〕に記載のニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
〔64〕 Xがハロゲン原子である〔62〕に記載のニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
〔65〕 Xが塩素原子である〔62〕に記載のニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
〔66〕 Rがメトキシメチル基である〔62〕から〔65〕のいずれか1項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
〔67〕 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体におけるXがハロゲン原子であり、ニトロ基とハロゲン原子を別工程で還元する〔1〕に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
本発明により、一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の新規な工業的製造法及び一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体が提供される。
本発明方法によれば、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体において、Xが水素原子である場合、そのカルボニル基を先に還元することで、続くニトロ基の還元が、入手容易な鉄粉に代表される金属を還元剤として、しかも特許文献1の実施例に記載の反応のように大過剰ではなく、理論量程度を用いて行うことが可能であり、特殊な反応装置を必要とせず、高圧の水素を使用しないという穏やかな条件下、効率良く、簡便な操作で、しかも高い収率で目的とする一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造することができる。更には、上記還元剤に由来する廃棄物量を低減することで、環境負荷を低減することができる。
上記ニトロ基の還元は、特許文献1に記載の反応で使用されている酢酸を必要とせず、遊離の酸を仕込まないで、即ち実質的に中性の反応条件下に行うことが可能であり、廃棄物の性質を好ましいものとすることでも、環境負荷を低減することができる。尚、特許文献1及び特許文献3において参考例として具体的に記載されている、ニトロ基の還元を先に行ってアミノフェニルピリミジニルケトン誘導体である中間体[Vb]を経由するルートでは、後述する比較例1に示すように、酢酸等のカルボン酸に代表される遊離の酸を仕込まないで、即ち実質的に中性条件下でニトロ基の還元を行ったところ、反応は十分には進行しなかった。
更に、本発明方法によれば、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体において、Xが水素原子である場合、そのカルボニル基を先に還元することで、続くニトロ基の還元が、入手容易なパラジウム触媒を適切な量で用いても行うことが可能であり、特殊な反応装置を必要とせず、高圧の水素を使用しないという穏やかな条件下、効率良く、簡便な操作で、しかも高い収率で目的とする一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造できる。更には、廃棄物量を低減したり、廃棄物の性質を好ましいものとしたりすることで、環境負荷を低減できる。
更に、本発明方法によれば、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体において、Xがハロゲン原子である場合、そのカルボニル基を先に還元することで、続くニトロ基の還元とハロゲン原子の還元が、入手容易なパラジウム触媒を適切な量で用いて可能であり、特殊な反応装置を必要とせず、高圧の水素を使用しないという穏やかな条件下、効率良く、簡便な操作で、しかも高い収率で目的とする一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造できる。更には、廃棄物量を低減したり、廃棄物の性質を好ましいものとしたりすることで、環境負荷を低減できる。
従って、特許文献1及び特許文献3に参考例で具体的に記載されている製造方法における、カルボニル基及びニトロ基の還元の順番を変えることにより、同時に、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を提供することにより、これらの性質が異なる複数の効果が得られ、複数の難点を同時に解決することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体のカルボニル基を先に還元して、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、当該誘導体を還元するアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法、及び有用な中間体である一般式(2)で表されることを特徴とするニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体に関するものである。
尚、上記の通り、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体において、Xがハロゲン原子のときには、一般式(2)で表されるアルコール誘導体のニトロ基の還元と当該ハロゲン原子の還元による除去を一工程で行うことができるが、工程数の増加や収率の低下等の不利益を無視すれば、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体のニトロ基とハロゲン原子を別工程で還元しても良い。
{一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体}
まず、本発明製造方法の原料として用いる、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体について説明する。
一般式(1)における置換基Xは、水素原子、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子よりなるハロゲン原子を示す。
一般式(1)中の基Rはアルコキシメチル基を示す。
アルコキシメチル基とは、例えば、(直鎖又は分岐C1〜C4アルコキシ)−メチル基を示す。尚、「C1〜C4」はこれに続く置換基の炭素数が1から4であることを意味し、例えば(直鎖又は分岐C1〜C4アルコキシ)−メチル基とはメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基を示す。
従って、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体としては、具体的には例えば、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン、
(5−ブロモ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−フルオロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−ヨード−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン、
(5−ブロモ−3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−クロロ−3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−エトキシメチル−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−エトキシメチル−5−ヨード−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−プロポキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン、
(5−ブロモ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−クロロ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−フルオロ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−ヨード−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−クロロ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−フルオロ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−ヨード−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−ブトキシメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−ブトキシメチル−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−ブトキシメチル−5−ヨード−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−sec−ブトキシメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン、
(3−tert−ブトキシメチル−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン
を挙げることができる。
一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体は公知の化合物であるか、或いは、例えば特許文献1、2、及び3に記載の方法等により製造することができる化合物である。
{一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法}
続いて、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体のカルボニル基を還元することによる、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造工程について説明する。
(還元剤)
当工程の反応には、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体のカルボニル基を還元できればいかなる還元剤を用いても良く、具体的には金属水素化物を例示することができるが、これに限定されるものではない。
(金属水素化物)
当反応に還元剤として使用できる金属水素化物としては、具体的には例えば、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、又はボラン・テトラヒドロフラン錯体等の水素化ホウ素化合物;水素化リチウムアルミニウム又は水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化アルミニウム化合物;トリエチルシラン又はトリクロロシラン等の水素化ケイ素化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。尚、これらの金属水素化物等の還元剤は、単独で又は2種以上を任意の割合で混用しても良い。
入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点からは、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カルシウム、ボラン・テトラヒドロフラン錯体又は水素化リチウムアルミニウムの使用が好ましく、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウムの使用がより好ましく、水素化ホウ素ナトリウムの使用が更に好ましい。
(金属水素化物等の還元剤の使用量)
当反応における還元剤の使用モル比は、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体(原料化合物)に対して反応が充分に進行する範囲であれば良いが、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0.1〜10.0モル、好ましくは0.2〜10.0モル、より好ましくは0.25〜5モル、更に好ましくは0.25〜3.0モル、特に好ましくは0.25〜1.5モルの範囲を例示することができる。
(アルコール)
当反応において、水素化ホウ素化合物を用いる場合にはアルコールを用いることが好ましい。当反応に用いるアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールに代表されるC1〜C6アルカノール;エチレングリコールに代表されるC1〜C6アルカンジオール等を挙げることができる。これらのアルコールは単独で又は任意の割合で用いても良い。尚、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、メタノール、エタノールの使用が好ましく、メタノールの使用がより好ましい。
(アルコールの使用量)
当反応における、アルコールの使用モル比は、反応が充分に進行する範囲であれば良いが、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体(原料化合物)に対して、通常0.01モル以上、好ましくは0.1〜20.0モル、より好ましくは0.1〜10.0モル、更に好ましくは0.1〜5.0モルの範囲を例示することができる。但し、後述する溶媒を兼ねてアルコールを使用する場合は、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量を用いても差し支えない。
(溶媒)
当反応は無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行させるためには溶媒を用いることが好ましい。
当反応に用いることができる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば良く、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル又はプロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ペンタン又はヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン等の含ハロゲン炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類;水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも溶媒としては、ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサン等のエーテル類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類;水が好ましく、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類が更に好ましく、トルエン又はメタノールが特に好ましい。尚、溶媒は単独で又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
(溶媒量)
溶媒量としては、反応系の撹拌が充分にできる量であれば良いが、一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0〜20L、好ましくは0.1〜10L、より好ましくは0.3〜2.0L、更に好ましくは0.5〜1.5Lの範囲を例示することができる。
(反応温度)
当反応の反応温度としては、−10℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示することができるが、−10℃〜30℃の範囲が好ましく、−10℃〜20℃の範囲がより好ましく、−5℃〜10℃の範囲が更に好ましい。
(反応時間)
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜48時間を例示することができ、更に好ましくは1時間〜30時間を例示することができる。
一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体
続いて、上述のごとく一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体より製造される、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体について説明する。尚、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体は新規化合物である。
一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体中のX及びRは、前記一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるそれらと同じ意味を示す。
一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体としては、具体的には例えば、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール、
(5−ブロモ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−フルオロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−ヨード−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール、
(5−ブロモ−3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−クロロ−3−エトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−エトキシメチル−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−エトキシメチル−5−ヨード−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)メタノール、
(5−ブロモ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−クロロ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−フルオロ−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−ヨード−2−ニトロ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−クロロ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−フルオロ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−ヨード−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−ブトキシメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−ブトキシメチル−5−フルオロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−ブトキシメチル−5−ヨード−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−ブロモ−3−イソプロポキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(3−sec−ブトキシメチル−5−クロロ−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(5−フルオロ−3−tert−ブトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール
を挙げることができる。
{一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法}
続いて、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を還元することによる、一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造工程について説明する。
(還元反応)
当工程の反応には、Xが水素原子のときは一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体のニトロ基を還元できれば、或いは、Xがハロゲン原子のときは一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体のニトロ基とハロゲン原子を還元できれば、いかなる還元反応を用いても良いが、当反応に用いる還元反応としては、還元剤として鉄粉に代表される金属を用いる還元反応、或いは、パラジウム触媒を用いる還元反応が、特殊な反応装置や高圧の水素等は必要がなく、好ましい。
(還元剤として金属を用いる還元反応)
(金属)
還元剤として金属を用いる還元反応において、還元剤として使用できる金属としては、当該反応が可能な金属であれば何れでも構わず、鉄、亜鉛、スズ又は銅等を例示することができ、これらに限定されるものではないが、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点から鉄の使用が好ましい。
これらの還元剤として金属は、反応が進行するのであれば如何なる形態のものでも使用することができるが、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点から、粉状の金属が好ましく、従って、当反応に使用できる金属としては、具体的には例えば鉄粉の使用がより好ましい。
(鉄粉等の金属の使用量)
当反応における、鉄粉に代表される還元剤としての金属の使用量は、反応が充分に進行する量であれば良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0.5〜50.0モル、好ましくは0.5〜20.0モル、より好ましくは2.0〜5.0モル、更に好ましくは2.0〜4.0モル、特に好ましくは2.0〜3.0モルの範囲を例示することができる。尚、還元剤としての金属の理論量は2当量であり、理論量程度の還元剤を使用することにより、還元剤に由来する廃棄物量を低減することができる。
(塩)
還元剤として鉄粉に代表される金属を用いる上記還元反応には、他にいかなる試剤を用いても良いが、好ましくは塩を用いる。
当反応に使用できる塩としては、カチオンとアニオンから形成される化合物を示すことができるが、これらに限定されるものではない。
当該化合物(塩)を形成するカチオンとしては、金属イオン、アンモニウムイオン(NH4 +)、アミニウムイオン、4級アンモニウムイオン又は4級ホスホニウムイオン等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記金属イオンにおける金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子又はカリウム原子のアルカリ金属原子マグネシウム原子、カルシウム原子又はバリウム原子等のアルカリ土類金属原子亜鉛等の亜鉛族金属原子鉄原子、スズ原子又は銅原子等の遷移金属原子を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記アミニウムイオンにおけるアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、キノリン、アニリン又はN,N−ジエチルアニリン等のアミン類を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記4級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、トリメチルブチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン等の直鎖若しくは分岐C1〜C8アルキル基又はフェニル基を有する4級アンモニウムイオンを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記4級ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウムイオン、テトラフェニルホスホニウムイオン等の直鎖若しくは分岐C1〜C8アルキル基又はフェニル基を有する4級ホスホニウムイオンを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
当該化合物(塩)を形成するアニオンとしては、酸由来のアニオンを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記アニオンにおける酸としては、塩酸、臭化水素酸若しくはフッ化水素酸等のハロゲン化水素酸や、硫酸、硝酸又はリン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸又は安息香酸等のカルボン酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸等のスルホン酸等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
従って、当反応に使用できる塩としては、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛族金属塩又は遷移金属塩を示すことができるが、これらに限定されるものではない。
上記塩としては、具体的には、塩化アンモニウム又は臭化アンモニウム等のハロゲン化アンモニウム塩;臭化テトラブチルアンモニウム、塩化トリメチルブチルアンモニウムイオン又は塩化トリオクチルメチルアンモニウムイオン等のハロゲン化4級アンモニウム塩;臭化テトラフェニルホスホニウム等のハロゲン化4級ホスホニウム塩;トリエチルアミン塩酸塩又はピリジン塩酸塩等のアミンハロゲン化水素酸塩;塩化リチウム、塩化ナトリウム又は塩化カリウム等のハロゲン化アルカリ金属塩;塩化マグネシウム、塩化バリウム又は塩化カルシウム等のハロゲン化アルカリ土類金属塩;塩化亜鉛等のハロゲン化亜鉛族金属塩;塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)塩化銅(I)又は塩化銅(II)等のハロゲン化遷移金属塩;炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウム等の炭酸アンモニウム塩;炭酸ナトリウム又は炭酸水素ナトリウム等の炭酸アルカリ金属塩;炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム又は炭酸水素カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属塩;炭酸鉄(II)、炭酸水素鉄(II)又は炭酸銅(II)等の炭酸遷移金属塩;硫酸アンモニウム又は硫酸水素アンモニウムの硫酸アンモニウム塩;硫酸水素テトラブチルアンモニウム等の硫酸4級アンモニウム塩;硫酸ナトリウム又は硫酸カリウム等の硫酸アルカリ金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム又は硫酸水素カルシウム等の硫酸アルカリ土類金属塩;硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硫酸スズ(II)、硫酸スズ(IV)硫酸銅(I)又は硫酸銅(II)等の硫酸遷移金属塩;硝酸アンモニウム;硝酸鉄(II)又は硝酸鉄(III)等の硝酸遷移金属塩;リン酸アンモニウム;リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウム等のリン酸アルカリ金属塩;ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、トリフルオロ酢酸アンモニウム又は安息香酸アンモニウム等のカルボン酸アンモニウム塩;酢酸テトラブチルアンモニウム等のカルボン酸4級アンモニウム塩;酢酸テトラブチルホスホニウム等のカルボン酸4級ホスホニウム塩;トリエチルアミン酢酸塩又はピリジン酢酸塩等のカルボン酸アミン塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、酢酸カリウム又はプロピオン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酢酸カルシウム又はプロピオン酸カルシウム等のカルボン酸アルカリ土類金属塩;カルボン酸鉄(II)又はカルボン酸鉄(III)等のカルボン酸遷移金属塩;ベンゼンスルホン酸アンモニウム等のスルホン酸アンモニウム塩;トリフルオロメタンスルホン酸テトラブチルアンモニウム等のスルホン酸4級アンモニウム塩;トリエチルアミンベンゼンスルホン酸塩等のアミンスルホン酸塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸アルカリ金属塩;ベンゼンスルホン酸バリウム等のスルホン酸アルカリ土類金属塩を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
尚、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点から、アンモニウム塩又はアルカリ土類金属塩の使用が好ましく、ハロゲン化アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩又は炭酸アルカリ土類金属塩の使用がより好ましく、ハロゲン化アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩又はハロゲン化アルカリ土類金属塩の使用が更に好ましく、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウム又は塩化バリウムの使用が更に好ましく、塩化アンモニウム又は酢酸アンモニウムの使用が特に好ましい。
これらの塩は無水物であっても水和物であっても良く、これらの塩は単塩であっても複塩であっても良い。又、これらの塩は単独で又は2種以上を任意の割合で混用しても良い。
(塩の使用量)
当反応における塩の使用モル比は、反応が充分に進行する範囲であれば何れでも良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0.01〜50.0モル、好ましくは0.01〜10.0モル、より好ましくは0.05〜5.0モル、更に好ましくは0.1〜3.0モル、特に好ましくは0.1〜1.0モルの範囲を例示することができる。
(遊離の酸)
(遊離のカルボン酸)
還元剤として鉄粉に代表される金属を用いる当該還元反応は、特許文献1等の従来技術と異なり、酢酸等の遊離のカルボン酸に代表される酸を仕込むことなくニトロ基の還元が十分に進行する。言い換えれば、実質的に中性の反応条件下にニトロ基の還元が十分に進行する。従って、酸性の廃液を排出したり、又、これを中和したりする必要がないために、環境負荷を低減することができる。
(水又はアルコール類)
還元剤として鉄粉に代表される金属を用いる当該還元反応には、水又はアルコール類を用いることが好ましい。当反応に用いることができるアルコール類としては、当反応に用いることができる溶媒として後述するアルコール類を例示することができる。
(水又はアルコール類の使用量)
当反応における、水又はアルコール類の使用モル比は、反応が充分に進行する範囲であれば良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)に対して、通常0モル以上、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.01〜2000モル、更に好ましくは1〜100モル、特に好ましくは5〜20モルの範囲を例示することができる。但し、後述する溶媒を兼ねて使用する場合は、上記例示の範囲に拘わらず、大過剰量を用いても差し支えない。
(溶媒)
還元剤として鉄粉に代表される金属を用いる当反応は、無溶媒でも実施することができるが、反応を円滑に進行させるために溶媒を用いることが好ましい。
当反応に用いうることができる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば良く、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル又はプロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサン等のエーテル類;トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素類;ペンタン又はヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン等の含ハロゲン炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。中でも溶媒としては、トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類又は水が好ましく、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール又は水が更に好ましい。尚、溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
(溶媒量)
溶媒量としては、反応系の撹拌が充分にできる量であれば良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0〜10L、好ましくは0.05〜10L、より好ましくは0.1〜5L、更に好ましくは0.2〜2L、特に好ましくは0.2〜1.5Lの範囲を例示することができる。
(反応温度)
当反応の反応温度としては、通常0℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは0℃〜150℃、より好ましくは20℃〜100℃、更に好ましくは40℃〜100℃、特に好ましくは60〜100℃の範囲を例示することができる。
(反応時間)
当反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜48時間を例示することができ、更に好ましくは1時間〜30時間を例示することができる。
(パラジウム触媒を用いる還元反応)
(パラジウム触媒)
当該還元反応に用いるパラジウム触媒としては、当該反応が可能なパラジウム触媒であれば何れでも構わないが、具体的には例えば、パラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナ、パラジウム担持硫酸バリウム、パラジウム担持炭酸カルシウム等のパラジウム触媒を挙げることができる。
中でも、反応性が高く、高価なパラジウム触媒を反応後に容易に回収可能なパラジウムカーボン、パラジウム担持アルミナの使用が好ましく、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点からは、パラジウムカーボンの使用がより好ましい。これらのパラジウム触媒は単独で又は任意の割合で混用しても良い。
(パラジウム触媒の使用量)
当反応におけるパラジウム触媒は、反応が充分に進行する量であれば良いが、その使用量は、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール(原料化合物)に対して、モル比(金属パラジウム換算)で、通常0.00001〜1.0モル、好ましくは0.0001〜0.1モル、より好ましくは0.005〜0.1モル、更に好ましくは0.005〜0.05モル、特に好ましくは0.005〜0.03モルの範囲を例示することができる。
(水素源としての還元剤)
パラジウム触媒を用いる当該還元反応には還元剤(水素源)を用いる。当反応に用いる還元剤としては、当反応が可能な還元剤であればいずれでも構わないが、具体的には例えば、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム若しくはギ酸カリウム等のギ酸塩、又はギ酸メチル若しくはギ酸エチル等のギ酸エステルのギ酸化合物;水素;水素化ホウ素ナトリウム等のホウ素水素化物;水素化リチウムアルミニウム等のアルミニウム水素化物;メタノール、エタノール又はイソプロパノール等のアルコール類等を挙げることができる。
中でも、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点からギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸メチル、ギ酸エチル又は水素の使用が好ましく、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム又は水素の使用がより好ましく、ギ酸アンモニウム、ギ酸カリウム又は水素の使用が更に好ましい。尚、これらの還元剤は単独で、又は任意の割合で混用しても良い。
(還元剤の使用量)
当反応における還元剤(水素源)の使用モル比は、反応が充分に進行する量であれば良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常1〜20モル、好ましくは1〜10モル、より好ましくは1〜6モルの範囲を例示することができる。但し、後述する溶媒を兼ねて使用する場合は、ここに例示の範囲と関係なく、大過剰量を用いても差し支えない。
(水素)
パラジウム触媒を用いる当該還元反応において、還元剤に水素を用いるときは、水素の圧力は特に限定されないが、工業的な要望から高圧の水素ではなく、常圧の水素の使用が好ましい。
(塩基性物質)
パラジウム触媒を用いる当該還元反応において還元剤に水素を用いるときは、目的の反応が進行すれば、他にいかなる試剤を用いても良いが、Xがハロゲン原子であるときには好ましくは塩基性物質を用いる。
当反応に使用できる塩基性物質としては、具体的には例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム又は水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩類;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム又は炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩;炭酸水素マグネシウム又は炭酸水素カルシウム等のアルカリ土類金属重炭酸塩;ナトリウムメトキシド又はtert−ブトキシカリウム等のアルコール金属塩類;ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム又はプロピオン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩;酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム等のカルボン酸アルカリ土類金属塩;ピリジン、トリエチルアミン又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等の有機塩基類;水素化ナトリウム等の金属水素化物類;ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類を示すことができるが、これらに限定されるものではない。
中でも、入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点からは、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩又は酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酢酸カルシウム又はプロピオン酸カルシウム等のカルボン酸アルカリ土類金属塩等のカルボン酸塩の使用が好ましく、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム又はプロピオン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩の使用がより好ましく、酢酸ナトリウムの使用が更に好ましい。
(塩基性物質の使用量)
当反応におけるカルボン酸塩等の塩基性物質の使用モル比は、反応が充分に進行する範囲であれば何れでも良いが、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1〜2モルの範囲を例示することができる。
(溶媒)
当反応は反応を円滑に進行するために溶媒を用いることが好ましい。当反応に用いることができる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば良く、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類;水;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、アセトニトリル又はプロピレンカーボネート等の非プロトン性極性溶媒類;トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素;ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)又はジオキサン等のエーテル類;ジクロロメタン等の含ハロゲン溶媒;ペンタン又はヘキサン等の脂肪族炭化水素類等が挙げられる。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性、価格等の観点から好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はエチレングリコール等のアルコール類又は水を用いることが良く、より好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール又は水を用いることが良く、更に好ましくはメタノール又は水を用いることが良く、メタノールを溶媒として用いると特に好ましい。尚、溶媒は単独で、又は任意の混合割合の混合溶媒として用いることができる。
(溶媒量)
溶媒量としては、反応系の撹拌が充分にできる量であれば良いが、一般式(2)で表されるピリミジニルアルコール誘導体(原料化合物)1モルに対して、通常0.05〜10L、好ましくは0.2〜2Lの範囲を例示することができる。
(反応温度)
当反応の反応温度は、通常−10℃〜使用する溶媒の還流温度の範囲を例示できるが、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜80℃、更に好ましくは0〜60℃、特に好ましくは0〜50℃の範囲が良い。
(反応時間)
反応の反応時間は特に制限されないが、副生物抑制の観点等から、好ましくは1時間〜48時間を例示することができ、更に好ましくは1時間〜30時間を例示することができる。
{一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体}
続いて、本発明方法により得られる、一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体について説明する。
一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体中のX及びRは、前記一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるそれらと同じ意味を示す。
一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体としては、具体的には例えば、
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−エトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−プロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−イソプロポキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−ブトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−イソブトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−sec−ブトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール、
(2−アミノ−3−tert−ブトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール
を挙げることができる。
次に、実施例を挙げて本発明化合物の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール{一般式(2)において、X=H、R=メトキシメチルの化合物}の製造:水素化ホウ素ナトリウムによるカルボニル基の還元
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン9.33g(28.0mmol)、トルエン28ml、メタノール3.2ml(78mmol)を加え、撹拌しながら0〜5℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム0.32g(8.4mmol)を少量ずつ分割して仕込んだ。その後0〜5℃で時間撹拌した。反応液に2%塩酸14.9ml(8.4mmol)を滴下し、50℃で分液した後、トルエン層を水14mlで洗浄し、減圧下でトルエンを留去した。その後イソプロパノール12ml、水5mlを加えて再結晶することにより精製した。(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノールを類白色固体として91%の収率で得た。
融点:93.3℃
H−NMR(300MHz,CDCl,σ):7.43〜7.57(m,3H),6.01(d,J=4.5Hz,1H),5.87(s,1H)4.91(d,J=4.5Hz,1H),4.50(s,2H),3.90(s,6H),3.35(s,3H)
LC−MS(m/z):336.1[M+H]
実施例2
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール{一般式(3)において、X=H、R=メトキシメチルの化合物}の製造:鉄粉によるニトロ基の還元
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール13.33g(0.04mоl)、鉄粉5.58g(0.10mоl、2.5当量)、エタノール40mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ塩化アンモニウム1.07g(0.02mоl)、水12mlの混合液を滴下し、80℃で1時間撹拌した。反応液を25℃まで冷却した後、セライトを用いてろ過した。ろ液から減圧下でエタノールを留去した後、クロロベンゼン20ml、水20mlを加えて撹拌し、分液した。クロロベンゼン層を水40mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は93%であった。
実施例3
(実施例2の塩化アンモニウムに代わり、酢酸アンモニウムを使用した例)
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、鉄粉6.98g(0.125mоl、2.5当量)、酢酸アンモニウム1.93g(0.025mоl)、水15mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール39g(0.05mоl)、イソプロパノール50mlのスラリー液を滴下し、80℃で4時間攪拌した。反応液を25℃まで冷却した後、セライトを用いてろ過した。ろ液から減圧下でイソプロパノールを留去した後、クロロベンゼン25mlを加えて攪拌し、分液した。クロロベンゼン層を水50mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は91%であった。
実施例4
(実施例2の塩化アンモニウムに代わり、酢酸アンモニウムを使用した例)
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた1000mlの四つ口フラスコに、鉄粉121.45g(2.17mоl、2.5当量)、酢酸アンモニウム33.53g(0.435mоl)、水261mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール291.71g(0.87mоl)、イソプロパノール292mlのスラリー液を滴下し、80℃で4時間撹拌した。反応液を25℃まで冷却した後、セライトを用いてろ過した。ろ液から減圧下でイソプロパノールを留去した後、クロロベンゼン435mlを加えて撹拌し、分液した。このときの水層のpHは7.9であった。クロロベンゼン層を水435mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は95%であった。
遊離の酸を仕込んでいない実施例4の上記水相、即ち廃水のpHは7.9であり酸性ではないため、特に中和を必要としない。又、使用している化合物や試薬等に照らし、他の実施例でも水相の液性は中性と予想される。
実施例5
(実施例2の塩化アンモニウムに代わり、塩化カルシウムを使用した例。)
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた50mlのナス型フラスコに、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール1.68g(5mmоl)、鉄粉0.7g(13mmоl、2.6当量)、エタノール5mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ塩化カルシウム0.28g(3mmоl)、水1.5mlを滴下し、80℃で6時間撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの収率はHPLC面積百分率で93.4%であった。
実施例6
(実施例2の塩化アンモニウムに代わり、塩化バリウムを使用した例。)
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた50mlのナス型フラスコに、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノール1.68g(5mmоl)、鉄粉0.7g(13mmоl、2.6当量)、エタノール5mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ塩化バリウム0.52g(3mmоl)、水1.5mlを滴下し、80℃で2時間撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの収率はHPLC面積百分率で91.9%であった。
実施例7
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール{一般式(3)において、X=H、R=メトキシメチルの化合物}の製造:パラジウム触媒によるニトロ基の還元
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた200mlの四つ口フラスコに、(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール13.3g(0.04mоl)、5%Pd/C(50%含水)2.69g(0.6mmоl)、ギ酸アンモニウム22.7g(0.24mоl)、メタノール40mlを加え、40℃に保ちながら3時間撹拌した。室温まで冷却し反応液をろ過した。ろ液から減圧下でメタノールを留去した後、クロロベンゼン20ml、水20ml加えて撹拌し、分液した。クロロベンゼン層を水8mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は95%であった。
実施例8
(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール{一般式(2)において、X=Cl、R=メトキシメチルの化合物}の製造
実施例1と同様の方法で、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンを原料に用いて、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを得た。
融点:92.5℃
H−NMR(300MHz,CDCl,σ):7.59(d,J=2.4Hz,1H),7.51(d,J=2.4Hz,1H),6.07(d,J=4.5Hz,1H),5.91(s,1H),4.97(d,J=4.5Hz,1H),4.54(d,J=13.5Hz,1H),4.46(d,J=13.5Hz,1H)3.92(s,6H),3.40(s,3H)ppm.
LC−MS(m/z):370.8[M+H]
実施例9
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール{一般式(3)において、X=Cl、R=メトキシメチルの化合物}の製造:パラジウム触媒によるニトロ基とCl基の還元
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール22.3g(0.060mоl)、5%Pd/C(50%含水)4.03g(0.94mmоl)、ギ酸アンモニウム22.7g(0.36mоl)、メタノール60mlを加え、20〜25℃に保ちながら17時間撹拌した。反応液をろ過し、ろ液から減圧下でメタノールを留去した後、クロロベンゼン30ml、水30mlを加えて攪拌し、分液した。クロロベンゼン層を水30mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は97%であった。
実施例10
(実施例9のギ酸アンモニウムに代わり、ギ酸カリウムを使用した例)
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール22.3g(0.060mоl)、5%Pd/C(50%含水)4.03g(0.94mmоl)、ギ酸カリウム30.28g(0.36mоl)、水9.6g、メタノール60mlを加え、10〜15℃に保ちながら18時間攪拌した。反応液をろ過し、ろ液から減圧下でメタノールを留去した後、クロロベンゼン30ml、水30mlを加えて撹拌し、分液した。クロロベンゼン層を水12mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は97%であった。
実施例11
(実施例9のギ酸アンモニウムに代わり、常圧の水素を使用した例)
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた25mlのナス型フラスコに、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール0.51g(1.5mmоl)、10%Pd/C(dry品)0.025g(0.024mmоl)、酢酸ナトリウム0.25g(3mmol)、アセトニトリル1.5mlを加え、常圧で水素を吹き込みながら5時間、室温で撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの収率はHPLC面積百分率で93%であった。
実施例12
(実施例9のギ酸アンモニウムに代わり、常圧の水素を使用した例)
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた25mlのナス型フラスコに、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール0.51g(1.5mmоl)、10%Pd/C(dry品)0.025g(0.024mmоl)、酢酸ナトリウム0.25g(3mmol)、メタノール1.5mlを加え、常圧で水素を吹き込みながら8時間、室温で撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの収率はHPLC面積百分率で94%であった。
比較例1
{実施例3及び4と同様の反応条件で、原料に(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)メタノールではなく、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトンを使用した例}
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの製造
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、鉄粉0.7g(12.5mmol、2.5当量)、酢酸アンモニウム0.193g(2.5mmol)、水1.5mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン1.67(5mmol)、イソプロパノール5mlのスラリー液を滴下し、80℃で4時間加熱撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、目的の(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンは検出されず、原料の(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトンが残存していた。
更に、同温度で4時間加熱撹拌した。反応液をHPLC分析した結果、目的の(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの生成はHPLC面積百分率で32%と少量であった。又、HPLC面積百分率で43%もの大量の原料である(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトンが残存していた。更には、HPLC面積百分率で25%もの大量の不純物が副生していた。
上記のように、実施例3及び4と同じ反応時間では反応が進行しなかったため、反応時間を実施例3及び4の2倍に延長すると、反応が進行したが、実施例3及び4の高い収率に比較して大幅に低い収率しか得られず、大量の不純物が副生した。
比較例2
{WO 00/06553(特許文献1)、17ページ、参考例2(4)に記載の方法}
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンの製造:鉄粉によるケトン体のニトロ基の還元
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン3.3g(10mmol)と、鉄粉3g(54mmol)と、水20mlと、酢酸エチル150mlと酢酸1mlの混合物を50℃において5時間反応させた。反応液中の不溶物をろ過助剤を用いてろ別し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥した。溶媒を減圧留去し結晶残査をジイソプロピルエーテルで洗浄することにより、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン2.4g(収率80%)を黄色結晶(融点100〜101℃)として得た。
上記のように、鉄粉の使用量が多いため、鉄由来の廃棄物が多くなり、更には酢酸を使用するため、酸性の廃水を生じ、廃棄のためには中和が必要となる。
比較例3 (X=H)
WO 00/06553(特許文献1)、17〜18ページ、参考例2(5)に記載の方法}
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの製造
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン3.1g(10mmol)をテトラヒドロフランと水との混合溶媒(容量比1:1)50mlに溶解し、室温で撹拌しながらこの中へ水素化ホウ素ナトリウム0.6g(16mmol)を加え、更に2時間室温で撹拌を続けた。次いで氷水50mlを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥した。溶媒を減圧留去し、結晶残査をジイソプロピルエーテルで洗浄することにより、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノール2.8g(収率92%)を白色粉末(融点40〜42℃)として得た。
上記比較例2及び3を連続して行うことにより、本願に係る製造方法の目的化合物に含まれる(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを得ることができるが、比較例2及び3を連続して行った場合の収率は73.6%であり、例えば上記実施例1及び2を連続して行った場合の収率である84.6%には及ばない。
比較例4
(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの製造
撹拌器、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlの四つ口フラスコに、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトン16.7g(0.05mol)、鉄粉22.3g(0.40mol、8当量)、エタノール50mlを加え、撹拌しながら80℃に昇温した。そこへ酢酸50ml(0.86mol、17.2当量)を滴下し、80℃で1時間撹拌した。反応液を25℃まで冷却した後、セライトを用いてろ過した。反応で生じた酢酸鉄を含むろ液を25%水酸化ナトリウムで中和し、析出した水酸化鉄をろ別した。当該水酸化鉄のろ過には17時間もの長時間を要した。ろ液から減圧下でエタノールを留去した後、クロロベンゼン50ml、水50mlを加えて撹拌し、分液した。クロロベンゼン層を水50mlで洗浄し、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを黄色のクロロベンゼン溶液として得た。この溶液をHPLC絶対検量線法で分析した結果、収率は50%であった。
上記比較例4に示される製造方法は、(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)(3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)ケトンから(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを製造する際に、1工程でニトロ基とカルボニル基を還元するものであるが、当該製造方法は、大量の鉄粉と大量の酢酸を使用しているために経済的ではなく、廃棄物も多くなるし、又、酢酸を使用していることから中和が必要となる。更には当該中和の際に生成した水酸化鉄のろ過性は非常に悪く、ろ別に長時間を要するばかりか、収率も芳しくない。従って、大量の鉄粉と大量の酢酸を使用する当該製造方法は、工業的規模での実施には好ましくない。
比較例5
1.(2−アミノ−5−クロロ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの製造
メカニカルスターラー、温度計、還流管を備えた100mlの四つ口フラスコに、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトン7.36g(20mmol)、鉄粉8.93g(160mmol、8当量)、エタノール20ml、酢酸20ml(349mmol、17.5当量)を加え、反応系を50℃に昇温した。発熱が収まった後、系の温度75〜80℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応系に水100ml、トルエン100mlを加え10分間撹拌した後、セライトを用いてろ過した。ろ液を分液し、水層をトルエン100mlで再抽出した。トルエン層を併せ、水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下でトルエンを留去し、褐色オイルを得た。このオイルにトルエン50ml、シリカゲル3.4gを加え、10分間撹拌した後、ろ過した。ろ液から減圧下でトルエンを留去し、6.4gの淡黄色オイルを得た。粗収率は94.2%であった。この粗オイルのHPLC純度は93.9%であった。この粗オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−へキサン)で精製し、更にイソプロピルアルコールで再結晶し、4.7gの(2−アミノ−5―クロロ―3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの白色結晶を収率69.3%で得た。(HPLC純度98.9%)
融点:80〜82℃
H−NMR(300MHz,CDCl、δ):7.20(d,J=2.7Hz,1H),6.99(d,J=2.7Hz,1H),5.95(s,1H),5.79(d,J=5.4Hz,1H),5.18(br,2H),4.73(d,J=5.4Hz,1H),4.46(dd,J=15.2,12.3Hz,2H),3.95(s,6H),3.31(s,3H)ppm.
GC−MS(m/z):M=340.1
2.(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの製造
マグネットスターラー、滴下ロートを備えた50mlのナス型フラスコに、(2−アミノ−5−クロロ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールの粗オイル6.4g(18.8mmol)、ギ酸アンモニウム2.38g(37.6mmol)、メタノール19mlを加え、反応系内を窒素置換した後、10%パラジウムカーボン320mg(Aldrich社製)を加え、40℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応系を室温まで冷却し、ろ過した。減圧下でメタノールを回収した後、反応系に酢酸エチル30ml、水50mlを加え分液し、水層を酢酸エチル30mlで再抽出した。酢酸エチル層を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で酢酸エチルを留去し、5.68gの淡黄色オイルとして(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを収率99.0%で得た。(HPLC純度96.0%)
H−NMR(300MHz,CDCl、δ):7.30(dd,J=7.5,1.5Hz,1H),7.01(dd,J=7.5,1.5Hz,1H),6.71(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),5.93(s,1H),5.84(br,1H),5.16(br,2H),4.51(dd,J=16.2,12.0Hz,2H),3.94(s,6H),3.32(s,3H)ppm.
GC−MS(m/z):M=305.
比較例5に示される製造方法は、(5−クロロ−3−メトキシメチル−2−ニトロフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ケトンのニトロ基及びカルボニル基の2箇所を1工程で還元した後に、ハロゲン原子を還元することにより、(2−アミノ−3−メトキシメチルフェニル)(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)メタノールを得るものである。
当該製造方法は、特許文献2記載の塩素原子、ニトロ基、カルボニル基の3箇所を1工程で還元する製造方法における、高い水素圧を要するとの難点を解決できる優れた製造方法であるが、当該製造方法も、大量の鉄粉と大量の酢酸を使用しているために、工業的な実施においては、後処理の操作が煩雑になる上に長時間を要し、更には廃棄物も多く、比較的に収率が低いことから、更なる改善が望まれていた。
(HPLC分析方法)
上記したHPLC分析方法の詳細に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照することができる。)
(b)(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法・条件に関しては、第135〜137頁を参照することができる。)
(pHの測定方法)
pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計により測定した。ガラス電極式水素イオン濃度指示計としては、具体的には例えば東亜ディーケーケー株式会社製、形式:HM−20Pが使用することができる。
本発明によれば、一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の新規な工業的製造法と有用な製造中間体が提供される。
即ち、本発明によれば、原料として入手容易な一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体を用いることが可能であり、特殊な反応装置を用いることなく、簡便な操作で且つ穏やかな条件下で、目的とするアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体を効率良く、高収率で製造することができ、更には、廃棄物量を低減したり、廃棄物の性質を好ましいものとしたりすることで、環境にも優しい。
得られる一般式(3)で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体は、除草剤の合成中間体として有用な化合物であり、従って、本発明は工業的な利用価値が高い。

Claims (11)

  1. 一般式(1)
    Figure 0005663605
    (式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体のカルボニル基を還元することにより、一般式(2)
    Figure 0005663605
    (式中、X、Rは前記と同じ意味を示す。)
    で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、このアルコール誘導体を還元することを特徴とする、一般式(3)
    Figure 0005663605
    (式中、Rは前記と同じ意味を示す。)
    で表されるアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  2. 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体を、金属水素化物を用いて還元する請求項1に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  3. 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体を、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元する請求項1又は2に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  4. 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXが水素原子であり、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、このアルコール誘導体を、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、亜鉛族金属塩又は遷移金属塩の存在下、遊離の酸を仕込むことなく、鉄粉を用いて還元することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  5. 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXがハロゲン原子であり、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、このアルコール誘導体を、パラジウム触媒を用いて還元することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  6. 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を、ハロゲン化アンモニウム塩、炭酸アンモニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩、ハロゲン化アルカリ土類金属塩又は炭酸アルカリ土類金属塩の存在下に還元する請求項に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  7. 一般式(1)で表されるニトロフェニルピリミジニルケトン誘導体におけるXが水素原子であり、一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体を製造した後、このアルコール誘導体を、パラジウム触媒を用いて還元することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
  8. 一般式(2)
    Figure 0005663605
    (式中、Xは水素原子又はハロゲン原子を示し、Rはアルコキシメチル基を示す。)
    で表されることを特徴とするニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
  9. Xが水素原子である請求項に記載のニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
  10. Xがハロゲン原子である請求項に記載のニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体。
  11. 一般式(2)で表されるニトロフェニルピリミジニルアルコール誘導体におけるXがハロゲン原子であり、ニトロ基とハロゲン原子を別工程で還元する請求項1に記載のアミノフェニルピリミジニルアルコール誘導体の製造方法。
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