JP2017043561A - イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工業的に好ましい条件且つ高収率で、安定供給するために不安定な中間体を経由しない、式(1)で表されるイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法の提供。【解決手段】式(2)で表される化合物からイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を製造し、該エステル化合物を金属塩の存在下、還元剤と反応させることにより、式(1)で表される化合物を製造する方法。[R1及びR2は各々独立にハロゲン。]【選択図】なし

Description

本発明は、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法、特に5−シアノイソチアゾール化合物を原料として、イソチアゾール−5−カルボイミデート化合物及びイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を中間体として経由する、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法に関する。
イソチアゾール化合物は、医薬・農薬化合物及びそれらの合成中間体として有用である。例えば、特許文献1に開示されているイソチアゾール化合物は、アミド及びエステル骨格を有するイソチアゾールカルボン酸誘導体であり、イネいもち病に対して防除効果を示す。例えば、特許文献2に開示されているイソチアゾール化合物は、イソチアゾール−5−メタノール化合物が、サッカリンとイミド酸エステル結合を形成したものであり、イネいもち病に対して高い防除効果を示す。例えば、特許文献3には、イソチアゾール−5−メタノール化合物自体がイネいもち病に対して高い防除効果を示すことが記載されている。
特許文献1に記載されているイソチアゾールカルボン酸誘導体の製造方法では、まず、原料である5−シアノイソチアゾール化合物を水酸化ナトリウム水溶液により加水分解し、イソチアゾール−5−カルボン酸化合物を製造している(特許文献1の「反応式1」)。続いて、得られたイソチアゾール−5−カルボン酸化合物を、塩化チオニルを用いてカルボン酸クロリドとした後、アルコールと反応させることでイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を、アミンと反応させることでイソチアゾール−5−カルボン酸アミド化合物をそれぞれ製造している(特許文献1の「反応式3」)。
特許文献1のイソチアゾール−5−カルボン酸化合物の製造方法は、強塩基水溶液中で原料の5−シアノイソチアゾール化合物を加熱還流する必要がある。加えて、生成物であるカルボン酸化合物を得るためには、反応溶液を酸性水溶液にしてから取り出す必要があるため、強塩基及び中和のための酸を大量に使用するので、廃棄物等の面で改善の余地があった。更に、カルボン酸エステル化合物の製造方法では、合成中間体としてカルボン酸クロライドを経由する必要があり、イソチアゾール−5−カルボン酸化合物から直接製造する方法と比較して1工程増えることになる。その上、特許文献1に記載のエステル化では、収率が56%と低く、工業的製造法の観点からは好ましいとは言えず、改善の余地があった。
特許文献2及び特許文献3のイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法では、原料であるイソチアゾール−5−カルボン酸化合物を、塩化オキサリルなどのハロゲン化試薬を用いてカルボン酸ハロゲン化物とした後、得られたカルボン酸ハロゲン化物を還元剤と反応させることでイソチアゾール−5−メタノール化合物を製造している(特許文献2の「工程2」及び「工程3」並びに特許文献3の段落0012〜0029)。
特許文献2及び特許文献3のイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法も、特許文献1のイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の製造方法と同様に、酸クロライドを合成中間体として経由している。一般的に、酸クロライドは湿気によりカルボン酸へと加水分解してしまうことから、長期保存には適さず、酸クロライドを製造後直ちに使用することが好ましい。その上、溶媒中の水分によってもカルボン酸へと加水分解してしまうため、取り扱いには一層の注意が必要であり、工業的に製品を安定供給するためには改善の余地があった。
一般的なアルコール化合物の製造方法として、エステル化合物を還元する方法も存在する。エステル化合物を還元してアルコール化合物を得るためには、例えば、水素化リチウムアルミニウムのような強力な還元剤の使用、又は加熱条件下で水素化ホウ素ナトリウム等を使用するような強い還元条件が提案される。しかし、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物は、強力な還元条件下では、目的化合物を与えるエステル部位の還元(1,2−還元)だけでなく、イソチアゾール環の還元(1,4−還元)が起こる可能性が確認された。更に、特許文献1及び2には、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を還元してイソチアゾール−5−メタノール化合物を製造する方法について、記載も示唆もされていない。そのような理由から、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を還元してイソチアゾール−5−メタノール化合物を製造する方法は未だ完成していない背景があった。
Figure 2017043561
特開平5−59024号公報(段落0016〜0019など) 国際公開第2007/129454号公報(段落0027〜0038など) 特開2007−211002号公報(段落0012〜0029など)
本発明の目的は、工業的製造法の観点から好ましい条件且つ高収率で、製品を安定供給するために不安定な中間体を経由しない、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法を提供することにある。具体的には、安価に手に入る5−シアノイソチアゾール化合物を原料として、イソチアゾール−5−カルボン酸化合物及びイソチアゾール−5−カルボン酸ハロゲン化物を合成中間体として経由しない、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の還元反応を用いて、高収率でイソチアゾール−5−メタノール化合物が製造できる方法を提供することにある。具体的には、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の還元反応において、1,4−還元を抑制し、選択的に1,2−還元を進行させることができる、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法を提供することにある。
上記のような状況に鑑み、本発明者らがイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、5−シアノイソチアゾール化合物から、イソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を合成中間体として経由し、効率的にイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を高収率で得られることを見出した。更に、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させることで、副反応である1,4−還元を抑制し、選択的に1,2−還元を進行させることができ、イソチアゾール−5−メタノール化合物を高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記〔1〕から〔29〕項に記載の発明を提供することにより前記課題を解決したものである。
〔1〕一般式(1):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示す。)
で表されるイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法であって、以下の工程:
(i) 下記一般式(2):
Figure 2017043561
(式中、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を、塩基の存在下、下記一般式(a):
Figure 2017043561
(式中、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表されるアルコールと反応させ、下記一般式(3):
Figure 2017043561
(式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程;
(ii) 前記一般式(3)で表される化合物を、酸性条件下の反応に付して、下記一般式(4):
Figure 2017043561
(式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程;及び
(iii) 前記一般式(4)で表される化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させ、前記一般式(1)で表される化合物を製造する工程、
を含む方法。
〔2〕一般式(1):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示す。)
で表されるイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法であって、以下の工程:
(ii) 下記一般式(3):
Figure 2017043561
(式中、R及びRは前記で定義したとおりであり、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表される化合物を、酸性条件下の反応に付して、下記一般式(4):
Figure 2017043561
(式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程;
(iii) 前記一般式(4)で表される化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させ、前記一般式(1)で表される化合物を製造する工程、
を含む方法。
〔3〕R及びRが塩素原子であり、Rがメチル基である、〔1〕又は〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕工程(i)の反応において、使用される塩基が金属アルコキシドである、〔1〕から〔3〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔5〕工程(i)の反応において、使用される塩基がナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はそれらの混合物である、〔1〕から〔4〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔6〕工程(i)の反応において、前記一般式(2)で表される化合物1.0モルに対して0.1モル以上1.5モル以下の範囲の塩基を使用する、〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔7〕工程(i)の反応において、前記一般式(2)で表される化合物1.0モルに対して0.1モル以上0.9モル以下の範囲の塩基を使用する、〔1〕から〔5〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔8〕工程(i)の反応において、前記一般式(2)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上10モル以下のアルコールを使用する、〔1〕から〔7〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔9〕工程(i)の反応において、前記一般式(2)で表される化合物1.0モルに対して1.5モル以上5.0モル以下のアルコールを使用する、〔1〕から〔7〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔10〕工程(i)において、反応が−10℃以上70℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔11〕工程(i)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔9〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔12〕工程(ii)の反応において、塩酸、硫酸、酢酸、又はそれらの混合物が使用される、〔1〕から〔11〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔13〕工程(ii)の反応において、塩酸が使用される、〔1〕から〔11〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔14〕工程(ii)の反応において、前記一般式(3)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上3.0モル以下の範囲の酸を使用する、〔1〕から〔13〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔15〕工程(ii)の反応において、前記一般式(3)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上1.5モル以下の範囲の酸を使用する、〔1〕から〔13〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔16〕工程(ii)において、反応が−10℃以上70℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔15〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔17〕工程(ii)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔15〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔18〕工程(iii)の反応において、使用される還元剤が水素化ホウ素化合物である、〔1〕から〔17〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔19〕工程(iii)の反応において、使用される還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、〔1〕から〔17〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔20〕工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して0.75モル以上3.0モル以下の範囲の還元剤を使用する、〔1〕から〔19〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔21〕工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して0.75モル以上2.0モル以下の範囲の還元剤を使用する、〔1〕から〔19〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔22〕工程(iii)の反応において、使用される金属塩がアルカリ金属ハロゲン化物、2族金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、又はそれらの混合物である、〔1〕から〔21〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔23〕工程(iii)の反応において、使用される金属塩が塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、塩化チタン(IV)、塩化セリウム(III)、又はそれらの混合物である、〔1〕から〔21〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔24〕工程(iii)の反応において、使用される金属塩が2族金属ハロゲン化物である、〔1〕から〔21〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔25〕工程(iii)の反応において、使用される金属塩が塩化マグネシウム、塩化カルシウム、又はそれらの混合物である、〔1〕から〔21〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔26〕工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して0.5モル以上3.0モル以下の範囲の金属塩を使用する、〔1〕から〔25〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔27〕工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上2.0モル以下の範囲の金属塩を使用する、〔1〕から〔25〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔28〕工程(iii)において、反応が−10℃以上70℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔27〕のいずれか1項に記載の製造方法。
〔29〕工程(iii)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、〔1〕から〔27〕のいずれか1項に記載の製造方法。
本発明により、医薬・農薬化合物及びそれらの合成中間体として有用であるイソチアゾール−5−メタノール化合物の新規な製造方法が提供される。
本発明によれば、不安定な中間体を経由しない、工業的製造法の観点から好ましい条件且つ高収率で、製品を安定供給することが可能なイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法が提供される。即ち、安価に手に入る5−シアノイソチアゾール化合物を原料として、イソチアゾール−5−カルボン酸化合物及びイソチアゾール−5−カルボン酸ハロゲン化物を合成中間体として経由しない、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法が提供される。
具体的に、本発明によれば、5−シアノイソチアゾール化合物から、イソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を合成中間体として経由し、効率的にイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を高収率で得られる方法が提供される。
加えて、本発明によれば、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の還元反応を用いて、高収率でイソチアゾール−5−メタノール化合物を製造できる方法が提供される。即ち、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の還元反応において、1,4−還元を抑制し、選択的に1,2−還元を進行させることができる、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法が提供される。
具体的に、本発明によれば、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させることで、1,4−還元を抑制し、選択的に1,2−還元を進行させることができ、イソチアゾール−5−メタノール化合物を高収率で得られる方法が提供される。
1.本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
〜Cのような元素記号と下付きの数字による表記は、これに続いて表記されている基の元素数が下付きの数字で示される範囲であることを示している。例えば、この場合では炭素数が1〜3であることを示しており、C〜Cの表記では、炭素数が1〜6であることを示しており、C〜C12の表記では、炭素数が1〜12であることを示している。
〜Cアルキル基とは、炭素数が1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を示す。C〜Cアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
〜Cアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基が好ましく、メチル基、エチル基、tert−ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。
2.本発明のイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法について説明する。
(工程(i))
まず、工程(i)について説明する。
工程(i)は、下記一般式(2):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示す。)
で表される化合物を、塩基の存在下、下記一般式(a):
Figure 2017043561
(式中、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表されるアルコールと反応させ、下記一般式(3):
Figure 2017043561
(式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程である。以下、工程(i)で使用する化合物や反応条件等について詳細に説明する。
(原料化合物)
工程(i)において使用される原料は、一般式(2)で表される5−シアノイソチアゾール化合物であり、公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法により製造することができる化合物である。一般式(2)の化合物としては、例えば、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール、3,4−ジブロモ−5−シアノイソチアゾール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(塩基)
工程(i)において使用される塩基は、反応が進行する限りはいずれの塩基でもよい。工程(i)において使用される塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等);2族金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等);アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等);2族金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等);アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等);2族金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム等);金属リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等);金属リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等);金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カルシウム等);金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(i)の塩基としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、金属水素化物、金属アルコキシドが好ましく、アルカリ金属炭酸塩、金属水素化物、金属アルコキシドがより好ましく、金属アルコキシドが更に好ましい。
工程(i)の塩基としては、具体的に例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドがより好ましく、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドが更に好ましい。
工程(i)の塩基は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(i)の塩基の形態は、反応が進行する限りはいずれの形態でもよく、当業者が適切に塩基の形態を選択できる。工程(i)の塩基として金属アルコキシドを用いる場合、市販のものを使用してもよいし、アルカリ金属(例えば、金属ナトリウム、金属カリウム等)とアルコール(例えば、メタノール、エタノール、tert−ブタノール等)から金属アルコキシドを調製することもできる。
(塩基の使用量)
工程(i)の塩基の使用量は、反応が進行する限りはいずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、工程(i)の塩基の使用量は、一般式(2)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜5.0モル、好ましくは0.05〜3.0モル、より好ましくは0.1〜1.5モル、更に好ましくは0.1〜0.9モルの範囲を例示できる。
(アルコール)
工程(i)において使用されるアルコールは、一般式(a)で表される化合物であり、反応が進行する限りはいずれのアルコールでもよい。工程(i)において使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(i)のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノール、tert−ブタノールがより好ましく、メタノール、エタノールが更に好ましい。
(アルコールの使用量)
工程(i)のアルコールの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよいが、収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜20.0モル、好ましくは1.0〜15.0モル,より好ましくは1.0〜10.0モル,更に好ましくは1.5〜5.0モルの範囲を例示できる。また、工程(i)のアルコールは大過剰量用いることにより後述する溶媒を兼ねることもできる。
(溶媒)
工程(i)は、好ましくは溶媒を使用して行われる。工程(i)において使用される溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(i)において使用される溶媒としては、例えば、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等);エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム等);ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等);芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン等);アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等);イミダゾリノン類(例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMI)等);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(i)の溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アミド類が好ましく、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類がより好ましく、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類が更に好ましい。
工程(i)の溶媒としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が好ましく、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン、キシレンがより好ましく、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン、キシレンが更に好ましい。
工程(i)の溶媒は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。更に、工程(i)の溶媒は、脱水されていることが好ましく、当業者が適切に溶媒の脱水方法を選択できる。
(溶媒の使用量)
工程(i)の溶媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜50L(リットル)、好ましくは0.1〜15L、より好ましくは0.1〜10L、更に好ましくは0.1〜5Lの範囲を例示できる。
(反応温度)
工程(i)における反応温度は、反応が進行する限りは、いずれの温度でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、反応温度としては、通常−20℃(マイナス20℃)以上かつ使用される溶媒の沸点以下の範囲、好ましくは−20℃以上100℃以下の範囲、より好ましくは−10℃以上70℃以下の範囲、更に好ましくは0℃以上30℃以下の範囲を例示できる。
(反応時間)
工程(i)における反応時間は、特に制限されない。当業者は、工程(i)における反応時間を適切に調整することができる。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜36時間、より好ましくは1時間〜24時間、更に好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
(生成物)
工程(i)において製造される生成物は、一般式(3)で表されるイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物である。一般式(3)の化合物としては、例えば、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、プロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、プロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、イソプロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、イソプロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、n−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、n−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、sec−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、sec−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、tert−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、tert−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(i)において製造される一般式(3)で表される生成物としては、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデートが好ましく、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデートがより好ましい。
(中間体の単離)
工程(i)では、式(3)で表されるイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物が生成する。続く工程(ii)の原料としてのイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物の単離を工程(i)実施後に行っても行わなくても工程(ii)を実施することができ、いずれの場合も目的とする下記一般式(4):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示し、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表されるイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を高収率で得ることができる。すなわち、式(4)のイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物は、式(2)の5−シアノイソチアゾール化合物を出発物質とする場合は、中間体の単離を行わずに連続して次の工程(ii)を行う一工程による製造方法(A)と、中間体の単離を行ったのちに次の工程(ii)を行う二工程による製造方法(B)とで製造することができる。以下、一工程による製造方法と二工程による製造方法について説明する。
(A)一工程による製造方法
本発明では、中間体として式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を単離しないで、工程(ii)の目的化合物である式(4)のイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物を製造することができる。従って、工程(i)と工程(ii)の両方を一工程(one step)で行ってもよい。工程(i)と工程(ii)両方を一工程(one step)で行う場合は、中間体としての式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を、工程(i)で得られる生成混合物(反応混合物)中に残しておき、そして酸を加えることにより工程(ii)を行う。
(B)二工程による製造方法
別の方法として、工程(i)と工程(ii)をそれぞれ独立して行ってもよい。言い換えれば、工程(i)と工程(ii)を二工程(two steps)で行ってもよい。工程(i)と工程(ii)を二工程(two step)で行う場合は、工程(i)において、中間体としての式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を単離する。工程(i)の生成混合物(反応混合物)を当業者が公知の技術により適切に後処理することで、中間体としてのイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を単離することができる。
式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物は、工程(i)の生成混合物(反応混合物)から完全に単離精製された後、工程(ii)に使用してもよい。あるいは、式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物は、工程(i)の生成混合物(反応混合物)から適切な溶媒の溶液として分離させた後、溶媒中に溶解した状態で工程(ii)に使用してもよい。加えて、式(3)のイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物は、適切に乾燥されてもよい。例えば、工程(i)の生成混合物(反応混合物)を洗浄し、そして乾燥剤等により乾燥してもよい。
(工程(ii))
次に、工程(ii)について説明する。
工程(ii)は、下記一般式(3):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示し、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表される化合物を、酸性条件下の反応に付して、下記一般式(4):
Figure 2017043561
(式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程である。
具体的には、工程(ii)は、上記一般式(3)で表される化合物を、酸存在下、水と反応させて、上記一般式(4)で表される化合物を製造する工程である。好ましくは、工程(ii)は、上記一般式(3)で表される化合物を、酸とアルコールの存在下、水と反応させて、上記一般式(4)で表される化合物を製造する工程である。以下、工程(ii)で使用する化合物や反応条件等について詳細に説明する。
(原料化合物)
工程(ii)において使用される原料は、一般式(3)で表されるイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物である。一般式(3)の化合物としては、例えば、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、プロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、プロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、イソプロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、イソプロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、n−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、n−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、sec−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、sec−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、tert−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、tert−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)において使用される一般式(3)で表される化合物としては、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボイミデートが好ましく、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデートがより好ましい。
(酸)
工程(ii)において使用される酸は、反応が進行する限りはいずれの酸でもよい。工程(ii)において使用される酸としては、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸、臭化水素酸等);無機酸(例えば、硫酸、硝酸、リン酸等);有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(ii)の酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸が好ましく、塩酸、硫酸、酢酸がより好ましく、塩酸が更に好ましい。
酸の形態は、反応が進行する限りは如何なる形態でもよい。酸の形態としては、例えば、酸のみの液体若しくは気体、又は任意の濃度の水溶液若しくは水以外の溶媒の溶液等が挙げられる。また、酸は単独で又は2種以上を任意の割合で混用してもよい。
(酸の使用量)
工程(ii)の酸の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましくは0.5〜5.0モル、より好ましくは1.0〜3.0モル、更に好ましくは1.0〜1.5モルの範囲を例示できる。
(アルコール)
工程(ii)においては一般式(a)で表されるアルコールを用いなくても理論的に反応は進行するが、工程(i)と工程(ii)を二工程(two step)で行う場合、一般式(a)で表されるアルコールを再び添加して工程(ii)を実施すると収率が向上するため好ましい。
工程(ii)において使用されるアルコールは、一般式(a)で表される化合物であり、反応が進行する限りはいずれのアルコールでもよい。工程(ii)において使用されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノール、tert−ブタノールがより好ましく、メタノール、エタノールが更に好ましい。
(アルコールの使用量)
工程(ii)のアルコールの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよいが、収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜20.0モル、好ましくは1.0〜15.0モル,より好ましくは1.0〜10.0モル,更に好ましくは1.5〜5.0モルの範囲を例示できる。また、工程(ii)のアルコールは大過剰量用いることにより後述する溶媒を兼ねることもできる。
(水の使用量)
工程(ii)は、原料である一般式(3)で表されるイソチアゾール−5−カルボイミデート化合物を、酸存在下、水と反応させて、目的物である一般式(4)で表される化合物を製造する工程である。そのため、工程(ii)の実施の際には水を添加する必要がある。
工程(ii)の水の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよいが、収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜20.0モル、好ましくは1.0〜15.0モル,より好ましくは1.0〜10.0モルの範囲を例示できる。また、工程(ii)において、反応に任意の濃度の酸の水溶液を用いた場合には、その酸の水溶液が水の役割を兼ねることもできる。
(溶媒)
工程(ii)は、好ましくは溶媒を使用して行われる。工程(ii)において使用される溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(ii)において使用される溶媒としては、例えば、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等);エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム等);ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等);芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン等);アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等);イミダゾリノン類(例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMI)等);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等);等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(ii)の溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アミド類が好ましく、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類がより好ましく、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類が更に好ましい。
工程(ii)の溶媒としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が好ましく、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン、キシレンがより好ましく、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン、キシレンが更に好ましい。
工程(ii)の溶媒は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。
(溶媒の使用量)
工程(ii)の溶媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(3)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜50L(リットル)、好ましくは0.1〜15L、より好ましくは0.1〜10L、更に好ましくは0.1〜5Lの範囲を例示できる。
(反応温度)
工程(ii)における反応温度は、反応が進行する限りは、いずれの温度でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、反応温度としては、通常は−20℃(マイナス20℃)以上かつ使用される溶媒の沸点以下の範囲、好ましくは−20℃以上100℃以下の範囲、より好ましくは−10℃以上70℃以下の範囲、更に好ましくは0℃以上30℃以下の範囲を例示できる。
(反応時間)
工程(ii)における反応時間は、特に制限されない。当業者は、工程(ii)における反応時間を適切に調整することができる。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常は0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜36時間、より好ましくは1時間〜24時間、更に好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
(生成物)
工程(ii)において製造される生成物は、一般式(4)で表されるイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物である。一般式(4)の化合物としては、例えば、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、プロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、プロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、イソプロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、イソプロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、n−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、n−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、sec−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、sec−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、tert−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、tert−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)において製造される一般式(4)で表される化合物としては、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレートが好ましく、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレートがより好ましい。
(工程(iii))
次に、工程(iii)について説明する。
工程(iii)は、下記一般式(4):
Figure 2017043561
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示し、RはC〜Cアルキル基を示す。)
で表される化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させ、下記一般式(1):
Figure 2017043561
(式中、R、Rは前記で定義したとおりである。)
で表される化合物を製造する工程である。以下、工程(iii)で使用する化合物や反応条件等について詳細に説明する。
(原料化合物)
工程(iii)において使用される原料は、一般式(4)で表されるイソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物である。一般式(4)の化合物としては、例えば、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、プロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、プロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、イソプロピル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、イソプロピル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、n−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、n−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、sec−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、sec−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、tert−ブチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、tert−ブチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(iii)において使用される一般式(4)で表される化合物としては、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、メチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジブロモイソチアゾール−5−カルボキシレートが好ましく、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレートがより好ましい。
(還元剤)
工程(iii)において使用される還元剤は、反応が進行する限りはいずれの還元剤でもよい。工程(iii)において使用される還元剤としては、例えば、金属水素化物(例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等);水素化ホウ素化合物(例えば、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム等);ボラン錯体(例えば、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボラントリエチルアミン錯体等);シラン化合物(例えば、トリメチルシラン、トリエチルシラン等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(iii)の還元剤としては、金属水素化物、水素化ホウ素化合物、ボラン錯体が好ましく、水素化ホウ素化合物、ボラン錯体がより好ましく、水素化ホウ素化合物が更に好ましい。
工程(iii)の還元剤としては、具体的に例えば、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボラントリエチルアミン錯体が好ましく、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウム、ボランテトラヒドロフラン錯体、ボラントリエチルアミン錯体がより好ましく、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが更に好ましく、水素化ホウ素ナトリウムが特に好ましい。
工程(iii)の還元剤は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(iii)の還元剤の形態は、反応が進行する限りはいずれの形態でもよく、当業者が適切に還元剤の形態を選択できる。
(還元剤の使用量)
工程(iii)の還元剤の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(4)の化合物1.0モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜5.0モル、より好ましくは0.75〜3.0モル、更に好ましくは0.75〜2.0モルの範囲を例示できる。
(アルコール)
工程(iii)において、還元剤として水素化ホウ素化合物を用いる場合には、アルコールの存在下で反応を行うことが好ましい。工程(iii)において使用されるアルコールは、反応が進行する限りはいずれのアルコールでもよいが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等が挙げられる。入手性や取り扱いの簡便さ、反応性等の観点から、工程(iii)のアルコールとしては、メタノール、エタノール、tert−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールが更に好ましい。
(アルコールの使用量)
工程(iii)のアルコールの使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよいが、収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(4)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜20.0モル、好ましくは1.0〜15.0モル,より好ましくは1.0〜10.0モル,更に好ましくは1.5〜5.0モルの範囲を例示できる。また、工程(iii)のアルコールは大過剰量用いることにより後述する溶媒を兼ねることもできる。
(金属塩)
工程(iii)において使用される金属塩は、反応が進行する限りはいずれの金属塩でもよい。工程(iii)において使用される金属塩は、金属イオンとアニオンから形成される化合物を示すことができるが、これらに限定されるものではない。工程(iii)で使用される金属塩を形成する金属イオンとしては、例えば、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン等);2族金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン等);12族金属イオン(例えば、亜鉛イオン等);13族金属イオン(例えば、アルミニウムイオン等);14族金属イオン(例えば、スズイオン、鉛イオン等);遷移金属イオン(例えば、スカンジウムイオン、チタンイオン、マンガンイオン、鉄イオン、ニッケルイオン、銅イオン、銀イオン、セリウムイオン等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(iii)において使用される金属塩を形成するアニオンとしては、例えば、ハロゲン化物イオン(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等);無機酸イオン(例えば、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン等);有機酸イオン(例えば、炭酸イオン、炭酸水素イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(iii)において使用される金属塩としては、例えば、アルカリ金属ハロゲン化物(例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム等);2族金属ハロゲン化物(例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム等);12族金属ハロゲン化物(例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛等);13族金属ハロゲン化物(例えば、塩化アルミニウム等);14族金属ハロゲン化物(例えば、塩化鉛、臭化鉛等);遷移金属ハロゲン化物(例えば、塩化チタン(IV)、塩化セリウム(III)等);アルカリ金属硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム等);2族金属硫酸塩(例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等);12族金属硫酸塩(例えば、硫酸亜鉛等);13族金属硫酸塩(例えば、硫酸アルミニウム等);アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等);2族金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等);2族金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等);アルカリ金属酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム等);2族金属酢酸塩(例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等);12族金属酢酸塩(例えば、酢酸亜鉛等);13族金属酢酸塩(例えば、酢酸アルミニウム等);アルカリ金属トリフルオロメタンスルホン酸塩(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム、トリフルオロメタンスルホン酸セシウム等);2族金属トリフルオロメタンスルホン酸塩(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸カルシウム等);12族金属トリフルオロメタンスルホン酸塩(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛等);13族金属トリフルオロメタンスルホン酸塩(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム等);遷移金属トリフルオロメタンスルホン酸塩(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(iii)の金属塩としては、アルカリ金属ハロゲン化物、2族金属ハロゲン化物、12族金属ハロゲン化物、13族金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、2族金属硫酸塩、12族金属硫酸塩、13族金属硫酸塩、アルカリ金属炭酸塩、2族金属炭酸塩、アルカリ金属酢酸塩、2族金属酢酸塩、12族金属酢酸塩、13族金属酢酸塩、遷移金属トリフルオロメタンスルホン酸塩が好ましく、アルカリ金属ハロゲン化物、2族金属ハロゲン化物、13族金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属トリフルオロメタンスルホン酸塩がより好ましく、アルカリ金属ハロゲン化物、2族金属ハロゲン化物、遷移金属ハロゲン化物が更に好ましく、2族金属ハロゲン化物が特に好ましい。
工程(iii)の金属塩としては、具体的に例えば、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉛、塩化チタン(IV)、塩化セリウム(III)、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)が好ましく、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、塩化アルミニウム、塩化チタン(IV)、塩化セリウム(III)、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)がより好ましく、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、塩化チタン(IV)、塩化セリウム(III)が更に好ましく、塩化マグネシウム、塩化カルシウムが特に好ましい。
工程(iii)の金属塩の形態は、反応が進行する限りはいずれの形態でもよく、これらの金属塩は無水物であっても水和物であってもよい。工程(iii)の金属塩は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよく、これらの金属塩は単塩であっても複塩であってもよい。
(金属塩の使用量)
工程(iii)の金属塩の使用量は、反応が進行する限りはいずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、工程(iii)の金属塩の使用量は、一般式(4)の化合物1.0モルに対して、通常0.05〜10.0モル、好ましくは0.1〜5.0モル、より好ましくは0.5〜3.0モル、更に好ましくは1.0〜2.0モルの範囲を例示できる。
(溶媒)
工程(iii)は、好ましくは溶媒を使用して行われる。工程(iii)において使用される溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。工程(iii)において使用される溶媒としては、例えば、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等);アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール等);エーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム等);ハロゲン化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等);芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン等);アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等);イミダゾリノン類(例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン(DMI)等);スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等);水等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
反応性、収率及び経済効率等の観点から、工程(iii)の溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭化水素類、アミド類、水が好ましく、アルコール類、エーテル類、芳香族炭化水素類、水がより好ましく、アルコール類、エーテル類、水が更に好ましい。
工程(iii)の溶媒としては、具体的に例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジグライム、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、水が好ましく、メタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、水がより好ましく、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、水が更に好ましい。
工程(iii)の溶媒は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。
(溶媒の使用量)
工程(iii)の溶媒の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(4)の化合物1.0モルに対して、通常0.01〜50L(リットル)、好ましくは0.1〜15L、より好ましくは0.1〜10L、更に好ましくは0.1〜5Lの範囲を例示できる。
(反応温度)
工程(iii)における反応温度は、反応が進行する限りは、いずれの温度でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、反応温度としては、通常は−20℃(マイナス20℃)以上かつ使用される溶媒の沸点以下の範囲、好ましくは−20℃以上100℃以下の範囲、より好ましくは−10℃以上70℃以下の範囲、更に好ましくは0℃以上30℃以下の範囲を例示できる。
(反応時間)
工程(iii)における反応時間は、特に制限されない。当業者は、工程(iii)における反応時間を適切に調整することができる。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常は0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜36時間、より好ましくは1時間〜24時間、更に好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
(生成物)
工程(iii)において製造される生成物は、一般式(1)で表されるイソチアゾール−5−メタノール化合物である。一般式(1)の化合物としては、例えば、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノール、3,4−ジブロモイソチアゾール−5−メタノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、実施例を挙げて本発明の製造方法を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、室温とは、通常10℃〜35℃の範囲である。
本明細書中、実施例及び比較例の各物性の測定には次の機器を用いた。
H核磁気共鳴スペクトル(H−NMR);Varian Mercury-300、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
(ガスクロマトグラフィー(GC)分析方法);GC−2010(株式会社島津製作所製)、検出方法:FID
GC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
文献(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な固定相液体に関しては、第66頁を参照できる。)
文献(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、中空キャピラリー分離カラムの具体的な使用方法に関しては、第124〜125頁を参照できる。)
(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析方法);LC20AD(株式会社島津製作所製)
HPLC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照できる。)
(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法及び条件に関しては、第135〜137頁を参照できる。)
(pHの測定方法)
pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計により測定した。ガラス電極式水素イオン濃度指示計としては、例えば、東亜ディーケーケー株式会社製、形式:HM−20Pが使用できる。
(実施例1)
メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデートの製造
Figure 2017043561
トルエン99mL中で、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液1.9g(10.0mmol)存在下、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール17.9g(100.0mmol)をメタノール15.7g(490.0mmol)と10℃にて1時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、そこに水(100mL)を加えた。上層のトルエン層を分離し、エバポレーターで濃縮し白黄色固体のメチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート20.7gを得た(収率97.6%)。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.939(3H,s)、8.654(1H,s)
(実施例2)
エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデートの製造
Figure 2017043561
ジクロロメタン14.6mL中で、ナトリウムエトキシド0.2g(3.0mmol)存在下、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール5.4g(30.0mmol)をエタノール6.8g(147.6mmol)と10℃にて1時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、そこに水20gを加えた。下層のジクロロメタン層を分離し、エバポレーターで濃縮し白黄色固体のエチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート6.18gを得た(収率91.5%)。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.397(3H,t)、4.380(2H,q)、8.588(1H,s)
(実施例3)
メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレートの製造
Figure 2017043561
トルエン99mL中で、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート21.1g(100mmol)をメタノール15.7g(490.0mmol)存在下、35%塩酸15.6g(150mmol)と10℃にて1時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、そこに水(100mL)を加えた。上層のトルエン層を分離し、エバポレーターで濃縮し白黄色固体のメチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート20.8gを得た(収率98.0%)。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.984(3H,s)
(実施例4)
エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレートの製造
Figure 2017043561
ジクロロメタン24.6mL中で、エチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボイミデート6.8g(30mmol)をエタノール10.0g(217.1mol)存在下、35%塩酸4.7g(45mmol)と10℃にて1時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、そこに水(30mL)を加えた。下層のジクロロメタン層を分離し、エバポレーターで濃縮し白黄色固体のエチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート6.3gを得た(収率93.3%)。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):1.416(3H,t)、4.443(2H,q)
(実施例5)
メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレートの製造
Figure 2017043561
トルエン1000mL中で、28%ナトリウムメトキシド19.3g(0.1mol)存在下、3,4−ジクロロ−5−シアノイソチアゾール179.0g(1.0mol)をメタノール157.0g(4.9mol)と10℃にて1時間反応させた。原料の消失を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、10℃にて35%塩酸156.4g(1.5mol)を加え、10℃にて1時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認し、そこに10%炭酸ナトリウム水溶液263.0gを加えた。トルエン層を分離し、エバポレーターにて濃縮し、黄白色固体のメチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート212.0gを得た(収率99.9%)。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):3.984(s,3H)
(実施例6)
3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールの製造
Figure 2017043561
メタノール71.4mL及び水34.0mLの混合溶媒中で、塩化マグネシウム六水和物34.6g(0.17mol)存在下、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート36.0g(0.17mol)を水素化ホウ素ナトリウム10.3g(0.27mol)と10℃にて6時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認した後、そこに35%塩酸35.5mL、メタノール93.6mL、水170mLを順に加えた。析出した固体を濾過により分離し白色固体として3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノール26.3gを得た(収率83.9%)。また、この時の濾液への3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールのロス量は5.3%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.952(s、2H)
(実施例7)
3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールの製造
Figure 2017043561
メタノール25.2mL及び水12.0mLの混合溶媒中で、無水塩化カルシウム6.7g(60mol)存在下、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート12.7g(60mmol)を水素化ホウ素ナトリウム3.41g(90mmol)と10℃にて3時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認した後、そこに35%塩酸12.5mL、水60mLを順に加えた。析出した固体を濾過により分離し白色固体として3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノール8.3gを得た(収率75.2%)。また、この時の濾液への3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールのロス量は2.8%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.952(s、2H)
(比較例1)
3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールの製造
Figure 2017043561
メタノール71.4mL及び水34.0mLの混合溶媒中で、メチル 3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボキシレート36.0g(0.17mol)を水素化ホウ素ナトリウム10.3g(0.27mol)と10℃にて6時間反応させた。反応の終了を高速液体クロマトグラフィーにて確認した後、そこに35%塩酸35.5mL、メタノール93.6mL、水170mLを順に加えた。析出した固体を濾過により分離し白色固体として3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノール19.7gを得た(収率62.8%)。また、この時の濾液への3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールのロス量は5.7%であった。
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm):4.952(s、2H)
本発明によれば、安価な原料から容易に手に入る5−シアノイソチアゾール化合物を原料として、工業的合成の面で課題のあったイソチアゾール−5−カルボン酸化合物及びイソチアゾール−5−カルボン酸ハロゲン化物を合成中間体として経由しない、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法が提供される。
更に本発明によれば、イソチアゾール−5−カルボン酸エステル化合物の還元反応において、1,4−還元を抑制し、選択的に1,2−還元を進行させることができる、イソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法が提供される。
更に本発明によれば、医農薬及びその中間体として有用なイソチアゾール−5−メタノール化合物を工業的規模で製造できる。
例えば、実施例6及び7で製造した3,4−ジクロロイソチアゾール−5−メタノールから、国際公開第2007/129454号公報に開示されている方法に従って優れた病害防除活性を有する化合物が製造できる。
従って、本発明は、高い工業的利用価値を有する。

Claims (13)

  1. 一般式(1):
    Figure 2017043561
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、ハロゲン原子を示す。)
    で表されるイソチアゾール−5−メタノール化合物の製造方法であって、以下の工程:
    (i) 下記一般式(2):
    Figure 2017043561
    (式中、R及びRは前記で定義したとおりである。)
    で表される化合物を、塩基の存在下、下記一般式(a):
    Figure 2017043561
    (式中、RはC〜Cアルキル基を示す。)
    で表されるアルコールと反応させ、下記一般式(3):
    Figure 2017043561
    (式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
    で表される化合物を製造する工程;
    (ii) 前記一般式(3)で表される化合物を、酸性条件下の反応に付して、下記一般式(4):
    Figure 2017043561
    (式中、R、R及びRは前記で定義したとおりである。)
    で表される化合物を製造する工程;及び
    (iii) 前記一般式(4)で表される化合物を、金属塩の存在下、還元剤と反応させ、前記一般式(1)で表される化合物を製造する工程、
    を含む方法。
  2. 及びRが塩素原子であり、Rがメチル基である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(i)の反応において、使用される塩基がナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、又はそれらの混合物である、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  4. 工程(i)の反応において、前記一般式(2)で表される化合物1.0モルに対して0.1モル以上0.9モル以下の範囲の塩基を使用する、請求項3に記載の製造方法。
  5. 工程(i)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 工程(ii)の反応において、塩酸が使用される、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 工程(ii)の反応において、前記一般式(3)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上1.5モル以下の範囲の酸を使用する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 工程(ii)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 工程(iii)の反応において、使用される還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して0.75モル以上2.0モル以下の範囲の還元剤を使用する、請求項9に記載の製造方法。
  11. 工程(iii)の反応において、使用される金属塩が2族金属ハロゲン化物である、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 工程(iii)の反応において、前記一般式(4)で表される化合物1.0モルに対して1.0モル以上2.0モル以下の範囲の金属塩を使用する、請求項11に記載の製造方法。
  13. 工程(iii)において、反応が0℃以上30℃以下の範囲内の温度で行われる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2020090603A1 (ja) * 2018-10-31 2021-09-30 クミアイ化学工業株式会社 ムギ類の病害防除方法、ムギ類の種子及びムギ類の倒伏被害抑制方法

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