JP2007077134A - 3−(n−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステル及び3−(n−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドの製造方法 - Google Patents
3−(n−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステル及び3−(n−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
で示される2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸エステル(以下、化合物(2)と称する)に関する。
で示される2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸エステル(以下、化合物(1)と称する)にアミノ化剤を反応させることを特徴とする、一般式(2)
(式中、Rは、炭化水素基、R1は、水素原子又は炭化水素基、R2は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される3−(N−アシルアミノ)−2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸エステル(以下、化合物(3)と称する)に関する。
で示されるハロゲン化アシル(以下、化合物(6)と称する)とを反応させることを特徴とする、一般式(3)
で示される化合物(2)と塩基とを反応させることを特徴とする、一般式(4)
で示される3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステル(以下、化合物(4)と称する)の製造法に関する。
で示される化合物(3)を溶媒中で加溶媒分解反応させることを特徴とする、一般式(4)
で示される化合物(4)の製造方法に関する。
で示される化合物(2)と一般式(6)
で示される化合物(6)とを第一の塩基の存在下で反応させた後、これに第二の塩基、ヒドラジンを順次加えて反応させることを特徴とする、一般式(5)
で示される3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパノヒドラジド(以下、化合物(5)と称する)の製造方法に関する。
で示される化合物(3)とヒドラジンとを反応させることを特徴とする、一般式(5)
本発明の新規な化合物(2)は、一般式(2)
で示される(なお、化合物(2)は、E体及びZ体のいずれの構造もとり得る。)。このような一般式(2)において、Rは、炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル;
2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル;及び
2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル。
本発明の化合物(2)は、一般式(1)
(式中、Rは、炭化水素基を示し、R1は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される化合物(1)にアミノ化剤を反応させることを特徴とする本発明の方法によって得ることができる。
で示されるように、4−アセチルテトラヒドロピラン(化合物(A))と炭酸ジエステル(化合物(B))とを反応させて3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸エステル(化合物(C))とした後、これにハロゲン化剤を反応させて2−ハロゲノ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸エステル(化合物(D))を得、次いで、有機カルボン酸(化合物(E))又はその塩を反応させることによって得ることが出来る化合物である。
本発明の新規な化合物(3)は、一般式(3)
で示される。一般式(3)においては、Rは、炭化水素基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル、及び3−(N−アセチルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル。
本発明の化合物(3)は、塩基の存在下、一般式(2)
(式中、Rは、炭化水素基を示し、R1は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される化合物(2)と、一般式(6)
本発明の反応において使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等のアルカリ金属アルキル;リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムアミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド等のアルカリ金属アミド;トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン類;ピリジン、メチルピリジン、ジメチルアミノピリジン等のピリジン類;キノリン、イソキノリン、メチルイソキノリン等のキノリン類が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属水素化物、アミン類、ピリジン類が使用される。なお、これらの塩基は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
本発明の方法により、一般式(2)
(式中、Rは、炭化水素基、R1は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される化合物(2)と塩基とを反応させることにより、一般式(4)
本発明の方法により、一般式(3)
(式中、Rは、炭化水素基、R1は、水素原子又は炭化水素基、R2は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される化合物(3)を溶媒中で加溶媒分解反応させることにより、一般式(4)
(式中、R2は、水素原子又は炭化水素基、Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示される化合物(6)とを第一の塩基の存在下で反応させた(第1の反応)後、これに第二の塩基、ヒドラジンを順次加えて反応させる(第2の反応)ことにより、一般式(5)
本発明の第1の反応は、化合物(2)と化合物(6)とを第一の塩基の存在下で反応させるものである。
なお、第1の反応において使用する化合物(2)は、前述の方法により得ることができる。
本発明の第2の反応は、第1の反応で得られた反応液に、第二の塩基、ヒドラジンを順次加えて反応させ、化合物(5)を得るものである。
本発明の方法により、一般式(3)
(式中、Rは、炭化水素基、R1は、水素原子又は炭化水素基、R2は、水素原子又は炭化水素基を示す。)
で示される化合物(3)とヒドラジンとを反応させることにより、一般式(5)
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び蒸留装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、4−アセチルテトラヒドロピラン35.0g(273mmol)、炭酸ジメチル280.0g(3.1mol)及びナトリウムメトキシド16.3g(302mmol)を加え、副生するメタノールを留出させながら、80〜85℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を5〜10℃まで冷却した後、反応液にトルエン175ml、6mol/l塩酸55ml(330mmol)、水35mlの順で加えた。有機層を分離した後、水層をトルエン70mlで2回抽出した。有機層を減圧下で濃縮した後、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1(容量比))で精製して、無色液体として、純度93.9%(示差屈折率による分析値)の3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル40.9gを得た(単離収率:76%)。
3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.68〜1.82(4H,m)、2.66〜2.72(1H,m)、3.38〜3.47(2H,m)、3.51(2H,s)、3.75(3H,s)、3.97〜4.04(2H,m)
CI-MS(m/e);187(M+1)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、参考例1で合成した3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル16g(85.9mmol)を加え、氷水浴下で0℃まで冷却した。次いで、塩化スルフリル11.6g(85.9mmol)をゆるやかに滴下した後、室温で15時間反応させた。反応終了後、反応液を再び0℃まで冷却し、水32ml及びトルエン48mlをゆるやかに滴下し、10分間攪拌した後に、有機層を分液した。水層をトルエン16mlで抽出し、該有機層と抽出液を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、薄茶色油状液体として、純度94.6%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル18.5gを得た(単離収率:92%)。
2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.74〜1.83(4H,m)、3.06〜3.16(1H,m)、3.41〜3.50(2H,m)、3.85(2.4H,s)、3.86(0.6H,s)、3.99〜4.05(2H,m)、4.93(0.8H,s)、12.48(0.2H,d,J=1.46Hz)
CI-MS(m/e);221(M+1)、223(M+3)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、参考例1と同様な方法で合成した3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル4.79g(25.7mmol)及びトルエン4.8mlを加え、氷水浴下で−15〜−10℃まで冷却した。次いで、塩化スルフリル3.65g(27.0mmol)を、液温を−15〜−5℃に保ちながらゆるやかに滴下した後、室温で19時間反応させた。反応終了後、反応液を−10〜−5℃まで冷却し、水14mlをゆるやかに滴下し30分間攪拌した。次いで、有機層を分液した後、飽和塩化ナトリウム水溶液14ml、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液14mlと飽和塩化ナトリウム水溶液4.8mlの混合液、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液9.6ml、飽和塩化ナトリウム水溶液4.8mlの順で洗浄し、2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルのトルエン溶液4.8mlを得た。
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、参考例2で合成した2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル9.46g(42.9mmol)、酢酸3.0g(49.8mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド30mlを加えた。次いで、攪拌しながらトリエチルアミン5.0g(49.8mmol)をゆるやかに滴下し、室温で14時間反応させた。反応終了後、反応液にトルエン100mlを加えた後、濾過した。濾物をトルエン50mlで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせて減圧下で濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=2/1(容量比))で精製し、無色液体として、純度99.9%以上(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル9.2gを得た(単離収率:88%)。
2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.68〜1.87(4H,m)、2.24(3H,s)、2.99〜3.06(1H,m)、3.40〜3.51(2H,m)、3.83(3H,s)、3.98〜4.03(2H,m)、5.66(1H,s)
CI-MS(m/e);245(M+1)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、参考例2と同様な方法で合成した2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル8.0g(36.3mmol)、ピバル酸と4.7g(46.3mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド40mlを加えた。次いで、攪拌しながらトリエチルアミン4.7g(46.3mmol)をゆるやかに滴下し、室温で16時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル100ml及び水100mlを加え、有機層を分液した。次いで、水層を酢酸エチル100mlで抽出し、該有機層と抽出液を合わせて減圧下で濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=2/1(容量比))で精製し、無色液体として、純度99.1%(ガスクロマトグラフィーによる面積百分率)の2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル10.4gを得た(単離収率:99%)。
2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.30(9H,s)、1.68〜1.87(4H,m)、2.96〜3.03(1H,m)、3.39〜3.50(2H,m)、3.82(3H,s)、3.98〜4.03(2H,m)、5.59(1H,s)
CI-MS(m/e);287(M+1)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、シクロヘプチルカルボン酸4.76g(33.5mmol)、トリエチルアミン3.38g(33.4mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド19mlを加えた後、参考例2と同様な方法で合成した2−クロロ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル5.67g(25.7mmol)のトルエン溶液をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で18時間反応させた。反応終了後、反応液に水24ml及び酢酸エチル24mlを加え、有機層を分液し、水層を酢酸エチル24mlで抽出した。次いで、該有機層と抽出液を合わせ、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液24ml、飽和塩化ナトリウム水溶液9.8mlの順で洗浄した後に減圧下で濃縮し、濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=10/1→10/3(容量比))で精製し、無色液体として、2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル3.68gを得た(3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル基準の単離収率:44%)。
2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチルの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.52〜2.06(16H,m)、2.64〜2.73(1H,m)、2.97〜3.07(1H,m)、3.40〜3.50(2H,m)、3.82(3H,s)、4.00(2H,d,J=11.7Hz)、5.63(1H,s)
CI-MS(m/e);327(M+1)
攪拌装置を備えた内容積200mlのガラス製フラスコに、参考例4と同様な方法で合成した2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル25.11g(102.8mmol)、純度96%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン19.01g(113.1mmol)、リンモリブデン酸3.8g及びテトラヒドロフラン126mlを加え、攪拌しながら室温で24時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物に酢酸エチル151ml及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液75mlを加えた。有機層を分液した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液75mlで4回洗浄し、減圧下で濃縮した。濃縮物に酢酸エチル31ml及びヘキサン102mlを加えて攪拌した後に濾過し、淡黄色固体として、純度99.9%以上(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル4.2gを得た(単離収率:17%)。
2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.62〜1.74(4H,m)、2.22(3H,s)、2.63〜2.73(1H,m)、3.38〜3.47(2H,m)、3.70(3H,s)、4.01〜4.07(2H,m)、5.50〜6.50(1H,brs)
CI-MS(m/e);244(M+1)
攪拌装置を備えた内容積50mlのガラス製フラスコに、参考例5と同様な方法で合成した2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル5.0g(17.5mmol)、純度96%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン3.23g(19.2mmol)、リンモリブデン酸250mg及びテトラヒドロフラン25mlを加え、攪拌しながら室温で16時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物にトルエン100ml及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加えた。有機層を分液し、水層をトルエン50mlで抽出した。有機層と抽出液を合わせ、水50mlで2回洗浄した後に減圧下で濃縮し、白色固体として、純度93.7%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル5.3gを得た(単離収率:100%)。
2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.31(9H,s)、1.63〜1.69(4H,m)、2.60〜2.66(1H,m)、3.34〜3.43(2H,m)、3.68(3H,s)、4.01〜4.07(2H,m)、5.93(1H,brs)
CI-MS(m/e);286(M+1)
攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、参考例5と同様な方法で合成した2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル60.6g(21.7mmol)、酢酸アンモニウム85.0g(1.1mol)及びメタノール303mlを加え、攪拌しながら40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、酢酸エチル606ml及び水303mlを加えた。有機層を分液し、飽和塩化ナトリウム水溶液303mlで3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、黄褐色泥状物として、純度81.5%(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル53.8gを得た(単離収率:73%)。
攪拌装置を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、参考例6と同様な方法で合成した2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパン酸メチル45.06g(138mmol)、純度96%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン25.53g(158mmol)、リンモリブデン酸6.75g及びテトラヒドロフラン225mlを加え、攪拌しながら室温で一晩反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮した後、濃縮物に酢酸エチル450ml及び5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液225mlを加えた。有機層を分液し、水層を酢酸エチル225mlで3回抽出した。有機層と抽出液を合わせ、水50mlで2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、濃縮物にシクロヘプタン90mlを加えて攪拌した後に再度濾過し、白色固体として、2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル27.31gを得た(単離収率:61%)。
2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.51〜1.83(14H,m)、1.99〜2.08(2H,m)、2.61〜2.72(2H,m)、3.35〜3.44(2H,m)、3.68(3H,s)、4.04(2H,d,J=11.5Hz)、6.00(2H,brs)
CI-MS(m/e);326(M+1)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積5mlのガラス製フラスコに、実施例1と同様な方法で合成した2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル4.0g(16.4mmol)、ピリジン1.55g(19.7mmol)及びテトラヒドロフラン20mlを加えた。次いで、液温を0℃に維持しながら、塩化シクロヘプチルカルボニル2.89g(18.0mmol)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で16時間反応させた。反応終了後、反応液を減圧下で濃縮し、濃縮物に酢酸エチル40ml及び水40mlを加えて有機層と水層を分液した。水層を酢酸エチル20mlで抽出、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlで洗浄し、抽出液と有機層を合わせて減圧下で濃縮した。得られた固体(濃縮物)にヘプタン24mlを加えて濾過した後、ヘプタン24mlで洗浄して乾燥させ、肌色結晶として、純度99.9%以上(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル4.26gを得た(単離収率;71%)。
3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.50〜2.00(16H,m)、2.13(3H,s)、2.31〜2.40(1H,m)、3.45〜3.54(2H,m)、3.68〜3.83(1H,m)、3.77(3H,s)、3.99〜4.04(2H,m)、6.27(1H,s)
CI-MS(m/e);368(M+1)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積300mlのガラス製フラスコに、実施例1と同様な方法で合成した2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル50.0g(205.5mmol)、ピリジン19.5g(246.6mmol)及びアセトニトリル250mlを加えた。次いで、液温を5〜15℃に保ちながら、塩化アセチル17.8g(226.1mmol)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で5時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル500ml及び飽和食塩水200mlを加えて有機層と水層を分液した。有機層を飽和食塩水200mlで2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下で濃縮し、得られた固体(濃縮物)に酢酸エチル50mlとヘキサン150mlを加えて濾過した後、へキサン50mlで洗浄して乾燥させ、肌色結晶として、純度99.9%以上(高速液体クロマトグラフィーによる面積百分率)の3−(N−アセチルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル39.7gを得た(単離収率;68%)。
3−(N−アセチルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチルは、以下の物性値で示される新規な化合物である。
1H-NMR(CDCl3,δ(ppm));1.64〜1.76(4H,m)、2.09(3H,s)、2.15(3H,s)、3.45〜3.54(2H,m)、3.68〜3.82(1H,m)、3.78(3H,s)、3.99〜4.05(2H,m)、6.27(1H,s)
CI-MS(m/e);286 (M+1)
攪拌装置及び温度計を備えた内容積25mlのガラス製フラスコに、実施例4と同様な方法で合成した3−アミノ−2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル1.0g(3.07mmol)、ナトリウムメトキシド33.2mg(0.61mmol)及びメタノール18mlを加え、攪拌しながら65℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液高速液体クロマトグラフィーで分析(絶対定量法)したところ、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが238mg生成していた(反応収率;24%)。
攪拌装置を備えた内容積5mlのガラス製フラスコに、実施例5と同様な方法で合成した3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル264mg(0.72mmol)、トリエチルアミン17mg(0.17mmol)及びメタノール3mlを加え、攪拌しながら室温で24時間反応させた。反応終了後、反応液高速液体クロマトグラフィーで分析(絶対定量法)したところ、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが195mg生成していた(反応収率;83%)。
実施例8において、トリエチルアミンの量を83mg(0.82mmol)に変えたこと以外は、実施例8と同様に反応を行った。その結果、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが204mg生成していた(反応収率;87%)。
実施例8において、トリエチルアミンの量を207mg(2.0mmol)に変えたこと以外は、実施例8と同様に反応を行った。その結果、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが200mg生成していた(反応収率;85%)。
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、実施例5と同様な方法で合成した3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル5.00g(13.6mmol)、ジエチルアミン0.99g(13.6mmol)及びメタノール45mlを加え、攪拌しながら室温で6時間反応させた。反応終了後、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析(絶対定量法)したところ、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが2.76g生成していた(反応収率;62%)。
攪拌装置を備えた内容積100mlのガラス製フラスコに、実施例5と同様な方法で合成した3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル5.00g(13.6mmol)、ジイソプロピルアミン1.38g(13.6mmol)及びメタノール45mlを加え、攪拌しながら室温で6時間反応させた。反応終了後、反応液高速液体クロマトグラフィーで分析(絶対定量法)したところ、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸メチルが2.12g生成していた(反応収率;48%)。
攪拌装置、温度計、滴下漏斗及び還流冷却器を備えた内容積500mlのガラス製フラスコに、実施例1と同様な方法で合成した2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル30.0g(123.3mmol)、ピリジン12.68g(160.3mmol)及びアセトニトリル90mlを加えた。次いで、液温を5〜10℃に維持しながら、塩化シクロヘプチルカルボニル21.79g(135.6mmol)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で3時間反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチル150ml及び20%食塩水120mlを加えて有機層と水層を分液した。得られた有機層を減圧下で濃縮し、濃縮物にメタノール300ml及びトリエチルアミン12.48g(123.3mmol)を加えた後、室温で22時間攪拌させた。次いで、液温を−7〜−4℃に保ちながら、ヒドラジン一水和物7.72g(154.1mmol)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で20時間反応させた。反応終了後、反応液を濾過し、得られた固体を減圧下で乾燥させ、淡橙色固体として、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジド24.37gを得た(単離収率;61%)。
3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドの物性値は以下の通りであった。
1H-NMR(DMSO-d6,δ(ppm));1.10〜1.80(16H,m)、2.00〜2.23(1H,m)、2.35〜2.65(1H,m)、3.10〜3.40(2H,m)、3.70〜3.95(2H,m)、4.30〜4.85(2H,m)、4.85〜5.02(1H,m)、7.98(1H,d,J=7.6Hz)、9.90〜10.20(1H,brs)
攪拌装置、温度計及び滴下漏斗を備えた内容積20mlのガラス製フラスコに、実施例5と同様な方法で合成した3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル300mg(0.82mmol)、トリエチルアミン164mg(1.63mmol)、メタノール2.4ml及びアセトニトリル0.6mlを加えた後、ヒドラジン一水和物82mg(1.63mmol)をゆるやかに滴下し、攪拌しながら室温で6時間反応させた。反応終了後、反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析(絶対定量法)したところ、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドが194mg生成していた(反応収率;73%)。
実施例14において、トリエチルアミンを加えなかったこと以外は、実施例14と同様に反応を行った。その結果、3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドが101mg生成していた(反応収率;38%)。
Claims (24)
- 2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル;
2−ピバロイルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル;及び
2−シクロヘプチルカルボニルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸メチル
から選択される、請求項1記載の2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸エステル。 - 反応を溶媒中で行う、請求項3記載の2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸エステルの製造方法。
- R2が、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を示す、請求項5記載の3−(N−アシルアミノ)−2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸エステル。
- 3−(N−シクロヘプチルカルボニルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチル又は3−(N−アセチルアミノ)−2−アセトキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸メチルである、請求項5記載の3−(N−アシルアミノ)−2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸エステル。
- 反応を溶媒中で行う、請求項8記載の3−(N−アシルアミノ)−2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸エステルの製造方法。
- 反応を溶媒中で行う、請求項10記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造法。
- 加溶媒分解反応を、塩基の存在下で行う、請求項12記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造方法。
- 加溶媒分解反応を、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、アミン類、及びピリジン類から選択される塩基の存在下で行う、請求項12記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造方法。
- 反応を、水、アルコール類、又はそれらの混合溶媒中で行う、請求項12記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造方法。
- 第一の塩基がピリジン類である、請求項16記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパノヒドラジドの製造方法。
- 第二の塩基がトリエチルアミン、トリプロピルアミン及びトリブチルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の塩基である、請求項16記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパノヒドラジドの製造方法。
- 反応を、塩基の存在下で行う、請求項19記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドの製造方法。
- 反応を、水、アルコール類及びニトリル類からなる群より選ばれる少なくともひとつの溶媒中で行う、請求項19記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパノヒドラジドの製造方法。
- 請求項3記載の方法により2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸エステルを得る工程を更に含む、請求項16記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−オキソプロパノヒドラジドの製造方法。
- 請求項8記載の方法により3−(N−アシルアミノ)−2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−プロペン酸エステルを得る工程を更に含む、請求項12記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造方法。
- 請求項3記載の方法により2−アシルオキシ−3−(4−テトラヒドロピラニル)−3−アミノ−2−プロペン酸エステルを得る工程を更に含む、請求項23記載の3−(N−アシルアミノ)−3−(4−テトラヒドロピラニル)−2−オキソプロパン酸エステルの製造方法。
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