JPH11116546A - 7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法 - Google Patents
7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法Info
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- JPH11116546A JPH11116546A JP28796697A JP28796697A JPH11116546A JP H11116546 A JPH11116546 A JP H11116546A JP 28796697 A JP28796697 A JP 28796697A JP 28796697 A JP28796697 A JP 28796697A JP H11116546 A JPH11116546 A JP H11116546A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 経済的に優れ、且つ、効率的な7−メトキシ
−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法、及び、そ
の中間体となる7−メトキシ−2−アミノテトラリンカ
ーバメートを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1); 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメ
ート及びその製造方法並びにそれを用いた光学純度向上
方法。
−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法、及び、そ
の中間体となる7−メトキシ−2−アミノテトラリンカ
ーバメートを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1); 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメ
ート及びその製造方法並びにそれを用いた光学純度向上
方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下記一般式(1)
で表される7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバ
メート化合物及びその製造方法並びにそれを用いた7−
メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法に
関する。光学活性な7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンは、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリー(European Journalo
f Medicinal Chemistry)、29
巻、259頁(1994年)に記載されているように、
抗鬱薬の中間体として極めて有用である。
で表される7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバ
メート化合物及びその製造方法並びにそれを用いた7−
メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法に
関する。光学活性な7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンは、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリー(European Journalo
f Medicinal Chemistry)、29
巻、259頁(1994年)に記載されているように、
抗鬱薬の中間体として極めて有用である。
【0002】
【化3】
【0003】式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を
表す。
表す。
【0004】
【従来の技術】立体構造が(S)である7−メトキシ−
2−アミノテトラリンと立体構造が(R)である7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンとの混合物の光学純度向
上方法としては、種々の方法が公知である。特開昭64
−66149号公報には、光学活性マンデル酸を用いて
光学分割する方法が開示されているが、この方法ではマ
ンデル酸が等量必要である上に、収率が74%と低いと
いう欠点があった。
2−アミノテトラリンと立体構造が(R)である7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンとの混合物の光学純度向
上方法としては、種々の方法が公知である。特開昭64
−66149号公報には、光学活性マンデル酸を用いて
光学分割する方法が開示されているが、この方法ではマ
ンデル酸が等量必要である上に、収率が74%と低いと
いう欠点があった。
【0005】キラリティー(Chirality)、6
巻、596頁(1994年)には、7−メトキシ−2−
アミノテトラリンの誘導体である、N−アセチル−7−
メトキシ−2−アミノテトラリンをセルロースカラムを
用いて分離する方法が知られている。しかしながら、こ
の方法では、煩雑な操作が必要な上、7−メトキシ−2
−アミノテトラリンをN−アセチル−7−メトキシ−2
−アミノテトラリンに誘導する時には、ジャーナル・オ
ブ・メディシナル・ケミストリー(Journal o
f Medicinal Chemistry)、36
巻、2891頁(1993年)に見られるごとく収率が
51%と低いものであった。このように、これまでの方
法は必ずしも満足な方法とは言い難かった。
巻、596頁(1994年)には、7−メトキシ−2−
アミノテトラリンの誘導体である、N−アセチル−7−
メトキシ−2−アミノテトラリンをセルロースカラムを
用いて分離する方法が知られている。しかしながら、こ
の方法では、煩雑な操作が必要な上、7−メトキシ−2
−アミノテトラリンをN−アセチル−7−メトキシ−2
−アミノテトラリンに誘導する時には、ジャーナル・オ
ブ・メディシナル・ケミストリー(Journal o
f Medicinal Chemistry)、36
巻、2891頁(1993年)に見られるごとく収率が
51%と低いものであった。このように、これまでの方
法は必ずしも満足な方法とは言い難かった。
【0006】また、立体構造が(S)である7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンと、立体構造が(R)である
7−メトキシ−2−アミノテトラリンとの混合物で、且
つ、立体構造が(S)である7−メトキシ−2−アミノ
テトラリンを(R)体に比して等量以上の割合で含む混
合物の光学純度向上方法としては、立体構造が(S)で
ある7−メトキシ−2−アミノテトラリンを再結晶等の
方法で精製することによって、(S)−7−メトキシ−
2−アミノテトラリン又はその誘導体を得る方法が一般
的に考えられる。
シ−2−アミノテトラリンと、立体構造が(R)である
7−メトキシ−2−アミノテトラリンとの混合物で、且
つ、立体構造が(S)である7−メトキシ−2−アミノ
テトラリンを(R)体に比して等量以上の割合で含む混
合物の光学純度向上方法としては、立体構造が(S)で
ある7−メトキシ−2−アミノテトラリンを再結晶等の
方法で精製することによって、(S)−7−メトキシ−
2−アミノテトラリン又はその誘導体を得る方法が一般
的に考えられる。
【0007】同様に、立体構造が(S)である7−メト
キシ−2−アミノテトラリンと、立体構造が(R)であ
る7−メトキシ−2−アミノテトラリンとの混合物で、
且つ、立体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミ
ノテトラリンを(S)体に比して等量以上の割合で含む
混合物の光学純度向上方法としては、立体構造が(R)
である7−メトキシ−2−アミノテトラリンを再結晶等
の方法で精製することによって、(R)−7−メトキシ
−2−アミノテトラリン又は誘導体を得る方法が一般的
に考えられる。しかしながら、参考例に示したごとく、
7−メトキシ−2−アミノテトラリンは、再結晶によっ
て光学純度が顕著には向上しないという問題があった。
キシ−2−アミノテトラリンと、立体構造が(R)であ
る7−メトキシ−2−アミノテトラリンとの混合物で、
且つ、立体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミ
ノテトラリンを(S)体に比して等量以上の割合で含む
混合物の光学純度向上方法としては、立体構造が(R)
である7−メトキシ−2−アミノテトラリンを再結晶等
の方法で精製することによって、(R)−7−メトキシ
−2−アミノテトラリン又は誘導体を得る方法が一般的
に考えられる。しかしながら、参考例に示したごとく、
7−メトキシ−2−アミノテトラリンは、再結晶によっ
て光学純度が顕著には向上しないという問題があった。
【0008】また、7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンから安価に、しかも、収率よく誘導体を導き、しかる
後に、結晶化して光学純度を向上させ、更に、この光学
純度が向上した7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘
導体を収率よく加水分解、脱保護等して光学純度が向上
した7−メトキシ−2−アミノテトラリンにする方法も
考えられる。
ンから安価に、しかも、収率よく誘導体を導き、しかる
後に、結晶化して光学純度を向上させ、更に、この光学
純度が向上した7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘
導体を収率よく加水分解、脱保護等して光学純度が向上
した7−メトキシ−2−アミノテトラリンにする方法も
考えられる。
【0009】即ち、立体構造が(S)である7−メトキ
シ−2−アミノテトラリン誘導体と、立体構造が(R)
である7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体との
混合物で、且つ、立体構造が(S)である7−メトキシ
−2−アミノテトラリン誘導体を(R)体に比して等量
以上の割合で含む混合物を、再結晶等の方法で精製する
ことによって、(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリン誘導体の光学純度を向上させる方法である。
シ−2−アミノテトラリン誘導体と、立体構造が(R)
である7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体との
混合物で、且つ、立体構造が(S)である7−メトキシ
−2−アミノテトラリン誘導体を(R)体に比して等量
以上の割合で含む混合物を、再結晶等の方法で精製する
ことによって、(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリン誘導体の光学純度を向上させる方法である。
【0010】また、同様に、立体構造が(S)である7
−メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体と、立体構造
が(R)である7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘
導体との混合物で、且つ、立体構造が(R)である7−
メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体を(S)体に比
して等量以上に含む混合物を、再結晶等の方法で精製す
ることによって、(R)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリン誘導体の光学純度を向上させる方法である。
−メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体と、立体構造
が(R)である7−メトキシ−2−アミノテトラリン誘
導体との混合物で、且つ、立体構造が(R)である7−
メトキシ−2−アミノテトラリン誘導体を(S)体に比
して等量以上に含む混合物を、再結晶等の方法で精製す
ることによって、(R)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリン誘導体の光学純度を向上させる方法である。
【0011】しかしながら、従来知られている7−メト
キシ−2−アミノテトラリン誘導体の例を挙げると、N
−アセチル体では、N−アセチル−7−メトキシ−2−
アミノテトラリンを7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンから合成する時の収率が低く、実用的とは言い難かっ
た。
キシ−2−アミノテトラリン誘導体の例を挙げると、N
−アセチル体では、N−アセチル−7−メトキシ−2−
アミノテトラリンを7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンから合成する時の収率が低く、実用的とは言い難かっ
た。
【0012】また、別の誘導体として従来知られている
N−トリフルオロアセチル体では、N−トリフルオロア
セチル−7−メトキシ−2−アミノテトラリンを7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンから合成する時に、一般
的には高価なトリフルオロ酢酸無水物を使用する必要が
あり、更には、参考例に示したようにN−トリフルオロ
アセチル−7−メトキシ−2−アミノテトラリンは、結
晶化によって光学純度が顕著には向上しないという問題
があった。
N−トリフルオロアセチル体では、N−トリフルオロア
セチル−7−メトキシ−2−アミノテトラリンを7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンから合成する時に、一般
的には高価なトリフルオロ酢酸無水物を使用する必要が
あり、更には、参考例に示したようにN−トリフルオロ
アセチル−7−メトキシ−2−アミノテトラリンは、結
晶化によって光学純度が顕著には向上しないという問題
があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、経済的に優れ、且つ、効率的な7−メトキシ−2−
アミノテトラリンの光学純度向上方法、及び、その中間
体となる7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメ
ートを提供することを目的とするものである。
み、経済的に優れ、且つ、効率的な7−メトキシ−2−
アミノテトラリンの光学純度向上方法、及び、その中間
体となる7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメ
ートを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、上記
一般式(1)で表される7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンカーバメートである。本発明の方法は、(S)−
7−メトキシ−2−アミノテトラリンと(R)−7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンとの混合物をカーバメー
ト化して得られる上記一般式(1)で表される7−メト
キシ−2−アミノテトラリンカーバメートであって、立
体構造が(S)であるものと立体構造が(R)であるも
のとの混合物を得、次に、上記混合物を結晶化して上記
立体構造が(S)であるものと上記立体構造が(R)で
あるものとのうち等量以上に存在する化合物の光学純度
を上げ、その後、得られた光学純度の向上した化合物を
加水分解反応に供する7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンの光学純度向上方法である。以下に本発明を詳述す
る。
一般式(1)で表される7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンカーバメートである。本発明の方法は、(S)−
7−メトキシ−2−アミノテトラリンと(R)−7−メ
トキシ−2−アミノテトラリンとの混合物をカーバメー
ト化して得られる上記一般式(1)で表される7−メト
キシ−2−アミノテトラリンカーバメートであって、立
体構造が(S)であるものと立体構造が(R)であるも
のとの混合物を得、次に、上記混合物を結晶化して上記
立体構造が(S)であるものと上記立体構造が(R)で
あるものとのうち等量以上に存在する化合物の光学純度
を上げ、その後、得られた光学純度の向上した化合物を
加水分解反応に供する7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンの光学純度向上方法である。以下に本発明を詳述す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)で表される7−
メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートは、いま
だ具体的に報告されたことのない化合物であって、本発
明者らによってはじめて製造された新規物質である。こ
のものは、2位に不斉炭素原子を有するので、立体構造
が(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカ
ーバメートと、立体構造が(R)である7−メトキシ−
2−アミノテトラリンカーバメートとの2つの光学異性
体が存在しうる。
メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートは、いま
だ具体的に報告されたことのない化合物であって、本発
明者らによってはじめて製造された新規物質である。こ
のものは、2位に不斉炭素原子を有するので、立体構造
が(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカ
ーバメートと、立体構造が(R)である7−メトキシ−
2−アミノテトラリンカーバメートとの2つの光学異性
体が存在しうる。
【0016】本明細書中、上記一般式(1)で表される
7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートは、
特に断らない限り、光学異性体を区別することなく、立
体構造が(S)であるもの、立体構造が(R)であるも
の、これらの混合物のいずれをも意味するものとする。
7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートは、
特に断らない限り、光学異性体を区別することなく、立
体構造が(S)であるもの、立体構造が(R)であるも
の、これらの混合物のいずれをも意味するものとする。
【0017】上記Rとしては、炭素数1〜7のアルキル
基であれば特に限定されず、例えば、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル等が挙げら
れる。なかでも、安価であることからメチル基、エチル
基が好適に用いられる。
基であれば特に限定されず、例えば、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル等が挙げら
れる。なかでも、安価であることからメチル基、エチル
基が好適に用いられる。
【0018】上記一般式(1)で表される7−メトキシ
−2−アミノテトラリンカーバメートの製造方法として
は特に限定されず、例えば、7−メトキシ−2−アミノ
テトラリン及びその塩類をカーバメート化して製造する
ことができる。
−2−アミノテトラリンカーバメートの製造方法として
は特に限定されず、例えば、7−メトキシ−2−アミノ
テトラリン及びその塩類をカーバメート化して製造する
ことができる。
【0019】上記カーバメート化の具体的な方法として
は特に限定されず、例えば、塩基存在下で一般式; ClCOOR (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される化合物を反応させる方法、塩化パラジウム存在
下で一酸化炭素と酸素とアルコールとを反応させる方法
等が挙げられる。なかでも、安価であることから上記C
lCOOR(クロロぎ酸アルキル)を用いる方法が好ま
しい。
は特に限定されず、例えば、塩基存在下で一般式; ClCOOR (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される化合物を反応させる方法、塩化パラジウム存在
下で一酸化炭素と酸素とアルコールとを反応させる方法
等が挙げられる。なかでも、安価であることから上記C
lCOOR(クロロぎ酸アルキル)を用いる方法が好ま
しい。
【0020】上記製造方法で用いられる7−メトキシ−
2−アミノテトラリンは、7−メトキシ−2−テトラロ
ンをベンジルアミン等を用いてアミノ化する方法(ジャ
ーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Jour
nal of Medicinal Chemistr
y)、36巻、2891頁(1993年))、アニソー
ルとアスパラギン酸を反応させた後に環化、酸化、還元
を行う方法(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディ
シナル・ケミストリー(European Journ
al of Medicinal Chemistr
y)、29巻、259頁(1994年))等により得る
ことができる。
2−アミノテトラリンは、7−メトキシ−2−テトラロ
ンをベンジルアミン等を用いてアミノ化する方法(ジャ
ーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Jour
nal of Medicinal Chemistr
y)、36巻、2891頁(1993年))、アニソー
ルとアスパラギン酸を反応させた後に環化、酸化、還元
を行う方法(ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・メディ
シナル・ケミストリー(European Journ
al of Medicinal Chemistr
y)、29巻、259頁(1994年))等により得る
ことができる。
【0021】上記7−メトキシ−2−アミノテトラリン
は、2位に不斉炭素原子を有するので、立体構造が
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリン及び
立体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンの2つの光学異性体が存在し得る。また、上記
(S)体と上記(R)体との混合物としても存在し得
る。
は、2位に不斉炭素原子を有するので、立体構造が
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリン及び
立体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンの2つの光学異性体が存在し得る。また、上記
(S)体と上記(R)体との混合物としても存在し得
る。
【0022】本発明の方法は、上記7−メトキシ−2−
アミノテトラリンをカーバメート化することによって得
られた上記一般式(1)で表される7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートを中間体として用い、こ
の7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを
結晶化することによって光学純度を向上させ、更に、7
−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを加水
分解することによって、光学純度が向上した7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンを得る方法である。本発明の
方法にかかる反応を反応式で表すと以下のようになる。
アミノテトラリンをカーバメート化することによって得
られた上記一般式(1)で表される7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートを中間体として用い、こ
の7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを
結晶化することによって光学純度を向上させ、更に、7
−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを加水
分解することによって、光学純度が向上した7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンを得る方法である。本発明の
方法にかかる反応を反応式で表すと以下のようになる。
【0023】
【化4】
【0024】上記7−メトキシ−2−アミノテトラリン
カーバメートの光学純度向上方法としては、再結晶化、
再沈殿等の方法を用いることができる。なかでも、本発
明においては、光学純度の高い化合物が得られることか
ら、結晶化による方法が好適に用いられる。
カーバメートの光学純度向上方法としては、再結晶化、
再沈殿等の方法を用いることができる。なかでも、本発
明においては、光学純度の高い化合物が得られることか
ら、結晶化による方法が好適に用いられる。
【0025】上記結晶化に用いられる溶媒としては特に
限定されず、例えば、水溶系;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブチル
アルコール、n−ヘキサノール等のアルコール系;アセ
トニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系;t−ブ
チルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル系;ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホル
アミド、N−メチルピロリドン等のアミド系;メチレン
クロリド、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン系;ジメチルス
ルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系又はスルホ
ン系;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系;ヘキサ
ン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系;
これらの混合物等が挙げられる。なかでも、結晶化の時
の回収率がよいことから、メタノール、トルエン、エタ
ノールが好ましく、安価であることからメタノールがよ
り好ましい。
限定されず、例えば、水溶系;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブチル
アルコール、n−ヘキサノール等のアルコール系;アセ
トニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系;t−ブ
チルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエー
テル系;ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホル
アミド、N−メチルピロリドン等のアミド系;メチレン
クロリド、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン系;ジメチルス
ルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系又はスルホ
ン系;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系;ヘキサ
ン、ペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系;
これらの混合物等が挙げられる。なかでも、結晶化の時
の回収率がよいことから、メタノール、トルエン、エタ
ノールが好ましく、安価であることからメタノールがよ
り好ましい。
【0026】上記結晶化に用いられる7−メトキシ−2
−アミノテトラリンカーバメートの光学純度は、50〜
99%が好ましく、結晶化の時の回収率の点から、70
%以上がより好ましい。
−アミノテトラリンカーバメートの光学純度は、50〜
99%が好ましく、結晶化の時の回収率の点から、70
%以上がより好ましい。
【0027】上記結晶化による精製では、立体構造が
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカー
バメートと立体構造が(R)である7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートとの混合物で、且つ、立
体構造が(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを(R)体に比して等量以上の割合で
含む混合物を、光学純度が向上した(S)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートに導くことがで
きる。
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカー
バメートと立体構造が(R)である7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートとの混合物で、且つ、立
体構造が(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを(R)体に比して等量以上の割合で
含む混合物を、光学純度が向上した(S)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートに導くことがで
きる。
【0028】上記結晶化による精製では、立体構造が
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカー
バメートと立体構造が(R)である7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートとの混合物で、且つ、立
体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを(S)体に比して等量以上の割合で
含む混合物を、光学純度が向上した(R)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートに導くことがで
きる。
(S)である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカー
バメートと立体構造が(R)である7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートとの混合物で、且つ、立
体構造が(R)である7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを(S)体に比して等量以上の割合で
含む混合物を、光学純度が向上した(R)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートに導くことがで
きる。
【0029】本発明においては、上記7−メトキシ−2
−アミノテトラリンカーバメートを加水分解することに
より、7−メトキシ−2−アミノテトラリンに戻すこと
ができる。即ち、(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンカーバメート、(R)−7−メトキシ−2−ア
ミノテトラリンカーバメートを加水分解することによ
り、それぞれ、(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリン、(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン
に戻すことができる。また、(S)体と(R)体との混
合物である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバ
メートを加水分解することにより、(S)体と(R)体
との混合物である7−メトキシ−2−アミノテトラリン
に戻すことができる。
−アミノテトラリンカーバメートを加水分解することに
より、7−メトキシ−2−アミノテトラリンに戻すこと
ができる。即ち、(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンカーバメート、(R)−7−メトキシ−2−ア
ミノテトラリンカーバメートを加水分解することによ
り、それぞれ、(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリン、(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン
に戻すことができる。また、(S)体と(R)体との混
合物である7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバ
メートを加水分解することにより、(S)体と(R)体
との混合物である7−メトキシ−2−アミノテトラリン
に戻すことができる。
【0030】上記加水分解の方法としては、金属水酸化
物を用いる方法、ヒドラジンを用いる方法、リチウムメ
ルカプチドを用いる方法、水酸化ビス(2−メトキシエ
トキシ)アルミニウムナトリウムを用いる方法等が挙げ
られる。なかでも、安価であることから、金属水酸化物
を用いる方法が好ましい。
物を用いる方法、ヒドラジンを用いる方法、リチウムメ
ルカプチドを用いる方法、水酸化ビス(2−メトキシエ
トキシ)アルミニウムナトリウムを用いる方法等が挙げ
られる。なかでも、安価であることから、金属水酸化物
を用いる方法が好ましい。
【0031】上記金属水酸化物としては特に限定され
ず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物等が挙げられる。なかでも、高い収
率を与えることから、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウムが好ましい。
ず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物等が挙げられる。なかでも、高い収
率を与えることから、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウムが好ましい。
【0032】本発明においては、カーバメート化の条件
を整えることにより、7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを極めて高収率で得ることができ、更
に、この化合物を精製することによって極めて光学純度
の高い7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメー
トを得ることができる。この極めて光学純度の高い7−
メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを加水分
解反応によって極めて光学純度の高い7−メトキシ−2
−アミノテトラリンを得ることができる。即ち、本発明
の光学純度向上方法では、抗鬱薬中間体として重要な7
−メトキシ−2−アミノテトラリンを極めて高い光学純
度で得ることができる。
を整えることにより、7−メトキシ−2−アミノテトラ
リンカーバメートを極めて高収率で得ることができ、更
に、この化合物を精製することによって極めて光学純度
の高い7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメー
トを得ることができる。この極めて光学純度の高い7−
メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメートを加水分
解反応によって極めて光学純度の高い7−メトキシ−2
−アミノテトラリンを得ることができる。即ち、本発明
の光学純度向上方法では、抗鬱薬中間体として重要な7
−メトキシ−2−アミノテトラリンを極めて高い光学純
度で得ることができる。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメートの合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩1
00mgを5mlのピリジンに溶解し、57mgのトリ
エチルアミンを加え、氷冷下250mgのクロロぎ酸メ
チルを滴下した。反応溶液を50℃に加熱し、15時間
反応した。ピリジンを留去した後、塩化メチレン20m
lに残渣を溶解し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレン
を留去し、目的の(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンメチルカーバメート110mgを白色板状結晶
として得た。収率95%。
ーバメートの合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩1
00mgを5mlのピリジンに溶解し、57mgのトリ
エチルアミンを加え、氷冷下250mgのクロロぎ酸メ
チルを滴下した。反応溶液を50℃に加熱し、15時間
反応した。ピリジンを留去した後、塩化メチレン20m
lに残渣を溶解し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレン
を留去し、目的の(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンメチルカーバメート110mgを白色板状結晶
として得た。収率95%。
【0035】TLC(シリカゲル);Rf=0.7(ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1) NMR(CDCl3 、δ) 6.99(d、J=8.3
Hz、1H)、6.70(dd、J=2.4、8.3H
z、1H)、6.58(d、J=2.4Hz、1H)、
4.80(br、1H)、4.10(m、1H)、3.
76(s、3H)、3.66(brs、3H)、3.0
9(dd、J=4.6、16.3Hz、1H)、2.8
1(m、2H)、2.62(dd、J=8.3、16.
3Hz、1H)、2.03(m、1H)、1.75
(m、1H) IR(KBr、cm-1)3290、1710、167
0、1540、1500、1250、1030 融点:126〜127℃ [α]20 D =−66.1(C=0.25、アセトニトリ
ル) 元素分析 実測値:C、66.56;H、7.11;N、5.88 計算値:C、66.36;H、7.28;N、5.95
キサン:酢酸エチル=1:1) NMR(CDCl3 、δ) 6.99(d、J=8.3
Hz、1H)、6.70(dd、J=2.4、8.3H
z、1H)、6.58(d、J=2.4Hz、1H)、
4.80(br、1H)、4.10(m、1H)、3.
76(s、3H)、3.66(brs、3H)、3.0
9(dd、J=4.6、16.3Hz、1H)、2.8
1(m、2H)、2.62(dd、J=8.3、16.
3Hz、1H)、2.03(m、1H)、1.75
(m、1H) IR(KBr、cm-1)3290、1710、167
0、1540、1500、1250、1030 融点:126〜127℃ [α]20 D =−66.1(C=0.25、アセトニトリ
ル) 元素分析 実測値:C、66.56;H、7.11;N、5.88 計算値:C、66.36;H、7.28;N、5.95
【0036】実施例2(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンエチルカ
ーバメートの合成 (R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩1
00mgを5mlのピリジンに溶解し、57mgのトリ
エチルアミンを加え、氷冷下250mgのクロロぎ酸エ
チルを滴下した。反応溶液を50℃に加熱し、15時間
反応した。ピリジンを留去した後、塩化メチレン10m
lに残渣を溶解し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレン
を留去し、目的の(R)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンエチルカーバメート111mgを白色板状結晶
として得た。収率95%。
ーバメートの合成 (R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩1
00mgを5mlのピリジンに溶解し、57mgのトリ
エチルアミンを加え、氷冷下250mgのクロロぎ酸エ
チルを滴下した。反応溶液を50℃に加熱し、15時間
反応した。ピリジンを留去した後、塩化メチレン10m
lに残渣を溶解し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレン
を留去し、目的の(R)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンエチルカーバメート111mgを白色板状結晶
として得た。収率95%。
【0037】TLC(シリカゲル);Rf=0.8(ヘ
キサン:酢酸エチル=1:1) NMR(CDCl3 、δ) 7.00(d、J=8.3
Hz、1H)、6.71(dd、J=2.4、8.3H
z、1H)、6.59(d、J=2.4Hz、1H)、
4.69(br、1H)、4.11(brq、2H)、
3.94(m、1H)、3.77(s、3H)、3.0
9(dd、J=4.6、16.3Hz、1H)、2.8
1(m、2H)、2.63(dd、J=8.3、16.
3Hz、1H)、2.03(m、1H)、1.76
(m、1H)、1.24(t、J=7.0Hz、3H) IR(KBr、cm-1)3310、1670、153
0、1510、1250、1220、1050 融点:82〜84℃ [α]20 D =+59.3(C=0.22、アセトニトリ
ル) 元素分析 実測値:C、67.32;H、7.59;N、5.80 計算値:C、67.45;H、7.68;N、5.62
キサン:酢酸エチル=1:1) NMR(CDCl3 、δ) 7.00(d、J=8.3
Hz、1H)、6.71(dd、J=2.4、8.3H
z、1H)、6.59(d、J=2.4Hz、1H)、
4.69(br、1H)、4.11(brq、2H)、
3.94(m、1H)、3.77(s、3H)、3.0
9(dd、J=4.6、16.3Hz、1H)、2.8
1(m、2H)、2.63(dd、J=8.3、16.
3Hz、1H)、2.03(m、1H)、1.76
(m、1H)、1.24(t、J=7.0Hz、3H) IR(KBr、cm-1)3310、1670、153
0、1510、1250、1220、1050 融点:82〜84℃ [α]20 D =+59.3(C=0.22、アセトニトリ
ル) 元素分析 実測値:C、67.32;H、7.59;N、5.80 計算値:C、67.45;H、7.68;N、5.62
【0038】実施例3(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)の合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
(光学純度85.0%)1000mgを50mlのピリ
ジンに溶解し、570mgのトリエチルアミンを加え、
氷冷下2500mgのクロロぎ酸メチルを滴下した。反
応溶液を50℃に加熱し、15時間反応した。ピリジン
を留去した後、塩化メチレン200mlに残渣を溶解
し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレンを留去し、目的
の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチル
カーバメート(光学純度85.0%)1050mgを得
た。収率90%。
ーバメート(光学純度85.0%)の合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
(光学純度85.0%)1000mgを50mlのピリ
ジンに溶解し、570mgのトリエチルアミンを加え、
氷冷下2500mgのクロロぎ酸メチルを滴下した。反
応溶液を50℃に加熱し、15時間反応した。ピリジン
を留去した後、塩化メチレン200mlに残渣を溶解
し、1N塩酸で洗浄した。塩化メチレンを留去し、目的
の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチル
カーバメート(光学純度85.0%)1050mgを得
た。収率90%。
【0039】実施例4(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)50mgにメタノー
ル0.5mlを加え、50℃に加熱した。全量が溶解し
た後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
6.7%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを35mgを得た。光学純度は、
キラルセルODによって決定した。
ーバメート(光学純度85.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)50mgにメタノー
ル0.5mlを加え、50℃に加熱した。全量が溶解し
た後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
6.7%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを35mgを得た。光学純度は、
キラルセルODによって決定した。
【0040】実施例5〜13(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)50mgに表1に示
した溶媒を加え、50℃に加熱した。全量が溶解した
後、5℃で10時間放置することによって結晶化した。
析出した板状結晶を濾取し、乾燥して表1に示した収量
及び光学純度の(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンメチルカーバメートを得た。
ーバメート(光学純度85.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度85.0%)50mgに表1に示
した溶媒を加え、50℃に加熱した。全量が溶解した
後、5℃で10時間放置することによって結晶化した。
析出した板状結晶を濾取し、乾燥して表1に示した収量
及び光学純度の(S)−7−メトキシ−2−アミノテト
ラリンメチルカーバメートを得た。
【0041】
【表1】
【0042】実施例14(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度88.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度88.0%)30.2gにメタノ
ール250mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、25℃で10時間放置することによって結晶化
した。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
9.5%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを17.5g得た。
ーバメート(光学純度88.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度88.0%)30.2gにメタノ
ール250mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、25℃で10時間放置することによって結晶化
した。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
9.5%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを17.5g得た。
【0043】実施例15(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度70.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度70.0%)12.0gにメタノ
ール100mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
0.2%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを7.5g得た。
ーバメート(光学純度70.0%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度70.0%)12.0gにメタノ
ール100mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
0.2%の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを7.5g得た。
【0044】実施例16(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメートの(光学純度90.0%)の光学純度向上 (R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度90.0%)10.5gにメタノ
ール100mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
9.2%の(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを6.0g得た。
ーバメートの(光学純度90.0%)の光学純度向上 (R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート(光学純度90.0%)10.5gにメタノ
ール100mlを加え、70℃に加熱した。全量が溶解
した後、5℃で10時間放置することによって結晶化し
た。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純度9
9.2%の(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンメチルカーバメートを6.0g得た。
【0045】実施例17(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩の
合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート2.2gを10mlの水と10mlのメタノ
ールの混合溶媒中に溶解し、2.46gの水酸化カリウ
ムを加えた。この溶液を80℃に加熱し、10時間反応
した。メタノールを留去した後、エーテル50mlで抽
出した。エーテル層は、硫酸ナトリウムで乾燥した後、
氷冷し、塩化水素ガスを3時間導入した。生成した沈殿
を濾過し、乾燥して目的の(S)−7−メトキシ−2−
アミノテトラリン塩酸塩1.83gを白色粉末として得
た。収率95%
合成 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリンメチルカ
ーバメート2.2gを10mlの水と10mlのメタノ
ールの混合溶媒中に溶解し、2.46gの水酸化カリウ
ムを加えた。この溶液を80℃に加熱し、10時間反応
した。メタノールを留去した後、エーテル50mlで抽
出した。エーテル層は、硫酸ナトリウムで乾燥した後、
氷冷し、塩化水素ガスを3時間導入した。生成した沈殿
を濾過し、乾燥して目的の(S)−7−メトキシ−2−
アミノテトラリン塩酸塩1.83gを白色粉末として得
た。収率95%
【0046】参考例1〜2(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
(光学純度88.8%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
(光学純度88.8%)10mgに表2に示した溶媒を
加え、50℃に加熱した。全量が溶解した後、5℃で1
0時間放置することによって結晶化した。析出した板状
結晶を濾取し、乾燥して表1に示した収量及び光学純度
の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
を得た。光学純度は、対応する(S)−7−メトキシ−
2−アミノテトラリンメチルカーバメートに誘導した
後、キラルセルODによって決定した。
(光学純度88.8%)の光学純度向上 (S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
(光学純度88.8%)10mgに表2に示した溶媒を
加え、50℃に加熱した。全量が溶解した後、5℃で1
0時間放置することによって結晶化した。析出した板状
結晶を濾取し、乾燥して表1に示した収量及び光学純度
の(S)−7−メトキシ−2−アミノテトラリン塩酸塩
を得た。光学純度は、対応する(S)−7−メトキシ−
2−アミノテトラリンメチルカーバメートに誘導した
後、キラルセルODによって決定した。
【0047】
【表2】
【0048】参考例3(S)−N−トリフルオロアセチル−7−メトキシ−2
−アミノテトラリン(光学純度84.3%)の光学純度
向上 (S)−N−トリフルオロアセチル−7−メトキシ−2
−アミノテトラリン(光学純度84.3%)20mgに
メタノール0.4mlを加え、50℃に加熱した。全量
が溶解した後、5℃で10時間放置することによって結
晶化した。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純
度86.5%の(S)−N−トリフルオロアセチル−7
−メトキシ−2−アミノテトラリン5mgを得た。光学
純度は、キラルセルODによって決定した。
−アミノテトラリン(光学純度84.3%)の光学純度
向上 (S)−N−トリフルオロアセチル−7−メトキシ−2
−アミノテトラリン(光学純度84.3%)20mgに
メタノール0.4mlを加え、50℃に加熱した。全量
が溶解した後、5℃で10時間放置することによって結
晶化した。析出した板状結晶を濾取し、乾燥して光学純
度86.5%の(S)−N−トリフルオロアセチル−7
−メトキシ−2−アミノテトラリン5mgを得た。光学
純度は、キラルセルODによって決定した。
【0049】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、経
済的且つ効率的な光学純度向上方法を実施でき、光学純
度が向上した7−メトキシ−2−アミノテトラリンを得
ることができる。
済的且つ効率的な光学純度向上方法を実施でき、光学純
度が向上した7−メトキシ−2−アミノテトラリンを得
ることができる。
Claims (15)
- 【請求項1】 下記一般式(1); 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表されることを特徴とする7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンカーバメート。 - 【請求項2】 立体構造が(S)である請求項1記載の
7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート。 - 【請求項3】 立体構造が(R)である請求項1記載の
7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート。 - 【請求項4】 請求項2記載の化合物と請求項3記載の
化合物との混合物である請求項1記載の7−メトキシ−
2−アミノテトラリンカーバメート。 - 【請求項5】 Rが、メチル基又はエチル基である請求
項1、2、3又は4記載の7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンカーバメート。 - 【請求項6】 請求項1記載の7−メトキシ−2−アミ
ノテトラリンカーバメートを製造する方法であって、 7−メトキシ−2−アミノテトラリン及びその塩類をカ
ーバメート化することを特徴とする7−メトキシ−2−
アミノテトラリンカーバメートの製造方法。 - 【請求項7】 下記一般式; ClCOOR (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される化合物を用いてカーバメート化する請求項6記
載の7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート
の製造方法。 - 【請求項8】 請求項2記載の化合物を請求項3記載の
化合物に比して等量以上の割合で含む請求項4記載の混
合物を結晶化することを特徴とする(S)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートの光学純度向上
方法。 - 【請求項9】 請求項3記載の化合物を請求項2記載の
化合物に比して等量以上の割合で含む請求項4記載の混
合物を結晶化することを特徴とする(R)−7−メトキ
シ−2−アミノテトラリンカーバメートの光学純度向上
方法。 - 【請求項10】 請求項1記載の7−メトキシ−2−ア
ミノテトラリンカーバメートを加水分解することを特徴
とする7−メトキシ−2−アミノテトラリンの製造方法 - 【請求項11】 請求項2記載の化合物を加水分解する
ことを特徴とする(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンの製造方法。 - 【請求項12】 請求項3記載の化合物を加水分解する
ことを特徴とする(R)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンの製造方法。 - 【請求項13】 請求項4記載の混合物を加水分解する
ことを特徴とする(S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンと(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンとの混合物の製造方法。 - 【請求項14】 加水分解反応において、アルカリ金属
水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物を用いる請求項
10、11、12又は13記載の製造方法。 - 【請求項15】 (S)−7−メトキシ−2−アミノテ
トラリンと(R)−7−メトキシ−2−アミノテトラリ
ンとの混合物をカーバメート化して得られる下記一般式
(1); 【化2】 (式中、Rは、炭素数1〜7のアルキル基を表す。)で
表される7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメ
ートであって、立体構造が(S)であるものと立体構造
が(R)であるものとの混合物を得、次に、前記混合物
を結晶化して前記立体構造が(S)であるものと前記立
体構造が(R)であるものとのうち等量以上に存在する
化合物の光学純度を上げ、その後、得られた光学純度の
向上した化合物を加水分解反応に供することを特徴とす
る7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28796697A JPH11116546A (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28796697A JPH11116546A (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116546A true JPH11116546A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17724066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28796697A Pending JPH11116546A (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 7−メトキシ−2−アミノテトラリンカーバメート及びその製造方法並びにそれを用いた7−メトキシ−2−アミノテトラリンの光学純度向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11116546A (ja) |
-
1997
- 1997-10-03 JP JP28796697A patent/JPH11116546A/ja active Pending
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