JP5661493B2 - 複数階を有する施設の空調システム及び空調システムの運転方法 - Google Patents

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本発明は、システムの冗長性を合理的に実現する空調システム及びその運転方法に関するものである。
空調システムにおけるシステムの冗長性は、熱源機器、配管システム、2次側空調機などの構成要素にほぼ等しい冗長性を与えて、システム全体としてバランスのとれた冗長性を持たせ、可用性(availability:たとえば年間8760時間のうち、どのくらいの時間運転可能かなど、システムが継続して稼動できる能力のことをいい、一般的には数値として表現されたものは稼働率と呼称されている)を高いレベルで確保することが重要である。
たとえば一般にパッケージ方式の空調システムでは、室内機と室外機とを単独の冷媒配管によって接続して独立の空調システムを構成し(特許文献1)、予備としてパッケージシステムを1台設置することで、いわゆるN+1の冗長性を実現している。なおN+1の冗長性とは、たとえばサーバー室を複数台の空調機によって空調してサーバーの稼動環境を維持している場合、当該維持に必要な台数よりも、1台多く、空調機を用意して、故障等によるサーバーシステムの停止を防止して、信頼性を高める仕組みである。
しかしながらかかる方式では、多層階をたとえば電算機室、サーバールームなどのIT機器室として使用する場合には、各階の室内機に対応して各々室外機を用意する必要があり、また室外機の配置スペースに制約があり、さらに冷媒配管が多数、多重となり、配管施工及び管理上の困難を伴う。このような場合には、水循環方式の中央熱源方式が採用されることが多いが(特許文献2)、水循環方式では、一般的に、配管を二重化して配管することで冗長性を確保するようにしている。また空調機器自体も、それに対応して、予備のセット(たとえば予備のコイルなど)を装備している。
しかしながらこの場合の冗長性の確保は、少なくとも配管については2N、空調機器については、N+1ないしはN+2となっており、冗長度が不整合となり、設備費とスペースの増大を招く。
特開2005−9787号公報 特許第3439004号公報
前記したように、従来の多層階の空調システムにおける合理的な冗長性の確保は、いずれも満足できるものではなかった。本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、多層階に施工される空調システムにおいて、N+1、またはN+2の冗長性を合理的に確保することを目的としている。
前記目的を達成するため、本発明は、2層以上の多層階に、各々複数の高発熱機器が設置された室を有する施設の空調を行うシステムであって、各階の各室は、各々1以上の高発熱機器が配置される最大発熱量がほぼ等しい複数の単位空調領域に分割され、前記単位空調領域の最大発熱量を処理する能力を有し、室内に空調空気を吹き出す室内空調機を、各単位空調領域ごとに有し、多層階の上下方向でほぼ同じ位置に位置する各階の室内空調機をグループとし、各グループごとに、共通の配管を通じてグループ内の室内空調機に対して熱媒を供給する熱源装置を有し、前記グループごとの熱源装置、共通の配管、及び各階の室内空調機とで、1つの空調システムモジュールが構成され、さらに多層階の上下方向でほぼ同じ位置に位置する各階に設けた予備用の室内空調機、及びこれら予備用の室内空調機に対して共通の配管を通じて熱媒を供給する予備用の熱源装置とで構成される1または2の予備空調システムモジュールを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、各階における室内空調機が故障しても、予備用の空調機を稼動させることで、直ちに対応することができ、N+1またはN+2の冗長性を確保できる。しかもこれを実現するための配管は、多層階に上下方向にまたがった共通の配管であるので、従来のように熱媒配管を多数、多重に施工する必要はなく、また管理も容易である。なおN+2の冗長性は、たとえば1台が保守に係っているときに、他の1台が故障した場合に対応できる。
なお本発明において、高発熱機器とは、電算機やサーバー等のいわゆるIT機器をいう。また最大発熱量を処理するとは、高発熱機器の最大発熱量に対して、低温の空気を供給し、これら高発熱機器の温度環境を、動作保証温度を超えないようにすることをいう。さらにまた、本発明において最大発熱量がほぼ等しいとは、最も発熱量の小さい単位空調領域と、最も発熱量の大きい単位空調領域との比が、1:1.2の範囲のものまでを含む意味である。そして多層階の上下方向でほぼ同じ位置に室内空調機が位置するとは、当該室内空調機の1スパンの半分が上下方向にずれている場合も含む意味である。なお分割とは、壁等によって物理的に分割されていることを意味しているのではない。
室内空調機は、たとえば空冷型パッケージ型空調機では、室内機をいい、中央熱源方式の空調機では、コイルを装備した室内ユニットである。したがって、熱媒は、冷媒であっても、冷水であってもよい。また熱源装置は、空冷型パッケージ型空調機では、室外機であり、中央熱源方式では、各種冷凍機や蓄熱装置を用いることができる。
前記室内空調機は、床下チャンバ内に空調空気を吹き出す空調機であってもよい。
予備用の室内空調機は、室に設置されている常用の室内空調機群の中央に配置されていてもよい。ここで中央とは、たとえば室内空調機が建物の一辺の壁に沿って等間隔に配置されている場合には、当該室内空調機が並んでいる方向における当該壁の中央をいう。
さらに蓄熱槽水を貯留する蓄熱槽を有し、前記各空調システムモジュール、及び予備空調システムモジュールは、それぞれ各熱源装置からの熱源を蓄熱槽水と熱交換する熱媒−蓄熱槽水熱交換器をさらに有し、前記熱媒−蓄熱槽水熱交換器において熱交換された後の熱媒が、前記各室内空調機に供給されるように構成してもよい。
またさらに、冷却塔を有し、前記各空調システムモジュール、及び予備空調システムモジュールは、それぞれ各室内空調機からの熱媒と前記冷却塔からの冷却水とを熱交換する熱媒−冷却水熱交換器をさらに有し、前記熱媒−冷却水熱交換器において熱交換された後の熱媒が、前記各熱源装置に戻されるように構成してもよい。
前記蓄熱槽を有する空調システムの場合、通常運転時は、予備システム空調モジュールの熱源装置を稼動させ、熱媒−蓄熱槽水熱交換器を用いて、蓄熱槽の蓄熱槽水に蓄熱するようにしてもよい。
本発明によれば、多層階に施工される空調システムにおいて、N+1またはN+2の冗長性を合理的に確保することができ、配管の施工量も、既述した従来のものより、簡素化される。
実施の形態にかかる空調システムが適用された建物の側面を模式的に示した説明図である。 図1の建物におけるN階の室の平面を模式的に示した説明図である。 フリークーリング方式及び蓄熱槽を持った空調システムが適用された建物の側面を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、N+1の冗長性を例として説明する。図1は、実施の形態にかかる空調システムが適用された建物1の側面を模式的に示しており、この建物1は、1階からF階(F:自然数)までの多層階を有する建物である。各階の室R1〜RFは、電算機やサーバー、その他の通信機器等の高発熱機器を収容する室である。
この建物1は、基本的には室R1〜RFは、全て同一構成であり、たとえばF階の室RFは、図2にも示したように、室内機AC1〜AC6と予備室内機RCとが配置されている。同様に、1階の室R1には、室内機1AC1〜1AC6と予備室内機1RCが、2階の室R2には、室内機2AC1〜2AC6と予備室内機2RCが設けられている。
前記したように、F階の室RFは、室内機AC1〜AC6と予備室内機RCとが配置されているが、より詳述すると、F階の室RFには、室内機AC1〜AC6と予備室内機RCとが、図2に示したように配置されている。すなわち、室RFにおいては、所定の広さ、たとえば6m×10m程度の広さを持った単位空調領域U1〜U6に分割されている。各単位空調領域U1〜U6内には、それぞれ高発熱機器が搭載されたラックを並置して構成されるラック列11を対向させて配置した、対応するラック群L1〜L6が位置している。
各ラック列11は、通路12を挟んで前面同士が対向して配置されている。すなわち、ここでは通路12がラックの冷気吸込面となり、ラック列11の長手方向の通路からの遠い面が熱排気の排出面となっている。ラック群L1〜L6のそれぞれの最大発熱量、すなわちラック群L1〜L6の各々のラックに搭載されている高発熱機器の最大発熱量の総和は、ラック群L1〜L6間で等しくなっている。すなわち、各ラック列11には、高発熱機器としてのサーバーが各ラックの段ごとに搭載され、単位空調領域U1〜U6ごとに配置されているサーバーの合計最大発熱量は、各単位空調領域U1〜U6間でほぼ等しいものである。
そして各単位空調領域U1〜U6の熱負荷は、各々対応する室内機AC1〜AC6が処理するようになっており、室内機AC1〜AC6は、それぞれ対応する単位空調領域U1〜U6の最大発熱量を処理する能力を有している。
そして予備室内機RCは、特に担当する単位空調領域を持っておらず、またその設置位置は、図2に示したように、室内機群、つまり6台の室内機AC1〜AC6のほぼ中央に位置している。
このようなF階の室RFにおいて設定された単位空調領域U1〜U6による空調領域の分割、ラック群L1〜L6の構成、並びに室内機AC1〜AC6、予備室内機RCの配置は、各階の室R1〜R(F−1)までの各室において同一に設定されている。ただし、単位空調領域U1〜U6の最大発熱量が等しければ、各ラックに搭載されている高発熱機器の種類、数は違っていてもよい。
本実施の形態では、そのように室内機の配置や単位空調領域による分割がなされている多層階の空調を、多層階の上下方向で同じ位置に位置する各階の室内空調機をグループとしている。より具体的に説明すると、図1に示したように、室RF、・・・R2、R1において単位空調領域U1の熱処理を担う室内機AC1・・・2AC1、1AC1を第1グループG1とし、これら第1グループG1内の室内機AC1・・・2AC1、1AC1に対して、共通の往管21、還管31を通じて、共通の熱源装置E1から、1台のポンプP1によって、熱媒の供給を行い、各室内機AC1・・・2AC1、1AC1から、室内に空調空気が供給されるようになっている。室内機AC1・・・2AC1、1AC1への熱媒の供給、並びにこれら室内機AC1・・・2AC1、1AC1からの熱媒の回収は、それぞれ往管21、還管31に対して室内機ごとに接続された枝管を通じてなされる。第1グループG1に属するこれら室内機AC1・・・2AC1、1AC1、往管21、還管31、熱源装置E1、ポンプP1は、第1の空調システムモジュールを構成する。
また同様に、室RF、・・・R2、R1において単位空調領域U2〜U6の熱処理を担う室内機AC2〜6・・・2AC2〜6、1AC2〜6を、各々第2グループG2〜第6グループG6とし、共通の熱源装置E2〜6から、1台のポンプP2〜6によって、熱媒の供給を行い、各室内機室内機AC2〜6・・・2AC2〜6、1AC2〜6から、室内に空調空気が供給されるようになっている。第2グループG1〜第6グループG6に属するこれら室内機AC2〜6・・・2AC2〜6、1AC2〜6、各往管21、各還管31、各熱源装置E2〜6、各ポンプP2〜6とで、第2〜6の空調システムモジュールが構成される。
そして室RF、・・・R2、R1における予備室内機RC、・・・2RC、1RCについても、共通の熱源装置ERから、ポンプPRによって、熱媒の供給を行い、各予備室内機RC、・・・2RC、1RCから、室内に空調空気が供給されるようになっている。これらは、予備グループGRを構成している。そして予備グループGRに属する、これら室内機RC、往管21、還管31、予備熱源装置ER、ポンプPRは、予備空調システムモジュールを構成する。
本実施の形態は、以上のように6つの空調システムモジュール、及び1つの予備空調システムモジュールを有している。
また本実施の形態では、熱源装置E1〜E6、予備熱源装置ERは、中央熱源装置として、冷水を生成して、室内機に供給する構成を有し、各室内機は、水量を操作する給気温度制御を採用しており、各室内機は、各室を1つのプレナムとみなして、給気量並量制御(全ての室内機の給気量が同じ)及び給気温度一定制御で運転される。この場合、たとえばラックに搭載されているサーバーの発熱状況に応じて、給気量が制御される。なお必要に応じて、たとえば各室の熱汚染の状況(図2に即していえば、ラックの背面側の温度)を検出して、個別に給気量制御がなされるようにしてもよい。
本実施の形態は、以上の構成を有しており、たとえばF階の室RFにおいて、室内機AC3が故障した場合には、予備室内機RCが稼動し、室内機AC3が担っていた単位空調領域U3相当分の空調空気が供給される。すなわち、室RF全体を俯瞰すると、室RF全体が一つのプレナムとなっており、室内機AC3が故障等によって停止したときに、予備室内機RCが稼動することで、その分を補完することができる。
このとき、もし他の階、たとえば1階の室R1の室内機1AC2が同時に故障した場合であっても、予備室内機1RCが稼動し、室内機1AC2が担っていた単位空調領域U2に対して空調空気が供給される。また上下方向のモジュールを担う熱源装置E1〜E6のいずれかが故障し、もしくはモジュールの竪配管が損傷し交換されるまでの間も同様である。さらにそのような故障に限らず、保守等によって、停止する場合も同様である。
したがって、本実施の形態によれば、1階〜F階の各室R1〜RFにおいて1台の室内機が故障した場合であっても、同時に各階の予備室内機を稼動させて、これに対処することが可能である。すなわち、全ての階の室において、いわゆるN+1の冗長性が常に確保されている。
しかもかかる冗長性を確保するにあたっては、熱源装置並びに室内機の配管周りは、共通の配管(往管31、還管32)で構成され、従来のものより簡素化されている。したがって、保守、管理も容易である。
また本実施の形態では、各階の室において、6台の室内機AC1〜AC6の中央に、予備室内機が位置しているので、常用の室内機AC1〜AC6のいずれかが故障した場合、各室内機AC1〜AC6が担っていた単位空調領域への空調空気の供給が容易である。単位空調領域に直接空調空気を供給するダクトを施工する場合に施工量が少なくて済む。また横引きの配管等を、熱源装置と室内機の間まで二重化していた従来技術と比べて、配管の量が低減する。
前記した実施の形態の室内空調機は、室内に直接空調空気を吹き出すタイプのものであったが、これに代えて床下チャンバ内に空調空気を吹き出すものであってもよい。
また前記実施の形態では、予備室内機RC、予備熱源装置ERが、通常は停止している例に即して説明したが、これら予備室内機RC、予備熱源装置ERを負荷の平準化のために平常時に稼動させるようにしてもよい。たとえば各階の室で、室内機1台が各々1/6の能力を受け持っていた前記の実施の形態に対し、予備室内機RC、予備熱源装置ERを稼動させることで、室内機に関していえば7台で各室の空調を負担することになり、この場合、予備室内機RCを含めて各室内機は、約83%運転で運転させることになる。そして故障時においては、各々100%運転としてもよい。かかる運転方法によっても、結果として合理的な冗長性の確保が可能である。
前記実施の形態は、N+1の冗長性を確保するためのシステム構成であったが、N+2の冗長性を確保するため、室内機RC、往管21、還管31、予備熱源装置ER、ポンプPR等から構成される、予備空調システムモジュールをさらに1つ、付加してもよい。
ところで、この種の高可用性を実現するシステムにおいて、さらに省エネ効果をもたらしつつ、また短期的に停電に対応できるシステムを構築すれば、実際の運用場面では極めて有益である。
図3に示した例は、それを実現するために、水ベースのフリークーリング(外気冷熱の活用)、及び蓄熱槽を利用した建物101の側面を模式的に示しており、建物101は、地下1階からF階までの多層階を有する建物である。地上階の室R1〜RFは、電算機やサーバー、その他の通信機器等の高発熱機器を収容する室であり、地下1階の室UR1には、蓄熱槽102が設けられている。蓄熱槽102としては、温度成層型が適している。
この建物101は、前記した建物1と同様、基本的には室R1〜RFは、全て同一構成であり、たとえば1階の室R1には、複数の室内機1ACと、予備室内機1RCが設置されており、F階の室RFには、複数の室内機ACと予備室内機RCが設置されている。また図示は省略するが、室R1〜RFには、前記した建物1と同様、所定の広さを持った単位空調領域に区画され、各単位空調領域内には、それぞれ高発熱機器が搭載されたラックを並置して構成されるラック列を対向させて配置した、対応するラック群が位置している。そして単位空調領域ごとに配置されているサーバーの合計最大発熱量は、各単位空調領域間でほぼ等しくなっている。この場合の室内機ACは、ファンコイルユニット、エアハンドリングユニット、水熱源ヒートポンプユニットなど、熱源として水やブライン等の液体を用いるものを採用することができる。
そして前記実施の形態と同様、室内機の配置や単位空調領域による分割がなされている多層階の空調を、多層階の上下方向で同じ位置に位置する各階の室内空調機をグループとして、室RF、・・R1において単位空調領域の熱処理を担う室内機AC・・・1AC1を第1グループG1としている。そして第1グループG1には、共通の熱源装置E1が、たとえば屋上に設置され、ポンプP1によって配管103を通じて供給される熱媒としての熱源水は、第1グループG1の熱源水−蓄熱槽水交換器H1を経て、配管104から枝管を通じて、第1グループG1内の複数の室内機AC・・・AC1に対して供給される。そして供給された熱源水を利用して、各室内機AC・・・1ACから、ファン105によって室内に空調空気が供給されるようになっている。
熱源水−冷却水交換器H1には、取水管111と戻し管121とが接続されている。そして取水管111には、蓄熱槽102の上部付近の蓄熱水を取水する上側取水管111aと、蓄熱槽102の底部付近の蓄熱水を取水する下側取水管111bとに分岐している。取水管111には、取水用のポンプ112が設けられ、上側取水管111aと下側取水管111bには、各々対応するバルブV1、V2が設けられている。戻し管121には、蓄熱槽102の上部付近に吐水する上側戻し管121aと、蓄熱槽102の底部付近に吐水する下側戻し管121bとに分岐している。上側戻し管121aと下側戻し管121bには、各々対応するバルブV3、V4が設けられている。
室内機AC・・・1ACからの熱源水の回収は、それぞれ枝管を通じて配管106を通じてなされる。そして前記熱源水供給用の配管104と、前記熱源水回収用の配管106は、熱源水−冷却水交換器H2の熱源水入口側の配管131に接続され、熱源水−冷却水交換器H2の熱源水出口側の配管132は、熱源装置E1の入口側に接続されている。配管104、106には、各々バルブV5、V6が設けられている。
そして熱源水−冷却水交換器H2の冷却水入口側には、冷却塔141からポンプ142によって供給される冷却水の配管143が接続され、熱源水−冷却水交換器H2の冷却水出口側には、熱源水−冷却水交換器H2において昇温した冷却水を、冷却塔141に戻すための配管144が接続されている。
前記したファン105、ポンプ112、ポンプP1、バルブV1〜V6は、各階に設けられている非常電源装置151から電力の供給を受けるようになっており、停電時には当該非常電源装置151からの電力が供給されて、動作が保障されている。
第1グループG1に属するこれら室内機AC・・・AC1、配管103、104、106、熱源装置E1、ポンプP1、熱源水−蓄熱槽水交換器H1、取水管111、ポンプ112、戻し管121、熱源水−冷却水交換器H2、配管131、132は、第1の空調システムモジュールを構成する。
一方、室RF、・・・R1における予備室内機RC、・・・1RCについても、前記した第1グループと同様、共通の熱源装置ERから、ポンプPRによって、熱源水の供給を行い、各予備室内機RC、・・・1RCから、室内に空調空気が供給されるようになっている。これらは、予備グループGRを構成している。そして予備グループGRに属する、これら室内機RC・・・1RC、配管103、104、106、熱源装置ER、ポンプPR、熱源水−蓄熱槽水交換器RH1、取水管111、ポンプ112、戻し管121、熱源水−冷却水交換器RH2、配管131、132は、予備空調システムモジュールを構成する。
図3に示した例は、以上の構成を有しており、前記した実施の形態と比較すると、まず各熱源装置E1・・・ERに対しては、冷却塔141からの冷却水と熱交換した後の熱源水が供給されるようになっている。したがって、夏期、中間期においては、熱源水を冷却塔141からの冷却水よるフリークーリングによって予冷することができ、各熱源装置E1、・・・ERの負荷を軽減することができる。そして冬期においては、熱源水を冷却塔141からの冷却水よるフリークーリングのみによって冷却することで、システム全体としての電力消費をさらに低減させることができる。
最近のサーバー等のIT機器は、性能の改善が進んであり、設置されている室の温度条件が高温側に緩和されているので、冷却塔141からの冷却水よるフリークーリングのみによって熱源水を冷却しても十分性能を発揮することが可能であり、実用性は高い。
また発明者の試算によると、熱源水循環系の大温度差を合理的に実現できる。すなわち、前記したIT機器の性能改善等により、2008年に、IT機器推奨吸い込み温度が18〜27℃に緩和、変更されている。またIT機器からの排気空気の温度は、一般にΔt=10degで上昇する。たとえばIT機器の吸い込み温度が26℃の場合、36℃の排気空気が生成される。
一方、夏季の冷却水温度は29℃で供給が可能であり、36℃のIT機器の排気空気と熱交換することが可能である。そして循環水(冷却水)の冷却塔入口温度が33℃の場合、冷却塔出口温度で29℃とすれば、その後熱源水と熱交換した後、熱源装置(たとえば冷凍機)での循環水(熱源水)の出口温度は、18℃とすることが可能であり、15degという大きい温度差を得ることができる。
さらに、分散型熱源装置である熱源装置E1、・・・ERと、1台の冷却塔141を用いたフリークーリングを合理的に接続しているので、簡素な配管系の下で、フリークーリングを有効に活用している。
もちろんそのようにして所定の低温になった熱源水をそのまま各階の室内機AC、・・RC、・・・、1AC・・・1RCに供給してもよいが、図3に示した例では、熱源装置E1・・・ERからの熱源水は、一旦、熱源水−蓄熱槽水交換器H1、熱源水−蓄熱槽水交換器RH1によって、蓄熱槽102内の熱源水と熱交換した後に、各階の室内機AC、・・・RC、・・・、1AC・・・1RCに供給するようになっている。したがって停電時において各熱源装置E1・・・ERが停止したとしても、蓄熱槽102内の冷熱を取り出すことで、各階の室内機AC、・・RC、・・・、1AC・・・1RCに対して、低温の熱源水を供給することが可能である。
図3の例では、各グループG1、・・・GRの熱源水−蓄熱槽水交換器H1、熱源水−蓄熱槽水交換器RH1については、ポンプP1、・・・PR、取水用のポンプ112をはじめとして、取水管111、戻し管121の各バルブV1〜V6が、非常電源装置151からの電力の供給を受けられるようになっているので、停電時においては、これらを作動させることで、蓄熱槽102内の冷熱を取り出して、各階の室内機AC、・・RC、・・・、1AC・・・1RCに対して、低温の熱源水を供給して、引き続いて空調を実施することが可能である。
またポンプP1、・・・PR、取水用のポンプ112をはじめとして、取水管111、戻し管121の各バルブV1〜V4、バルブV5、V6、供給用のファン105は、いずれも各熱源装置E1、・・・ERと比べると、はるかに消費電力が少ないので、非常電源装置151からの電力によって十分空調運転を実施することが可能である。実際問題として、停電時は、サーバー等への電力供給が最優先されるので、非常電源装置151からの電力の供給量にも限界がある。したがって、図3に示した例は、極めて実際的なものである。
そのような停電時の蓄熱槽水の放熱運転は、バルブV1、V4、V5を閉鎖、バルブV2、V3、V6を開放して、底部取水管111bから蓄熱槽102内の底部近傍の低温の蓄熱槽水を取水し、熱源水−蓄熱槽水交換器H1によって昇温した蓄熱槽水は、上部戻し管121aから蓄熱槽102内の上部に戻すことによって行なわれる。
そして図3の例においても、予備空調システムモジュールを備えているので、各階における室内機AC、・・・、1ACが故障しても、予備室内機RCを稼動させることで、その分を補完して直ちに対応することができ、N+1の冗長性を確保している。
また通常運転においては、予備空調システムモジュールは運転を休止していてもよいが、常時蓄熱運転用として運用してもよい。この場合、バルブV1、V4、V5を開放、バルブV2、V3、V6を閉鎖して、上部取水管111aから蓄熱槽102内の比較的高温の蓄熱槽水を取水し、熱源水−蓄熱槽水交換器RH1によって降温した蓄熱槽水は、底部戻し管121bを通じて、蓄熱槽102内の底部近傍に戻すことによって、蓄熱運転がなされる。したがって、冗長性確保のために設置されている予備空調システムモジュールを休止させることなく、有効に活用することが可能である。さらにまた図3に示した例では、他の空調モジュールも各々蓄熱運転が可能であるから、柔軟なシステムとなっている。すなわち、予備空調システムモジュールが必要なときに、万が一当該予備空調システムモジュールが故障している可能性も否定できない。また予備空調システムモジュールを特定せず、たとえば定期的にローテーションして運用することも想定できる。このような場合、図3に示した例のように、他の空調モジュールも各々蓄熱運転が可能な構成にしておけば、好適に対応可能である。
なお以上のような、放熱運転、蓄熱運転は、前記したようなバルブV1〜V6の切り替えによって行なわれることになる。
また図示は省略するが、熱源水−蓄熱槽水交換器H1、・・RH1、熱源水−蓄熱槽水交換器H2、・・・RH2廻りに、バイパス弁等を配置することにより、熱損失や循環系の圧力損失を低減することができる。
また各室内機AC、・・・、1AC、予備室内機RCへの熱源水の供給を、ブリードイン方式とすることにより、配管104、106を流れる熱源水の温度差を確実に維持し、それに伴って水循環動力の低減と、フリークーリング熱の有効利用が増加する。
なお図3に示した例では、冷却塔141を用いたフリーリングを利用する系と、蓄熱槽102を用いた停電時の対応系とを併用していたが、両系は、必ずしも併用する必要はなく、たとえば冷却塔141を用いたフリーリングを利用する系ののみを採用したり、あるいは蓄熱槽102を用いた停電時の対応系のみを採用したシステムとして構築してもよい。
本発明は、多層階をたとえば電算機室、サーバールームなどのIT機器室として使用している場合の空調システムに有用である。
1 建物
11 ラック列
12 通路
21 往管
31 還管
AC1〜AC6 室内機
RC 予備室内機
R1、R2、RF 室
E1〜E6 熱源装置
ER 予備熱源装置
P1〜P6、PR ポンプ
V1〜V6 バルブ

Claims (6)

  1. 2層以上の多層階に、各々複数の高発熱機器が設置された室を有する施設の空調を行うシステムであって、
    各階の各室は、各々1以上の高発熱機器が配置される最大発熱量がほぼ等しい複数の単位空調領域に分割され、
    前記単位空調領域の最大発熱量を処理する能力を有し、室内に空調空気を吹き出す室内空調機を、各単位空調領域ごとに有し、
    多層階の上下方向でほぼ同じ位置に位置する各階の室内空調機をグループとし、各グループごとに、共通の配管を通じてグループ内の室内空調機に対して熱媒を供給する熱源装置を有し、
    前記グループごとの熱源装置、共通の配管、及び各階の室内空調機とで、1つの空調システムモジュールが構成され、
    さらに多層階の上下方向でほぼ同じ位置に位置する各階に設けた予備用の室内空調機、及びこれら予備用の室内空調機に対して共通の配管を通じて熱媒を供給する予備用の熱源装置とで構成される1または2の予備空調システムモジュールを備えたことを特徴とする、複数階を有する施設の空調システム。
  2. 前記室内空調機は、床下チャンバ内に空調空気を吹き出す空調機であることを特徴とする、請求項1に記載の複数階を有する施設の空調システム。
  3. 予備用の室内空調機は、室に設置されている室内空調機群の中央に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の複数階を有する施設の空調システム。
  4. 蓄熱槽水を貯留する蓄熱槽を有し、
    前記各空調システムモジュール、及び予備空調システムモジュールは、それぞれ各熱源装置からの熱源を蓄熱槽水と熱交換する熱媒−蓄熱槽水熱交換器をさらに有し、
    前記熱媒−蓄熱槽水熱交換器において熱交換された後の熱媒が、前記各室内空調機に供給されるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の複数階を有する施設の空調システム。
  5. 冷却塔を有し、
    前記各空調システムモジュール、及び予備空調システムモジュールは、それぞれ各室内空調機からの熱媒と前記冷却塔からの冷却水とを熱交換する熱媒−冷却水熱交換器をさらに有し、
    前記熱媒−冷却水熱交換器において熱交換された後の熱媒が、前記各熱源装置に戻されるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の複数階を有する施設の空調システム。
  6. 請求項4に記載の空調システムの運転方法であって、
    通常運転時は、予備システム空調モジュールの熱源装置を稼動させ、熱媒−蓄熱槽水熱交換器を用いて、蓄熱槽の蓄熱槽水に蓄熱することを特徴とする、空調システムの運転方法。
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