JP6309775B2 - 空調システム、複合型空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調システム、及び複合型空調システムに関する。
従来、情報処理機器を収容したラックが整列する情報処理機器室において、情報処理機器の冷却を行う空調システムが提案されている(例えば、特許文献1)。図4は、従来技術に係る空調システム100を概略的に示す図であって、(a)は、側面図、(b)は、平面図である。このように、従来の空調システム100は、情報処理機器室101の下方にメンテナンスフロア102を配置し、情報処理機器室101及びメンテナンスフロア102の両側方にダクトエリア103を配置し、一方のダクトエリア103の外側に無停電電源装置(以下、UPS(Uninterruptible Power Systems))を収容したUPS室104を配置して構成されている。そして、両側方のダクトエリア103とメンテナンスフロア102との相互間の位置に、冷却コイル120a、120bと送風ファン130とを一体に備える空調機110を設置して構成されている。ここで、このような構成において、空調機110によって冷却された空気を、メンテナンスフロア102、情報処理機器室101、及びダクトエリア103を順次介して再びメンテナンスフロア102に循環させることにより、ラック105の内部に収容された情報処理機器の冷却を行うものであった。
特開2011−220587号公報
ここで、上記の従来技術においては、情報処理機器室101及びメンテナンスフロア102の両側方にダクトエリア103を配置している。そのため、送風ファン130に電源を供給する配線や、冷却コイル120a、120bに冷媒を供給する冷媒供給手段(例えば、冷媒として冷却水を供給する冷媒供給管140)を、メンテナンスフロア102の両側方に分散配置する必要がある。この場合、これらの配線や冷媒供給手段の長さが増大してしまうため、空調システム100が煩雑化し、また設置コストが増大してしまう可能性があった。さらに、このようにメンテナンスフロア102の両側方にダクトエリア103を配置した場合、情報処理機器室101とUPS室104との間にダクトエリア103が介在する構成となる。この場合、UPSと情報処理機器とを接続する配線がダクトエリア103を通過してしまうため、電気設備の管理者の動線と空調設備の管理者の動線とがダクトエリア103において相互に干渉してしまい、各管理者による保守点検の観点から好ましくなかった。
また、上記の従来技術においては、作業員が空調機110の保守点検等のために空調機110にアクセスするためには、ダクトエリア103又はメンテナンスフロア102からアクセスする必要がある。しかし、ダクトエリア103は情報処理機器の熱を含む空気が流入する高温(例えば30℃)の空間であり、メンテナンスフロア102は空調機110による冷却後の空気が流入する低温(例えば18℃)の空間であるため、どちらの空間も作業員にとって作業性の優れた空間ではなかった。
また、上記の従来技術においては、上述したようにダクトエリア103は高温の空間であるため、このダクトエリア103に配置される各種機器は熱により故障率が大きく上昇してしまい、当該各種機器の寿命が縮まってしまう可能性があった。
また、上記のような、情報処理機器室101(及びメンテナンスフロア102)の両側方にダクトエリア103を配置することに伴う問題点に鑑みて、情報処理機器室101の片側にダクトエリア103を集約して配置して構成することも考えられる。図5は情報処理機器室101の片側にダクトエリア103を配置した空調システム200を概略的に示す平面図である。ここで、このような情報処理機器室101においては、情報処理機器からの発熱を処理するための空調機110に加えて予備分の空調機110が必要であり、高負荷の情報処理機器室101の空調を行う場合では特に、空調機110の設置スペースが過大となってしまっていた。そのため、片側のダクトエリア103に必要分の空調機110を並列配置しようとした場合、図5に示すように、ダクトエリア103の幅に全ての空調機110が収まらない可能性があった。以上に鑑みて、高負荷の情報処理機器室の空調を行う場合においても、ダクトエリアを情報処理機器室及びメンテナンスフロアの片側に集約して配置可能な空調システムが要望されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高負荷の冷却対象空間(従来技術に係る情報処理機器室101に対応)の空調を行う場合においても、冷却空間(従来技術に係るダクトエリア103に対応)を冷却対象空間(従来技術に係る情報処理機器室101に対応)及び通気空間(従来技術に係るメンテナンスフロア102に対応)の片側に集約して配置可能な空調システムであって、かつ、作業員による保守点検の作業効率を向上させると共に、冷却空間(従来技術に係るダクトエリア103に対応)に収容された各種機器の長寿命化を図ることが可能な空調システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の空調システムは、冷却対象となる機器を備える冷却対象空間と、前記冷却対象空間に対して所定方向に沿って隣接するように配置された通気空間と、前記冷却対象空間及び前記通気空間を相互に連通させるように配置された冷却空間であって、空気の冷却を行う冷却空間とにおいて、前記冷却空間から、前記通気空間、前記冷却対象空間を順次介して前記冷却空間へと循環する空気の流れを形成することにより、前記機器の冷却を行う空調システムであって、前記冷却空間に配置されて前記空気の流れを形成する送風手段と、前記冷却対象空間と前記冷却空間との相互間の位置に配置された第一冷却手段であって、前記冷却対象空間から前記冷却空間に至る空気の冷却を行う第一冷却手段と、前記冷却空間と前記通気空間との相互間の位置に配置された第二冷却手段であって、前記冷却空間から前記通気空間に至る空気の冷却を行う第二冷却手段と、を備え、前記冷却対象空間と前記冷却空間とを第一の内壁で区画すると共に、前記第一の内壁に前記第一冷却手段を配置し、前記通気空間と前記冷却空間とを第二の内壁で区画すると共に、前記第二の内壁に前記第二冷却手段を配置した
請求項2に記載の空調システムは、請求項1に記載の空調システムにおいて、前記第一冷却手段と前記第二冷却手段とを、前記所定方向において重畳する位置に配置した。
請求項3に記載の空調システムは、請求項2に記載の空調システムにおいて、前記第一冷却手段と前記第二冷却手段とを、前記冷却対象空間と前記通気空間との隣接方向に沿って重畳する位置に配置した。
請求項に記載の空調システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、空気を冷却するための冷媒を前記第二冷却手段に対して供給し、当該第二冷却手段にて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、前記第一冷却手段に対して供給する冷媒供給手段を備える。
請求項に記載の空調システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記冷却空間を、前記冷却対象空間を構成する第一側面と、前記通気空間を構成する第二側面であって、前記第一側面と面一に配置された第二側面とを相互に連通させるように配置し、前記機器に対して電源を供給する機器電源供給空間を、前記冷却対象空間及び前記通気空間を挟んで前記冷却空間と対向する位置に配置した。
請求項に記載の空調システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記送風手段を制御する送風制御手段を、前記冷却空間に配置した。
請求項に記載の空調システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記冷却空間に外気を導入する外気導入手段を備える。
請求項に記載の空調システムは、請求項1からのいずれか一項に記載の空調システムを単一のモジュールとして、複数のモジュールを並設した。
請求項1に記載の空調システムによれば、空調機を、送風手段、第一冷却手段、及び第二冷却手段に分離構成するので、設置スペース上の制約を緩和でき、高負荷の冷却対象空間の空調を行う場合においても、冷却空間を冷却対象空間及び通気空間の片側に集約して配置可能となり、また、冷却対象空間と冷却空間との相互間の位置に第一冷却手段を配置し、当該第一冷却手段によって冷却対象空間から冷却空間に至る空気の冷却を行うことにより、冷却対象空間に配置された機器による熱を含む空気を、第一冷却手段にて冷却した上で冷却空間へと取り入れることができ、作業員による冷却空間における保守点検等の作業効率を向上させると共に、冷却空間に収容された各種機器の長寿命化を図ることが可能になる。さらに、送風手段と各冷却手段とを分離構成するので、送風手段と各冷却手段とを同一の筺体に収容する場合と比べて、それぞれの設備容量の設定の自由度を向上させることが可能になる。
請求項2又は3に記載の空調システムによれば、第一冷却手段と第二冷却手段とを所定方向において重畳する位置に配置したので、前記所定方向と直交する断面において第一冷却手段及び第二冷却手段の配置スペースを削減して冷却空間を縮小化することができ、冷却対象空間をより広く構成してより多くの機器を冷却対象空間に設置することが可能になる。
請求項に記載の空調システムによれば、第二冷却手段にて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、第一冷却手段にて流用するので、全体として冷媒の流量を低減して冷媒の搬送動力を削減することができ、省エネ性能を向上させることが可能になる。
請求項に記載の空調システムによれば、機器電源供給空間を、冷却対象空間及び通気空間を挟んで冷却空間と対向する位置に配置したので、空調設備の配線と電気設備の配線とが冷却空間において混在せず、空調設備の管理者の動線と電気設備の管理者の動線とが相互に干渉し合わない構成とすることができ、各管理者による保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
請求項に記載の空調システムによれば、送風制御手段を冷却空間に配置したので、空調設備の管理者の動線を冷却空間に集約することができ、保守点検の作業効率を向上させることが可能になる。また、送風制御手段を第一冷却手段により冷却された空気が流入する空間に配置することができ、送風制御手段の長寿命化及び保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。また、送風制御手段を送風手段の近傍に配置することができ、保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
請求項に記載の空調システムによれば、外気導入手段により冷却空間に外気を導入するので、第一冷却手段及び第二冷却手段の冷却負荷を低減することができ、省エネ性能を向上させることが可能になる。
請求項に記載の空調システムによれば、複数のモジュールを並設して複合型空調システムを構成するので、冷却の対象となる機器の数や発熱量等に応じて適した複合型空調システムを構成することが可能になる。
本発明の実施の形態に係る空調システムを概略的に示す図であって、図1(a)は側面図、図1(b)は平面図である。 図1(a)の要部拡大図である。 変形例に係る複合型空調システムを示す平面図である。 従来技術に係る空調システムを概略的に示す図であって、図4(a)は側面図、図4(b)は平面図である。 情報処理機器室の片側にダクトエリアを配置した空調システムを概略的に示す平面図である。
以下、本発明に係る空調システムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
[実施の形態の基本的概念]
まずは、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態は、概略的に、冷却対象空間に配置された機器の冷却を行う空調システムに関するものである。ここで、「機器」とは、OA(Office Automation)機器や家電等の各種電気機器を含む概念であるが、本実施の形態においては、公知のコンピュータの如き情報処理機器であるものとして説明する。また、情報処理機器の用途は任意であるが、本実施の形態では、データセンタ等の大規模な情報処理施設にて各種のデータを処理するための機器として用いられるものとして説明する。また、情報処理施設における機器の設置台数についても任意であり、少なくとも一つの機器を備えることにより当該空調システムを構成することが可能であるが、本実施の形態では複数の情報処理機器が設置されているものとして説明する。
[実施の形態の具体的内容]
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成)
最初に、本実施の形態に係る空調システム1の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る空調システム1を概略的に示す図であって、図1(a)は側面図、図1(b)は平面図である。図2は、図1(a)の要部拡大図である。これら図1及び図2に示すように、空調システム1は、冷却コイル10a、10b、送風ファン20、空調動力盤30、外気導入ファン40、熱交換器50、冷凍機60、及びクッションタンク70を備えて構成される。なお、以下では、図1及び図2に示すX方向を「奥行き方向」、Y方向を「幅方向」、Z方向を「高さ方向」と必要に応じて称して説明する。また、図1及び図2においては、空気の流れを矢印にて示している。
(構成−情報処理施設)
ここで、まずは空調システム1が設けられる情報処理施設について説明する。なお、図1や図2は、情報処理施設の一部分のみを図示しており、これら図1や図2に示すように、情報処理施設には、冷却対象室2、通気室3、冷却室4、UPS室5、機械室6、及び免震層7が設けられている。なお、これら各部屋は床材や内壁等によって仕切られているが、このような各部屋の構成は公知であるため、その詳細な説明を省略する。また、図1においてはUPS室5、機械室6、及び免震層7を省略して図示している。
冷却対象室2は、情報処理機器を収容するラック8を複数配置した冷却対象空間である。このラック8の具体的な形状については任意であるが、本実施の形態においては中空の直方体形状として形成された筐体を有し、その筐体の内部に複数の情報処理機器が収容されたラック8であるものとして説明する。ここで、各ラック8には、内部に収容された情報処理機器を冷却するための工夫が施されている。具体的には、まずラック8の筐体における一側面、及び当該一側面と対向する位置に設けられた他の側面にはメッシュ状の通風孔が設けられている。そして、このラック8の内部におけるいずれかの位置には、空気の送風を行うための冷却ファンが設けられている。このように構成されたラック8において冷却ファンを稼動させることにより、ラック8の外部における空間(以下、第一空間)の空気が、ラック8の筐体における一側面に設けられた通風孔、ラック8の内部、ラック8の筐体における他の側面に設けられた通風孔、を順次介してラック8の外部における反対側の空間(以下、第二空間)へと送風される。ここで、以下では、上述したラック8の筐体における一側面を「吸込面」、他の側面を「吹出面」と必要に応じて称して説明する。
そして、室内には複数のラック8がある特定の方向(本実施の形態では、奥行き方向)に沿って並設されることによりラック8の列(以下、ラック列)が形成されており、当該ラック列を構成する各ラック8はそれぞれの吸込面の向きと吹出面の向きが揃えられて配置されている。また、室内にはこのようなラック列が、当該特定の方向と直交する方向(本実施の形態では、幅方向)に沿って複数(本実施の形態においては4列)並設されている。そして、これらの複数のラック列は、それぞれの吸込面及び吹出面が向かい合うように配置されており、このようにしてラック列の吸込面側に設けられた空間を「コールドアイル」と称し、ラック列の吹出面側に設けられた空間を「ホットアイル」と称して以下では説明する。また、各ラック列の上端から冷却対象室2の天井材2bにかけてキャッピング材を設けてもよく、このキャッピング材によってコールドアイルの空気がラック8の内部を通過せずにホットアイルへと流動してしまうことを防止し、情報処理機器の冷却効率を向上させることが可能となる。
ここで、この冷却対象室2の床材には、コールドアイルと通気室3とを接続する接続孔(図示省略)が形成されており、この接続孔を介して通気室3の空気がコールドアイルへと流動可能に構成されている。また、この冷却対象室2は、図2に示すように、天井スラブ2aの下方に天井材2bを設置し、当該天井スラブ2aと天井材2bとの相互間の空間を天井チャンバー2cとして用いる二重天井構造にて形成されている。なお、このような二重天井構造を形成するための具体的な手段については公知の手段を用いることができるため省略する。
通気室3は、冷却対象室2に対して所定方向(本実施の形態においては、高さ方向)に沿って隣接するように配置された通気空間であって、冷却室4にて冷却された空気を、当該通気室3を介して冷却対象室2へと流動可能とするための空間である。この通気室3の利用用途は任意であるが、例えば、冷却対象室2に配置された情報処理機器の保守点検を行うための空間として利用しても良い。
冷却室4は、冷却コイル10a、10bによって空気の冷却を行う冷却空間であって、冷却対象室2及び通気室3を相互に連通させるように配置されている。この冷却室4は、高さ方向の中央部付近に形成された床材4aによって上層と下層に分割構成されている。そして、この床材4aには上下に貫通する貫通孔(図示省略)が幅方向に沿って複数(本実施の形態では6つ)設けられており、各貫通孔には、送風ファン20が嵌めこまれた状態においてネジ止め等公知の方法で固定されている。そして、冷却対象室2の天井チャンバー2cと、冷却室4の上層とを仕切る内壁には、幅方向に沿って複数(本実施の形態では3つ)の開口部11aが設けられており、各開口部11aには、冷却コイル10aが嵌めこまれた状態においてネジ止め等公知の方法で固定されている。このような構成において、冷却対象室2から冷却室4へと流動する空気が冷却コイル10aによって冷却される。また、冷却室4の下層と通気室3とを仕切る内壁には、幅方向に沿って複数(本実施の形態では3つ)の開口部11bが設けられており、各開口部11bには、冷却コイル10bが嵌めこまれた状態においてネジ止め等公知の方法で固定されている。このような構成において、冷却室4から通気室3へと流動する空気が冷却コイル10bによって冷却される。
UPS室5は、冷却対象室2に配置された各情報処理機器に対して配線を介して電源を供給するUPS(図示省略)を配置した機器電源供給空間である。なお、配線をどのように配置するかは任意であり、例えば、UPSから通気室3を介して冷却対象室2の情報処理機器に対して接続しても良い。ここで、図4に示す従来技術においては、UPS室104と情報処理機器室101との相互間にダクトエリア103が配置されているため、UPS室104のUPSと、情報処理機器室101の情報処理機器とを接続する配線は、ダクトエリア103を介して配置する必要がある。そのため、空調機110の管理者(すなわち、空調設備の管理者)の動線と、UPSの管理者(すなわち、電気設備の管理者)の動線とがダクトエリア103において混在してしまい、各管理者による保守点検の作業効率が低下してしまう。一方、図1に示す本実施の形態のように、UPS室5を、冷却対象室2及び通気室3を挟んで冷却空間と対向する位置に配置し、UPS室5と冷却対象室2とが隣接するように構成することで、UPS室5のUPSと、冷却対象室2の情報処理機器とを接続する配線を、冷却室4を介さずに配置することができる。そのため、冷却コイル10a、10bや送風ファン20の管理者(すなわち、空調設備の管理者)の動線と、UPSの管理者(すなわち、電気設備の管理者)の動線とが冷却室4において混在せず、各管理者による保守点検の作業効率を向上させることが可能となる。
機械室6は、情報処理施設の設備の機械が設置された部屋であって、例えばボイラー等が設置された公知の機械室である。この機械室6の具体的な位置については任意であるが、本実施の形態においては、情報処理施設の最下階に配置されているものとして説明する。
免震層7は、アイソレーターやダンパー等といった公知の免震装置が配置された空間であって、情報処理施設の建物と基礎との相互間に形成された空間である。なお、本実施の形態においてはこの免震層7は建物の外部の空間と直結しており、建物の外部の空間の空気が当該免震層7に取り入れられているものとして説明する。また、この免震層7の形成方法等については公知であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−空調システム)
続いて、空調システム1を構成する各構成要素について説明する。
(構成−空調システム−冷却コイル)
冷却コイル10a、10bは、空気の冷却を行う冷却手段であって、冷却コイル10a及び冷却コイル10bは設置された位置を除いていずれも同様に構成されている。冷却コイル10aは、冷却対象室2から冷却室4に至る空気の冷却を行う第一冷却手段であって、冷却対象室2と冷却室4との相互間の位置に配置されている。ここで、「冷却対象室2と冷却室4との相互間の位置」とは、具体的には、冷却コイル10aにて冷却された空気を冷却室4へと送風することが可能な位置である限りにおいてどのような位置でもよい。例えば本実施の形態においては、冷却コイル10aは、冷却室4の上層と、冷却対象室2の天井チャンバー2cとの相互間に設けられた内壁に形成された開口部11aに嵌めこまれた状態においてネジ止め等公知の方法で固定されているものとして説明する。なお、冷却コイル10aの設置台数は、冷却対象室2の広さや情報処理機器の発熱量に応じて異なるものとして良いが、本実施の形態においては幅方向に沿って3台並設されているものとして説明する。
また、冷却コイル10bは、冷却室4から通気室3に至る空気の冷却を行う第二冷却手段であって、冷却室4と通気室3との相互間の位置に配置されている。ここで、「冷却室4と通気室3との相互間の位置」とは、具体的には、冷却コイル10bにて冷却された空気を通気室3へと送風することが可能な位置である限りにおいてどのような位置でもよい。例えば本実施の形態においては、冷却コイル10bは、冷却室4の下層と、通気室3との相互間に設けられた内壁に形成された開口部11bに嵌めこまれた状態においてネジ止め等公知の方法で固定されているとして説明する。なお、冷却コイル10bの設置台数は、冷却対象室2の広さや情報処理機器の発熱量に応じて異なるものとして良いが、本実施の形態においては幅方向に沿って3台並設されているものとして説明する。また、冷却コイル10aと冷却コイル10bは、高さ方向において重畳する位置に配置されており、このことにより高さ方向と直交する断面(すなわち、水平断面)において冷却コイル10aと冷却コイル10bの配置スペースを削減して冷却空間を縮小化することができる。
ここで、冷却コイル10a、10bの具体的な構成については任意であるが、本実施の形態においては、冷媒供給管12を介して供給された冷媒を用いて空気の冷却を行う公知の冷媒コイルであるものとして説明する。なお、この冷媒供給管12は、冷媒を冷却コイル10a、10bに対して供給する冷媒供給手段であって、金属や樹脂等により形成された中空環状体として構成されている。なお、冷媒の具体的な種類は任意であり、例えば蒸気やガスを用いることも可能であるが、本実施の形態においては、冷媒は冷却水であるものとして説明する。なお、この冷媒供給管12は、熱交換器50、冷却塔13b、冷凍機60、クッションタンク70、冷却コイル10b、冷却コイル10aを順次介して熱交換器50へと冷媒を循環させるように構成されており、このように接続された各機器において冷熱の採取及び利用が行われる。なお、このような冷媒供給管12の具体的な機能については後述する。
ここで、図4に示す従来技術においては、メンテナンスフロア102の両側方に位置するダクトエリア103に空調機110を分散させて配置するため、各空調機110の冷却コイル120a、120bに冷媒を供給するためには、冷媒供給管140をメンテナンスフロア102の両側方に延設する必要がある。一方、図1に示す本実施の形態では、通気室3の片方の側方に位置する冷却室4に冷却コイルをまとめて配置するため、冷媒供給管12を一箇所にまとめて延設することができ、従来技術と比較して冷媒供給管12の長さをより短く構成することが可能になる。
(構成−空調システム−送風ファン)
送風ファン20は、空気の流れを形成する送風手段であって、その設置台数は任意であるが、本実施の形態においては、計6台の送風ファン20が幅方向に沿って並設されているものとして説明する。なお、このうち1台は予備の送風ファン20として使用し、他の送風ファン20の故障時等に使用するものとして説明する。ここで、各送風ファン20の具体的な設置方法については任意であるが、例えば、冷却室4の床材4aには、当該床材4aを上下に貫通する貫通孔が、幅方向に沿って複数(送風ファン20の数と対応する数(本実施の形態においては6つ))設けられており、送風ファン20は、これら各貫通孔に対して、吸込面が上方を向き吹出面が下方を向くように嵌めこまれた状態において、ネジ止め等公知の方法で固定されているものとして説明する。このように形成された送風ファン20において、各送風ファン20は冷却室4の上層の空気を吸い込んで下層に向けて吹き出すことによって空気の流れを形成する。
(構成−空調システム−空調動力盤)
空調動力盤30は、各送風ファン20に対して配線を介して接続され、各送風ファン20を制御する送風制御手段である。この空調動力盤30の設置位置は任意であるが、例えば通気室3や冷却室4の上層に設置することも可能であるが、本実施の形態においては、冷却室4の下層に配置されているものとして説明する。このように、空調動力盤30を送風ファン20の近傍の位置に配置することで、送風ファン20と空調動力盤30とを接続する配線の長さを縮小することができ、より省スペースの空調システム1を構成することが可能になる。なお、この空調動力盤30の具体的な構成については公知であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−空調システム−外気導入ファン)
外気導入ファン40は、冷却室4に外気を導入するための外気導入手段である。この外気導入ファン40は、情報処理施設の室内と室外とを接続する外気口の近傍に配置された公知のファンとして構成されており、外気の温度が冷却対象室2の冷却に利用可能な温度である場合(例えば、冬季等)に稼働させることで、外気を冷却室4に取り入れて冷凍機60や冷却コイル10a、10bの処理負荷を低減することが可能である。なお、冷凍機60や冷却コイルの処理負荷を低減する上で、外気導入ファン40によって取り入れる外気の温度は低い程望ましいが、本実施の形態においては、冷却室4の温度(本実施の形態においては24℃)と同一の温度であるものとして説明する。
(構成−空調システム−熱交換器)
熱交換器50は、冷媒供給管12の内部を流動する冷媒を冷却するための熱交換手段であって、具体的には、冷却塔13aと熱交換器50とを接続する配管14の内部を流動する冷却水と、冷媒供給管12の内部を流動する冷媒とを熱交換する公知の熱交換器として構成されている。ここで、冷却塔13aは、配管14の内部の冷却水を大気と直接的又は間接的に接触させて熱交換させることにより配管14の内部の冷却水を冷却する公知の冷却塔である。なお、これら冷媒供給管12や冷却塔13aの具体的な構成については公知であるため、その詳細な説明を省略する。
(構成−空調システム−冷凍機)
冷凍機60は、冷媒供給管12の内部を流動する冷媒を冷却するための冷凍手段であって、公知の蒸気圧縮冷凍機や、吸収式冷凍機や、吸着式冷凍機等として構成されている。なお、冷媒供給管12における冷凍機60の入り口側には、冷却塔13bが接続されている。この冷却塔13bは、冷却塔13aと同様に構成され、この冷却塔13bにより配管14の内部の冷却水を冷却してから冷凍機60に供給することにより、冷凍機60の処理負荷を低減する事が可能になる。
(構成−空調システム−クッションタンク)
クッションタンク70は、冷凍機60にて冷却された冷媒を一時的に貯める貯水手段である。なお、このクッションタンク70に貯められた冷媒は、冷却コイル10a、10bの冷却負荷の大きさに応じて、適宜冷却コイル10a、10bに対して供給される。なお、このクッションタンク70の具体的な構成については公知であるため、その詳細な説明を省略する。
(空調処理)
続いて、このように構成された空調システム1によって実行される空調処理について説明する。
初めに、冷媒供給管12の内部に冷媒を循環させる処理と、配管14の内部に冷却水を循環させる処理について説明する。まず、冷媒供給管12の経路中に設けられたポンプ(図示省略)を稼働させることにより、熱交換器50、冷却塔13b、冷凍機60、クッションタンク70、冷却コイル10b、及び冷却コイル10aを順次介して再度熱交換器50へと冷媒が至るように、冷媒供給管12の内部に冷媒を循環させる。また、同様に、配管14に設けられたポンプ(図示省略)を稼働させることにより、熱交換器50から冷却塔13aを介して再度熱交換器50へと冷却水が至るように、配管14の内部に冷却水を循環させる。
ここで、配管14の内部を循環する冷却水は、冷却塔13aにて大気と熱交換されることにより冷却され、ポンプの働きにより熱交換器50に供給され、この熱交換器50によって冷媒供給管12の内部を流動する冷媒(以下、単に「冷媒」と称する)と熱交換されることにより当該冷媒を冷却する。このようにして熱交換器50にて冷却された冷媒は、冷却塔13bへと流動し、冷却塔13bにおいて大気と熱交換されてさらに冷却される。このように、大気と直接的又は間接的に熱交換することによって冷媒の冷却を行うことで、冷媒の冷却に要する動力の消費を抑えて省エネ性能を向上させることが可能になる。
次に、冷媒は冷媒供給管12の内部を流動して冷凍機60に取り入れられ、冷凍機60にてより一層冷却される。なお、この冷凍機60による冷却を行うことなく、上述した熱交換器50や冷却塔13bによる冷却のみで必要な温度まで冷媒を冷却できている場合には、冷凍機60を稼働させなくても良い。このように冷凍機60にて冷却された冷媒は、クッションタンク70に取り入れられて貯水される。
ここで、冷媒供給管12におけるクッションタンク70と冷却コイル10bとの相互間の流路上には、冷媒の流量を調節するバルブ(図示省略)が設けられており、当該バルブを操作することで、クッションタンク70に貯水された冷媒が適宜冷却コイル10bに取り入れられる。なお、このバルブの操作はユーザが手動で行っても良いし、所定の計測手段(図示省略)にて計測された冷媒の温度や各部屋の温度等に基づいて自動制御しても良い。
そして、クッションタンク70から冷却コイル10bへと取り入れられた冷媒は、冷却コイル10bにて空気との熱交換に利用されることで冷却室4から通気室3に至る空気を冷却する。このようにして冷却コイル10bにて利用されることにより冷媒の温度は上昇し、続いて、冷媒は冷媒供給管12を介して冷却コイル10aへと取り入れられる。このように冷却コイル10bから冷却コイル10aへと取り入れられた冷媒は、冷却コイル10aにて空気との熱交換に利用されることで、冷却対象室2から冷却室4に至る空気を冷却する。このようにして冷却コイル10aにて利用されることにより冷媒の温度はさらに上昇し、続いて、冷媒は冷媒供給管12を介して熱交換器50へと取り入れられる。以降同様に、冷媒は冷媒供給管12の内部を循環し、上記のように空調システム1の各構成要素において熱交換が行われる。このように、冷却コイル10bにて利用された冷媒を冷却コイル10aにてカスケード利用するので、各冷却コイルに対して別個に冷媒を供給する場合と比べて、冷媒の流量を低減することができ、ポンプによる冷媒の搬送動力を削減することが可能になる。
次に、情報処理施設の各部屋に空気を循環させる処理について説明する。まず、冷却室4に設けられた送風ファン20は、冷却室4の上層から空気を吸い込み、冷却室4の下層へと空気を吹き出す。このことによって、図2に示すように、コールドアイル、ラック8の内部、ホットアイル、天井チャンバー2c、冷却室4の上層、冷却室4の下層、及び通気室3、を順次介してコールドアイルへと空気が循環する。
ここで、まず、コールドアイルに取り入れられた空気は、ラック8の内部を通過することにより情報処理機器を冷却し、この際に情報処理機器が発する熱によって加熱されて高温(例えば、30℃)となり、天井チャンバー2cに取り入れられる。天井チャンバー2cに取り入れられた空気は、開口部11aを介して冷却室4の上層に取り入れられ、この際に開口部11aを通過する空気は冷却コイル10aによって冷却されて中温(例えば、24℃)となる。
このように、本実施の形態では、複数台の冷却コイル10a、10bのうち、いずれか複数の冷却コイル10aを冷却室4の上流に配置し、残りの複数の冷却コイル10bを冷却室4の下流に配置しているため、冷却室4には、冷却対象室2の空気が直接取り入れられず中温(例えば24℃)まで冷却されて取り入れられる。したがって、冷却室4が高温(例えば30℃)の空間や低温(例えば18℃)の空間である場合と比べて、作業員による冷却室4の作業環境を向上させることが可能になる。また、冷却室4に配置される各種機器(例えば、送風ファン20や、空調動力盤30等)が高温の環境下に配置されないため、これらの各種機器の長寿命化を図ることが可能になる。
そして、冷却室4の上層に取り入れられた空気は、送風ファン20を介して冷却室4の下層に取り入れられ、外気導入ファン40によって冷却室4の下層に取り入れられた空気と混合され、この混合空気が開口部11bを介して通気室3に取り入れられる。この際に開口部11bを通過する空気は冷却コイル10bによって冷却されて低温(例えば、18℃)となる。このようにして通気室3に取り入れられた空気は、冷却対象室2の床部に設けられた接続孔を介してコールドアイルに取り入れられて、再度ラック8の内部に取り入れられて情報処理機器を冷却する。以降同様に、上述したように情報処理施設の各部屋を空気が流動することにより、情報処理機器の冷却が行われる。以上により空調システム1による空調処理の説明を終了する。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、空調機を、送風ファン20、冷却コイル10a、及び冷却コイル10bに分離構成するので、設置スペース上の制約を緩和でき、高負荷の冷却対象室2の空調を行う場合においても、冷却室4を冷却対象室2及び通気室3の片側に集約して配置可能となり、また、また、冷却対象室2と冷却室4との相互間の位置に冷却コイル10aを配置し、当該冷却コイル10aによって冷却対象室2から冷却室4に至る空気の冷却を行うことにより、冷却対象室2に配置された機器による熱を含む空気を、冷却コイル10aにて冷却した上で冷却室4へと取り入れることができ、作業員による冷却室4における保守点検等の作業効率を向上させると共に、冷却室4に収容された各種機器の長寿命化を図ることが可能になる。さらに、送風ファン20と冷却コイル10a及び冷却コイル10bとを分離構成するので、送風ファン20と冷却コイル10a及び冷却コイル10bとを同一の筺体に収容する場合と比べて、それぞれの設備容量の設定の自由度を向上させることが可能になる。
また、冷却コイル10aと冷却コイル10bとを所定方向において重畳する位置に配置したので、前記所定方向と直交する断面において冷却コイル10a及び冷却コイル10bの配置スペースを削減して冷却室4を縮小化することができ、冷却対象室2をより広く構成してより多くの機器を冷却対象室2に設置することが可能になる。
また、冷却コイル10bにて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、冷却コイル10aにて流用するので、全体として冷媒の流量を低減して冷媒の搬送動力を削減することができ、省エネ性能を向上させることが可能になる。
また、UPS室5を、冷却対象室2及び通気室3を挟んで冷却室4と対向する位置に配置したので、空調設備の配線と電気設備の配線とが冷却室4において混在せず、空調設備の管理者の動線と電気設備の管理者の動線とが相互に干渉し合わない構成とすることができ、各管理者による保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
また、空調動力盤30を冷却室4に配置したので、空調設備の管理者の動線を冷却室4に集約することができ、保守点検の作業効率を向上させることが可能になる。また、空調動力盤30を冷却コイル10aにより冷却された空気が流入する空間に配置することができ、空調動力盤30の長寿命化及び保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。また、空調動力盤30を送風ファン20の近傍に配置することができ、保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本実施の形態に係る空調システム1の空調処理によって作業員の作業効率を従来よりも向上させることができない場合や、冷却空間に収容された各種機器を従来よりも長寿命化できない場合であっても、当該空調処理を従来と異なる技術により従来と同様に達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
(寸法や材料について)
発明の詳細な説明や図面で説明した空調システム1の各部の寸法、形状、比率等は、あくまで例示であり、その他の任意の寸法、形状、比率等とすることができる。
(情報処理施設を構成する各部屋の配置について)
また、各部屋の配置は、上述した配置に限定されない。例えば、本実施の形態においては、通気室3は冷却対象室2に対して高さ方向に沿って隣接するように配置されるものとして説明したが、これに限られず、例えば幅方向に沿って隣接するように配置されていても良い。また、本実施の形態においては、UPS室5を、冷却対象室2及び通気室3を挟んで冷却室4と対向する位置に配置するものとして説明したが、これに限定されず、例えば通気室3の下の階や、冷却対象室2の上の階に配置しても良いし、冷却対象室2に対して幅方向に沿って隣接するように配置しても良い。
(空調システムのモジュールについて)
以上では、空調システム1及び当該空調システム1が設けられる部屋の一部についてのみ説明したが、この空調システム1を単一のモジュール81として、複数のモジュール81を並設することにより、複合型空調システム80を形成しても良い。図3は、当該変形例に係る複合型空調システム80を示す平面図である。なお、モジュール81の数は任意であるが、この変形例においては、6つのモジュール81を配置した複合型空調システム80について図示している。ここで、各モジュール81は、UPS室5や冷却室4を集約させることにより、UPSの管理者と、送風ファン20や冷却コイルの管理者の動線とが交わらないように工夫することが望ましい。具体的には、図3に示すように、モジュール81を幅方向に沿って同一向きで並設し、奥行き方向に沿って対称向きで並設することにより、モジュール81のUPS室5を集約することができ、機械室6の相互間に通路を形成することにより管理者の動線を集約することが可能となる。このように複数のモジュール81を並設することにより複合型空調システム80を形成することで、冷却の対象となる情報処理機器の数や発熱量等に応じて適した複合型空調システム80を構成することが可能になる。なお、当該変形例においては、複数のモジュール81を構成するUPS室5の相互間の位置に、管理者がUPS室5へとアクセスするための通路82を設けている。
(送風ファンについて)
本実施の形態においては、冷却室4のみに送風ファン20を配置するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、通気室3の内部に、コールドアイルへ向けて送風する送風ファン20を増設して、全体としての送風の動力を上昇させても良い。
(第一冷却手段及び第二冷却手段について)
本実施の形態においては、冷却コイル10bに取り入れられて熱交換された冷媒が、次いで冷却コイル10aに取り入れられて熱交換されるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、冷却コイル10a及び冷却コイル10bをそれぞれ独立した構成とし、冷却コイル10a又は冷却コイル10bのいずれか一方とのみ冷媒により熱交換可能なように構成しても構わない。この場合には、一方がメンテナンス等で冷媒の循環による熱交換を行えない場合に他方のみで熱交換を行うことができるため、空調システム1の信頼性を向上させることが可能となると共に、一方のみを稼働させた状態で他方側に予備の冷却コイルを増設することができ、メンテナンス時においても空調システム1を継続的に稼働させることが可能となる。さらに、冷却コイル10aに接続される配管系統や熱源と、冷却コイル10bに接続される配管系統や熱源についてもそれぞれ並列に設けることにより、一層空調システム1の信頼性を向上させることができる。
(付記)
付記1に記載の空調システムは、冷却対象となる機器を備える冷却対象空間と、前記冷却対象空間に対して所定方向に沿って隣接するように配置された通気空間と、前記冷却対象空間及び前記通気空間を相互に連通させるように配置された冷却空間であって、空気の冷却を行う冷却空間とにおいて、前記冷却空間から、前記通気空間、前記冷却対象空間を順次介して前記冷却空間へと循環する空気の流れを形成することにより、前記機器の冷却を行う空調システムであって、前記冷却空間に配置されて前記空気の流れを形成する送風手段と、前記冷却対象空間と前記冷却空間との相互間の位置に配置された第一冷却手段であって、前記冷却対象空間から前記冷却空間に至る空気の冷却を行う第一冷却手段と、前記冷却空間と前記通気空間との相互間の位置に配置された第二冷却手段であって、前記冷却空間から前記通気空間に至る空気の冷却を行う第二冷却手段と、を備える。
付記2に記載の空調システムは、付記1に記載の空調システムにおいて、前記第一冷却手段と前記第二冷却手段とを、前記所定方向において重畳する位置に配置した。
付記3に記載の空調システムは、付記1又は2に記載の空調システムにおいて、空気を冷却するための冷媒を前記第二冷却手段に対して供給し、当該第二冷却手段にて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、前記第一冷却手段に対して供給する冷媒供給手段を備える。
付記4に記載の空調システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記冷却空間を、前記冷却対象空間を構成する第一側面と、前記通気空間を構成する第二側面であって、前記第一側面と面一に配置された第二側面とを相互に連通させるように配置し、前記機器に対して電源を供給する機器電源供給空間を、前記冷却対象空間及び前記通気空間を挟んで前記冷却空間と対向する位置に配置した。
付記5に記載の空調システムは、付記1から4のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記送風手段を制御する送風制御手段を、前記冷却空間に配置した。
付記6に記載の空調システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の空調システムにおいて、前記冷却空間に外気を導入する外気導入手段を備える。
付記7に記載の空調システムは、付記1から6のいずれか一項に記載の空調システムを単一のモジュールとして、複数のモジュールを並設した。
(付記の効果)
付記1に記載の空調システムによれば、空調機を、送風手段、第一冷却手段、及び第二冷却手段に分離構成するので、設置スペース上の制約を緩和でき、高負荷の冷却対象空間の空調を行う場合においても、冷却空間を冷却対象空間及び通気空間の片側に集約して配置可能となり、また、冷却対象空間と冷却空間との相互間の位置に第一冷却手段を配置し、当該第一冷却手段によって冷却対象空間から冷却空間に至る空気の冷却を行うことにより、冷却対象空間に配置された機器による熱を含む空気を、第一冷却手段にて冷却した上で冷却空間へと取り入れることができ、作業員による冷却空間における保守点検等の作業効率を向上させると共に、冷却空間に収容された各種機器の長寿命化を図ることが可能になる。さらに、送風手段と各冷却手段とを分離構成するので、送風手段と各冷却手段とを同一の筺体に収容する場合と比べて、それぞれの設備容量の設定の自由度を向上させることが可能になる。
付記2に記載の空調システムによれば、第一冷却手段と第二冷却手段とを所定方向において重畳する位置に配置したので、前記所定方向と直交する断面において第一冷却手段及び第二冷却手段の配置スペースを削減して冷却空間を縮小化することができ、冷却対象空間をより広く構成してより多くの機器を冷却対象空間に設置することが可能になる。
付記3に記載の空調システムによれば、第二冷却手段にて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、第一冷却手段にて流用するので、全体として冷媒の流量を低減して冷媒の搬送動力を削減することができ、省エネ性能を向上させることが可能になる。
付記4に記載の空調システムによれば、機器電源供給空間を、冷却対象空間及び通気空間を挟んで冷却空間と対向する位置に配置したので、空調設備の配線と電気設備の配線とが冷却空間において混在せず、空調設備の管理者の動線と電気設備の管理者の動線とが相互に干渉し合わない構成とすることができ、各管理者による保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
付記5に記載の空調システムによれば、送風制御手段を冷却空間に配置したので、空調設備の管理者の動線を冷却空間に集約することができ、保守点検の作業効率を向上させることが可能になる。また、送風制御手段を第一冷却手段により冷却された空気が流入する空間に配置することができ、送風制御手段の長寿命化及び保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。また、送風制御手段を送風手段の近傍に配置することができ、保守点検の作業効率のさらなる向上を図ることが可能になる。
付記6に記載の空調システムによれば、外気導入手段により冷却空間に外気を導入するので、第一冷却手段及び第二冷却手段の冷却負荷を低減することができ、省エネ性能を向上させることが可能になる。
付記7に記載の空調システムによれば、複数のモジュールを並設して複合型空調システムを構成するので、冷却の対象となる機器の数や発熱量等に応じて適した複合型空調システムを構成することが可能になる。
1 空調システム
2 冷却対象室
2a 天井スラブ
2b 天井材
2c 天井チャンバー
3 通気室
4 冷却室
4a 床材
5 UPS室
6 機械室
7 免震層
8 ラック
10a、10b 冷却コイル
11a、11b 開口部
12 冷媒供給管
13a、13b 冷却塔
14 配管
20 送風ファン
30 空調動力盤
40 外気導入ファン
50 熱交換器
60 冷凍機
70 クッションタンク
80 複合型空調システム
81 モジュール
82 通路
100 空調システム
101 情報処理機器室
102 メンテナンスフロア
103 ダクトエリア
104 UPS室
105 ラック
110 空調機
120a、120b 冷却コイル
130 送風ファン
140 冷媒供給管
200 空調システム


Claims (8)

  1. 冷却対象となる機器を備える冷却対象空間と、前記冷却対象空間に対して所定方向に沿って隣接するように配置された通気空間と、前記冷却対象空間及び前記通気空間を相互に連通させるように配置された冷却空間であって、空気の冷却を行う冷却空間とにおいて、前記冷却空間から、前記通気空間、前記冷却対象空間を順次介して前記冷却空間へと循環する空気の流れを形成することにより、前記機器の冷却を行う空調システムであって、
    前記冷却空間に配置されて前記空気の流れを形成する送風手段と、
    前記冷却対象空間と前記冷却空間との相互間の位置に配置された第一冷却手段であって、前記冷却対象空間から前記冷却空間に至る空気の冷却を行う第一冷却手段と、
    前記冷却空間と前記通気空間との相互間の位置に配置された第二冷却手段であって、前記冷却空間から前記通気空間に至る空気の冷却を行う第二冷却手段と、を備え
    前記冷却対象空間と前記冷却空間とを第一の内壁で区画すると共に、前記第一の内壁に前記第一冷却手段を配置し、
    前記通気空間と前記冷却空間とを第二の内壁で区画すると共に、前記第二の内壁に前記第二冷却手段を配置した、
    空調システム。
  2. 前記第一冷却手段と前記第二冷却手段とを、前記所定方向において重畳する位置に配置した、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記第一冷却手段と前記第二冷却手段とを、前記冷却対象空間と前記通気空間との隣接方向に沿って重畳する位置に配置した、
    請求項2に記載の空調システム。
  4. 空気を冷却するための冷媒を前記第二冷却手段に対して供給し、当該第二冷却手段にて空気と熱交換されて加熱された冷媒を、前記第一冷却手段に対して供給する冷媒供給手段を備える、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の空調システム。
  5. 前記冷却空間を、前記冷却対象空間を構成する第一側面と、前記通気空間を構成する第二側面であって、前記第一側面と面一に配置された第二側面とを相互に連通させるように配置し、
    前記機器に対して電源を供給する機器電源供給空間を、前記冷却対象空間及び前記通気空間を挟んで前記冷却空間と対向する位置に配置した、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の空調システム。
  6. 前記送風手段を制御する送風制御手段を、前記冷却空間に配置した、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の空調システム。
  7. 前記冷却空間に外気を導入する外気導入手段を備える、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の空調システム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の空調システムを単一のモジュールとして、複数のモジュールを並設した複合型空調システム。
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