JP4762464B2 - 空調システムおよび通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法 - Google Patents

空調システムおよび通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は通信機器,電算機等をはじめとする発熱密度の高い機器を搭載したラックの顕熱負荷の処理する空調システム及び当該空調システムを用いた,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばインターネットデータセンター等の通信機器室には,サーバ等の発熱機器が設置されており,単位床面積当たり500〜1000[W/m2]の顕熱負荷が生じている。サーバ等の機能を維持するには,この顕熱負荷を処理し,サーバ等の周辺空気温度を一定に保つ必要がある。
【0003】
この点に関し従来は,図15に示したように,壁際に床吹き型の空調機またはパッケージエアコン101を設置すると共に,ラックL自体は上部にファン102を有し,また下部に開口103が形成されて室R内に設置され,サーバ等の機器104はこのラックL内に搭載されている。そして,空調機またはパッケージエアコン101から二重床105の床下チャンバ106内に冷気が供給され,これをラックLの下部から吸込み,ラックLの上部から吐き出すことで,サーバ等の機器の周辺空気を冷却するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,近年サーバ等の集積密度が増加し,通信機器室の顕熱負荷密度も増加する傾向にある。従来の方法では顕熱負荷密度が増加した場合,ラックL内を通過させる風量を増加させる必要があり,その結果空調機またはパッケージエアコン101の循環風量が増加する。
【0005】
ラックL内を通過する空気は,ラックL本体とサーバ等の機器104にはさまれた流路を通過することになるが,この流路の断面積を増加させるとラックLの設置スペースが増大してしまうため,増加させることが難しい。また二重床105の高さを高くすると通信機器室Rの建設費の増大を招くため,高くすることが難しい。このため顕熱負荷密度が増加して風量が増加すると,風速が上昇し,ラックL内や二重床105内の圧損が増加する。
【0006】
ラック上部に設置するファン102の動力は,風量とラックL内の圧損の積に比例する。空調機またはパッケージエアコン101のファン動力は,風量と二重床内の圧損の積に比例する。したがって,顕熱負荷密度が一定以上になると,両ファンの消費電力が膨大なものとなり,実質上システムが成り立たなくなる。つまり従来方法では,サーバ等の機器104の集積密度の限界値が低い。
【0007】
また従来の方法では通信機器室Rの冷熱源がダウンした場合に,二重床105の床下チャンバ106内への冷気の供給が止まり,顕熱負荷処理がすぐにできなくなる。通信機器室Rは1年365日・24時間,常に機能を維持する必要があるため,空調を停止させることができない。この点に関しては,従来においても,冷熱源や空調機等に予備機を設けて,空調の全面ダウンを回避している。しかしこの方法では,顕熱負荷密度が増加するに従って予備熱源容量も膨大になり,空調設備費の上昇を招いてしまう。また空調管理者の負担も大きい。さらにまた電気代等のランニングコストも高い。
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理を,ラックに供給する冷気に頼るだけでなく,それ以外の手段で行うことにより,サーバをはじめとする各種通信機器等の集積密度の限界点を高くし,かつファンの消費電力を抑えることを目的とし,さらに通信機器室の冷熱源がダウンした場合でも顕熱負荷処理を継続し,ラック内の急激な温度上昇を抑えることによって,故障対応の時間を稼ぐことも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため,請求項1の発明によれば,床面から空調空気を吹き出す室内に設置されている,通信機器等を上下方向に搭載したラックの顕熱負荷を処理する空調システムであって,パネル本体の内部に熱媒を通流させる冷却パネルを前記ラックの側面の上部に設け,潜熱蓄熱材を有する蓄冷パネルを前記ラックの側面の下部に設けたことを特徴とする,空調システムが提供される。
【0010】
このようにラックに冷却パネルを設けると,ラックとサーバ等の機器にはさまれた流路は,ラック下部から供給される冷気が通過するだけでなく,各サーバ等の有する排気ファンの温排気も通過する。また通信機器室において採用されている二重床内は,空調用の冷気が通過する。そのためラックや例えば二重床の上下の床面の表面は,常に空気が流動する状態となっている。従ってここに設置したパネルの表面温度を,パネル近傍空気温度より下げることで,空気からパネルに熱伝達が生じ,パネル近傍空気が冷却される。このようにして,近傍空気より低温のパネルは近傍空気を冷却し,サーバからの排熱で加熱された空気を冷却することができる。また熱媒が流通する冷却パネルがラックの側面上部に設けられ,潜熱蓄熱材を有する蓄冷パネルがラックの側面下部に設けられているので,万一冷熱源がダウンした場合でも,ラックのファンやは空調機のファンが運転していれば,ラック内を流れる給気は蓄冷パネルによって冷却されるため,一定時間は,通信機器室の顕熱負荷を処理できる。
またラック側面は面積が大きい上に,ラック同士の間仕切りとして固定されている。したがって,側面に設けるのがよい。
【0015】
なお,パネル表面が結露しないように,前記熱媒の温度を制御すれば,ラックに搭載している通信機器,電算機等に水等による不測の事態を生ずるのを防止できる。制御例としては,例えば熱媒に冷水を用いる場合には,冷水供給温度を室内空気の設定露点温度より高くすることが好ましい。また熱媒に冷媒を用いる場合には,冷媒蒸発温度を室内空気の設定露点温度より高くするとよい。
【0016】
パネル近傍の空気の温度がパネル表面温度より低いと,パネルから空気に熱伝達が生ずる。蓄冷パネルは,パネル内に熱容量と熱伝導率の大きい物質を充填したもので,パネル近傍空気から得た冷熱を蓄える。充填材としては,通信機器室の空調機等の給気温度より0〜10℃高い融点を持つ,潜熱蓄熱材,例えばパラフィン,塩化カルシウム六水塩,グリセリン,アルコール類が好ましい。この蓄冷パネルは,例えば冷熱源がダウンした場合に,パネル近傍空気の冷却を継続するために使用する。
凝固点の異なった潜熱蓄熱材を使用すれば,冷熱源正常運転時の蓄放冷運転と,冷熱源異常停止時のバックアップ運転を共に可能とすることができる。
【0020】
前記ラックにおけるマウントスペースに,潜熱蓄熱材を有する蓄冷ユニットを設置してもよい。ラックが設置されている通信機器室の空調が正常な場合,蓄冷ユニットはラック内部の気流温度と等しい温度になっている。そして空調が停止するとラック内部の気流温度はだんだん上昇してくるが,蓄冷ユニットの温度は近傍空気温度より低いので,ラック内部の気流が蓄冷ユニットによって冷却される。
【0021】
この蓄冷ユニットは,ラックの下部に設けられていることが好ましい。空調運転時にはラック下部の気流温度がラック上部より低くなっており,ラック下部に設置した方が蓄冷量が多くなるためである。また空調故障時に,ラック内気流の上流側であるラック下部に蓄冷ユニットがある方が,ラック内部を均一に冷却できるからである。蓄冷ユニット自体に空気の流路が,例えば垂直方向に形成されていることが好ましい。
【0022】
蓄冷ユニットは,例えば複数の細幅形状の蓄冷材モジュールによって構成されていることが好ましい。それによって,蓄冷材とラック吸込み空気の接触面積が広くなって伝熱面積が増加し,また蓄冷材の厚みが小さくなり蓄冷材自体の断熱効果が減少するからである。蓄冷材モジュール表面にフィン・凸凹・突起等を設ければ,蓄冷材モジュールとラック内部の気流の熱交換を更に促進することができる。この場合,各蓄冷材モジュール相互間に空気の流路が形成されていることが好ましい。
【0023】
潜熱蓄熱材としては,例えばパラフィン,アルコール類,グリセリン,塩化カルシウム六水塩を用いることができる。
また蓄冷ユニットに,蓄冷パネルとは凝固点の異なった潜熱蓄熱材を使用すれば,冷熱源や空調機の異常停止時のバックアップ運転や,冷熱源正常運転時の後述の蓄放冷運転を共に可能とすることができる。
【0024】
前記したような本発明の空調システムを使用して,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷を処理する場合,ラックに供給する空気の温度を下げて潜熱蓄熱材を凝固させる工程を有すれば,例えば安価な夜間電力を使用して潜熱蓄熱材に蓄冷することができ,昼間の運転に対処することができる。
【0025】
またその後,潜熱蓄熱材が凝固した後,ラックに供給する空気の温度を上げて潜熱蓄熱材を融解させることで,蓄冷ユニットから放冷させて搭載する通信機器等を冷却することができる。こうしてラックに空調空気を供給する空調機の電力消費を昼間から夜間に移行することで電力料金を節約することが可能になる。
【0026】
またラックからの排気の温度を一定にするように,ラックに搭載するファンの回転数や運転台数を変化させてラックを通過する風量を制御することで,搭載している通信機器の周辺温度を一定に保つことが可能になる。またラック毎に顕熱負荷の大きさが異なる場合でも,全てのラックにおいて搭載している通信機器の周辺温度を一定に保つことが可能になる。また蓄冷時間中のラックの通過風量を減らしてラックに搭載するファンの消費電力を減らしたり,放冷時間中にラック通過風量を増やしてラックに供給する空気温度を高めに設定し,空調機冷熱源の運転効率を高めることが可能になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は基本となる空調システムを有する通信機器室Rの室内の様子の概要を示しており,この図示の例では室内に,通信機器等1を搭載したラックLが複数配置されている。
【0028】
ラックLの上部にはファン2が設けられ,底部には開口3が形成されている。
サーバ等の通信機器1は,ラックL内に設けられているレール(図示せず)上に固定され,多段に積層されている。通信機器室Rは,二重床構造を有しており,床面Fの下には,床下チャンバ4が形成されている。ラックLは床面Fに形成された吹出口の上に開口3が位置するように設置されている。
【0029】
通信機器室Rに隣接した機械室M内に空調機11が設置されている。この空調機11は,通信機器室R内の上部に設けられた吸込口12から回収した還気に対して処理を行い,冷却コイル等で処理した後,ファン13によって床下チャンバ4内に吹き出すように構成されている。
【0030】
そして各ラックL間の隙間の側面には,図2に示した冷却パネル21が設けられている。この冷却パネル21は,パネル本体22と,このパネル本体22の両端に設けられたフレーム23とを有している。パネル本体22は,熱伝導率の良好な材質,例えばアルミニウムからなる。またパネル本体22の前面,後面の各表面には,図3にも示したように,水平方向の溝23aが上下に並んで設けられ,表面積の増大が図られている。この溝23aに代えて,もちろんフィン,凹凸,突起等を設けてもよい。
【0031】
パネル本体22内には,図4に示したように,鋼管,アルミ管からなる熱媒を流通させる流路24が配管されている。第1の実施の形態では,熱媒として冷媒,例えばR407Cを使用している。そして流路24におけるパネル本体22の入口には,膨張弁25が設けられている。
【0032】
流路24は,フレーム23からパネル本体22に対して出入りするようになっており,膨張弁25に通ずる入口管26と,出口管27は,各々対応する通信機器室Rに配管されている冷媒往管28a,冷媒還管28bからなる冷媒管28に接続されている。
【0033】
冷媒管28は,室外に設置されているコンデンシングユニット29に通じており,パネル本体22での熱交換によって昇温した冷媒は,出口管27,冷媒還管28bからコンデンシングユニット29に送られて降温され,その後冷媒往管28a,入口管26を通じて,膨張弁25によってパネル本体22内の流路24に通流するようになっている。
【0034】
前記空調システムは以上の構成を有しているので,通信機器室の顕熱負荷の一部を冷却パネル21に処理させることができ,サーバ等の発熱機器1が高密度に集積した通信機器室Rでも支障無く空調できる。またそのように,通信機器室R内に設置されているラックLの顕熱負荷の一部が冷却パネル21に処理されているから,空調機11によって床下チャンバ4内に供給する冷気の風量を減らし,ラックLと空調機11等のファンやラックLのファン2の動力を節約できる。
【0035】
発明者らのシミュレーションによれば,顕熱負荷密度3[kW/m2]の通信機器室において,空調機11からの給気温度を15℃,排気温度を40℃とした場合の試算によれば,ラックL側面に冷却パネル(15℃)を設置した場合,従来方法の約50%の風量が削減できることがわかった。
【0036】
また前記空調システムと従来の温度分布を見ると,ラックL内は上部が約40℃,下部が約15℃となり,サーバ等の通信機器1周辺の気温は大体同じであったが,両者の風速分布図を見ると,従来方法では本実施の形態よりも,ラック上部のファンの吹出し口付近と,床下チャンバの風速が大きいことがわかった。またラックと通信機器にはさまれた流路の風速も大きく,下部の開口付近では渦が生じていた。したがって,本実施の形態による方法は,従来方法より風量は少ないが,温度分布では同等の性能を有することが分かった。
【0037】
また観点を変えれば,そのようにラックLの顕熱負荷の一部が冷却パネル21によって処理されるので,従来と比較するとラックLに搭載できる通信機器等の台数を増加させることができ,搭載する機器の集積密度を向上させることが可能である。
【0038】
また例えば,パネル表面温度,冷媒温度,パネル近傍空気の温度を測定し,その測定結果に基づいて,流路24内を流れる冷媒の蒸発温度を,通信機器室Rの室内空気露点温度よりも高く制御することで,パネル本体22表面に結露が発生することを防止できる。
【0039】
前記空調システムにおいては,冷却パネル21の流路24を流れる熱媒として冷媒を採用したが,これに代えて取り扱いが容易な冷水を用いてもよい。その場合には,冷媒管に代えて冷水管を室内に配管し,膨張弁25に代えて流量調整弁,例えば,電導二方弁を使用すればよい。
【0040】
図5に示した実施の形態においては,そのように熱媒として冷水を使用する冷却パネル41をラックL間の側面に設置している。したがって,通信機器室Rには,冷水往管42と冷水還管43が配管されており,これら冷水往管42と冷水還管43はチラー44に接続されている。
【0041】
さらに本実施の形態では,ラックL間の側面の上部には,前記冷却パネル41を設け,側面下部には,図6に示した蓄冷パネル51を設けている。この蓄冷パネル51は,外観構成は,前記冷却パネル21,41と同一であり,パネル本体52の前面,後面には溝52aが多数形成されている。そして内部には流路は形成されておらず,空調機11の給気温度より5〜10℃高い融点を持つ潜熱蓄熱材53が充填されている。
【0042】
そのようにラックLの側面上部に冷却パネル41,側面下部に蓄冷パネル51を設置した場合には,万一冷熱源がダウンした場合でも,ラックLのファン2または空調機11のファン13が運転していれば,ラックL内を流れる給気は蓄冷パネル51によって冷却されるため,一定時間は,通信機器室Rの顕熱負荷を処理できる。
【0043】
またさらにラックLのファン2や空調機11のファン13が停止しても,サーバ等の通信機器1には小型のファンが搭載されているので,図7に示したように,ラックLと冷却パネル41,蓄冷パネル51との間に挟まれた空間の空気を動かし,ある程度の時間,サーバ等の通信機器1の周辺温度は急激には高くならず,しばらく支障無く稼働させることができ,すぐにシステム全体がダウンすることを防止できる。
【0044】
しかも蓄冷パネル51自体に可動部はないので故障の可能性はほとんど無く,一度設置してしまえば保守管理の必要が無い。
【0045】
さらにまた,前記第1,2の実施の形態において,二重床の床面Fや床下チャンバの床面(下層の床面)に,図8に示した蓄冷パネル61を設置してもよい。この蓄冷パネル61は,表面は平坦で裏面にはフィン62が設けられている。そしてパネル本体63内には,潜熱蓄熱材64が充填されている構成である。
【0046】
かかる構成の蓄冷パネル61を二重床の床面Fや床下チャンバの床面(下層の床面)に設置することで,床下チャンバ内を流れる給気を冷却することができ,冷熱源がダウンした場合でも,床下チャンバ内を流れる給気を一定時間冷却することができるので,故障の対応までの時間をより稼ぐことが可能である。
【0047】
次に他の実施の形態について説明する。なお同一部材等については同一符号を用いて個々の説明は省略している。この実施の形態では,ラックLの下部に蓄冷ユニット71を搭載している。蓄冷ユニット71は,図9,図10に示したように,全体として直方体の形状をなし,ラックL内に搭載可能な外形を有している。なお図10(a)は,蓄冷ユニット71の平面図,(b)は同側面図,(c)は,同一部拡大横断面図である。
【0048】
蓄冷ユニット71自体は,複数の細幅形状の蓄冷材モジュール72を横に並べた構成を有している。各蓄冷材モジュール72相互間には隙間が形成されている。蓄冷材モジュール72は,例えば適宜のフレーム材にビス止めするなどして,全体として1個の蓄冷ユニットを構成することができる。各蓄冷材モジュール72の内部には,潜熱蓄熱材73が充填されている。また各蓄冷材モジュール72の表面には,フィン74が設けられている。
【0049】
蓄冷ユニット71をラックLに搭載するにあたっては,適宜のアングル状の支持材(図示せず)をラックL内の両側に取り付けて,その上に載置したり,あるいは搭載する通信機器等1の外形と同一の形状とすることで,通信機器等1の搭載と全く同様な搭載の方法を採ることができる。
【0050】
例えばラックLは図11に示したように,サーバ等の機器を載置するためのマウントスペースを有している。これはパネルマウントフレーム75に重量用サポートアングル76と前面板77とをビス78によってビス止めしてなる空間であり,その上にサーバ等を載せるようになっている。そして前面板77のビス78を外せば,サーバ等が手前に引き出せるようになっている。このマウントスペースを,蓄冷ユニット71の設置空間として利用すれば,特に最下部のマウントスペースを利用すると,設備の改変を必要とせずに好適にサーバ等の冷却効果が得られる。図11は蓄冷ユニット71を搭載したときの平面の様子を示している。
【0051】
なお図9に示した例では,図5に示した例と同様,冷却パネル21と蓄冷パネル51も併用している。なお冷却パネル21はコンデンシングユニット29から冷水管75(往管,還管の別は省略している)を通じて循環される冷却水で冷却されるものを使用している。
【0052】
以上の構成にかかるラックLを使用すれば,床下チャンバ4からの空調空気によって蓄冷ユニット71及び蓄冷パネル51が冷却され,各々の潜熱蓄熱材73,53に蓄冷される。また蓄冷ユニット71と蓄冷パネル51の凝固点をずらすことで,蓄冷ユニット71は夜間蓄冷及び昼間放冷用,蓄冷パネル51は冷熱源ダウン時のバックアップ用(あるいはその逆の用い方も可)として使用することができる。冷熱源が正常運転している場合は,蓄冷ユニット71や蓄冷パネル51によって空調機の電力消費を昼間から夜間に移行して電気代を節約することが可能である。
【0053】
万一冷熱源がダウンした場合は,ラックLのファン2または空調機11のファン13が運転していれば,ラックL内を流れる給気は蓄冷パネル51や蓄冷ユニット71によって冷却されるため,一定時間は,通信機器室Rの顕熱負荷を処理できる。また給気の上流側であるラックLの下部に蓄冷ユニット71が設けられているので,ラックL内部を均一に冷却することが可能である。
【0054】
前記実施の形態(図9の例)では,ラックLの下部に蓄冷ユニット71,側面上部に冷却水によって冷却されるタイプの冷却パネル21,側面下部に蓄冷パネルを用いていたが,図12に示したように,ラックLの下部に通信機器等1と同様の形状を有する蓄冷ユニット81を搭載し,ラックLの側面にコンデンシングユニット29の冷媒によって冷却されるタイプの冷却パネル21を設け,さらに床下チャンバ7の内部の床面,すなわち二重床下面に床用の蓄冷パネル61を設置するようにしてもよい。
【0055】
かかる図12の例によっても,蓄冷ユニット71及び蓄冷パネル61が空調空気によって冷却され,潜熱蓄熱材73,64が蓄冷される。そして蓄冷ユニット81と蓄冷パネル61の潜熱蓄熱材に凝固点が異なったものを使用することで,図9に示した例と同様に,冷熱源正常運転時の蓄放冷運転と冷熱源異常停止時のバックアップ運転が共に可能となる。
【0056】
次にそのような蓄冷ユニットのみを有するラックが設置されている通信機器室Rの運転例について説明する。蓄冷ユニットの蓄冷材モジュールに充填されている潜熱蓄熱材は,凝固点約16℃,融解点約20℃のものである。そして22時から8時まで蓄冷運転,8時から16時まで放冷運転をした場合の,各種温度と冷却熱量の時間変化計算例を図13,図14に示した。図13は,ラックの入口温度等の時間の変化を示し,図14は,空調機と蓄冷ユニットの冷却熱量の時間変化を示している。
【0057】
この運転例では,蓄冷運転の間に蓄冷材の温度が凝固点を下回り,潜熱蓄熱材が凝固している。このとき空調機の冷却熱量は大きくなっているが,夜間電力を使用できるため,電気代はその分割安になっている。そしてその後8時から放冷運転が開始されるが,蓄冷ユニット71から放冷されているので,空調機11の冷却熱量は低くなっており,消費電力が少なくて済む。したがって,24時間通して考慮すると,全体として電気代が節約できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理を冷却パネルや蓄冷パネル,蓄冷ユニット等が一部処理することができるので,サーバ等の高発熱機器の集積密度の限界を高め,かつ空調機のファンの消費電力を抑えることができる。また空調機の電力消費を昼間から夜間に移行することで,電気代を節約することができる。さらにまた通信機器室の冷熱源がダウンした場合に顕熱負荷処理を一定時間継続して,故障対応の時間を稼ぐことで,冷熱予備機容量を減らし,空調管理者の負担を軽減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基本となる空調システムが適用された通信機器室の概略を示す説明図である。
【図2】 図1の空調システムに使用した冷却パネルの斜視図である。
【図3】図2の冷却パネルの側面図である。
【図4】図2の冷却パネルの流路を模式的に示した説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態にかかる空調システムが適用された通信機器室の概略を示す説明図である。
【図6】蓄冷パネルの側面断面図である。
【図7】ラックのファンが停止して通信機器に内蔵されている小型ファンによるラック内の気流の様子を示した斜視図である。
【図8】床用の蓄冷パネルの側面断面図である。
【図9】 蓄例ユニットを有する例が適用された通信機器室の概略を示す説明図である。
【図10】蓄冷ユニットの図であり,(a)は平面図,(b)は側面図,(c)は一部拡大横断面図である。
【図11】ラックのマウントスペースに蓄冷ユニットを搭載した際の平面図である。
【図12】 蓄冷パネルを二重床下面に設置した通信機器室の概略を示す説明図である。
【図13】放冷運転をした場合の,ラック入口温度等の時間変化を示すグラフである。
【図14】放冷運転をした場合の,空調機と蓄冷ユニットの冷却熱量の時間変化を示すグラフである。
【図15】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1 通信機器
2 ファン
3 開口
4 床下チャンバ
11 空調機
21 冷却パネル
22 パネル本体
25 膨張弁
28 冷媒管
29 コンデンシングユニット
51,61 蓄冷パネル
71 蓄冷ユニット
F 床面
L ラック

Claims (7)

  1. 床面から空調空気を吹き出す室内に設置されている,通信機器等を上下方向に搭載したラックの顕熱負荷を処理する空調システムであって,
    パネル本体の内部に熱媒を通流させる冷却パネルを前記ラックの側面の上部に設け,
    潜熱蓄熱材を有する蓄冷パネルを前記ラックの側面の下部に設けたことを特徴とする,空調システム。
  2. 前記ラックにおけるマウントスペースに,潜熱蓄熱材を有する蓄冷ユニットを設置したことを特徴とする,請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記蓄冷ユニットは,複数の細幅形状の蓄冷材モジュールによって構成されていることを特徴とする,請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記蓄冷ユニットは,前記蓄冷パネルとは,凝固点の異なった潜熱蓄熱材を有することを特徴とする,請求項2または3に記載の空調システム
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の空調システムを用いて,通信機器等を上下方向に搭載したラックの顕熱負荷を処理する方法であって,
    前記空調空気の温度を下げて潜熱蓄熱材を凝固させる工程を有することを特徴とする,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。
  6. 潜熱蓄熱材が凝固した後,空調空気の温度を上げ,潜熱蓄熱材を融解させる工程を有することを特徴とする,請求項5に記載の通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。
  7. 空調空気の温度を変化させる場合,ラックから排気の温度を一定にするように,各ラックに搭載するファンの回転数又は運転台数を変化させてラックを通過する風量を制御することを特徴とする,請求項5又は6に記載の通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。
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