JP2014047962A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ラック列11間にホットアイル12Aが形成される部屋20を冷却する冷媒自然循環式の空調システムにおいて、ホットアイル12Aの上部を覆うように配置され、冷媒液を蒸発させることによりホットアイル12Aの熱を冷却する複数の採熱器1と、部屋20の外部において採熱器1よりも高所に設置され、採熱器1からの冷媒ガスを冷却液化させる互いに独立した複数の排熱器5と、を備え、少なくとも一つの採熱器1に対して一つの排熱器5が配置されており、採熱器1および排熱器5は、内部に冷媒が通流する熱交換器4,6と、熱交換器3,6に空気を通流させる送風ファン4,7とを有して構成されている。
【選択図】図1
Description
近年、空調システムとしては、冷房に使用する電力消費量の削減のため、中間期や冬期の冷涼な外気を直接導入して冷房を行う外気冷房(直接外気冷房空調システム)が注目されている。
この空調システムは、室内の蒸発器と、この蒸発器よりも高所に設けられた冷却塔とを冷媒管で接続してなる冷媒の循環ラインを備え、冷却塔において外気と散水による放熱とにより冷媒を冷却して蒸発器で気化した冷媒を凝縮し液化している。そして、この空調システムは、循環ラインと並列に、冷媒を強制循環するための冷凍機および熱交換器を有しており、外気温度条件に応じてこれらを切り替えて利用している。
この空調システムでは、蒸発器と冷却塔を含む冷媒の循環ラインの冷却能力の不足分を冷凍機および熱交換器で補足することができる。
また、特許文献1では、循環ラインに冷凍機および熱交換器が接続された構成であるため、補機類の数が多くなり、エネルギ消費量(電力消費量)を減らす効果が損なわれ易い。
ここで、「互いに独立した複数の排熱器」とは、各排熱器に対して、建物に備わる他の排熱器に至る配管や他の空調機等に至る配管が接続されておらず、各排熱器が、他の排熱器や空調機等から独立しているものであることをいう。
なお、外気を部屋内に導入しないので、外気に塵埃や塩分等が含まれていたとしても発熱機器に影響が及ばない。
なお、外気温度の低い時間帯や環境下で運転する場合、外気温度の低い中間期や冬期に運転する場合には、採熱器と排熱器との温度差を確保し易くなるので、部屋外の排熱器の送風ファンの風量を下げたり、運転を停止したりしても排熱器において好適に冷媒ガスを凝縮することが可能である。したがって、より一層、省エネルギ化が可能となる。
この空調システムによれば、採熱器からの冷媒ガスが冷媒配管を通じて排熱器にスムーズに上昇し、排熱器に導入される。また、排熱器で冷却液化された冷媒液が冷媒配管を通じて採熱器にスムーズに下降し、採熱器に導入される。したがって、採熱器と排熱器との間において冷媒のスムーズな自然循環が実現される。
床21は、二重床であり、床下空間22を有している。
これにより、コールドアイル13A〜13C内の空気は、ラックRの内部を通過してホットアイル12A,12Bに抜けるようになっている。
コールドアイル13A〜13Cに面する床21には、コールドアイル13A〜13Cと床下空間22とを連通する複数の吹出口23が形成されている。吹出口23は、図1に示すように、ラック列11の各ラックRに個別に対応して各ラックRの正面側近傍に開口形成されている。
空調機30の天板には、吸込口31が形成されており、この吸込口31を通じて部屋20内の空気が空調機30内に吸い込まれる。なお、吸込口31は天板に形成されているので、部屋20内の主として上部空間の空気を吸い込むことが可能である。
また、空調機30の底板には、吐出口32が形成されている。この吐出口32は、床21に形成された開口部24を通じて床下空間22に連通している。これにより、吐出口32および開口部24を通じて床下空間22に冷却された空気を供給することができる。
なお、空調機30は、部屋20の壁25を隔てて隣接する機械室等に配置して、ダクト等により吸い込みおよび吹き出しを行うようにしてもよい。
なお、空調機30は、床下空間22に冷却された空気を供給するものに限られることはなく、空調機30の側面や部屋20の壁25に設けた吹出口から、部屋20内に直接吹き出されるようにしてもよい。
採熱器1は、図2に示すように、ホットアイル12A,12Bの上部を覆うように配置され、冷媒液を蒸発させることによりホットアイルの熱を冷却する。採熱器1は、支持部材2を介してラック列11の上端部に支持されており、複数の採熱器1によって各ホットアイル12A,12Bの上部全体を略隙間なく覆っている。本実施形態では、ラック列11を構成する6個のラックRに個別に対応するように、1列のラック列11につき6個、各ホットアイル12A,12Bの上部にそれぞれ12個の採熱器1が配置されている。各採熱器1は、ラック列11の対向する方向およびラック列11の列方向において、隣接するもの同士が連結されている。つまり、各採熱器1を連結するだけでホットアイル12A,12Bの上部を覆うパッキング部材(蓋)が形成されることとなる。
なお、図2では示さないが、ホットアイル12A,12Bの側部開口を壁材等でパッキングして、ホットアイル12A,12Bを閉じられた空間としてもよい。
このような送風ファン4は、コントローラ8(図3参照)により風量がコントロールされるように構成されている。
排熱器5は、部屋20の外部において採熱器1の直上に配置されており、略ストレートな冷媒配管9A,9Bによって採熱器1に接続されている。なお、図1において、冷媒配管9Aは、折れ曲がり部分を有して表したが、直管によって構成することもできる。
排熱器5は、図3に示すように、熱交換器6および送風ファン7を備える。なお、図1,図2においては送風ファン7を省略している。
熱交換器6には、冷媒配管9Bを介して採熱器1によりガス化された冷媒(冷媒ガス)が導入され、熱交換器3の外側には外気が流れる。これにより、熱交換器6を流れる冷媒ガスが外気と熱交換して冷却液化(ミスト化)される。
送風ファン7は、コントローラ8(図3参照)により風量がコントロールされるように構成されている。
なお、複数の採熱器1を一つの排熱器5に接続して、外気の通流により複数の採熱器1からの冷媒ガスを一つの排熱器5で集約して冷却液化させるように構成してもよい。この場合にも、従来技術にあるような冷凍機等(冷却塔等)の余分な設備を、採熱器1、排熱器5に繋げることなく空調システムを構成することができる。つまり、建物に備わる他の排熱器に至る配管や空調機30等(その他の空調機を含む)に至る配管を各排熱器5に接続することなく、各排熱器5を、他の排熱器や空調機30等から独立して構成することができる。
また、温度センサ3aの検出値が基準値に比べて高い場合には、冷却能力が不足していると判断して排熱器5の送風ファン7の回転数を上げるとともに、採熱器1の送風ファン4の回転数を上げる。
中間期や冬期において、外気温度が低い場合には、空調機30を停止させて、冷媒自然循環式の空調システムにより部屋20の冷房を行う。
すなわち、排熱器5で冷却液化された冷媒が冷媒配管9Aを自然に落下して部屋20内の採熱器1に送られると、熱交換器3によってホットアイル12A(12B)を上昇してきた排熱空気と冷媒とが熱交換され、熱交換器3内で冷媒がガス化される。この熱交換によって、ホットアイル12A(12B)の排熱空気が冷却される。
これにより、採熱器1を通じて天井25に向けて吹き出された空気が天井25をまわって空調機30の吸込口31に吸い込まれ、空調機30により冷やされた冷却空気が、吐出口32および開口部24から床下空間22に供給される。床下空間22に供給された冷却空気は、床21の吹出口23からコールドアイル13A〜13Cにそれぞれ供給され、各ラック列11の各ラックRに供給される。
なお、外気を部屋20内に導入しないので、外気に塵埃や塩分等が含まれていたとしてもサーバ等に影響が及ばない。
なお、外気温度の低い時間帯や環境下で運転する場合、あるいは外気温度の低い中間期や冬期に運転する場合には、採熱器1と排熱器5との温度差を確保し易くなるので、部屋20外の排熱器5の送風ファン7の風量を下げたり運転を停止したりしても排熱器5において好適に冷媒ガスを凝縮することが可能である。したがって、より一層、省エネルギ化が可能となる。
なお、「採熱器1の直上」というときには、採熱器1と排熱器5との間において冷媒のスムーズな自然循環が行われる範囲で、採熱器1の直上から水平方向の少し離れた位置に排熱器5が配置される構成も含まれる。
また、部屋20内の空調機30に、天井25へ向けて吹き出された空気を送ることも可能である。これにより空調機30による冷房のエネルギ消費量を低減することが可能である。
また、温度センサ3aの検出値に基づいて(または排熱器5における冷媒の温度に基づいて)、熱交換器3,6に通流する冷媒量をコントローラ8で制御するように構成してもよい。
3 熱交換器
3a 温度センサ
4 送風ファン
5 排熱器
6 熱交換器
7 送風ファン
8 コントローラ
11 ラック列
12A ホットアイル
12B ホットアイル
20 部屋
22 床下空間
25 天井
30 空調機
R ラック
Claims (5)
- 発熱機器を収容するラック列が間隔を置いて配置され、前記ラック列間にホットアイルが形成される部屋を冷却する冷媒自然循環式の空調システムにおいて、
前記ホットアイルの上部を覆うように配置され、冷媒液を蒸発させることによりホットアイルの熱を冷却する複数の採熱器と、
前記部屋の外部において前記採熱器よりも高所に設置され、前記採熱器からの冷媒ガスを冷却液化させる互いに独立した複数の排熱器と、を備え、
少なくとも一つの前記採熱器に対して一つの前記排熱器が配置されており、
前記採熱器および前記排熱器は、内部に冷媒が通流する熱交換器と、前記熱交換器に空気を通流させる送風ファンとを有して構成されていることを特徴とする空調システム。 - 前記排熱器は、前記採熱器の直上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
- 前記採熱器を通過した空気は、前記送風ファンによって前記部屋の天井へ向けて吹き出されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空調システム。
- 前記部屋内に設置され、前記採熱器から吹き出された空気を吸い込み、これを冷却して前記部屋の床下に設けられた床下空間に吹き出す空調機を備え、
前記ラック列のコールドアイルには、前記床下空間に連通する吹出口が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空調システム。 - 前記送風ファンによる送風量をコントロールするコントローラと、前記熱交換器に通流する冷媒の温度を検出する温度センサと、を備え、
前記コントローラは、前記温度センサによる冷媒の温度の検出値に基づいて、前記送風ファンによる送風量のコントロール、および前記熱交換器に通流する冷媒量のコントロールを行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空調システム。
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