JP5263840B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、情報処理機器を収容する複数のラックが配置された空調対象室の温度を管理するための空調システムに関する。
近年の情報通信技術の急速な進展に伴って、大規模なデータセンタなどが建設されている。このようなデータセンタでは、様々な機能を提供するサーバー装置やネットワークを構築するための通信機器といった情報処理機器を収容する複数のラックが整列配置される。
データセンタ内に配置される情報処理機器を安定して動作させるために、データセンタ内は常に機器動作に適した温度に維持管理される。一方で、このようなデータセンタでは、温度の維持管理のために空調機器を連続動作させる必要があり、これに伴って、比較的多くの電力が消費される。
そのため、情報処理機器を確実に冷却するとともに、より効率的に冷却を行なうことで消費電力を低減させるための構成が提案されている。
たとえば、特開2002−61911号公報(特許文献1)には、空気循環方式で高密度電算機室の冷房運転を実施するにあたり、循環風量を低減すると共に、冷凍機による冷媒使用量を低減するための電算機室の冷房方法が開示されている。より具体的には、特許文献1に開示される電算機室の冷房方法では、電算機室において、空調機からの空調空気が給気ダクトを通じて低速で床下から吹き出される構成が開示されている。
また、特開2004−184070号公報(特許文献2)には、機器を十分に冷却することができるとともに省エネルギーにも貢献する機器収納用ラックなどが開示されている。より具体的には、特許文献2には、床下に内部空間を有する通路と、該通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面または背面に廃熱を排気する機器収容用ラック群と、空気調和装置とを備える構成が開示されている。
また、特開2005−260148号公報(特許文献3)には、機器を十分に冷却することができるとともに省エネルギーにも貢献する電算機室用空調システムなどが開示されている。より具体的には、特許文献3には、機器が収容され、前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラックに、上面または背面から排出された空気の前面側への回り込みを阻止する回り込み防止装置が設けられた構成が開示されている。
特開2002−61911号公報 特開2004−184070号公報 特開2005−260148号公報
上述した特許文献1〜3に開示される空調システムは、いずれも、空調対象室を冷却するための空調空気(冷気)をラックが配置されている床下(床下空間)から吹き出すように構成されている。
しかしながら、床下空間を通じて空調空気を空調対象室へ吹き出す場合には、空調機と床下空間との間の開口部で発生する圧力損失が大きく、より多くのファン動力が必要であった。また、開口部近傍に位置する床開口は、床下での動圧(風速)が大きくなるため、空調対象室へ空調空気が給気されにくい、あるいは、空調対象室へ給気された空調空気が床下へ逆流するという場合もあった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、空調空気を空調対象室へ供給するために必要な空調機構の動力を低減可能な空調システムを提供することである。
本発明のある局面に従えば、情報処理機器を収容する複数のラックが配置された空調対象室の温度を管理するための空調システムを提供する。空調システムは、複数のラックの給気面と接する第1の空間と、複数のラックの排気面と接する第2の空間とを区画するための区画部と、第1の空間へ空調空気を供給するための空調機構と、第2の空間から廃熱空気を排出するための還気機構と、空調対象室の第1の空間内の側壁面に設けられた、空調機構からの空調空気を吹き出すための吹出口とを含む。複数のラックは、排気面同士が対向するように隣接して配置された一対のラック群の単位で構成されており、区画部は、一対のラック群の各々についての排気面側に位置する空間を、空調対象室の他の空間から区切るように構成されており、吹出口は、空調空気を一対のラック群の延びる方向に吹き出すような位置に設けられ、側壁面において吹出口が占める幅の合計値がラック群を当該側壁面へ投影して生じる幅の合計値より大きくなるように構成される。
好ましくは、吹出口は、対向する一対の側壁面にそれぞれ設けられる。
好ましくは、空調機構は、複数の吹出口にそれぞれ対応付けて配置された複数のユニットを含む。複数のユニットの各々は、熱交換器と、熱交換器と熱交換させるための空気流を発生する少なくとも1つのファンとを含み、熱交換器に供給される冷媒は、空調対象室の露点温度より高い温度に維持される。
さらに好ましくは、空調システムは、複数のラック内の情報処理機器での消費電力を検出する消費電力検出手段と、複数のラックから排出される廃熱空気の温度を検出する温度検出手段と、消費電力検出手段によって検出される消費電力および温度検出手段によって検出される温度に基づいて、第1の空間へ供給する空調空気の必要空調量を算出する手段と、算出された必要空調量に基づいて、複数のユニットが稼動すべき状態を決定する手段と、決定されたが稼動すべき状態に従って、複数のユニットの運転/停止を制御する制御手段とをさらに含む。
さらに好ましくは、制御手段は、各ユニットの累積稼動期間が平準化されるように、算出された稼動させる必要のあるユニットの数の条件下で、複数のユニットの運転/停止を制御する。
好ましくは、ファン通過面積の合計が吹出口の開口の面積の50%以上となるように、少なくとも1つのファンが配置される。
本発明によれば、空調機構が第1の空間へ空調空気を直接的に供給する構造を採用するため、従来の構造のような空調機から床下空間への開口部、および、床下空間から空調対象室への床面開口部での圧力損失が生じない。これにより、空調空気を供給するためのファン動力が少なくて済み、空調空気を空調対象室へ供給するために必要な空調機構の動力を低減できる。
本実施の形態に従う空調システムを示す全体斜視図である。 図1に示すサーバールームの平面図である。 図2のIII−III線矢印方向から見た断面図である。 図2のIV−IV線矢印方向から見た断面図である。 図1に示す視点ViewVからみた吹出口周辺の透視斜視図である。 図5のVI−VI線矢印方向から見た断面図である。 本実施の形態に従う空調システムを構成する冷却ユニットの模式図である。 図7に示すドライコイルユニットの構造図である。 本実施の形態に従う空調システムにより冷却されるラックの断面構造を示す図である。 図9に示すラックの前面扉および背面板の構造を示す図である。 本発明の実施の形態に従う空調システムの制御構造に係るブロック図である。 本実施の形態に従うホットアイルにおける温度センサの配置位置を示す図である。 図11に示す制御部に保持されるデータテーブルを示す模式図である。 本実施の形態に従う空調システムで提供される冷却ユニットの運転制御に係る処理手順を示すフローチャートである。 図14のステップS13に示す運転変更判断サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 本実施の形態に関連する比較例のシステム構成を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[A.概要]
本実施の形態に従う空調システムは、従来のような空調対象室の床下から空調空気を供給するような構成ではなく、空調対象室の側壁面に設けた吹出口から空調空気を供給する構成を採用する。これにより、床下に空調空気を輸送するための空間を設ける必要がない。以下、本実施の形態に従う空調システムをサーバールームに適用した具体例について説明する。
[B.全体構成]
図1は、本実施の形態に従う空調システムSYSを示す全体斜視図である。図2は、図1に示すサーバールームの平面図である。図3は、図2のIII−III線矢印方向から見た断面図である。図4は、図2のIV−IV線矢印方向から見た断面図である。
図1を参照して、本実施の形態に従う空調システムSYSは、二次側部分100と、熱源部分200とからなる。二次側部分100は、温度を管理すべき空調対象室であるサーバールーム1をはじめとして、空調空気を発生する機構などを含む。熱源部分200は、二次側部分100で空調空気を発生するために利用される冷媒を供給するとともに、空調空気の発生に利用されて温度が上昇した冷媒を再生する。以下、各部分について詳述する。
(b1.二次側部分100)
図1〜図4に示すように、本実施の形態に従う空調システムSYSにより温度の管理が行なわれる空調対象室であるサーバールーム1には、複数のラック4が整列配置される。ラック4の各々には、業務サーバー、データサーバー、Webサーバーといった各種のサーバー装置(典型的には、ブレードタイプの機器)や、ルータやスイッチングハブといった通信機器などの情報処理機器が収容される。
サーバールーム1の側壁面2には、サーバールーム1内に空調空気18を吹き出すための複数の吹出口3が設けられる。本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、吹出口3は、サーバールーム1内において対向する一対の側壁面2にそれぞれ設けられる。そして、吹出口3の各々に対応付けて、冷却ユニット10が複数配置される。なお、冷却ユニット10の設置台数は、冗長性を持たせるために、サーバールーム1の熱負荷量に対して十分に余裕をもつように決められる。
この冷却ユニット10は、サーバールーム1へ空調空気18を供給するための空調機構の一部である。より具体的には、冷却ユニット10の各々は、熱交換器13(図3)と、熱交換器13と熱交換させるための空気流を発生する少なくとも1つのファン16(図3)とを含むドライコイルユニットからなる。冷却ユニット10の各々で生成される空調空気18は、対応する吹出口3からサーバールーム1へ供給される。冷却ユニット10の詳細な構造については後述する。
図2に示すように、サーバールーム1の紙面上下側には、空調機器室7がそれぞれ設けられる。冷却ユニット10は、空調機器室7内に配置される。この空調機器室7についても区画された空間である。
ラック4の各々は、その内部に収容する情報処理機器を冷却するために空調空気18(冷気)を吸い込むための給気口と、その内部に収容する情報処理機器の冷却に使用された後の廃熱空気(熱気)を放出するための排気口とを含む。すなわち、図4に示すように、空調システムSYSが供給する空調空気18は、ラック4の各々の給気口が設けられている面(以下、「給気面」とも称す。)からラック4内に流入し、情報処理機器との間で熱交換される。そして、廃熱空気となった空調空気18は、排気口が設けられている面(以下、「排気面」とも称す。)からラック4の外へ排出される。
図1および図2に示すように、サーバールーム1においては、隣接して一連に配置された複数のラック4からなる集合体(以下、「ラック群」とも称す。)が複数配置される。この複数のラック群は、2つ(一対)のラック群の単位(組)で構成される。図1に示す例では、手前側に4組のラック群が配置され、奥側に3組のラック群が配置される例(合計、7組のラック群)を示す。もちろん、本実施の形態に従う空調システムSYSは、どのようなラック配列であっても適用できる。すなわち、ラック群に含まれるラック数、および、ラック群の数は、必要に応じて任意に変更できる。
各組のラック群は、各ラック群に含まれるラック4の排気面同士が対向するように隣接して配置される。そのため、各組のラック群で挟まれる各空間においては、両側に位置するラック4からの廃熱空気が集まることになる。ここで、吹出口3は、冷却ユニット10で発生した空調空気18をラック群の延びる方向(長手方向)に吹き出すような位置に配置される。
本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、各組のラック群において、ラック4の給気面と接する空間(第1の空間)と、ラック4の排気面と接する空間(第2の空間)とを区画する。すなわち、ラック4の給気面と接する空間(第1の空間)には、冷却ユニット10から供給される空調空気18(冷気)が主として存在し、ラック4の排気面と接する空間(第2の空間)には、各ラック4から排気される廃熱空気が主として存在するように区画する。前者の冷却ユニット10から供給される空調空気18(冷気)が主として存在する空間を「コールドアイル」と称し、後者の各ラック4から排気される廃熱空気が主として存在する空間を「ホットアイル」と称する。
このようなコールドアイルとホットアイルとは、各組のラック群の外周を取り囲むように配置された遮蔽板5を用いて区画される。すなわち、区画部である遮蔽板5は、各組のラック群についての排気面側に位置する空間を、空調対象室であるサーバールーム1の他の空間から区切るように構成される。
コールドアイルとホットアイルとの区画には、ラック4の筐体の一部が利用される。すなわち、遮蔽板5は、各組のラック群と天井との間の空間に、各組のラック群の外周を取り囲むように設けられる。また、対向するラック群により挟まれた空間を遮蔽するために、遮蔽板5の一部として、各組のラック群の長手方向における両端に、それぞれ遮蔽扉が設けられる。ホットアイル側からラック4をメンテナンスするために、ユーザのホットアイル内へ立ち入りができるように、この遮蔽扉は開閉自在に取り付けられる(詳細については図示していない)。
ホットアイルには、ラック4から排出される廃熱空気を排出するための還気機構が設けられる。具体的には、ホットアイルの天井面には、廃熱空気を輸送するための還気チャンバ8が設けられており、この共通の還気チャンバ8と各ホットアイルとを連通するための吸込口81(図1、図3および図4参照)が設けられる。吸込口81には、ホットアイルに滞留する廃熱空気を強制排気するためのファンを設けてもよい。
なお、図1においては、理解を容易にするために、各ラック群の上部を異なる高さで切った場合の透視図で表示する。すなわち、手前側に配置された4組のラック群については、その最上部に設けられる吸込口81付近の構造を図示し、奥側に配置された3組のラック群については、各ラック群から連続する遮蔽板5付近の構造を図示する。しかしながら、実際の全体構造は、すべてのラック群について実質的に同一とされる。
このように、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、サーバールーム1の空間に対して、コールドアイルを主体的に設定するとともに、ホットアイルを局所的に設定する。これにより、空調空気の給気機構をよりフレキシブルに構成することができるとともに、廃熱空気を効率的に収集することができる。
図4に示すように、ラック4の排気面(ホットアイル側)には、ラック4内での熱負荷状態を評価するために、複数の温度センサ46が配置される。この温度センサ46は、ラック4から排出される廃熱空気の温度を検出する温度検出手段である。また、後述するように、ラック4内の情報処理機器での消費電力を検出する消費電力検出手段である電流センサ47も配置される。本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、これらの複数の温度センサ46および電流センサ47により検出された結果に基づいて、コールドアイルへ供給される空調空気の必要風量が算出される。そして、この算出された必要風量の大きさに応じて、冷却ユニット10の運転が最適化される。この冷却ユニット10の運転ロジックについては、後述する。
(b2.熱源部分200)
熱源部分200は、二次側部分100の冷却ユニット10による空調空気の発生に必要な冷媒を供給するとともに、冷却ユニット10で空調空気の発生後の冷媒を再冷却する。二次側部分100の冷却ユニット10と熱源部分200とは、配管242,244,218,224で連結される。
なお、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、冷媒として水を採用する。これは、後述するように、冷却ユニット10において結露が生じないように、冷却ユニット10に供給される冷媒は、サーバールーム1の露点温度(すなわち、結露の発生する温度)より高い温度に維持される。このように、冷却ユニット10において結露が生じない程度まで冷媒温度を高めた状態でチラー220を運転できる。そのため、より効率を高めて、消費電力のより少ない運転を行なうことができる。そのため、チラー220を長期間にわたって連続運転することも可能となる。もちろん、他の冷媒、典型的には、アンモニア、炭化水素、二酸化炭素、フロン類などを用いることもできる。
熱源部分200は、二次側部分100の冷却ユニット10からリターンされる冷媒を輸送するためのリターン配管242と、二次側部分100の冷却ユニット10へ供給する冷媒を輸送するための送出配管244とを通じて、二次側部分100と接続される。さらに、熱源部分200は、冷媒を予冷するための機構として、ラジエター210およびチラー220を含む。これらの冷媒冷却機構は、リターン配管242を統合するリタンヘッダ212の後段側に配置される。すなわち、ラジエター210がリタンヘッダ212からつながる配管218の前段に介挿されるとともに、ラジエター210をバイパスするためのバイパス弁216がラジエター210と並列に接続される。そして、複数のチラー220がラジエター210の後段の配管218に介挿される。
また、配管218の前段には、冷媒の流量を検出するための流量計236が設けられている。
ラジエター210は、冷媒を外気と触れさせて熱交換を行なう機器であり、冬期などの冷媒温度に比較して外気温度が低い場合に、冷媒の保有する熱を大気中に放散させる。すなわち、ラジエター210は、冷凍機を使用しない、いわゆるフリークーリングを行なう。なお、冷媒と外気との接触は直接的であってもよいし、間接的であってもよい。
また、夏期などの冷媒温度に比較して外気温度が高い場合には、ラジエター210では冷媒を冷却することができないので、冷媒がラジエター210をバイパスするように、バイパス弁216が開状態にされる。
特に、本実施の形態においては、吸込口81(図1、図3および図4参照)を通じて、ホットアイルから廃熱空気が重点的に還気されるため、冷媒温度を高めた状態であっても廃熱空気を有効に冷却できる。
チラー220は、リターンされた冷媒を冷却する。冷媒の保有する熱量(サーバールーム1から回収された熱量)の大きさに応じて、能力を変更できるように、複数台のチラー220を並列に接続することが好ましい。また、万が一の故障に備えて、少なくとも1台の予備機を用意しておくことが好ましく、そのため、空調システムSYSにおいては、複数台のチラー220を配置することが一般的である。なお、チラー220としては、サーバールーム1での発熱量に応じた能力を有するものであれば、どのようなタイプのものであってもよい。たとえば、冷却方式として、空冷式および水冷式のいずれを採用してもよい。
それぞれのチラー220で冷却された冷媒は、出側配管224を通じてサプライヘッダ214へ出力される。冷媒は、サプライヘッダ214から、サーバールーム1の一方の側壁面に沿って配置された冷却ユニット10および他方の側壁面に配置された冷却ユニット10へそれぞれ輸送される。
リタンヘッダ212およびサプライヘッダ214には、冷媒温度を検出するための温度センサ232および234がそれぞれ設けられている。これらの温度センサ232および234により検出されたそれぞれの冷媒温度、ならびに、流量計236により検出された冷媒流量に基づいて、チラー220の運転台数などが制御される。すなわち、熱源部分200においては、温度センサ234によって検出されるサプライヘッダ214における冷媒温度(冷却ユニット10へ供給される冷媒の温度)が目標値に維持されるように、チラー220および/またはラジエター210の運転台数/能力が制御される。この冷却ユニット10へ供給される冷媒は、空調対象室であるサーバールーム1の露点温度より高い温度に設定される。一例として、冷却ユニット10へ供給される冷媒温度の目標値は13〜15℃に設定される。また、温度センサ232によって検出されるリタンヘッダ212における冷媒温度と温度センサ234によって検出されるサプライヘッダ214における冷媒温度との差、ならびに、ならびに、流量計236により検出された冷媒流量に基づいて、サーバールーム1における熱負荷量が算出され、チラー220の運転台数/能力が制御される。
[C.側壁面吹出口]
次に、サーバールーム1の側壁面2に設けられた吹出口3について説明する。
図5は、図1に示す視点ViewVからみた吹出口3周辺の透視斜視図である。図6は、図5のVI−VI線矢印方向から見た断面図である。
図5を参照して、側壁面2に設けられた吹出口3は、吹き出した空調空気がラック群の延びる方向(長手方向)を向くように構成されており、その前面には、格子状の吹出枠が設けられる。それにより、吹出口3からは、空調空気がラック群の手前側(紙面左側)から奥側(紙面右側)へ吐出される。
特に、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、側壁面2における吹出口3が占める面積を可能な限り大きくなるように設計される。これは、より広い吹出面積を確保することで、必要な空調空気量の供給量を実現するための吹出速度を低減することができるためである。すなわち、より低い吹出速度で空調空気を供給すればよいので、送風効率の高いファンを採用することができるとともに、空調空気の送風に要する電力を低減できる。さらに、より低い吹出速度を採用することで、吹出口3の近傍での動圧の影響を低減できる。その結果、動圧の影響を抑制するために設けられる、動圧静圧変換の拡散板(いわゆる、じゃま板)を設ける必要がない。そのため、構造が簡素化されて省スペースが実現されるとともに、吹き出しに係る圧力損失を低減して、空調空気の送風に要する電力を低減できる。
より具体的には、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、側壁面2において吹出口3が占める幅の合計値がラック群を側壁面2へ投影して生じる幅の合計値より大きくなるように構成される。一例として、図6に示すように、一対のラック群(2列分のラック群)毎に1つの吹出口3が側壁面2に設けられている場合を考える(図2に示すラック配列を)。このとき、側壁面2において各吹出口3が示す幅をAとし、一対のラック群を側壁面2へ投影して生じる幅の合計値を2B(B+B)とする。このとき、吹出口3の幅A>投影像400の合計幅2Bとなるような吹出口3が設けられる。
また、吹出口3の高さについてみれば、ラック4のほぼ全体を覆うような長さが好ましい。少なくとも、ラック4が有する高さの60%以上の範囲から空調空気を吹き出すことが好ましい。
図2に示すように、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、サーバールーム1のうち、コールドアイルがより多くの空間を占める。そして、このコールドアイルに吹出口3から空調空気が供給される。そのため、また、吹出口3の面積についてみれば、吹出口3が形成される側壁面2の全体面積の50%以上を吹出口3が占めるようにすることが好ましい。別の見方をすれば、吹出口3の面積は、ラック群を側壁面2へ投影して生じる面積(投影像400)とほぼ同様の面積を有することが好ましい。
また、空調空気の吹出口3からの吹出速度は、1.0〜2.0m/secとすることが好ましい。
[D.冷却ユニット]
次に、冷却ユニット10について説明する。
図7は、本実施の形態に従う空調システムSYSを構成する冷却ユニット10の模式図である。図8は、図7に示すドライコイルユニット12の構造図である。
図7を参照して、各吹出口3に対応付けて配置される冷却ユニット10は、複数のドライコイルユニット12を含む。図7には、一例として、4個のドライコイルユニット12が2個×2個の格子状に配置される構成を示す。
図8に示すように、各ドライコイルユニット12は、熱交換器13と、熱交換器13と熱交換させるための空気流を発生する少なくとも1つのファン16(図8に示す例では、2個×2列の計4個)とを含む。ファン16の回転により生じる空気流との間で熱の移動を生じる熱交換器13は、冷媒供給口14および冷媒排出口15を含む。熱源部分200から供給される冷媒は、冷媒供給口14から注入され、熱交換器13のラジエター部分を通過した後、冷媒排出口15から排出される。ファン16は、回転平面に対して所定角度のブレードを有する羽を回転させる軸流ファンである。ファン16として、プラグファンを採用することもできる。
なお、熱交換器13の前段またはファン16の後段に、ダストなどを捕捉するためのフィルタを設けてもよい。
特に、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、可能な限り大きな面積の吹出口3を側壁面2に設けるとともに、吹出口3からの空調空気の吹出速度は可能な限り低いことが好ましい。そのため、図7に示すように、冷却ユニット10に含まれるファン16の通過面積(ファン16が回転することで空気流を生じる断面積)19の合計が吹出口3の開口面積の50%以上となるようにすることが好ましい。このように、吹出口3の開口面積に対して、通過面積が相対的に大きな割合を有するように複数のファン16を配置することで、吹出口3の全体から空調空気を吐出させることができるとともに、吹出口3の吹出断面内での偏りなどを低減できる。
上述したように、熱源部分200は、冷却ユニット10において結露が生じないような一定温度の冷媒を冷却ユニットへ供給するように制御される。そのため、各冷却ユニット10による空調空気の生成能力(冷却能力)は、ファン16の回転速度を変更することで調整される。そこで、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、ファン16を変速制御可能な構成が採用される。典型的には、ファン16と連結されたモータが変速制御される。なお、変速制御には、インバータなどのVVVF(Variable Voltage Variable Frequency)装置が採用される。
[E.ラック構造]
次に、ラック4内での空調空気の流れについて説明する。
図9は、本実施の形態に従う空調システムSYSにより冷却されるラック4の断面構造を示す図である。図10は、図9に示すラック4の前面扉41および背面板42の構造を示す図である。
図9を参照して、ラック4の内部には、情報処理機器DEVを収容するための複数の棚48が設けられる。また、ラック4の底部には、情報処理機器DEVに接続される通信ケーブルを配線ピットへ案内するためのケーブル取込用開口44が形成されている。また、このケーブル取込用開口44は、ラック4に取り付けられる温度センサ46(図2参照)などのセンサケーブルの案内に利用してもよい。
ラック4の上面には、ラック4内からの廃熱空気(熱気)を放出するための天板排出口43が形成されている。この天板排出口43には、異物がラック4内に落ち込まないように金網あるいはルーバーが設けられている。
図10に示すように、給気面に相当するラック4の前面扉41、および、排気面に相当するラック4の背面板42には、幅の狭いルーバーブレード(羽根状板)45が横方向に一定の間隔および一定の角度で複数枚取り付けられたルーバー状の構造が採用される。図9および図10には、ルーバーブレード45の取り付け角度を破線で示す。
前面扉41側のルーバーブレード45は、コールドアイルに存在する空調空気(冷気)を効率的に取込むために、ラック4の外側から内側に向けて上向きに傾斜がつけられており、空調空気の取込みの際には下側から上側に向けて空調空気が吹き上がる構造となっている。一方、背面板42側のルーバーブレード45は、ラック4の内部で発生する廃熱空気(熱気)を効率的に放出するために、ラック4の内側から外側に向けて上向きに傾斜がつけられており、廃熱空気の放出の際には下側から上側に廃熱空気が立ち昇る構造になっている。
また、ルーバーブレード45には、格子状に多数のパンチング開口が形成され、パンチング開口を介してラック4の内部を視認可能にされている。このため、ラック4の内部に収容された情報処理機器DEVのインジケータランプ等をラック外部から容易に確認できる。なお、パンチング開口のサイズは、ラック外部からボールペン等の棒状の異物が入らない程度の小さなサイズである。なお、ルーバーブレード45は、曲面を持たせた形状としてもよい。
このように、前面扉41部分に案内された空調空気は、ルーバーブレード45により整流されてラック4の内部の棚48に搭載された情報処理機器DEVへとスムーズに誘引される。ラック4の内部で情報処理機器DEVを冷却した後の廃熱空気は、背面板42に設けられたルーバーブレード45により整流されてラック4の背面から排気される。あるいは、また、ラック4の上部に形成された天板排出口43から排出される。
ラック4の上部は、遮蔽板5によりコールドアイルとは区画されており、かつ、遮蔽板5が取り囲む空間であるホットアイルには吸込口81が設けられているため、ラック4から排出される廃熱空気は、吸込口81を通じて速やかに還気チャンバ8により収集される。
以上により、ラック4内に空調空気が容易に誘引され、またラック4から廃熱空気が容易に排出されるため、ラック4内の情報処理機器DEVに対して効率的な冷却を行なうことができる。
[F.制御ロジック]
次に、冷却ユニット10の運転制御を行なうための制御ロジックについて説明する。冷却ユニット10の運転制御は、主として、図1に示すコントローラ9によって実行される。
コントローラ9は、温度センサ46や電流センサ47などからのフィールド情報を受けて、冷却ユニット10などに対して、制御指令を与える。すなわち、コントローラ9は、サーバールーム1内に設けられた冷却ユニット10などと配線接続される。また、コントローラ9は、各ラック群に取り付けられた各温度センサ46および各電流センサ47と配線接続される。
コントローラ9は、典型的には、近傍機械室内に別途設けた制御盤に収容される。これに代えて、建物内の別フロアに設置された監視装置でコントローラ9を構成してもよい。あるいは、コントローラ9をいずれかのラック4内に収容してもよい。さらにあるいは、複数の冷却ユニット10のいずれかに付随して搭載された制御装置によりコントローラ9を構成してもよい。典型的には、コントローラ9は、格納されたプログラムに従って処理を実行するマイクロコンピュータを含む。
本実施の形態に従う空調システムSYSに含まれるコントローラ9は、主として、以下の2つの機能を有する。
(1)コールドアイルへ供給する空調空気の必要風量の算出およびそれに基づく冷却ユニットが稼動すべき状態の決定
(2)決定された稼動すべき状態に従って冷却ユニット10の送風量(回転数)および運転/停止の制御
すなわち、本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、ラック4内での熱負荷量などに応じて、空調空気の供給量(風量)を可変させる。これにより、ラック4内で発生する熱量に比較して供給される空調空気が不足して温度上昇を招くといった事態を回避することができるとともに、ラック4内で発生する熱量に比較して過剰な空調空気を供給して消費電力が過大になるといった事態を回避できる。
さらに、空調システムSYSにおいては、空調空気の供給量(風量)を可変させる構成として、ホットスタンバイモードとコールドスタンバイモードとを切換えることが可能である。ここで、ホットスタンバイモードとは、設置されている冷却ユニット10のすべてが、その最大供給能力より少ない供給量で運転されており、仮に、ある冷却ユニット10が故障したとしても、残りの冷却ユニット10からの空調空気の供給量を増加させることで、サーバールーム1の温度管理を継続できるモードである。一方、コールドスタンバイモードとは、設置されている冷却ユニット10のうち一部の冷却ユニット10のみが運転されており、残りの冷却ユニット10は停止している状態である。そして、仮に、ある冷却ユニット10が故障すると、停止状態の冷却ユニット10の運転を再開し、サーバールーム1の温度管理を継続する。
特に、本実施の形態に従う空調システムSYSでは、コールドスタンバイモードが選択された場合には、冷却ユニット10の累積稼動期間が平準化されるように、空調空気を供給するために必要な冷却ユニット10の数に応じて、冷却ユニット10の運転/停止を制御する。
なお、空調空気の送風温度を制御することもできる。
以下、これらの機能の詳細について説明する。
(f1.制御構造)
図11は、本発明の実施の形態に従う空調システムSYSの制御構造に係るブロック図である。
図11を参照して、コントローラ9は、制御部92とデータ入力部94とを含む。制御部92は、各冷却ユニット10のファン回転数および運転/停止を制御する。データ入力部94は、電流センサ47の検出値が入力される電流データ入力部96と、温度センサ46の検出値が入力される温度データ入力部98とを含む。
温度データ入力部98には、図示しない温度センサにより検出された給気温度および還気温度の検出値が入力される。
制御部92は、サーバールーム1全体の必要空調量を算出し、その算出結果に基づいて複数の冷却ユニット10からの空調空気の供給量などを制御する。より具体的には、制御部92は、ラック4内に収容された情報処理機器DEVでの消費電力、および、ラック4から排出される廃熱空気の温度を検出し、これらの検出結果に基づいて、サーバールーム1全体の必要空調量を算出する。より具体的には、各ラック群には、ラック群から排出される廃熱空気の温度を検出する温度センサ46、および、収容された情報処理機器の消費電力を算出するための電流センサ47が取り付けられており、これらのセンサによる検出値から、一対のラック群で囲まれるホットアイル毎に必要空調量が算出される。そして、各組のラック群に対応するホットアイル毎に算出された必要空調量の総和を求め、さらに、所定の補償値を加算した値をサーバールーム1全体の必要空調量とする。この補償値は、吹出口3から供給される空調空気が各ホットアイルを構成するラック4の廃熱のアンバランスを考慮した余裕を含む成分である。
なお、図1に示すように、温度センサ234で検出されるサプライヘッダ214における冷媒温度(冷却ユニット10へ供給される冷媒の温度)と温度センサ232で検出されるリタンヘッダ212における冷媒温度(冷却ユニット10からリターンされる冷媒の温度)との差ならびに冷媒流量に基づいて、サーバールーム1内の熱負荷量を算出し、その算出した熱負荷量から必要空調量を算出してもよい。
上述したように、制御部92は、ホットスタンバイモードとコールドスタンバイモードとを切換えることが可能である。制御部92は、いずれのスタンバイモードが選択されているかに応じて、それぞれ以下のような処理を実行する。
ホットスタンバイモードにおいては、制御部92は、サーバールーム1全体の必要空調量を算出した後、算出した必要空調量に応じて、各冷却ユニット10が分担すべき供給空調量を決定する。そして、制御部92は、各冷却ユニット10に対して、決定された吹出風量となるように、ファンを駆動するインバータ(図示しない)を制御する。
コールドスタンバイモードにおいては、制御部92は、サーバールーム1全体の必要空調量を算出した後、算出した必要空調量と、現在運転されている冷却ユニット10により供給可能な最大の供給空調量とを比較する。そして、最大の供給空調量が必要空調量に満たない場合、必要空調量を満足させることのできる台数の冷却ユニット10を新たに運転する。逆に必要空調量に対して所定のしきい値を超える過剰な空調量が供給されている場合、供給空調量と必要空調量との差がしきい値以下となる台数の冷却ユニット10の運転を停止する。
制御部92は、冷却ユニット10の運転を開始し、あるいは、冷却ユニット10を停止する場合に、各冷却ユニット10の累積稼動時間が平準化されるように、運転あるいは停止させるべき冷却ユニット10を選択する。このようなロジックを採用することで、各冷却ユニット10による空調負荷を分散させることができる。なお、コントローラ9は、内蔵するメモリ内に、各冷却ユニット10の累積稼動時間を保持している。
上述のように、いずれのスタンバイモードにおいても、制御部92は、算出された必要空調量に基づいて、冷却ユニット10が稼動すべき状態を決定し、決定されたが稼動すべき状態に従って、冷却ユニット10の運転/停止を制御する。
(f2.温度センサおよび電流センサ)
次に、温度センサ46および電流センサ47について説明する。
図12は、本実施の形態に従うホットアイルにおける温度センサの配置位置を示す図である。特に、図12(a)は、ラック群の長手方向における温度センサ46の取り付け位置を示し、図12(b)は、ラック群の短手方向における温度センサ46の取り付け位置を示す。図13は、図11に示す制御部92に保持されるデータテーブルを示す模式図である。
図12(a)および図12(b)に示されるように、複数のラック4が隣接して一連に配置されたラック群の各々においては、所定間隔(たとえば、3メートル)毎に、温度センサ46が、ラック4の上部空間(遮蔽板5の高さ位置)、ラック4の上段、および、ラック4の下段にそれぞれ配置される。図12においては、配置位置に対応させて、温度センサ46.H、温度センサ46.M、温度センサ46.Lとそれぞれ記す。これらの温度センサは、ホットアイル側に取り付けられることが好ましい。
なお、図12(a)には、3台のラック4ごとに1組の温度センサ46を取り付ける例を示すが、温度センサ46の取り付け間隔は任意に変更できる。たとえば、すべてのラック4に温度センサ46を取り付けてもよい。また、上下方向における温度センサ46の取り付け位置についても任意に変更できる。たとえば、ラック4の中段位置のみに温度センサ46を取り付けてもよい。逆に、より多くの検出ポイントに温度センサ46を取り付けてもよい。また、温度センサ46はラック4の内部に取り付けてもよい。
たとえば、コントローラ9は、それぞれの温度センサ46を[TH1,TM1,TL1],[TH2,TM2,TL2],…,[THn,TMn,TLn]として、ラック群の別にその検出値を識別する。また、ホットアイルを形成する一対のラック群を一括して、各組のラック群を[1L,1R],[2L,2R],…[3L,3R]として識別する。
コントローラ9は、それぞれのラック群に取り付けられた温度センサ46および電流センサ47からの検出値を図13に示すようなデータテーブルに保持する。なお、図13に示すようなデータテーブルは、コントローラ9が有するメモリ内に構成される。さらに、コントローラ9は、所定の更新条件が満たされるたびに、温度センサ46および電流センサ47からの検出値を更新する。このように保持されるデータに基づいて、それぞれの冷却ユニット10が稼動すべき状態を決定し、決定されたが稼動すべき状態に従って、冷却ユニット10の回転数および運転/停止を制御する。
電流センサ47は、各ラック4への電力の供給形態に応じて、適切な位置に取り付けられる。たとえば、サーバールーム1の共通の電源盤からそれぞれのラック4へ独立して配線がされる場合には、当該それぞれの配線上に電流センサ47が取り付けられる。この場合には、情報処理機器DEVでの消費電力をラック別に検出することができる。あるいは、ラック群の別に電源部を設ける場合には、各電源部の出力側に電流センサ47が取り付けられる。この場合には、情報処理機器DEVでの消費電力をラック群の別に検出することができる。
(f3.処理手順)
図14は、本実施の形態に従う空調システムSYSで提供される冷却ユニット10の運転制御に係る処理手順を示すフローチャートである。図15は、図14のステップS13に示す運転変更判断サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。図14および図15に示す各ステップは、典型的には、コントローラ9がプログラムを実行することで提供される。
図14を参照して、コントローラ9は、それぞれの温度センサ46から温度検出値を取得する(ステップS1)。続いて、コントローラ9は、それぞれの電流センサ47から電流検出値を取得する(ステップS2)。コントローラ9は、取得した温度検出値および電流検出値を、ラック群の別に図13に示すようなデータテーブルに格納する。
続いて、コントローラ9は、温度センサ46および電流センサ47から取得されたいずれかの検出値が所定の異常判定値を超えているか否かを判断する(ステップS3)。異常判定値を超える検出値があると判断された場合(ステップS3においてYESの場合)には、コントローラ9は、異常判定値を超える検出値に対応するセンサを特定して、警報信号を出力する(ステップS4)。この警報信号に応じて、コントローラ9などに設けられた警報ランプが点灯したり、警報音が発生したりする。あるいは、コントローラ9からの警報信号は、コントローラ9と有線また無線で接続された他の監視装置等に対して出力される。
続いて、コントローラ9は、取得された温度センサ46からの温度検出値に基づいて、ホットアイルを構成する一対のラック群の別に、代表温度を算出する(ステップS5)。代表温度は、各ホットアイルの熱負荷状態を示すものである。一例として、コントローラ9は、同一のホットアイルに属するそれぞれの温度センサ46からの温度検出値に対して対応する重み係数を乗じ、重み係数を乗じて得られるそれぞれの値の総和を計算することで算出される。なお、それぞれの温度センサ46に対応付けられる重み係数は、各ラック4に収容されている情報処理機器DEVでの消費電力の大きさなどを考慮して、予め、サーバールーム1の管理者が任意に設定することができる。さらに、コントローラ9は、取得された電流検出値に基づいて、ホットアイルを構成する一対のラック群の別に、情報処理機器での消費電力を算出する(ステップS6)。
さらに、コントローラ9は、ステップS5において算出した代表温度、ステップS6において算出した消費電力、およびコールドアイルの空間サイズ(体積)に基づいて、ホットアイルを構成する一対のラック群の別に、必要空調量が算出される(ステップS7)。そして、コントローラ9は、ステップS7において算出した一対のラック群毎の必要空調量についての総和を算出して、冷却ユニット10からの吹出風量のトータル要求風量QDCUを算出する(ステップS8)。
続いて、コントローラ9は、現在選択されているスタンバイモードを判断する(ステップS9)。
ホットスタンバイモードが選択されている場合(ステップS9において「ホットスタンバイ」)に、コントローラ9は、ステップS8において算出されたトータル要求風量QDCUを冷却ユニット10の運転台数で除算することで、各冷却ユニット10が分担すべき空調風量qDCUを算出する(ステップS10)。そして、コントローラ9は、ステップS10において算出した空調風量qDCUに応じた速度でファン16が回転するようにファン16を駆動するインバータに速度制御指令を与える(ステップS11)。
これに対して、コールドスタンバイモードが選択されている場合(ステップS9において「コールドスタンバイ」)に、コントローラ9は、ステップS8において算出されたトータル要求風量QDCUを冷却ユニット10単体での最大空調風量qDCU_maxで除算することで、トータル要求風量QDCUの空調空気を提供するために冷却ユニット10の必要運転台数を算出する(ステップS12)。続いて、コントローラ9は、運転変更判断サブルーチンを実行することで、運転する冷却ユニット10を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS13)。後述するように、ステップS13に示す運転変更判断サブルーチンを実行することで、運転対象の冷却ユニット10が決定される。続いて、コントローラ9は、ステップS8において算出されたトータル要求風量QDCUを運転対象として決定された冷却ユニット10の台数で除算することで、運転されるべき各冷却ユニット10が分担すべき空調風量qDCUを算出する(ステップS14)。そして、コントローラ9は、ステップS13において起動対象に決定された冷却ユニット10に対応するインバータに運転開始指令を与えるとともに、ステップS13において停止対象に決定された冷却ユニット10に対応するインバータに運転停止指令を与える(ステップS15)。さらに、コントローラ9は、ステップS14において算出した空調風量qDCUに応じた速度でファン16が回転するようにファン16を駆動するインバータに速度制御指令を与える(ステップS16)。
たとえば、トータル要求風量QDCUの空調空気を提供するために冷却ユニット10の必要運転台数が6台で、冷却ユニット10の現在の運転台数が5台である場合には、停止中の冷却ユニット10のうちの1つに対して運転開始指令が与えられる。また、トータル要求風量QDCUの空調空気を提供するために冷却ユニット10の必要運転台数が5台で、冷却ユニット10の現在の運転台数が6台である場合には、運転中の冷却ユニット10のうちの1つに対して運転停止指令が与えられる。
次に、ステップS13において実行される運転変更判断サブルーチンでの処理内容について説明する。
図15を参照して、コントローラ9は、冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数に満たないか否かを判断する(S131)。
冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数に満たない場合(ステップS131においてYESの場合)には、コントローラ9は、内蔵のメモリに保持している各冷却ユニット10の累積稼動時間を参照して、停止中の冷却ユニット10のうちで累積稼動時間が最も短いものから優先的に、起動対象として選択する(ステップS132)。たとえば、新たに2台の冷却ユニット10を起動する必要がある場合には、現在停止中の冷却ユニット10のうちで最も累積稼動時間が短いものと、その次に稼動時間が短いものとが起動対象として選択される。そして、処理は図14のステップS14にリターンする。
これに対して、冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数を満たしている場合(ステップS131においてNOの場合)には、冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数を超えているか否かを判断する(ステップS133)。
冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数を超えている場合(ステップS133においてYESの場合)には、コントローラ9は、運転中の冷却ユニット10のうちで累積稼動時間が最も長いものから優先的に、停止対象として選択する(S134)。たとえば、新たに2台の冷却ユニット10を停止する必要がある場合には、現在運転中の冷却ユニット10のうちで最も累積稼動時間が長いものと、その次に稼動時間が長いものとが停止対象として選択される。そして、処理は図14のステップS14にリターンする。
ステップS133においてNOと判断された場合、すなわち、冷却ユニット10の現在の運転台数がステップS12において算出された冷却ユニット10の必要運転台数と一致している場合には、現在運転中の冷却ユニット10のうちで所定の最大連続稼動時間を超えて運転している冷却ユニット10が存在するか否かを判断する(ステップS135)。たとえば、サーバールーム1全体の必要空調量が長期に亘って変化しないような場合には、ステップS131およびS133の判断処理のみでは、運転/停止させる冷却ユニット10の入れ替えが生じない。そのため、冷却ユニット10の間での累積稼動時間に偏りが生じるおそれがある。そこで、ステップS25においては、このような場合でも、冷却ユニット10の間での累積稼動時間に偏りが生じないように、予め定められた時間を越えて連続運転している冷却ユニット10を停止させる。
現在運転中の冷却ユニット10のうちで所定の最大連続稼動時間を超えて運転している冷却ユニット10が存在する場合(ステップS135においてYESの場合)には、コントローラ9は、該当する冷却ユニット10を停止対象として選択する(ステップS136)。続いて、停止対象として選択した冷却ユニット10に代えて、停止中の冷却ユニット10のうちで累積稼動時間が最も短いものから優先的に、起動対象として選択する(ステップS137)。そして、図14のステップS14にリターンする。
現在運転中の冷却ユニット10のうちで所定の最大連続稼動時間を超えて運転している冷却ユニット10が存在しない場合(ステップS135においてNOの場合)には、ステップS136およびS137の処理をスキップして、図14のステップS14にリターンする。
なお、必要運転台数が頻繁に変更されることが明らかな場合には、ステップS135〜S137の処理を省いてもよい。
また、上述のフローチャートには図示していないが、コントローラ9は、各冷却ユニット10の累積稼動時間を計時する。すなわち、コントローラ9は、周期的に各冷却ユニット10の運転状態を判断するとともに、運転中の冷却ユニット10については、対応する累積稼動時間を随時更新する。コントローラ9は、冷却ユニット10が運転状態から停止状態に変更されると、対応する累積稼動時間の計時を停止する。
この累積稼動時間は、典型的には、冷却ユニット10が設置されてからの累積時間とされるが、冷却ユニット10に対するメンテナンス等が行なわれた場合には、対応する累積稼動時間をリセット(ゼロクリア)するようにしてもよい。また、ユーザがコントローラ9に対して所定のリセット操作をすることによって、任意の冷却ユニット10に対応する累積稼動時間がリセットされるようにしてもよい。さらに、所定周期が経過する毎に、コントローラ9がすべての冷却ユニット10の累積稼動時間をリセットするようにしてもよい。この所定周期は、たとえば、1日、1ヶ月、1年などのように、任意に設定できるようにしてもよい。つまり、本実施の形態における累積稼動時間は、サーバールーム1に対して新たに冷却ユニット10を設置したときを基準として計時される時間に限られるものではない。
なお、図14および図15に示す処理は、所定周期でサイクリックに実行される場合が一般的である。但し、温度センサ46または電流センサ47からの検出値の絶対値または変動量が所定のしきい値を超えたことをトリガーとして、イベント的に実行するようにしてもよい。
[G.変形例]
上述したような、コールドスタンバイモードにおける冷却ユニット10の累積稼動時間を平準化する他の手法として、以下のような手法を採用してもよい。
(A) 現在の運転台数が必要運転台数と一致するか否かに関わらず、一定時間が経過する毎に、運転する冷却ユニット10を予め定めた順序で切換える。運転台数を変動させる必要が生じたときにも、予め定めた優先順序で起動あるいは停止する冷却ユニット10を選択する。このような手法を採用した場合には、コントローラ9は、累積稼動時間を計時する必要がない。
(B) 現在の運転台数が必要稼動台数と一致するか否かに関わらず、運転中の冷却ユニット10の各々について連続稼動時間を計時し、連続稼動時間が一定時間に達した冷却ユニット10を停止するとともにその連続稼動時間のデータをリセットする。そして、停止中の冷却ユニット10を再稼働させるとその冷却ユニット10についての連続稼動時間の計時を新たに開始する。運転台数を変動させる必要が生じたときには、予め定めた優先順序で起動あるいは停止する冷却ユニット10を選択する。このような手法を採用した場合、コントローラ9には、累積稼動時間ではなく、連続稼動時間が記憶される。
また、各冷却ユニット10の累積稼動時間が平準化されるように、起動あるいは停止する冷却ユニット10を選択するのではなく、各冷却ユニット10の累積稼動時間の割合が予め定めた割合になるように、起動あるいは停止する冷却ユニット10を選択するようにしてもよい。たとえば、3つの冷却ユニットA,B,Cについて、累積稼動時間の割合を1:2:3としたい場合には、事前にその割合をコントローラ9に割合設定値として記憶させておく。そして、運転台数を変動させる必要が生じる毎に、それまでの冷却ユニットA,B,Cの累積稼動時間の割合を算出し、算出結果と割合設定値とを比較して、運転あるいは停止させる冷却ユニット10をコントローラ9が選択するようにしてもよい。これにより、たとえば、省エネ効果の高い高性能のある冷却ユニット10を他の冷却ユニット10よりも優先的に運転することが可能となる。
[H.作用効果]
次に、上述した本実施の形態に従う空調システムSYSにおける作用効果を列挙する。
(h1)空調空気の送風に要する電力の低減
本実施の形態に従う空調システムSYSにおいては、処理対象室の側壁面に比較的大きな空調空気の吹出口3を設けることができる。すなわち、吹出口3の吹出面積が相対的に大きくなるので、処理対象室の温度管理(本質的には、ラック4に収容される情報処理機器の冷却)を行なうために必要な空調空気を確保するための、吹出速度を高める必要がない。
そのため、多翼ファン(シロッコファン)や後向きファン(ターボファン)のような吐出圧の相対的に高い送風機を採用する必要がなく、それに代えて、軸流ファンやプラグファンなどの送風効率の高いファン(具体的には、換気扇のような圧力扇)を採用することができる。この結果、空調空気の送風に要する電力を低減することができる。また、このようなファンは寸法的にも小型化できるので、省スペース化を実現できる。
さらに、空調空気の吹出速度を低い値に抑えることで動圧の影響(典型的には、空調空気の吐出圧が相対的に高い場合に、イジェクターのような効果が生じて、吹出口を設けても空調空気は吹き出されず、逆に吸い込まれるような現象が生じること)を低減できる。
従来の構成においては、空調空気の吐出速度が高い場合には、上述のような動圧の影響の影響を低減するために、動圧静圧変換の拡散板(いわゆる、じゃま板)を設けていた。これに対して、本実施の形態においては、吐出口の付近にこのような拡散板を設ける必要がないので、構造が簡素化されて省スペース化を実現できるとともに、空調空気の吹き出しに係る圧力損失を低減して、空調空気の送風に要する電力を低減できる。
さらに、処理対象室の側壁面の吹出口3から空調空気を供給するので、従来の床下から空調空気を供給する場合のように、エルボなどの風向変更部位や床面の吹出口が存在しないので、局所的な圧力損失をより低減できる。これにより、空調空気の送風に要する電力をさらに低減できる。
また、空調空気の送風に係るロスを低減することにより、送風機動力ロス(熱ロス)を減らすことができ、それによって、熱源部分200において冷媒を再生するための動力(冷凍サイクルに要する電力)を低減できる。
(h2)空調のための床下空間の廃止
本実施の形態においては、一対のラック群をそれぞれの排気面同士が対向するように配置するとともに、当該一対のラック群の外周を取り囲むように遮蔽板5を配置して、ラック4の排気面から放出される廃熱空気を滞留させるためのホットアイルとして区画する。その一方で、空調対象室(たとえば、サーバールーム1)のその他の空間は、空調空気を蓄えるためのコールドアイルとして区画される。このようにホットアイルを局所化することで、コールドアイルとしての空間を相対的に大きくできる。
このように、処理対象室におけるコールドアイルの割合を大きくすることで、処理対象室の側壁面に比較的大きな空調空気の吹出口3を設けることができる。その結果、従来の床下から空調空気を吹き出すような構成を採用する必要がない。すなわち、空調空気を発生するための冷却ユニット10などの空調機をラック4の配置床レベルと同一の床レベルに配置することができる。したがって、従来の構成のように、ラック4を配置する床面より下側に、空調空気の発生および輸送のための空間を設ける必要がない。併せて、従来の構成のように、ラック4を配置する床面に多数の吹出口を設ける必要もない。
その結果、本実施の形態に従う空調システムSYSをいずれかの空調対象室に適用する際に要する施工工数を低減することができる。
(h3)熱源部分200における冷凍サイクルに要する電力低減
本実施の形態に従う空調システムSYSが適用されるサーバールーム1などでは、一般的なオフィスなどとは異なり、季節性の熱負荷量の変動は少ない。すなわち、サーバールーム1に侵入する熱の季節的な変動量(たとえば、夏と冬との間の気温差などに依存)に比較して、サーバールーム1に配置されるラック4に収容される情報処理機器からの熱負荷量が大きい。言い換えれば、空調対象室に対する外気の影響は相対的に低い。
そのため、空調空気に必要な冷熱が大きく変動しないため、サーバールーム1の露点温度(すなわち、結露の発生する温度)より高い温度をもつ冷媒を熱源部分200から冷却ユニット10へ供給することで済む。すなわち、熱源部分200から供給する冷媒の温度を相対的に高くできる。その結果、熱源部分200で実行される冷凍サイクルの運転効率を高めることができる。
また、冷媒の供給温度を相対的に高くできるので、冬期などの外気温度が低い場合には、冷媒の保有する熱を大気中に放散させる(フリークーリング)だけで冷凍サイクルの運転をアシストできる。このフリークーリングによって、熱源部分200の冷凍サイクルに要する動力を低減できる。
(h4)廃熱空気の効率的な排出
本実施の形態においては、一対のラック群をそれぞれの排気面同士が対向するように配置するとともに、当該一対のラック群の外周を取り囲むように遮蔽板5を配置して、ラック4の排気面から放出される廃熱空気を滞留させるためのホットアイルとして区画する。すなわち、廃熱空気を局所的に集めた上で、共通の還気チャンバ8を通じて循環させる。
そのため、廃熱空気の還気機構を小型化できるとともに、廃熱空気の還気に要する動力を低減することができる。
(h5)吹出風量制御による運転最適化
本実施の形態においては、熱源部分200から冷却ユニット10へ供給される冷媒の温度を一定とした上で、空調空気の吹出風量を制御することで、冷却能力を調整する。より具体的には、冷却ユニット10のファン16の回転速度が連続的に調整される。そのため、サーバールーム1における熱負荷量に応じて、冷却能力を最適化することができる。これにより、サーバールーム1の空調に係る電力を低減することができる。
(h6)平準化による冷却ユニット10のメンテナンス性向上
本実施の形態においては、サーバールーム1でのコールドアイルの空間を相対的に大きくした上で、各吹出口3に対応付けられた冷却ユニット10を複数用いて、並列的に空調空気を供給する。そのため、複数の冷却ユニット10のうち、一部のみが動作するといったコールドスタンバイの構成を採用することもできる。
このようなコールドスタンバイの構成を採用した場合には、特定の冷却ユニット10のみが連続的に運転される一方で、運転時間が極端に短い冷却ユニット10が生じる場合がある。このような運転時間の偏りはメンテナンスのタイミングがまちまちになったり、運転時間の長い冷却ユニット10の故障確率が高くなったりする。そこで、本実施の形態においては、コールドスタンバイモードで動作している場合であっても、冷却ユニット10の間の運転時間が平準化するように、運転対象の冷却ユニット10が適時ローテーションされる。
これにより、メンテナンスを計画的に行なうことができるとともに、冷却ユニット10の故障確率を低減することができる。
(h7)PUE(Power Usage Effectiveness)の向上
PUEは、データセンタ(空調対象室)などの消費電力の全体を、情報処理機器の消費電力で除した値であり、データセンタにおけるエネルギー効率を示す指標の一つである。本実施の形態によれば、上述のような各種の特徴的な構成を採用することで、PUEをより小さな値とすることができる。
[I.実施例]
本実施の形態に従う空調システムSYSでは、上記(h2)のように、空調のための床下空間を廃止し、また、上記(h4)のように、ラック4の上部に、遮蔽板5によりホットアイルがコールドアイルと区画され、かつ、遮蔽板5が取り囲む空間であるホットアイルには吸込口81が設けられる。
このような空調システムの実施例において一定の風量を循環させるために要する空調動力について、従来の空調システムと対比しつつ説明する。
(i1)実施例の空調システムの概略構成
実施例の空調システムは、図3に示すように、サーバールーム1の側壁面から空調空気18がサーバールーム1に吹き出し、そして、サーバールーム1内の廃熱空気は、吸込口81および還気チャンバ8を介して、空調機器室7へ送られる。
(i2)比較例の空調システムの概略構成
比較例の空調システムは、図16に示すように、サーバールーム1の(側壁面ではなく)床面に設けられた給気部107を介して、サーバールーム1へ空調空気18が供給される。サーバールーム1内の廃熱空気は、吸込口81および還気チャンバ8を介して空調機器室7に移動する。給気部107には、ルーバーブレードのような羽根状板の部材が配置されており、サーバールーム1への空調空気18の吹出圧を調整できるように構成されている。
比較例の冷却ユニット10Aは、熱交換器13Aと、ファン16Aを含むドライコイルユニットとを備えている。なお、熱交換器13は、熱交換器13Aと比較して低風速で設計されるため、空調空気18を吹き出す面における冷却コイルが配置された面積(コイル面積)が、熱交換器13Aにおける対応する面の面積よりも大きなものとなっている。
また、比較例では、サーバールーム1の床下に床下給気チャンバ103が形成され、また、冷却ユニット10Aの下方には冷却ユニット10Aが吹き出す空調空気を床下給気チャンバ103に導く吹出フード141が設けられている。
(i3)システムの検討
表1に、実施例と比較例についての、システムの静圧および一定風量を循環させるために必要な動力について、まとめたものを以下の表1に示す。
Figure 0005263840
表1では、実施例と比較例についての、静圧と、サーバールーム1に一定風量を循環させるために空調機器が必要とする動力等の情報(空調機器情報)とが示されている。
A.静圧
表1において、静圧は、項目分けをされて、値が示されている。
「1.本体」とは、冷却ユニット10(または、冷却ユニット10A。以下、適宜、冷却ユニット10と冷却ユニット10Aの双方を意味する。)本体における静圧を意味する。この中で、「フィルタ」とは、ファン16(または、ファン16A。以下、適宜、ファン16とファン16Aの双方を意味する。)の前段または後段に設けられるフィルタによる静圧である。「コイル」とは、ドライコイルユニット12(熱交換器13(または、熱交換器13A。以下、適宜、熱交換器13と熱交換器13Aの双方を意味する。))による静圧である。「ケーシング」とは、冷却ユニット10のケーシングによる静圧である。
表1において、実施例と比較例とでは、「フィルタ」の静圧は同じ値であるが、「コイル」の静圧は比較例の方が値が高くなっている。図3において熱交換器13を通過した空気は、ファン16によってそのまま正面に送り出されるのに対し、図16では、熱交換器13Aを通過した空気は、吹出フード141に向けて下方に導かれることによる。つまり、実施例では、空気は熱交換器13の後方から前方へ向けて通過するのに対し、比較例では、空気は熱交換器13Aの後方から前下方へ向けて通過する。熱交換器13Aが熱交換器13よりもコイル面積が小さいため、通過風速が大きくなり、これにより圧力損失が大きくなることによる。
また、「ケーシング」についても、比較例の冷却ユニット10Aの方が実施例の冷却ユニット10よりもケーシング内で移動する距離が長く、方向も変わるため、比較例の方が実施例よりも静圧の値が高くなっている。
以上の次第で、実施例では、冷却ユニット10の本体における静圧は20mmAqであるのに対し、比較例での静圧は40mmAqとなっている。
「2.吹出フード」とは、吹出フード141を空調空気が通過する際の静圧である。比較例では吹出フードの静圧は5mmAqとされているが、実施例では吹出フード141が存在しないためこの静圧を考慮する必要がなく0mmAqとされている。
「3.床下チャンバ」とは、床下給気チャンバ103を空調空気が通過する際の静圧である。具体的には、床下給気チャンバ103内の配線等による静圧を意味する。比較例では床下チャンバの静圧は5mmAqとされているが、実施例では床下給気チャンバ103が存在しないためこの静圧を考慮する必要がなく0mmAqとされている。
「4.床吹出口」とは、給気部107を空調空気が通過する際の静圧である。比較例では床吹出口の静圧は5mmAqとされているが、実施例では給気部107が存在しないためこの静圧を考慮する必要がなく0mmAqとされている。
「5.アイル間ラック通風」とは、サーバールーム1内のラック4を空調空気が通過する際の静圧である。実施例においても比較例においても、ラック4を通過する際の静圧は、同じであるため、この静圧はともに5mmAqとされている。
「6.天井吸込口」とは、吸込口81を廃熱空気が通過する際の静圧である。実施例においても比較例においても、吸込口81を廃熱空気が通過する際の静圧は、同じであるため、この静圧はともに3mmAqとされている。
「7.天井内チャンバ」とは、還気チャンバ8内を廃熱空気が通過する際の静圧である。実施例でも比較例でも、還気チャンバ8を通過する廃熱空気は、還気チャンバ8内の配線や梁によって圧力損失が生じる。この静圧はともに5mmAqとされている。
「8.天井内〜機械室チャンバ」とは、廃熱空気が還気チャンバ8と空調機器室7の境界を通過する際の静圧である。この静圧はともに2mmAqとされている。
B.空調機器の動力
実施例と比較例の双方において、サーバールーム1に1時間あたり309,000mの風量の空気の循環がなされるとする。
比較例では、冷却ユニット10によって空気が循環されている。つまり、冷却ユニット10の動力により、サーバールーム1への空調空気の導入および廃熱空気の空調機器室7への排出が行なわれることになる。変形例では、11台の空調機が利用されて、循環が行なわれた。これにより、1台の空調機あたりの送風量は、28,100m/hとなる。これに、上記のように示された比較例のすべての静圧を考慮すると、各空調機の動力は11kWと算出される。この動力は、理論効率を0.49とし、次の式(1)に従って算出されている。なお、式(1)中の、「6120」は換算定数である。
{28100(m3/h)/60(min/h)×20(mmAq)}/{6120(換算定数)×0.49(効率)}≒11(kW) …(1)
一方、実施例では、サーバールーム1への空調空気の導入は、冷却ユニット10の動力によって賄われる。実施例では、23台の冷却ユニット10によって空調空気が導入された。表1中の静圧のうち、1.〜4.はサーバールーム1への空調空気の導入に対応し、5.〜8.は空調機器室7への廃熱空気の排出に対応する。309,000m/hの風量の空調空気の導入のためには、冷却ユニット10の1台あたりの風量は13,435m/hとなる。これに、上記実施例の1.〜4.の静圧の和である35mmAqを考慮すると、各冷却ユニット10の動力は3.33kWと算出される。なお、この場合の理論効率は0.38としている。
以上より、実施例で要した動力は、23台分の冷却ユニット10の動力の総和である50.6kWとなる。
ここで、実施例で要した動力(76.6kW)と比較例で要した動力(121.kW)とを対比すると、その比率は、比較例を1.0とした場合、実施例では0.63となる。
以上の次第で、空調に床下空間を利用することを廃止した実施例によれば、要する動力を0.63倍に抑えることができると言える。
また、空調に床下空間を利用することを廃止することにより、サーバールーム1の床下のスペースを配線専用のスペースとすることができる。これにより、空調に床下空間を利用する際に700mm程度必要とされる床下の高さを、400mm程度にすることができ、300mm程度、サーバールーム1として利用する部屋の高さを多く設計することができる。またあるいは、建物の階高を300mm低くすることができ、建設コスト低減に寄与できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 サーバールーム、2 側壁面、3 吹出口、4 ラック、5 遮蔽板、7 空調機器室、8 還気チャンバ、9 コントローラ、10,10A 冷却ユニット、12 ドライコイルユニット、13,13A 熱交換器、14 冷媒供給口、15 冷媒排出口、16,16A ファン、18 空調空気、41 前面扉、42 背面板、43 天板排出口、44 ケーブル取込用開口、45 ルーバーブレード、46,232,234 温度センサ、47 電流センサ、48 棚、81 吸込口、92 制御部、94 データ入力部、96 電流データ入力部、98 温度データ入力部、100 二次側部分、103 床下給気チャンバ、107 給気部、141 吹出フード、200 熱源部分、210 ラジエター、212 リタンヘッダ、214 サプライヘッダ、216 バイパス弁、218 配管、220 チラー、224 出側配管、242 リターン配管、244 送出配管、400 投影像、DEV 情報処理機器、SYS 空調システム。

Claims (6)

  1. 情報処理機器を収容する複数のラックが配置された空調対象室の温度を管理するための空調システムであって、
    前記複数のラックの給気面と接する第1の空間と、前記複数のラックの排気面と接する第2の空間とを区画するための区画部と、
    前記第1の空間へ空調空気を供給するための空調機構と、
    前記第2の空間から廃熱空気を排出するための還気機構と、
    前記空調対象室の前記第1の空間内の側壁面に設けられた、前記空調機構からの前記空調空気を吹き出すための吹出口とを備え、
    前記複数のラックは、排気面同士が対向するように隣接して配置された一対のラック群の単位で構成されており、
    前記区画部は、前記一対のラック群の各々についての排気面側に位置する空間を、前記空調対象室の他の空間から区切るように構成されており、
    前記吹出口は、前記空調空気を前記一対のラック群の排気面同士が対向する空間が延びる方向に吹き出すような位置に設けられ、
    前記側壁面において前記吹出口が占める幅の合計値が前記ラック群を当該側壁面へ投影して生じる幅の合計値より大きくなるように構成され
    前記側壁面において前記吹出口が占める面積が、当該側壁面の全体面積の50%以上を占め、
    前記吹出口は、前記側壁面において、前記ラック群の高さの60%以上の範囲から空調空気を吹き出すように設けられる、空調システム。
  2. 前記空調機構は、複数の前記吹出口にそれぞれ対応付けて配置された複数のユニットを含み、
    前記複数のユニットの各々は、
    熱交換器と、
    前記熱交換器と熱交換させるための空気流を発生する少なくとも1つのファンとを含み、
    ファン通過面積の合計が前記吹出口の開口の面積の50%以上となるように、前記少なくとも1つのファンが配置される、請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記吹出口は、対向する一対の側壁面にそれぞれ設けられる、請求項1または2に記載の空調システム。
  4. 前記熱交換器に供給される冷媒は、前記空調対象室の露点温度より高い温度に維持される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調システム。
  5. 前記複数のラック内の前記情報処理機器での消費電力を検出する消費電力検出手段と、
    前記複数のラックから排出される廃熱空気の温度を検出する温度検出手段と、
    前記消費電力検出手段によって検出される消費電力および前記温度検出手段によって検出される温度に基づいて、前記第1の空間へ供給する前記空調空気の必要空調量を算出する手段と、
    算出された前記必要空調量に基づいて、前記複数のユニットが稼動すべき状態を決定する手段と、
    決定されたが稼動すべき状態に従って、前記複数のユニットの運転/停止を制御する制御手段とをさらに備える、請求項に記載の空調システム。
  6. 前記制御手段は、各ユニットの累積稼動期間が平準化されるように、算出された稼動させる必要のあるユニットの数の条件下で、前記複数のユニットの運転/停止を制御する、請求項に記載の空調システム。
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