JP5219283B2 - 空調システムおよび空調制御方法 - Google Patents

空調システムおよび空調制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、床面および天井面のうちの一方に給気部が他方に還気部が各々形成された空調対象室へ空調空気を給気するための空調システムおよび空調制御方法に関する。
この種の従来の空調システムとして、たとえば、空調対象室の床面開口から吹き出す空調空気によって、空調対象室に設置された機器収納用ラックの廃熱を処理する空調システムが知られている。数多くのラックが配置される空調対象室には、床下チャンバを介して床面開口へ空調空気を送り込むための複数台の空調機が配備されることが多い。また、床下チャンバから床面開口に対して強制的に空調空気を送り込むファンが設けられる場合もある。
特開2008−185271号公報
空調対象室の熱負荷量は、室内のラック群に搭載する情報処理機器の数や情報処理機器の稼動状況などにより変化する。このため、空調対象室を効率的に空調するためには、熱負荷量の変動に応じて複数台の空調機を制御する必要がある。
しかしながら、室内の熱負荷量の変動に応じて複数の空調機を適当に稼動させたのでは、各空調機の累積稼動期間にバラつきが生じてしまう。その結果、他に比べて運転負担が過度に増大している空調機が存在した場合には、その寿命を必要以上に短くしてしまうなどの不都合が発生するおそれもある。
本発明は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、複数の空調機を最適に制御しつつ、空調対象室を効率的に空調可能にすることである。
この発明の第1の局面に従う空調システムは、床面および天井面のうちの一方に給気部が他方に還気部が各々形成された空調対象室へ空調空気を給気するための空調システムであって、前記給気部へ空調空気を給気するとともに前記還気部からの還気を取り込むための複数の空調機と、情報処理機器を収容する複数のラックと、前記情報処理機器に供給される電流を検出するための電流センサと、前記空調対象室の温度を検出するための温度センサと、前記温度センサおよび前記電流センサの検出値に基づいて、前記空調対象室への必要空調量を算出する空調量算出手段と、前記空調量算出手段により算出された必要空調量の供給に必要な空調機稼働数を算出する空調機稼動数算出手段と、前記複数の空調機の各々の累積稼動期間が平準化されるように、前記空調機稼動数算出手段により算出された空調機稼動数に基づいて前記複数の空調機の各々の起動および停止を制御する空調機制御手段とを備える。
第1の局面によれば、空調対象室内の空調状態の変化に応じて空調機の稼動数が変化し、かつ、複数の空調機の各々の累積稼動期間が平準化される。
好ましい第2の局面に従えば、前記空調対象室には、複数のラックから成るラック群が、前面同士が対向するように2列ずつ複数組設置されており、前記空調システムは、2列のラック群の前面同士に挟まれる第1の空間の床面に設けられた複数の給気部と、前記空調機から前記空調対象室の床下空間に向けて吹き出された空調空気を強制的に前記複数の給気部に対して給気するために、前記空調対象室の床下空間に対して前記第1の空間別に設けられた複数の給気機器と、前記ラック群の各々に設けられた前記温度センサおよび前記電流センサの検出値に基づいて、前記複数の給気部から給気すべき必要空調量を、前記第1の空間別に算出する第1空間空調量算出手段と、前記第1空間空調量算出手段により算出された必要空調量の供給に必要な給気機器稼働数を前記第1の空間別に算出する給気機器稼動数算出手段と、前記給気機器稼動数算出手段により算出された給気機器稼動数に基づいて、前記複数の給気機器の各々の起動および停止を前記第1の空間別に制御する給気機器制御手段とをさらに備える。
第2の局面によれば、必要空調量が第1の空間別に算出され、第1の空間別に給気機器の起動および停止が制御される。
この発明によれば、空調対象室への必要空調量の供給に必要な空調機稼働数が算出され、しかも、複数の空調機の各々の累積稼動期間が平準化されるように、算出された空調機稼動数に基づいて複数の空調機の各々の起動および停止が制御される。このため、空調対象室内の複数の空調機を満遍なく稼動させつつ空調対象室を効率的に空調可能となる。
空調システムを採用したサーバールーム100の斜視図である。 図1のI−I線矢印方向から見た断面平面図である。 図1のII−II線矢印方向から見た断面平面図である。 ラック群の配置状態を説明するための図である。 ラック6の構成を説明するための図である。 ホットアイル開口19に取り付けられるチャッキブレード部50を説明するための図である。 給気部7に対応して設けられるブースタファン9の取付構造を説明するための図である。 空調システムの構成を示すブロック図である。 温度センサ17の取り付け位置と、制御装置30に入力される温度センサ17および電流センサ18の検出値とを説明するための図である。 ブースタファン9および空調機4の稼動台数制御の手順を説明するためのフローチャートである。 空調機選択処理を説明するためのフローチャートである。 空調機4の稼働台数制御に関する制御例を説明するためのタイミングチャートである。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は本発明の実施の形態に係る空調システムを採用したサーバールーム100の斜視図である。また、図2は、図1のI−I線矢印方向から見た断面平面図であり、図3は、図1のII−II線矢印方向から見た断面平面図である。
サーバールーム100は、フリーアクセスフロア1と天井との間に形成された室内空間を有している。サーバールーム100の床および天井は、各々、二重構造とされている。フリーアクセスフロア1の下には、空調空気を床面から給気するための床下給気チャンバ3が形成されている。一方、天井空間2には、廃熱空気を還気するための複数の還気ダクト11と、各還気ダクト11と連通するヘッダダクト12とが配置されている(図2、図3参照)。
サーバールーム100の壁面には、室内空気を排気するための排気ファン16が取り付けられている。また、サーバールーム100の空調機エリア70には、複数の空調機4と加湿制御用の外調機15とが設置されている。空調機エリア70には、冗長性を持たせるために、サーバールーム100の熱負荷量に対して十分に余裕のある台数の空調機4が設置されている。
なお、本実施の形態では、サーバールーム100に設置されるすべての空調機4は、吹出口から吹き出す冷気の温度および吹出風量を含めて同一の空調能力を有するものとしている。
空調機4の吸込口には、空調機ダクト25の一方端が各空調機4別に取り付けられている。空調機ダクト25の他方端は、還気ダクト11とヘッダダクト12とが連通する箇所で、還気ダクト11とヘッダダクト12との双方と連通している。各還気ダクト11には、還気ダクト11を開閉するための還気モータダンパ13が設けられている。また、各空調機ダクト25には、空調機ダクト25を開閉するための空調機モータダンパ14が設けられている。図1には、4本の還気ダクト11に対して3本の空調機ダクト25および3台の空調機を配置した例が示されている。
なお、各還気ダクト11に対応させて空調機ダクト25を設けてもよく、あるいは、還気ダクト11の総数と、空調機ダクト25の総数とを対応させて設けてもよい。また、隣り合う還気ダクト11の中間位置にのみ、空調機ダクト25を設けることにより、還気ダクト11の数と空調機ダクト25の数とが2:1の割合になるようにしてもよい。
フリーアクセスフロア1には、複数のラック6から成るラック群が、その前面同士が対向するように2列ずつ複数組設置されている。
図1に示すフリーアクセスフロア1には、合計4列のラック群が設置されており、図面に向かって左側が拡張用スペースとされている。ラック6には、サーバやルータ等の情報処理機器が収納される。また、各ラック列には、収納された情報処理機器の消費電力を算出するための電流センサ18(図8参照)が取り付けられている。
図3に示すように、各列のラック群は、隣り合う2つの還気ダクト11の間に、前面同士が対向する1組のラック群が位置するように、所定間隔で配置されている。その結果、図3に示すように、前面同士が対向する一組のラック群に挟まれた第1の空間10と、隣り合う各組のラック群に挟まれた第2の空間20とが交互に形成されている。以下、第1の空間10をコールドアイル10と称し、第2の空間20をホットアイル20と称する。
コールドアイル10の床面により第1の通路部が構成され、ホットアイル20の床面により、第2の通路部が構成されている。なお、コールドアイル10およびホットアイル20の少なくとも一方は、人が通行できない程度のラック間隔にして、より多くのラック群をサーバールーム100内に設置できるようにしてもよい。
図2および図3に示すように、コールドアイル10の床面には、複数の給気部7が第1の通路部の中央に沿って所定間隔で設けられている。これら複数の給気部7は、それぞれ、床下給気チャンバ3と連通している。床下給気チャンバ3には、各給気部7に対して空調空気を強制的に送り込むための複数のブースタファン(加圧冷気吹き出し用ファン)9が設けられている。本実施の形態では、床下給気チャンバ3に設けられるすべてのブースタファン9は、同一の送風能力を有する。
なお、図3では、1つの給気部7に対応させて1つのブースタファン9を設けているが、各給気部7に対して2つあるいは2以上の複数のブースタファン9を設けてもよい。あるいは、給気部7別にブースタファン9を設けるのではなく、隣り合う給気部7の中間に対応する位置に1つのブースタファン9を設けてもよい。また、給気部7を第1の通路部に対して1列で設けるのではなく、2列で設けてもよい。
図4に示されるように、コールドアイル10を挟んで前面同士が対向する1組のラック群の上方位置には、コールドアイル10の上方を遮蔽するための遮蔽天板21が渡されている。また、コールドアイル10の両端、すなわち、第1の通路部両端には、コールドアイル10の両端を遮蔽するための遮蔽扉22が開閉自在に取り付けられている。なお、図4では、コールドアイル10の他方端側の遮蔽扉22の図示を省略している。
このように、サーバールーム100内は、ラック群の吸気側であるコールドアイル10と、ラック群の排気(廃熱)側であるホットアイル20とに区画され、かつ、コールドアイル10が密閉構造になっている。その結果、コールドアイル10では、給気部7から流入した空調空気がコールドアイル10を挟む双方のラック群へ効率的に給気される。
図2に「T」の文字で示すように、各ラック列には、所定間隔で温度センサ17が取り付けられている。この温度センサ17は、図3に示すように、ラック6の背面側、すなわち、ホットアイル20側に対して、取り付け高さを異ならせて複数箇所に取り付けられる。各温度センサ17から延びる配線は、床下給気チャンバ3を経由し、近傍機械室内に別途設けた制御盤へと引き廻されて、制御盤内に搭載された制御装置30(図8参照)に接続されている。
なお、図2には、2台のラック6毎に温度センサ17を取り付ける例が示されているが、この間隔に限定されない。たとえば、所定距離毎に温度センサ17を取り付けてもよい。あるいは、ラック6毎に温度センサ17を取り付けてもよい。また、図3には、ラック6の上段、中段、下段位置に3箇所ずつ取り付ける例が示されているが、この例に限定されない。たとえば、1箇所だけ(たとえば、中段位置)に温度センサ17を取り付けてもよく、あるいは、取り付け高さの異なる4箇所以上のポイントの各々に温度センサ17を取り付けてもよい。
また、温度センサ17をコールドアイル10側、すなわち、ラック6の前面側に取り付けてもよく、あるいは、ラック6内部に取り付けてもよい。あるいはまた、温度センサ17をラック6に取り付けるのではなく、還気部8に取り付けてもよい。ただし、温度センサ17をコールドアイル10側に取り付けると、床から吹き出した一定の温度の空調空気に接するのみで、空調空間の温度変化を正確に検出することができないおそれがある。また、温度センサ17をラック6の内部に取り付けた場合には特定のラック6のみの検出結果しか得られないために、空調空間の温度変化を正確に検出することができないおそれがある。それゆえ、温度センサ17をラック6のホットアイル20側に設けるのが望ましい。
ホットアイル20の床面には、床下給気チャンバ3と連通する複数のホットアイル開口19が所定間隔で設けられている。ホットアイル開口19から床上には、床下給気チャンバ3の空調空気が流入する。一方、ホットアイル20の天井部分には、排気を取り込んで還気ダクト11へ送り込むための複数の還気部(廃熱還気用開口)8が所定間隔で設けられている。
なお、図1の拡張用スペースにも右端の還気ダクト11に対応する還気部8が予め設けられている。拡張用スペースには、さらに、給気部7、ホットアイル開口19、およびブースタファン9が予め設けられている。ただし、拡張用スペースに対応する給気部7、ホットアイル開口19、およびブースタファン9のうちの少なくとも1つについては、ラック群を増設する工事の際に設けるようにしてもよい。
図2に示すように、空調機4の吹出口41からは、空調空気が吹き出される。吹出口41には、給気温度を検出するための給気温度センサ24(図8参照)が設けられている。
空調機4の吹出口41から床下給気チャンバ3へと吹き出された空調空気は、給気部7あるいはホットアイル開口19から床上に流入する。床上に流入する空調空気の総量は、空調機4およびブースタファン9の稼動数によって変化する。また、床上に流入する空調空気量は、作動しているブースタファン9の位置に応じて異なる。すなわち、ブースタファン9が作動しているコールドアイル10は、ホットアイル20よりも流入する空調空気量が多くなる。また、複数のコールドアイル10の内でも、床面に設けられたブースタファン9の稼動数が多いコールドアイル10程、流入する空調空気量が多くなる。
各々のコールドアイル10へ流入した空調空気は、コールドアイル10を挟む双方のラック群の各々のラック6の前面を介して取り込まれ、内部に載置された情報処理機器を冷却し、ラック6の上面および背面からホットアイル20へ排出される。ホットアイル20へ排出された熱気は上昇し、天井部分に形成された還気部8から還気ダクト11に案内される。還気ダクト11に案内された熱気は、ヘッダダクト12、および空調機ダクト25を介して空調機4の吸込口へと案内される。各空調機4の吸込口には、還気温度を検出するための還気温度センサ23(図8参照)が設けられている。
図1では、たとえば、拡張用スペースに位置する最も左の還気ダクト11のみについて、還気モータダンパ13が閉じられている。また、左から2つ目の空調機ダクト25のみについて、空調機モータダンパ14が閉じられ、かつ、これに対応する空調機4のみについて稼動(運転)が停止(待機状態)している。
この場合、サーバールーム100内の熱気は、4本の還気ダクト11のうち、専ら右3本の還気ダクト11により収集される、収集された熱気は、ヘッダダクト12によって左端の空調機ダクト25と右端およびその隣の空調機ダクト25とに分配されて、各々の空調機ダクト25に対応する空調機4に取り込まれる。
たとえば、図1の拡張用スペースに対してラック群を増設した場合には、左端の還気ダクト11の還気モータダンパ13を開くことによって、増設したラック群からの熱気を還気ダクト11により収集することが可能である。この場合、増大する熱負荷量に応じて、左端の空調機ダクト25を開き、かつ、これに対応する待機状態(停止状態)にある空調機4を稼動させることにより、ラック群の増設にも対応できる。
図5は、ラック6の構成を説明するための図である。特に、図5(A)は、ラック6の天板62を上から見た平面図であり、図5(B)はラック6の断面図であり、図5(C)はラック6の正面図である。
ラック6の内部には、情報処理機器68を搭載するための複数の棚が設けられ、また、各情報処理機器68に接続される通信ケーブルや、ラック6に取り付けられる温度センサ17(図2参照)等のセンサケーブルを床下給気チャンバ3へ案内するためのケーブル取込用開口65が形成されている。
ラック6の天板62には、ラック6内の熱気を上部から排気するための天板熱気排出口69が形成されている。天板熱気排出口69には、異物がラック内部に落ち込まないように金網あるいはルーバーが設けられている。また、ラック6の前面扉61および背面板63には、幅の狭いルーバーブレード(羽根状板)64が横方向に一定の間隔および一定の角度で複数枚取り付けられたルーバー状の構造が採用されている。
前面扉61側のルーバーブレード64は、床面から吹き上がる冷気を効率的に取込むために、ラック外側から内側に向けて上向きに傾斜が付けられており、冷気取込みの際には下から上に冷却空気が吹き上がる構造となっている。一方、背面板63側のルーバーブレード64は、ラック内部の熱気を効率的に排出するために、ラック内側から外側に向けて上向きに傾斜が付けられており、熱気排出の際には下から上に熱気が立ち昇る構造になっている。
図5(C)に示すように、ルーバーブレード64には、格子状に多数のパンチング開口が形成され、パンチング開口を介してラック6の内部を視認可能にされている。このため、ラック6の内部に収納された情報処理機器68のインジケータランプ等をラック外部から容易に確認できる。なお、パンチング開口のサイズは、ラック外部からボールペン等の棒状の異物が入らない程度の小さなサイズである。なお、ルーバーブレード64は、曲面を持たせた形状としてもよい。
ラック6の前面に位置する給気部7からは、床下給気チャンバ3内の空調空気が供給される。なお、給気部7の下方には、給気部7から供給される空調空気を通路部の左右に設置された双方のラック6の前面側へ案内するための可動式床下ルーバー部59が設けられている(図7参照)。前面扉61部分に案内された空調空気は、ルーバーブレード64により整流されてラック内部棚に搭載された情報処理機器68へとスムーズに誘引される。ラック6の内部で情報処理機器68を冷却した後の熱気は、背面板63に設けられたルーバーブレード64により整流されてラック6の背面から排気される。あるいは、また、ラック6の天板62に形成された天板熱気排出口69から排出される。
ラック6の前面に位置する給気部7から供給された空調空気は、ラック6の前面扉61部分のルーバーブレード64により整流されてラック内部棚に搭載された情報処理機器68へとスムーズに誘引される。ラック6の内部で情報処理機器68を冷却した後の熱気は、背面板63に設けられたルーバーブレード64により整流されてラック6の背面から排気される。あるいは、また、ラック6の天板62に形成された天板熱気排出口69から排出される。
ラック6の背面側に対応するフリーアクセスフロア1には、ホットアイル開口19が設けられているために、ホットアイル開口19から流入する空調空気によって、ラック6の背面および上部から排出された熱気は速やかにその上方に設けた還気部8(図3参照)により収集される。
以上により、ラック6内に冷気が容易に誘引され、またラック6から熱気が容易に排出されるため、効率的な冷却を行なうことが可能となる。
図6は、ホットアイル開口19に取り付けられるチャッキブレード部50を説明するための図である。特に図6(A)は、チャッキブレード部50が取り付けられたホットアイル開口19の断面図であり、図6(B)は、チャッキブレード部50の斜視図であり、図6(C)は、チャッキブレード部50に設けられるチャッキブレード5の構造図である。また、図6(D)は、チャッキブレードの変形例を示す図である。
図6(C)に示すように、チャッキブレード5は、一方端が上向きに曲げられたブレード53と、ブレード53の他方端に設けられるカウンタウェイト52と、ブレード53およびカウンタウェイト52を所定角度だけ図面に向かって半時計方向に回動自在に軸支するシャフト51とから成る。
図6(B)に示すように、チャッキブレード部50の上部には、一方向に複数の羽状のチャッキブレード5が取り付けられている。チャッキブレード部50は、図6(A)に示すように、ホットアイル開口19のグレーチング54下方に対して取り付けられる。
ホットアイル開口19が床下給気チャンバ3からの風圧を受けるときには、カウンタウェイト52の荷重に抗してブレード53が半時計廻り方向に所定角度だけ回転し、床下給気チャンバ3からの冷却空気がホットアイル開口19を通じて床上に流入する。これに対して、ホットアイル開口19が床上からの風圧を受けるときには、ブレード53が時計廻り方向に所定角度だけ回転し、水平方向にて静止することにより、ホットアイル開口19が閉塞される。
その結果、通常は、ホットアイル開口19を通じてホットアイル20に対して空調空気を流入させることができる一方で、床下と床上との風圧関係が逆転した場合には、チャッキブレード5が逆止弁として機能し、床上の熱気がホットアイル開口19を通じて床下給気チャンバ3へ逆流するショートサーキットの発生を防止できる。
図6(D)に示すチャッキブレード55は、一枚板のブレード部材の一方端をシャフト挿入用の軸として螺旋状に成形した部分により、図6(C)に示すカウンタウエイト52と同等の機能を持たせている。チャッキブレード55は、図6(C)に示すチャッキブレード5と比較すると、製造時の加工性が向上されている。このチャッキブレード55をチャッキブレード5に代えて、チャッキブレード部50に取り付けることにより、チャッキブレード5と同様に逆止弁として機能する。
なお、ホットアイル開口19に対してチャッキブレード部50を設ける代わりに、制御装置30により制御される、開閉自在なシャッター部を設けてもよい。この場合、シャッター部に風圧センサを設けるとともにそのセンサ値を制御装置30に入力し、制御装置30が風圧の変化を検出してシャッター部を開閉制御してもよい。
図7は、給気部7に対応して設けられるブースタファン9の取付構造を説明するための図である。特に、図7(A)は、図1のI−I線矢印方向から見た給気部7付近の断面図である。また、図7(B)は、接続チャンバ57に対してファン用ダクト55を経由して取り付けられるブースタファン9の斜視図である。
図7(A)に示すように、給気部7に取り付けられたグレーチング54の下方には、可動式床下ルーバー部59が取り付けられている。可動式床下ルーバー部59には、床下から給気される空調空気を整流するための多数のルーバーが設けられている。可動式床下ルーバー部59に設けられたルーバーの傾斜角は、手動操作で調整可能に構成されている。可動式床下ルーバー部59の下方には、図6に示したチャッキブレード部50が取り付けられている。たとえば、給気部7に対応するブースタファン9が稼動していないときには、床上の熱気が給気部7を通じて床下給気チャンバ3へ逆流するショートサーキットが発生するおそれがある。そこで、本実施の形態では、チャッキブレード部50を可動式床下ルーバー部59の下方に設けることによって、ショートサーキットの発生を防止している。
チャッキブレード部50の下方には、上部が開口した接続チャンバ57が接続されている。接続チャンバ57の一側面に設けられた開口には、ファン用ダクト55の一方端が接続されている。ファン用ダクト55は、ブースタファン9から吹き出される空気を接続チャンバ57へ流入させるためのダクトである。ファン用ダクト55の他方端は、ブースタファン9の筐体の一側面に設けられた開口と接続されている。ブースタファン9の筐体は、吊り材56によってフリーアクセスフロア1に吊り下げられている。
床下給気チャンバ3に供給された空調空気は、ブースタファン9の筐体の内部に設けられた送風機構によって、ブースタファン9の吸込口58から吸い込まれる。吸込口58によって吸い込まれた空調空気は、ファン用ダクト55を介して接続チャンバ57に流入する。接続チャンバ57に流入した空調空気は、チャッキブレード部50に設けられたチャッキブレード55のブレード53部分を押し上げて上昇し、可動式床下ルーバー部59により整流される。このルーバーは、図7(B)に示されるように、可動式床下ルーバー部59の中央付近を境にして左右で逆方向の傾斜角が付けられている。これにより、可動式床下ルーバー部59に案内された空調空気は、コールドアイル10に位置する通路部の左右に設置された双方のラック6の前面へと分配される。
図8は、本実施の形態に関わる空調システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態では、制御装置30によって、各空調機4の起動および停止が空調機4別に制御される。また、各空調機4の起動および停止に連動して、対応する空調機モータダンパ14が制御装置30により開閉制御される。さらに、制御装置30によって、各ブースタファン9の起動および停止がブースタファン9別に制御される。制御装置30は、たとえば、近傍機械室内に別途設けた制御盤に搭載されている。しかし、これに代えて、建物内の別フロアに設置された監視装置により制御装置30を構成してもよい。あるいは、制御装置30をラック6内に搭載してもよい。また、複数の空調機4のいずれかに付随して搭載されたコントローラにより制御装置30を構成してもよい。いずれにしても、制御装置30は、格納されたプログラムに基づいて一定の処理を実行するマイクロコンピュータを含む。
制御装置30は、サーバールーム100内に設置された各空調機4および各空調機モータダンパ14と配線接続されている。また、制御装置30は、床下給気チャンバ3に設けられた各ブースタファン9、各ラック列に取り付けられた各電流センサ18および各温度センサ17と配線接続されている。さらに、制御装置30は、空調機4に取り付けられた還気温度センサ23および給気温度センサ24と配線接続されている。なお、図8では、還気温度センサ23と給気温度センサ24とを1つずつ示しているが、実際には、各空調機4の台数分に相当する数の還気温度センサ23および給気温度センサ24と制御装置30とが配線接続されている。これらの接続用の配線は、たとえば、床下給気チャンバ3内を引き廻されている。
制御装置30は、制御部31とデータ入力部32とを含む。制御部31は、空調機4および空調機モータダンパ14を制御する空調機制御部33と、ブースタファン9を制御するブースタファン制御部34とを含む。データ入力部32は、電流センサ18の検出値を入力する電流データ入力部35と、温度センサ17、還気温度センサ23、および給気温度センサ24の検出値を入力する温度データ入力部36とを含む。
ブースタファン制御部34は、電流データ入力部35に入力された電流センサ18の検出値と、温度データ入力部36に入力された温度センサ17の検出値とに基づいて、前面同士を向かい合わせて設置した(コールドアイル10を構成する)2列のラック群60,60別に必要空調量を算出する。続いて、ブースタファン制御部34は、算出した必要空調量に基づいて、稼動状態とするブースタファンの数をコールドアイル10別に算出する。
ブースタファン制御部34は、算出結果に応じて、コールドアイル10別にブースタファン9を稼動させる。その結果、必要空調量に満たないコールドアイル10においては、必要空調量を満たすために必要な台数のブースタファン9が新たに稼動し始める。逆に、必要空調量に対して所定の閾値を超える過剰な空調量が供給されているコールドアイル10においては、必要空調量を満たすのに必要なブースタファン9の数と現在稼動しているブースタファン9の数との差に相当する数のブースタファン9の駆動が停止する。
空調機制御部33は、サーバールーム100全体の必要空調量を算出し、その算出結果に基づいて複数の空調機4の稼動あるいは停止を制御する。サーバールーム100全体の必要空調量を算出する手法として、たとえば、次の2つの方法が考えられる。
第1の手法は、ブースタファン制御部34によりコールドアイル10別に算出された必要空調量の総和を求め、求めた値に対して所定の補償値を加算した値をサーバールーム100全体の必要空調量とする手法である。補償値を加算するのは、床下給気チャンバ3から供給される空調空気がブースタファン9に対応する給気部7以外で消費(たとえば、ホットアイル開口19等)されることによる損失分を考慮する必要があるためである。
第2の手法は、各空調機4に取り付けた還気温度センサ23および給気温度センサ24の検出値を用いて、サーバールーム100内の熱負荷量を求め、求めた熱負荷量に基づいてサーバールーム100全体の必要空調量を算出する手法である。この場合、還気温度センサ23および給気温度センサ24により、前記空調対象室の温度を検出するための温度センサが構成される。
なお、第2の手法を採用する場合、コールドアイル10別にブースタファン制御部34が算出した必要空調量の総和を求め、その総和よりも第2の手法によって算出された必要空調量が大きいか否かを空調機制御部33が判別する制御を加えることが望ましい。空調機4から床下給気チャンバ3に供給される空調量が、コールドアイル10別の必要空調量の総和に満たないと、床上の熱気が還気ダクトに回収されることなく床上と床下との隙間部分を介して床下給気チャンバ3に逆流するようなショートサーキットが生じてしまうためである。このようなショートサーキットが発生すると、各コールドアイル10には想定している温度の冷却空気が供給されず、冷却効率が低下する。
なお、本実施の形態では、ホットアイル開口19を通じたショートサーキットの発生を防止するために、ホットアイル開口19に逆止弁(チャッキブレード5)が設けられている。
空調機制御部33は、第1、第2あるいはその他の手法によりサーバールーム100全体の必要空調量を算出した後、算出した必要空調量と、現在稼動している空調機4による供給空調量とを比較する。そして、供給空調量が必要空調量に満たない場合、必要空調量を満足する台数の空調機4を新たに稼動させる。逆に必要空調量に対して所定の閾値を超える過剰な空調量が供給されている場合、供給空調量と必要空調量との差を閾値以下にする台数の空調機4の稼動を停止させる。また、空調機制御部33は、空調機4を稼動あるいは停止させる際に、対象の空調機4に対応する空調機モータダンパ14を開閉制御する。
空調機制御部33は、空調機4を新たに稼動し、あるいは停止させる場合に、各空調機4の累積稼動時間が平準化されるように、稼動あるいは停止させるべき空調機4を選択する。その結果、各空調機4への空調負荷を分散させることができる。累積稼動時間が平準化させるための制御内容については後述する。
図9は、温度センサ17の取り付け位置と、制御装置30に入力される温度センサ17および電流センサ18の検出値とを説明するための図である。特に、図9(A)は、12台のラック6から成る1列のラック群に対する温度センサ17の取り付け位置を示す図である。図9(B)は、3つのコールドアイル10を形成する6つのラック列(1L,1R,2L,2R,3L,3R)を示す図である。図9(C)は、制御装置30が温度センサ17および電流センサ18の検出値を各ラック列別に記憶するための検出値テーブルの概念図である。
図9(A)に示されるように、12台のラックを並べて成るラック列には、所定間隔(たとえば、3メートル)毎に、温度センサ17がラック6の上段、中段、下段の各々に対して取り付けられる。たとえば、制御装置30は、図9(A)に示すように、各温度センサ17を[TH1,TM1,TL1]、[TH2,TM2,TL2]、[TH3,TM3,TL3][TH4,TM4,TL4]として、各列のラック群別に識別している。なお、既に説明したように、温度センサ17の取り付け箇所は、ラック6の背面側(ホットアイル側)である。
制御装置30は、図9(B)に示すように、コールアイル10を形成する2列のラック群をペアにして、各列のラック群を[1L,1R],[2L,2R],[3L,3R]として識別している。なお、図9(B)では、フリーアクセスフロア1に形成される給気部7やホットアイル開口19等の図示を省略している。
制御装置30は、たとえば、予め定めた検出値格納条件(たとえば、所定時間の経過)が成立する毎に、各列のラック群に取り付けられた複数の温度センサ17、およびラック群毎に取り付けられた電流センサ18(図8参照)より、検出値のデータを入力する。制御装置30は、入力したデータを検出値テーブルに格納する。検出値テーブルは、制御装置30が備えるメモリ内に構成されている。図9(C)に示すように、検出値テーブルは、ラック列別に温度センサおよび電流センサの検出値を格納するための複数の領域を有する。
制御装置30は、検出値テーブルに格納したデータを用いて、現在のサーバールーム100内の空調状況を算出し、必要に応じて空調機4およびブースタファン9の稼動台数を変更する。
なお、図9では、1列当りのラック数を12とし、かつ、ラック列が6である場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態に係る空調システムは、このような場合に限定されるものではない。すなわち、1列当りのラック数およびラック列数は、必要に応じて随時変更可能であって、本実施の形態に係る空調システムは、そのいずれの場合にも適用可能である。
図10および図11は、ブースタファン9および空調機4の稼動台数制御の手順を説明するためのフローチャートである。制御装置30は、以下の処理手順に従う処理を実行する。はじめに、各温度センサ17、各還気温度センサ23、および各給気温度センサ24から温度データが入力される(S1)。次に、各電流センサ18から電流データが入力される(S2)。制御装置30は、各温度センサ17および各電流センサ18の入力データをメモリ内の図9(C)に示した検出値テーブルに格納する。また、制御装置30は、各還気温度センサ23、および各給気温度センサ24の入力データを空調機4別に記憶する。
次に、各温度センサ17、各還気温度センサ23、各給気温度センサ24、および各電流センサ18からの入力データに、予め定めた異常判別値を超える異常値が存在するか否かが判断される(S3)。異常値が存在すると判断された場合には、制御装置30からセンサ別の警報信号が出力される(S4)。この警報信号に基づいて制御装置30の警報ランプが点灯する。あるいは、制御装置30から警報音が発生する。または、この警報信号は、制御装置30に対して有線あるいは無線接続された他の監視装置等に対して出力される。
次に、入力された各温度センサ17からの温度データに基づいて、コールドアイル10を構成する2列のラック群別に、標準温度が算出される(S5)。標準温度は、各温度センサ17の検出値に重み付けをし、その重み付けデータの平均を求めることによって算出される。なお、各温度センサ17に対応する重みの大きさは、搭載されている情報処理機器による熱負荷の大きさを考慮して、管理者が制御装置30において温度センサ17別に任意に設定可能である。次に、入力された電流データに基づいて、コールドアイル10を構成する2列のラック群別に、処理必要熱量が算出される(S6)。
次に、算出された標準温度、処理必要熱量、およびコールドアイル10の空間サイズ(気積)に基づいて、コールドアイル10を構成する2列のラック群別に必要空調量が算出される(S7)。
次に、ブースタファン9の1台当たりの送風能力と、S7で算出された必要空調量とに基づいて、必要なブースタファン台数がコールドアイル10別に算出される(S8)。なお、制御装置30は、ブースタファン1台当りの送風能力を自身が備えるメモリに予め記憶している。
次に、コールドアイル10別に算出した必要風量の合算値が、ブースタファン9の必要トータル風量QBFとして算出される(S9)。次に、空調機4の必要トータル風量QAHUが算出される(S10)。この処理では、床上の熱気が床下給気チャンバ3へ流入するショートサーキットの発生を防止するために、空調機4の必要トータル風量QAHUとして、ブースタファン9の必要トータル風量QBFよりも大きい値が算出される。たとえば、S9で算出されたQBFに対して予め定めた余剰値を加えた値がQAHUとして算出される。
次に、算出されたQAHUと空調機4の1台当たりの空調風量(空調機単体風量)qAHUとに基づいて、必要空調量の供給に必要な空調機台数が算出される(S11)。このとき、制御装置30は、入力された還気温度センサ23の検出値と給気温度センサ24の検出値との差分である「Tra−Tsa」を各空調機4別に求めた上で、その平均値を算出し、その平均値と基準値とに基づいて、新たに空調機4を起動する状態であるか、あるいは稼動中の空調機4を停止させる状態であるかを確認する。なお、基準値は予め制御装置30に記憶されている。たとえば、基準値よりも平均値の方が所定の閾値を超えて大きい場合には、空調機4を新たに起動する必要ありと判断する。逆に、基準値よりも平均値の方が小さく、かつその差が所定の閾値を超える場合には、空調機4を停止する必要ありと判断する。
次に、空調機選択処理が実行される(S12)。なお、制御装置30は、空調機4の1台当たりの空調風量qAHUと吹出口41から吹き出す空調空気の温度とを自身が備えるメモリに予め記憶している。
図11を参照して、空調機選択処理を詳細に説明する。まず、現在の空調機稼動台数は、S11で算出された必要空調機台数に満たないか否かが判断される(S21)。現在の空調機稼動台数が、S11で算出された必要空調機台数に満たない場合には、停止している空調機4のうちで累積稼動時間が最も短いものから優先的に、起動対象として選択される(S22)。たとえば、新たに2台の空調機4を起動させる必要がある場合には、現在停止している空調機4のうちで最も累積稼動時間が短いものと、その次に稼動時間が短いものとが起動対象として選択される。
空調機4の累積稼動時間は、空調機4別に制御装置30のメモリ内に記憶されている。制御装置30は、稼動中の空調機4を対象にして、対応する累積稼動時間を随時更新する。そして、空調機4の稼動を停止させたときに、対応する空調機4の累積稼動時間の計時を停止する。制御装置30が記憶する累積稼動時間は、たとえば、サーバールーム100に対して新たに空調機4を設置したときを基準とした累積時間である。
しかしながら、メンテナンス等が行なわれた空調機4の累積稼動時間については、その段階で累積稼動時間のデータをリセットすることができるように制御装置30を構成してもよい。あるいは、制御装置30に対して所定のリセット操作をすることによって、操作者が希望する空調機4を対象にしてその累積稼動時間のデータをリセットできるようにしてもよい。また、所定期間が経過する毎に制御装置30が自律的にすべての空調機4の累積稼動時間のデータをリセットするようにしてもよい。所定期間は、たとえば、1日、1ヶ月、1年など、任意に設定できるようにしてもよい。つまり、本実施の形態における累積稼動時間は、サーバールーム100に対して新たに空調機4を設置したときを基準として計時される時間に限られるものではない。
S21においてNOと判断された場合、現在の空調機4の稼動台数は、S11で算出された必要空調機台数を超えているか否かが判断される(S23)。現在の空調機4の稼動台数がS10で算出された必要空調機台数を超えている場合には、稼動している空調機4のうちで累積稼動時間が最も長いものから優先的に、停止対象として選択される(S24)。たとえば、新たに2台の空調機4を停止させる必要がある場合には、現在稼動している空調機4のうちで最も累積稼動時間が長いものと、その次に稼動時間が長いものとが停止対象として選択される。
S23においてNOと判断された場合、すなわち、現在の空調機4の稼動台数がS11で算出された必要空調機台数と一致している場合には、稼動中の空調機4の中に予め定めた連続稼動時間を超えて稼動している空調機4が存在するか否かが判断される。たとえば、サーバールーム100に対する必要空調量が長期に亘って変化しないような場合には、S21〜S24の処理のみでは、稼動・停止させる空調機4の入れ替えが生じない。このような場合、各空調機4の累積稼動時間に偏りが生じるおそれがある。そこで、S25では、このような場合でも、各空調機4の累積稼動時間に偏りが生じないようにするために、所定時間連続稼動している空調機4を検出する。
S25において、YESと判断された場合には、該当する空調機4が停止対象として選択される(S26)。そして、これに代えて、停止している空調機4のうちで累積稼動時間が最も短いものから優先的に、起動対象として選択される(S27)。
S22、S24、またはS27の後、空調機選択処理が終了する。なお、必要空調機台数が頻繁に変動することが明らかな場合には、S25〜S27の処理を省いてもよい。
図10に戻り、S12で起動あるいは停止させる空調機4が選択された後、選択された空調機を起動あるいは停止させる処理が実行される(S13)。これにより、起動させる空調機4に対しては起動信号が出力され、またその空調機4に対する空調機モータダンパ14にはダクトを開放させるための信号が出力される。また、停止させる空調機4に対しては稼動停止信号が出力され、またその空調機4に対する空調機モータダンパ14にはダクトを閉鎖させるための信号が出力される。
次に、S8において算出された必要ブースタファン台数に基づいて、コールドアイル10別にブースタファン9が制御される(S14)。たとえば、あるコールドアイル10に対する必要ブースタファン台数が6台で現状のブースタファン稼動数が5台の場合には、停止中のブースタファン9のうちの1つに対して起動信号が出力される。また、あるコールドアイル10に対する必要ブースタファン台数が3台で現状のブースタファン稼動数が5台の場合には、稼動中のブースタファン9のうちの2つに対して停止信号が出力される。
なお、停止あるいは起動させるブースタファンの選択は、コールドアイル10内のブースタファンの累積稼動時間が平準化されるように、図11に示した空調機選択処理と同様の制御手順により行なってもよい。あるいは、予めブースタファンの稼動数とこれに対応して稼動させるブースタファンとを定めておいてもよい。たとえば、コールドアイル10を構成する第1の通路部の一方端に近い側に設けたブースタファンから優先的に駆動させ、必要駆動台数が多くなるにつれて、第1の通路部の他方端に向かうブースタファンを順次駆動させていくようにすることが考えられる。
また、図10および図11に示す処理は、たとえば、制御装置30が随時データ計測を行なう中で所定時間を計時する毎に実行することが考えられる。あるいは、制御装置30が、温度センサ17、電流センサ18、還気温度センサ23のいずれかより、予め定めた基準値を超える検出値データが入力されたと判定したことに基づいて実行してもよい。
図12は、空調機4の稼働台数制御に関する制御例を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、サーバールームにA、B、Cの3台の空調機4が設置されており、「要求能力」の欄に示すように、時間の経過とともに空調機に対する要求能力、すなわち、必要稼動台数が1台未満(t0)、1台以上(t1)、2台以上(t2)に変化し、続いて1台以上(t3)、1台未満(t4)に変化するものとし、かつ、要求能力が1台未満のときには空調機Aのみが稼動しているものとする。
また、空調機に対する要求能力が1台未満のとき(t0)の各空調機の累積稼動時間は、「累積稼動時間」の欄に示すように、空調機Aが最も少なく、続いて空調機Bが少なく、空調機Cが最も多いものとする。
時刻t0からt1までは、累積稼動時間が最も少ない空調機Aのみが稼動する。その結果、空調機Aの累積稼動時間と、空調機B,Cの累積稼動時間との差が縮められる。やがて、時刻t1で要求能力が1台未満から1台以上に上昇すると、停止中の空調機B,Cのうち、累積稼動時間が少ない空調機Bが起動する。その結果、空調機Bの累積稼動時間は空調機Aと同様に累積される。
なお、停止中の空調機Cの累積稼動時間は累積されないため、時間の経過に伴って、空調機A,Bの累積稼動時間と、空調機Cの累積稼動時間との差は縮められる。やがて、時刻t2で要求能力が2台以上に上昇すると、唯一停止している空調機Cが起動する。その結果、空調機A,B,Cの累積稼動時間はそれぞれ累積される。
次に、時刻t3で要求能力が1台以上に下降すると、稼動中の空調機A,B,Cのうち、最も累積稼動時間が多い空調機Cが停止する。一方、空調機A,Bはその後も稼動する。このため、空調機A,Bの累積稼動時間と、空調機Cの総稼働時間との差は縮められる。
以上のとおり、本実施の形態によれば、制御装置30による各空調機の制御が進むにつれて、各空調機A〜Cの各累積稼動時間は平準化される。その結果、サーバールーム100内の複数の空調機4を満遍なく稼動させつつサーバールーム100内を効率的に空調可能となる。これにより、たとえば、他に比べて運転負担が過度に増大している空調機4が存在することもなく、各空調機4の寿命を必要以上に短くしてしまうことも防止できる。
また、各空調機4の累積稼動時間が平準化されるために、消耗部品の交換作業時期を各空調機4別に異ならせる必要もなく、その結果、空調機4のメンテナンス作業の負担も軽減できる。
次に、以上、説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 本実施の形態では、各還気ダクト11を直接に空調機ダクト25と連通させるのではなく、ヘッダダクト12を介することによって各還気ダクト11をすべての空調機ダクト25と連通させる構成が採用されている。
仮に、ヘッダダクト12を用いることなく、各還気ダクト11と空調機ダクト25とを直接連結させた場合、稼動している空調機4に対応する還気ダクト11には熱気を吸気する作用が働くものの、稼動していない空調機4に対応する還気ダクト11には熱気を吸気する作用が働かない。その結果、稼動している空調機4に対応する還気ダクト11の下方エリアと、稼動していない空調機4に対応する還気ダクト11の下方エリアとで、冷却能力に差異が生じてしまう。
これに対して、本実施の形態のように、ヘッダダクト12を介することによって各還気ダクト11をすべての空調機ダクト25と連通させる構成とすることにより、複数の空調機4のうちのいずれを停止あるいは稼動させたとしても、ヘッダダクト12を介してすべての還気ダクト11に吸気力が与えられる。その結果、いずれの位置の空調機4が稼動あるいは停止しているかに関わらず、各還気ダクト11の下方エリアの熱気を極力均一に回収できる。
このため、本実施の形態によれば、サーバールーム100の必要空調量の変化に応じて空調機4の稼動台数を変化させる場合に、いずれの空調機4を停止あるいは起動対象としても、各還気ダクト11の下方エリアの熱気の回収能力に影響を極力与えないという効果が奏される。
また、それゆえ、各空調機4の累積稼動時間が平準化されるように、停止あるいは起動対象とする空調機4を選択した場合でも、その選択が各還気ダクト11の下方エリアの熱気の回収能力に影響を極力与えることがないという効果も奏される。
また、それゆえ、サーバールーム100に、空調能力が異なる複数の空調機4を設置したとしても、各還気ダクト11の下方エリアの熱気の回収能力に影響を極力与えることがない。つまり、本実施の形態では、サーバールーム100に設置する複数の空調機4はすべて空調能力が同一であるものとして説明したが、空調能力が相異なる複数の空調機4を採用してもよい。この場合、サーバールーム100の必要空調量の変化に応じて空調機4の稼動台数を変化させる際には、空調機4の空調能力を考慮しつつ、空調機4の総稼働時間が平準化されるように、起動あるいは停止する空調機4を選択する。
(2) 本実施の形態では、隣り合う2列のラック群の背面同士が対向する第2の空間の天井位置に、複数の還気部を設け、前記第2の空間の複数の還気部に連通する還気ダクトを前記第2の空間別に設け、前記第2の空間別に設けられた各還気ダクトに連通するメインダクトを設け、前記メインダクトから空調機に連通する空調機ダクトを空調機別に設ける空調制御方法を採用している。
(3) 本実施の形態では、ヘッダダクト12を採用した上で、サーバールーム100の必要空調量の変化に応じて空調機4の稼動台数を変化させる場合に、各空調機4の累積稼動時間が平準化されるように、停止あるいは起動対象とする空調機4を選択した。しかしながら、ヘッダダクト12を採用することなく、各還気ダクト11に対応させて空調機ダクト25を設けてもよい。そして、その上で、各空調機4の累積稼動時間が平準化されるように、停止あるいは起動対象とする空調機4を選択してもよい。
(4) ヘッダダクト12は、図1に示されるように空調機4が設置される側にのみ設けてもよく、あるいは、その反対側(紙面上、奥側)にもさらに設けることにより、並行に走る2本のヘッダダクト12に対して掛け渡されるように複数の還気ダクト11が配置される構成としてもよい。
(5) 本実施の形態では、天井空間2に対して還気ダクト11を設ける構成としたが、還気ダクト11を設けずに、天井空間2自体を廃熱空気の循環経路とする天井チャンバ方式を採用してもよい。この場合、天井空間2を形成する壁に開口を設けた上で、その開口に対して、還気モータダンパ13を取り付けたダンパの一方端を接続し、その他方端をヘッダダクト12に接続する。これにより、還気部8で収集された廃熱空気は、天井空間2から開口を経由してヘッダダクト12へと案内される。ヘッダダクト12へ案内された廃熱空気は、空調機ダクト25を経由して、空調機4に取り込まれる。
(6) 上記実施の形態では、サーバールーム100の床下から空調空気が吹き上がり、天井で熱気が回収される構成を例に挙げて説明した。しかしながら、これに代えて、サーバールーム100の天井から空調空気が吹き出され、床で熱気が回収される構成を採用してもよい。この場合には、ラック6に設けるルーバーブレード64の傾斜方向を上下反転させる。
(7) 空調機4の累積稼動時間を平準化する他の手法として、次のようなものがある。
(A) 現在の稼動台数が必要稼動台数と一致するか否かに関わらず、一定時間が経過する毎に、稼動させる空調機4を予め定めた順序で切換える。稼動台数を変動させる必要が生じたときにも、予め定めた優先順序で起動あるいは停止する空調機4を選択する。このような手法を採用した場合には、制御装置30は、累積稼動時間を記憶する必要がない。
(B) 現在の稼動台数が必要稼動台数と一致するか否かに関わらず、稼動中の空調機4の各々について連続稼動時間を計時し、連続稼動時間が一定時間に達した空調機4を停止するとともにその連続稼動時間のデータをリセットする。そして、停止中の空調機4を稼動させるとともにその空調機4についての連続稼動時間の計時を新たに開始する。稼動台数を変動させる必要が生じたときには、予め定めた優先順序で起動あるいは停止する空調機4を選択する。このような手法を採用した場合、制御装置30には、累積稼動時間ではなく、連続稼動時間を記憶する。
(8) 各空調機4の累積稼動時間が平準化されるように、起動あるいは停止する空調機4を選択するのではなく、各空調機4の累積稼動時間の割合が予め定めた割合になるように、起動あるいは停止する空調機4を選択するようにしてもよい。たとえば、空調機A、B、Cについて、累積稼動時間の割合を1:2:3としたい場合には、事前にその割合を制御装置30に割合設定値として記憶させておく。そして、稼動台数を変動させる必要が生じる毎に、それまでの空調機A、B、Cの累積稼動時間の割合を算出し、算出結果と割合設定値とを比較して、稼動あるいは停止させる空調機を制御装置30が選択するようにしてもよい。これにより、たとえば、省エネ効果の高い高性能の空調機4を他の空調機4よりも優先駆動させることが可能になる。
(9) 上記実施の形態では、必要空調量の変化に応じて、ブースタファン9および空調機4の稼動台数を制御するものとした。しかしながら、起動あるいは停止の制御のみではなく、風量を制御できるようにしてもよい。たとえば、必要空調量の変化に応じて、ブースタファン9および空調機4の風量を弱、中、強といった複数段階で制御することも考えられる。
(10) 上記実施の形態では、ブースタファン9の稼動台数制御と空調機4の稼動台数制御とを共通の制御装置30が実行するものとして説明した。しかしながら、各制御を各々異なる別個の制御装置が実行するようにしてもよい。
(11) ホットアイル開口19から床上に空調空気を送り込むためのブースタファンを、ブースタファン9とは別に設けてもよい。
(12) 給気部7またはホットアイル開口19あるいはそれらの双方に対して、ルーバーブレード等の気流方向調整機構を設けて、空調空気がラック6の方向に向かうようにしてもよい。
(13) 空調機4は、冷水方式でもパッケージエアコン方式でもよい。また、本実施の形態では、ラック(収納ケース)の一例として、内部に複数の棚が形成されたものを示したが、情報処理機器を収納できるものであれば、どのようなラックであっても適用可能である。たとえば、前面または背面の少なくとも一方が開口し、左右両側面、底面、および上面のみを囲むような形状のラックであってもよい。また、サーバールーム100の電源盤から電力の供給を受ける電源部をラック列毎に設けて、そこから各ラック6に対して電源が分配される構成を採用してもよく、あるいは、各ラック6別に電源部を設けてもよい。各ラック6別に電源部を設けた場合には、各ラック6別に、電流センサ18を設けてやるとよい。
(14) 還気温度センサ23の検出値と給気温度センサ24の検出値との差分である「Tra−Tsa」を各空調機4別に求めた上で、その平均値を算出し、算出した平均値と基準値とを考慮して空調機の必要台数を求めてもよい。この場合、たとえば、制御装置30には、「Tra−Tsa」の平均値と必要空調機台数との関係を示すデータを予め記憶させておく。
(15) 制御装置30は、各空調機4から吹き出す空調空気の温度を制御してもよい。たとえば、制御装置30は、空調機台数を制御する際に、還気温度センサ23の検出値と給気温度センサ24の検出値との差分である「Tra−Tsa」に基づいて、各空調機4の空調温度を制御する。これにより、より一層、速やかにサーバールーム100を目標温度に制御可能となる。
(16) 還気温度センサ23および給気温度センサ24は、各空調機4毎に取り付けたが、いずれか1つの空調機4にのみ取り付けてもよい。また、空調機4は、サーバールーム100と接する別室に設けて、サーバールーム100側の空調機ダクト25および空調空気吹き出し用ダクトを空調機4の吸込口および吹き出し口に接続してもよい。
(17) 図6(C)および図6(D)に示すチャッキブレードに代えて、次のようなチャッキブレードを採用してもよい。すなわち、ブレード部材として金属の薄板を採用し、そのブレード部材の一方端を軸として図6(D)と同様に螺旋状に成形することにより、風圧を受けたときに、ブレード部材の他方端が軸部分に付与された弾性力によって上下動するように構成する。このように構成したチャッキブレードを、各チャッキブレードのブレード部分が重なりようにチャッキブレード部50に取り付けることにより、チャッキブレード5と同様に逆止弁として機能させる。
(18) 図6(A)に示すグレーチング54とチャッキブレード部50との間に可動式床下ルーバー部59を設けることにより、床下からホットアイル開口19に対して流入する空調空気についても、その流入方向を整流できるようにしてもよい。
(19) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 フリーアクセスフロア、2 天井空間、3 床下給気チャンバ、4 空調機、5,55 チャッキブレード、6 ラック、7 給気部、8 還気部、9 ブースタファン、10 コールドアイル(第1の空間)、11 還気ダクト、12 ヘッダダクト、13 還気モータダンパ、14 空調機モータダンパ、15 外調機、16 排気ファン、17 温度センサ、18 電流センサ、19 ホットアイル開口、20 ホットアイル(第2の空間)、21 遮蔽天板、22 遮蔽扉、23 還気温度センサ、24 給気温度センサ、25 空調機ダクト、30 制御装置、31 制御部、32 データ入力部、33 空調機制御部、34 ブースタファン制御部、35 電流データ入力部、36 温度データ入力部、41 吹出口、50 チャッキブレード部、51 シャフト、52 カウンタウェイト、53 ブレード、54 グレーチング、55 ファン用ダクト、56 吊り材、57 接続チャンバ、58 吸込口、59 可動式床下ルーバー部、60 ラック群、61 前面扉、62 天板、63 背面板、64 ルーバーブレード、65 ケーブル取込用開口、68 情報処理機器、69 天板熱気排出口、70 空調機エリア、100 サーバールーム。

Claims (10)

  1. 床面および天井面のうちの一方に給気部が他方に還気部が各々形成された空調対象室へ空調空気を給気するための空調システムであって、
    前記給気部へ空調空気を給気するとともに前記還気部からの還気を取り込むための複数の空調機と、
    情報処理機器を収容する複数のラックとを備え、前記空調対象室には、複数のラックから成るラック群が、前面同士が対向するように2列ずつ複数組設置されており、さらに
    2列のラック群の前面同士に挟まれる第1の空間の床面に設けられた複数の給気部と、
    前記空調機から前記空調対象室の床下空間に向けて吹き出された空調空気を強制的に前記複数の給気部に対して給気するために、前記空調対象室の床下空間に対して前記第1の空間別に設けられた複数の給気機器と、
    前記情報処理機器に供給される電流を検出するための電流センサと、
    前記空調対象室の温度を検出するための温度センサと、
    前記温度センサおよび前記電流センサの検出値に基づいて、前記空調対象室への必要空調量を算出する空調量算出手段と、
    前記空調量算出手段により算出された必要空調量の供給に必要な空調機稼働数を算出する空調機稼動数算出手段と、
    前記複数の空調機の各々の累積稼動期間が平準化されるように、前記空調機稼動数算出手段により算出された空調機稼動数に基づいて前記複数の空調機の各々の起動および停止を制御する空調機制御手段とを備え、
    隣り合う前記2列のラック群の背面同士に挟まれる第2の空間には床下空間と連通する開口部が形成されており、
    該開口部には、前記複数の給気部から前記ラック群へ給気された後に前記第2の空間へ排出された空気が床上から床下へ逆流することを阻止する逆止機構が設けられており、
    前記逆止機構は、
    所定方向に向けて整列配置された複数のブレードを含み、前記ブレードの一方端は、上向きに曲げられており、さらに
    前記ブレードの各々を床面に平行な軸に沿って回転自在に支持するシャフトと、
    前記ブレードの上向きに曲げられた端の各々を下向きに付勢する部材とを含む、空調システム。
  2. 前記空調システムは、
    前記ラック群の各々に設けられた前記温度センサおよび前記電流センサの検出値に基づいて、前記複数の給気部から給気すべき必要空調量を、前記第1の空間別に算出する第1空間空調量算出手段と、
    前記第1空間空調量算出手段により算出された必要空調量の供給に必要な給気機器稼働数を前記第1の空間別に算出する給気機器稼動数算出手段と、
    前記給気機器稼動数算出手段により算出された給気機器稼動数に基づいて、前記複数の給気機器の各々の起動および停止を前記第1の空間別に制御する給気機器制御手段とをさらに備える、請求項に記載の空調システム。
  3. 前記空調量算出手段は、前記第1空間空調量算出手段により算出された前記第1の空間別の必要空調量の総和を算出することにより、前記空調対象室への必要空調量を算出する、請求項に記載の空調システム。
  4. 前記空調機の累積稼動期間を各空調機別に記憶する記憶手段をさらに含み、
    前記空調機制御手段は、前記空調機稼動数が不足するときには総稼動時間が最も短い空調機を優先起動させ、前記空調機稼動数が過剰であるときには総稼動時間が最も長い空調機を優先停止させる、請求項またはに記載の空調システム。
  5. 隣り合う前記2列のラック群の背面同士に挟まれる第2の空間の天井位置に、複数の還気部が設けられており、
    前記空調システムは、
    前記第2の空間別に設けられ、前記複数の還気部と連通する還気ダクトと、
    前記第2の空間別に設けられた各還気ダクトと連通するヘッダダクトと、
    前記空調機別に設けられ、前記ヘッダダクトおよび前記空調機の双方と連通する空調機ダクトとをさらに備える、請求項のいずれかに記載の空調システム。
  6. 前記還気ダクトを開閉するために前記還気ダクト別に設けられた還気ダクト開閉部と、
    前記空調機ダクトを開閉するために前記空調機ダクト別に設けられた空調機ダクト開閉部とをさらに備える、請求項またはに記載の空調システム。
  7. 前記第1の空間を挟む両側のラック群の上面間に渡される遮蔽体と、
    前記第1の空間を挟む両側のラック群の末端に開閉自在に設けられる遮蔽扉とをさらに備える、請求項1〜のいずれかに記載の空調システム。
  8. 前記ラックの前面および背面には、空調空気を整流するための整流部が形成されている、請求項1〜のいずれかに記載の空調システム。
  9. 床面および天井面のうちの一方に給気部が他方に還気部が各々形成され、前記給気部へ空調空気を給気するとともに前記還気部からの還気を取り込むための複数の空調機が設置される空調対象室へ空調空気を給気するための空調制御方法であって、
    ラックに収容された情報処理機器に供給される電流を検出するための電流センサと、前記空調対象室の温度を検出するための温度センサの検出値とに基づいて、前記空調対象室への必要空調量を算出し、前記空調対象室には、複数のラックから成るラック群が、前面同士が対向するように2列ずつ複数組設置されており、さらに
    算出した必要空調量の供給に必要な空調機稼働数を算出し、
    前記複数の空調機の各々の累積稼動期間が平準化されるように、算出した空調機稼動数に基づいて前記複数の空調機の各々の起動および停止を制御し、
    2列のラック群の前面同士に挟まれる第1の空間の床面に複数の給気部が設けられており、前記空調対象室の床下空間に対して前記第1の空間別に設けられた複数の給気機器が前記空調機から前記空調対象室の床下空間に向けて吹き出された空調空気を強制的に前記複数の給気部に対して給気し、
    隣り合う前記2列のラック群の背面同士に挟まれる第2の空間には床下空間と連通する開口部が形成されており、該開口部に設けられた逆止機構が前記複数の給気部から前記ラック群へ給気された後に前記第2の空間へ排出された空気が床上から床下へ逆流することを阻止し、
    前記逆止機構は、
    所定方向に向けて整列配置された複数のブレードを含み、前記ブレードの一方端は、上向きに曲げられており、さらに
    前記ブレードの各々を床面に平行な軸に沿って回転自在に支持するシャフトと、
    前記ブレードの上向きに曲げられた端の各々を下向きに付勢する部材とを含む、空調制御方法。
  10. 前記空調対象室には、複数のラックから成るラック群が、前面同士が対向するように2列ずつ複数組設置されており、
    2列のラック群の前面同士に挟まれる第1の空間の床面に複数の給気部を設け、
    前記空調機から前記空調対象室の床下空間に向けて吹き出された空調空気を強制的に前記複数の給気部に対して給気するために、前記空調対象室の床下空間に対して前記第1の空間別に複数の給気機器を設け、
    前記ラック群の各々に設けた前記温度センサおよび前記電流センサの検出値に基づいて、前記複数の給気部から給気すべき必要空調量を、前記第1の空間別に算出し、
    算出した必要空調量の供給に必要な給気機器稼働数を前記第1の空間別に算出し、
    算出した給気機器稼動数に基づいて、前記複数の給気機器の各々の起動および停止を前記第1の空間別に制御する、請求項に記載の空調制御方法。
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