JP2013142522A - モジュール型顕熱処理装置および空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のモジュール型顕熱処理装置1は、顕熱負荷を処理するための単位冷却能力を有する冷却コイル3に対して単位風量の処理対象空気を送風可能な送風機4を組み付けてなる1モジュールのユニット2を構成単位とし、処理すべき顕熱負荷に応じて前記ユニットを所望台数組み合わせ可能に構成する。送風機はインバーター内蔵モータを一体に備えた可変風量の送風機、たとえば有圧換気扇とする。冷却コイルは低圧力損失型とする。本発明の空調システムは上記モジュール型顕熱処理装置をサーバー室に冷房専用の空調機として設置し、その設置パターンとして床置き、二重床埋め込み、天井吊り、壁面設置を選択可能とし、ユニットの組み合わせ台数を任意に設定可能かつ増減可能とする。
【選択図】図1
Description
・サーバー室に二重床および空調機械室を設けて、そこに設置した床吹空調機により冷風を供給してサーバー室全体を冷房する方式、
・サーバー室での負荷高密度化と負荷偏在への対応として、サーバー室の床面にラック型空調機を設置したり、サーバー室の上部に天井吊り型空調機を設置して、局所的に空調負荷を処理する方式、
・サーバー室を上層と下層の二層に構成して下層に空調機を集約して設置する方式、
等に大別される。
・空調機はその都度、要求条件や建築的制約条件に応じて個別に設計し、仕様を決定し、単品製作するため、一過性であり、汎用性に乏しく、コストも割高となる。
・空調機は、ファン、コイル、フィルターなどの各セクションが一体となった箱形の形状であることから、一般的に大型かつ大重量であり、構造も複雑であり、その点でもコスト高となる。
・空調機は各セクションによる箱形形状であることから空気の流路が長く、そのため機内空気圧力損失が生じ、その分のファン動力増となってエネルギーを損失し、特に冷却コイルにおいてはそれが顕著である。
・ファンを可変風量とする場合にはその対応としてインバーター制御盤、ノイズフィルター、配線などの付属部品やそのための取付工事が発生し、コスト増となる。
また、ユニットの組み合わせ台数の設定のみで小負荷から大負荷まで幅広く対応可能であって、汎用性に優れ、負荷変動に応じてユニットの台数を増減することのみで容易に対応可能である。
さらに、モジュール型顕熱処理装置を床置き設置、二重床埋め込み設置、天井吊り設置、壁面設置といった多様な設置パターンが選択可能であるため、空調システム設計の際の自由度に優れるし、偏在する負荷に対して最適台数のユニットを最適位置に設置することで局所空調対応が可能も可能である。
本実施形態のモジュール型顕熱処理装置1はデータセンターにおけるサーバー室に対する冷房のための空調設備として設置されるもので、図1に示す1モジュールのユニット2を構成単位としてそれを所望台数組み合わせることで所望の冷却能力を有する空調機として機能するものであるが、サーバー室での冷却負荷は実質的に顕熱負荷だけで潜熱負荷が殆どなく通常の空調機のように全熱(顕熱および潜熱)を処理する必要はないことから、本実施形態のモジュール型顕熱処理装置1は顕熱のみを処理するための冷房専用の空調機として構成され、かつ基本的には冷却コイル3と送風機4のみからなる極めて簡易かつ小形に構成されたものである。
なお、必要であれば図1(b)に破線で示しているように冷却コイル3の背面側にフィルターボックス7を装着可能としておいても良い。
また、冷却コイル3としては冷水コイルに代えて直膨コイル(冷媒を直接膨張させて蒸発器として機能するものである)とすることも可能であるが、本発明における冷却コイル3はあくまで顕熱負荷のみを処理するものであるので、直膨コイルとする場合には冷媒の蒸発温度を処理対象空気の露点温度以上に設定する必要がある。
図2(a)は従来一般的な全熱負荷処理用の冷水コイルの一例を示すもので、コイル面積約1.6m2、上下方向のチューブピッチが25mm×48段、通風方向のチューブピッチが19mm×6列とされていて、処理対象空気を所定風量、所定風速で通過させた際の圧力損失が約55Paとなるものである。
それに対し、図2(b)は上記のユニット2における顕熱負荷処理用の冷却コイル3の一例であって、コイル面積を(a)に示したものと同一として同一の冷却能力を確保した場合において、上下方向のチューブピッチを37mm×32段、通風方向のチューブピッチを32mm×7列とすることにより、同一条件において圧力損失を約43Paとなるようにしたものである。
つまり、本実施形態の顕熱負荷処理用の冷却コイル3では、同等の冷却能力の全熱負荷処理用の冷却コイルよりチューブ列数は1列多くなるものの、チューブピッチとフィンピッチを若干大きく(粗く)設定することで圧力損失を約12Paも低減させることが可能であり、その分、送風機4の所要静圧を軽減することが可能なものである。
但し、上記のチューブピッチ、フィンピッチはあくまで一例であって、本発明においては冷却コイルのコイル面積やチューブピッチ、フィンピッチその他の仕様は何ら限定されるものではない。
特に、送風機4としてインバーター内蔵モータを一体に備えた可変風量の有圧換気扇を用いるとともに、そのインバーター内蔵モータにはインバーター本体のみならず電源やケーブル、ノイズフィルター等の付属部品の全てを一体に組み込んでおくことにより、通常の空調機における一般的な送風機のように格別のファンケーシングを必要とすることなくこの送風機4のみを図示例のように上記の冷却コイル3に対して簡易な取付フレーム6を介して実質的に直接的に組み付けることが可能であり、それによりこのユニット2全体を十分に簡易なものとして小形軽量化とコストダウンを図ることが可能である。
勿論、本発明における送風機4としては、インバータによる可変風量の送風機や有圧換気扇に限ることなく適宜の形式、仕様の送風機を任意に採用可能であるが、いずれにしても送風機4としてはユニット2全体を可及的に簡易かつ小形、安価に構成できるものであることが好ましい。
勿論、ユニット2の形態は縦長とすることに限らず正方形あるいは横長とすることでも良いし、可能であれば架台5や取付フレーム6は省略しても良い。
したがって、上記のユニット2を所定規格で予め大量製作しておくことでその製作コストは十分に軽減し得るし、サーバー室への設置作業も小形軽量の個々のユニット2を順次設置していくだけの単純作業により短時間で安価に行い得る。
以下で説明する空調システムは、基本的には特許文献1や特許文献2に示されるシステムと同様に、サーバー室内に多数のサーバーラック11を配列するとともに、サーバー室内をコールドエリアとホットエリアに区分して空調機からの冷却空気をサーバー室内全体にわたって効率的に循環させるようにしたものである。
すなわち、サーバー室の床部を二重床により構成して床チャンバ12を設けてその上部に多数のサーバーラック11を配列するとともに、それらの列間にコールドエリアおよびホットエリア(それぞれ図中に(COLD),(HOT)として示す)を交互に設けたうえで、床チャンバ12内に上記のユニット2を所望台数組み合わせて構成したモジュール型顕熱処理装置1を床置きとして設置して、そのモジュール型顕熱処理装置1から冷風を床チャンバ12内に吹き出すようにしている。
この場合は、モジュール型顕熱処理装置1から床チャンバ12内に吹き出された冷風は、図中の矢印で示すように床チャンバ12からコールドエリアに流入し、サーバーラック11を通過してホットエリアから(図5に示す場合にはさらに天井チャンバ13および壁チャンバ14を経て、)モジュール型顕熱処理装置1に戻るように循環するものであり、サーバー室内においてそのような一方向流れを形成することでサーバーラック11全体に対する効率的な冷却を可能としたものである。
また、稼働後においても負荷変動や負荷偏在が生じたり、サーバーラック11の配置が変更されたような場合には、それに応じてユニット2の設置台数を増減したり、設置位置を自由に変更することで容易にかつ万全に対応可能である。
(1)潜熱負荷を処理する必要のないデータセンター等のコンピューター関連施設に設置するものとして顕熱のみを処理するための冷房専用機として構成し、かつ冷却コイル3に対して送風機4のみを組み付けた簡易な構成のユニット2を構成単位として、そのユニット2を所望台数組み合わせることを基本とするので、従来一般の各種の空調機に較べて十分に小形化、ローコスト化、省エネルギー化を図ることができる。
(2)ユニット2の組み合わせ台数の設定により小負荷から大負荷まで幅広く対応可能であって汎用性に優れ、負荷変動や負荷偏在に応じてユニット2の台数を増減することのみで容易にかつ万全に対応可能である。
(3)冗長性を考慮してユニット2の組み合わせ台数を設定することにより、データセンター等のコンピューター関連施設における空調システムとしての冗長性が向上し、高度の安定性や信頼性が確保される。
(4)床置きとして設置することはもとより、床チャンバや天井チャンバ、壁チャンバ内への埋め込みといった多様な設置パターンが選択可能であるため、空調システム設計の際の自由度が向上する。
(5)偏在する負荷に対して最適台数のユニットを最適位置に設置することで局所空調対応が可能であり、サーバー室全体として良好な温度環境を確保できるし、サーバーの配置や稼働率に対応する最適運転も可能である。
(6)新築施設のみならず既存施設においても、局所負荷増や全体負荷増等に対してサーバー室を増築したり床面積を拡大することなくユニット2の追加のみで対応可能であり、データセンター等のコンピューター関連施設としての事業性が向上する。
2 ユニット
3 冷却コイル
4 送風機
5 架台
6 フィルターボックス
11 サーバーラック
12 床チャンバ
13 天井チャンバ
14 壁チャンバ
15 冷却管
Claims (6)
- 顕熱負荷を処理するための単位冷却能力を有する冷却コイルに対して単位風量の処理対象空気を送風可能な送風機を組み付けてなる1モジュールのユニットを構成単位とし、処理すべき顕熱負荷に応じて前記ユニットを所望台数組み合わせ可能に構成されてなることを特徴とするモジュール型顕熱処理装置。
- 請求項1記載のモジュール型顕熱処理装置であって、
前記送風機はインバーター内蔵モータを一体に備えた可変風量の送風機であることを特徴とするモジュール型顕熱処理装置。 - 請求項1または2記載のモジュール型顕熱処理装置であって、
前記送風機は有圧換気扇であることを特徴とするモジュール型顕熱処理装置。 - 請求項1,2または3記載のモジュール型顕熱処理装置であって、
前記冷却コイルは、同等の冷却能力を有する全熱負荷処理用の冷却コイルに較べてチューブピッチおよびフィンピッチを大きく設定するとともにチューブ列数を多く設定した低圧力損失型の冷却コイルであることを特徴とするモジュール型顕熱処理装置。 - 請求項1,2,3または4記載のモジュール型顕熱処理装置をデータセンター等のコンピュータ関連施設におけるサーバー室に冷房専用の空調機として設置してなることを特徴とする空調システム。
- 請求項5記載の空調システムであって、
前記サーバー室に対する前記モジュール型顕熱処理装置の設置パターンを、床置き設置、二重床埋め込み設置、天井吊り設置、壁面設置のうちのいずれかを選択可能とし、かつ該モジュール型顕熱処理装置におけるユニットの組み合わせ台数を該サーバー室における顕熱負荷に応じて任意に設定可能かつ増減可能に構成してなることを特徴とする空調システム。
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