JP2003035441A - 通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法及び通信機器等を搭載するためのラック - Google Patents
通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法及び通信機器等を搭載するためのラックInfo
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Abstract
顕熱負荷処理を,ラックに供給する冷気以外にも求め,
機器の集積密度の限界を高め,かつファンの消費電力を
抑える。 【解決手段】 通信機器1を上下方向に搭載したラック
Lの側面に冷却パネルを21設ける。冷却パネルを21
内には,コンデンシングユニット29で処理された冷媒
が流れ,冷却パネル21の表面の温度は周囲温度より低
くなっている。ラックL内の顕熱負荷処理の一部が冷却
パネル21によって行われ,空調機11のファン13,
ラックLのファン2の負担が軽減する。
Description
をはじめとする発熱密度の高い機器を搭載したラックの
顕熱負荷の処理方法及び通信機器等を搭載するためのラ
ックの構造に関するものである。
の通信機器室には,サーバ等の発熱機器が設置されてお
り,単位床面積当たり500〜1000[W/m2]の顕熱負
荷が生じている。サーバ等の機能を維持するには,この
顕熱負荷を処理し,サーバ等の周辺空気温度を一定に保
つ必要がある。
に,壁際に床吹き型の空調機またはパッケージエアコン
101を設置すると共に,ラックL自体は上部にファン
102を有し,また下部に開口103が形成されて室R
内に設置され,サーバ等の機器104はこのラックL内
に搭載されている。そして,空調機またはパッケージエ
アコン101から二重床105の床下チャンバ106内
に冷気が供給され,これをラックLの下部から吸込み,
ラックLの上部から吐き出すことで,サーバ等の機器の
周辺空気を冷却するようにしていた。
ーバ等の集積密度が増加し,通信機器室の顕熱負荷密度
も増加する傾向にある。従来の方法では顕熱負荷密度が
増加した場合,ラックL内を通過させる風量を増加させ
る必要があり,その結果空調機またはパッケージエアコ
ン101の循環風量が増加する。
体とサーバ等の機器104にはさまれた流路を通過する
ことになるが,この流路の断面積を増加させるとラック
Lの設置スペースが増大してしまうため,増加させるこ
とが難しい。また二重床105の高さを高くすると通信
機器室Rの建設費の増大を招くため,高くすることが難
しい。このため顕熱負荷密度が増加して風量が増加する
と,風速が上昇し,ラックL内や二重床105内の圧損
が増加する。
は,風量とラックL内の圧損の積に比例する。空調機ま
たはパッケージエアコン101のファン動力は,風量と
二重床内の圧損の積に比例する。したがって,顕熱負荷
密度が一定以上になると,両ファンの消費電力が膨大な
ものとなり,実質上システムが成り立たなくなる。つま
り従来方法では,サーバ等の機器104の集積密度の限
界値が低い。
がダウンした場合に,二重床105の床下チャンバ10
6内への冷気の供給が止まり,顕熱負荷処理がすぐにで
きなくなる。通信機器室Rは1年365日・24時間,
常に機能を維持する必要があるため,空調を停止させる
ことができない。この点に関しては,従来においても,
冷熱源や空調機等に予備機を設けて,空調の全面ダウン
を回避している。しかしこの方法では,顕熱負荷密度が
増加するに従って予備熱源容量も膨大になり,空調設備
費の上昇を招いてしまう。また空調管理者の負担も大き
い。さらにまた電気代等のランニングコストも高い。
であり,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理
を,ラックに供給する冷気に頼るだけでなく,それ以外
の手段で行うことにより,サーバをはじめとする各種通
信機器等の集積密度の限界点を高くし,かつファンの消
費電力を抑えることを目的としている。さまた空調機の
電力消費を昼間から夜間に移行することで,電力料金を
節約することも目的としている。さらに本発明の別な目
的は,通信機器室の冷熱源がダウンした場合でも顕熱負
荷処理を継続し,ラック内の急激な温度上昇を抑えるこ
とによって,故障対応の時間を稼ぐことにある。
め,請求項1の発明によれば,通信機器等を上下方向に
搭載したラックの顕熱負荷を処理する方法であって,前
記ラックに冷却パネルを設けることを特徴とする,通信
機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法が提供され
る。
と,ラックとサーバ等の機器にはさまれた流路は,ラッ
ク下部から供給される冷気が通過するだけでなく,各サ
ーバ等の有する排気ファンの温排気も通過する。また通
信機器室において採用されている二重床内は,空調用の
冷気が通過する。そのためラックや例えば二重床の上下
の床面の表面は,常に空気が流動する状態となってい
る。従ってここに設置したパネルの表面温度を,パネル
近傍空気温度より下げることで,空気からパネルに熱伝
達が生じ,パネル近傍空気が冷却される。このようにし
て,近傍空気より低温のパネルは近傍空気を冷却し,サ
ーバからの排熱で加熱された空気を冷却することができ
る。
合には,当該床面又は下層の床面に冷却パネルを設けて
もよい。これによって,二重床のチャンバ内を流れる通
信機器室の循環空気を冷却することができる。
ックの側面に設けることが好ましい。側面は面積が大き
い上に,ラック同士の間仕切りとして固定されている。
したがって,側面に設けるのがよい。ラック側面でも,
より近傍空気温度が高温となる,側面上部のみに設置し
てもよい。この場合,二重床〜ラックに供給する冷気で
冷却する従来方法と比較すると,ラック内の温度上下分
布をより小さくすることが可能である。
例えば水や冷媒などを通流させる流路を有しているよう
に構成してもよい。
し,流路には銅管・アルミ管等を使用することが提案で
きる。冷却パネル内を通過させた熱媒は,配管で通信機
器室外に取出して,チラーまたはコンデンシングユニッ
トなどで冷却するとよい。
ように,前記熱媒の温度を制御すれば,ラックに搭載し
ている通信機器,電算機等に水等による不測の事態を生
ずるのを防止できる。制御例としては,例えば熱媒に冷
水を用いる場合には,冷水供給温度を室内空気の設定露
点温度より高くすることが好ましい。また熱媒に冷媒を
用いる場合には,冷媒蒸発温度を室内空気の設定露点温
度より高くするとよい。
したり,冷却パネルに代えて,潜熱蓄熱材を有する蓄冷
パネルを用いてもよい。パネル近傍の空気の温度がパネ
ル表面温度より低いと,パネルから空気に熱伝達が生ず
る。蓄冷パネルは,パネル内に熱容量と熱伝導率の大き
い物質を充填したもので,パネル近傍空気から得た冷熱
を蓄える。充填材としては,通信機器室の空調機等の給
気温度より0〜10℃高い融点を持つ,潜熱蓄熱材,例
えばパラフィン,塩化カルシウム六水塩,グリセリン,
アルコール類が好ましい。この蓄冷パネルは,例えば冷
熱源がダウンした場合に,パネル近傍空気の冷却を継続
するために使用する。さらに冷却パネルや蓄冷パネルの
潜熱蓄熱材については,凝固点の異なった潜熱蓄熱材を
使用すれば,冷熱源正常運転時の蓄放冷運転と,冷熱源
異常停止時のバックアップ運転を共に可能とすることが
できる。この場合,1のパネル自体に異なった凝固点を
有する潜熱蓄熱材を区画して収納したり,あるいはパネ
ル毎に異なった
バの上下面もしくはラック側面下部が望ましい。これ
は,二重床内の空気温度やラック下部の空気が低温で,
蓄冷が容易なためである。万一冷熱源がダウンした場合
でも,ラックファンまたは空調機ファンが運転していれ
ば,二重床内空気は蓄冷パネルで冷却されるため,一定
時間通信機器室の顕熱負荷を処理できる。しかも蓄冷パ
ネル自体に可動部はないので故障の可能性はほとんど無
く,一度設置してしまえば保守管理の必要が無い。
さらに熱容量と熱伝導率の大きい潜熱蓄熱材を設けた,
いわばハイ−ブリッドタイプのパネルは,とりわけ顕熱
負荷密度が高く,かつ高い信頼度を要求されるサーバ等
が収納されているラックに設けることが適している。か
かる複合パネルを取り付けた場合,仮に通信機器室の冷
熱源・空調機等のファン・ラック上部のファンがダウン
しても,サーバ等に設けられている小型のファンがラッ
クとサーバ等にはさまれた流路の空気を動かすため,冷
却・蓄冷パネルが引き続きパネル近傍空気を冷却するこ
とができ,ラック内の顕熱負荷処理が続行でき,ラック
内の急激な温度上昇を抑えることができる。
ン又は溝を設ければ,パネルの表面積が増大し,パネル
近傍空気とパネル表面の間の熱伝達が大きくなる。また
パネル表面が乱流状態になり,かかる点からも表面熱伝
達率が増加する。
使用されるラックは,潜熱蓄熱材を有する蓄冷ユニット
を有している。ラックが設置されている通信機器室の空
調が正常な場合,蓄冷ユニットはラック内部の気流温度
と等しい温度になっている。そして空調が停止するとラ
ック内部の気流温度はだんだん上昇してくるが,蓄冷ユ
ニットの温度は近傍空気温度より低いので,ラック内部
の気流が蓄冷ユニットによって冷却される。
られていることが好ましい。空調運転時にはラック下部
の気流温度がラック上部より低くなっており,ラック下
部に設置した方が蓄冷量が多くなるためである。また空
調故障時に,ラック内気流の上流側であるラック下部に
蓄冷ユニットがある方が,ラック内部を均一に冷却でき
るからである。蓄冷ユニット自体に空気の流路が,例え
ば垂直方向に形成されていることが好ましい。
蓄冷材モジュールによって構成されていることが好まし
い。それによって,蓄冷材とラック吸込み空気の接触面
積が広くなって伝熱面積が増加し,また蓄冷材の厚みが
小さくなり蓄冷材自体の断熱効果が減少するからであ
る。蓄冷材モジュール表面にフィン・凸凹・突起等を設
ければ,蓄冷材モジュールとラック内部の気流の熱交換
を更に促進することができる。この場合,各蓄冷材モジ
ュール相互間に空気の流路が形成されていることが好ま
しい。
アルコール類,グリセリン,塩化カルシウム六水塩を用
いることができる。また蓄冷ユニットに凝固点の異なっ
た潜熱蓄熱材を使用すれば,冷熱源や空調機の異常停止
時のバックアップ運転や,冷熱源正常運転時の後述の蓄
放冷運転を共に可能とすることができる。
て,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷を処理する
場合,ラックに供給する空気の温度を下げて潜熱蓄熱材
を凝固させる工程を有すれば,例えば安価な夜間電力を
使用して潜熱蓄熱材に蓄冷することができ,昼間の運転
に対処することができる。
ックに供給する空気の温度を上げて潜熱蓄熱材を融解さ
せることで,蓄冷ユニットから放冷させて搭載する通信
機器等を冷却することができる。こうしてラックに空調
空気を供給する空調機の電力消費を昼間から夜間に移行
することで電力料金を節約することが可能になる。
ように,ラックに搭載するファンの回転数や運転台数を
変化させてラックを通過する風量を制御することで,搭
載している通信機器の周辺温度を一定に保つことが可能
になる。またラック毎に顕熱負荷の大きさが異なる場合
でも,全てのラックにおいて搭載している通信機器の周
辺温度を一定に保つことが可能になる。また蓄冷時間中
のラックの通過風量を減らしてラックに搭載するファン
の消費電力を減らしたり,放冷時間中にラック通過風量
を増やしてラックに供給する空気温度を高めに設定し,
空調機冷熱源の運転効率を高めることが可能になる。
態について説明する。図1は第1の実施の形態にかかる
処理方法を実施するための空調システムを有する通信機
器室Rの室内の様子の概要を示しており,この図示の例
では室内に,通信機器等1を搭載したラックLが複数配
置されている。
底部には開口3が形成されている。サーバ等の通信機器
1は,ラックL内に設けられているレール(図示せず)
上に固定され,多段に積層されている。通信機器室R
は,二重床構造を有しており,床面Fの下には,床下チ
ャンバ4が形成されている。ラックLは床面Fに形成さ
れた吹出口の上に開口3が位置するように設置されてい
る。
機11が設置されている。この空調機11は,通信機器
室R内の上部に設けられた吸込口12から回収した還気
に対して処理を行い,冷却コイル等で処理した後,ファ
ン13によって床下チャンバ4内に吹き出すように構成
されている。
2に示した冷却パネル21が設けられている。この冷却
パネル21は,パネル本体22と,このパネル本体22
の両端に設けられたフレーム23とを有している。パネ
ル本体22は,熱伝導率の良好な材質,例えばアルミニ
ウムからなる。またパネル本体22の前面,後面の各表
面には,図3にも示したように,水平方向の溝23aが
上下に並んで設けられ,表面積の増大が図られている。
この溝23aに代えて,もちろんフィン,凹凸,突起等
を設けてもよい。
に,鋼管,アルミ管からなる熱媒を流通させる流路24
が配管されている。第1の実施の形態では,熱媒として
冷媒,例えばR407Cを使用している。そして流路2
4におけるパネル本体22の入口には,膨張弁25が設
けられている。
22に対して出入りするようになっており,膨張弁25
に通ずる入口管26と,出口管27は,各々対応する通
信機器室Rに配管されている冷媒往管28a,冷媒還管
28bからなる冷媒管28に接続されている。
デンシングユニット30に通じており,パネル本体22
での熱交換によって昇温した冷媒は,出口管27,冷媒
還管28bからコンデンシングユニット29に送られて
降温され,その後冷媒往管28a,入口管26を通じ
て,膨張弁25によってパネル本体22内の流路24に
通流するようになっている。
方法を実施するためのシステムは以上の構成を有してい
るので,通信機器室の顕熱負荷の一部を冷却パネル21
に処理させることができ,サーバ等の発熱機器1が高密
度に集積した通信機器室Rでも支障無く空調できる。ま
たそのように,通信機器室R内に設置されているラック
Lの顕熱負荷の一部が冷却パネル21に処理されている
から,空調機11によって床下チャンバ4内に供給する
冷気の風量を減らし,ラックLと空調機11等のファン
やラックLのファン2の動力を節約できる。
熱負荷密度3[kW/m2]の通信機器室において,空調機1
1からの給気温度を15℃,排気温度を40℃とした場
合の試算によれば,ラックL側面に冷却パネル(15
℃)を設置した場合,従来方法の約50%の風量が削減
できることがわかった。
ると,ラックL内は上部が約40℃,下部が約15℃と
なり,サーバ等の通信機器1周辺の気温は大体同じであ
ったが,両者の風速分布図を見ると,従来方法では本実
施の形態よりも,ラック上部のファンの吹出し口付近
と,床下チャンバの風速が大きいことがわかった。また
ラックと通信機器にはさまれた流路の風速も大きく,下
部の開口付近では渦が生じていた。したがって,本実施
の形態による方法は,従来方法より風量は少ないが,温
度分布では同等の性能を有することが分かった。
の顕熱負荷の一部が冷却パネル21によって処理される
ので,従来と比較するとラックLに搭載できる通信機器
等の台数を増加させることができ,搭載する機器の集積
密度を向上させることが可能である。
パネル近傍空気の温度を測定し,その測定結果に基づい
て,流路24内を流れる冷媒の蒸発温度を,通信機器室
Rの室内空気露点温度よりも高く制御することで,パネ
ル本体22表面に結露が発生することを防止できる。
1の流路24を流れる熱媒として冷媒を採用したが,こ
れに代えて取り扱いが容易な冷水を用いてもよい。その
場合には,冷媒管に代えて冷水管を室内に配管し,膨張
弁25に代えて流量調整弁,例えば,電導二方弁を使用
すればよい。
は,そのように熱媒として冷水を使用する冷却パネル4
1をラックL間の側面に設置している。したがって,通
信機器室Rには,冷水往管42と冷水還管43が配管さ
れており,これら冷水往管42と冷水還管43はチラー
44に接続されている。
面の上部には,前記冷却パネル41を設け,側面下部に
は,図6に示した蓄冷パネル51を設けている。この蓄
冷パネル51は,外観構成は,前記冷却パネル21,4
1と同一であり,パネル本体52の前面,後面には溝5
2aが多数形成されている。そして内部には流路は形成
されておらず,空調機11の給気温度より5〜10℃高
い融点を持つ潜熱蓄熱材53が充填されている。
ル41,側面下部に蓄冷パネル51を設置した場合に
は,万一冷熱源がダウンした場合でも,ラックLのファ
ン2または空調機11のファン13が運転していれば,
ラックL内を流れる給気は蓄冷パネル51によって冷却
されるため,一定時間は,通信機器室Rの顕熱負荷を処
理できる。
1のファン13が停止しても,サーバ等の通信機器1に
は小型のファンが搭載されているので,図7に示したよ
うに,ラックLと冷却パネル41,蓄冷パネル51との
間に挟まれた空間の空気を動かし,ある程度の時間,サ
ーバ等の通信機器1の周辺温度は急激には高くならず,
しばらく支障無く稼働させることができ,すぐにシステ
ム全体がダウンすることを防止できる。
ので故障の可能性はほとんど無く,一度設置してしまえ
ば保守管理の必要が無い。
おいて,二重床の床面Fや床下チャンバの床面(下層の
床面)に,図8に示した蓄冷パネル61を設置してもよ
い。この蓄冷パネル61は,表面は平坦で裏面にはフィ
ン62が設けられている。そしてパネル本体63内に
は,潜熱蓄熱材64が充填されている構成である。
面Fや床下チャンバの床面(下層の床面)に設置するこ
とで,床下チャンバ内を流れる給気を冷却することがで
き,冷熱源がダウンした場合でも,床下チャンバ内を流
れる給気を一定時間冷却することができるので,故障の
対応までの時間をより稼ぐことが可能である。
お同一部材等については同一符号を用いて個々の説明は
省略している。この実施の形態では,ラックLの下部に
蓄冷ユニット71を搭載している。蓄冷ユニット71
は,図9,図10に示したように,全体として直方体の
形状をなし,ラックL内に搭載可能な外形を有してい
る。なお図10(a)は,蓄冷ユニット71の平面図,
(b)は同側面図,(c)は,同一部拡大横断面図であ
る。
の蓄冷材モジュール72を横に並べた構成を有してい
る。各蓄冷材モジュール72相互間には隙間が形成され
ている。蓄冷材モジュール72は,例えば適宜のフレー
ム材にビス止めするなどして,全体として1個の蓄冷ユ
ニットを構成することができる。各蓄冷材モジュール7
2の内部には,潜熱蓄熱材73が充填されている。また
各蓄冷材モジュール72の表面には,フィン74が設け
られている。
あたっては,適宜のアングル状の支持材(図示せず)を
ラックL内の両側に取り付けて,その上に載置したり,
あるいは搭載する通信機器等1の外形と同一の形状とす
ることで,通信機器等1の搭載と全く同様な搭載の方法
を採ることができる。
サーバ等の機器を載置するためのマウントスペースを有
している。これはパネルマウントフレーム75に重量用
サポートアングル76と前面板77とをビス78によっ
てビス止めしてなる空間であり,その上にサーバ等を載
せるようになっている。そして前面板77のビス78を
外せば,サーバ等が手前に引き出せるようになってい
る。このマウントスペースを,蓄冷ユニット71の設置
空間として利用すれば,特に最下部のマウントスペース
を利用すると,設備の改変を必要とせずに好適にサーバ
等の冷却効果が得られる。図11は蓄冷ユニット71を
搭載したときの平面の様子を示している。
と同様,冷却パネル21と蓄冷パネル51も併用してい
る。もちろんこれら冷却パネル21と蓄冷パネル51の
使用は任意である。なお冷却パネル21はコンデンシン
グユニット29から冷水管75(往管,還管の別は省略
している)を通じて循環される冷却水で冷却されるもの
を使用している。
ば,床下チャンバ4からの空調空気によって蓄冷ユニッ
ト71及び蓄冷パネル51が冷却され,各々の潜熱蓄熱
材73,53に蓄冷される。また蓄冷ユニット71と蓄
冷パネル51の凝固点をずらすことで,蓄冷ユニット7
1は夜間蓄冷及び昼間放冷用,蓄冷パネル51は冷熱源
ダウン時のバックアップ用(あるいはその逆の用い方も
可)として使用することができる。冷熱源が正常運転し
ている場合は,蓄冷ユニット71や蓄冷パネル51によ
って空調機の電力消費を昼間から夜間に移行して電気代
を節約することが可能である。
のファン2または空調機11のファン13が運転してい
れば,ラックL内を流れる給気は蓄冷パネル51や蓄冷
ユニット71によって冷却されるため,一定時間は,通
信機器室Rの顕熱負荷を処理できる。また給気の上流側
であるラックLの下部に蓄冷ユニット71が設けられて
いるので,ラックL内部を均一に冷却することが可能で
ある。
Lの下部に蓄冷ユニット71,側面上部に冷却水によっ
て冷却されるタイプの冷却パネル21,側面下部に蓄冷
パネルを用いていたが,図12に示したように,ラック
Lの下部に通信機器等1と同様の形状を有する蓄冷ユニ
ット81を搭載し,ラックLの側面にコンデンシングユ
ニット29の冷媒によって冷却されるタイプの冷却パネ
ル21を設け,さらに床下チャンバ7の内部の床面,す
なわち二重床下面に床用の蓄冷パネル61を設置するよ
うにしてもよい。
ト71及び蓄冷パネル61が空調空気によって冷却さ
れ,潜熱蓄熱材73,64が蓄冷される。そして蓄冷ユ
ニット81と蓄冷パネル61の潜熱蓄熱材に凝固点が異
なったものを使用することで,図9に示した例と同様
に,冷熱源正常運転時の蓄放冷運転と冷熱源異常停止時
のバックアップ運転が共に可能となる。
ラックが設置されている通信機器室Rの運転例について
説明する。蓄冷ユニットの蓄冷材モジュールに充填され
ている潜熱蓄熱材は,凝固点約16℃,融解点約20℃
のものである。そして22時から8時まで蓄冷運転,8
時から16時まで放冷運転をした場合の,各種温度と冷
却熱量の時間変化計算例を図13,図14に示した。図
13は,ラックの入口温度等の時間の変化を示し,図1
4は,空調機と蓄冷ユニットの冷却熱量の時間変化を示
している。
温度が凝固点を下回り,潜熱蓄熱材が凝固している。こ
のとき空調機の冷却熱量は大きくなっているが,夜間電
力を使用できるため,電気代はその分割安になってい
る。そしてその後8時から放冷運転が開始されるが,蓄
冷ユニット71から放冷されているので,空調機11の
冷却熱量は低くなっており,消費電力が少なくて済む。
したがって,24時間通して考慮すると,全体として電
気代が節約できる。
ラックの顕熱負荷処理を冷却パネルや蓄冷パネル,蓄冷
ユニット等が一部処理することができるので,サーバ等
の高発熱機器の集積密度の限界を高め,かつ空調機のフ
ァンの消費電力を抑えることができる。また空調機の電
力消費を昼間から夜間に移行することで,電気代を節約
することができる。さらにまた通信機器室の冷熱源がダ
ウンした場合に顕熱負荷処理を一定時間継続して,故障
対応の時間を稼ぐことで,冷熱予備機容量を減らし,空
調管理者の負担を軽減することが可能である。
するための空調システムが適用された通信機器室の概略
を示す説明図である。
ルの斜視図である。
図である。
するための空調システムが適用された通信機器室の概略
を示す説明図である。
ている小型ファンによるラック内の気流の様子を示した
斜視図である。
た通信機器室の概略を示す説明図である。
(b)は側面図,(c)は一部拡大横断面図である。
搭載した際の平面図である。
用された通信機器室の概略を示す説明図である。
時間変化を示すグラフである。
トの冷却熱量の時間変化を示すグラフである。
Claims (19)
- 【請求項1】 通信機器等を上下方向に搭載したラック
の顕熱負荷を処理する方法であって,前記ラックに冷却
パネルを設けることを特徴とする,通信機器等を搭載し
たラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項2】 通信機器等を上下方向に搭載したラック
の顕熱負荷を処理する方法であって,前記ラックが設置
された二重床の床面又は下層の床面に冷却パネルを設け
ることを特徴とする,通信機器等を搭載したラックの顕
熱負荷処理方法。 - 【請求項3】 前記冷却パネルは,ラックの側面に設け
られていることを特徴とする,請求項1に記載の通信機
器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項4】 前記冷却パネルは,パネル本体の内部に
熱媒を通流させる流路を有していることを特徴とする,
請求項1,2又は3に記載の通信機器等を搭載したラッ
クの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項5】 パネル表面が結露しないように,前記熱
媒の温度を制御することを特徴とする,請求項4に記載
の通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項6】 前記冷却パネルは潜熱蓄熱材を有するこ
とを特徴とする,請求項1,2,3,4又は5に記載の
通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項7】 前記冷却パネルに替えて,潜熱蓄熱材を
有する蓄冷パネルを用いることを特徴とする,請求項
1,2又は3に記載の通信機器等を搭載したラックの顕
熱負荷処理方法。 - 【請求項8】 パネル表面に少なくとも凹凸,突起,フ
ィン又は溝が設けられていることを特徴とする,請求項
1,2,3,4,5,6又は7に記載の通信機器等を搭
載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項9】 通信機器等を搭載するために使用される
ラックであって,潜熱蓄熱材を有する蓄冷ユニットを有
することを特徴とする,通信機器等を搭載するためのラ
ック。 - 【請求項10】 前記蓄冷ユニットは,ラックの下部に
設けられていることを特徴とする,請求項9に記載の通
信機器等を搭載するためのラック。 - 【請求項11】 前記蓄冷ユニットは,複数の細幅形状
の蓄冷材モジュールによって構成されていることを特徴
とする,請求項9又は10に記載の通信機器等を搭載す
るためのラック。 - 【請求項12】 前記蓄冷材モジュールの表面には,少
なくともフィン,凹凸又は突起が設けられていることを
特徴とする,請求項11に記載の通信機器等を搭載する
ためのラック。 - 【請求項13】 前記潜熱蓄熱材は,パラフィン,アル
コール類,グリセリン又は塩化カルシウム六水塩である
ことを特徴とする,請求項6,7,9,10,11又は
12に記載の通信機器等を搭載するためのラック。 - 【請求項14】 前記蓄冷ユニットは,凝固点の異なっ
た潜熱蓄熱材を有することを特徴とする,請求項9,1
0,11,12又は13に記載の通信機器等を搭載する
ためのラック。 - 【請求項15】 請求項9,10,11,12,13又
は14に記載の通信機器等を搭載するためのラックを用
いて,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷を処理す
る方法であって,ラックに供給する空気の温度を下げて
潜熱蓄熱材を凝固させる工程を有することを特徴とす
る,通信機器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項16】 潜熱蓄熱材が凝固した後,ラックに供
給する空気の温度を上げ,潜熱蓄熱材を融解させる工程
を有することを特徴とする,請求項15に記載の通信機
器等を搭載したラックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項17】 前記冷却パネルは,凝固点の異なった
潜熱蓄熱材を有するか,あるいはパネル毎に凝固点の異
なった潜熱蓄熱材を有する複数のパネルからなることを
特徴とする,請求項6に記載の通信機器等を搭載したラ
ックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項18】 前記蓄冷パネルは,凝固点の異なった
潜熱蓄熱材を有するか,あるいはパネル毎に凝固点の異
なった潜熱蓄熱材を有する複数のパネルからなることを
特徴とする,請求項7に記載の通信機器等を搭載したラ
ックの顕熱負荷処理方法。 - 【請求項19】 ラックに供給する空気の温度を変化さ
せる場合,ラックから排気の温度を一定にするように,
各ラックに搭載するファンの回転数又は運転台数を変化
させてラックを通過する風量を制御することを特徴とす
る,請求項15又は16に記載の通信機器等を搭載した
ラックの顕熱負荷処理方法。
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